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明細書 :ころ軸受転動体のひずみ検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4668227号 (P4668227)
公開番号 特開2008-249014 (P2008-249014A)
登録日 平成23年1月21日(2011.1.21)
発行日 平成23年4月13日(2011.4.13)
公開日 平成20年10月16日(2008.10.16)
発明の名称または考案の名称 ころ軸受転動体のひずみ検出装置
国際特許分類 F16C  19/52        (2006.01)
F16C  19/36        (2006.01)
F16C  33/34        (2006.01)
F16C  41/00        (2006.01)
G01L   5/00        (2006.01)
FI F16C 19/52
F16C 19/36
F16C 33/34
F16C 41/00
G01L 5/00 K
請求項の数または発明の数 1
全頁数 11
出願番号 特願2007-090518 (P2007-090518)
出願日 平成19年3月30日(2007.3.30)
審査請求日 平成21年7月28日(2009.7.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】永友 貴史
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100089037、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 隆
【識別番号】100094400、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100107836、【弁理士】、【氏名又は名称】西 和哉
【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
審査官 【審査官】関口 勇
参考文献・文献 特開平07-077218(JP,A)
特開2005-307998(JP,A)
特開2005-010064(JP,A)
特開2004-003601(JP,A)
調査した分野 F16C 19/52
F16C 19/36
F16C 33/34
F16C 41/00
G01L 5/00
G01M 13/00-13/04
特許請求の範囲 【請求項1】
同軸上に配置された円環状の外輪と内輪との間の軌道空間に複数の転動体が一定の間隔をおいて配置され、これら外輪と内輪との相対回転に伴って軌道空間内の転動体が自転しつつ公転するころ軸受において、
前記転動体の内部でかつ該転動体の自転中心となる転動中心線に沿うように、該転動中心線方向のひずみをそれぞれ検出するひずみ検出センサを複数配置してなり、
前記複数のひずみ検出センサは、おのおののひずみ検出センサ部に複数のブラッグ回折格子を光ファイバのコアに適宜の間隔で並ぶように形成したものであり、それらのひずみ検出センサを前記転動中心線に沿って配置された光ファイバのコアに適宜の間隔で並ぶように形成したことを特徴とするころ軸受転動体のひずみ検出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ころ軸受において転動体(ころ)の軸方向ひずみを検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の台車等に使用されているころ軸受の転動体(ころ)は、転動体の両端に応力集中が発生することを防止するためにクラウニングを設ける、例えば円筒形状の転動体の円筒面を、中央部が膨らんだ太鼓型となるように加工し、過大なエッジ応力が発生しないよう工夫がされている。
【0003】
一方、軸受に加わる荷重を検出する技術として、特開2004—3601号公報(特許文献1)に示されるセンサ付き転がり軸受ユニットがある。この軸受ユニットは、外輪と内輪との間の軌道空間に円すい形状の転動体(ころ)が複数配置されてなる円すいころ軸受を有するものであって、外輪の側部には、支持部材を介して円すいころ軸受に加わる荷重を検出するための歪ゲージが設けられている。

