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明細書 :経路制御装置及びデータ伝送システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4902484号 (P4902484)
公開番号 特開2009-089122 (P2009-089122A)
登録日 平成24年1月13日(2012.1.13)
発行日 平成24年3月21日(2012.3.21)
公開日 平成21年4月23日(2009.4.23)
発明の名称または考案の名称 経路制御装置及びデータ伝送システム
国際特許分類 H04L  12/46        (2006.01)
H04L  12/56        (2006.01)
H04W   4/04        (2009.01)
H04W  28/10        (2009.01)
H04W  72/10        (2009.01)
FI H04L 12/46 B
H04L 12/56 200Z
H04Q 7/00 110
H04Q 7/00 271
H04Q 7/00 557
請求項の数または発明の数 8
全頁数 17
出願番号 特願2007-257280 (P2007-257280)
出願日 平成19年10月1日(2007.10.1)
審査請求日 平成21年11月19日(2009.11.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】関 清隆
個別代理人の代理人 【識別番号】100100413、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 温
審査官 【審査官】田畑 利幸
参考文献・文献 特開2005-340922(JP,A)
特開2000-224218(JP,A)
特開2003-229912(JP,A)
特開2005-260394(JP,A)
調査した分野 H04L 12/46
H04L 12/56
H04W 4/04
H04W 28/10
H04W 72/10
特許請求の範囲 【請求項1】
外部に対してパケットの送受信を行う2以上のポートと、
前記ポートのうち、いずれか1つのポートで受信した前記パケットを、残りのポートの少なくとも1つから送信する経路制御部と、
前記ポート毎に、当該ポートで受信された前記パケットのトラフィック量を、当該パケットの発信元アドレス毎に計測するトラフィック測定部と、
前記パケットの発信元アドレス毎に、当該パケットの優先度が記憶された優先度記憶部と、
前記ポートの各々に設けられ、当該ポートから送信される前記パケットのトラフィック量が、当該パケットの発信元アドレス毎に設定された上限値を超えないように制限する帯域制御部と、
前記トラフィック測定部で測定された前記トラフィック量と、前記優先度記憶部に記憶された前記優先度とから、前記ポート毎に、当該ポートから送信できる前記パケットの最大トラフィック量を超えないように、前記帯域制御部の各々に対して、前記発信元アドレス毎に前記上限値を設定するトラフィック制御部とを有して構成された経路制御装置。
【請求項2】
前記トラフィック制御部は、
前記トラフィック測定部で前記トラフィック量が計測された前記パケットのうち、前記上限値を設定しようとするポート以外のポートで受信された前記パケットの発信元アドレスを、前記優先度記憶部に記憶された前記優先度と対応付けて、当該優先度の高い順に並べ替え、
前記優先度が高い前記発信元アドレス順に、前記トラフィック測定部で測定された前記トラフィック量を前記上限値として割り当てていき、割り当てた前記上限値の合計値が前記最大トラフィック量を超えたときは、最後に割り当てた前記発信元アドレスの前記上限値を、前記合計値が前記最大トラフィック量を超えない値にし、さらに、残りの前記発信元アドレスの前記上限値を0にして、
前記ポート毎に、前記上限値を設定するように構成された請求項1に記載の経路制御装置。
【請求項3】
前記トラフィック制御部は、
前記トラフィック測定部で前記トラフィック量が計測された前記パケットのうち、前記上限値を設定しようとするポート以外のポートで受信された前記パケットがないときは、前記帯域制御部の当該ポートに対する制限を解除するように構成された請求項1または2に記載の経路制御装置。
【請求項4】
地上に設けられた地上側送受信部と、
移動体に設けられ、前記地上側送受信部とパケットの送受信を行う移動体側送受信部と、
地上に設けられ、前記ポートの何れかを介して前記地上側送受信部とパケットの送受信を行う請求項1~3いずれか一項に記載の経路制御装置と、
地上に設けられ、前記経路制御装置の前記ポートのいずれかに接続されてデータを前記パケットとして前記移動体に送信するデータ送信部と、
前記移動体に設けられ、前記データ送信部から送信された前記データを、前記移動体側送受信部を介して受信するデータ受信部とから構成されたデータ伝送システム。
【請求項5】
前記データ送信部が、前記パケットを前記移動体に対してマルチキャストアドレスで送信するように構成された請求項4に記載のデータ伝送システム。
【請求項6】
前記移動体に設けられ、当該移動体の位置を計測して前記データ送信部に通知する移動体位置測定部と、
地上に設けられ、前記移動体位置測定部から送信された前記移動体の位置を記録する移動体位置記録部とを有し、
前記データ送信部が、前記移動体の前記位置が所定の範囲内にあるときに、当該移動体に対して前記データを送信するように構成された請求項4に記載のデータ伝送システム。
