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明細書 :風洞模型非接触支持方法及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5039478号 (P5039478)
公開番号 特開2009-047524 (P2009-047524A)
登録日 平成24年7月13日(2012.7.13)
発行日 平成24年10月3日(2012.10.3)
公開日 平成21年3月5日(2009.3.5)
発明の名称または考案の名称 風洞模型非接触支持方法及び装置
国際特許分類 G01M   9/06        (2006.01)
FI G01M 9/06
請求項の数または発明の数 8
全頁数 10
出願番号 特願2007-213314 (P2007-213314)
出願日 平成19年8月20日(2007.8.20)
審査請求日 平成21年11月19日(2009.11.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】清野 寛
【氏名】斉藤 実俊
個別代理人の代理人 【識別番号】100100413、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 温
審査官 【審査官】荒巻 慎哉
参考文献・文献 特開平04-016733(JP,A)
特許第3282421(JP,B2)
調査した分野 G01M 9/00 - 10/00
特許請求の範囲 【請求項1】
風洞中に風洞模型を非接触で支持する方法であって、
前記風洞模型、又は、該模型が対向する風洞内面のいずれか一方に、超電導バルク体、及び、該超電導バルク体を冷却しつつ収容する冷却容器を備えるとともに、いずれか他方に磁場発生装置を備え、
前記超電導バルク体の磁場捕捉特性を利用して前記風洞模型を前記風洞内面に対して非接触で支持し、
前記風洞内面に備えられた前記冷却容器又は磁場発生装置に荷重センサが設けられ、該荷重センサで前記風洞模型に作用する抗力及び揚力を測定することを特徴とする風洞模型非接触支持方法。
【請求項2】
前記風洞模型に永久磁石を備え、
前記固定面に超電導バルク体及び冷却容器を備えることを特徴とする請求項1記載の風洞模型非接触支持方法。
【請求項3】
前記風洞模型に超電導バルク体及び冷却容器を備え、
前記風洞内面に超電導磁石又は超電導コイルを備えることを特徴とする請求項1記載の風洞模型非接触支持方法。
【請求項4】
(現請求項5)
前記風洞内面に設けられた超電導バルク体及び冷却容器が移動可能なことを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載の記載の風洞模型非接触支持方法。
【請求項5】
風洞中に風洞模型を非接触で支持する装置であって、
前記風洞模型、又は、該模型が対向する風洞内面のいずれか一方に配置された、超電導バルク体、及び、該超電導バルク体を冷却しつつ収容する冷却容器と、
いずれか一方に配置された磁場発生装置と、を備え、
前記超電導バルク体の磁場捕捉特性を利用して前記風洞模型を前記風洞内面に対して非接触で支持し、
前記風洞内面に備えられた前記冷却容器又は磁場発生装置に設けられた荷重センサを有し、該荷重センサで前記風洞模型に作用する抗力及び揚力を測定することを特徴とする風洞模型非接触支持装置。
【請求項6】
前記風洞模型に配置された永久磁石と、
前記固定面に配置された超電導バルク体及び冷却容器と、を備えることを特徴とする請求項記載の風洞模型非接触支持装置。
【請求項7】
前記風洞模型に配置された超電導バルク体及び冷却容器と、
前記風洞内面に配置された超電導磁石又は超電導コイルと、を備えることを特徴とする請求項記載の風洞模型非接触支持装置。
【請求項8】
前記風洞内面に設けられた超電導バルク体及び冷却容器が移動可能なことを特徴とする請求項5~7いずれか1項記載の記載の風洞模型非接触支持装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、風洞試験において風洞模型を非接触で支持する方法及び装置に関する。特には、支持部材が不要であるとともに、比較的簡単な構成で風洞模型を非接触で支持できる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風洞実験において、試験体の模型に空気力学的に作用する抗力や揚力などを測定する場合、通常は、流れに影響を与えないようにピアノ線などを使って試験体となる模型を支持する方法や、磁力によって非接触支持する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、ピアノ線を用いた模型支持方法の一例を説明する図である。
