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明細書 :連接車両試験装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5061339号 (P5061339)
公開番号 特開2009-192269 (P2009-192269A)
登録日 平成24年8月17日(2012.8.17)
発行日 平成24年10月31日(2012.10.31)
公開日 平成21年8月27日(2009.8.27)
発明の名称または考案の名称 連接車両試験装置
国際特許分類 G01M  17/08        (2006.01)
FI G01M 17/00 F
請求項の数または発明の数 15
全頁数 22
出願番号 特願2008-031010 (P2008-031010)
出願日 平成20年2月12日(2008.2.12)
審査請求日 平成22年3月11日(2010.3.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】佐々木 君章
【氏名】榎本 衛
【氏名】下村 隆行
【氏名】秋山 良男
【氏名】渡辺 信行
【氏名】梅原 康宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100134865、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 泰彦
【識別番号】100151345、【弁理士】、【氏名又は名称】今井 順一
審査官 【審査官】福田 裕司
参考文献・文献 特開2006-184068(JP,A)
特開2003-267216(JP,A)
特開平05-184002(JP,A)
特開昭56-132541(JP,A)
特開昭05-281096(JP,A)
特開2001-141616(JP,A)
特開2005-091144(JP,A)
調査した分野 G01M 17/08
JMEDPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
被試験車両に連接される隣接車両の動作を該被試験車両の連接部に与えてその運動状態を試験するための連接車両試験装置であって、
前記連接部に対向する前方車端面を有しこれと平行な基準軸を与えられたフレームアセンブリと、
前記前方車端面の移動を所定の自由度に制限しつつ前記フレームアセンブリを支持するリンク支持手段と、
前記基準軸を鉛直方向に沿って及びこれから傾斜するように前記フレームアセンブリを移動せしめる上下・ロール駆動手段と、
前記基準軸の周りに前記前方車端面を回転するように前記フレームアセンブリを移動せしめる回転駆動手段と、
前記基準軸を前記前方車端面と略平行に水平移動するように前記フレームアセンブリを移動せしめる水平駆動手段と、
前記上下・ロール駆動手段、前記回転駆動手段及び前記水平駆動手段における負荷を検出する負荷検出手段と、からなることを特徴とする連接車両試験装置。
【請求項2】
前記所定の自由度は、前記基準軸を鉛直方向に沿って移動させ、これから傾斜させ、水平面内で並進させるとともに、前記前方車端面を前記基準軸の周囲で回転させる4つの自由度であることを特徴とする請求項1記載の連接車両試験装置。
【請求項3】
前記フレームアセンブリは、前記連接部に対向する主面を有し前記主面と平行に前記基準軸を与えられた中間フレームと、前記前方車端面を有し前記主面に対向し前記基準軸の周りに回転自在に前記中間フレームに軸支された模擬運動フレームとを含み、
前記支持手段は前記中間フレームの主面の向きを一定に維持するように前記中間フレームを平行支持する平行支持手段からなることを特徴とする請求項2記載の連接車両試験装置。
【請求項4】
前記平行支持手段は、棒状体の両端部近傍に球面継手を設けた支持リンク部材を少なくとも3つ含み、その一端部を前記中間フレームのそれぞれ異なる箇所に連結されることを特徴とする請求項3記載の連接車両試験装置。
【請求項5】
前記上下・ロール駆動手段は、鉛直方向に沿って往復動するピストンを有し前記中間フレームの前記主面に沿って前記中間フレームの前記基準軸を挟んで配置された一対の上下加振アクチュエータを含み、前記中間フレームが前記一対の上下加振アクチュエータの前記ピストン上に配置されることを特徴とする請求項3又は4に記載の連接車両試験装置。
【請求項6】
前記回転駆動手段は、前記模擬運動フレームに係合し前記中間フレームの前記主面から突出する方向に沿って往復動するピストンを有し前記中間フレームの前記基準軸を挟んだ両側に設けられた一対のヨー加振アクチュエータを含むことを特徴とする請求項3乃至5のうちの1つに記載の連接車両試験装置。
【請求項7】
前記水平駆動手段は、前記基準軸の近傍で前記中間フレームに係合し前記中間フレームの前記主面に沿って略水平面内で往復動するピストンを有する左右加振アクチュエータからなることを特徴とする請求項3乃至6のうちの1つに記載の連接車両試験装置。
【請求項8】
前記負荷検出手段は、前記アクチュエータの前記ピストンに与えられる荷重を計測するロードセルを含むことを特徴とする請求項5乃至7のうちの1つに記載の連接車両試験装置。
【請求項9】
前記フレームアセンブリは単一の模擬運動フレームからなり、前記支持手段は棒状体の両端部近傍に球面継手を設けた支持リンク部材を4つ含み鉛直方向に並ぶ一対の前記支持リンク部材を前記模擬運動フレームの前記基準軸を挟んだ両側部近傍にそれぞれ連結するとともに、前記一対の支持リンク部材の他端部を前記連接部の方向へ向けて所定量だけ移動させると他の前記一対の支持リンク部材の他端部を逆方向に向けて前記所定量だけ移動せしめるリンク移動手段をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の連接車両試験装置。
【請求項10】
前記リンク移動手段は屈曲部を回動自在に軸支されたベルクランクを含むことを特徴とする請求項9記載の連接車両試験装置。
