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明細書 :無線LANシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4944822号 (P4944822)
公開番号 特開2009-232374 (P2009-232374A)
登録日 平成24年3月9日(2012.3.9)
発行日 平成24年6月6日(2012.6.6)
公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
発明の名称または考案の名称 無線LANシステム
国際特許分類 H04W  24/02        (2009.01)
H04W  84/12        (2009.01)
H04W   4/04        (2009.01)
FI H04Q 7/00 241
H04Q 7/00 630
H04Q 7/00 110
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願2008-077895 (P2008-077895)
出願日 平成20年3月25日(2008.3.25)
審査請求日 平成22年7月9日(2010.7.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】関 清隆
個別代理人の代理人 【識別番号】100100413、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 温
審査官 【審査官】石井 則之
参考文献・文献 特開2007-074241(JP,A)
特開2003-348000(JP,A)
特開2005-35352(JP,A)
調査した分野 H04B 17/00
H04B 7/24-26
H04W 4/00-99/00
特許請求の範囲 【請求項1】
線状の形成されたエリア内にある無線LAN端末と無線によるIP通信を行う無線LANシステムであって、
前記エリアに配置された複数のアクセスポイントと、
前記アクセスポイントの作動を制御する無線LAN管理装置と、
前記アクセスポイントの動作状況及び当該アクセスポイントがカバーする範囲を記憶する情報管理部と、を有し、
前記無線LAN管理装置は、
所定の時間毎に起動されて前記アクセスポイントが正常に作動しているか否かを検査して当該アクセスポイントの動作状況を前記情報管理部に記憶するAP動作確認部と、
前記情報管理部から前記アクセスポイントの前記動作状況を読み出し、正常に動作している前記アクセスポイントの起動・停止を決定して当該アクセスポイントの作動を制御するAP動作制御部と、を有し、
前記AP動作制御部は、
前記エリアの最も起点側をカバーするアクセスポイントを前記情報管理部から抽出し、抽出した前記アクセスポイントのそれぞれを含むリストを生成する第1のステップ、
前のステップで抽出された前記アクセスポイントの各々に対して、当該アクセスポイントがカバーする範囲の終点をカバーするアクセスポイントを前記情報管理部から抽出して前記リストに追加する第2のステップ、及び、
前記エリアの終点に達するまで前記第2のステップを繰り返し、前記エリアの全体をカバーする前記アクセスポイントの組からなる前記リストを生成し、前記リストのうち前記アクセスポイントの数が最も少ないリストを選択し、当該リストに含まれる前記アクセスポイントを起動し、それ以外の前記アクセスポイントを停止する第3のステップ、を実行するように構成された無線LANシステム。
【請求項2】
前記第2のステップにおいて、
前のステップで抽出された前記アクセスポイントがカバーする範囲の終点をカバーするアクセスポイントが前記情報管理部に存在しないときに、前記情報管理部に記憶されている前記アクセスポイントのうち、当該アクセスポイントがカバーする範囲の始点が、前記終点に最も近いアクセスポイントを抽出するように構成された請求項1に記載の無線LANシステム。
【請求項3】
前記アクセスポイントに2以上の異なるチャネルのいずれかを割り当ててIP通信を行うように構成されたときに、
前記AP動作制御部は、
前記チャネルのうちいずれか一つのチャネルを選択し、前記チャネルのいずれかが割り当てられていない前記アクセスポイントに対して前記第1から第3のステップを実行し、選択された前記アクセスポイントを当該チャネルで動作させる、という処理を前記チャネルのすべてに対して繰り返し実行するように構成された請求項1または2に記載の無線LANシステム。
