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明細書 :材質判別装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5116094号 (P5116094)
公開番号 特開2009-186386 (P2009-186386A)
登録日 平成24年10月26日(2012.10.26)
発行日 平成25年1月9日(2013.1.9)
公開日 平成21年8月20日(2009.8.20)
発明の名称または考案の名称 材質判別装置
国際特許分類 G01N  27/72        (2006.01)
FI G01N 27/72
請求項の数または発明の数 1
全頁数 9
出願番号 特願2008-028351 (P2008-028351)
出願日 平成20年2月8日(2008.2.8)
審査請求日 平成22年3月10日(2010.3.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】片山 信一
【氏名】臼木 理倫
個別代理人の代理人 【識別番号】100104064、【弁理士】、【氏名又は名称】大熊 岳人
審査官 【審査官】中村 祐一
参考文献・文献 実公昭35-025100(JP,Y1)
登録実用新案第3020395(JP,U)
特開昭58-040181(JP,A)
特開2007-303955(JP,A)
特開2007-183230(JP,A)
特表2006-516890(JP,A)
調査した分野 G01N27/72-27/90
特許請求の範囲 【請求項1】
判別対象物に磁力を作用させて磁気吸着力の程度によってこの判別対象物の材質を鉄系材料と非鉄系材料とに判別する材質判別装置であって、
前記判別対象物に作用させる磁力を発生する電磁石と、
前記電磁石を収容する合成樹脂の収容部と、
前記収容部の開口部から取り外されたときに前記電磁石が僅かに突出するように、この収容部に着脱自在に装着されてこの収容部の開口部を開閉する合成樹脂の開閉部と、
前記収容部の内面及び前記開閉部の内面に装着されて、この収容部及びこの開閉部から外部に放射される前記磁力を遮断する防磁部と、
前記磁力を発生する状態と前記磁力を発生しない状態とに切り替えるときに、前記収容部の表面で使用者に手動操作されて、この電磁石のコイルを通電状態及び非通電状態に切り替える切替操作部と、
前記電磁石が発生する前記磁力を可変するときに使用者に手動操作されて、この電磁石に電力を供給する電源部からこの電磁石のコイルに流れる電流を可変する磁力可変部と、
を備える材質判別装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、判別対象物に磁力を作用させて磁気吸着力の程度によってこの判別対象物の材質を鉄系材料と非鉄系材料とに判別する材質判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道では、銅線を冷間加工によって細線化し強度を向上させた硬銅トロリ線や、架線のトロリ線と接触するすり板を支持する集電装置(パンタグラフ)の集電舟(舟体)などが使用されている。このような架線・パンタグラフ系材料を評価する場合には、室内では撤去品を詳しく調査することによって、撤去品に用いられている材料の特定が必要である。一方、現地試験や現場での事故対応などからフィールドで材料を判別する必要がある場合には、材料の損傷や汚れなどの原因により材料の表面状態が変化しているため、外観からは材料の判定が不可能なことがある。このため、従来、化学分析装置や永久磁石を用いて材料を判定している。
【0003】
従来の化学分析装置による判定手法は、例えば、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)などの化学分析装置を使用して分析対象物に電子線を照射し、この分析対象物から発生する特性X線を検出して、元素の種類、分布状態及び濃度などを測定する判定手法である。このような従来の化学分析装置による判定手法では、トロリ線などの測定材料を所定の長さ分だけ切断して採取し、この採取部分を分析対象物としてEPMAによって分析している。しかし、このような従来の化学分析装置による判定手法では、EPMAなどの化学分析装置が大きく持ち運びに不便であり、分析対象物が現場に存在する場合には分析が困難になる問題点がある。
【0004】