図5に示すように、この方法では、模型10を複数のピアノ線61で吊り下げている。この際、実験中に模型10の姿勢が変化しないように、模型10をx、y及びz方向の全ての方向に対して拘束する必要がある。また、模型10の姿勢(床面からの高さ、水平度、風に対する角度など)を調整するためには、ピアノ線61の長さを変更する必要があり、模型のセットや調整に多大な労力を要する。また、ピアノ線61自体が空気の流れに影響を及ぼし、測定値の誤差の要因となる。さらに、空力音の測定などでは、ピアノ線61などの支持部材から発生する騒音がノイズ音となってしまう。
このような点から、風洞試験においては模型以外の物体(ピアノ線61などの支持部材)が存在しないことが好ましい。
【0004】
図6は、磁力を用いた模型支持方法の一例を説明する図である。
装置は、模型10の周囲に配置されて、各々磁気回路を形成するコイル71~74、コイル75~78、模型10の前後に配置された空芯コイル79、80とを備える。一方、模型10には、永久磁石などの強力な磁石体が搭載されており、この磁石体と、コイルに通電することにより生じた外部磁場との間の磁気作用によって磁気力が生じ、模型10を磁気的に浮上させて支持する。実験時には、コイルの電流の大きさを測定することにより、抗力を検出する。図中の符号81は、模型10を観察するカメラである。
【0005】
この方法では、模型を支持する部材が不要であるが、コイル電流から抗力を求める際に、予め、コイル電流と空気力との関係を調べてマップ、関数、表などの対応関係を求めておく必要がある。そして、模型の形状を変更するたびにこのような繁雑な作業が必要になってしまう。
【0006】

【特許文献1】特開2003-344215
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、支持部材が不要であるとともに、比較的簡単な構成で風洞模型を非接触で支持する方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のベースとなる風洞模型非接触支持方法は、 風洞中に風洞模型を非接触で支持する方法であって、 前記風洞模型、又は、該模型が対向する風洞内面のいずれか一方に、超電導バルク体、及び、該超電導バルク体を冷却しつつ収容する冷却容器を備えるとともに、いずれか他方に磁場発生装置を備え、 前記超電導バルク体の磁場捕捉特性を利用して前記風洞模型を前記風洞内面に対して非接触で支持することを特徴とする。
ここで、超電導バルク体とは、高温超電導単結晶の超電導材料の固まりに加え、多結晶であっても結晶粒の配向性を高めて、単結晶に近い特性を有する超電導特性を改善した超電導材料の固まりをいう(「超電導応用の基礎」松下照男編、産業図書(2004/02/10初版)、第3章高温超電導体、P.159-161、「3.3.3 バルク高温超電導体」参照)。
【0009】
超電導バルク体は、磁場中で冷却することで磁束をピン止めすることができ、超電導バルク体が置かれた空間の磁場分布を捕捉する特性を有する。高温超電導体すなわち第二種超電導体では、超電導体中を磁束粒子が格子状に貫通することで超電導状態と磁場が共存可能になるピン止め効果と呼ばれている現象がある。磁気支持では、この磁束のピン止めを利用している。超電導バルク体を磁場中で冷却すると、バルク体内部を貫通する磁束がピン止めされてバルク体内部に残留する。本件における磁場捕捉特性はこのことを示している。このような状態でピン止めされた磁束により安定した磁気浮上が可能である。さらに、超電導バルク体が磁場発生装置から離れる方向もしくは近づく方向に変位しようとすると、レンツの法則に従って、超電導バルク体には磁場変化に反発する方向の磁場を発生させるように超電導電流が誘起されるために、安定した位置を保持できる(「はじめてナットク!超伝導-原理からピン止め効果の応用まで」村上雅人著、講談社(1999/09)参照)。
【0010】
すなわち、磁場発生装置と超電導バルク体とを所定のスキマを開けて保持して、超電導バルク体を超電導状態とすると、超電導バルク体に磁場発生装置で発生した磁場分布が記憶される(磁場捕捉特性)。すると、前述のスキマを隔てていた部材を外しても、超電導バルク体は磁場発生装置に対して、記憶された磁場分布に基づいてスキマを保持した状態で浮上する。風洞模型が、超電導状態下の超電導バルク体又は磁場発生装置のいずれか一方を備え、風洞内面がもう一方を備えることにより、この特性によって風洞模型は風洞内面に予め決められたスキマを開けて(非接触で)支持される。
