TOP > 国内特許検索 > 架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止装置及び方法 > 明細書

明細書 :架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止装置及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4644627号 (P4644627)
公開番号 特開2007-295640 (P2007-295640A)
登録日 平成22年12月10日(2010.12.10)
発行日 平成23年3月2日(2011.3.2)
公開日 平成19年11月8日(2007.11.8)
発明の名称または考案の名称 架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止装置及び方法
国際特許分類 B60L   3/00        (2006.01)
B60L   5/18        (2006.01)
FI B60L 3/00 A
B60L 5/18 Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 16
出願番号 特願2006-117048 (P2006-117048)
出願日 平成18年4月20日(2006.4.20)
審査請求日 平成20年7月14日(2008.7.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】小笠 正道
【氏名】前橋 栄一
個別代理人の代理人 【識別番号】100100413、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 温
審査官 【審査官】東 勝之
参考文献・文献 特開2002-281610(JP,A)
特開2001-352607(JP,A)
特開2003-319509(JP,A)
特開2005-051891(JP,A)
特開平02-246702(JP,A)
調査した分野 B60L 1/00-13/00
B60L 15/00-15/42
特許請求の範囲 【請求項1】
架線のある区間では架線から電力供給を受け、架線のない区間では車載バッテリ蓄積電力を用いて走行可能な架線・バッテリハイブリッド車両におけるパンタグラフの誤作動を防止する装置であって、
現在又は将来において走行する区間の位置情報を得る位置情報取得手段と、
当該区間位置が架線有区間であるか、架線無区間であるかを判定する手段と、
該判定手段の判定に応じて前記パンタグラフの上げ下げを制御する制御手段と、
を含み、
前記パンタグラフが走行用パンタグラフと充電用パンタグラフを別々に備え、
前記制御手段が両パンタグラフを各々独立に制御することを特徴とする架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止装置。
【請求項2】
前記位置情報取得手段が、
線路に沿って設けられて、その位置に関する情報(位置情報)が含まれる地上応答器(タグ)と、
車両に設けられた車上質問器と、
該質問器で読み出された前記地上応答器の位置情報を得る位置検知装置と、から構成され、
前記質問器で読み出された位置情報から、架線区間、無架線区間、充電所(停留所)であるかを判定することを特徴とする請求項1記載の架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止装置。
【請求項3】
地上又は車上にパンタグラフ上昇検知装置を設け、
無架線区間において前記パンタグラフの上昇を検知することを特徴とする請求項1又は2記載の架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止装置。
【請求項4】
架線のある区間では架線から電力供給を受け、架線のない区間では車載バッテリ蓄積電力を用いて走行可能な架線・バッテリハイブリッド車両におけるパンタグラフの誤作動を防止する方法であって、
現在又は将来において走行する区間の位置情報を得、
当該区間位置が架線有区間であるか、架線無区間であるかを判定し、
該判定手段の判定に応じて前記パンタグラフの上げ下げを制御し、
前記パンタグラフが走行用パンタグラフと充電用パンタグラフを別々に備え、
前記制御手段が両パンタグラフを各々独立に制御することを特徴とする架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止方法。
【請求項5】
線路に沿って設けられて、その位置に関する情報(位置情報)が含まれる地上応答器(タグ)と、車両に設けられた車上質問器と、該質問器で読み出された前記地上応答器の位置情報を得る位置検知装置と、を設けておき、