【請求項7】
前記移動体位置記録部が、前記移動体の位置とともに当該移動体の移動方向を記憶するように構成され、
前記データ送信部が、前記移動体の前記位置が所定の範囲内にあり、且つ、前記移動体が所定の方向に移動しているときに、当該移動体に対して前記データを送信するように構成された請求項6に記載のデータ伝送システム。
【請求項8】
前記データ送信部が、前記パケットを前記移動体に対してユニキャストアドレスで送信するように構成された請求項6または7に記載のデータ伝送システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、発信元アドレス毎にトラフィックの上限値を設定可能な経路制御装置、及び、この経路制御装置を備え、例えば踏切監視画像を当該踏切に接近する列車に伝送するデータ伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
踏切における事故を防止するために、列車接近時に踏切内にある障害物を検知して接近する列車の運転士等に警告するシステムが開示されている。例えば、踏切に設置された障害物検知装置が踏切内の障害物を検知して特殊信号発光器を点灯させるシステム、画像処理により踏切内の障害物を検知する装置、踏切の異常や踏切内に停止した車両を検知して異常発生信号を近接する列車に送信するシステムが開発されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。これらのシステムまたは装置では、画像そのものを列車に送信する構成にはなっていない。あるいは、踏切で非常ボタンが押されたら、PHS回線を踏切内の画像を伝送するシステムが開発されているが、これは主にいたずら防止等の目的で固定の宛先(例えば、列車の運行を監視する指令部等)に向けて送信するものである。
【0003】
また、鉄道沿線に無線LANによる伝送システムを構築し、踏切監視画像や車内の画像をブラウザで監視するシステムが実現されている。また、障害物検知装置や非常ボタンが押されたら画像を送信するような構成もあるが、これらも接近する列車に対して通報する構成とはなっていない。さらに、対象となる踏切が複数ある場合に、どの画像を優先するかといった制御がないため、無線帯域の制約によりデータの欠落等が発生する可能性がある。また、画像データ等の配信において、通信端末に重要度を付しておき、トラフィックが増加した場合に優先度の低いトラフィックの帯域制限を行う発明がある(例えば、特許文献3参照)。この発明は、通信ネットワークが輻輳した結果として送受信間での伝送レートを制御するものであり、輻輳の検出までに時間がかかる。また、踏切画像伝送の場合は、列車と地上カメラとの相対位置関係でトラフィックの重要度が変わるため、この方式では対応することができない。

【特許文献1】特開2005-125849号公報
【特許文献2】特開2001-223821号公報
【特許文献3】特開2005-130041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの技術では、列車の運転士は、前方の踏切で異常が発生したことは認識できるが、実際に何が起こっているかは目視により確認するしかなく、カーブを走行中の場合のように、見通しの悪い状況では、前方の状況、すなわち、踏切内の状況を認知できないという課題があった。さらに、画像情報以外の地上のセンサで測定したセンシング情報(風速、雨量等の気象データ、トンネルのひび割れ、鉄道橋の亀裂等鉄道構造物モニタリングデータ、等)を接近する列車に送信する場合など、性質や重要度の異なる複数種類のデータが流れる場合には、重要なデータの帯域を優先して確保し、列車に送信することで安全性の向上を図る必要があるという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、発信元アドレス毎にトラフィックの上限値を設定可能な経路制御装置と、この経路制御装置を備え、例えば踏切監視画像等の情報を接近する列車に伝送することにより、列車運転士による異常原因の迅速な把握を行うことを可能とするデータ伝送システムとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る経路制御装置(例えば、実施形態におけるセンサ伝送制御装置2及びルータ3)は、外部に対してパケットの送受信を行う2以上のポートと、これらのポートのうち、いずれか1つのポートで受信したパケットを、残りのポートの少なくとも1つから送信する経路制御部と、ポート毎に、当該ポートで受信されたパケットのトラフィック量を、当該パケットの発信元アドレス毎に計測するトラフィック測定部と、パケットの発信元アドレス毎に、当該パケットの優先度が記憶された優先度記憶部(例えば、実施形態におけるセンサ位置情報記憶部23)と、ポートの各々に設けられ、当該ポートから送信されるパケットのトラフィック量が、当該パケットの発信元アドレス毎に設定された上限値を超えないように制限する帯域制御部と、トラフィック測定部で測定されたトラフィック量と、優先度記憶部に記憶された優先度とから、ポート毎に、当該ポートから送信できる前記パケットの最大トラフィック量を超えないように、帯域制御部の各々に対して、発信元アドレス毎に上限値を設定するトラフィック制御部(例えば、実施形態におけるルータ制御部21)とを有して構成される。
【0007】
