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明細書 :指差喚呼効果提示システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4937946号 (P4937946)
公開番号 特開2009-210785 (P2009-210785A)
登録日 平成24年3月2日(2012.3.2)
発行日 平成24年5月23日(2012.5.23)
公開日 平成21年9月17日(2009.9.17)
発明の名称または考案の名称 指差喚呼効果提示システム
国際特許分類 G09B   9/00        (2006.01)
FI G09B 9/00 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 25
出願番号 特願2008-053299 (P2008-053299)
出願日 平成20年3月4日(2008.3.4)
審査請求日 平成22年7月8日(2010.7.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】重森 雅嘉
個別代理人の代理人 【識別番号】100121773、【弁理士】、【氏名又は名称】相原 正
審査官 【審査官】中澤 言一
参考文献・文献 特開平3-175477(JP,A)
特開2006-14803(JP,A)
特開平3-4301(JP,A)
特開平9-114579(JP,A)
特開2007-6577(JP,A)
特開2001-108404(JP,A)
調査した分野 G09B 1/00 - 9/56
G09B 19/00
G09B 19/14 - 19/16
G06F 3/03 - 3/048
特許請求の範囲 【請求項1】
指差なし条件及び指差あり条件で受検者に課題を実施してもらうことで、指差しを行うことによるヒューマンエラーの抑止効果を受検者に提示する指差喚呼効果提示システムにおいて、
受検者に実施してもらう課題に関する刺激を表示する表示装置と、
課題に対する反応を受検者が入力する入力装置と、
課題の実施に際して受検者が前記刺激を指差ししたかを座標により確認するための指差確認装置と、
前記指差確認装置による指差確認を行わない指差なし条件での第1の課題の結果と、前記指差確認装置による指差確認を行う指差あり条件での前記第1の課題の結果と、を前記表示装置に対比しながら表示するように制御する演算装置と、
を備えることを特徴とする指差喚呼効果提示システム。
【請求項2】
請求項1記載の指差喚呼効果提示システムにおいて、
課題の実施に際して受検者が前記刺激を喚呼したかを確認するための音声認識装置をさらに備え、
前記演算装置は、前記音声認識装置による喚呼確認を行わない喚呼なし条件での第2の課題の結果と、前記音声認識装置による喚呼確認を行う喚呼あり条件での前記第2の課題の結果と、を前記表示装置に対比しながら表示するように制御することを特徴とする指差喚呼効果提示システム。
【請求項3】
指差しを行うことによるヒューマンエラーの抑止効果を受検者に提示する指差喚呼効果提示方法であって、
表示装置が、受検者に実施してもらう課題に関する刺激を表示する工程と、
指差確認装置が、課題の実施に際して受検者が前記刺激を指差したかを座標により確認する指差確認工程と、
演算装置が、前記指差確認工程による指差確認を行わない指差なし条件で、第1の課題に対して受検者が入力装置へ入力した反応の正誤を判断する工程と、
前記演算装置が、前記指差確認工程による指差確認を行う指差あり条件で、前記第1の課題に対して受検者が前記入力装置へ入力した反応の正誤を判断する工程と、
前記表示装置が、指差なし条件での前記第1の課題の結果と、指差あり条件での前記第1の課題の結果と、を対比しながら表示する工程と、を備えることを特徴とする指差喚呼効果提示方法。
【請求項4】
音声認識装置が、課題の実施に際して受検者が前記刺激を喚呼したかを確認する喚呼確認工程と、
前記演算装置が、前記喚呼確認工程による喚呼確認を行わない喚呼なし条件で、第2の課題に対して受検者が前記入力装置へ入力した反応の正誤を判断する工程と、
前記演算装置が、前記喚呼確認工程による喚呼確認を行う喚呼あり条件で、前記第2の課題に対して受検者が前記入力装置へ入力した反応の正誤を判断する工程と、
前記表示装置が、喚呼なし条件での前記第2の課題の結果と、喚呼あり条件での前記第2の課題の結果と、を対比させながら表示する工程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の指差喚呼効果提示方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、指差や喚呼を行うことによる事故やエラーの防止効果を体感してもらう指差喚呼効果提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、指差喚呼には、事故やエラーの防止効果があることが知られており、エラー防止対策として広く導入されている。指差とは、確認や操作を行う対象を指差しで確認することであり、喚呼とは、対象の状態や実行しようとする操作内容を発声して確認することである。なお、喚呼は、称呼、呼称、唱呼と表されることもある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、プラントの監視制御システムにおいて、指差喚呼の確認をシステム側で自動的に行い、操作の信頼性の向上、操作員の負担の軽減を図ったシステムが開示されている。

【特許文献1】特開平9-114579号公報
【0004】
また、下記特許文献2には、エレベータ保守作業を行う作業員が、指差喚呼しながら各部品の動作を実行する安全作業訓練を行うためのエレベータの安全作業訓練模擬装置が開示されている。

【特許文献2】特開平11-327424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来からエラー防止対策としての指差喚呼の重要性が認識されているが、指差喚呼の重要性を作業者全体に浸透させることはなかなか困難である。そして、作業者に指差喚呼によるエラー防止効果を説明するだけでは、なかなか指差喚呼の重要性を理解してもらえない場合も多い。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、受検者に、課題を通して指差喚呼によるヒューマンエラー防止効果を実際に体感してもらう指差喚呼効果体感システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る指差喚呼効果体感システムは、指差なし条件及び指差あり条件で受検者に課題を実施してもらうことで、指差しを行うことによるヒューマンエラーの抑止効果を受検者に提示する指差喚呼効果提示システムにおいて、受検者に実施してもらう課題に関する刺激を表示する表示装置と、課題に対する反応を受検者が入力する入力装置と、課題の実施に際して受検者が前記刺激を指差ししたかを座標により確認するための指差確認装置と、前記指差確認装置による指差確認を行わない指差なし条件での第1の課題の結果と、前記指差確認装置による指差確認を行う指差あり条件での前記第1の課題の結果と、を前記表示装置に対比しながら表示するように制御する演算装置と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る指差喚呼効果提示方法は、指差しを行うことによるヒューマンエラーの抑止効果を受検者に提示する指差喚呼効果提示方法であって、表示装置が、受検者に実施してもらう課題に関する刺激を表示する工程と、指差確認装置が、課題の実施に際して受検者が前記刺激を指差したかを座標により確認する指差確認工程と、演算装置が、前記指差確認工程による指差確認を行わない指差なし条件で、第1の課題に対して受検者が入力装置へ入力した反応の正誤を判断する工程と、前記演算装置が、前記指差確認工程による指差確認を行う指差あり条件で、前記第1の課題に対して受検者が前記入力装置へ入力した反応の正誤を判断する工程と、前記表示装置が、指差なし条件での前記第1の課題の結果と、指差あり条件での前記第1の課題の結果と、を対比しながら表示する工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る指差喚呼効果体感システムによれば、受検者に所定の課題を実施してもらい、指差あり条件と指差なし条件の場合の結果を対比表示することで、受検者に指差喚呼によるヒューマンエラーの抑止効果を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。まず、図1に基づいて、本実施形態に係る指差喚呼効果提示システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る指差喚呼効果提示システムの概略構成を示す図である。
