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明細書 :超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法及びその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5198100号 (P5198100)
公開番号 特開2009-225495 (P2009-225495A)
登録日 平成25年2月15日(2013.2.15)
発行日 平成25年5月15日(2013.5.15)
公開日 平成21年10月1日(2009.10.1)
発明の名称または考案の名称 超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法及びその装置
国際特許分類 B60L  13/06        (2006.01)
FI B60L 13/06 Z
請求項の数または発明の数 8
全頁数 7
出願番号 特願2008-064056 (P2008-064056)
出願日 平成20年3月13日(2008.3.13)
審査請求日 平成22年7月30日(2010.7.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】饗庭 雅之
【氏名】鈴木 正夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】永石 哲也
参考文献・文献 特開2005-124376(JP,A)
特開昭61-039803(JP,A)
特開平11-275715(JP,A)
特開平09-120913(JP,A)
調査した分野 B60L 13/06
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイの両側の側壁の裏側に、該側壁に密着させて取り付ける基準用サーチコイルと、該基準用サーチコイルよりある距離だけ前記側壁から遠ざけた位置にずらして取り付ける補正用サーチコイルとからなるサーチコイルを配置し、
(b)前記ガイドウェイを通過する超電導磁気浮上式車両に搭載される超電導磁石によって生ずる、前記サーチコイルで検出される誘導電圧を演算処理装置で演算し、
(c)該演算処理装置での演算値に基づいて前記超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の位置の変位量を測定することを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法において、前記超電導磁石の位置が、該超電導磁石の左右方向の位置であることを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法。
【請求項3】
請求項1記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法において、前記超電導磁石の位置が、該超電導磁石の上下方向の位置であることを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法において、前記超電導磁石の位置の変位量に基づいて台車位置を推定することを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法。
【請求項5】
(a)超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイの両側の側壁の裏側に配置される、該側壁に密着させて取り付ける基準用サーチコイルと、該基準用サーチコイルよりある距離だけ前記側壁から遠ざけた位置にずらして取り付ける補正用サーチコイルとからなるサーチコイルと、
(b)前記ガイドウェイを通過する超電導磁気浮上式車両に搭載される超電導磁石によって生ずる、前記サーチコイルで検出される誘導電圧を演算する演算処理装置とを備え、
(c)前記演算処理装置による演算結果に基づいて前記超電導磁気浮上式車両に搭載され超電導磁石の位置の変位量を測定することを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置。
【請求項6】
請求項5記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置において、前記超電導磁石の位置が、該超電導磁石の左右方向の位置であることを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置。
【請求項7】
請求項5記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置において、前記超電導磁石の位置が、該超電導磁石の上下方向の位置であることを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置。
【請求項8】
請求項5から記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置において、前記超電導磁石の位置の変位量に基づいて台車位置を推定することを特徴とする超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導磁気浮上式鉄道において、超電導磁気浮上式車両の台車に搭載される超電導磁石の走行中のある一地点における変位量を測定する、超電導磁石位置の変位量測定方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3は従来の超電導磁気浮上式鉄道の模式図である。
この図において、100は軌道、101は両側壁、102は推進・浮上・案内用地上コイル、103は超電導磁石、104はクライオスタット、105は台車、106は車体である(下記特許文献1)。
従来、超電導磁気浮上式鉄道において、超電導磁気浮上式車両の台車105に搭載される超電導磁石103の変位量を測定することは容易ではない。軌道100内にレーザー式変位計を設置して、地上側から非接触でクライオスタット104表面を測定することは可能であるが、左右変位については軌道100内の推進・浮上・案内用地上コイル102を外さない限り測定が不可能である。また、クライオスタット104の表面を測定できても内部の超電導磁石103との位置関係が設計通りである保証はない。

【特許文献1】特開平5-22809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、従来は超電導磁気浮上式鉄道における超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の変位量の測定は不可能であった。
本発明は、超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定を可能にした超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の変位量の測定方法において、超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイの両側の側壁の裏側に、この側壁に密着させて取り付ける基準用サーチコイルと、この基準用サーチコイルよりある距離だけ前記側壁から遠ざけた位置にずらして取り付ける補正用サーチコイルとからなるサーチコイルを配置し、前記ガイドウェイを通過する超電導磁気浮上式車両に搭載される超電導磁石によって生ずる、前記サーチコイルで検出される誘導電圧を演算処理装置で演算し、この演算処理装置での演算値に基づいて前記超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の位置の変位量を測定することを特徴とする。
【0005】
〔2〕上記〔1〕記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法において、前記超電導磁石の位置が、この超電導磁石の左右方向の位置であることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法において、前記超電導磁石の位置が、この超電導磁石の上下方向の位置であることを特徴とする。
【0006】
〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法において、前記超電導磁石の位置の変位量に基づいて台車位置を推定することを特徴とする。
