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明細書 :超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5073364号 (P5073364)
公開番号 特開2008-295240 (P2008-295240A)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発行日 平成24年11月14日(2012.11.14)
公開日 平成20年12月4日(2008.12.4)
発明の名称または考案の名称 超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法
国際特許分類 E01B  25/30        (2006.01)
B60L  13/03        (2006.01)
FI E01B 25/30
B60L 13/02 ZAAA
請求項の数または発明の数 4
全頁数 8
出願番号 特願2007-139464 (P2007-139464)
出願日 平成19年5月25日(2007.5.25)
審査請求日 平成21年7月21日(2009.7.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】鈴木 正夫
【氏名】饗庭 雅之
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】藤澤 和浩
参考文献・文献 特開2006-262542(JP,A)
特開昭51-134651(JP,A)
特開平07-279267(JP,A)
調査した分野 E01B 25/30
B60L 13/03
G01B 7/00
G01B 7/02
G01B 7/06
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)表面保護層内に配置される非金属材料からなる保護板上複数の箇所に導電性円板を配置し、
(b)前記導電性円板上に設定される渦電流式変位センサーを用いて、コイル表面から前記導電性円板までの距離を計測することを特徴とする超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法。
【請求項2】
請求項1記載の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法において、前記保護板がFRP板であることを特徴とする超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法
【請求項3】
請求項1記載の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法において、前記導電性円板がアルミニウム円板であることを特徴とする超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法
【請求項4】
請求項1記載の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法において、前記導電性円板が銅円板であることを特徴とする超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導磁気浮上式鉄道に配置される地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法に係わり、特に、推進・浮上・案内機能を兼用するPLGコイルに関する表面保護層の改良並びに、その保護板の位置決め精度の評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超電導磁気浮上式鉄道に配置される地上コイル装置として、本願発明者らは、表面保護層を巻線コイルと一緒に金型内にセットし、モールド樹脂にて一体成形を施す保護層構成方法を提案している(下記特許文献1参照)。
図7は従来の超電導磁気浮上式鉄道のPLG表面保護層付地上コイル装置のガイドウェイの模式図、図8はその地上コイル装置の断面図であり、図8(a)はその平面図、図8(b)はその側面図である。
【0003】
図7に示すように、ガイドウェイ100の両側に設けられるガイドウェイ側壁101に、同一コイルで地上コイルの3機能(推進・浮上・案内)を兼用できるPLG地上コイル102を配置する方式となっている。
そのPLG地上コイル102は、図8に示すように、コイル本体102Aの車両に配置される側にコイル表面保護層102Bを形成するようにしていた。
【0004】
図9はかかる従来の超電導磁気浮上式鉄道のPLG表面保護層付地上コイルの断面模式図である。
この図において、201はコイル導体、202は位置決めスペーサ、203は保護板としてのFRP板、204はモールド樹脂、205は表面保護層であり、FRP板203の表面とモールド樹脂204の表面には導電性処理が施されており、両者はケーブル接続用コネクタ金具を介してケーブルの接地線206で接地されるように構成される。
【0005】
ここで、保護板(FRP板)203の厚さaは2mm、コイル導体201の表面から保護板(FRP板)203までの距離bは12mmである。また、保護板(FRP板)203は表面保護層205の構成部材であるガラスクロスシート上に配置されている。
かかる表面保護層付地上コイルを構成することにより、(1)保守作業時の感電を防止することができ、ガイドウェイ内での安全を確保することができ、(2)鉄道車両の超高速運転時の微小飛来物から地上コイル自体を保護することができる。

【特許文献1】特開2006-262542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような表面保護層205に形成される保護板(FRP板)203は、正しい位置に配置されないと、絶縁強度上問題が生じるといった課題があるにも関わらず、従来の地上コイルにおける表面保護層構成方法では、成形コイル内における保護板(FRP板)の位置を非破壊で確認する手段がなかった。
本発明は、上記状況に鑑みて、超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルにおいて表面保護層の非金属材料からなる保護板の位置を非破壊で確実に確認することができる超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、
〕超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法において、表面保護層内に配置される非金属材料からなる保護板上の複数の箇所に導電性円板を配置し、前記導電性円板上に設定される渦電流式変位センサーを用いて、コイル表面から前記導電性円板までの距離を計測することを特徴とする。
【0008】
〔2〕上記〔1〕記載の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法において、前記保護板がFRP板であることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法において、前記導電性円板がアルミニウム円板であることを特徴とする。