【0011】
同図に示すように、本実施形態に係る指差喚呼効果提示システム1は、パーソナルコンピュータ本体(以下、「PC本体」とする)10、表示装置としてのディスプレイ20、入力装置としてのキーボード30、ポインティングデバイスとしても機能する入力装置としてのマウス32及び音声を入力するためのマイク35とを備えている。また、PC本体10は、各種演算を行う演算装置11、後述する課題の実行に必要な情報及び受検者が入力した情報を記憶しておく記憶装置12及び時間を計測するためのタイマー13を備えている。タイマー13は、1ms単位で時間を計測可能である。ディスプレイ20は、タッチパネルを備えており、受検者が画面にタッチするとその位置を検出することが可能である。
【0012】
続いて、図面を参照しながら、上記構成の指差喚呼効果提示システム1において、指差喚呼の効果を提示する処理の流れを説明する。図2は、本実施形態における指差喚呼提示システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0013】
まず、S11において、指差喚呼効果提示システム1は、指差や喚呼を行わないで課題を実行させる指差喚呼なし条件により、受検者に課題を実行させる。記憶装置12内には、複数の課題を実行するためのプラグラムが格納されており、演算装置11が、各課題のプラグラムを実行することで各課題が実行される。課題に対する受検者の回答は、入力装置11やマウス32から入力され、演算装置11により、その回答の正否等が判断され、結果が記憶装置12に記録される。
【0014】
次に、S12に進み、指差喚呼効果提示システム1は、指差や喚呼を行いながら課題を実行させる指差喚呼あり条件により、受検者に課題を実行させる。このとき、受検者が指差や喚呼を行っているか否かは、後述するようにディスプレイ20のタッチパネルを使った指差確認や、マイク35を使った音声認識等によって判定される。上記S11と同様に、課題に対する受検者の正否等の結果が記録装置12に記録される。
【0015】
S13においては、S11及びS12において記録装置12に記録されている指差喚呼なし条件における結果と、指差喚呼あり条件における結果とが、並べて対比されながらディスプレイ20に表示される。このとき表示される結果としては、課題の正解率やエラー率、誤反応数等が表示される。
【0016】
正常に課題が実行されていれば、指差喚呼あり条件の場合のエラー率は指差喚呼なし条件の場合のエラー率よりも格段に良い結果になる。したがって、このように、指差喚呼あり条件の場合の結果と、指差喚呼なし条件の場合の結果とを並べて表示すれば、受検者は、指差喚呼を行った場合の効果を一目で実感することができ、今後の作業における指差喚呼の重要性を認識できる。
【0017】
以上、本実施形態に係る指差喚呼効果を提示する方法を概略的に説明したが、以下、本実施形態に係る各課題を指差喚呼効果提示システム1が実行する場合について、それぞれ詳細に説明する。下記に説明する指差喚呼効果提示システムの処理は、演算装置11が記憶装置12内に格納されている各課題用のプラグラムを実行することで実現される。なお、エラーはなかなか出にくいため、本実施形態に係る課題は、なるべくエラーが出やすい課題としている。
【0018】
(1)課題A:ランダムドット数え課題
まず、ランダムに配置されたドットを数える課題である「ランダムドット数え課題」(課題A)について、指差あり条件と指差なし条件で実行する場合について図面を参照しながら説明する。図3は、課題Aを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【0019】
まず、S100において、指差し無しの条件で課題Aを開始する。S100では、課題の開始及び課題への反応に際して指差しの必要の無い旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。S101で、演算装置11の制御により、ディスプレイ20上にランダムな数のドットがランダムな位置に表示される。図4は、課題Aの実行時に、ディスプレイ20上に表示される画面の内容を示す図である。
【0020】
ドット表示は、x×y行列内に、試行毎にランダムなドット数で表示される。ここで、ドット数えの難易度はドットの数が増えるに従い増加するが、4以下の場合と5以上の場合では、ドットを数えるのに必要な時間が50~80ms/dotから200ms/dotまで急激に上昇することや数え間違いの発生傾向が急激に高まる。よって、ドット数は5以上が望ましい。また、試行毎の難易度のばらつきをある程度そろえるため、ドット数は、(x×x)/2±yの範囲に収めることが望ましい。
【0021】
また、5以上のドットを配置すると共に、難易度を低下させないため、x≧4、y≧4であることが望ましい。ドットの配置は、配列のマス目に番号をふっておき、乱数により決定されるように構成されている。本実施形態では、x=y=6として、ドット数の範囲を12~24としている。図4では、6×6のマス目において、ランダムに21個のドットが表示されている。
【0022】
続いて、S102において、受検者はディスプレイ20上に表示されているドットの数を数え、キーボード30を介して、その数を入力する。S103では、演算装置12は、受検者が入力したドット数が、S101において実際に表示されたドット数に等しいか否か、すなわち正誤判断を行い、その結果を記憶装置12内に記録する。
【0023】
S104では、指差なし課題について、所定のn回の試行が実行されたか否かが判断され、所定数nの試行が終了していれば、続いて、S110へと進み、まだ終了していない場合には、S101へと戻り、次の試行として再度課題が実行される。本実施形態では、n=99として、99試行が行われる。もちろん、試行数は適宜変更可能である。
【0024】
S110に進むと、指差し有りの条件で課題Aが開始され、まず、受検者に対して、ドットを数える際に各ドットを指差しするように、との案内がなされる。続いて、S111において、指差なし条件の場合と同様に、ランダムに所定の数のドットがディスプレイ20上に表示される。
【0025】
S112では、受検者がドット数えの際に指差を行っているか否かが確認される。本実施形態に係るディスプレイ20は、タッチパネルを装備しており、具体的には、表示されている各ドットの中心点から5mm以内の範囲がそれぞれタッチされたかどうかで、指差しをしたか否かが判定される。ある試行において、全てのドットが指差されれば、その試行において正常に指差が行われたとして、その旨が記憶装置12に記録される。
【0026】
S113において受検者が数えたドット数を入力すると、S114において、演算装置11がその正誤を判断し、その結果を記憶装置12内に記録する。S115では、上記S104と同様に、指差あり条件において、所定のn回の試行が行われたか否かが判断され、所定数nの試行が終了していれば、続いて、S120と進み、まだ終了していない場合には、S111へと戻り、再度課題が実行される。
【0027】
S120へ進むと、指差なし条件と指差あり条件の結果が対比されながらディスプレイ20上に表示される。図5は、ディスプレイ20上に対比表示される課題Aの結果の一例を示す図である。エラー率は、受検者が数を数え間違った試行の比率を示している。ここで、本実施形態では、指差あり条件において、S112で指差が確認されなかった試行についてはカウントしないように、すなわち、指差が確認されなかった試行は除いて、指差あり条件のエラー率を算出するように構成されている。
【0028】
なお、本実施形態では、図5に示すように、エラー率に加えて、「平均視線距離」と「平均視線滞留時間」についても表示している。これらは、受検者にアイカメラ(眼球運動測定装置)を装着してもらい、受検者の視線を追跡することで測定することができる。
【0029】