一方、従来の永久磁石による判定手法は、例えば、永久磁石を材料に吸着させてこの永久磁石が発生する磁力を利用して判定する手法である。このような従来の永久磁石による判定手法では、トロリ線などの材料に永久磁石を接触させ、吸着力の有無によって鉄系材料であるか非鉄系材料であるかを判定している。しかし、このような従来の永久磁石による判定手法では、現場へ持ち運ぶときに永久磁石が発生する磁力によって、磁気カードが消磁されたり時計や各種金属類が磁化されたりして障害が発生する問題点がある。このような従来の判定手法による欠点を解決するために、小型で持ち運びが容易な鋼材の鋼種判別装置が提案されている。
【0005】
従来の鋼材の鋼種判別装置は、鋼材に測定電流を流す一対の給電用接触子と、この鋼材の電圧を測定する一対の検出用測定子と、これらの一対の検出用測定子の出力信号に基づいてこの鋼材の鋼種を判別する電気回路などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の鋼材の鋼種判別装置では、一対の給電用接触子を鋼材に接触させて電流を流し、一対の検出用測定子をこの鋼材に接触させて電気抵抗値及び透磁率を電気回路によって測定し、この鋼材に含まれるシリコン及びマンガンの量を検出してこの鋼材の鋼種を判別している。
【0006】

【特許文献1】特開昭58-63842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の鋼材の鋼種判別装置は、発振部、電力増幅部、検出部及び同期検波部などの多数の電気回路によって構成されている。このため、従来の鋼材の鋼種判別装置では、複雑な電気回路によって鋼材の鋼種を判別する必要があり、装置が複雑で高価になってしまう問題点がある。また、従来の鋼材の鋼種判別装置では、給電用接触子や検出用測定子を鋼材に接触させる必要があるため、鋼材の表面が汚れていると鋼材に流れる測定電流が変化し、鋼材の鋼種を正確に判別することができない問題点がある。さらに、従来の鋼材の鋼種判別装置は、鋼材の表面に電流を流して測定する必要があるため、鋼材の内側の鋼種と外側の鋼種とが異なる場合や鋼材の表面が塗装されている場合には、鋼材を切断したり鋼材の表面の塗装をはく離したりしなければ鋼材の内側の鋼種を正確に判別できない問題点がある。
【0008】
この発明の課題は、簡単に低コストで必要なときだけ判別対象物を鉄系材料と非鉄系材料とに判別することができる材質判別装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図5及びに示すように、判別対象物(M)に磁力を作用させて磁気吸着力の程度によってこの判別対象物の材質を鉄系材料と非鉄系材料とに判別する材質判別装置であって、前記判別対象物に作用させる磁力を発生する電磁石(2)と、前記電磁石を収容する合成樹脂の収容部(6)と、前記収容部の開口部(6a)から取り外されたときに前記電磁石が僅かに突出するように、この収容部に着脱自在に装着されてこの収容部の開口部を開閉する合成樹脂の開閉部(7)と、前記収容部の内面及び前記開閉部の内面に装着されて、この収容部及びこの開閉部から外部に放射される前記磁力を遮断する防磁部(8)と、前記磁力を発生する状態と前記磁力を発生しない状態とに切り替えるときに、前記収容部の表面で使用者に手動操作されて、この電磁石のコイル(2b)を通電状態及び非通電状態に切り替える切替操作部(3)と、前記電磁石が発生する前記磁力を可変するときに使用者に手動操作されて、この電磁石に電力を供給する電源部(4)からこの電磁石のコイルに流れる電流を可変する磁力可変部(9)とを備える材質判別装置(1)である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によると、簡単に低コストで必要なときだけ判別対象物を鉄系材料と非鉄系材料とに判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る材質判別装置を概略的に示す外観図であり、図1(A)は平面図であり、図1(B)は正面図であり、図1(C)は側面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る材質判別装置を概略的に示す断面図であり、図2(A)は図1(A)のII-IIA線で切断した状態を示す断面図であり、図2(B)は図1(B)のII-IIB線で切断した状態を示す断面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る材質判別装置の使用状態を示す断面図である。図4は、この発明の第1実施形態に係る材質判別装置の非使用状態を示す断面図である
【0017】
