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明細書 :車載可能な磁気浮上式回転体機構

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4987569号 (P4987569)
公開番号 特開2008-295251 (P2008-295251A)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発行日 平成24年7月25日(2012.7.25)
公開日 平成20年12月4日(2008.12.4)
発明の名称または考案の名称 車載可能な磁気浮上式回転体機構
国際特許分類 H02K  55/02        (2006.01)
H02K  41/02        (2006.01)
FI H02K 55/02 ZAA
H02K 41/02 Z
請求項の数または発明の数 6
全頁数 9
出願番号 特願2007-140027 (P2007-140027)
出願日 平成19年5月28日(2007.5.28)
審査請求日 平成21年7月21日(2009.7.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】尾作 仁司
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】下原 浩嗣
参考文献・文献 特開2006-187055(JP,A)
特開2006-204085(JP,A)
特開平07-327338(JP,A)
特開平06-002646(JP,A)
調査した分野 H02K 55/02
H02K 41/02
特許請求の範囲 【請求項1】
上下方向又は左右方向の回転体(3,13)の両側に固定される高温超電導バルク体(8,18)を有する冷却容器(1,2;11,12)、該高温超電導バルク体(8,18)を有する冷却容器(1,2;11,12)間に配置される、浮上用円柱状磁石(4,5;14,15)とその中心軸に配置される浮上用磁石軸(6,7;16,17)とを有する前記回転体(3,13)とを具備する車載可能な磁気浮上式回転体機構。
【請求項2】
請求項1記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記高温超電導バルク体(8)を有する冷却容器(1,2)が前記回転体(3)の上下に配置され、前記浮上用磁石軸(6,7)を有する回転体(3)前記高温超電導バルク体(8)を有する冷却容器(1,2)に対して水平に配置されることを特徴とする車載可能な磁気浮上式回転体機構。
【請求項3】
請求項1記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記高温超電導バルク体(18)を有する冷却容器(11,12)が前記回転体(13)の左右に配置され、前記浮上用磁石軸(16,17)とを有する回転体(13)が前記高温超電導バルク体(18)を有する冷却容器(11,12)に対して垂直に配置されることを特徴とする車載可能な磁気浮上式回転体機構。
【請求項4】
請求項記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記冷却容器の回転体(3)との対向面の縁部前記回転体の脱落防止用突起(10)を具備することを特徴とする車載可能な磁気浮上式回転体機構。
【請求項5】
請求項1記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記高温超電導バルク体を有する冷却容器は、複数の多角形冷却容器を連結して構成され、それらの間に前記回転体を並列に配置することを特徴とする車載可能な磁気浮上式回転体機構。
【請求項6】
請求項1記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記回転体の両側に固定される前記高温超電導バルク体を有する冷却容器と、該冷却容器を支持する支持装置と、前記冷却容器間に浮上される前記回転体とを具備することを特徴とする車載可能な磁気浮上式回転体機構。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、車載可能な磁気浮上式回転体機構(モーター、ギヤ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在開発されている超電導フライホイールは装置全体を真空にしている。また、フライホイールはコマ型である。このためオイラーの運動方程式により、回転軸ぶれが起こり易い。更に、従来の装置は大型で構造が複雑であるといった問題があった。
また、鉛直状の回転体を制御型ラジアル磁気軸受と、制御型アキシャル磁気軸受で安定回転位置に支持した状態で、超電導体を冷却して超電導軸受を作動状態にし、超電導軸受とラジアル磁気軸受で回転体を安定回転支持し、回転体を回転させて運転を開始するようにした超電導軸受装置が提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来の装置は、構造が大型で、かつ複雑であり、コストが上昇するといった問題があった。