【請求項4】
前記AP動作制御部は、前記アクセスポイントの動作状況が変化したときに実行されるように構成された請求項1~3いずれか一項に記載の無線LANシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、エリア内にある無線LAN端末と無線によるIP通信を行う無線LANシステムに関し、特に詳細には同一チャネルを使用する複数のアクセスポイントの作動を動的に制御することにより、アクセスポイント間の干渉を少なくすることができる無線LANシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道沿線など広範囲にわたって無線LANサービスを実現する場合には、複数のアクセスポイントを、サービスエリアをカバーするように配置する必要がある。また、アクセスポイントの故障時にもサービスを提供できるようにするためには、ある程度冗長にアクセスポイントを配置する必要がある。このような複数のアクセスポイントから最適なアクセスポイントを選択して接続する方法としては、無線LAN端末が干渉の少ないチャンネルをサーチして使用するチャネルを選択し、他の端末がそのチャネルを使う方式(例えば、特許文献1参照)や、無線LAN端末が雑音の少ないチャネルを探査して選択する方式(例えば、特許文献2参照)が開発されている。

【特許文献1】特開2006-352835号公報
【特許文献2】特開平8-149132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、アクセスポイントを多数配置すると、同一チャネルを使用しているために、相互に干渉を与え伝送品質が低下するという課題がある。したがって、必要以上のアクセスポイントが設置されている場合には、どのアクセスポイントを使用するかを、アクセスポイントの故障状態等を動的に判断して決定し、サービスを安定して提供できるアクセスポイントを起動し、残りのアクセスポイントを停止させるという制御を行う必要がある。
【0004】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、同一チャネルを使用する複数のアクセスポイントの作動を動的に制御することにより、アクセスポイント間の干渉を少なくすることができる無線LANシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明に係る無線LANシステムは、線状に形成されたエリア内にある無線LAN端末と無線によるIP通信を行うシステムであって、エリアに配置された複数のアクセスポイントと、これらのアクセスポイントの作動を制御する無線LAN管理装置と、アクセスポイントの動作状況及び当該アクセスポイントがカバーする範囲を記憶する情報管理部と、を有して構成される。また、無線LAN管理装置は、所定の時間毎に起動されてアクセスポイントが正常に作動しているか否かを検査して当該アクセスポイントの動作状況を情報管理部に記憶するAP動作確認部と、情報管理部からアクセスポイントの動作状況を読み出し、正常に動作しているアクセスポイントの起動・停止を決定して当該アクセスポイントの作動を制御するAP動作制御部と、を有する。そして、AP動作制御部は、エリアの最も起点側をカバーするアクセスポイントを情報管理部から抽出し、抽出したアクセスポイントのそれぞれを含むリストを生成する第1のステップ、前のステップで抽出されたアクセスポイントの各々に対して、当該アクセスポイントがカバーする範囲の終点をカバーするアクセスポイントを情報管理部から抽出してリストに追加する第2のステップ、及び、エリアの終点に達するまで第2のステップを繰り返し、エリアの全体をカバーするアクセスポイントの組からなるリストを生成し、これらのリストのうちアクセスポイントの数が最も少ないリストを選択し、当該リストに含まれるアクセスポイントを起動し、それ以外のアクセスポイントを停止する第3のステップ、を実行するように構成される。
【0006】
このような本発明に係る無線LANシステムは、第2のステップにおいて、前のステップで抽出されたアクセスポイントがカバーする範囲の終点をカバーするアクセスポイントが情報管理部に存在しないときに、この情報管理部に記憶されているアクセスポイントのうち、当該アクセスポイントがカバーする範囲の始点が、前のステップで抽出されたアクセスポイントがカバーする範囲の終点に最も近いアクセスポイントを抽出するように構成されることが好ましい。