【請求項11】
前記上下・ロール駆動手段は、鉛直方向に沿って往復動するピストンを有し前記前方車端面に沿って前記模擬運動フレームの前記基準軸を挟んで配置された一対の上下加振アクチュエータを含み、前記模擬運動フレームが前記一対の上下加振アクチュエータの前記ピストン上に配置されることを特徴とする請求項9又は10に記載の連接車両試験装置。
【請求項12】
前記回転駆動手段は、前記連接部へ向けて往復動するピストンを有し前記模擬運動フレームの前記基準軸を挟んだ両側に設けられた一対のヨー加振アクチュエータを含むことを特徴とする請求項9乃至11のうちの1つに記載の連接車両試験装置。
【請求項13】
前記水平駆動手段は、前記基準軸の近傍で前記模擬運動フレームに係合し前記模擬運動フレームの前記前方車端面に沿って略水平面内で往復動するピストンを有する左右加振アクチュエータからなることを特徴とする請求項9乃至12のうちの1つに記載の連接車両試験装置。
【請求項14】
前記負荷検出手段は、前記アクチュエータの前記ピストンに与えられる荷重を計測するロードセルを含むことを特徴とする請求項11乃至13のうちの1つに記載の連接車両試験装置。
【請求項15】
前記被試験車両の両端部にそれぞれ与えられることを特徴とする請求項1乃至14のうちの1つに記載の連接車両試験装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行状態を模擬するための車両試験装置に関し、特に連接されて走行する車両の走行状態を模擬して各種計測を行うための連接車両試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走行する車両の走行状態を模擬して各種計測、例えば車両の振動や、車両の振動を抑制するためのダンパの減衰特性、また車両のブレーキの制御特性などを計測するための車両試験装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、多軸動揺装置の上に実際の車両の車体だけを載せて走行する車両の走行状態を模擬する車両試験装置が開示されている。動揺装置と車体との間にはコイルばねなどを介在させて車体を支持し、可動テーブルを積み重ねた動揺装置によって多軸下で車体を動揺させるのである。また特許文献2及び3では、動揺装置の上に設けられた回転する軌条輪の上に実際の車両の車輪を配置して、走行する車両の走行状態を模擬する車両試験装置が開示されている。軌条輪が回転すると摩擦力によって車両の車輪を回転させるとともに、可動テーブルからなる動揺台からの動揺が車輪を介して車体に伝達するのである。これら特許文献1及び2に開示の車両試験装置によって走行する車両の走行状態を模擬して適宜、各種の計測を行い得るのである。
【0004】
ところで連接されて走行する車両、例えば、鉄道車両や連接自動車などのような車両の走行状態を模擬して各種計測を行いたいとの要望がある。一般にこのような連接車両の全長は長くなるとともにその総重量も大となるため、上記したような車両試験装置では装置の全長及び駆動のための機器を大きなものとしなければならず、装置の設置スペース、コストなどの点で多くの問題を生じてしまうのである。
【0005】
そこで例えば、非特許文献1及び2では、1両の被試験車両だけを特許文献2及び3に開示の如き車両試験装置の上に配置して、その両端部若しくは一方の端部に隣接車両の車端の動作を模擬する模擬装置を設置した車両試験方法を提案している。該模擬装置と車両試験装置上の被試験車両とを実際の連接手段で連接して各種計測を行うのである。

【特許文献1】特開平9-50231号公報
【特許文献2】特開2005-274211号公報
【特許文献3】特開2007-327831号公報
【非特許文献1】2006年6月号鉄道総研報告第5頁乃至第10頁
【非特許文献2】平成19年9月21日第205回鉄道総研月例発表会資料:最近の車両技術に関する研究開発
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1及び2では、隣接車両の車端の動作を模擬する装置の構造の詳細については述べられていない。そこで例えば特許文献1に開示された動揺装置の如き可動テーブルを積み重ねた多軸動揺台を用いることもできる。しかしながら、実際の連接車両の車端の動作は非常に高い周波数であり、可動テーブルを積み重ねた動揺台ではかかる動作を精度良く模擬することは困難なのである。また可動テーブルを多軸に駆動するための駆動装置は大規模であって装置が大型化してしまうのである。
【0007】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的とするところは、従来よりもコンパクトであって連接されて走行する連接車両の走行状態を精度良く模擬して各種計測を行うことのできる車両試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被試験車両に連接される隣接車両の動作を該被試験車両の連接部に与えてその運動状態を試験するための連接車両試験装置であって、前記連接部に対向する前方車端面を有しこれと平行な基準軸を与えられたフレームアセンブリと、前記前方車端面の移動を所定の自由度に制限しつつ前記フレームアセンブリを支持するリンク支持手段と、前記基準軸を鉛直方向に沿って及びこれから傾斜するように前記フレームアセンブリを移動せしめる上下・ロール駆動手段と、前記基準軸の周りに前記前方車端面を回転するように前記フレームアセンブリを移動せしめる回転駆動手段と、前記基準軸を前記前方車端面と略平行に水平移動するように前記フレームアセンブリを移動せしめる水平駆動手段と、前記上下・ロール駆動手段、前記回転駆動手段及び前記水平駆動手段における負荷を検出する負荷検出手段と、からなることを特徴とする。
【0009】