【特許文献1】特開平10-231840号公報
【特許文献2】特願2006-340692号
【特許文献3】特願2007-055241号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明者は、上記問題を解決するために、高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置(上記特許文献2)、高温超電導バルク体連結型多角形冷却容器の組立装置(上記特許文献3)を提案した。
本発明は、上記状況に鑑みて、コンパクトであり、車載可能な磁気浮上式回転体機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕車載可能な磁気浮上式回転体機構において、上下方向又は左右方向の回転体(3,13)の両側に固定される高温超電導バルク体(8,18)を有する冷却容器(1,2;11,12)と、この高温超電導バルク体(8,18)を有する冷却容器(1,2;11,12)間に配置される、浮上用円柱状磁石(4,5;14,15)とその中心軸に配置される浮上用磁石軸(6,7;16,17)とを有する前記回転体(3,13)とを具備することを特徴とする。
【0006】
〔2〕上記〔1〕記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記高温超電導バルク体(8)を有する冷却容器(1,2)が前記回転体(3)の上下に配置され、前記浮上用磁石軸(6,7)を有する回転体(3)が前記高温超電導バルク体(8)を有する冷却容器(1,2)に対して水平に配置されることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記高温超電導バルク体(18)を有する冷却容器(11,12)が前記回転体(13)の左右に配置され、前記浮上用磁石軸(16,17)とを有する回転体(13)が前記高温超電導バルク体(18)を有する冷却容器(11,12)に対して垂直に配置されることを特徴とする。
【0007】
〔4〕上記〔〕記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記冷却容器の回転体との対向面の縁部前記回転体の脱落防止用突起(10)を具備することを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記高温超電導バルク体を有する冷却容器は、複数の多角形冷却容器を連結して構成され、それらの間に前記回転体を並列に配置することを特徴とする。
【0008】
〔6〕上記〔1〕記載の車載可能な磁気浮上式回転体機構において、前記回転体の両側に固定される前記高温超電導バルク体を有する冷却容器と、この冷却容器を支持する支持装置と、前記冷却容器間に浮上される前記回転体とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンパクトであり、車載可能な磁気浮上式回転体機構を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の車載可能な磁気浮上式回転体機構は、上下方向又は左右方向の回転体(3,13)の両側に固定される高温超電導バルク体(8,18)を有する冷却容器(1,2;11,12)と、この高温超電導バルク体(8,18)を有する冷却容器(1,2;11,12)間に配置される、浮上用円柱状磁石(4,5;14,15)とその中心軸に配置される浮上用磁石軸(6,7;16,17)とを有する前記回転体(3,13)とを具備する。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示す磁気浮上式回転体機構の模式図である。
この図において、1は下部に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器、2は上部に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器、3は冷却容器1と2間に配置される下部と上部に浮上用円柱状磁石4,5と浮上用磁石軸6,7をそれぞれ有する回転体である。なお、冷却容器1と2は上記特許文献3において開示されたものと同じものを配置することができ、内部には高温超電導バルク体8を有しており、側面に形成される開口(図示なし)を介して冷却媒体、例えば、窒素(液体あるいは低温ガス)9を封入し、冷却できるようになっている。
【0012】
このように構成したので、回転体3の軸が上下に形成され、回転体3をより安定に回転させることができる。
図2は本発明の第1実施例の変形例を示す磁気浮上式回転体機構の模式図である。
この実施例では、冷却容器1と2の回転体3との対向面の部に回転体3の脱落防止機構、ここでは脱落防止用突起10を配置するようにした。
【0013】
このように構成することにより、回転体3が水平方向に移動して脱落することを防止することができる。