【0007】
また、このような本発明に係る無線LANシステムは、アクセスポイントに2以上の異なるチャネルのいずれかを割り当ててIP通信を行うように構成されたときに、AP動作制御部は、これらのチャネルのうちいずれか一つのチャネルを選択し、前記チャネルのいずれかが割り当てられていない前記アクセスポイントに対して第1から第3のステップを実行し、選択されたアクセスポイントを当該チャネルで動作させる、という処理をチャネルのすべてに対して繰り返し実行するように構成されることが好ましい。
【0008】
さらに、このような本発明に係る無線LANシステムにおいて、AP動作制御部は、アクセスポイントの動作状況が変化したときに実行されるように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る無線LANシステムを以上のように構成すると、高品質な無線LAN通信を実現することができるとともに、無線通信システムの信頼性を高めることができる。また、不要な電波の送出を停止することで、この無線LANシステムで消費するエネルギー(電力)を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用いて本発明に係る無線LANシステムについて説明する。この無線LANシステム1は、例えば鉄道Rを走行する列車Tに搭載された無線LAN端末7と地上とのIPによるデータ通信を提供するものであり、鉄道沿線のように線状に延びるエリアに所定の間隔を空けて配置される複数のアクセスポイント4と、このアクセスポイン4間をつなぎ、ネットワークを流れるデータの制御を行うスイッチ3と、複数のアクセスポイント4の動作状態の管理及び制御を行う無線LAN管理装置2とから構成される。なお、図1に示すように、沿線のエリアにアクセスポイント4として、AP1~AP5の5台のアクセスポイントが設置されている場合に、これらのアクセスポイント4は、冗長に配置されており、例えば、AP2に障害が発生しても、AP1とAP3とにより通信エリアが確保できるように配置されている。
【0011】
無線LAN管理装置2は、例えば、線区を統括管理する指令所または駅に設置されており、沿線に配置されたアクセスポイント4とはスイッチ3等を介してIP接続されている。この無線LAN管理装置2は、例えばハードディスク等の外部記憶装置で構成された情報管理部6を有し、管理対象のアクセスポイント4の情報を図2に示すデータ構造を有するアクセスポイント管理情報61として記憶している。このアクセスポイント管理情報61は、アクセスポイント4を識別するための識別情報を記憶するAP名称カラム61aと、各々のアクセスポイント4の動作状況を管理する動作状況カラム61bと、各々のアクセスポイント4の設置位置(例えば、通信サービス対象エリアの起点からの距離)を管理する設置位置カラム61cと、各々のアクセスポイント4がカバーする範囲を管理する始点カラム61d及び終点カラム61eとから構成される。なお、動作状況カラム61bを除くこれらの情報は予めこの情報管理部6にアクセスポイント管理情報61として記憶されている。
【0012】
この無線LAN管理装置2は、図3に示すように、アクセスポイント4の動作状況を確認して情報管理部4のアクセスポイント管理情報61に記憶するAP動作確認部21と、アクセスポイント管理情報61等を用いてアクセスポイント4の作動を制御するAP動作制御部22とから構成され、これらのAP動作確認部21及びAP動作制御部22は、LANインタフェース(LAN I/F)23を介してスイッチ3及びアクセスポイント4とIPパケットの送受信を行うように構成されている。
【0013】
また、アクセスポイント4は、図4に示すように、スイッチ3とIPパケットの送受信を行うLANインタフェース(LAN I/F)41と、アンテナ46を介して列車Tに搭載された無線LAN端末7と無線LAN通信を行う無線LANインタフェース(無線LAN I/F)42と、LANインタフェース41及び無線LANインタフェース42との間のIPパケットの送受信を制御する通信処理部43と、このアクセスポイント4の動作状態を監視する状態監視部44と、無線LANインタフェース42に供給される電源を制御することにより、このアクセスポイント4の動作を制御する電源制御部45とから構成される。
【0014】