〔5〕超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置において、超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイの両側の側壁の裏側に配置される、この側壁に密着させて取り付ける基準用サーチコイルと、この基準用サーチコイルよりある距離だけ前記側壁から遠ざけた位置にずらして取り付ける補正用サーチコイルとからなるサーチコイルと、前記ガイドウェイを通過する超電導磁気浮上式車両に搭載される超電導磁石によって生ずる、前記サーチコイルで検出される誘導電圧を演算する演算処理装置とを備え、前記演算処理装置による演算結果に基づいて前記超電導磁気浮上式車両に搭載され超電導磁石の位置の変位量を測定することを特徴とする。
【0007】
〔6〕上記〔5〕記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置において、前記超電導磁石の位置が、この超電導磁石の左右方向の位置であることを特徴とする。
〔7〕上記〔5〕記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置において、前記超電導磁石の位置が、この超電導磁石の上下方向の位置であることを特徴とする。
【0008】
〕上記〔5〕から〔〕記載の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定装置において、前記超電導磁石の位置の変位量に基づいて台車位置を推定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量を簡便、かつ的確に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の変位量の測定方法は、超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイの両側の側壁の裏側に、この側壁に密着させて取り付ける基準用サーチコイルと、この基準用サーチコイルよりある距離だけ前記側壁から遠ざけた位置にずらして取り付ける補正用サーチコイルとからなるサーチコイルを配置し、前記ガイドウェイを通過する超電導磁気浮上式車両に搭載される超電導磁石によって生ずる、前記サーチコイルで検出される誘導電圧を演算処理装置で演算し、この演算処理装置での演算値に基づいて前記超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の位置の変位量を測定する。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の左右方向の位置の変位量の測定装置の模式図である。
この図において、1は超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイ、2はそのガイドウェイ1の一方の側に配置される第1の側壁、3はその第1の側壁2の裏側に配置される基準用サーチコイル、4はその第1の側壁2の裏側に配置される補正用サーチコイル、5はそのガイドウェイ1のもう一方の側に配置される第2の側壁、6はその第2の側壁5の裏側に配置される基準用サーチコイル、7はその第2の側壁5の裏側に配置される補正用サーチコイル、8は超電導磁石9を台車10に搭載し、ガイドウェイ1を走行する超電導磁気浮上式車両、11は基準用サーチコイル3,6及び補正用サーチコイル4,7で検出される、超電導磁石9の通過時の誘導電圧を演算する演算処理装置である。
【0012】
このように、第1の側壁2と第2の側壁5の裏側にサーチコイル3,4,6,7を配置するようにした。
すると、超電導磁石9とサーチコイル3,4,6,7との位置関係により、超電導磁石9の通過時のサーチコイル3,4,6,7に生ずる誘導電圧の値が変わる。つまり、超電導磁石9とサーチコイル3,4,6,7との距離に略反比例して誘導電圧の値が変わる。
【0013】
ここで、サーチコイル3,4,6,7について説明する。
(1)同一諸元の4個のサーチコイル3,4,6,7を用意する。
(2)ガイドウェイ1の両側の側壁2,5の裏側に、鉛直方向の位置(上下位置)が超電導磁石9の鉛直方向の中心通過位置(上下位置)となるようにして各2個ずつ取り付ける。
【0014】
(3)それぞれの側のサーチコイルは、側壁に密着させて取り付ける基準用サーチコイルと、基準用サーチコイルよりある距離だけ側壁から遠ざけた位置にずらして取り付ける補正用サーチコイルとからなる。
(4)両側の基準用サーチコイルの出力差の半分が、超電導磁石9の左右変位量に相当する量である。両側それぞれの基準用サーチコイルと補正用サーチコイルとの出力差から求められる単位出力差あたりの距離から、この量を超電導磁石9の変位量に変換することができる。
【0015】
ここで、基準用サーチコイル3の出力はE11、補正用サーチコイル4の出力はE12、基準用サーチコイル6の出力はE21、補正用サーチコイル7の出力はE22、基準用サーチコイル3と補正用サーチコイル4との距離はd1 、基準用サーチコイル6と補正用サーチコイル7との距離はd2 として、図1を参照しながら、第1の側壁2から第2の側壁5の方向の超電導磁石9の左右変位Dの算出を行うと、
サーチコイル出力は、基準用サーチコイル位置付近からあまり大きく離れない(10mm程度)範囲では、左右距離に比例であるとして差し支えないので、
D=(E21-E11)/2×〔d1 /(E11-E12)+d2 /(E21-E22)〕/2と求められる。
【0016】
なお、本発明の方法によれば、車両通過速度は計算に考慮しなくてよい。超電導磁石9の上下変位は計算に考慮しなくてよい。推進コイル電流によるサーチコイルで検出される誘導電圧は計算に考慮しなくてよい。
次に、超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の上下方向の位置の変位量測定について説明する。
【0017】
図2は本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の上下変位量の測定装置の模式図である。
この図において、12は第1の基準用サーチコイル、13は第2の基準用サーチコイル、14は補正用サーチコイルである。
ここで、第1の基準用サーチコイル12の出力をE1 、第2の基準用サーチコイル13の出力をE2 、補正用サーチコイル14の出力をE3 、第1の基準用サーチコイル12と第2の基準用サーチコイル13の中央と第2の基準用サーチコイル13と補正用サーチコイル14の中央との距離をdとすれば、この場合の基準高さ(均衡変位:鎖線で表示)付近において、E2 -E1 及びE3 -E2 は、超電導磁石中心と基準高さとの距離Zに比例するとして差し支えないので、
Z=(E2 -E1 )×d/〔(E3 -E2 )-(E2 -E1 )〕
で求めることができる。
【0018】
本発明によれば、超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の左右変位又は上下変位が地上コイル側におけるサーチコイルの誘導電圧の測定値に関係するという知見により、簡便に、かつ的確に超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の変位量を計測することができた。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定方法及びその装置は、簡便、かつ的確に測定することができる超電導磁気浮上式車両の超電導磁石位置の変位量の測定ツールとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の左右方向の位置の変位量の測定装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式車両の超電導磁石の上下変位量の測定装置の模式図である。
【図3】従来の超電導磁気浮上式鉄道の模式図である。
【符号の説明】
【0021】
1 超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイ
2 第1の側壁
3,6 基準用サーチコイル
4,7 補正用サーチコイル
5 第2の側壁
8 超電導磁気浮上式車両
9 超電導磁石
10 台車
11 演算処理装置
12 第1の基準用サーチコイル
13 第2の基準用サーチコイル
14 補正用サーチコイル
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2