【0009】
〔4〕上記〔1〕記載の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法において、前記導電性円板が銅円板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
従来技術では、超電導磁気浮上式鉄道のコイル表面からコイル導体までの距離に関しては渦電流式変位センサーにより測定が可能であったが、コイル表面から表面保護層を構成するFRP板のような非金属材料からなる保護板までの距離を渦電流式変位センサーで測定することはできなかった。また、超音波式変位センサーでは表面保護層に補強用ガラスクロス等が配置されているため、当該部位で乱反射が生じ、同様に測定不能であった。
【0011】
これに対し、本発明によれば、超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルにおいて、表面保護層構成用保護板(FRP板)までの距離を非破壊で正確に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法は、表面保護層内に配置される非金属材料からなる保護板上の複数の箇所に導電性円板を配置し、前記導電性円板上に設定される渦電流式変位センサーを用いて、コイル表面から前記導電性円板までの距離を計測する
【実施例】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置(PLG地上コイル装置)の保護板の平面模式図、図2は超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置(PLG地上コイル装置)の断面模式図である。
これらの図において、超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置1は巻線コイル2と、その表面保護層に配置される非金属材料からなる保護板(FRP板)3と、その保護板(FRP板)3に固定される導電性円板(アルミニウム円板)4、モールド樹脂5とを備えている。
【0014】
このように、表面保護層を構成する非金属材料からなる保護板(FRP板)3の任意表面に導電性円板であるアルミニウム円板4を貼付し、巻線コイル2と一緒にモールド樹脂5にて一体成形を施した。そして、成形された地上コイル装置1の導電性円板(アルミニウム円板)4上に渦電流式変位センサーを設定し、コイル表面から導電性円板(アルミニウム円板)4までの距離を測定する。これにより、コイル表面~FRP板,FRP板~コイル導体の距離を正確に評価することができる。
【0015】
図3は本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置測定のためのPLG地上コイルの構成図である。
この図において、11は日の字形状のコイル、12は口出し端子、13はブッシュ、14はコイル11の1個に付き8箇所配置されるアルミニウム円板である。
従来より成形コイルの絶縁厚さ(コイル表面からコイル導体までの距離)は渦電流式変位センサーにより測定が可能であったが、高機能地上コイルの車両側ではFRP板からコイル導体までの距離が事実上の絶縁厚さとなるため、FRP板の埋め込み位置(コイル表面からの距離)も測定する必要がある。そこで、位置測定用のマーカーとしてアルミニウム円板をFRP板に接着して埋め込み、このアルミニウム円板を渦電流式変位センサーにより検知する方法を用いることで精度良く測定することができるようにした。
【0016】
本発明の表面保護層付地上コイル装置(PLG地上コイル装置)では、コイル1個につき8箇所のアルミニウム円板(φ20mm×t1mmまたはt2mm)を埋め込んだ。なお、これは、評価手法の検証のための円板配置例に過ぎず、必ずしもコイルに対しての最適位置を示しているものではない。
このように構成することにより、表面保護層付地上コイル装置の保護板(FRP板)の上下左右の埋め込み位置を特定することができる。
【0017】
ここで、FRP板の位置測定について説明する。
図4は本発明によるFRP板位置測定の状況を示す図、図5は同一のアルミニウム円板を用いた校正作業により予め得られたギャップと出力電圧の測定の結果を示す図、図6はそのFRP板の位置測定結果を示す図である。
渦電流式変位センサー15のプローブ16によりコイルに埋め込まれたアルミニウム円板を検知し(図4参照)、予め取得した校正結果(図5参照)を元に渦電流式変位センサーの出力電圧をコイル表面からFRP板までの距離に換算した。また、アルミニウム円板埋め込み位置のコイルを切断し(機械的破壊)、コイル表面からFRP板までの距離を実測(撮影画像から測定)し、両者を比較した。
【0018】
両者の測定比較結果を図6に示す。マーカーとなるアルミニウム円板の厚さに関係なく、渦電流式変位センサーによる測定値から換算した値と実測値は概ね一致した。
以上の結果から、本発明の方法により、FRP板の埋め込み位置を非破壊で精度良く測定できることが確認できた。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置決め精度評価方法は、超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルの精度評価に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置(PLG地上コイル装置)の保護板の平面模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置(PLG地上コイル装置)の断面模式図である。
【図3】本発明の実施例を示す超電導磁気浮上式鉄道の表面保護層付地上コイル装置の保護板の位置測定のためのPLG地上コイルの構成図である。
【図4】本発明によるFRP板位置測定の状況を示す図である。
【図5】FRP板位置を特定するために同一のアルミニウム円板を用いた校正作業により予め得られたギャップと出力電圧の測定の結果を示す図である。
【図6】本発明による測定により得られたFRP板の位置測定結果を示す図である。
【図7】従来の超電導磁気浮上式鉄道のPLG表面保護層付地上コイル装置のガイドウェイの模式図である。
【図8】従来の超電導磁気浮上式鉄道のPLG表面保護層付地上コイル装置の断面図である。
【図9】従来の超電導磁気浮上式鉄道のPLG表面保護層付地上コイルの断面模式図である。
【符号の説明】
【0021】
1 表面保護層付地上コイル装置
2 巻線コイル
3 非金属材料からなる保護板(FRP板)
4 導電性円板(アルミニウム円板)
5 モールド樹脂
11 日の字形状のコイル
12 口出し端子
13 ブッシュ
14 アルミニウム円板
15 渦電流式変位センサー
16 プローブ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図8】
5
【図9】
6
【図4】
7
【図7】
8