【特許文献1】特開2004—3601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に示される歪ゲージは、軸受全体に加わる荷重を検出するためのものであり、このような歪ゲージから得られる検出データに基づき、上述した軸受内にある転動体の表面を最適な曲面とするクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認することはできなかった。また、上述したクラウニングの効果は数値計算や寿命試験などによって確認されているものの、軸受は、様々な荷重や傾き(ミスアライメント)を受ける環境下で使用されるために、計算によって求められた転動体の転動中心線に沿う荷重分布を常時維持できるわけではない。実際の軸受使用環境下での荷重分布を知ることは重要であるが、現在のところ、そのような荷重分布を検出できる技術は提供されていないのが実情である。
【0005】
本発明は、従来の有していた問題を解決しようとするものであって、転動体の転動中心線に沿う荷重分布を測定することができ、この荷重分布に基づき、転動体の端部において過大なエッジ応力が集中しないように最適なクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認し、最適な軸受の設計、メンテナンス、寿命評価等を行うことができるころ軸受転動体のひずみ検出方法及び装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に示されるころ軸受転動体のひずみ検出装置では、同軸上に配置された円環状の外輪と内輪との間の軌道空間に複数の転動体が一定の間隔をおいて配置され、これら外輪と内輪との相対回転に伴って軌道空間内の転動体が自転しつつ公転するころ軸受において、前記転動体の内部でかつ該転動体の自転中心となる転動中心線に沿うように、該転動中心線方向のひずみをそれぞれ検出するひずみ検出センサを複数配置してなり、前記複数のひずみ検出センサは、おのおののひずみ検出センサ部に複数のブラッグ回折格子を光ファイバのコアに適宜の間隔で並ぶように形成したものであり、それらのひずみ検出センサを前記転動中心線に沿って配置された光ファイバのコアに適宜の間隔で並ぶように形成した構成とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に示されるころ軸受転動体のひずみ検出装置によれば、ころ軸受の転動体の内部でかつ該転動体の自転中心となる転動中心線に沿うように、該転動中心線方向のひずみを検出するひずみ検出センサを複数配置したので、これらひずみ検出センサからの複数の検出データに基づいて転動体の転動中心線に直角方向の荷重の分布を測定することができる。そして、この荷重分布に基づき、転動体の端部において過大なエッジ応力が集中しないように最適なクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認でき、最適な軸受の設計、メンテナンス、寿命評価等を行うことが可能となる。また、本発明のころ軸受転動体のひずみ検出装置では、ひずみ検出センサからの検出データに基づいて転動体の転動中心線に沿う荷重分布を測定し、この荷重分布に基づき最適なクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認できるので、様々な条件・環境の変化に即応してクラウニング量の調整が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
◎実施例1
以下に本発明の第1実施例を図1~図7に基づいて説明する。図1は、本発明の実施例1であるころ軸受転動体のひずみ検出装置101の全体構成を示す図である。また、図2は、図1に示すころ軸受及び転動体内部に挿入する光ファイバひずみ検出センサの設置状態を示す図、図3は光ファイバひずみ検出センサの構成を示す図である。
【0011】
第1実施例のころ軸受転動体のひずみ検出装置101は、ころ軸受4の転動体8の転動中心線A1(図2(B)におけるセンサ孔8Aの中心線)に沿う転動体軸方向に、光ファイバひずみ検出センサ3が配置されて、転動中心線A1の各位置にて転動体8の軸方向のひずみを検出し、転動中心線A1に沿ってどれほどの荷重がかかっているかを測定するためのものである。
【0012】
検出対象となるころ軸受4は、図1及び図2(A)に示すような構成を有している。すなわち、ころ軸受4は、ハウジング5に一体に固定された外輪6と、該外輪6と同軸に配置されて軸10に一体に固定された内輪7と、これら外輪6及び内輪7との間に配置された複数の転動体8と、これら外輪6及び内輪7との間にて周方向に一定の間隔をおいて転動体(ころ)8を保持する保持器11とを有しているものである。
