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明細書 :高架橋のリアルタイム地震被害推定方法及びその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5042872号 (P5042872)
公開番号 特開2009-186383 (P2009-186383A)
登録日 平成24年7月20日(2012.7.20)
発行日 平成24年10月3日(2012.10.3)
公開日 平成21年8月20日(2009.8.20)
発明の名称または考案の名称 高架橋のリアルタイム地震被害推定方法及びその装置
国際特許分類 G01V   1/28        (2006.01)
G01V   1/00        (2006.01)
G08B  31/00        (2006.01)
FI G01V 1/28
G01V 1/00 D
G08B 31/00 B
請求項の数または発明の数 4
全頁数 6
出願番号 特願2008-028317 (P2008-028317)
出願日 平成20年2月8日(2008.2.8)
審査請求日 平成22年3月10日(2010.3.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】岩田 直泰
【氏名】芦谷 公稔
【氏名】佐藤 新二
【氏名】是永 将宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】田中 秀直
参考文献・文献 特開平09-015107(JP,A)
特開平08-105823(JP,A)
特開2003-344550(JP,A)
特開2002-323571(JP,A)
特開平09-105665(JP,A)
特開平09-015106(JP,A)
特開2003-222566(JP,A)
調査した分野 G01V 1/00
G08B 31/00
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
高架橋の上部に配置される第1の地震計と前記高架橋の下部に配置される第2の地震計とを備え、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報に基づいて前記高架橋の地震被害をリアルタイムで推定する高架橋のリアルタイム地震被害推定方法であって、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報は、橋軸直角方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Aと、橋軸方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Bであることを特徴とする高架橋のリアルタイム地震被害推定方法。
【請求項2】
請求項記載の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法において、前記橋軸直角方向スペクトル比のピークの周波数Aまたは前記橋軸方向スペクトル比のピークの周波数Bにおける、過去の無被害地震発生時に対する地震発生時の比率が所定の値以下である場合には、前記高架橋に地震被害が発生したと推定することを特徴とする高架橋のリアルタイム地震被害推定方法。
【請求項3】
請求項記載の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法において、前記所定の値が0.5であることを特徴とする高架橋のリアルタイム地震被害推定方法。
【請求項4】
架橋の上部に配置される第1の地震計と、前記高架橋の下部に配置される第2の地震計と、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報に基づいて前記高架橋の地震被害をリアルタイムで推定する地震被害推定器とを具備する高架橋のリアルタイム地震被害推定装置であって、前記地震被害推定器は、橋軸直角方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Aまたは橋軸方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Bの値を取得することを特徴とする高架橋のリアルタイム地震被害推定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高架橋のリアルタイム地震被害推定方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物の地震被害推定については、下記特許文献1~4に開示されるようなものがあった。
特に、下記特許文献2は、地表面に設置され地震動を観測する観測手段と、前記観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データを収集して保存し、構造物の固有振動数に対応したフィルタ条件で前記地震動データをフィルタ処理し、フィルタ処理した地震動データの最大値に基づいて前記構造物の被害状況を推定し、その被害推定結果を管理者に通知するようにしている。
【0003】
一方、高架橋の地震被害推定方法は、各地に設置されている地震計による情報に頼らざるを得ず、高架橋に対応したリアルタイムでの適切な地震被害推定が行われていないのが現状である。

【特許文献1】特開2002-323571号公報
【特許文献2】特開2003-161783号公報
【特許文献3】特開2006-291572号公報
【特許文献4】特開2006-258639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、構造物一般の被害推定を更に発展させて正確にしかもリアルタイムに地震による高架橋への被害を推定する高架橋の地震被害推定方法を確立することにある。
本発明は、上記状況に鑑みて、高架橋に対応して適切な地震被害推定を行うことができる高架橋のリアルタイム地震被害推定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕高架橋の上部に配置される第1の地震計と前記高架橋の下部に配置される第2の地震計とを備え、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報に基づいて前記高架橋の地震被害をリアルタイムで推定する高架橋のリアルタイム地震被害推定方法であって、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報は、橋軸直角方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Aと、橋軸方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Bであることを特徴とする。