無線LAN管理装置2が起動されると、AP動作確認部21は、各々のアクセスポイント4の状態監視部44と通信を行い動作状態の取得を行う。動作状態の取得方法としては、アクセスポイント4に備わっている管理用手段(例えばWebブラウザによるアクセス、専用ツールを用いたアクセス、など)により実現される。AP動作確認部21は、アクセスポイント4から無線LANインタフェース42が異常であるとの通知を受けた場合や、アクセスポイント4からの応答が規定時間内にない場合などは、当該アクセスポイント4の異常と判定し、アクセスポイント管理情報61における該当するアクセスポイント4の動作状況カラム61bに「障害」と記録する。反対に、アクセスポイント4から無線LANインタフェース42が正常に動作しているとの応答を受信した場合には、動作状況カラム61bに「動作中」と記録し、停止中であるとの応答を受信した場合には動作状況カラム61bに「停止中」と記録する。なお、このAP動作確認部21は、上記起動時の処理以降も、所定の時間間隔で実行されて、上記処理を行い、アクセスポイント4の動作状態を取得してアクセスポイント管理情報61に記録する。
【0015】
無線LAN管理装置2の起動時において、AP動作確認部21の処理が終了すると、次に、AP動作制御部22が実行される。上述のように、この無線LANシステム1においては、アクセスポイント4は冗長に配置されているので、AP動作制御部22は、必要なアクセスポイント4を判定し、それだけを起動し、残りは停止するようにする。アクセスポイント4の起動及び停止は、上記と同じくアクセスポイント4に備わっている管理用手段により行うことができる(アクセスポイント4を停止する場合には、このアクセスポイント4そのものの動作を停止するのではなく、図4に示した構成のように、無線LANインタフェース42の電源を制御して使用を停止するようにするのが良い)。「停止」制御を行ったアクセスポイント4については、アクセスポイント管理情報61の動作状況カラム61bに「停止中」と設定する。それでは、このAP動作制御部22による必要なアクセスポイント4を判定して動作させる方法について説明する。
【実施例1】
【0016】
(第1の判定方法:静的に判定する方法)
まず、第1の判定方法は、情報管理部6に、図5に示すアクセスポイント起動情報62を予め記憶しておき、AP動作制御部22はこの情報に基づいて起動するアクセスポイント4を決定する。具体的には、アクセスポイント起動情報62は、故障したアクセスポイントを記憶する故障APカラム62aと、この故障APカラム62aに記憶されているアクセスポイント4が故障したときに動作させるアクセスポイント4及び停止させるアクセスポイント4を記憶する動作させるAPカラム62b及び停止させるAPカラム62cを有して構成される。そして、アクセスポイント管理情報61を参照して故障しているアクセスポイント4を抽出し、そのアクセスポイント4とアクセスポイント起動情報62の故障APカラム62aとを比較し、一致するときの動作させるAPカラム62bに設定されているアクセスポイント4を起動し、停止させるAPカラム62cに設定されているアクセスポイント4を停止させる。
【0017】
(第2の判定方法:動的に判定する方法)
上述の第1の判定方法では、予め設定されているアクセスポイント起動情報62に基づいて動作させるアクセスポイント4を決定していたが、ここでは、アクセスポイント管理情報61に基づいて動的に決定する方法について説明する。具体的には、アクセスポイント管理情報61の始点及び終点カラム61d,61eに記憶されている情報に基づいて判定する。図6に示すように、まず、無線LAN管理装置2により管理されるアクセスポイント4が設置されているエリアの最も起点側をカバーするアクセスポイント4のうち動作中または停止中のアクスセスポイント4を抽出し、そのアクセスポイント4をリストに追加する(ステップS100)。なお、ここでカバーするアクセスポイント4とは、始点カラム61d及び終点カラム61eに設定されている範囲に、エリアの始点を含むアクセスポイント4のことである。そして、抽出したアクセスポイント4がカバーするエリアの終点を終点カラム61eから抽出、この終点をカバーするアクセスポイント4(動作中または停止中のもののみ)を抽出し、リストに追加する(ステップS110)。ここで、上述のアクセスポイント4がカバーする範囲の終点をカバーするアクセスポイント4が複数あるときは、それぞれを別のリストとして管理する。そして、エリアの終点に来るまでステップS110を繰り返し(ステップS120)、エリアの終点まで達すると、作成されたリストのうち、アクセスポイント4の数が最も少ないリストを選択し、そのリストに含まれるアクセスポイント4を起動し、残りのアクセスポイント4を停止する(ステップS130)。なお、アクセスポイント4の数が最も少ないリストが複数あった場合には、アクセスポイント管理情報61を参照し、その複数のリストに含まれるアクセスポイント4のうち、現在動作しているアクセスポイント4が最も多く含まれるリストを採用し、なければそれらのリストの中からいずれか一つのリストを任意に選択する。