【0013】
外輪6は、大径で略円環状に形成された部材である。また、内輪7は、この外輪6よりも小径の略円環状に形成され、外輪6の内側に配設される部材である。また、転動体8は、例えば円柱状に形成され、外輪6と内輪7の間に形成される略円環状の軌道空間9の内部に封入配置され、軌道空間9の内部で、転動中心線を中心とする転がり運動を行う。すなわち、転動体8は、軌道空間9にてこれら外輪6と内輪7との相対回転に伴ない、転動中心線A1を中心として自転しつつ、外輪6と内輪7の軸中心線B1を中心とした公転運動を行う。
【0014】
転動体8の転動中心線A1に沿うように、図2(B)に示すような細い円柱状の孔であるセンサ孔8Aが設けられており、このセンサ孔8Aの中には、異なるブラッグ格子間隔を持つ複数のひずみ検出センサ3(それぞれの光ファイバひずみ検出センサ3に、G1~Gnの符号を付す)が挿入され、接着剤等によって接着されている。
【0015】
各光ファイバひずみ検出センサ3(G1~Gn)として、「ファイバ・ブラッグ・グレーティング・センサ(FBGセンサ)」が使用されており、図3(A)に示されるように、このFBGセンサの構成を有する光ファイバひずみ検出センサ3は、光ファイバ2の一部に形成されている。FBGセンサは、図3(A)に示されるように、光ファイバのコア14Aの中に、g1~gnの符号が付されたn個(n:自然数)のブラッグ回折格子を、コア14Aの長手方向(図3(A)における左右方向)に適宜の間隔値で並ぶように形成したものであり、光ファイバひずみ検出センサ3のコア14Aと光ファイバ2のコア13Aとは光学的に一体の構造となっている。また、この光ファイバひずみ検出センサ3のコア13Aはクラッド13B内に、また、光ファイバ2のコア14Aはクラッド14B内にそれぞれ配置されている。
【0016】
個々のブラッグ回折格子、例えばg2は、コア長手方向の光屈折率が、その前後の通常のコア14Aとは異なる部分である。このようなブラッグ回折格子g1~gnは、例えば、コア14Aの素材として紫外線硬化合成樹脂(所定の紫外線が照射されると硬化する合成樹脂)を用い、紫外線の照射により、コア中に適宜の光屈折値のブラッグ回折格子を適宜の間隔を有するように形成することができる。このようなFBGセンサの構成を有する光ファイバひずみ検出センサ3に、接続する光ファイバ2から、図3(B)に示すような、広い帯域の波長(λ)の成分を有するレーザ光(符号L1で示す)を入射させると、レーザ光L1は、ブラッグ回折格子g1~gnのおのおのの配置間隔値と、コア14Aの屈折率の積に応じて定まる所定の波長λ1(図3(C)を参照。以下、「ブラッグ波長」という。)を中心とした狭い領域の波長の成分を有するレーザ光として反射され、図3(A)に示すような反射レーザ光L2として、光ファイバ2へ戻ってくる.ここで、光ファイバひずみ検出センサ3に「ひずみ」が発生すると、光ファイバひずみ検出センサG1~Gnに設けられたブラッグ回折格子g1~gnのおのおのの配置間隔値や、コア14Aの屈折率の積に変化が生じることから、反射レーザ光L2の波長帯域は、例えば図3(C)において破線で示す部分のように変化し、帯域の中心波長であるフラッグ波長も、λ0からλ1へと変化(波長値が移動)する。そして、光ファイバひずみ検出センサ3のブラッグ回折格子g1~gnによって、上述したブラッグ波長の変化が測定されたならば、その計測した検出データはCPU45(後述する)に供給され、このCPU45にて、G1~Gnで示される各測定点における転動中心線A1方向のひずみ値が演算される。そして、求められたG1~Gnで示される各測定点におけるひずみ値と、転動体8の剛性とから、該転動体8にかかる荷重が算出でき、図4に示されるように転動体8の自転中心線A1と直角方向の荷重の分布が求められる。
【0017】
次に、図5を参照して、光ファイバひずみ検出センサ3から出力された信号を処理して軸方向のひずみ分布を計測するための回路について説明する。図5において、符号39で示すものは、光ファイバ2にレーザ光を発信するためのレーザ光源であって、このレーザ光源39から発射されたレーザ光は、光ファイバ20aからハーフミラー40に入り、光路を光ファイバ2の方向に転換、その後、光ファイバ2のコア13Aに沿って進行する(図2(A)、図3、図4では左から右に向けて符号L1で示すように進行する)。光ファイバ2の図5における左端には、光ファイバひずみ検出センサ3が設置されており、レーザ光は、符号L2で示される反射光となって、光ファイバ2を逆に戻った後、ハーフミラー40から光ファイバ20bに入り、受光部41に入る。受光部41は、フォトダイオード、フォトトランジスタなどの光検出素子を有しており、受光したレーザ光を受光し電気信号に変換して出力する。