前記質問器で読み出された位置情報から前記位置情報を得て、架線区間、無架線区間、充電所(停留所)であるかを判定することを特徴とする請求項記載の架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤動作防止方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、車載のバッテリに蓄積した電力によって架線のない線区でも走行可能な架線・バッテリハイブリッド車両において、パンタグラフの誤動作を防止する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
架線・バッテリハイブリッド車両とは、車載のバッテリの電力により非電化線区の走行が可能な車両であり、鉄道車両や路面電車、モノレール等の車両として開発されつつある。
【0003】
この架線・バッテリハイブリッド車両においては、充電所に停車中に充電用架線からバッテリに充電するものもある。停車中に充電用架線から充電される場合は、短い停車時間の間に急速に充電する必要がある。
【0004】
このような急速充電においては、短時間に大電流を供給するため、パンタグラフの焼き付きが問題となる。そこで、架線・バッテリハイブリッド車両においては、架線からの電力供給を行うパンタグラフ(走行用パンタグラフ)の他に、充電用補助パンタグラフ(充電用パンタグラフ)を設けているものが多い。このような車両においては、無架線区間(非電化線区)でパンタグラフを上げたり、架線区間(電化線区)で充電用補助パンタグラフを上げるなどといった誤動作を防止することが必要となる。例えば、無架線区間でパンタグラフを上げてしまうとパンタグラフが破損する怖れもある。
【0005】
パンタグラフは、通常、運転士が、これから架線区間に入るか、無架線区間に入るか、停留所(充電所)に入るか、を目視で確認して、適宜なパンタグラフの上げ下げ操作を行っている。しかし、これらの区間を自動的に検知して、パンタグラフの上げ下げを管理する機構を備えることが望ましい。このためには、車両がどの区間を走行しているかという位置情報を得ることが必要になる。一般の鉄道車両の位置情報は、例えば、ATSで知ることができるが、例えば路面電車の場合はATSを搭載していないため、正確な位置情報を知ることが難しい。
【0006】
一方、無線により非接触で車両検知を行う列車制御装置として、バリス式列車検知型閉そく装置(Computer and Microwave Balise Aided Train control system、COMBATともいう)が開発されている。
【0007】
図10は、COMBATの機器構成の一例を示す図である。
COMBATは、線路を挟んで対向するように設けられた地上質問器Q及び地上応答器Rと、車体に設けられた車上応答器(タグ)Tで構成される。地上質問器Qと地上応答器Rは、線路に沿って所定の間隔を開けて設けられている。各質問器Qは、機器室に設置された列車検知装置Cと電気的に接続している。車上応答器Tは、車体の両側面の前後部に各々設けられている。この車上応答器Tには、車両の情報(列車番号など)が含まれている。
【0008】
地上質問器Q-応答器R間に車両が存在しない場合は、両者間の通信が成立している。一方、質問器Q-応答器R間に車両が進入すると、この通信は成立しなくなる。そして、車両の車上応答器Tが地上質問器Qに対向する位置まで進入すると、地上質問器Qでは、車上応答器Tから前述の車両情報が読み出される。この情報は列車検知装置Cに送られて、この車両の位置が特定される。なお、車上応答器Tは、車両の前後に設けられているので、車両の進入方向を特定することもできる。
【0009】
このシステムは上述のように車両検知を行うものであるが、このシステムを応用することにより、車両の位置情報を得ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、架線有区間・架線無区間を正確に知り、その情報に基づいてパンタグラフの上げ下げを行う、架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤作動防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のベースとなる架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤作動防止装置は、 架線のある区間では架線から電力供給を受け、架線のない区間では車載バッテリ蓄積電力を用いて走行可能な架線・バッテリハイブリッド車両におけるパンタグラフの誤作動を防止する装置であって、 現在又は近い将来において走行する区間の位置情報を得る手段と、 当該区間位置が架線有区間であるか、架線無区間であるかを判定する手段と、 該判定手段の判定に応じて前記パンタグラフの上げ下げを制御する制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、列車の走行位置が、架線区間、無架線区間、充電所であるかどうかを自動的に判定して、その位置に応じてパンタグラフの上げ下げを制御する。例えば、乗務員が架線区間を通過した後パンタグラフを下げる操作を忘れていたような場合には、架線区間を出たことを把握して自動的にパンタグラフを下げてロックするように制御される。このため、パンタグラフを上げたまま充電所や架線区間に進入したり、無架線区間に入ってもパンタグラフが上がっているといった事態を避けることができる。