このような本発明に係る経路制御装置において、トラフィック制御部は、トラフィック測定部でトラフィック量が計測されたパケットのうち、上限値を設定しようとするポート以外のポートで受信されたパケットの発信元アドレスを、優先度記憶部に記憶された優先度と対応付けて、当該優先度の高い順に並べ替え、優先度が高い発信元アドレス順に、トラフィック測定部で測定されたトラフィック量を上限値として割り当て、割り当てた上限値の合計値が最大トラフィック量を超えたときは、最後に割り当てた発信元アドレスの上限値を、合計値が最大トラフィック量を超えない値にし、さらに、残りの発信元アドレスの上限値を0にして、ポート毎に、これらの上限値を設定するように構成されることが好ましい。
【0008】
また、このような本発明に係る経路制御装置において、トラフィック制御部は、トラフィック測定部でトラフィック量が計測されたパケットのうち、上限値を設定しようとするポート以外のポートで受信されたパケットがないときは、当該ポートに対する帯域制御部の制限を解除するように構成されることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るデータ伝送システムは、地上に設けられた地上側送受信部(例えば、実施形態における無線送受信部4)と、移動体(例えば、実施形態における列車T)に設けられ、地上側送受信部とパケットの送受信を行う移動体側送受信部(例えば、実施形態における無線送受信部50)と、地上に設けられ、ポートの何れかを介して地上側送受信部とパケットの送受信を行う上述の経路制御装置のいずれかと、地上に設けられ、経路制御装置のポートのいずれかに接続されてデータをパケットとして移動体に送信するデータ送信部(例えば、実施形態におけるセンサデータ処理部62)と、移動体に設けられ、データ送信部から送信されたデータを、移動体側送受信部を介して受信するデータ受信部(例えば、実施形態におけるセンサデータ受信部54)とから構成される。
【0010】
このような本発明に係るデータ伝送システムにおいて、データ送信部が、パケットを移動体に対してマルチキャストアドレスで送信するように構成されることが好ましい。
【0011】
あるいは、本発明に係るデータ伝送システムは、移動体に設けられ、当該移動体の位置を計測してデータ送信部に通知する移動体位置測定部(例えば、実施形態における列車位置測定部51)と、地上に設けられ、移動体位置測定部から送信された前記移動体の位置を記録する移動体位置記録部(例えば、実施形態における列車位置情報記憶部63)とを有して構成され、データ送信部が、移動体の位置が所定の範囲内にあるときに、当該移動体に対してデータを送信するように構成されることが好ましい。
【0012】
このような本発明に係るデータ伝送システムにおいて、移動体位置記録部が、移動体の位置とともに当該移動体の移動方向を記憶するように構成され、データ送信部が、移動体の位置が所定の範囲内にあり、且つ、移動体が所定の方向に移動しているときに、当該移動体に対してデータを送信するように構成されることが好ましい。
【0013】
このとき、データ送信部が、パケットを移動体に対してユニキャストアドレスで送信するように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る経路制御装置及びこの経路制御装置を備えるデータ伝送システムを以上のように構成すると、複数の情報源がある場合には、優先度の高いデータを集中して送信することができる。また、経路制御装置に接続されたデータ送信部のアドレスに対し高い優先度を与えることにより、複数の異常状態が同時に発生している場合には最も近いセンサの情報を集中的に高品質で伝送することができる。そのため、例えば、踏切監視画像を接近する列車に送信することにより、列車運転士による異常原因の迅速な把握を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明に係るデータ伝送システム1は、例えば線路を走行する列車T(移動体)に踏切監視画像等の情報を伝送するシステムであり、地上側には、センサ伝送制御装置2、ルータ3、及び無線送受信部(無線LANアクセスポイント)4が設けられ、また、列車T側には列車側装置5が設けられている。なお、地上側のシステムは、線路を走行する列車Tとの無線通信が途切れないように、沿線に所定間隔で無線送受信部4(及び、この無線送受信部4に接続されたルータ3とセンサ伝送制御装置2)が複数設置され、沿線ネットワーク9が形成されている。図1は、沿線に3組のセンサ伝送制御装置2、ルータ3及び無線送受信部4の組が設置されている場合について示している。また、これらのルータ3の中の少なくとも何れか1台には(図1の場合は3台のルータ3のうちルータ3bには)センサ7の情報を列車Tに伝送するセンサデータ伝送装置6が接続されている。
【0016】
それでは、このような構成のデータ伝送システム1において、通信帯域を有効利用して、走行する列車に確実に情報を伝送する構成及び処理の2つの実施例を説明する。
【実施例1】
【0017】
(基本構成)