【0011】
この方法によれば、風洞模型を支持する支持部材は不要であり、また、磁気支持方法におけるコイル電流制御や、抗力測定のための事前準備作業などの繁雑な作業が不要である。したがって、風洞実験の労力を軽減でき、模型の形状が変わった際にも柔軟に対応できる。
【0012】
本発明においては、 前記風洞内面に備えられた前記冷却容器又は磁場発生装置に荷重センサが設けられ、該荷重センサで前記風洞模型に作用する抗力及び揚力を測定することとできる。
【0013】
本発明においては、 前記風洞模型に永久磁石を備え、 前記固定面に超電導バルク体及び冷却容器を備えることもできる。
超電導バルク体を冷却するために一般的に使用される液体窒素は、常温下で蒸発するため重量が変化する。そこで、この超電導バルク体を風洞内面に配置し、風洞模型に、磁場発生装置として永久磁石を搭載すると、模型の重量が変化しないので好ましい。なお、磁場発生装置としては、永久磁石や電磁石、コイルなどを使用できる。このうち、風洞模型に永久磁石を搭載することが、装置を作りやすく模型の取り替え作業がしやすいという利点を有し、好ましい。
【0014】
さらに、本発明においては、 前記風洞模型に超電導バルク体及び冷却容器を備え、 前記風洞内面に超電導磁石又は超電導コイルを備えることもできる。
磁場発生装置として、超電導磁石又は超電導コイルを用いた場合、強力な磁場を発生することができるため、風洞模型の浮上高さを高くすることができる。
【0015】
また、本発明においては、 前記風洞内面に設けられた超電導バルク体及び冷却容器が動揺可能であることが好ましい。
風洞内面に設けた超電導バルク体又は冷却容器と水平方向に動揺させることにより、風洞模型が左右方向に動揺したときの抗力、揚力の変化を測定できる。また、これらを湾曲面に沿って動揺させると、風洞模型のヨーイング時の抗力や揚力の変化も測定できる。
【0016】
本発明のベースとなる風洞模型非接触支持装置は、 風洞中に風洞模型を非接触で支持する装置であって、 前記風洞模型、又は、該模型が対向する風洞内面のいずれか一方に配置された、超電導バルク体、及び、該超電導バルク体を冷却しつつ収容する冷却容器と、 いずれか一方に配置された磁場発生装置と、を備え、 前記超電導バルク体の磁場捕捉特性を利用して前記風洞模型を前記風洞内面に対して非接触で支持することを特徴とする。
【0017】
本発明においては、 前記風洞内面に備えられた前記冷却容器又は磁場発生装置に設けられた荷重センサを有し、該荷重センサで前記風洞模型に作用する抗力及び揚力を測定することができる。
【0018】
本発明においては、 前記風洞模型に配置された永久磁石と、 前記固定面に配置された超電導バルク体及び冷却容器と、を備えることともできる。
または、 前記風洞模型に配置された超電導バルク体及び冷却容器と、 前記風洞内面に配置された超電導磁石又は超電導コイルと、を備えることともできる。
【0019】
本発明においては、 前記風洞内面に設けられた超電導バルク体及び冷却容器が動揺可能なことが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、超電導バルク体を使用することにより、支持部材が不要であって、比較的簡単な構成で風洞模型を非接触で支持する方法及び装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の風洞模型非接触支持装置の有効性を確認するための実験例を説明する。
図2は、実験例に使用した風洞模型非接触支持装置を説明する図である。
超電導バルク体12として、直径60mm、高さ20mmの、Gd-Ba-Cu-O系材料の塊状焼結体の表面をガラス繊維で覆い、エポキシ樹脂で含浸したものを用意した。同バルク体12の重量は390gである。この超電導バルク体12を、重量が70gの冷却容器11内に台座14を介して載置した。
一方、永久磁石21として、縦50mm×横70mm、厚さ30mm、表面の磁束密度が0.2~0.25Tの磁石を準備した。
【符号の説明】
【0022】
永久磁石21を風洞内面20に載置し、同磁石21の上方に、初期空隙を7mmとなるようにスペーサ(図示されず)を介して冷却容器11を乗せた。その後、冷却容器11に液体窒素13を導入し、超電導バルク体12を臨界温度以下に冷却した。液体窒素13の導入量は約200gであり、冷却容器11と超電導バルク体12との総重量は約660gである。超電導バルク体12が臨界温度以下に冷却された後、スペーサを外すと、冷却容器11は、永久磁石21の上方に浮上したまま保持された。
【0023】