【0013】
本発明においては、 前記位置情報取得手段が、 線路に沿って設けられて、その位置に関する情報(位置情報)が含まれる地上応答器(タグ)と、 車両に設けられた車上質問器と、 該質問器で読み出された前記地上応答器の位置情報を得る位置検知装置と、から構成され、 前記質問器で読み出された位置情報から、架線区間、無架線区間、充電所(停留所)であるかなどを判定することが好ましい。
【0014】
この場合、地上応答器に、架線区間、無架線区間、充電所などの位置に関する情報を含ませておくことにより、車上質問器でこの情報を読み出せば、現在車両が走行している位置に関する情報を得ることができる。あるいは、地上応答器は単なる位置表示タグとしておくとともに車上側の位置検知装置に線区の架線情報を蓄積しておき、車両位置における架線状態を判定することもできる。
【0015】
本発明においては、 前記パンタグラフが走行用パンタグラフと充電用パンタグラフを別々に備え、 前記制御手段が両パンタグラフを各々独立に制御することが好ましい。
【0016】
一般に、バッテリに充電される際、走行中に架線から充電される場合と、充電所での停車中に充電用架線から急速充電される場合では、供給される電流の大きさが違うので、摺板の性状の異なるパンタグラフを使用することも好ましい。そこで、両パンタグラフを独立に制御できるようようにすることにより、架線区間では走行用パンタグラフを主に制御し、充電所では充電用パンタグラフを主に制御することができる。なお、一つのパンタグラフで走行中充電と充電所での充電を兼ねることもできる。
【0017】
本発明においては、 地上又は車上にパンタグラフ上昇検知装置を設け、無架線区間において前記パンタグラフの上昇を検知することが好ましい。
【0018】
この場合、前記パンタグラフ上昇検知装置が、前記パンタグラフに取り付けられたタグと、前記車上質問器と、から構成されることとできる。
【0019】
パンタグラフ上昇検知装置を設けることにより、無架線区間走行中や無架線区間から架線区間に進入する際に、パンタグラフが上昇していることを検知できるので、パンタグラフを下降させるように制御することができる。パンタグラフ上昇検知装置は、地上もしくは車上に設置できる。地上に設置する場合は、例えば、架線区間の入口予告タグの手前に設けられて、パンタグラフが上昇した位置を通過する物体を検知するようなものを使用できる。車上に設置する場合は、例えば、COMBATの質問器を車両の屋根に搭載し、パンタグラフの下枠組管にタグを設置することができる。そして、タグと質問器間の通信の有無によってパンタグラフ上昇を検知できる。
【0020】
本発明のベースとなる架線・バッテリハイブリッド車両のパンタグラフ誤作動防止方法は、 架線のある区間では架線から電力供給を受け、架線のない区間では車載バッテリ蓄積電力を用いて走行可能な架線・バッテリハイブリッド車両におけるパンタグラフの誤作動を防止する方法であって、 現在又は近い将来において走行する区間の位置情報を得、 当該区間位置が架線有区間であるか、架線無区間であるかを判定し、 該判定手段の判定に応じて前記パンタグラフの上げ下げを制御する、ことを特徴とする。
【0021】
本発明においては、 線路に沿って設けられて、その位置に関する情報(位置情報)が含まれる地上応答器(タグ)と、車両に設けられた車上質問器と、該質問器で読み出された前記地上応答器の位置情報を得る位置検知装置と、を設けておき、 前記質問器で読み出された位置情報から前記位置情報を得て、架線区間、無架線区間、充電所(停留所)であるかなどを判定することとできる。
【0022】
本発明においては、 前記パンタグラフが走行用パンタグラフと充電用パンタグラフを別々に備え、 前記制御手段が両パンタグラフを各々独立に制御することが好ましい。
【0023】
本発明においては、 前記パンタグラフが下降しないまま充電所を出た場合に、該パングラフを下降してロックするように制御することとできる。
【0024】
さらに、本発明においては、 前記パンタグラフが下降しないまま架線区間を出た場合に、該パングラフを下降してロックするように制御することができる。
【0025】
さらに、本発明においては、前記パンタグラフが上昇したまま、充電所又は架線区間の入口手前に達した場合に、該パンタグラフを下降してロックするように制御することもできる。
【0026】
さらに、本発明においては、地上又は車上にパンタグラフ上昇検知装置をさらに備え、無架線区間において前記パンタグラフの上昇を検出した場合に、該パンタグラフを下降させてロックするように制御することもできる。
【発明の効果】