まず、第1実施例として、列車Tが走行している位置をセンサデータ伝送装置6で管理することにより、列車Tに対して伝送される情報を制御するように構成した場合について説明する。まず、各装置の構成について説明する。センサ伝送制御装置2は、ルータ3を制御して列車に伝送される情報を制御する(帯域を規制する)機能を有している。このセンサ伝送制御装置2は、制御データ送受信部20、ルータ制御部21、トラフィック測定部22、センサ位置情報記憶部23、及び、トラフィック記録情報記憶部24から構成されている。また、センサデータ伝送装置6は、このセンサデータ伝送装置6に接続されたセンサ7等の情報を取得して列車に送信する機能を有しており、データ送受信部60、列車位置記録部61、センサデータ処理部62、列車位置情報記憶部63、及び、センサ伝送位置情報記憶部64から構成されている。このセンサデータ伝送装置6において、センサデータ処理部62は、さらに、センサデータ入力部62a、センサデータ判定部62b及び伝送データ作成部62cから構成される。なお、センサ位置情報記憶部23、トラフィック記録情報記憶部24、列車位置情報記憶部63及びセンサ伝送位置情報記憶部64は、例えばハードディスク等の外部記憶装置で構成されている。
【0018】
ルータ3は、少なくとも2以上のポート30(図1に示すルータ3は、4つのポート30a~30dを有している場合を示している)を有し、これらのポート30のいずれかとセンサデータ伝送装置6及び隣接する他のルータ3とが接続され(図1の場合は、ルータ3a~3cが設置され、ルータ3aとルータ3bとが接続され、ルータ3bとルータ3cとが接続されている)、これらのセンサデータ伝送装置6及び他のルータ3と送受信されるデータ(パケット)の経路制御及びトラフィックの制御を行う機能を有している。なお、センサ伝送制御装置3も、同様にこのルータ3のポートに接続されるが、上述の汎用のポートを介して接続するように構成しても良いし、専用の制御用のポートを介して接続しても良い。このルータ3は、経路制御部35及び、4つの帯域制御部31~34から構成される。なお、図1に示すルータ3bの場合は、第1帯域制御部31がポート30aを介してセンサデータ伝送装置6bに接続され、第2帯域制御部32がポート30bを介してルータ3cに接続され、第3帯域制御部33がポート30cを介してルータ3aに接続され、第4帯域制御部34がポート30dを介して無線送受信部4bに接続されている(センサ伝送制御装置2が接続されるポートは図示していない)。
【0019】
ここで、ルータ3に設けられた経路制御部35は、複数のポート30のうち、いずれかのポート30から受信したパケットを残りのポート30の少なくとも1つから外部に送信する経路制御を行うように構成されている。また、第1~第4帯域制御部31~34は、それぞれが接続されたポート30で受信されたパケットのトラフィック量を発信元アドレス毎に計測する機能、及び、このポート30から外部に送信されるパケットのトラフィックの上限を規制する機能を有して構成されている。ここで、第1~第4帯域制御部31~34に設定されるトラフィックの上限値は、後述するようにセンサ伝送制御装置2のルータ制御部21により設定される。そのため、センサ伝送制御装置2とルータ3とは一体の装置として構成することも可能である。
【0020】
列車側装置5は、この列車側装置5が取り付けられている列車Tの位置を測定してセンサデータ伝送装置6に通知するとともに、センサデータ伝送装置6から送信されたセンサ等の情報を処理する機能を有している。この列車側装置5は、地上側に設置された無線送受信部4のいずれかと無線通信を行ってデータ(パケット)の送受信を行う無線送受信部50、列車位置測定部51、GPS受信装置52、信号装置53、センサデータ受信部54及びセンサデータ表示55から構成される。
【0021】
(トラフィック測定部のフロー)
それでは各処理部における処理フローについて説明する。まず、トラフィック測定部22は、一定時間毎(例えば、1秒毎)に起動され、図2に示す処理を行う。なお、トラフィック測定部22は、センサ位置情報記憶部23に記憶された情報を読み出し、トラフィックに関する情報をトラフィック記録情報記憶部24に記憶するように構成されており、それぞれのデータ構造を図3(a)及び図3(b)に示す。ここで、センサ位置情報記憶部23には、本実施例におけるデータ伝送システム1にセンサ7が登録される毎に、そのセンサ7に係るアドレス(IPアドレス)23a、センサ種別23b、そのセンサ7の優先度23c及びそのセンサの位置23dから構成されるエントリが記憶され、あるいは、センサ7が取り外されると、そのエントリが削除される。
【0022】
トラフィック測定部22が起動されると、まず、センサ位置情報記憶部23にエントリの追加または削除があったかを調べる(ステップS110)。もし追加または変更があったならば、それに合わせてトラフィック記録情報記憶部24のエントリの追加または削除を行う(ステップS111)。ここで、トラフィック記録情報記憶部24は、エントリ番号24a、発信元アドレス24b、頻度24c及び入力帯域制御部24dから構成されており、センサ位置情報記憶部23に追加または削除されたエントリと同じアドレスが、トラフィック記録情報記憶部24に追加または削除される。
【0023】
そして、トラフィック測定部22は、制御データ送受信部20を介してルータ3と通信し、このルータ3の帯域制御部のうち、隣接するルータ3に接続されている帯域制御部及びセンサデータ伝送装置6が接続されている帯域制御部(図1に示す例においては、第1帯域制御部31、第2帯域制御部32及び第3帯域制御部33が該当)から、それぞれの帯域制御部31~33に対して外から入ってきたパケットの数を、発信元アドレスごとに取得する(ステップS112)。パケット数の取得方法としては、ルータ3にログインしてコマンドを発行する方法や、ルータ3からセンサ伝送制御装置2に周期的に報告するように構成する方法等がある。
【0024】