課題Aに係る本実施形態によれば、指差なし条件によるエラー率が8%であるのに対して、指差あり条件によるエラー率が1%と大幅に低下している。よって、受検者は、この比較結果を見ることで、指差を行うことで大幅にエラーの発生を抑制できることを実感することができる。
【0030】
特に、ドット数え課題によれば、指差しを行うことで、「自己」を積極的に「対象」に近づけ、刺激を正確且つ鮮明に網膜に伝えるという働きにより、エラーを防止できることを体感することができる。なお、このことは、「平均視線距離」及び「平均視線滞留時間」の測定結果において、指差あり条件のほうが、視線を対象に確実に集中させられていることからも裏付けられている。
【0031】
(2)課題B:選択反応課題(主課題)とトラッキング課題(副課題)
続いて、中心視野で副課題であるトラッキング課題を実行しながら、周辺視野で主課題である選択反応課題を実行する二重課題による課題Bについて、指差なし条件と指差あり条件で行う場合について図面を参照しながら説明する。図6は、課題Bを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。図7は、課題Bの実行時に、ディスプレイ20上に表示される画面の内容を示す図である。
【0032】
まず、S200において、指差なし条件で課題Bを開始する。S200では、課題の開始及び課題への反応に際して指差しの必要の無い旨が、受検者に対して、音声やディスプレイ20上への表示によって伝えられる。続いて、S201及びS211へと進み、主課題である選択反応課題と、副課題であるトラッキング課題とが並行して開始される。
【0033】
S201では、選択反応課題が開始される。課題Bに係る選択反応課題は、画面上に表示された円の色を答える課題である。被験者に対して、表示された円の色に応じてキーボード30の対応するキーを押すべき旨が伝えられる。
【0034】
S202において、図7に示すように、ディスプレイ20の画面の左上に、直径2cmの円(刺激)を2秒間表示する。円の色は、茶、濃い緑、緑及び黒の何れかがランダムで表示される。各色の出現率は、茶色が4%、濃い緑色が14%、緑色が80%、黒色が2%となるように設定されていると共に、茶色と黒色の円は、試行全体の後半部分にしか出現しないように設定されている。このように、緑色の出現率が高いのは、緑色に対する反応を自動化し、他の色への反応の誤反応率を高めるためである。
【0035】
S203において、受検者は、S202の円が表示されている間に、キーボード30の各色に対応するキーのうち、表示されている色に対応するキーを押下して反応する。S204では、S203で受検者が選択した色が、当該試行で表示されていた円の色と同じであったか否かが判断され、正誤の結果が記憶装置12に格納される。なお、受検者は、円が表示されてから2秒以内に反応する、すなわち、円が表示されている間にキー押し反応をする必要があり、2秒以内に反応がなかった場合には、誤反応(エラー)として記録されるように構成されている。
【0036】
S205では、所定のn回の試行が終了したかどうかが判断され、n回の試行が終了していれば、S220へと進み、終了していない場合には、S202へと戻り、次の試行を開始する。本実施形態では、課題Bの選択反応課題の試行数nは50である。また、前の試行が終了してから、S202において次の試行が開始するまで、3~5秒の間隔が空くように設定されている。
【0037】
一方、S211では、選択反応課題と並行してトラッキング課題が開始される。トラッキング課題は、マウスに連動して移動するポインタを、所定の範囲内で移動する円内に位置させるように追跡させる課題である。したがって、課題の開始にあたって、その旨が受検者に伝えられる。なお、画面の左上に円が表示されて主課題が実施されている間は、後述するようにトラッキング課題の正誤は記録されない。よって、受検者に対して、画面の左上に円が表示されている間はトラッキング課題を行う必要の無い旨も伝えられる。
【0038】
S212においては、図7に示すように、ディスプレイの右下部分に直径2cmの円と長さ1cmの矢印(ポインタ)が表示される。この右下の円は、図7に点線で示す直径5cmの円内を、0.5秒毎にランダムに移動する。また、ポインタは、マウス32に連動して移動する。
【0039】
もちろん、選択反応課題用に画面上に表示される刺激である円と、トラッキング課題用に画面上に表示される刺激である円は、課題Bの趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であり、大きさ、形状、表示位置等は適宜変更可能である。但し、表示位置は、2つの刺激をある程度離しておく必要があるので、通常のディスプレイであれば、画面上の一方の端部付近に選択反応課題用の刺激を表示し、他方の端部付近にトラッキング課題用の刺激を表示することが望ましい。
【0040】
受検者は、このポインタが移動する円から外れないようにマウス32を操作する必要がある。S213では、ポインタの座標(矢印先端の座標)が移動する円内に位置している時間と、円から外れてエラーとなった時間とが記録される。なお、左上に円が表示され、主課題を行っている間は、受検者はトラッキング課題を行う必要はなく、S213の正誤判断は行われない。S214では、S201で始まった主課題である選択反応課題が終了したか否かを監視しており、主課題が終了するまでS212及びS213を継続し、主課題が終了したらS220へと進むように構成されている。
【0041】
続いて、S220では、受検者に指差しを求める指差あり条件で課題Bが開始される。S220では、課題の開始及び課題への反応に際して指差しを行う必要のある旨が、受検者に対して、音声やディスプレイ20上への表示によって伝えられる。続いて、S221及びS230へと進み、主課題である選択反応課題と、副課題であるトラッキング課題とが並行して開始される。
【0042】
指差あり条件による課題Bの実施も、上記指差なし条件による課題Bの実施とほぼ同様であるが、指差あり条件では、受検者が指差しをしながら選択反応課題を行ったか否かを確認する工程(S223)が追加されている点で、指差なし条件の場合と異なる。
【0043】
S222において所定の色の円が画面左上に表示された後、演算装置11は、S223において、受検者が円の色を応える前に当該円に対して指差しを行ったか否かを、ディスプレイ20のタッチパネルからの出力により確認し、その結果を記憶装置12に記録する。具体的には、演算装置11は、左上に表示されている円の内側において画面がタッチされていれば、指差しが行われたと判定する。指差が行われなかった試行については、下記S225において、正誤にかかわらず、カウントしないように扱われる。
【0044】
S224、S225、S226では、上記S203、S204、S205と同様に、選択反応課題に対する受検者による回答の正誤を判断・記録し、50回の試行が終わるまで、S222~S225が繰り返される。また、副課題であるトラッキング課題(S231,S232,S233,S234)についても、上記指差なし条件のS211~S214と同じ処理が行われる。
【0045】
S226において、主課題について50回の試行が終了すると、S240に進み、演算装置11は、副課題であるトラッキング課題に受検者が指示通りに取り組んでいたかを確認するため、正解率が70%以上であるか否かを判定する。この正解率は、上記S213及びS233において記録されている、ポインタが円内に入っていた時間が全時間に対して示す割合である。なお、上述したように、主課題を行っている間は、トラッキング課題に関する正誤判断は行われず、S240での正解率の算出にあたっても考慮されない。
【0046】
副課題の正解率が70%以上であれば、S241へと進み、主課題である選択反応課題の結果が指差なし条件と指差あり条件とで対比して表示される。図8は、ディスプレイ20上に対比表示される課題Bの結果の一例を示す図である。同図に示すように、本実施形態では、全体及び各色別の正解率が並列表示される。また、本実施形態においても、「平均視線距離」及び「平均視線滞留時間」が測定され、その結果が表示されている。
【0047】
一方、S240において、副課題の正解率が70%未満であれば、S242へと進み、正確な判定ができない旨がディスプレイ20に表示され、主課題の成績も表示されない。これにより、真面目に課題Bに取り組んだ受検者に対してのみ、その結果を表示するようにすることができる。