かかる連接車両試験装置によれば、連接車両の車端の動作を模擬する前方車端面を有するフレームアセンブリをその前方車端面の移動が所定の自由度に制限されるようにリンク支持手段によってリンク支持した上で、各駆動手段によってこれを移動せしめる。すなわち大規模な多軸可動テーブルの如き大型の駆動装置を有さないため、装置自体をコンパクトにすることができるのである。またリンク支持手段でリンク支持されたフレームアセンブリは各駆動手段により高い周波数で動作可能である。以上の如く、本発明によれば、連接されて走行する連接車両の走行状態を精度良く模擬できるとともに従来よりもコンパクトな装置を得られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明による1つの態様としての連接車両試験装置は、被試験車両に連接される隣接車両の動作を該被試験車両の連接部に与えてその運動状態を試験するための装置である。なお、以下では、連接される隣接車両の縦列方向を前後、縦列方向をよぎる方向を左右と称することとする。フレームアセンブリは、被試験車両の連接部に対向する前方車端面を有しており、これと平行な基準軸を与えられている。フレームアセンブリは、その前方車端面の移動を所定の自由度に制限しつつリンク支持するリンク支持手段によって支持されている。前方車端面は、リンク支持されたフレームアセンブリに係合する3つの駆動手段によって移動する。すなわち、上下・ロール駆動手段は、フレームアセンブリの基準軸を鉛直方向に沿って及びこれから傾斜するようにフレームアセンブリを移動せしめる。回転駆動手段は、基準軸の周りでフレームアセンブリの前方車端面を回転するようにフレームアセンブリを移動せしめる。水平駆動手段は、基準軸を前方車端面と略平行に水平移動するようにフレームアセンブリを移動せしめる。以上において被試験車両の運動状態は、上下・ロール駆動手段、回転駆動手段及び水平駆動手段におけるフレームアセンブリを駆動するために要した負荷を検出する負荷検出手段によってなされる。
【0011】
かかる連接車両試験装置によれば、連接車両の車端の動作を模擬する前方車端面を有するフレームアセンブリをその前方車端面の移動が所定の自由度に制限されるようにリンク支持手段によってリンク支持した上で、各駆動手段によってこれを移動せしめる。すなわち大規模な多軸可動テーブルの如き大型の駆動装置を有さないため、装置自体をコンパクトにすることができるのである。またリンク支持手段でリンク支持されたフレームアセンブリは各駆動手段により高い周波数で動作可能である。故に、連接されて走行する連接車両の走行状態を精度良く模擬できるとともに従来よりもコンパクトな装置を得られるのである。
【0012】
ところで、上記態様において、所定の自由度は、基準軸を鉛直方向に沿って移動させ、また基準軸を鉛直方向から傾斜させ、更に水平面内で並進させる3つの自由度と、前方車端面を基準軸の周囲で回転させる1つの自由度を併せた4つの自由度であることが好ましい。なお、自由度は適宜、減じられ、若しくは、増やされ得る。
【0013】
上記態様におけるより具体的な1つの態様において、フレームアセンブリは、被試験車両の連接部に対向する主面を有し、主面と平行に基準軸を与えられた中間フレームと、前方車端面を有し主面に対向し基準軸の周りに回転自在に中間フレームに軸支された模擬運動フレームとを含む。ここで、支持手段は中間フレームの主面の向きを一定に維持するように中間フレームを平行支持する平行支持手段からなる。ここで基準軸が鉛直方向に沿って移動し得るためには、中間フレームは鉛直面を維持するのである。また中間フレームは4自由度よりも1自由度小さく支持されるが、模擬運動フレームが中間フレームに対して回転軸を有して支持されているので、模擬運動フレームの前方車端面は少なくとも4自由度で移動自在となるのである。
【0014】
上記した態様において、平行支持手段は、棒状体の両端部近傍に球面継手を設けた支持リンク部材を少なくとも3つ含み、好ましくは4つ含み、その一端部を中間フレームのそれぞれ異なる箇所に連結される。支持リンク部材は、その一端部を中間フレームのそれぞれ異なる箇所、すなわち一直線上に並ばないように連結される。特に4つの支持リンク部材を用いる場合にあっては、長方形の四隅となる位置にそれぞれ連結されることが好ましい。かかる態様において、中間フレームの主面は鉛直面であってその向きを一定に維持されるから、中間フレームに回転自在に連結された模擬運動フレームの前方車端面は、基準軸の傾斜及びその周りでの模擬運動フレームの回転角度が大きくない限り、略鉛直面となるのである。
【0015】
上記した具体的態様において、上下・ロール駆動手段は、鉛直方向、すなわち重力方向に沿って往復動するピストンを有する上下加振アクチュエータを2つ含む。上下加振アクチュエータは、中間フレームの主面に沿って中間フレームの基準軸を挟んだ左右両側に配置される。また中間フレームは一対の上下加振アクチュエータのピストン上に配置される。つまり2つの上下加振アクチュエータのピストンが上下動すると、模擬運動フレームの基準軸を鉛直方向に沿って移動させ、また鉛直方向から傾斜するように模擬運動フレームを移動せしめ得るのである。
【0016】
また上記した具体的態様において、回転駆動手段は、模擬運動フレームに係合し中間フレームの主面から突出する方向に沿って往復動するピストンを有するヨー加振アクチュエータを2つ含む。ヨー加振アクチュエータは、中間フレームの基準軸を挟んだ左右両側に配置される。つまり2つのヨー加振アクチュエータのピストンが前後動すると、模擬運動フレームを基準軸の周りに回転するように模擬運動フレームを移動せしめ得るのである。
【0017】
また上記した具体的態様において、水平駆動手段は、基準軸の近傍で中間フレームに係合し中間フレームの主面に沿って略水平面内で左右に往復動するピストンを有する左右加振アクチュエータを含む。つまり左右加振アクチュエータのピストンが左右に動くと、模擬運動フレームの基準軸を主面と略平行に移動させるように模擬運動フレームを移動せしめ得るのである。
【0018】