そして、トラフィック測定部22は、ルータ3から取得したパケット数(トラフィック量)を、トラフィック記録情報記憶部24に記録する。このとき、トラフィック測定部22は、計測したパケットがどの帯域制御部に入ってきたかの情報も入力帯域制御部24dとして合わせて記録する。具体的には、まず、エントリ番号を1にセットし(ステップS113であって、図2ではこのエントリ番号を記号”i”で示す)、トラフィック記録情報記憶部24のそのエントリ番号の位置にエントリが記憶されているか否か判断し(ステップS114)、記憶されていない場合には処理を終了する。一方、そのエントリが記憶されている場合は、そのエントリの発信元アドレス24bを取り出し(ステップS115)、上述のステップS112でルータ3から取り出した情報にその発信元アドレスが存在するかを判断する(ステップS116)。発信元アドレスがある場合は、取得したパケット数(トラフィック量)を頻度24cに上書きし(ステップS117)、発信元アドレスが無い場合は、頻度を0[フレーム/秒]として、また、入力帯域制御部24dの内容を削除する(ステップS118)。そして、エントリ番号を1増加させて(ステップS119)、ステップS114~S119の処理を繰り返す。
【0025】
なお、センサ伝送制御装置2が電源オンで起動した時には、センサ位置情報記憶部23に記録されているすべてのIPアドレスをトラフィック記録情報記憶部24に転記しておくものとする。
【0026】
(列車位置記録部のフロー)
列車位置記録部61は、図4に示すように、列車から送られてくる位置情報を常時監視し、列車位置情報記憶部63に記録する処理を行う。ここで、列車位置情報記憶部63は、図5に示すように、列車側装置5を構成する無線送受信部50に割り当てられたアドレス(IPアドレス)63a、列車が走行する線区63b、その列車の進行方向63c、及び、列車の位置63dから構成される。
【0027】
列車位置記録部61は、一定時間毎(例えば、1秒毎)に起動され、列車から位置情報を受信しているか否かを判断し(ステップS120)、位置情報を受信していない場合は、後述するステップS124の処理を行う。位置情報を受信している場合は、送信された位置情報に含まれる発信元アドレスがアドレス63aに記憶されているか否かを判定し(ステップS121)、すでに記憶されている場合には列車から受信した位置情報を列車位置情報記憶部63のそのアドレスに対応するエントリに上書きし(ステップS122)、記憶されていない場合には列車位置情報記憶部63に新しいエントリを作成してその位置情報を記憶する(ステップS123)。
【0028】
次に、列車位置記録部61は、列車位置情報記憶部63に記録されているが、予め指定された時間以上位置情報を受信しない列車のエントリがあるか否かを判定し(ステップS124)、該当する列車のエントリがある場合は、そのエントリを列車位置情報記憶63から削除する(ステップS125).これにより、列車位置情報記憶部63には、常に最新の列車の情報(進行方向や位置等)が記憶されることになる。
【0029】
(センサデータ処理部のフロー)
センサデータ処理部62は、図6に示すように、センサデータ入力部62aがセンサ7からの信号を受信すると、受信信号をサンプリングするなどして、センサデータ判定部62bに出力する(ステップS100)。なお、センサ7から出力される信号としては、例えば電圧や電流の値(アナログ値)でも良いし、カメラからのビデオ信号等でも良い。
【0030】
センサデータ判定部62bに、踏切支障報知装置8のようなネットワークへの信号出力のトリガとなる装置が接続されている場合には、このトリガを判定し、トリガ信号がオンとなったら、無条件にセンサ情報を沿線ネットワーク9に出力すると判定し、オフとなったら無条件に出力を停止すると判定するか、若しくは、さらに出力判定を行うように構成される(ステップS101)が、以降の説明では、さらに判定する場合について説明する。なお、踏切支障報知装置8が接続されていない場合には、このステップS101は省略される。
【0031】
ステップS101が省略されている場合、若しくは、ステップS101でトリガがオフと判定された場合には、センサデータ判定部24bは、センサデータの状態からこのセンサデータを沿線ネットワーク9に出力するか否かの判定を行う(ステップS102)。判定基準としては、(a1)センサデータの値が、事前に設定されているスレショルド値より大きい場合や、(b1)センサデータの値が、ある一定時間より長く、事前に設定されているスレショルド値より大きい場合にデータを出力すると判定する。逆に、(a2)センサデータの値が、事前に設定されているスレショルド値より小さい場合や、(b2)センサデータの値が、ある一定時間より長く、事前に設定されているスレショルド値より小さい場合にデータの出力を停止すると判定する。
【0032】
以上のようにして、センサデータ判定部62bが沿線ネットワーク9へ出力すると判断したセンサデータは、伝送データ作成部62cに渡される。伝送データ作成部62cは、列車位置情報記憶部63に記録された情報及び図7に示すようなセンサ伝送位置情報記憶部64に記録された情報を読み出し、この情報に基づいてセンサデータを含む電文を作成する。ここで、センサ伝送位置情報記憶部64は、線区64a、進行方向64b、始点64c及び終点64dから構成される。すなわち、センサデータ処理部62は、列車位置情報記憶部63に記憶されている列車のうち、センサ伝送位置情報記憶部64のエントリと同一条件の列車(線区64aと同じ線区であって、進行方向64bと同一方向に走行している列車で、かつ、始点64c及び終点64dの間に位置する列車)が存在するかどうかを判断し(ステップS103)、存在すれば当該列車のアドレス63aを宛先アドレスとする電文を作成する。このとき、該当する列車が複数存在する場合は、それぞれの列車に対する電文を作成する(ステップS104)。作成した電文は、データ送受信部60に渡されてこの電文はルータ3に伝送される(ステップS105)。