【0048】
課題Bに係る本実施形態によれば、図8に示すように、指差ありの場合のエラー率が、指差無しの場合のエラー率よりも格段に低いことが結果として表示されるので、これを見た受検者は、指差を行うことで大幅にエラーの発生を抑制できることを実感することができる。
【0049】
なお、課題Bによっても、指差しを行うことで、「自己」を積極的に「対象」に近づけ、刺激を正確且つ鮮明に網膜に伝えるという働きにより、エラーを防止できることを体感することができる。
【0050】
(3)課題C:選択反応課題(副課題)とn-back課題(主課題)
続いて、副課題として選択反応課題を実施しながら、画面上に数字n(本実施形態ではn=1~5)が表示されたら、そのn個前に提示された刺激と現在の刺激が同じかどうかを応えるn-back課題を主課題として実施する課題Cについて、喚呼あり条件、喚呼なし条件、構音抑制条件で行う場合について図面を参照しながら説明する。
【0051】
喚呼あり条件は、副課題である選択反応課題において表示された色の名前を喚呼(呼称)しながら行うことを受検者に求める条件であり、正しく喚呼したか否かは、受検者の声をマイク35で拾い、音声認識によりチェックする。構音抑制条件は、副課題を、「ザザザ」といった無意味な声を出しながら行うことを受検者に求める条件である。
【0052】
図9、図10及び図11は、課題Cを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。図12は、課題Cの実行時に、ディスプレイ20上に表示される画面の内容を示す図である。
【0053】
まず、S300において、喚呼なし条件で課題Cを開始する。S300では、課題の開始及び課題への反応に際して喚呼の必要の無い旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。S301では、選択反応課題が開始される。課題Cに係る選択反応課題は、上記課題Bと同様に、画面上に表示された円の色を応える課題であり、課題の内容が被験者に伝えられる。
【0054】
S302では、図12(a)に示すように、ディスプレイ20の画面の中央に所定の色の直径2cmの円が表示される。円の色は、赤、青、黄、緑、黒、白及び茶色のなかから、任意の色が等しい確率で選択される。
【0055】
S303において、受検者は、S302の円が表示されている間に、キーボード30の各色に対応するキーのうち、表示されている色に対応するキーを押下して反応する。受検者は、できるだけ早く、表示される色と同じ色のキーを正確に押すことが求められる。S304では、S303で受検者が選択した色が、当該試行で表示されていた円の色と同じであったかが判断され、正誤の結果が記憶装置12に格納される。
【0056】
なお、受検者は、円が表示されている間に反応する必要があり、反応がなかった場合には、誤反応(エラー)として記録される。また、S304では、色刺激である所定の色の円が表示されてから受検者が反応するまでに要した時間も記憶装置12に記録される。
【0057】
次に、S305では、選択反応課題について、所定のm回の試行が終了したか否かが判断され、終了していれば、S310へと進み、終了していない場合には、S302へと戻り、次の試行が開始される。本実施形態では、課題Cの主課題の試行数mは、5≦m≦10の間で変動し、全体で平均7.5となるように構成されている。なお、前の試行が終了してから、S302において次の試行が開始するまで、2秒の間隔が空くように設定されている。
【0058】
S310へ進むと、副課題であるn-back課題が開始され、受検者に対してn-back課題の予告がなされる。具体的には、n-back課題が開始される旨を告げる画面がディスプレイ20に5秒表示されると共に、課題の内容が伝えられる。その後、S311に進み、図12(b)に示すように、数字が描かれた所定の色の円(色刺激)が表示される。この円内の数字は、1~5の数字が全試行を通じて同じ確率で表示される。また、円の色も、S302と同様に、赤、青、黄、緑、黒、白、茶のなかから、任意の色が等しい確率でランダムに選択されて表示される。
【0059】
S312で、受検者は、S311で表示された数字分だけ前に表示された円の色と、S311で表示された円の色との異同を入力する。具体的には、同じ場合と、異なる場合にそれぞれキーボード30の所定のキーが割り当てられているので、受検者は、なるべく早く所定のキーを正確に押す必要がある。
【0060】
S313では、S312での受検者の反応の正誤が判断され、その判断結果が記憶装置12に記録される。続いて、S314では、n-back課題が所定の回数n行われたか否かが判定され、まだ終了していない場合は、S301へと戻り、再度、選択反応課題から開始する。一方、n回のn-back課題が終了している場合には、図10のS320へと進み、構音抑制条件による課題Cが開始される。本実施形態では、課題Cのn-back課題の試行数nは25である。
【0061】
S320では、課題の開始及び選択反応課題への反応に際して構音抑制が課される旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。続いて、S321に進み、選択反応課題が開始される。選択反応課題の処理の流れについては、上記喚呼なし条件の場合と同様であるが、S322において、所定の色の円(刺激)が表示された後、S323において、構音確認とその結果の記録が行われる点が異なる。構音確認においては、選択反応課題を行っている間、マイク35を介して「ザザザ」という受検者の声を拾えれば、演算装置11は、構音抑制が行われていると判定する。
【0062】
その後、S303と同様にS324、S304と同様にS325、S305と同様にS326が行われた後、S330からn-back課題が開始される。S330~S334における処理は、上記喚呼なし条件におけるS310~S314と同様である。
【0063】
S334において、n回(25回)のn-back課題が終了していると判定された場合には、図11のS340に進み、喚呼あり条件による課題Cが開始される。S340では、課題の開始及び選択反応課題への反応に際して喚呼が要求される旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。
【0064】
続いて、S341に進み、選択反応課題が開始される。選択反応課題の処理の流れについては、上記喚呼なし条件の場合と同様であるが、S342において、所定の色の円が表示された後、S343において、喚呼確認とその結果の記録が行われる点が異なる。喚呼確認においては、表示されている色名を称呼する受検者の声を、マイク35を介して拾えれば、演算装置11は、喚呼が行われていると判定する。なお、喚呼が無かった試行については、下記S345の正誤判断において、正誤にかかわらず、カウントしないように扱われる。
【0065】
その後、S303と同様にS344、S304と同様にS345、S305と同様にS346が行われた後、S350からn-back課題が開始される。S350~S354における処理は、上記喚呼なし条件におけるS310~S314と同様である。
【0066】
S354において、n回(25回)のn-back課題が終了していると判定された場合には、S360へと進み、演算装置11は、副課題である選択反応課題の正解率が70%以上であるか否かを判定する。副課題の正解率が70%以上であれば、S361へと進み、主課題であるn-back課題の結果が、喚呼なし条件、喚呼あり条件及び構音抑制条件とで対比しながら表示される。図13は、ディスプレイ20上に対比表示される課題Cの結果の一例を示す図である。
【0067】
同図に示すように、本実施形態では、各条件におけるエラー率及び反応時間が、n-back課題で円内に表示された数字(1~5)毎に並列表示される。一方、S360において、副課題の正解率が70%未満であれば、S362へと進み、正確な判定ができない旨がディスプレイ20に表示され、主課題の成績も表示されない。
【0068】
課題Cに係る本実施形態によれば、図13に示すように、喚呼ありの場合のエラー率が、喚呼無しの場合のエラー率よりも格段に低く、さらに反応時間も喚呼ありのうほうが短縮されていることから、これを見た受検者は、喚呼を行うことでエラーの発生を大きく抑えることができることを実感することができる。また、喚呼を行うことでn-back課題の成績が向上していることから、喚呼により、短期記憶の維持する効果があることも受検者に示すことができる。