【0018】
具体的には、図2の場合で説明すると次のようになる。なお、ここでは、図2に示すすべてのアクセスポイント4が正常に動作中であるとする。まず、アクセスポイント管理情報61を参照し、このエリアの始点である0k000mをカバーするアクセスポイント4を抽出すると、AP1及びAP2が抽出される。
【0019】
次に、AP1のカバーする範囲の終点である0k900mをカバーするアクセスポイント4を抽出すると、AP2及びAP3が抽出されるので、{AP1,AP2}と{AP1,AP3}というリストを作成する。一方、AP2の終点である1k200mをカバーするアクセスポイント4を抽出すると、AP3及びAP4が抽出されるので、{AP2,AP3}と{AP2,AP4}というリストを作成する。
【0020】
このようにしてエリアの終点である2k000mまで上記の抽出を続けて行くと、最終的に、{AP1,AP2,AP3,AP4}、{AP1,AP3,AP4}、{AP1,AP3,AP5}、{AP2,AP3,AP4}、{AP2,AP3,AP5}、{AP2,AP4}というリストが作成される。そして、これらのリストからアクセスポイント数が最も少ないリスト{AP2,AP4}を選択し、AP2,AP4を起動し、残りのアクセスポイント4を停止する。
【0021】
一方、図2に示す構成において、AP1とAP4が故障した場合には、上記の処理により{AP2,AP3,AP5}というリストが作成されるので、これらのアクセスポイント4を起動し、残りのアクセスポイント4を停止する。また、AP2とAP3が同時に故障した場合等、全線がカバーできなくなった場合には、カバーできる最後の終点に最も近い始点をもつアクセスポイント4から上記処理を再開する。たとえばAP2とAP3が故障した場合、AP1の終点である0k900mに最も近い始点はAP4の1k500mであるので、AP4から手順を再開すると{AP1,AP4}というリストができるので、これを採用する。
【0022】
以上のようにすると、エリア全域をカバーし、かつ、アクセスポイント4間同士の干渉が起こる範囲をできるだけ狭めることができる。なお、AP動作制御部22は、AP動作確認部21により検出されたアクセスポイント4の動作状態が変化したときに起動されることにより、アクセスポイント4の故障等に動的に対応することができ、無線LANサービスを継続して提供することができる。また、冗長に配置されているアクセスポイント4の無線通信の電源を切ることにより、不要な電波の送出を停止することができ、この無線LANシステムで消費するエネルギー(電力)を少なくすることができる。
【実施例2】
【0023】
(上下線で別チャネルを使う構成)
鉄道Rが複線で構成されている場合には、上下線を走行する列車Tのそれぞれに対して別の無線チャネルを使うことにより、通信容量は倍増する。この場合も、上述の第2の判定方法で説明した手法によりアクセスポイント4間の干渉を低減して無線LANシステム1の信頼性を向上することができる。ただし、この場合、アクセスポイント管理情報61の動作状況カラム61bにおいて、「動作中」の代わりに、上り線と下り線のいずれに対して通信を提供しているのかを示すために「上り」及び「下り」という情報を管理する(すなわち、動作状況カラム61bには「上り」「下り」「故障」「停止中」のいずれかが記憶される)。また、アクセスポイント4に対する制御動作としては「起動」「停止」だけでなく、「上り」「下り」に応じたチャネルを設定する制御も行う。
【0024】
例えば、図7に示すような7台のアクセスポイント4から構成されており、上り線にチャネル1、下り線にチャネル7を割り当てるものとする。この場合、列車T上の無線LAN端末7のチャネルも上りか下りかに応じてそれぞれチャネル1またはチャネル7に固定されているものとする。
【0025】