【0033】
(ルータ制御部のフロー)
ルータ制御部21は、ルータ3の帯域制御部(後述するように、本実施例では第2~第4帯域制御部32~34)から送信されるパケットを制御するようにこれらの帯域制御部の設定変更を行うために、周期的に起動される。起動する周期は、短ければトラフィック増減の変動をすぐに反映できるがルータ3の制御が間に合わなくなる可能性があるので、数秒~10秒程度で行われる。また、第1~第4帯域制御部31~34の設定変更のやり方としては、ルータ3にログインしてコマンドを発行することにより行われる。なお、センサ伝送制御装置2が電源オンしてルータ制御部21が最初に起動したときには、隣接するルータ3と接続されている帯域制御部(図1の例では、第2帯域制御部32と第3帯域制御部33)については、センサ位置情報記憶部25に記録されている発信元エントリのおのおのに対して、その発信元アドレスをもつデータを「帯域無制限で通す」という設定が行われる。
【0034】
それでは、図8及び図9を用いてルータ制御部21の処理について説明する。ルータ制御部21が起動されると、まず、センサ位置情報記憶部23にエントリの追加があったか否かを調べ(ステップS131)、もし、センサ位置情報記憶部23に新規にエントリが追加されていれば、ルータ3に対してその発信元アドレスをもつデータを「帯域無制限で通す」という設定を行う(ステップS132)。次に、センサ位置情報記憶部23にエントリの削除があったか否かを調べ(ステップS133)、エントリが削除されていたならば、ルータ3に対してその発信元アドレスをもつデータを「通さない」という設定にする(ステップS134)。
【0035】
次にルータ制御部21は、トラフィック記録情報記憶部24とセンサ位置情報記憶部23とから情報を読み込んで、ルータ3の帯域制御部のうち、センサデータ伝送装置6が接続されていない帯域制御部(図1の例では第2~第4帯域制御部32~34であって、以下この構成の場合について説明する)のおのおのに対して次のような設定を行う。すなわち、”k”を第k帯域制御部とすると、k=2として第2帯域制御部32を選択し(ステップS135)、この第2帯域制御部32に対して帯域制御処理を行い(ステップS136)、kを1進めて(ステップ137)、kが4、すなわち、第4帯域制御部34になるまでこの帯域制御処理S136を繰り返す(ステップS138)。
【0036】
それでは帯域制御処理S136の具体的な処理について説明する。なお、図9における定数M0(k)は設定対象としている第k帯域制御部がセンサデータを送出できる単位時間(たとえば1秒)当たりの最大パケット数であり、予めこのルータ制御部21に設定されているものとする。
【0037】
まず、トラフィック記録情報記憶部24の情報のうち、入力帯域制御部24dが自帯域制御部となっていないエントリを取り出し、センサ位置情報記憶部23の情報と突合せて、優先度23cの高い順に並び替える(ステップS140)。並び替えた結果36のi番目のエントリの発信元アドレスをAi、頻度をFiとし、エントリの数をJとする。このときのイメージを図10に示す。それぞれ、エントリ番号36a、発信元アドレス36b、頻度36c、優先度36d及び帯域制限結果36eから構成される。
【0038】
もしトラフィック記録情報記憶部24のすべてのエントリの頻度24cが0[フレーム/秒]となっている、すなわち、流れているトラフィックが存在しない状態であると判断し(ステップS142)、かつ、第k帯域制御部で帯域制限を行っているかを判断して(ステップS152)、帯域制限を行っている場合は、その帯域制限を解除して、センサ位置情報記憶部23に記録されている発信元エントリの各々に対して、その発信元アドレスを持つデータを「帯域無制限で通す」ように設定する(ステップS153)。これは、1つ前のタイミングまで複数のトラフィックが流れていたのが全部なくなったので、設定を元に戻す、という意味の処理である。
【0039】
一方、ステップS142で、トラフィック記録情報記憶部24のいずれかのエントリの頻度24cが0[フレーム/秒]でない、すなわち、流れているトラフィックが存在する状態であると判断したときは、並び替えた結果36のうち、優先度最高のエントリ(i=1)から順に(ステップS143)、その発信元アドレスのパケットに帯域を割り当てていき、その合計値が最大パケット数M0(k)の帯域に収まる間は帯域制限をかけない。すなわち、発信元アドレス毎に割り当てたパケット数の合計が最大パケット数M0(k)の帯域を越えそうになったら、第i番目のエントリに対するトラフィックをMi-1(k)に制限するように第k帯域制御部を制御し(ステップS147)、第i+1番目以降のエントリ(第J番目までのエントリ)のトラフィックを「通さない」という帯域制限をルータ3の第k帯域制御部に対して行う(ステップS148)。また、ステップS146で頻度Fiが余裕値Mi-1(k)を超えない場合には、並び替えた結果36の最後までステップを繰り返したか判定し(ステップS149)、まだ最後まで至っていなければi+1番目以降のエントリに対する余裕値Mi(k)を次式(1)から求める(ステップS150)。そして、並び替えた結果36の次のエントリに対してステップS145~S148までを繰り返す(ステップS151)。