【0069】
また、構音抑制条件の場合、声を出しているのに喚呼なし条件の場合よりも成績が悪いことも分かる。よって、課題Cに係る本実施形態によれば、喚呼する際には、ただ単に声を出すのではなく、課題の対象である刺激の呼称を喚呼する必要があることも示されている。
【0070】
(4)課題D:Go/No-Go課題
続いて、2つの刺激に対して、一方に対してはキー押しなどの反応(Go反応)を、もう一方の刺激に対しては反応をしないこと(No-Go反応)を求める、Go/No-Go課題を実施する課題Dについて、喚呼なし条件及び喚呼あり条件で行う場合について、図面を参照しながら説明する。図14は、課題Dを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。図15は、課題Dの実行時にディスプレイ20上に表示される画面の内容を示す図である。
【0071】
まず、S400において、喚呼なし条件で課題Dを開始する。S400では、課題の開始及び課題への反応に際して喚呼の必要の無い旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。S401では、Go/No-Go課題が開始され、受検者に対して、赤色の円が表示された場合にはできるだけ早く所定のキーを押して反応すること、緑色の円が表示された場合には何も反応しなくて良いことが、音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。
【0072】
S402では、図14に示すように、画面の中央に直径2cmの赤又は緑色の円が表示される。Go刺激である赤色の円が表示される確率と、No-Go刺激である緑色の円が表示される確率は、8:2である。このように、Go反応の比率を高めることで、No-Go課題におけるGo反応へのつり込まれによる誤反応を誘発している。
【0073】
S403において、受検者は、赤色の円が表示された場合には、所定のキーを押下し、緑色の円が表示された場合には、何も反応しないことが求められる。S404において、S403における受検者の反応の正誤が判断され、その結果が記憶装置12に記録される。
【0074】
具体的には、Go刺激(赤色の円)が表示された場合には、所定のキーが押下されれば正解と判定され、それ以外の場合には誤反応と判定される。また、No-Go刺激(緑色の円)が表示された場合には、2秒間何も反応がなければ正解と判定され、それ以外の場合は、誤反応と判定される。このように、S403における受検者の反応は、2秒間監視され、その後、S404及びS405を経て次の試行、又はS410へと進む。
【0075】
S405では、Go/No-Go課題について、所定のn回の試行が終了したか否かが判断され、終了していればS410へと進み、終了していない場合には、S402へと戻り、次の試行が開始される。本実施形態では、Go/No-Go課題の試行数nは、100回である。
【0076】
S410へ進むと、喚呼あり条件で課題Dが開始され、課題の開始及び課題への反応に際して喚呼の必要がある旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。S411では、Go/No-Go課題が開始され、赤色の円が表示された場合には、所定のキーを押して反応すること、緑色の円が表示された場合には、何も反応しなくて良いこと、が受検者に対して伝えられる。S412においては、上記S402と同様に、画面の中央に赤又は緑色の円が表示される。
【0077】
続いて、本実施形態では、S413において、受検者がS412で表示された円の色名を喚呼したか否かが確認され、その結果が記憶装置12に記録される。喚呼確認においては、音声認識処理により、表示されている色名を称呼する受検者の声を、マイク35を介して拾えれば、演算装置11は喚呼が行われていると判定する。なお、喚呼が無かった試行については、下記S415の正誤判断において、カウントされないように扱われる。
【0078】
S414、S415及びS416は、上記S403~S405と同様に行われ、S416において、n回(100回)の試行が終了したと判定されれば、S420へと進み、結果として、喚呼なし条件と喚呼あり条件の場合の誤反応数が、画面上に対比表示される。図16は、ディスプレイ20上に対比表示される課題Dの結果の一例を示す図である。
【0079】
同図に示すように、喚呼あり条件の場合の誤反応数が2回であるのに対して、喚呼なし条件の場合の誤反応数は8回となっており、喚呼ありの場合に大幅にヒューマンエラーの発生が抑制されていることが分かる。よって、課題Dに係る実施形態によれば、受検者は、喚呼に大きなエラー防止作用があることを十分に体感することができる。なお、課題Dによって、喚呼による発声反応を挿入することで、頻度の多いGo反応に引きずられて、No-Go課題に対して誤反応することを防止する効果、すなわち発生反応の随伴によって行動抑制力を高める効果が得られていることを示している。
【0080】
(5)課題E:ビジランス課題
続いて、一定間隔で現れる刺激A(フィラー刺激)を監視しながら、たまに現れる刺激B(ターゲット刺激)に対して、素早く正確に反応することを求めるビジランス課題を実施する課題Eについて、指差も腕伸ばしも要求しない腕伸ばしなし指差なし条件、指差を要求するが腕伸ばしは要求しない腕伸ばしなし指差あり条件、及び指差と腕伸ばしを要求する腕伸ばしあり指差あり条件で行う場合について、図面を参照しながら説明する。
【0081】
図17及び図18は、課題Eを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。まず、S500において、腕伸ばしなし指差なし条件で課題Eが開始される。S500では、課題の開始及び課題への反応に際して腕伸ばし及び指差の必要の無い旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。
【0082】
S501では、ビジランス課題が開始され、赤色の円(フィラー刺激)が表示された場合には、何も反応しなくて良いこと、緑色の円(ターゲット刺激)が表示された場合には、できるだけ早くキーボード30の何れかのキーを押して反応すること、が受検者に対して伝えられる。
【0083】
S502では、上述した図14と同様に、ディスプレイ20の画面の中央に、フィラー刺激として直径2cmの赤色の円が表示される。この赤色の円は、2秒間表示し、2秒間隔を空けて次々に表示する。S502におけるフィラー刺激の表示時間は、20~40秒の間で、腕伸ばしなし指差なし条件全体における平均が30秒となるようにランダムに変更される。
【0084】
次に、S503に進み、画面の中央に、ターゲット刺激としての緑色の円が表示される。そして、S504において行われた受検者の反応の正誤が、S505において判断され、その結果が記憶装置12に記録される。S504では、キーボードの何れかのキーが押下されていれば、正解と判定され、反応が無い場合にはエラーと判定される。なお、S503においてターゲット刺激が表示されてから2秒間反応が無い場合には、S505においてエラー(誤反応)と判定される。
【0085】
S506では、所定のn回の試行が行われたか否かが判定され、終了していない場合には、S502へと戻り、次の試行が開始される。本実施形態では、課題Eのビジランス課題の試行数nは20である。所定のn回の試行が終了した場合には、S510へと進む。
【0086】
S510に進むと、腕伸ばしなし指差あり条件で課題Eが開始される。ここで、本実施形態では、腕伸ばし(肘の曲げ)を検知するための肘関節センサーが肘の関節部分に取り付けられ、この肘関節センサーの出力から、演算装置11が腕伸ばしの有無を検知することができる。
【0087】
S510では、課題の開始及び課題への反応に際して、腕は曲げたままで(肘を曲げたままで)指差しを行う必要のある旨が、受検者に対して音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。なお、指差しは、ターゲット刺激である円以外の場所を指差しするように伝えられる。S511において、上記S501と同様にビジランス課題が開始された後、S512においては、S502と同様に赤色の円(フィラー刺激)が表示されると共に、赤色の円が表示されている間に受検者により指差しが行われた否かが確認され、その結果が記憶装置12に記録される。