また上記具体的態様において、負荷検出手段は、2つの上下加振アクチュエータ、2つのヨー加振アクチュエータアクチュエータ、及び、1つの左右加振アクチュエータの5つのアクチュエータのピストンに与えられる荷重を計測するロードセルを含む。すなわち被試験車両からの抗力を計測できるのである。
【0019】
更に、上記態様の他の具体的な1つの態様において、フレームアセンブリは、中間フレームと模擬運動フレームとを一体としたは単一の模擬運動フレームからなっても良い。模擬運動フレームアセンブリは、前方車端面の移動を所定の自由度に制限しつつリンク支持される。リンク支持手段は、棒状体の両端部近傍に球面継手を設けた支持リンク部材と、支持リンク部材を所定量だけ移動せしめ得るリンク移動手段とを含む。支持リンク部材は、球面継手を両端部近傍に設けた棒状体であって、鉛直方向に並ぶ一対2本の支持リンク部材の2組を含む。支持リンク部材の各組はそれぞれ模擬運動フレームの回転軸を挟んだ模擬運動フレームの左右両側部近傍に連結される。一方、支持リンク部材の他端部は、リンク移動手段に連結する。リンク移動手段により、鉛直方向に並ぶ一対の支持リンク部材の組の連結端部が例えば連接部の方向へ向けて所定量だけ移動すると、他の一対の支持リンク部材の組の連結端部が連接部の方向と逆方向に向けて所定量だけ移動するのである。
【0020】
上記した他の具体的態様において、リンク移動手段は略L字状の屈曲平板であって屈曲部を回動自在に軸支されたベルクランクを含んでもよい。支持リンク部材の連結されたベルクランクの一端部が所定量だけ移動すると、屈曲部を中心にベルクランクは回転し、ベルクランクの他端部も所定量だけ移動するのである。かかる1のベルクランクの他端部とロッドなどで連結された対応する他のベルクランクにおいて、ロッドを連結された連結端部がやはり屈曲部を中心に所定量だけ移動するのである。これにより他のベルクランクの連結端部の他端部も所定量だけ移動し、かかる端部に連結した支持リンク部材が所定量だけ移動するのである。つまり、ベルクランクを含むリンク移動手段は、1の支持リンク部材の一端部を所定方向へ向けて所定量だけ移動させると、対応する他の1の支持リンク部材の一端部を所定方向と逆方向に向けて所定量だけ移動せしめ得るのである。
【0021】
上記した他の具体的態様において、上下・ロール駆動手段は、鉛直方向、すなわち重力方向に沿って往復動するピストンを有する上下加振アクチュエータを2つ含む。2つの上下加振アクチュエータは、前方車端面に沿って模擬運動フレームの基準軸を挟んだ左右両側にそれぞれ配置され、模擬運動フレームはこの上下加振アクチュエータのピストン上に配置される。つまり2つの上下加振アクチュエータのピストンが上下動すると、模擬運動フレームの基準軸を鉛直方向に沿って移動させ、また鉛直方向から傾斜するように模擬運動フレームを移動せしめ得るのである。
【0022】
また上記した他の具体的態様において、回転駆動手段は、模擬運動フレームに当接し連接部へ向けて前後に往復動するピストンを有するヨー加振アクチュエータを2つ含む。2つのヨー加振アクチュエータは、模擬運動フレームの基準軸を挟んだ両側にそれぞれ設けられる。つまり2つのヨー加振アクチュエータのピストンが前後動すると、模擬運動フレームを基準軸の周りでほぼ回転するように模擬運動フレームを移動せしめ得るのである。
【0023】
また上記した他の具体的態様において、水平駆動手段は、基準軸の近傍で模擬運動フレームに係合し模擬運動フレームの前方車端面に沿って略水平面内で往復動するピストンを有する左右加振アクチュエータを含む。つまり左右加振アクチュエータのピストンが左右に動くと、模擬運動フレームの基準軸を前方車端面と略平行に移動させるように模擬運動フレームを移動せしめ得るのである。
【0024】
また上記した他の具体的態様において、負荷検出手段は、2つの上下加振アクチュエータ、2つのヨー加振アクチュエータアクチュエータ、及び、1つの左右加振アクチュエータの5つのアクチュエータのピストンに与えられる荷重を計測するロードセルを含む。すなわち被試験車両からの抗力を計測するのである。
【0025】
なお上記した態様の連接車両試験装置において、被試験車両の両端部にある連接部近傍に各々これを与えることで、被試験車両の両端部に連接される隣接車両の動作を該被試験車両の連接部に与え得る。これにより3両以上の編成を構成する編成車両の全ての車両について順次、この走行状態を精度良く模擬できるのである。
【0026】
次に、本発明の1つの実施例として鉄道車両用の試験装置について、図1乃至図10を用いて詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、車体間模擬運動装置1は、車両試験台2の一端部若しくは両端部に設置されており、車両試験台2によって走行を模擬されている被試験車両3と連接されて走行する隣接車両の動作を被試験車両3の連接部3aに与え得る。被試験車両3が先頭車両若しくは最後尾車両とされる場合にあっては、車体間模擬運動装置1は車両試験台2の一端部のみに与えられて、被試験車両3の一方の連接部3aだけに隣接車両の動作が与えられる。一方、被試験車両3が編成の中間車両とされる場合にあっては、車体間模擬運動装置1は車両試験台2の両端部に与えられて、被試験車両3の両端部の連接部3aに隣接車両の動作が与えられるのである。つまり編成車両の動作を順次、模擬していくことができて、1つの編成の全ての車両の動作を模擬でき得るのである。
【0028】
車両試験台2は、被試験車両3のレール(軌道)上での走行状態を模擬するための公知の装置である。レールの頭頂面の形状を有する軌条輪4の上には、被試験車両3の車輪3bが配置される。つまり被試験車両3は実際であれば通常、2本のレールによってその上に支持されるのであるが、車両試験台2においては軌条輪4の上に支持されるのである。軌条輪4が回転すると、摩擦力によって被試験車両3の車輪3bが逆方向に回転する。ここで軌条輪4には加振装置5が与えられており、軌条輪4を上下、左右及びロール方向に加振することが出来る。故に、被試験車両3に実際のレール(軌道)の上での走行状態を模擬させることが出来るのである。