【0040】
i(k) = Mi-1(k)-Fi (1)
【0041】
たとえば、上述の図10に示すように3つのトラフィックがあった場合の帯域制限のイメージを図11に示す。すなわち、並び替えた結果36のうち、エントリ1のトラフィックは最大パケット数M0(k)=10を超えていないので、制限はなく、エントリ2のトラフィックは、帯域の余裕値が3となるため、その余裕値内に制限され、さらに、エントリ3は既に帯域の余裕がないため、このトラフィックは通さない(=0)という制限がされる。この結果、第2~第4帯域制御部32~34から外に出て行くトラフィックは、出力回線の容量M0(k)いっぱいを優先度の高い順に使うことになる。
【0042】
(センサデータ受信部及びセンサデータ表示部のフロー)
列車側装置5を構成するセンサデータ受信部54は、自装置宛のデータを受信する。この第1実施例の場合は、センサデータ伝送装置6から送信されるパケットはユニキャストアドレスが設定されている。また、センサデータ表示部55は、画像やセンサデータの値を表示するモニタ画面や、センサデータの値が一定値を超えたかどうか判定し超えた場合は音で警告するスピーカ等から構成されており、ここではその詳細は規定しない。
【0043】
(列車位置判定部のフロー)
列車位置判定部51では、周期的に(たとえば1秒周期で)列車Tの位置を計算し、無線送受信部50を介してマルチキャスト伝送する。宛先となるマルチキャストアドレス、すなわち、この列車Tの位置情報が送信されるセンサデータ伝送装置6は、列車Tの位置によって動的に決定されるが、ここではその方法の詳細説明は省略する。なお、マルチキャストアドレスの設定方法については、例えば特開2003-283558号公報等に開示されている。また、列車位置の計算方法としては、図1に示すように、GPS受信装置52を列車に搭載してその位置の測定を行い、路線図と突き合わせて現在位置を求める方法や、信号装置53によりATS地上子受信し、この情報と車輪回転数から現在位置を求める方法などがあるが、ここでは詳細を規定しない。いずれにせよ、図12に示すように、列車位置測定部51は、列車位置を計算し(ステップS160)、その位置情報を無線送受信部50を介してセンサデータ伝送装置6に送信する(ステップS161)。
【0044】
(踏切で障害が発生した場合の動作)
それでは、以上のような構成のデータ伝送システム1の動作について説明する。まず、踏切で障害が発生した場合の動作について、図13を用いて説明する。なお、この図13においては、センサ伝送制御装置2及びルータ3とセンサデータ伝送装置6とは1組だけ存在し、このルータ3に3台の無線送受信部4a~4cが接続されている場合について示している。もちろん、図1に示すように、無線送受信部4a,4cにもルータ3を設けて構成しても良いし、それぞれのルータ3にセンサ伝送制御装置2を設けて構成しても良い。
【0045】
上述のように、障害物検知装置の作動や非常ボタンの操作が行われて、踏切支障報知装置8から踏切異常情報がセンサデータ伝送装置6に出力されると、上述のようにセンサデータ処理部62は、センサ7としてのカメラで撮影された踏切内の画像をセンサデータとして、上述のように条件を満たす列車Tに向けて沿線ネットワーク9に出力する。
【0046】
(踏切が複数ある場合の動作)
図14は、2箇所の踏切(踏切1及び2)に、それぞれ、センサ7b,7cが設けられ、また、それぞれのセンサ7b,7cに対して、センサデータ伝送装置6b,6cと、センサ伝送制御装置2b,2c及びルータ3b,3cとを設けた場合である。なお、無線送受信部4は、3台設けられ、無線送受信部4a,4bがルータ3bに接続され、無線送受信部4cがルータ3cに接続されている場合を示している。この図14の構成において、2箇所の踏切(踏切1及び2)の両方で障害が発生した場合にも、上述のように、それぞれのセンサデータ伝送装置6b,6cから列車Tに対してセンサ情報(画像情報)が送信される。このとき、ルータ3bにおいては、それぞれのセンサデータ伝送装置6b,6cから送信された画像情報が通過するため、無線帯域の不足によりどちらも満足に送信できなくなる。そこで、本実施例においては、上述のようにセンサ伝送制御装置2のルータ制御部21により、ルータ3bのトラフィックを制御して、列車に近いほうの踏切画像を優先して送信するように構成されている。
【0047】
具体的には、上述のように、それぞれのセンサ伝送制御装置2のセンサ位置情報記憶部23に記憶されているセンサの情報において、それぞれのセンサ伝送制御装置2に近い順に優先度を高く設定することにより、遠いセンサ(カメラ)の画像情報の帯域を制限することができる(例えば、本実施例の場合は、優先度23cの数値が小さいほど優先度が高い)。ここで、図14の場合、例えば、列車Tが踏切1を通過してしまうなど、踏切画像を送信する必要がなくなれば、センサデータ伝送装置6bのセンサデータ処理部62は、上述のようにデータの送信を行わなくなる。この結果、列車は踏切2の画像情報を高品位で受信することができる。
【0048】
なお、複線で、踏切1に近づく列車と反対側から踏切2に近づく列車とがあったとしても、上記のとおり、それぞれのルータ3b,3cの帯域が、上記列車の位置に合わせて制限されるため、近い方の踏切の画像が優先してそれぞれの列車に送信することができる。また、この例では、センサ7b,7cとして、それぞれの踏切内を撮影するカメラを設けた場合について説明したが、異なる種類のセンサでも同様に帯域制限をして、優先度の高いセンサ7の情報を確実に列車に送信することができる。