図3に示す判別対象物Mは、材質判別装置1によって鉄系材料と非鉄系材料とに判別される対象物である。判別対象物Mは、例えば、鉄系材料としては鉄を主成分とする材料であり、非鉄系材料としては銅又はアルミニウムなどを主成分とする材料である。このような鉄系材料としては、例えば、鉄道用レール、鉄道用車輪、鉄道車両の車両本体、鉄粉を主成分とする鉄系焼結合金すり板のような新幹線用すり板、鋼線を銅で被覆したCSトロリ線のような複合トロリ線の鋼心、トロリ線を曲線区間の外側に引っ張る曲線引金具、トロリ線の風圧による横揺れを防ぐためにこのトロリ線を保持する振止金具、又は架線を支持する支柱などである。非鉄系材料としては、例えば、銅製のトロリ線、トロリ線の溝部を締め付けるアルミニウム青銅製若しくはリン青銅製のハンガイヤー、銅製若しくは銅合金製の端子、銅製若しくは銅合金製の電線、アルミニウム製の車体、集電装置の集電舟を架線のトロリ線の押し上げるアルミニウム製の枠組み、又はアルミニウム製の電線などである。
【0018】
図1~図4に示す材質判別装置1は、図3に示す判別対象物Mに磁力を作用させて磁気吸引力の程度によってこの判別対象物Mの材質を鉄系材料と非鉄系材料とに判別する装置である。材質判別装置1は、判別対象物Mと接触状態又は非接触状態でこの判別対象物Mに磁力を作用させて、この判別対象物Mに吸着するか否かによって鉄系材料であるか非鉄系材料であるかを判定する可搬型の吸着試験装置(非鉄材料判定機)である。材質判別装置1は、図2~図4に示す磁力発生部2と、図1~図4に示す切替操作部3と、図2~図4に示す電源部4と、導電部5と、収容部6と、図1、図2及び図4に示す開閉部7と、図2~図4に示す防磁部8などを備えている。
【0019】
図2~図4に示す磁力発生部2は、図3に示す判別対象物Mに作用させる磁力を発生する部分である。磁力発生部2は、鋳鋼、鍛鋼、軟鋼板などによる塊状の磁性体からなる鉄心部2aと、この鉄心部2aの外周面に巻き付けられた導線からなるコイル部2bとを備えている。磁力発生部2は、コイル部2bに電流を流すと磁力を発生する電磁石である。磁力発生部2は、コイル部2bに電流が流れていないときには磁力を発生しないように、非通電状態では磁極が消えて磁化をなくし元の状態に戻る軟磁性体を鉄心部2aに使用することが好ましい。磁力発生部2は、図3に示すように、先端部が判別対象物Mの表面と接触可能なように平面に形成されており、収容部6の開口部6aから僅かに突出するように配置されている。
【0020】
図1~図4に示す切替操作部3は、磁力を発生する状態と磁力を発生しない状態とに磁力発生部2を切り替える部分である。切替操作部3は、図3及び図4に示すように、磁力発生部2のコイル部2bを通電状態及び非通電状態に切り替える切替スイッチなどである。切替操作部3は、例えば、図3に示すように、使用者の手動操作によってON位置に操作されるとコイル部2bを通電状態に切り替え、図4に示すようにOFF位置に操作されるとコイル部2bを非通電状態に切り替える押しボタン式又はスライド式のスイッチである。切替操作部3は、図1に示すように、収容部6の表面に操作部が配置されている。
【0021】
図2~図4に示す電源部4は、磁力発生部2に電力を供給する部分である。電源部4は、起電力を発生する直流電池などであり、収容部6に着脱自在に装着されている。電源部4は、例えば、一度放電すると再使用が不可能な一次電池又は充電によって繰り返し使用が可能な二次電池(蓄電池)などである。電源部4には、収容部6全体のコンパクト化が実現可能なように、小型で薄いボタン型電池を使用することが好ましい。
【0022】
導電部5は、電源部4から磁力発生部2に電流を導く部分である。導電部5は、磁力発生部2のコイル部2bと電源部4とを電気的に接続しており、軟銅線などの導線とこの導線を被覆する絶縁性の被覆材とからなる電線である。導電部5は、図3及び図4に示すように、磁力発生部2のコイル部2b、切替操作部3及び電源部4を直列に接続し、これらによって電気回路を構成している。
【0023】
図1~図4に示す収容部6は、材質判別装置1の本体を構成する部分である。収容部6は、外観が立方体で携帯型の箱型容器であり、持ち運び及び取扱いが容易なように薄板(ケース)に形成されている。収容部6は、例えば、プラスチックなどの合成樹脂を成型加工することによって製造されており、図2~図4に示すように磁力発生部2、切替操作部3、電源部4及び導電部5などを収容している。収容部6は、図2~図4に示すように、開口部6aと装着部6bなどを備えている。開口部6aは、収容部6から外部に磁力が放射される部分であり、収容部6の一方の端部に形成されている。開口部6aは、収容部6内の消耗品の電源部4を新品の電源部4と交換するときなどにも利用される。装着部6bは、開閉部7側の装着部7aを着脱自在に装着する部分であり、開口部6aの周囲に形成されている。
【0024】