【0029】
更に図2及び図3を併せて参照すると、車両試験台2の端部近傍には車体間模擬運動装置1のベースフレーム10が床に固定されている。ベースフレーム10の基準壁11は、被試験車両3の連接部3aと対向する鉛直面11aを有する。基準壁11の鉛直面11aと反対側の面には補強部11bが与えられており、その剛性を高めている。なお、以下で特記しない限り、上下とは図2の側面図について鉛直方向をこれと定める。また前後及び左右とは図3の平面図において基準壁11から見て連接部3aに向かう方向を前方、さらに同方向に向かって左右を定める。
【0030】
基準壁11の鉛直面11aからは略水平方向且つ前後に加振支持リンク部材12が伸びている。加振支持リンク部材12は、少なくとも3本以上、好ましくは4本設けられて、図示したように基準壁11の鉛直面11aにおいて長方形又は正方形の4隅に上下左右に4本設けられる。また、加振支持リンク部材12の基準壁11の鉛直面11aからの伸張端部は後述する中間フレーム30の背面30bに接続される。
【0031】
図4にも示すように、加振支持リンク部材12は、主ロッド12a、その両端部に取り付けた球状部12c、及び、この球状部12cを上下から表面の一部に沿って挟持する終端取付部材12bとからなる。終端取付部材12bは、ベースフレーム10の基準壁11の鉛直面11a及び中間フレーム30の背面30bに図示しないボルトなどでそれぞれ固定される。
【0032】
更に図5に示したように、球面継ぎ手を両端部に有する加振支持リンク部材12により、中間フレーム30はその主面30aの向きPを一定に且つ鉛直面としたまま左右上下方向に移動できるのである。ここで図5では中間フレーム30の右方向への移動を図示したが、加振支持リンク部材12の長さが大となると、中間フレーム30が移動しても、主面30aの前後方向への移動距離(図5において「d」で示した。)は小さくなるのである。なお、中間フレーム30の主面30aの向きを一定にしたまま、中間フレームを左右上下方向に移動自在に支持する手段は、公知の各種方法を用いてもよい。
【0033】
かかる加振支持リンク部材12により、後述する基準軸57aを鉛直方向に沿って移動させ、また基準軸57aを鉛直方向から傾斜させ、更に水平面内で並進させる3つの自由度と、前方車端面50aを基準軸57aの周囲で回転させる1つの自由度を併せた4つの自由度を得られるのである。
【0034】
再び図2及び図3を参照すると、ベースフレーム10の前方壁17は、基準壁11と対向するようにして前方に設けられており、背面に梁状の補強部17aを与えられてその剛性を高められている。前方壁17の上方端部近傍且つその前面には、左右加振アクチュエータ40が鉛直面内において回動自在となるようにピン18によって取り付けられている。左右加振アクチュエータ40は突出自在のピストン40aを有し、後述するようにその突出端部が中間フレーム30の背面にあるピストン取付部32aにピン40bによって水平面内で回動自在にピン接続されている。
【0035】
一対の上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’は、ベースフレーム10の前方壁17の前面に沿って固定されている。上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’は、鉛直方向に上下動するピストン41a及び41a’をそれぞれ有しており、後述する中間フレーム30の上下動受部材34及び34’の下面に当接している。
【0036】
図6を併せて参照すると、中間フレーム30は、主面30aと背面30bとを有する略梯子状に組立てられた剛体フレーム部材である。詳細には、角柱のフレーム材からなる一対の主フレーム脚31及び31’を左右に配置して、これらの間を連結フレーム32及び32’で連結した略梯子状構造である。下部連結フレーム32の下方近傍であって主フレーム脚31及び31’の外側面には、水平面内において延在する一対のアクチュエータ取付部材33及び33’が設けられている。アクチュエータ取付部材33及び33’上には、主面30aから突出するようにしてヨー加振アクチュエータ42及び42’が固定されている。ヨー加振アクチュエータ42及び42’は、主面30aから突出する方向に前後動するピストン42a及び42a’をそれぞれ有している。また、主フレーム脚31及び31’の背面30bにも水平面内において延材する一対の上下動受部材34及び34’が設けられている。
【0037】
上下動受部材34及び34’下面には、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’のピストン41a及び41a’が当接している(図2、図3及び図8も併せて参照)。中間フレーム30の連結フレーム32及び32’の中間線に沿って、主面30aから前方に突出するようにしてフレーム取付部35及び35’が設けられている。フレーム取付部35及び35’には鉛直方向にこれを貫通する貫通穴が設けられている。これらの貫通穴を結んだ基準軸57aについては後述する。
【0038】
更に図7を併せて参照すると、中間フレーム30の下部連結フレーム32の背面であって基準軸57aの近傍には、ピストン取付部32aが鉛直面内で回転自在となるようにしてピン32a’によってピン留めされている。一方、ベースフレーム10の前方壁17に取り付けられた左右加振アクチュエータ40のピストン40aの突出端部は、ピストン取付部32aと鉛直方向に伸びるピン40bによってピン接続されており、ピン40bの周りに回転自在である。
【0039】