このような構成において、上述の第2の判定方法を動作状況が「故障」のアクセスポイント4を除いて実行すると、まずリスト{AP2,AP4}が選択されるので、これらのアクセスポイント4を上り線用として使うことにし、動作状況カラム61bに「上り」と設定する。次に、動作状況が「上り」または「故障」のアクセスポイント4を除いて再度上述の第2の判定方法を実行すると、{AP1,AP3,AP5}及び{AP1,AP6,AP7}が抽出されるので、例えば{AP1,AP3,AP5}を選択し、これらの動作状況カラム61bは「下り」と設定する。そして、使われないアクセスポイント4(AP6,AP7)は「停止中」とし、それぞれのアクセスポイント4に対する制御を行う(すなわち「上り」のアクセスポイント4に対しては無線チャネルをチャネル1に設定し、「下り」のアクセスポイント4に対しては無線チャネルをチャネル7に設定し、「停止中」のアクセスポイント4に対しては無線出力を停止する。
【0026】
この状態で、たとえばAP4が故障し、AP動作制御部22により第2の判定方法が実行されると、上り用に{AP2,AP6,AP7}というリストが抽出されるので、新たにAP6,AP7が上り用のアクセスポイント4として使われるようになる。一方、AP3が故障すると、下り用に{AP1,AP6,AP7}というリストが抽出され、AP6,AP7は下り用のアクセスポイント4として使われるようになる。そのため、このようにして、各アクセスポイント4は自動的に上りまたは下りのバックアップ用として使用でき、少数の冗長構成で信頼性を向上することができる。
【実施例3】
【0027】
(時間帯に応じて別チャネルを使う構成)
これは、例えば夜間の保守作業用に別無線チャネルを割り当てるものである。この場合、無線LAN管理装置2は、図8に示すような作業時間情報63を情報管理部6に記憶して使用する。作業時間情報63には、作業内容を識別するための情報を記憶する作業内容カラム63aと、作業の開始時刻及び終了時刻を記憶する開始時刻カラム63b及び終了時刻カラム63cと、使用する無線チャネルを記憶する無線チャネルカラム63dとを有しており、これらの情報は予め情報管理部6に記憶される。この図 8には、ある一日の作業時間情報の例を示している。また、保守作業等の時には、作業員はPDA等の無線LANが使用できる端末を持っているものとする(端末の無線チャネルは保守作業用に割り当てられたチャネルに固定しているものとする)。
【0028】
そして、AP動作制御部22は、作業時間情報63に設定されたアクセスポイント4を無線チャネルカラム63dに設定されている無線チャネルで起動する。すなわち、この構成の場合は、無線LAN管理装置2におけるAP動作制御部22は、AP動作確認部21による アクセスポイント4によるアクセスポイント4の動作状態のチェックのときだけでなく、いずれかの作業開始時刻及び作業終了時刻になった場合にも起動される。図8の例では、たとえば10時から17時には無線チャネル1,4,7が使われるようにアクセスポイント4が構成され、1時~4時には無線チャネル11だけが使われるように構成される。
【0029】
このような構成にし、作業員端末に無線LANに接続できなければ警報を発するというアプリケーションを組み込んでおけば、その区間は作業対象でない(すなわち、列車Tが走行する可能性がある区間である)と判断することができ、作業の安全性を増すことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る無線LANシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】アクセスポイント管理情報のデータ構造を示す説明図である。
【図3】無線LAN管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】アクセスポイントの構成を示すブロック図である。
【図5】アクセスポイント起動情報のデータ構造を示す説明図である。
【図6】第2の判定方法の処理を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例におけるアクセスポイント管理情報の内容を示す説明図である。
【図8】第3の実施例における作業時間情報のデータ構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 無線LANシステム 2 無線LAN管理装置 4 アクセスポイント
6 情報管理部 21 AP動作確認部 22 AP動作制御部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7