【0049】
このように、この第1実施例に係るデータ伝送システム1によれば、近接する列車Tにのみセンサの情報(例えば、上述のように踏切の画像情報)を伝送することができ、また、複数の異常状態が同時に発生している場合には最も近いセンサの情報(踏切の画像)を集中的に高品質で伝送することができる。また、複数の情報源がある場合には、優先度の高いデータを集中して送信することができる。
【実施例2】
【0050】
(基本構成)
次に、第2実施例として、列車Tが走行している位置を管理することなく、伝送される情報を制御するように構成したデータ伝送システム1′について説明する。以上の第1実施例においては、センサデータ伝送装置6に、列車位置記録部61、列車位置情報記憶部63及びセンサ伝送位置情報記憶部64を設け、センサ情報を伝送するときに、ユニキャストアドレスにより送信していたが、本第2実施例においては、列車Tの位置情報は管理せず、沿線ネットワーク9に対してマルチキャストアドレスで送信する。すなわち、列車Tが踏切の近くに位置するか否かは考慮せず、無線送受信部4の送信エリアにいる列車Tに対してセンサ情報を送信するように構成した場合を示している。そのため、図15に示すように、この第2実施例においては、センサデータ伝送装置6には、上述の列車位置記録部61及び列車位置情報記憶部63がな(もちろん、センサ伝送位置情報64もない)なお、図15においては、図1と同様の構成要素は同一の符号を付している。列車Tは、受信するマルチキャストアドレスをこの列車Tの位置によって動的に決定するが、ここではその方法の詳細説明は省略する。なお、マルチキャストアドレスの設定方法については、例えば特開2003-283558号公報に開示されている。そのため、列車側装置5には、列車位置測定部51及びGPS受信装置52が設けられている。
【0051】
このように構成しても、上述のように、ルータ3のトラフィックは、各ルータ3に接続されているセンサ伝送制御装置2のルータ制御部21によりそのトラフィックが制限されるため、優先度の高いセンサ情報が優先的に列車に送信されることとなる。具体的には、上述のルータ制御部21のフローで説明したように、センサ位置情報記憶部23に記憶されたセンサ毎の優先度に従ってそのセンサから送信されるパケットの帯域が制限されるため、第1実施例で説明したように、各センサ位置情報記憶部23に、センサの位置や重要度により優先度を設定することにより、より重要度の高いデータを確実に列車に伝送することができる。但し、この第2実施例によると、列車Tの走行方向に関係なくセンサデータが伝送されるため、例えば、離れていく踏切の画像情報が列車Tに送信されることもある。
【0052】
このように、この第2実施例に係るデータ伝送システム1′によれば、複数の異常状態が同時に発生している場合には最も近いセンサの情報(例えば、踏切の画像)を集中的に高品質で伝送することができる。また、複数の情報源がある場合には、優先度の高いデータを集中して送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施例に係るデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】トラフィック測定部の処理を示すフローチャートである。
【図3】トラフィック測定部で利用されるデータの構造を示す説明図であって、(a)はセンサ位置情報記憶部の構造を示し、(b)はトラフィック記録情報記憶部の構造を示す。
【図4】列車位置記録部の処理を示すフローチャートである。
【図5】列車位置記録部で記録されるデータの構造を示す説明図であって、列車位置情報記録部の構造である。
【図6】センサデータ処理部の処理を示すフローチャートである。
【図7】センサ伝送位置情報記憶部のデータ構造を示すための説明図である。
【図8】ルータ制御部の処理を示すフローチャートである。
【図9】上記ルータ制御部の処理であって、帯域制御処理を示すフローチャートである。
【図10】上記帯域制御処理において、トラフィック情報を優先度で並び替えた結果である。
【図11】帯域制御の方法を説明するための説明図である。
【図12】列車位置測定部の処理を示すフローチャートである。
【図13】踏切で障害が発生した場合の動作を説明するための説明図である。
【図14】複数の踏切で障害が発生した場合の動作を説明するための説明図である。
【図15】第2実施例に係るデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
1,1′ データ伝送システム
2 センサ伝送制御装置(経路制御装置) 3 ルータ(経路制御装置)
4 無線送受信部(地上側送受信部) 21 ルータ制御部(トラフィック制御部)
22 トラフィック測定部 23 センサ位置情報記憶部(優先度記憶部)
30 ポート 31~34 帯域制御部 35 経路制御部
50 無線送受信部(移動体側送受信部)
51 列車位置測定部(移動体位置測定部)
54 センサデータ受信部(データ受信部) T 列車(移動体)
62 センサデータ処理部(データ送信部)
63 列車位置情報記憶部(移動体位置情報記録部)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
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【図14】
13
【図15】
14