この冷却容器11をバネ秤16及び17で左右方向及び上方向に引っ張り、冷却容器11が変位する直前のバネ秤16、17の荷重を読み取った結果、左右方向及び上方向の、変位が生じる直前の荷重は800g程度であった。つまり、この例では超電導バルク体に右方向及び上方向に800gf程度の力がかかっても、冷却容器11は浮上した状態に維持されることになる。
【0024】
一方、模型本体を、密度が20kg/mの発泡スチロール(EPS/発泡ポリスチレン)で、寸法が0.15m×0.15m×0.15mの立方体に作製する。この寸法の模型本体を単位模型とする。この模型本体の質量は67.5gであり、断面積は0.0225mである。
【0025】
前述の変位が生じる限度の質量800gから模型質量を差し引くと732.5gとなる。変位発生の許容値を700gとすると、風速30m/sで抗力及び揚力が500gとなる抗力係数(C値)及び揚力係数(C値)は0.57となる。
自動車の場合、C値は0.4以下、C値は0.2以下(「ながれ」23(2004)、pp.445-454、自動車と流体力学:車体周り流れと空気力特性((社)日本流体力学会)参照)なので、この例の超電導バルク体の磁場捕捉特性によれば、自動車の模型を風速30m/s中で十分に支持することができ、本発明の装置は有効であるといえる。
【0026】
列車模型の場合、C値、C値は条件によって変化するが、C値は0.3程度、C値は0.5程度であるので、前述の単位模型を使用して列車模型を構成できる。
【0027】
今回の実験に使用した永久磁石21の質量は約1000g、超電導バルク体12や冷却容器11、寒剤13及び台座14の合計質量は660g、模型の質量は67.5gであり、これら全体の合計質量は約1730gとなる。後述する風洞模型非接触支持装置に含まれる、風洞内面に設置するガイドなどの付帯設備の質量を2000gとすると、装置の総質量(荷重)は3730g程度である。これに対して、揚力係数を最小の0.2とした場合、発生する揚力は2.43N(248gf)となる。これは総荷重の6.6%であり、問題なく揚力を測定できる。
なお、抗力については、抗力に見合った荷重センサを取り付ければよいので、装置の自重に関係なく測定できる。
【0028】
この実験例により、本発明の風洞模型非接触支持装置は、車両の模型の風洞実験に有効であるといえる。
【0029】
次に、本発明の風洞模型非接触支持装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る風洞模型非接触支持装置を説明する図である。この図においては、風の向きは図の左から右方向(X方向)とする。
風洞模型非接触支持装置1は、模型10内に配置された冷却容器11、並びに、同容器11内に収容された超電導バルク体12と、風洞内面20に配置された永久磁石21(磁場発生装置)と、を備える。
【0030】
超電導バルク体12は、ピン止め力の強い超電導材料(例えば、Gd-Ba-Cu-O系材料に代表されるランタン族元素、スカンジウム族元素とバリウム、鋼の酸化物など)を焼結して塊状にして、周囲をガラス繊維などで覆ってエポキシ樹脂などで含浸したものである。これにより、塊状の超電導材料を水密に保持することもできる。冷却容器11は、断熱性の高い材料(例えば、発泡樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)など)で作製されており、寒剤(例えば、液体窒素)13が収容される。超電導バルク体12は、冷却容器11の底面上に置かれた台座14に載置される。この際、超電導バルク体12を底面を含めた周囲から冷却するために、同バルク体12は容器11の底面から浮かして保持され、バルク体12の下面と容器11の底面との間にも寒剤13を存在させることが好ましい。超電導バルク体12を冷却容器11内に載置し、超電導バルク体12が完全に浸るまで寒剤13を注入して、超電導バルク体12を臨界温度以下に冷却すると、同バルク体12は超電導状態となる。
【0031】
永久磁石21は、箱状の内支持部材22内に、ガイド23によりX方向に移動可能に支持されて、風洞内面20の、風洞模型10に対向する位置に配置されている。この際、永久磁石21の上面と、風洞内面20とは同一面上とされている。永久磁石21の側面と内支持部材22の内側面との間には荷重センサ24が取り付けられている。
【0032】
また、内支持部材22は、箱状の外支持部材32内に荷重センサ34により支持されている。さらに、内支持部材22は、外支持部材32に対してガイド33によりZ方向に移動可能となっている。
【0033】
外支持部材32は、ガイド35によりX方向に動揺可能に支持されており、左右動付与機構40により同方向に動揺する。
【0034】