【0006】
〕上記〔〕記載の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法において、前記橋軸直角方向スペクトル比のピークの周波数Aまたは橋軸方向スペクトル比のピークの周波数Bにおける過去の無被害地震発生時に対する地震発生時の比率が所定の値以下である場合には、前記高架橋に地震被害が発生したと推定することを特徴とする。
〕上記〔〕記載の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法において、前記所定の値が0.5であることを特徴とする。
【0007】
4〕高架橋の上部に配置される第1の地震計と、前記高架橋の下部に配置される第2の地震計と、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報に基づいて前記高架橋の地震被害をリアルタイムで推定する地震被害推定器とを具備する高架橋のリアルタイム地震被害推定装置であって、前記地震被害推定器は、橋軸直角方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Aまたは橋軸方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Bの値を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)高架橋の上部に配置される第1の地震計と前記高架橋の下部に配置される第2の地震計で、橋軸ならびに橋軸直角方向の特性を処理し、リアルタイムで高架橋の地震被害を推定することができる。
(2)強震時における被害発生の有無を推定することができる。特に、強震による高架橋の非線形化を活用するようにしている。
【0009】
(3)被害発生の閾値を明確にすることができる。
(4)各地の高架橋の地震被害推定を地震情報通信基地局において収集することにより、高架橋を含む地域的な被害の状況をリアルタイムで推定し、地震被害の広がりをも把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法は、高架橋の上部に配置される第1の地震計と前記高架橋の下部に配置される第2の地震計とを備え、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報に基づいて前記高架橋の地震被害をリアルタイムで推定する高架橋のリアルタイム地震被害推定方法であって、前記第1の地震計と前記第2の地震計からの情報は、橋軸直角方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Aと、橋軸方向スペクトル比(前記第1の地震計/前記第2の地震計)のピークの周波数Bである。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す地震計の設置の状況を示す模式図である。
これらの図において、1は高架橋、2は橋脚、3は橋脚2の上部に設けられる第1の地震計、4は橋脚2の下部に設けられる第2の地震計、5は第1の地震計3及び第2の地震計4に接続される地震被害推定器であり、この地震被害推定器5には情報通信装置(図示なし)が内蔵されており、リアルタイムで地震情報通信基地局へ高架橋の地震被害推定情報の通信を行うことができる。
【0012】
図2は本発明の実施例を示す高架橋のリアルタイム地震被害推定方法を示すフローチャートである。
(1)無被害地震発生時において、橋軸直角方向スペクトル比(第1の地震計3/第2の地震計4)のピークの周波数Aと、橋軸方向スペクトル比(第1の地震計3/第2の地震計4)のピークの周波数Bとを取得し、記録する(ステップS1)。
【0013】
(2)地震発生時に、橋軸直角方向スペクトル比のピークの周波数Aと、橋軸方向スペクトル比のピークの周波数Bを取得する(ステップS2)。
(3)次に、上記ステップS2で取得した地震発生時の橋軸直角方向スペクトル比のピークの周波数Aが、上記ステップS1で記録された過去の無被害地震発生時のそれに対し比率として0.5以下、または上記ステップS2で取得した地震発生時の橋軸方向スペクトル比のピークの周波数Bが上記ステップS1で記録された過去の無被害地震発生時のそれに対し比率として0.5以下であるか否かを地震被害推定器5で判別する(ステップS3)。
【0014】
(4)ステップS3における判別結果が、YESであれば、地震被害が発生したと推定する(ステップS4)。また、ステップS3における判別結果が、NOであれば、地震被害は発生していないと推定する(ステップS5)。
図3は本発明の実施例を示す地震観測地点Xにおける周波数(Hz)を横軸とした橋軸直角方向スペクトル比(第1の地震計3/第2の地震計4)を示す図、図4は地震観測地点Xにおける周波数(Hz)を横軸とした橋軸方向スペクトル比(第1の地震計3/第2の地震計4)を示す図である。
【0015】
この地震観測地点Xにおいて、図3に示されるように、過去の無被害地震発生時に対する地震発生時の橋軸直角方向スペクトル比のピークの周波数Aの比率が0.5以下になると、高架橋に被害が生じたと推定される。また、図4に示すように、過去の無被害地震発生時に対する地震発生時の橋軸方向スペクトル比のピークの周波数Bの比率が0.5以下になる場合も、同様に高架橋に地震被害が生じたと推定される。
【0016】
このように、過去の無被害地震発生時に対する地震発生時の橋軸直角方向スペクトル比のピークの周波数Aの比率、または橋軸方向スペクトル比のピークの周波数Bの比率が0.5を下回ると、高架橋に地震による被害が発生したと推定される。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の高架橋のリアルタイム地震被害推定方法及びその装置は、高架橋の地震被害推定を的確に行うツールとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例を示す地震計の設置の状況を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示す高架橋のリアルタイム地震被害推定方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明にかかる地震観測地点Xにおける周波数(Hz)を横軸とした橋軸直角方向スペクトル比を示す図である。
【図4】本発明にかかる地震観測地点Xにおける周波数(Hz)を横軸とした橋軸方向スペクトル比を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 高架橋
2 橋脚
3 第1の地震計
4 第2の地震計
5 地震被害推定器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3