【0088】
なお、課題Eでの指差しは、ターゲット刺激である円以外の場所を指差しするように伝えられるため、指差しの確認は、ディスプレイ20のタッチパネルの出力から、画面上において表示された円以外の場所が受検者によってタッチされたか否かによって行われる。
【0089】
S513は、上記S503と同様に緑色の円(ターゲット刺激)が表示される。S514では、受検者によってターゲット刺激に対する指差しが行われた否かが、上記S512と同様に確認・記録される。続いて、S515で、受検者が任意のキーを押下して反応すると、S516に進み、上記S505と同様に、受検者の反応の正誤が判定・記録される。なお、S514において指差が確認されなかった場合には、当該試行については、S516においてカウントしないにように扱われる。
【0090】
S517においては、上記S506と同様に、所定のn回の試行が行われたか否かが判定され、終了していない場合には、S512へと戻り、終了した場合には、S520へと進む。上述したように、本実施形態では、ビジランス課題の試行数nは20である。
【0091】
S520へと進むと、腕伸ばしあり指差あり条件で課題Eが開始される。S520では、課題の開始及び課題への反応に際して、腕を曲げた状態から伸ばしながら指差し行う必要のある旨が、受検者に対して伝えられる。S521、S522、S523、S524については、上記S511、S512、S513、S514と同様に行われ、その後、S525において、肘関節センサーの出力から、受検者が腕伸ばしをしたか否かが確認・記録される。
【0092】
そして、S526で受検者が反応すると、S527では、上記S516と同様にその反応の正誤が判断・記録される。なお、S524で指差がなかった場合、及びS525で腕伸ばしがなかった場合には、S527において、当該試行についてはカウントしないように扱われる。
【0093】
そして、S528において、n回(20回)の試行が終了したかどうかがチェックされ、終了した場合には、S530へと進み、課題Eの腕伸ばしなし指差なし条件、腕伸ばしなし指差あり条件及び腕伸ばしあり指差あり条件の結果が、対比しながらディスプレイ20上に表示される。図19は、ディスプレイ20上に対比表示される課題Eの結果の一例を示す図である。
【0094】
図19には、ターゲット刺激が表示されても受検者がいずれのキーも押さなかった無反応(エラー)の比率である無反応率が表示されている。同図によれば、腕伸ばしなし指差なし条件の場合がもっとも成績が悪く、腕伸ばしなし指差条件ありの場合は、若干エラー率が減少し、腕伸ばしあり指差あり条件の場合には、格段に成績が良いことが分かる。
【0095】
したがって、課題Eに係る実施形態によれば、指差しによりヒューマンエラーが減少すると共に、指差時に腕伸ばしを伴えば、さらに大幅にヒューマンエラーを減らすことができることを、受検者が体感により理解することができる。なお、課題Eにおける指差及び腕伸ばしによれば、体が覚醒され、この覚醒水準維持効果が発揮され、ヒューマンエラーを抑止していると捉えることができる。
【0096】
(6)課題F:ストループ課題
続いて、色の名前がその色とは異なる色で記されているとき、文字の意味(読み)に引きずられて文字の色を言うのが遅れる現象であるストループ効果を利用したストループ課題を実施する課題Fについて、遅延なし指差なし条件、遅延なし指差あり条件及び遅延あり指差なし条件で行う場合について、図面を参照しながら説明する。
【0097】
図20及び図21は、課題Fを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。図22は、課題Fの実行時にディスプレイ20上に表示される画面の内容を示す図である。まず、S600において、遅延なし指差なし条件で課題が開始される。S600では、課題の開始及び課題への反応に際して指差しの必要の無い旨が受検者に伝えられる。
【0098】
S601では、ストループ課題が開始され、受検者に対して、刺激が画面中央に表示されると、その刺激を彩る色をなるべく早く回答することが伝えられる。S602では、図22に示すように、所定の色で彩られた刺激が、ディスプレイ20の画面中央に2秒間表示される。ここでは、赤色に彩られた色名「あお」が表示されているとする。また、画面の下部には、黒色に彩られた色名「みどり」、「あか」、「きいろ」及び「あお」が縦線で区切られて表示される。そして、受検者に対して、各試行において刺激を彩る色の色名に対応したキーを押下して反応するように伝えられる。
【0099】
課題Fに係る本実施形態では、刺激として、緑、赤、黄又は青色で彩られた、統制刺激、不一致刺激及び一致刺激の三種類の刺激が表示される。統制刺激は、「++」記号等の文字以外の記号や図形を所定の色で彩った刺激である。不一致刺激は、色名を、その色名の示すものとは異なった色で彩った刺激である。一致刺激は、色名を、その色名の示す色で彩った刺激である。本実施形態では、色名としては、「みどり」、「あか」、「きいろ」及び「あお」の何れかが表示され、彩る色は、緑色、赤色、黄色及び青色の何れかが用いられる。
【0100】
S602では、同じ刺激が4回以上続かないように制御すること、前の試行で提示された色名文字の意味する色が、次の試行の刺激を彩る色にならないように制御されること、一致刺激の提示率が他の刺激よりも3倍に高くすること以外は、全てランダムに刺激が提示される。一致刺激の提示率を高くすることで、誤反応率や干渉量を増加することが期待できる。
【0101】
また、画面の下部に選択肢として表示される黒色に彩られた色名の並び順序も、試行毎にランダムに順序が変えられる。但し、受検者が選択すべき正解の位置が同じ位置で4回以上続かないように制御される。S602における刺激の表示は、下記S603における被験者の反応があるまで表示し続ける。
【0102】
S603において、刺激を彩る色名に対応するキーを受検者が押下すると、S604に進み、受検者の反応の正誤が確認され、その結果が記憶装置12に記録される。具体的には、受検者の押下したキーに対応する色名が、当該試行において表示された刺激を彩る色と同一であれば、正解と判定され、一致しなければ誤反応(エラー)と判定される。
【0103】
S605では、ストループ課題について、所定のn回の試行が終了したかどうかが判定され、終了していれば、S610へと進み、終了していない場合には、S602へと戻り、次の試行が開始される。本実施形態では、課題Fの試行数nは、統制刺激、不一致刺激、一致刺激をそれぞれ36試行ずつ行うとして、108である。なお、S602に戻る場合には、前の試行が終了してから2秒の間隔を空けて、次の試行が開始するように制御される。
【0104】
S610へ進むと、遅延なし指差あり条件で課題Fが開始され、課題の開始及び課題への反応に際して、指差しの必要がある旨が受検者に伝えられる。S611では、ストループ課題が開始され、上記601と同様の処理が行われ、続いて、S612においても、S602と同様に所定の色で彩られた刺激が表示される。S613において受検者が反応すると、S614において、ディスプレイ20のタッチパネルの出力から受検者が指差しを行ったか否かが判定され、その結果が記憶装置12に記録される。
【0105】
S615では、上記S604と同様に受検者の反応の正誤が確認され、その結果が記録される。なお、S614において指差が行われなかった試行については、S615においてカウントしないように処理される。そして、S616では、所定のn回(108回)の試行が終了したか否かが監視され、終了した場合には、S620へと進む。
【0106】
S620では、遅延あり指差なし条件で課題Fが開始され、課題の開始及び課題への反応に際して、反応遅延があること及び指差しの必要が無い旨が受検者に伝えられる。反応遅延あり条件とは、画面上に刺激が表示されても、一定時間(本実施形態では0.5秒)反応してはいけないという反応遅延表示を行い、この表示が消えた後にできるだけ早く受検者に反応を求めるという条件である。本実施形態では、画面下部に表示された選択肢としての色名全体を四角で囲むことで、反応遅延表示としている。
【0107】
