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明細書 :高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法及びその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5101327号 (P5101327)
公開番号 特開2009-186385 (P2009-186385A)
登録日 平成24年10月5日(2012.10.5)
発行日 平成24年12月19日(2012.12.19)
公開日 平成21年8月20日(2009.8.20)
発明の名称または考案の名称 高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法及びその装置
国際特許分類 G01V   1/28        (2006.01)
G01V   1/20        (2006.01)
G01V   1/00        (2006.01)
G01M  99/00        (2011.01)
FI G01V 1/28
G01V 1/20
G01V 1/00 D
G01M 99/00 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2008-028319 (P2008-028319)
出願日 平成20年2月8日(2008.2.8)
審査請求日 平成22年3月10日(2010.3.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】岩田 直泰
【氏名】芦谷 公稔
【氏名】佐藤 新二
【氏名】是永 将宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】高橋 亨
参考文献・文献 特開2003-344213(JP,A)
特開平10-132947(JP,A)
特開2000-213929(JP,A)
特開平09-015107(JP,A)
特開2007-040709(JP,A)
特開2003-294850(JP,A)
特開2007-064800(JP,A)
調査した分野 G01V 1/28
G01V 1/00
G01V 1/20
G01M 99/00
特許請求の範囲 【請求項1】
架橋の上部に配置される第1の地震計と前記高架橋の下部に配置される第2の地震計とを備え、前記第1の地震計から出力される第1の変位波形から前記第2の地震計から出力される第2の変位波形を引き算することにより、前記高架橋自体の揺れの変位波形を求め、前記高架橋の地震被害の推定をリアルタイムで行う高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法であって、前記求められた変位波形において横軸を橋軸直角方向の変位波形とし、縦軸を橋軸方向の変位波形とした場合、前記求められた変位波形の前記横軸方向の両振幅値に対する前記縦軸方向の両振幅値の割合が大きい場合には前記高架橋が地震被害を受けたと推定し、小さい場合には前記高架橋が地震被害を受けていないと推定することを特徴とする高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法。
【請求項2】
架橋の上部に配置される第1の地震計と、前記高架橋の下部に配置される第2の地震計と、前記第1の地震計から出力される第1の変位波形から前記第2の地震計から出力される第2の変位波形を引き算した、前記高架橋の被害状況を推定する変位波形を求める地震被害推定器を具備する高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定装置であって、前記地震被害推定器は、前記高架橋の被害状況を推定する変位波形において横軸を橋軸直角方向の変位波形とし、縦軸を橋軸方向変位波形とした場合、前記変位波形の前記横軸方向の両振幅値に対する前記縦軸方向の両振幅値の割合が大きい場合には前記高架橋が被害を受けたと推定し、小さい場合には前記高架橋が被害を受けていないと推定する機能を有することを特徴とする高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物の地震被害推定については、下記特許文献1~4に開示されるようなものがあった。
特に、下記特許文献2は、地表面に設置され地震動を観測する観測手段と、前記観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データを収集して保存し、構造物の固有振動数に対応したフィルタ条件で前記地震動データをフィルタ処理し、フィルタ処理した地震動データの最大値に基づいて前記構造物の被害状況を推定し、その被害推定結果を管理者に通知するようにしている。
【0003】
一方、高架橋の地震被害推定方法は、各地に設置されている地震計による情報に頼らざるを得ず、高架橋に対応したリアルタイムでの適切な地震被害推定が行われていないのが現状である。

【特許文献1】特開2002-323571号公報
【特許文献2】特開2003-161783号公報
【特許文献3】特開2006-291572号公報
【特許文献4】特開2006-258639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、構造物一般に対する地震被害推定を更に発展させて、正確にしかもリアルタイムに地震による被害を推定する高架橋の地震被害推定方法を確立することにある。
本発明は、上記状況に鑑みて、高架橋に対応して適切な地震被害推定を行うことができる高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕高架橋の上部に配置される第1の地震計と前記高架橋の下部に配置される第2の地震計とを備え、前記第1の地震計から出力される第1の変位波形から前記第2の地震計から出力される第2の変位波形を引き算することにより、前記高架橋自体の揺れの変位波形を求め、前記高架橋の地震被害の推定をリアルタイムで行う高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法であって、前記求められた変位波形において横軸を橋軸直角方向の変位波形とし、縦軸を橋軸方向の変位波形とした場合、前記求められた変位波形の前記横軸方向の両振幅値に対する前記縦軸方向の両振幅値の割合が大きい場合には前記高架橋が地震被害を受けたと推定し、小さい場合には前記高架橋が地震被害を受けていないと推定することを特徴とする。