図1、図2及び図4に示す開閉部7は、収容部6を開閉する部分であり、収容部6に着脱自在に装着される。開閉部7は、収容部6の開口部6aを塞ぐ蓋(カバー)であり、収容部6と同様に合成樹脂を成型加工することによって製造されており、外観が立方体に形成されている。開閉部7は、収容部6側の装着部6bに着脱自在に装着される装着部7aを備えており、この装着部7aは装着部6bと嵌合するように最適な嵌め合い公差で形成されている。
【0025】
図2~図4に示す防磁部8は、収容部6及び開閉部7から外部に放射される磁力を遮断する部分である。防磁部8は、収容部6及び開閉部7の内部から外部に磁束が漏れるのを防ぐ磁気シールド効果の高い防磁シート又は防磁ケースなどであり、収容部6の内面及び開閉部7の内面に接着剤又は嵌め込みによって装着されている。防磁部8は、例えば、透磁率が高く磁束を吸収する酸化鉄、酸化クロム、コバルト酸化鉄、ニッケル、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト又はフェライトなどの磁性体(強磁性体)からなる磁気シールド材である。
【0026】
次に、この発明の第1実施形態に係る材質判別装置の作用を説明する。
図3に示すように、材質判別装置1を使用するときには、開閉部7を収容部6から取り外して判別対象物Mに磁力発生部2の先端部を接触させる。この状態で、切替操作部3をON位置に手動で操作すると、磁力発生部2のコイル部2bに電源部4から直流電流が流れて磁力発生部2が磁力を発生し、判別対象物Mの周囲に磁界(磁力線)が発生する。判別対象物Mが磁性体であるときには、磁力発生部2が発生する磁界によって判別対象物Mが磁性を帯びるため、判別対象物Mと磁力発生部2との間に磁気吸引力が発生する。その結果、判別対象物Mに磁力発生部2が吸着するため、判別対象物Mが鉄系材料であることが材質判別装置1によって判別される。一方、判別対象物Mが非磁性体であるときには、磁力発生部2が磁界を発生しても判別対象物Mが磁性を帯びることがなく、判別対象物Mと磁力発生部2との間に磁気吸引力が発生しない。その結果、判別対象物Mに磁力発生部2が吸着しないため、判別対象物Mが非鉄系材料であることが材質判別装置1によって判別される。
【0027】
図4に示すように、材質判別装置1を使用しないときには、収容部6に開閉部7を取り付けて収容部6と開閉部7によって磁力発生部2を密封し、判別対象物Mが存在する現場まで材質判別装置1を持ち運ぶ。この状態で、切替操作部3が誤ってON位置に手動で操作されると、コイル部2bに電源部4から直流電流が流れて磁力発生部2が磁力を発生するが、磁力発生部2が発生する磁束の殆どが防磁部8によって吸収されるため、収容部6の外部に磁力が発生しない。その結果、材質判別装置1の近くに磁気カードや時計などが存在しても磁力線の影響を受けない。
【0028】
この発明の第1実施形態に係る材質判別装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、判別対象物Mに作用させる磁力を磁力発生部2が発生し、磁力を発生する状態と磁力を発生しない状態とに磁力発生部2を切替操作部3が切り替える。このため、構造が簡単で低コストの材質判別装置1によって、判別に必要なときだけ磁力を発生させることができるとともに、判別対象物Mの材料を特定するための作業を向上させることができる。また、例えば、判別対象物Mが鋼線を銅で被覆した複合トロリ線の場合には、表面から観察しても通常の銅製のトロリ線と区別することが困難であり、判別対象物Mがアルミニウムの場合には表面から観察しても通常の鉄と区別することが困難である。この第1実施形態では、判別対象物Mに磁力発生部2が磁力を作用させて磁気吸引力の程度によって判別対象物Mの材質を鉄系材料と非鉄系材料とに判別している。このため、表面から観察しても区別が困難な材料であっても、磁気吸引力によって鉄系材料であるか非鉄系材料であるかを容易に判別することができる。さらに、例えば、判別対象物Mがステンレスの場合には、劣化が進行して内部のクロムが酸化すると磁力によって吸着する。このため、磁気吸引力の程度によって判別対象物Mの劣化状態を判別することもできる。
【0029】
(2) この第1実施形態では、磁力発生部2を収容部6が収容し、この収容部6を開閉部7が開閉する。このため、材質判別装置1を屋外の現場に容易に持ち運ぶことができる。
【0030】
(3) この第1実施形態では、収容部6及び開閉部7から外部に放射される磁力を防磁部8が遮断する。その結果、磁力発生部2が発生する磁力によって磁気カードが消磁されたり、時計が磁化されたりする磁気障害の発生を防ぐことができるため、磁気カードや時計と一緒に材質判別装置1を現場まで持ち運ぶことができる。
【0031】