【0018】
受光部41が出力した電気信号は、増幅器42により増幅される。増幅後の電気信号は、A/Dコンバータ43により、アナログ量からディジタル量に変換され、入出力インタフェース44aを経てCPU45に送られる。
【0019】
CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)45は、図示はしていないが、CPU45の内部での電流(信号)の授受を行うための信号線である内部バスを有しており、この内部バスに、演算部と、レジスタと、クロック生成と、命令処理部等が接続され、各種データに対して、四則演算(加算、減算、乗算、及び除算)を行い、又は論理演算(論理積、輸理和、否定、排他的論理和など)を行い、又はデータ比較、若しくはデータシフトなどの処理を実行し、制御を行う。
【0020】
ROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)46は、CPU45を制御するための制御プログラムや、CPU45が用いる各種データ等を格納している部分である。ROMとしては、半導体チップにより構成されるものと、ハードディスク装置等が用いられる。ハードディスク装置は、図示はしていないが、その内部に、円盤状の磁気ディスクを有しており、この磁気ディスクをディスク駆動機構により回転駆動し、磁気ヘッドをヘッド駆動機構によって磁気ディスクの任意位置に移動させ、磁気ディスク表面の磁性膜を磁気ヘッドからの書込電流によって磁化することによりデータを記録し、磁化された磁性膜の上を磁気ヘッドが移動する際に磁気ヘッドのコイル等に流れる電流を検出することにより記録データを読み出す装置である。
【0021】
上記した制御プログラムは、OS(Operating System)等のCPU45の基本ソフトウェアのほか、各種の処理や分析演算等をCPU45に実行させるための命令等の処理手順が、所定のプログラム用言語で記述された文字や記号の集合である。
【0022】
また、RAM(Random Access Memory;随時書込み読出しメモリ)47は、CPU45により演算された途中のデータ等を一時記憶する部分である。RAMは、半導体チップにより構成されるものが主である、
【0023】
上記のような構成により、CPU45は、受光部41からの電気信号から、転動体8の転動体軸方向ひずみの値を演算し、入出力インクフェース44bを経て出力する。これにより、図1に示されるように、シグナルコンディショナー1の表示部(例えば液晶表示器)には、転動体8の転動体軸方向に沿ったひずみの値が表示される。
【0024】
なお、上述したころ軸受転動体のひずみ検出装置101による、ころ軸受4の転動体8に対する負荷測定は、図1に示されるころ軸受4の内輪7を、軸10とともに手動で回転させて静止させた状態で行うものである。
【0025】
本実施例に示されるころ軸受転動体のひずみ検出装置101によれば、ころ軸受4の転動体8の内部でかつ該転動体8の自転中心となる転動中心線A1に、該転動中心線A1方向のひずみを検出するブラッグ回折格子g1~gnからなるひずみ検出センサ3(G1~Gn)を配置したので、各ひずみ検出センサ3(G1~Gn)から出力される複数の検出データに基づいて転動体8の転動中心線A1に直角方向の荷重分布を測定することができる。そして、この荷重分布に基づき、転動体8の端部において過大なエッジ応力が集中しないように最適なクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認でき、最適な軸受4の設計、メンテナンス、寿命評価等を行うことが可能となる。また、上記のころ軸受転動体のひずみ検出装置101では、ひずみ検出センサ3からの検出データに基づいて転動体8の転動中心線A1に沿う荷重分布を測定し、この荷重分布に基づき最適なクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認できるので、様々な条件・環境の変化に即応してクラウニング量の調整が可能となる。
【0026】