次に、模型10を非接触支持する方法を説明する。
まず、冷却容器11の台座14上に超電導バルク体12を固定し、同容器11を模型10内にはめ込む。次に、この模型10を、風洞内面20に配置された永久磁石21に対して、スペーサ(図示されず)などを介して所定のスキマを開けて支持する。そして、冷却容器11に寒剤13を注入して、超電導バルク体12を臨界温度以下まで冷却して超電導状態とする。すると、超電導バルク体12の磁場捕捉作用により、同バルク体12内に、永久磁石21から発生した磁場分布が記憶される。その後、スペーサを外すと、超電導バルク体12、すなわち、模型10は、記憶された磁場分布に基づいて永久磁石、すなわち、風洞内面20に対して前述のスキマを開けた状態で支持される。
【0035】
模型10に抗力(X方向)が作用すると、その力は、永久磁石21の側に取り付けた荷重センサ24で測定される。また、模型10に揚力(Z方向)が作用すると、その力は、永久磁石21の側に取り付けた荷重センサ34で測定される。
【0036】
また、模型10の進行方向をY方向として、左右動付与機構40により外支持部材32をX方向に動揺させると、模型10は左右方向に動揺する。この場合、模型10が左右方向に動揺した時の抗力や揚力も荷重センサ24、34で測定できる。
さらに、紙面に垂直な方向(Y方向)においても、同方向に移動可能なガイドや荷重センサなどを設けることによって、同方向の力も測定できる。
【0037】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る風洞模型非接触支持装置を説明する図である。
この例は、風洞模型10の側に永久磁石21を備え、風洞内面20の側に超電導バルク体12及び冷却容器11を備えたものである。図1と同じ作用・構成を有する部材は図1と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0038】
超電導バルク体12を冷却する寒剤13として液体窒素を使用すると、液体窒素が常温下で蒸発するため重量が変化する。つまり、この液体窒素を模型10側に配置すると、模型10の重量が変化してしまう。そこで、この超電導バルク体12や冷却容器11を風洞内面20に配置し、永久磁石21を風洞模型10に搭載すると、模型の重量が変化しない。また、蒸発した液体窒素は白い煙状になって容器11から漏れるので、風洞模型10にこのような現象が発生すると好ましくない場合にも適している。
【0039】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る風洞模型非接触支持装置を説明する図である。
この例は、風洞模型10の側に超電導バルク体12及び冷却容器11を備え、風洞内面20の側に、永久磁石21の替わりに超電導磁石51を備えたものである。
【0040】
超電導磁石51は、超電導バルク体12と同様に冷却容器51に入れられて、台座54上に載置されている。冷却容器51に寒剤53を注入して超電導磁石51を冷却することにより、永久磁石21よりも強力な磁場を発生させることができる。この場合、より大きな磁場を捕捉するために超電導バルク体12の冷却温度を下げることが望ましく、沸点が27Kの液体ネオンや、4Kの液体ヘリウムなどを寒剤として使用することが望ましい。これにより、風洞模型10の浮上高さを高くすることができる。なお、超電導磁石の替わりに超電導コイルを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る風洞模型非接触支持装置を説明する図である。
【図2】実験例に使用した風洞模型非接触支持装置を説明する図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る風洞模型非接触支持装置を説明する図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る風洞模型非接触支持装置を説明する図である。
【図5】ピアノ線を用いた模型支持方法の一例を説明する図である。
【図6】磁力を用いた模型支持方法の一例を説明する図である。
【0042】
1 風洞模型非接触支持装置
10 風洞模型 11 冷却容器
12 超電導バルク体 13 寒剤
14 台座 16、17 バネ秤
20 風洞内面 21 永久磁石
22 内支持部材 23 ガイド
24 荷重センサ 32 外支持部材
33 ガイド 34 荷重センサ
35 ガイド 40 左右動付与機構
51 冷却容器 52 超電導磁石
53 寒剤 54 台座
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5