S622においては、上記S602と同様に所定の色で彩られた刺激が表示され、S623では、反応遅延表示として、画面上の色名の選択肢が四角で囲まれる。この反応遅延表示は、S622の刺激の表示と同時に表示され、0.5秒間表示される。なお、このように選択肢が囲まれている間に、受検者がキーを押した場合には、演算装置11は、ブザー音を鳴らして受検者に警告すると共に、当該試行については、下記S625の正誤判断においてカウントしないように扱われる。
【0108】
反応遅延表示が消えた後に、S624において、受検者が反応すると、上記S604と同様に、S625において、その正誤が判定・記録される。S626では、所定のn回(108回)の試行が終了したか否かが監視され、終了した場合には、S630へと進む。
【0109】
S630では、課題Fの遅延なし指差なし条件、遅延なし指差あり条件及び遅延あり指差なし条件での結果が、対比しながらディスプレイ20上に表示される。図23は、ディスプレイ20上に対比表示される課題Fの結果の一例を示す図である。同図に示すように本実施形態では、各条件の誤反応率、誤反応干渉量、平均反応時間干渉量が表示される。
【0110】
ここで、誤反応干渉量は、不一致刺激の誤反応数から統制刺激の誤反応数を差し引いた数であり、平均反応時間干渉量は、不一致刺激の平均反応時間から統制刺激の平均反応時間を差し引いた数である。
【0111】
図23に示す結果によれば、遅延なし指差なし条件よりも、遅延なし指差あり条件及び遅延あり指差なし条件が、格段にエラー率が低くなっている。よって、この結果を見た受検者は、指差によりエラーの発生が抑制され、さらに、反応を遅延させることでも指差と同様にエラーの発生が抑制されることを実際の試験によって体感することができる。
【0112】
このように反応遅延ありの場合にエラーの発生が抑制されているのは、受検者の反応に際して、強制的に一休みさせることで、誤った習慣的な反応の早い生起(焦燥反応)を抑制し、正しい意識的な反応の生起を促進しているからである。そして、指差しすることで、反応が遅れ、反応遅延と同様の作用により、エラーの発生を抑制していることが理解される。
【0113】
(7)課題G:Go/No-Go課題
続いて、2つの刺激に対して、一方に対してはキー押しなどの反応(Go反応)を、もう一方の刺激に対しては反応をしない(No-Go反応)ことを求める、Go/No-Go課題を実施する課題Gについて、遅延なし指差なし条件、遅延なし指差あり条件及び遅延あり指差なし条件で行う場合について、図面を参照しながら説明する。
【0114】
図24及び図25は、課題Gを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。まず、S700において、遅延なし&指差なし条件で課題Gが開始される。S700では、課題の開始及び課題への反応に際して指差しの必要の無い旨が受検者に伝えられる。
【0115】
S701に進むと、Go/No-Go課題が開始され、受検者に対して、赤色の円が表示された場合にはできるだけ早く所定のキーを押して反応すること、緑色の円が表示された場合には何も反応しなくて良いことが、音声やディスプレイ20への表示によって伝えられる。
【0116】
S702では、上記図14に示した課題Dと同様に、ディスプレイ20の画面の中央に、直径2cmの赤又は緑色の円が表示される。Go刺激である赤色の円が表示される確率と、No-Go刺激である緑色の円が表示される確率は、8:2である。このように、Go反応の比率を高めることで、No-Go課題におけるGo反応へのつり込まれによる誤反応を誘発している。
【0117】
S703において、受検者は、赤色の円が表示された場合には、所定のキーを押下し、緑色の円が表示された場合には、何も反応しないことが求められる。S704において、S703における受検者の反応の正誤が判断され、その結果が記憶装置12に記録される。
【0118】
すなわち、Go刺激(赤色の円)が表示された場合には、所定のキーが押下されれば正解と判定され、それ以外の場合には誤反応と判定される。また、No-Go刺激(緑色の円)が表示された場合には、2秒間何も反応がなければ正解と判定され、それ以外の場合は、誤反応と判定される。このように、S703における受検者の反応は、2秒間監視され、その後、S704及びS705を経て次の試行、又はS710へと進む。
【0119】
S705では、Go/No-Go課題について、所定のn回の試行が終了したか否かが判断され、終了していればS710へと進み、終了していない場合には、S702へと戻り、次の試行が開始される。本実施形態では、Go/No-Go課題の試行数nは、100回である。
【0120】
S710へ進むと、遅延なし指差あり条件で課題Gが開始され、課題の開始及び課題への反応に際して指差しをする必要のある旨が、受検者に伝えられる。S711では、Go/No-Go課題が開始され、上記S701と同様に課題への対応方法が受検者に伝えられる。S712では、上記S702と同様に画面の中央に赤又は緑色の円が表示される。
【0121】
続いて、S713では、受検者がS712で表示された円(刺激)を指差ししたか否かが確認され、その結果が記憶装置12に記録される。指差の確認は、ディスプレイ20のタッチパネルの出力に基づいて、円内がタッチされていれば指差が行われたと判定される。なお、指差が無かった試行については、下記S715の正誤判断において、カウントされないように扱われる。
【0122】
S714、S715及びS716は、上記S703、S704及びS705と同様に行われる。S716において、n回(100回)の試行が終了したと判定されると、S720へと進み、遅延あり指差なし条件で課題Gが開始される。
【0123】
S720では、課題の開始及び課題への反応に際して、反応遅延があること及び指差しの必要が無い旨が受検者に伝えられる。反応遅延あり条件とは、画面上に刺激を表示した後、一定時間(本実施形態では0.5秒)反応してはいけないという反応遅延表示を行い、この表示が消えた後にできるだけ早く受検者に反応を求めるという条件である。本実施形態では、画面中央に表示された円を四角で囲むことで、反応遅延表示としている。図26は、課題Gにおいて反応遅延表示が行われた際の画面の内容を示す図である。
【0124】
S722では、上記S702と同様に、所定の色の円が画面の中央に表示され、S723では、反応遅延表示として、画面上の円が四角で囲まれる。この反応遅延表示は、S722の刺激の表示と同時に行われ、0.5秒間表示される。なお、反応遅延表示が表示されている間に受検者がキーを押してしまうと、演算装置11は、ブザー音を鳴らして受検者に警告すると共に、当該試行については、下記S725の正誤判断においてカウントしないように扱われる。
【0125】
反応遅延表示が消えた後に、S724において受検者が反応すると、上記S704と同様に、S725において、その正誤が判定・記録される。S726では、所定のn回(100回)の試行が終了したか否かが監視され、終了されればS730へと進む。
【0126】
S730では、課題Gの遅延なし指差なし条件、遅延なし指差あり条件及び遅延あり指差なし条件での結果が、対比されてディスプレイ20上に表示される。図27は、ディスプレイ20上に対比表示される課題Gの結果の一例を示す図である。
【0127】
図27に示す結果によれば、遅延なし指差なし条件よりも、遅延なし指差あり条件及び遅延あり指差なし条件が、格段に誤反応数が少なくなっている。よって、この結果を見た受検者は、指差によりヒューマンエラーの発生が抑制され、さらに、反応を遅延させることでも指差と同様にエラーの発生が抑制されることを実際の試験によって体感することができる。
【0128】
このように反応遅延ありの場合にエラーの発生が抑制されているのは、受検者の反応に際して、強制的に一休みさせることで、誤った習慣的な反応の早い生起(焦燥反応)を抑制し、正しい意識的な反応の生起を促進しているからである。そして、指差しすることで、反応が遅れ、反応遅延と同様の作用により、エラーの発生を抑制していることが理解される。
【0129】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態に係る指差喚呼効果提示システムは、上記課題A~Gを実施するためのプログラムを記憶装置12内に格納しており、上記課題から任意の課題を選択して受検者に実施してもらったり、全ての課題を受検者に実施してもらったりすることが可能である。
【0130】