【0006】
2〕高架橋の上部に配置される第1の地震計と、前記高架橋の下部に配置される第2の地震計と、前記第1の地震計から出力される第1の変位波形から前記第2の地震計から出力される第2の変位波形を引き算した、前記高架橋の被害状況を推定する変位波形を求める地震被害推定器を具備する高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定装置であって、前記地震被害推定器は、前記高架橋の被害状況を推定する変位波形において横軸を橋軸直角方向の変位波形とし、縦軸を橋軸方向変位波形とした場合、前記変位波形の前記横軸方向の両振幅値に対する前記縦軸方向の両振幅値の割合が大きい場合には前記高架橋が被害を受けたと推定し、小さい場合には前記高架橋が被害を受けていないと推定する機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)高架橋の上部に配置される第1の地震計と高架橋の下部に配置される第2の地震計からの地震データにより、高架橋自体の橋軸直角方向ならびに橋軸方向の揺れ方の違いから、リアルタイムで高架橋の地震被害を推定することができる。
(2)強震時における被害発生の有無を推定することができる。
【0008】
(3)各地の高架橋の地震被害推定を地震情報通信基地局において収集することにより、高架橋を含む地域的な被害の状況をリアルタイムで推定し、地震被害の広がりをも把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法、高架橋の上部に配置される第1の地震計と前記高架橋の下部に配置される第2の地震計とを備え、前記第1の地震計から出力される第1の変位波形から前記第2の地震計から出力される第2の変位波形を引き算することにより、前記高架橋自体の揺れの変位波形を求め、前記高架橋の地震被害の推定をリアルタイムで行う高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法であって、前記求められた変位波形において横軸を橋軸直角方向の変位波形とし、縦軸を橋軸方向の変位波形とした場合、前記求められた変位波形の前記横軸方向の両振幅値に対する前記縦軸方向の両振幅値の割合が大きい場合には前記高架橋が地震被害を受けたと推定し、小さい場合には前記高架橋が地震被害を受けていないと推定する
【実施例】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す地震計の設置の状況を示す模式図である。
これらの図において、1は高架橋、2は橋脚、3は橋脚2の上部に設けられる第1の地震計、4は橋脚2の下部に設けられる第2の地震計、5は第1の地震計3及び第2の地震計4に接続される地震被害推定器であり、この地震被害推定器5には情報通信装置(図示なし)が内蔵されており、地震情報通信基地局へ高架橋のリアルタイム地震被害の推定情報の通信を行うことができる。
【0011】
図2は本発明の実施例を示す高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定方法を示すフローチャートである。
(1)まず、橋脚2の上部及び下部に設けられる各地震計による地震データ、つまり、第1の地震計3及び第2の地震計4から、地震による橋軸直角方向の変位データA1 ,A2 と橋軸方向の変位データB1 ,B2 を取得する(ステップS1)。
【0012】
(2)次に、橋脚2の上部に設けられる第1の地震計3における橋軸直角方向の波形A1 から橋脚2の下部に設けられる第2の地震計4における橋軸直角方向の波形A2 を引き算(A1 -A2 )する。同様に、橋脚2の上部に設けられる第1の地震計3における橋軸方向の波形B1 から橋脚2の下部に設けられる第2の地震計4における橋軸方向の波形B2 を引き算(B1 -B2 )する(ステップS2)。すると、橋脚2自体の変位データ、つまり、高架橋1自体の橋軸直角方向及び橋軸方向の地震による変位データのみを得ることができる。
【0013】
(3)ステップS2で演算したA1 -A2 の両振幅値に対してB1 -B2 の両振幅値の割合が大きいか否かを判断する(ステップS3)。
(4)ステップS3において、演算結果が大きい場合には、地震被害が生じたと推定し(ステップS4)、その引き算した値が小さい場合には、地震被害が生じていないと推定する(ステップS5)。
【0014】
図3は本発明の高架橋の揺れ方によるリアルタイム地震被害推定にかかる地震発生時におけるX地点のA日時とB日時の高架橋自体の橋軸直角方向と橋軸方向の変位を示す図であり、図3(a)は地震発生時におけるX地点のA日時の高架橋自体の変位を示し、図3(b)は地震発生時におけるX地点のB日時の高架橋自体の変位を示している。
図3(a)に示す高架橋は橋軸直角方向の両振幅値に対する橋軸方向の両振幅値が小さいので、被害が発生していないと推定される。一方、図3(b)に示す橋軸直角方向の両振幅値に対する橋軸方向の両振幅値の割合が大きいので、被害が発生したと推定される。
【0015】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法及びその装置は、高架橋の地震被害推定を的確に行うツールとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例を示す地震計の設置の状況を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す高架橋のリアルタイム地震被害推定方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の高架橋のリアルタイム地震被害推定にかかるX地点のA日時とB日時の高架橋自体の変位を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
1 高架橋
2 橋脚
3 第1の地震計
4 第2の地震計
5 地震被害推定器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2