更に図8及び図9を併せて参照すると、車体間模擬運動フレーム50は、被試験車両3に隣接して連接される隣接車両の連接部を模擬する前方車端面50aとその後方の後方面50bとを有する。車体間模擬運動フレーム50も中間フレーム30と同様に、略梯子状に組立てられた剛体フレーム部材である。詳細には、角柱のフレーム材からなる一対の主フレーム脚51及び51’を左右に配置して、これらの間を連結フレーム52及び52’で連結した略梯子構造である。なお剛性を高めるための梁53を連結フレーム52及び52’の間に設けている。前方車端面50aの両側部には連結機器取付板54及び54’が取り付けられる。また連結フレーム52及び52’の後方面50bには、後方に向けて突出するフレーム取付部56及び56’が中心線55に沿って設けられている。なお、主フレーム脚51及び51’の下方端部には、被試験車両3との間を連接する車端間ヨーダンパ61を取り付けるダンパ取付部61a及び61a’が設けられている。図示しないが、被試験車両3との間を連接する部材は適宜、連結機器取付板54及び54’など車体間模擬運動フレーム50に取り付けられる。
【0040】
ここで特に図2、図3及び図8を参照すると、車体間模擬運動フレーム50の一対のフレーム取付部56及び56’の突出端部は、中間フレーム30のベースフレーム取付部35及び35’の突出端部に上下方向から挟み込まれて、これらを上下方向に貫通する貫通穴にピン57が差し込まれる。つまり、車体間模擬運動フレーム50は、ベースフレーム10に対して上下一対のピン57を結んだ基準軸57aを中心に回動自在である。また、基準軸57aを左右に挟むようにして中間フレーム30に取り付けられた一対のヨー加振アクチュエータ42及び42’のピストン42a及び42a’の突出端部は、車体間模擬運動フレーム50の後方面50bの取付部59に鉛直方向に伸びるピン58によってピン接続されている。
【0041】
なお、実際の編成車両間は各種装置によって接続される。本実施例においても、被試験車両3の連接部3aと車体間模擬運動装置1との間にこれらを介在させることが可能である。例えば、車端間ヨーダンパ61や車端ダンパ62を車体間模擬運動フレーム50に取りつけることができる。また必要に応じて、幌なども取付可能である。
【0042】
図10に示すように、上記した左右加振アクチュエータ40、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’、ヨー加振アクチュエータ42及び42’の5本のアクチュエータは、演算装置100からの所定の信号を得たアクチュエータコントローラ101によって駆動される。なおこれに限定されるものではないが、1つの実施例として、各アクチュエータは所定の変位をなすように変位制御される。このとき各アクチュエータ40、41、41’、42及び42’のピストン40a、41a、41a’、42a及び42a’にはその負荷を計測する計測装置、例えば、ロードセル70、71、71’、72及び72’などがそれぞれ取りつけられており、各ロードセルからの出力は、演算装置100に送られて制御ループを構成できるようになっている。
【0043】
次に、上記した実施例の鉄道車両用の試験装置の動作について、図1乃至12を用いて説明する。
【0044】
まず図1に示すように、車両試験台2の上に被試験車両3を載せて走行状態を模擬させる。これは公知故に詳述しない。
【0045】
ここで、特に、図2、図3及び図10を参照すると、アクチュエータコントローラ101からの信号により左右加振アクチュエータ40を駆動せしめて、ピストン40aを所定ストローク量だけ移動せしめると、加振支持リンク部材12によって中間フレーム30は基準壁11の鉛直面11aと常に平行に維持をしたまま、すなわちその主面30aの向きを維持したまま左右(水平)方向に移動するのである。ここで車端間模擬運動フレーム50は、基準軸57aに沿って並ぶ2カ所のピン57でピン接続されているから、中間フレーム30とともに水平方向に移動するのである。故に、左右加振アクチュエータ40を駆動せしめると、車端間模擬運動フレーム50も中間フレーム30と同じ移動距離だけ左右方向に移動する。更に車端間模擬運動フレーム50は、適宜、車端間ヨーダンパ61や車端ダンパ62などで被試験車両3と連結されているから、その動きに対して反作用を受けるのである。かかる反作用による負荷は、左右加振アクチュエータ40のピストン40aに設けられたロードセル70によって計測されるのである。
【0046】
またアクチュエータコントローラ101からの信号により一対の上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’を駆動させて、そのピストン41a及び41a’を所定ストローク量だけそれぞれ移動せしめると、加振支持リンク部材12によって中間フレーム30は上記同様にその主面30aの向きを維持したまま基準軸57aを鉛直方向に沿って上下に、若しくは、これから左右方向に傾斜させることが出来るのである。ここでも車端間模擬運動フレーム50は中間フレーム30の基準軸57aに沿って並ぶ2カ所のピン57でピン接続されており、中間フレーム30とともに車端間模擬運動フレーム50も鉛直方向に沿って上下に、若しくは、これから左右方向に傾斜させることが出来るのである。故に、左右加振アクチュエータ40を駆動せしめると、車端間模擬運動フレーム50も中間フレーム30と同じ移動距離若しくは傾斜角度の移動をするのである。上記同様に、被試験車両3からの反作用による負荷は、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’のピストン41a及び41a’に設けられたロードセル71及び71’によって計測される。
【0047】