なお、ころ軸受転動体のひずみ検出装置101では、ころ軸受4の転動体8の内部でかつ該転動体8の自転中心となる転動中心線A1に、異なるブラッグ回折格子間隔を持つ複数個のFBGセンサ(G1~Gn)を直列に配置した光ファイバひずみセンサを設け、個々のFBGセンサ(G1~Gn)から出力される検出データに基づき、転動体8の自転中心となる転動中心線A1に沿う軸方向ひずみ分布を測定したが、これに限定されず、図6に示すように、転動体8の内部の転動中心線A1に、単地点のひずみを検出するファブリ・ペロ干渉計などの原理を用いた検出素子を有するひずみ検出センサ3´を配置し、このひずみ検出センサ3´を転動中心線A1に沿って矢印A-B方向に逐次移動させ、例えば符号a・b・c・・・で示す各位置にて該転動中心線A1方向のひずみを検出する「ころ軸受転動体のひずみ検出方法」を採用しても良い。そして、このようなころ軸受転動体のひずみ検出方法によっても、ひずみ検出センサ3´からの複数の検出データに基づき、転動体8の転動中心線A1に沿う荷重分布を測定し、この荷重分布に基づき、転動体8の端部において過大なエッジ応力が集中しないように最適なクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認し、最適な軸受4の設計、メンテナンス、寿命評価等を行うことが可能となる。
【0027】
また、ころ軸受転動体のひずみ検出装置101では、円筒形の転動体8にかかる荷重を検出するようにしたが、このような形状の転動体8に限定されず、図7に示すような、円すいころの軸受50内にある円すい形状の転動体(ころ)51内に、転動体51の自転中心となる転動中心線A2に、上述したひずみ検出センサ3又は3´を設け、このひずみ検出センサ3又は3´の出力により、転動体51の転動中心線A2に直角方向の荷重分布を測定しても良い。なお、これら転動体51は、上述したころ軸受4と同様に、同軸(軸中心線B1)上に配置された円環状の外輪52と内輪53との間の軌道空間54内にて保持器55により一定の間隔をおいて保持、配置され、これら外輪52と内輪53との相対回転に伴って転動中心線A2を中心として自転し、軸中心線B1を中心に公転するものである。そして、このような円すい形状の転動体51では、周面が転動中心線A2に対して傾斜し、スラスト荷重も受ける構造であるので、上述したひずみ検出センサ3又は3´での測定結果に基づき、スラスト荷重に対する強度を得るための最適なテーパー又はクラウニング量を設定することが可能となる。
◎実施例2
【0028】
本発明は、上記した第1実施例以外の構成によっても実現可能である。次に、本発明の第2実施例について、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の第2実施例であるころ軸受転動体のひずみ検出装置102の構成を示す図である,
【0029】
第2実施例のころ軸受転動体のひずみ検出装置102は、転動体8が回転運動を行っている場合においても、転動体8の転動体軸方向ひずみを出力させることができるように構成されている。
【0030】
すなわち、図8は、ころ軸受4の内輪7が軸26に取り付けられ、軸26のまわりを回転する状態を示している。
【0031】
この状態では、転動体8は、軸26の軸中心線B1の回りを回転する公転運動と、転動体8の転動中心線A1の回りを回転する自転運動の両方を同時に行っている。したがって、転動体8の転動中心線A1に沿うようにして転動体8に挿入配置された光ファイバひずみセンサ部3と、光ファイバひずみ検出センサ3に接続する光ファイバ2a及び2bも、転動体8とともに、軸26の軸中心線B1の回りを回転する公転運動(符号R2で示す)と、転動体8の転動中心線A1の回りを回転する自転運動(符号R1で示す)の両方を同時に行っている。これに対し、レーザ光源と受光部を有するシグナルコンディショナー又はインテロゲータ1は、不動位置(例えば床Cなどの位置)に設置されている。
【0032】
第2実施例のころ軸受転動体のひずみ検出装置102においては、転動体8の公転速度を計測するために公転センサ23が、保持器11の回転速度を検出する。検出方式は、非接触状態で検出する方式であり、レーザ光によるもの、磁気、電気等を利用するものなど、公知の回転センサが用いられる。
【0033】
この公転センサ23の出力は、サーボモータ制御回路24に送られる。サーボモータ制御回路24は、公転センサ23からの出力に基づき、保持器11の回転速度と等しい回転速度でサーボモータ15を回転させるように制御する。サーボモータ15のモータ軸15aには、円板状の回転板16が取り付けられており、サーボモータ15によって回転駆動されるようになっている。
【0034】