また、本実施形態によれば、課題A~Gを様々な条件で受検者に実施させることで、指差や喚呼により種々の観点からヒューマンエラーの発生を抑えることができることを、受検者が課題を通して体感することができる。
【0131】
また、本実施形態では、指差なしや喚呼なし条件で課題を実施させたあとに、指差ありや喚呼あり条件で課題を実行させているため、指差ありや喚呼あり条件における成績の向上は、課題への慣れによるエラーの抑制効果も寄与している。指差や喚呼だけによる効果ではないが、受検者にとっては指差や喚呼の重要性をより一層理解してもらうことができるので、本実施形態のように、指差ありや喚呼あり条件による課題を、指差なしや喚呼なし条件よりも後に行うことが望ましい。
【0132】
また、本実施形態では、課題A~Gを受検者に実施してもらうことで、上述したように、指差喚呼の種々の機能によりエラーの発生が防止されていることを体感することができる。課題A及びBは、指差により、「自己」を積極的に「対象」に近づけることになり、刺激を正確かつ鮮明に網膜(受容器)に伝える機能により、エラーの発生が抑制されることを示している。
【0133】
課題Cは、喚呼により、対象の名称を思い出して言うという思考を必要とし、意識(注意力)をより長く、しかも強く対象に集中させ、短期記憶の形成を助ける(記憶に焼き付けられる)機能により、エラーの発生が抑制されることを示している。課題Dは、「対象」を認知する際に、視知覚・聴覚・筋肉知覚などの動員によって認知の正確度が高まる機能により、エラーの発生が抑制されることを示している。
【0134】
課題Eは、あごや手や腕の筋肉運動が刺激となって大脳(大脳新皮質)の活動レベルが上がり、意識レベルの高い状態、すなわち頭のさえた状態を作り出す機能により、エラーの発生が抑制されることを示している。課題F及びGは、刺激の知覚と反応の間に別の動作とそれに伴うタイムラグが挿入されたことにより、焦燥反応や習慣的動作の抑制がされる機能により、エラーの発生が抑制されることを示している。
【0135】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上述した各課題の試行数や時間等は、各課題の主旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0136】
また、課題の実施結果として表示する項目も、指差喚呼によりエラーの発生が抑制されていることが分かる指標となりうるものであれば、適宜他の項目を表示すれば良い。
【0137】
また、本実施形態では、受検者が指差喚呼をしていないことは検知していないが、受検者が指差をしていないことを、受検者の両手をそれぞれ定められたキーの上に置かせることで検出するようにしても良い。この場合、システムは、指差なし条件の課題の実行中、常に所定のキーが押下されていれば、指差を行っていないと判定するように構成される。また、喚呼をしていないことを、マイクを通した音声認識により検知するようにしても良い。
【0138】
また、本実施形態に係る指差喚呼効果提示システムは、指差によるヒューマンエラーの抑止効果と、喚呼によるヒューマンエラーの抑止効果の双方を提示するシステムとしたが、指差喚呼のうち指差による効果のみを示すものや、喚呼による効果のみを示すものであっても指差喚呼効果提示システムに含まれるものである。
【0139】
また、指差を検知する指差確認装置として、タッチパネルだけではなく、加速度センサーを備えた三次元入力デバイス等、適宜他の装置を用いることができる。また、受検者が反応を入力する入力装置も、キーボードやマウスに限定されるものではなく、タッチタブレット等、適宜他の入力装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1は、本実施形態に係る指差喚呼効果提示システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る指差喚呼提示システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図3は、本実施形態に係る課題Aを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図4】図4は、本実施形態に係る課題Aの実行時に、ディスプレイ上に表示される画面の内容を示す図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るディスプレイ上に対比表示される課題Aの結果の一例を示す図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る課題Bを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】図7は、本実施形態に係る課題Bの実行時に、ディスプレイ上に表示される画面の内容を示す図である。
【図8】図8は、本実施形態に係るディスプレイ上に対比表示される課題Bの結果の一例を示す図である。
【図9】図9は、本実施形態に係る課題Cを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図10】図10は、本実施形態に係る課題Cを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図11】図11は、本実施形態に係る課題Cを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図12】図12は、本実施形態に係る課題Cの実行時に、ディスプレイ上に表示される画面の内容を示す図である。
【図13】図13は、本実施形態に係るディスプレイ上に対比表示される課題Cの結果の一例を示す図である。
【図14】図14は、本実施形態に係る課題Dを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図15は、本実施形態に係る課題Dの実行時にディスプレイ上に表示される画面の内容を示す図である。
【図16】図16は、本実施形態に係るディスプレイ上に対比表示される課題Dの結果の一例を示す図である。
【図17】図17は、本実施形態に係る課題Eを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図18】図18は、本実施形態に係る課題Eを実行する際の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図19】図19は、本実施形態に係るディスプレイ上に対比表示される課題Eの結果の一例を示す図である。
【図20】図20は、本実施形態に係る課題Fを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】図21は、本実施形態に係る課題Fを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】図22は、本実施形態に係る課題Fの実行時にディスプレイ上に表示される画面の内容を示す図である。
【図23】図23は、本実施形態に係るディスプレイ上に対比表示される課題Fの結果の一例を示す図である。
【図24】図24は、本実施形態に係る課題Gを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】図25は、本実施形態に係る課題Gを実行する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】図26は、本実施形態に係る課題Gにおいて反応遅延表示が行われた際の画面の内容を示す図である。
【図27】図27は、本実施形態に係るディスプレイ上に対比表示される課題Gの結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0141】
1 指差喚呼効果提示システム
10 PC本体
11 演算装置
12 記憶装置
13 タイマー
20 ディスプレイ
30 キーボード
32 マウス
35 マイク
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
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【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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