またアクチュエータコントローラ101からの信号により一対のヨー加振アクチュエータ42及び42’を駆動させて、そのピストン42a及び42a’を所定ストローク量だけそれぞれ移動せしめると、加振支持リンク部材12によって中間フレーム30は基準壁11の鉛直面11aと常に平行を維持しているため、また後方には移動できないから、中間フレーム30の主面30aに対して車端間模擬運動フレーム50の前方車端面50aの方向を傾斜せしめ得るのである。ここで車端間模擬運動フレーム50は、中間フレーム30の基準軸57aに沿って並ぶ2カ所のピン57でピン接続されているから、中間フレーム30に対して車端間模擬運動フレーム50が回動するのである。上記同様に、被試験車両3からの反作用による負荷は、ヨー加振アクチュエータ42及び42’のピストン42a及び42a’に設けられたロードセル72及び72’によって計測されるのである。
【0048】
以上のように、左右加振アクチュエータ40、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’、ヨー加振アクチュエータ42及び42’の5本のアクチュエータを駆動することにより、車端間模擬運動フレーム50の前方車端面50aを4自由度で変位せしめ得るのである。
【0049】
さらに、1つの試験方法について更に図1及び図2に図10を主に参照して説明する。
【0050】
まず実車両の走行によって得られた車両走行データは演算装置100に入力されて(車両走行データ再生)、このデータから車両端面の座標が演算される(隣接車両端面座標演算)。得られた車両端面の座標に車体間模擬運動フレーム50を位置させるように左右加振アクチュエータ40、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’、ヨー加振アクチュエータ42及び42’における各駆動量、すなわちピストン40a、41a、41a’、42a及び42a’のストローク量をそれぞれ演算するのである(アクチュエータストローク演算)。この演算データは適宜各アクチュエータを制御するための信号に変換されて(伝達関数補正、D/A変換)、アクチュエータコントローラ101に送出される。アクチュエータコントローラ101は、各アクチュエータを信号に応じて駆動させるのである。すると車体間模擬運動フレーム50の動きは、車端間ヨーダンパ61及び車端ダンパ62を介して被試験車両3に伝達する。
【0051】
一方で、被試験車両3は、車両試験台2の上で走行状態を模擬しており、走行状態に対応して、逆に車端間ヨーダンパ61及び車端ダンパ62を介して車体間模擬運動フレーム50に反作用を与えるのである。かかる反作用は、左右加振アクチュエータ40、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’、ヨー加振アクチュエータ42及び42’の5本のアクチュエータのそれぞれのピストン40a、41a、41a’、42a及び42a’に設けられたロードセル70、71、71’、72及び72’によって負荷として計測される。これらの計測値は、演算装置100に送出されて、A/D変換されてデータベースとして蓄積される。また、車両シミュレーションとして各種関数を用いて、上記した負荷に対する車両端面の座標を再演算するのである。かかるステップを繰り返すことで、編成車両の走行状態を精度良く模擬できるのである。
【0052】
なお、上記した実施例において、車両試験台2上に配置された被試験車両3の両端部にある連接部3a近傍に車体間模擬運動装置1を各々与えて、被試験車両3の両端部に連接される隣接車両の動作を与え得るのである。これにより3両以上の編成を構成する中間車両の走行状態を精度良く模擬できるのである。つまり編成車両の動作を順次、模擬していくことができて、1つの編成の全ての車両の動作を模擬でき得るのである。
【0053】
次に、本発明の他の実施例として鉄道車両用の試験装置について、図11乃至図13を用いて詳細に説明する。
【0054】
図11に示すように、本実施例による車体間模擬運動装置1’も上記した実施例と同様に車両試験台2の一端部若しくは両端部に設置されて、車両試験台2(図1参照)によって走行を模擬されている被試験車両3と連接されて走行する隣接車両の動作を被試験車両3の連接部3aに与える。詳細は上記したので省略する。
【0055】
本実施例では、先の実施例における中間フレーム30と模擬運動フレーム50とを一体とした単一の模擬運動フレームアセンブリ50’について、その前方車端面50aの移動を所定の自由度に制限しつつリンク支持するのである。すなわち中間フレーム30と模擬運動フレーム50とをフレーム取付部35及び35’によって連結して一体とするのである。なお、基準軸57aは先の実施例と同様に、鉛直方向に並ぶフレーム取付部35及び35’を結ぶ直線である。
【0056】
更に図12及び図13を併せて参照すると、基準壁11の取付面11a’の一側部にはステイ14aが設けられており、鉛直方向に伸びる回転ロッド14を回動自在に軸支している。回転ロッド14の上方端部及び下方端部近傍にはベルクランク13a及び13a’が取り付けられている。ベルクランク13a及び13a’は上方から見て屈曲部を有する略L字状の板状部材である。すなわちベルクランク13a及び13a’は、一端部T1を基準壁11の外側に向けて伸張させるとともに他端部T2を後方に向けて、屈曲部を回転ロッド14に固定されているのである。回転ロッド14が回転すると、ベルクランク13a及び13a’は共に同じ方向に回動する。同様に、基準壁11の取付面11a’のもう一方の側部にもステイ14aが設けられており、鉛直方向に伸びる回転ロッド14を回動自在に軸支している。回転ロッド14の上方端部及び下方端部近傍にはベルクランク13b及び13b’(図12において13bの下側に隠れている。)が同様に取り付けられている。ベルクランク13a及び13a’の後方端部T2には、連結ロッド15の一端部が水平面内、すなわち回転ロッド14と垂直な面内で回動自在にピン接続されている。また連結ロッド15の他端部もベルクランク13b及び13b’の後方端部T2にピン接続されている。
【0057】