図3は本発明の第2実施例を示す磁気浮上式回転体機構の模式図である。
この図において、11は左側に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器、12は右側に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器、13は冷却容器11と12間に配置される左側と右側浮上用円柱状磁石14,15と浮上用磁石軸16,17をそれぞれ有する回転体である。なお、冷却容器11と12は上記特許文献3において開示されたものと同じものを配置することができ、内部には高温超電導バルク体18を有しており、上部に形成される開口(図示なし)を介して冷却媒体、例えば、窒素(液体あるいは低温ガス)19を封入し、冷却できるようになっている。
【0014】
ここで、高温超電導バルク体18は磁場のエネルギーを一定に保とうとするので、図3に示すように回転体13を横にしてもギャップgを維持することができる。
このように構成したので、本発明の第1及び第2実施例によれば、対向して配置された冷却容器を互いの間隔を維持したまま同一方向に移動させても回転体の方向もそれに伴って、冷却容器とのギャップを維持しながら変わるので、安定した回転を得ることができ、それによって車載可能な磁気浮上式回転体機構を実現できる。また、非常にコンパクトな非接触ギアを構成することができる。
【0015】
図4は本発明の第3実施例を示す磁気浮上式回転体機構(非接触ギア)の模式図であり、図4(a)はその全体構成図、図4(b)は高温超電導バルク体を有する冷却容器の正面図である。
この図において、31は左側に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器、31Aは冷却媒体の出入口、31Bは封入螺子、32は右側に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器、33は冷却容器31と32との間に配置される回転体、34は冷却容器31の固定台(非磁性体)、35は冷却容器32の固定台(非磁性体)、41は支持体(母体)、42,43は振動吸収体、36は支持体(母体)41と固定台34とを固定する固定ボルト(非磁性体)、37は支持体(母体)41と固定台35とを固定する固定ボルト(非磁性体)、44は支持体(母体)41の底部に配置される振動吸収体、45は支持体(母体)土台、46,47は支持体(母体)41を支持体(母体)土台45に固定する固定ボルト(非磁性体)である。なお、支持体(母体)41は、回転体33や高温超電導バルク体の捕捉磁場の影響がない場合には非磁性体でなくともよい。
【0016】
このように構成したので、車搭載型のモーター、車搭載型の非接触ギアをコンパクトに構成することができる。
図5は本発明の第4実施例を示す連結された磁気浮上式回転機構を示す模式図であり、図5(a)はその上面図、図5(b)はその一方の側の固定子の正面図である
これらの図において、51は一方側の高温超電導バルク体を有する冷却容器を示しており、この一方側の高温超電導バルク体を有する冷却容器51は、第1の冷却容器要素51A、第2の冷却容器要素51B、第3の冷却容器要素51Cからなり、51-1は冷却媒体の入口、51-2は冷却媒体の出口である。
【0017】
一方、52はもう一方側の高温超電導バルク体を有する冷却容器を示しており、このもう一方側の高温超電導バルク体を有する冷却容器52は、第1の冷却容器要素52A、第2の冷却容器要素52B、第3の冷却容器要素52Cから構成されており、52-1は冷却媒体の入口、52-2は冷却媒体の出口である。
これらに対応して回転子53が配置されている。この回転子53は、第1の回転子要素53A、第2の回転子要素53B、第3の回転子要素53Cから構成されている。
【0018】
このように構成したので、第4実施例によれば、対向して配置された冷却容器を互いの間隔を維持したまま同一方向に移動させても回転体の方向もそれに伴って、冷却容器とのギャップを維持しながら変わるので、安定した回転を得ることができ、それによって車載可能な磁気浮上式回転体機構を実現できる。また、非常にコンパクトな非接触ギアを構成することができる。
【0019】
図6は回転子が4極(N極2個、S極2個)を有する場合の回転機構と回転方向を示す図であり、図6(a)は横から見た回転子を示す図、図6(b)は上方から見た回転子を示す図である。この図では回転体と磁石は外周が異なるが、回転体と磁石外周同一であってもよい。
図7は本発明の第5実施例を示す回転子の回転伝達方向の転換例を示す図、図8はその回転伝達方向の換における回転子の回転方向を示す図である。
【0020】
