TOP > 国内特許検索 > プレストレスバラスト軌道構造 > 明細書

明細書 :プレストレスバラスト軌道構造

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4855336号 (P4855336)
公開番号 特開2008-291420 (P2008-291420A)
登録日 平成23年11月4日(2011.11.4)
発行日 平成24年1月18日(2012.1.18)
公開日 平成20年12月4日(2008.12.4)
発明の名称または考案の名称 プレストレスバラスト軌道構造
国際特許分類 E01B   1/00        (2006.01)
FI E01B 1/00
請求項の数または発明の数 4
全頁数 7
出願番号 特願2007-134876 (P2007-134876)
出願日 平成19年5月22日(2007.5.22)
審査請求日 平成21年7月21日(2009.7.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】桃谷 尚嗣
【氏名】村本 勝己
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】須永 聡
参考文献・文献 特許第3798210(JP,B2)
特開平11-247101(JP,A)
特開平09-111704(JP,A)
特開昭60-246901(JP,A)
特開昭60-152718(JP,A)
特開2003-003401(JP,A)
調査した分野 E01B 1/00
E01B 37/00
CiNii
特許請求の範囲 【請求項1】
レールと路盤に固定されたプレストレス部材を設け、前記レールと路盤の間で道床バラストに均衡したプレストレスを与える構造を具備することを特徴とするプレストレスバラスト軌道構造。
【請求項2】
請求項1記載のプレストレスバラスト軌道構造において、前記レールと前記プレストレス部材との固定部に絶縁部材を介在させ、前記プレストレス部材に電流が流れないようにすることを特徴とするプレストレスバラスト軌道構造。
【請求項3】
請求項1記載のプレストレスバラスト軌道構造において、前記プレストレス部材に碍子を配置し、前記プレストレス部材に電流が流れないようにすることを特徴とするプレストレスバラスト軌道構造。
【請求項4】
請求項1記載のプレストレスバラスト軌道構造において、前記プレストレス部材自体を絶縁部材とし、前記プレストレス部材に電流が流れないようにすることを特徴とするプレストレスバラスト軌道構造。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、プレストレスバラスト軌道構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術としては、レール支持体と路盤に固定されたプレストレス部材を設け、前記レール支持体と路盤の間で道床バラストにプレストレスを与える構造を具備することを特徴とするプレストレスバラスト軌道構造が提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
図11は従来のプレストレスバラスト軌道構造を示す図である。
【0004】
この図において、101は路盤、102は道床バラスト、103はまくらぎ、104はレール、105は路盤101とまくらぎ103との間に配置されるプレストレスロッドである。
【0005】
このプレストバラスト軌道は、レール支持体(まくらぎ)103と路盤101の間で道床バラスト102にプレストレスを与えることにより、軌道沈下を抑制する構造である。