また、回転板16の上には、検出対象の転動体8と対応する位置に、第1光ファイバロータリージョイント21が配置されている。上記したように、サーボモータ制御回路24は、公転センサ23からの出力に基づき、保持器11の回転速度と等しい回転速度でサーボモータ15を回転させるように制御しているから、第1光ファイバロータリージョイント21は、検出対象の転動体8と全く同じ回転速度で回転をしており、第1光ファイバロータリージョイント21から見ると、検出対象の転動体8は公転していない状態となっている。この状態では、相対的には、検出対象の転動体8は、第1光ファイバロータリージョイント21の軸中心線の回りに自転R1のみを行っていることになる。
【0035】
第1光ファイバロータリージョイント21は、検出対象の転動体8とともに、図8においてR1で示すように自転している光ファイバひずみ検出センサ3との間でレーザ光を授受することができる部材である。これにより、R1で自転回転する光ファイバ2a及び2bと、相対的に静止している光ファイバ2cとの問で、レーザ光は、光ファイバ2cから2aへ入っていくことができ、レーザ光は、光ファイバ2aから2cへ入っていくこともできるようになっている。
【0036】
また、回転板16の上には、回転板16の回転中心線上の位置に、第2光ファイバロータリージョイント22が配置されている。第2光ファイバロータリージョイント22は、回転板16と、不動位置(例えば床Cなどの位置)との問でレーザ光を授受することができる部材である。これにより、R2で回転する光ファイバ2eと、不動位置に静止している光ファイバ2fとの間で、レーザ光は、光ファイバ2fから2eへ入っていくことができ、レーザ光は、光ファイバ2eから2fへ入っていくこともできるようになっている。また、光ファイバ2cと光ファイバ2eは、光学的に接続されており、レーザ光が通過可能となっている。
【0037】
シグナルコンディショナー1の中には、図5で説明した光源39、CPU45等を有する信号処理部が内蔵されている。第1実施例の場合と異なるのは、ハーフミラー40の左側に接続する光ファイバ2のかわりに、図8に示す光ファイバ2g、2f、2e、2d、2c、2b及び2aが配置されている点である。
【0038】
上記のような構成により、第2実施例に示されるころ軸受転動体のひずみ検出装置102は、転動体8が公転及び自転の転動運動を行っている場合においても、転動体8の転動中心線A1方向のひずみ値を検出することができる。また、第2実施例のころ軸受転動体のひずみ検出装置102においても、第1実施例と同様に、各ひずみ検出センサ3(G1~Gn)から出力される複数の検出データに基づいて転動体8の転動中心線A1に沿う荷重分布(図4参照)を測定することができる。そして、この荷重分布に基づき、転動体8の端部において過大なエッジ応力が集中しないように最適なクラウニング量の効果を直接的に検証又は確認し、最適な軸受4の設計、メンテナンス、寿命評価等を行うことが可能となる。
【0039】
なお、第2実施例では、円筒形の転動体8の軸方向の荷重分布を検出するものであるが、これに限定されず、図7に示されるような円すいころの軸受50内の転動体(ころ)51の軸方向の荷重を検出しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1であるころ軸受転動体のひずみ検出装置101の全体構成を示す図
【図2】(A)図1に示すころ軸受4の詳細を示す斜視図、(B)は転動体8内部の光ファイバひずみ検出センサ3の設置状態を示す図
【図3】(A)は光ファイバひずみ検出センサ3の具体的構成を示す図、(B)入射するレーザ光の波長(λ)を示す図、(C)反射レーザ光L2の波長値を示す図
【図4】光ファイバひずみ検出センサ3によって測定された軸方向の荷重分布を示す図
【図5】光ファイバひずみ検出センサ3から出力された信号を処理して軸方向の荷重分布を計測するためのブロック図
【図6】単地点のひずみを検出するひずみ検出センサ3´により転動体8の軸方向の荷重分布を計測する方法を説明するための図
【図7】円すいころ軸受50を示す正断面図
【図8】本発明の実施例2であるころ軸受転動体のひずみ検出装置102の全体構成を示す図
【符号の説明】
【0041】
2 光ファイバ
3(G1~Gn) ひずみ検出センサ
4 ころ軸受
6 外輪
7 内輪
8 転動体(ころ)
8A センサ孔
9 軌道空間
50 円すいころの軸受
51 転動体(ころ)
101 ころ軸受転動体のひずみ検出装置
102 ころ軸受転動体のひずみ検出装置
A1 転動中心線
A2 転動中心線
B1 軸中心線
g1~gn ブラッグ回折格子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7