(4) この第1実施形態では、開閉部7が収容部6に着脱自在に装着される。このため、使用時には開閉部7を収容部6から簡単に取り外して収容部6及び開閉部7から外部に磁力を放射可能な状態にすることができるとともに、非使用時には開閉部7を収容部6に簡単に取り付けて収容部6及び開閉部7から外部に磁力を放射不可能な状態にすることができる。
【0032】
(5) この第1実施形態では、磁力発生部2に電源部4が電力を供給し、この磁力発生部2のコイル部2bを通電状態及び非通電状態に切替操作部3が切り替える。このため、使用時にのみ電源部4から電力が消費されるため経済的であり、簡単な操作によって磁力発生部2の動作状態を切り替えることができる。
【0033】
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態に係る材質判別装置を概略的に示す断面図である。図6は、この発明の第2実施形態に係る材質判別装置の使用状態を示す断面図である。以下では、図1~図4に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図5及び図6に示す材質判別装置1は、磁力発生部2と、切替操作部3と、電源部4と、導電部5と、収容部6と、開閉部7と、防磁部8と、磁力可変部9などを備えている。磁力可変部9は、磁力発生部2が発生する磁力を可変する部分である。磁力可変部9は、例えば、図6に示すように、電力発生部2のコイル部2bに流れる電流を可変する可変抵抗器などであり、使用者の手動操作によってコイル部2bに流れる電流の大きさを複数段階又は無段階に調整可能である。この第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、判別対象物Mの表面が汚れたり劣化していたりしても、磁力可変部9によって磁力を可変して判別対象物Mに最適な大きさの磁力を作用させることができる。
【0034】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、磁力発生部2が電磁石の場合を例に挙げて説明したが、電流の流れるコイル部2bのみによって磁力を発生させることもできる。また、この実施形態では、収容部6から開閉部7を着脱して開口部6aを開閉する構造を例に挙げて説明したが、収容部6と開閉部7とを回転自在に連結して開口部6aを開閉する構造にすることもできる。さらに、この実施形態では、収容部6に切替操作部3を設置する場合を例に挙げて説明したが、ポケットなどに収納したときに誤って切替操作部3がON位置に操作されないように、この切替操作部3のON/OFF操作をロックするロック機構を設置することもできる。
【0035】
(2) この実施形態では、切替操作部3の手動操作によって磁力を発生させているが、開閉部7の着脱操作に連動して自動的に磁力を発生させることもできる。また、この実施形態では、収容部6内の空間に磁力発生部2を収容しているが、収容部6内に磁力発生部2を合成樹脂などによって埋設することもできる。さらに、この実施形態では、磁気吸引力の程度を使用者の体感によって判断しているが、磁気吸引力を測定する測定部を設置し、この測定部の測定結果を表示部に表示させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の第1実施形態に係る材質判別装置を概略的に示す外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は正面図であり、(C)は側面図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る材質判別装置を概略的に示す断面図であり、(A)は図1(A)のII-IIA線で切断した状態を示す断面図であり、(B)は図1(B)のII-IIB線で切断した状態を示す断面図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る材質判別装置の使用状態を概略的に示す断面図である。
【図4】この発明の第1実施形態に係る材質判別装置の非使用状態を概略的に示す断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態に係る材質判別装置を概略的に示す断面図である。
【図6】この発明の第2実施形態に係る材質判別装置の使用状態を概略的に示す断面図である。

【0037】
1 材質判別装置
2 磁力発生部
2a 鉄心部
2b コイル部
3 切替操作部
4 電源部
5 導電部
6 収容部
6a 開口部
6b 装着部
7 開閉部
7a 装着部
8 防磁部
9 磁力可変部
M 判別対象物
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5