【特許文献1】特許第3798210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したプレストバラスト軌道では、図11に示すように、プレストレスロッド105を設けていないまくらぎ103A,103Bに対して、有効にプレストレスを作用させることができなかった。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みて、レールと路盤の間にプレストレスロッドを設けることにより、道床バラストに均衡したプレストレスを与えることができるプレストレスバラスト軌道構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕プレストレスバラスト軌道構造において、レールと路盤に固定されたプレストレス部材を設け、前記レールと路盤の間で道床バラストに均衡したプレストレスを与える構造を具備することを特徴とする。
【0009】
〔2〕上記〔1〕記載のプレストレスバラスト軌道構造において、前記レールと前記プレストレス部材との固定部に絶縁部材を介在させ、前記プレストレス部材に電流が流れないようにすることを特徴とする。
【0010】
〔3〕上記〔1〕記載のプレストレスバラスト軌道構造において、前記プレストレス部材に碍子を配置し、前記プレストレス部材に電流が流れないようにすることを特徴とする。
【0011】
〔4〕上記〔1〕記載のプレストレスバラスト軌道構造において、前記プレストレス部材自体を絶縁部材とし、前記プレストレス部材に電流が流れないようにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、レールと路盤の間にプレストレスロッドを設けることにより、道床バラストに均衡したプレストレスを与えるプレストレスバラスト軌道構造を提供することができる。
【0013】
また、従来の方法ではまくらぎ等のレール支持体にプレストレスロッドを取り付けるため、レール支持体の設計が必要になるとともに、レール締結装置がレールを引き下げようとする力が作用するため、レール締結装置の設計が必要であった。これに対して、本発明の方法ではレールに対して鉛直下方向にプレストレスを与えるため、レール支持体およびレール締結装置には通常の列車荷重と同様の荷重が作用するので、従来の軌道構造に対してそのままプレストレスを与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のプレストレスバラスト軌道構造は、レールと路盤に固定されたプレストレス部材を設け、前記レールと路盤の間で道床バラストに均衡したプレストレスを与える構造を具備する。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施例を示すプレストレスバラスト軌道構造を示す図、図2は本発明にかかるプレストレスロッドの先端部を示す図である。
【0017】
この図において、1は路盤、2は路盤1上に配置される道床バラスト、3は道床バラスト2に配置されるまくらぎ、4はまくらぎ3上に配置されるレールであり、このレール4は、レールの頭部4A、レールの腹部4B、レールの底部4C、レールの上首部4D、レールの下首部4Eからなる。また、5は路盤1とレール4の底部4Cとの間に配置されるプレストレス部材としてのプレストレスロッドである。なお、レール4には信号電流等が流れているため、絶縁を取る必要がある。ここでは、図2に示すように、レール4を固定するプレストレスロッド5の先端部には、絶縁部材6を配置して絶縁を取るようにしている。
【0018】
図3は本発明にかかるプレストレスロッド(その1)を示す図である。
【0019】
ここでは、碍子7を配置して、プレストレスロッド5の途中を絶縁するようにしている。
【0020】
図4は本発明にかかるプレストレスロッド(その2)を示す図である。
【0021】
ここでは、プレストレスロッド自体を絶縁体、例えば、ビニロンやアラミドなどの絶縁体からなるプレストレスロッド8として構成する。
【0022】
図5は本発明の第2実施例を示すプレストレスバラスト軌道構造を示す平面図、図6は図5のA-A線断面図である。
【0023】
この実施例では、これらの図に示すように、路盤10は、ラバー11付きの反力板12からなり、道床バラスト13を設け、その上にレール支持体としてのまくらぎ14が配置され、その大判まくらぎ14に渡されるように、レール15が敷設される。なお、ラバー11はなくてもよい。
【0024】
そこで、この実施例では、反力板12にヒンジとなるアンカー部を設け、レール15毎にプレストレス部材としての一対のプレストレスワイヤ17が張られて固定部材18により固定される。このプレストレスワイヤ17は、レール15の底部の両側にレール15を挟むよう、まくらぎ14に沿う方向に傾斜して配置される。
【0025】
図7は本発明の第3実施例を示すプレストレスバラスト軌道構造を示す平面図、図8は図7のB-B線断面図である。
【0026】
この実施例では、プレストレス部材としてのプレストレスワイヤ21は、レール15に沿う方向で、かつ傾斜するように配置することにより、縦方向の抵抗力を向上させるようにしている。すなわち、レール15の底部にプレストレスワイヤ21をレール長手方向に交差して配置し、固定部材22により締め付けて固定される。
【0027】
図9はレール継目部の移動荷重載荷試験の状態を示す図、図10はレール継目部の移動荷重載荷試験の結果を示す図である。
【0028】
ここでは、EPS路床31(路盤32の一部)はH=400mm、路盤32はH=60mm、道床バラスト33はH=50mmであり、34はまくらぎ、35はレール、36はレール継目部、37はプレストレスロッドを示している。
【0029】
この状態でのレール継目部36の移動荷重載荷試験の結果は、図10に示されるようになり、載荷回数7万回でプレストレスを開放した結果、軌道の沈下量が大きくなった。
【0030】
このように本発明によれば、路盤とレールとの間にプレストレスロッドを配置するようにしたので、道床バラストに均衡したプレストレスを与えることができる。
【0031】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のプレストレスバラスト軌道構造は、道床バラストに均衡したプレストレスを与えるプレストレスバラスト軌道構造として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施例を示すプレストレスバラスト軌道構造を示す図である。
【図2】本発明にかかるプレストレスロッドの先端部を示す図である。
【図3】本発明にかかるプレストレスロッド(その1)を示す図である。
【図4】本発明にかかるプレストレスロッド(その2)を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例を示すプレストレスバラスト軌道構造を示す平面図である。
【図6】図5のA-A線断面図である。
【図7】本発明の第3実施例を示すプレストレスバラスト軌道構造を示す平面図である。
【図8】図7のB-B線断面図である。
【図9】レール継目部の移動荷重載荷試験の状態を示す図である。
【図10】レール継目部の移動荷重載荷試験の結果を示す図である。
【図11】従来のプレストレスバラスト軌道構造を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1,10,32 路盤
2,13,33 道床バラスト
3,34 まくらぎ
4,15,35 レール
4A レールの頭部
4B レールの腹部
4C レールの底部
4D レールの上首部
4E レールの下首部
5 プレストレスロッド(プレストレス部材)
6 絶縁部材
7 碍子
8 絶縁体からなるプレストレスロッド
11 ラバー
12 反力板
14 大判まくらぎ
16 アンカー部
17,21 プレストレスワイヤ(プレストレス部材)
18,22 固定部材
31 EPS路床(路盤の一部)
36 レール継目部
37 プレストレスロッド
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10