この図において、61は第1の回転機構を示しており、高温超電導バルク体を有する冷却容器61Aと61Bの間に回転子61Cを配置している。この回転子61Cは回転体61C-1にリング状(わっぱ状)の磁石61C-2がはめ込まれて構成されている。また、62は第2の回転機構を示しており、高温超電導バルク体を有する冷却容器62Aと62Bの間に回転子62Cを配置している。この回転子62Cは回転体62C-1にリング状(わっぱ状)の磁石62C-2がはめ込まれて構成されている。さらに、63は第3の回転機構を示しており、高温超電導バルク体を有する冷却容器63Aと63Bの間に回転子63Cを配置している。この回転子63Cは回転体63C-1にリング状(わっぱ状)の磁石63C-2がはめ込まれて構成されている。各固定子には冷却媒体の出入口が組み合わせの阻害にならないように配置される。
【0021】
この実施例では、図8に示すように、第1の回転機構の回転子61Cと第3の回転機構の回転子63Cとは回転伝達の方向が反対になるように転換される構となっている。つまり、第1の回転機構の回転子61Cと第2の回転機構の回転子62Cと間では空間的に直交する90°の変換が行われ、第2の回転機構の回転子62Cと第3の回転機構の回転子63Cとの間では空間的に直交する90°の変換が行われ、回転伝達の方向が回転子61Cから回転子63Cに至るまで180°転換されるように構成されている。
【0022】
図9は本発明の第6実施例を示す磁石固定用補助円盤を有する回転子を示す図、図10はその回転子を備えた回転機構の組立図である。
図9に示すように、71は回転子であり、この回転子71は中心部に回転体72をその外周部にリング状の磁石固定用補助円盤73をその外周部にリング状の永久磁石74を配置するようにしている。
【0023】
このように構成された回転子71を、図10に示すように、高温超電導体を有する冷却容器81と91との間に配置する。なお、83,93は冷却容器の固定台(非磁性体)、95は支持体(母体)、84,94は固定用ボルトである。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の磁気浮上式回転体機構は、コンパクトであり、車載可能な磁気浮上式回転体機構として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施例を示す磁気浮上式回転体機構の模式図である。
【図2】本発明の第1実施例の変形例を示す磁気浮上式回転体機構の模式図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す磁気浮上式回転体機構の模式図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す磁気浮上式回転体機構(非接触ギア)の模式図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す連結された磁気浮上式回転機構を示す模式図である。
【図6】回転子が4極(N極2個、S極2個)を有する場合の回転機構と回転方向を示す図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す回転子の回転伝達方向の転換例を示す図である。
【図8】図7における回転伝達方向の換における回転子の回転方向を示す図である。
【図9】本発明の第6実施例を示す磁石固定用補助円盤を有する回転子を示す図である。
【図10】図9における回転子を備えた回転機構の組立図である。
【符号の説明】
【0026】
1 下部に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器
2 上部に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器
3,13,33 回転体
4,5,14,15 浮上用円柱状磁石
6,7,16,17 浮上用磁石軸
8,18 高温超電導バルク体
9,19 窒素(液体あるいは低温ガス)
10 脱落防止用突起
11,31 左側に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器
12,32 右側に配置される高温超電導バルク体を有する冷却容器
31A 冷却媒体の出入口
31B 封入螺子
34,35,83,93 冷却容器の固定台(非磁性体)
36,37,46,47,84,94 固定ボルト(非磁性体)
41,95 支持体(母体)
42,43,44 振動吸収体
45 支持体(母体)土台
一方側の高温超電導バルク体を有する冷却容器
51A,52A 第1の冷却容器要素
51B,52B 第2の冷却容器要素
51C,52C 第3の冷却容器要素
51-1,52-1 冷却媒体の入口
51-2,52-2 冷却媒体の出口
52 もう一方側の高温超電導バルク体を有する冷却容器
53,61C,62C,63C,71 回転子
53A 第1の回転子要素
53B 第2の回転子要素
53C 第3の回転子要素
61 第1の回転機構
61A,61B,62A,62B,63A,63B,81,91 高温超電導バルク体を有する冷却容器
61C-1,62C-,63C-1,72 回転体
61C-2,62C-2,63C-2 リング状(わっぱ状)の磁石
62 第2の回転機構
63 第3の回転機構
73 リング状の磁石固定用補助円盤
74 永久磁石
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9