一方、ベルクランク13a、13a’、14a、14a’の端部T1には、加振支持リンク部材12が連結している。加振支持リンク部材12は、図4について上記したように、主ロッド12a、その両端部に取り付けた球状部12c、及び、この球状部12cを上下から表面の一部に沿って挟持する終端取付部材12bとからなる。4つの加振支持リンク部材12の一端部の終端取付部材12bは、ベルクランク13a、13a’、14a、14a’の前方端部T1にそれぞれ連結される。また、加振支持リンク部材12の他端部の終端取付部材12bは、後述する模擬運動フレーム50’の中間フレーム30の背面30bにそれぞれ接続されるのである。
【0058】
つまり鉛直方向に並ぶ一対の加振支持リンク部材12は、ベルクランク13a及び13a’、又は、14a及び14a’に一端部を連結されているから、同時に所定量だけ移動するのである。例えば、ベルクランク13a及び13a’の端部T1が所定量だけ移動すると、その屈曲部を中心にベルクランク13a及び13a’は回転し、他端部T2も所定量だけ移動する。対応するベルクランク13b及び13b’の端部T2は連結ロッド15によって連結されているから、その屈曲部を中心に端部T1も所定量だけ移動するのである。故に、残りの鉛直方向に並ぶ一対の加振支持リンク部材12が所定量だけ移動するのである。すなわち、鉛直方向に並ぶ1対の加振支持リンク部材12を所定方向へ向けて所定量だけ移動させると、対応する残りの鉛直方向に並ぶ1対の加振支持リンク部材12は所定方向と逆方向に向けて所定量だけ移動するのである。
【0059】
ベルクランク13a、13a’、14a、14a’と加振支持リンク部材12をかかる加振支持リンク部材12により、模擬運動フレームアセンブリ50’は4自由度で支持されるのである。すなわち、基準軸57aを鉛直方向に沿って移動させ、また基準軸57aを鉛直方向から傾斜させ、更に水平面内で並進させる3つの自由度と、前方車端面50aを基準軸57aの周囲で回転させる1つの自由度を併せた4つの自由度を得られるのである。
【0060】
更に先の実施例と異なり、一対のヨー加振アクチュエータ42及び42’は、ベースフレーム10の前方壁17から突出するようにして固定される。つまり、ヨー加振アクチュエータ42及び42’は、前方壁17から突出する方向に前後動するピストン42a及び42a’を有し、模擬運動フレームアセンブリ50’を構成する中間フレーム30の背面30bに当接して、前方車端面50aの向きを水平面内で変化せしめ得るのである。
【0061】
なお、左右加振アクチュエータ40、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’については、上記した実施例と同様であるため説明を省略する。
【0062】
次に、上記した他の実施例の鉄道車両用の試験装置のヨー加振アクチュエータ42及び42’の動作について、図10乃至13を用いて説明する。
【0063】
アクチュエータコントローラ101からの信号により一対のヨー加振アクチュエータ42及び42’を駆動させて、そのピストン42a及び42a’を所定ストローク量だけそれぞれ移動せしめると、加振支持リンク部材12によって模擬運動フレームアセンブリ50’の中間フレーム30は、ベルクランク13a、13a’、14a、14a’を用いた加振支持リンク機構により、基準壁11の鉛直面11aに対して鉛直面を維持したまま傾斜するのである。故に、上記同様に、被試験車両3からの反作用による負荷は、ヨー加振アクチュエータ42及び42’のピストン42a及び42a’に設けられたロードセル72及び72’によって計測されるのである。
【0064】
つまり、左右加振アクチュエータ40、上下・ロール加振アクチュエータ41及び41’、ヨー加振アクチュエータ42及び42’の5本のアクチュエータを駆動することにより、加振支持リンク機構により支持された模擬運動フレームアセンブリ50’の車端間模擬運動フレーム50の前方車端面50aを4自由度で変位せしめ得るのである。
【0065】
本実施例の鉄道車両試験装置のその他の動作については先の実施例を参照されたい。
【0066】
以上、実施例は鉄道車両用の連接車両試験装置について述べてきたが、連接されて走行する車両、例えば、連接自動車などであっても同様に実施が可能である。すなわち、本発明による代表的実施例を説明してきたが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による連接車両試験装置を含む装置の図である。
【図2】本発明による連接車両試験装置の側面図である。
【図3】本発明による連接車両試験装置の平面図である。
【図4】本発明による連接車両試験装置の要部の側面図である。
【図5】本発明による連接車両試験装置の要部の動きを示す平面図である。
【図6】本発明による連接車両試験装置の要部の斜視図である。
【図7】本発明による連接車両試験装置の要部の平面図である。
【図8】本発明による連接車両試験装置の要部の正面図である。
【図9】本発明による連接車両試験装置の要部の斜視図である。
【図10】本発明による連接車両試験装置の制御図である。
【図11】本発明による連接車両試験装置の側面図である。
【図12】本発明による連接車両試験装置の平面図である。
【図13】本発明による連接車両試験装置の要部の動きを示す平面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 車体間模擬運動装置
2 車両試験台
3 被試験車両
3a 連接部
4 軌条輪
10 ベースフレーム
11 基準壁
12 加振支持リンク部材
17 前方壁
30 中間フレーム
30a 主面
40 左右加振アクチュエータ
41、41’ 上下・ロール加振アクチュエータ
42、42’ ヨー加振アクチュエータ
50 車体間模擬運動フレーム
50’ 模擬運動フレームアセンブリ
50a 前方車端面
57a 基準軸
61 車端間ヨーダンパ
62 車端ダンパ
70、71、71’、72、72’ ロードセル
100 演算装置
101 アクチュエータコントローラ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12