【0027】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、列車の走行位置が、架線区間、無架線区間、充電所であるかどうかを自動的に判定して、その位置に応じたパンタグラフの上げ下げを制御することができる。このため、パンタグラフを上げたまま充電所や架線区間に進入したり、無架線区間に入ってもパンタグラフが上がっているといった事態を避けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、架線・バッテリハイブリッド車両の構造を簡単に説明する。
図9は、架線・バッテリハイブリッド車両の構造の一例を説明する図である。
この架線・バッテリハイブリッド車両には、バッテリ(図示されず)が搭載されている。このバッテリは、リチウムイオン二次電池システムを用いたもので、急速充電が可能であり、少しずつ放電させる使い方を繰り返すことにより寿命が延びるという特性を有する。一例として、電圧600ボルト、充放電可能電流500Aという大電流を得ることができる。
【符号の説明】
【0029】
車両の屋根上には、走行用パンタグラフ1と充電用パンタグラフ3が設けられている(図では、走行用パンタグラフ1が上がって、充電用パンタグラフ3が下がった状態を示す)。走行用パンタグラフ1は、通常の電車用に使用されるもので、走行中に架線トロリ(ワイヤ又は剛体)からの集電が可能である。この走行用パンタグラフ1は、高速走行時の離線率が低く、動的追随性が高いという特性を有し、摺板は例えばカーボン等の材料で作製されている。この摺板の電気抵抗値は、後述する充電用パンタグラフの摺板と同等もしくは高い。なお、摺板を、電気抵抗値の低い鉄系材料などで作製すれば、充電用パンタグラフとして兼用することもできる。
充電用パンタグラフ3は、停車中の大電流充電に使用される。この充電用パンタグラフ3は、充電時の接触部における熱上昇に耐える特性を有し、摺板は例えば銅系材料で作製されている。摺板の電気抵抗値は、走行用パンタグラフと比べて同等以下である。
これらのパンタグラフ1、3は、後述する機械的カギ5によって下がった状態でロックされる。
【0030】
なお、走行用パンタグラフ1と充電用パンタグラフ3は、同じものを使用してもよく、兼用することもできる。以下に示す例では、走行用と充電用に別のパンタグラフを使用する場合について説明する。
【0031】
次に、この架線・バッテリハイブリッド車両の位置情報取得手段について説明する。
この位置情報取得手段は、前述のCOMBATとほぼ同様のシステムであるが、質問器7を車上に搭載し、応答器(位置情報タグ)を地上に設置したものである。この位置情報タグは、線路に沿って所定の間隔を開けて設けられた電柱又は支柱などの柱(以下まとめて電柱と称する)に取り付けられており、その位置や設備を示す情報が含まれる。例えば、停留所、充電所、架線区間、非架線区間などの情報を含む(図1を参照して後述する)。また、充電所や架線区間、非架線区間までの距離に関する情報を含んでもよい。このようなタグは、メンテナンスフリーであって、電源が不要であり安価であるので、多数設置しても大きなコストアップにはならない。
一方、質問器7A、7Bは車体の両側面の前後部に搭載されている。また、車上には質問器7で位置情報タグから読み出された情報から位置情報を得る位置検知装置(図示されず)が搭載されている。
あるいは、地上応答器を単なる位置表示タグとしておくとともに車上側の位置検知装置に線区の架線情報を蓄積しておき、車両位置における架線情報を判定することもできる。
【0032】
電柱以外の区間を走行している場合には、車体に搭載された質問器7に対する応答はない。しかし、位置情報タグが取り付けられた電柱に達すると、車上質問器7と電柱の位置情報タグ間に通信が成立し、位置情報タグに含まれる情報が車上質問器7で読み出される。この情報に基づいて、車両が現在どこを走行しているかや、停留所や架線区間、無架線区間などまでの距離に関する位置情報を知ることができる。
【0033】
次に、本発明のパンタグラフ誤動作防止方法の概念を簡単に説明する。
図1は、本発明のパンタグラフ誤動作防止方法の概念を説明する図である。
図に示すように、線路Rに沿って所定の間隔で電柱P又は支柱が並列して立てられている。この例では、電車の進行方向に沿った順に、電柱Eから電柱J´が立てられている。電柱Fまでの線区は電線ECが張られた架線区間(集電走行区間)、電柱Fから電柱Jまでの線区は無架線区間(バッテリ走行区間)又は異電化区間(例えば電圧が変わる区間)、電柱J以降は停車急速充電区間(充電所)となっている。充電所は、例えば、駅や停留所、あるいは線路の途中に設置された、停車中に大電流充電を行う箇所である。この充電所には充電用架線CCが設けられている。充電用架線CCとは、充電所に数m程度に渡って敷設された、剛体トロリなどの部分架線である。
【0034】
各電柱Pには、位置情報タグTが取り付けられている。電柱Eの位置情報タグTには、架線区間であることを示す情報が含まれている。電柱Fの位置情報タグTには、架線区間の出口を示す情報が含まれている。そして、電柱Gから電柱Iまでの位置情報タグTには、無架線区間であることを示す情報が含まれている。電柱Jの位置情報タグTには、充電所の入口(急速充電区間開始)を示す情報が含まれている。電柱J´の位置情報タグTには、充電所の出口(急速充電区間終了)を示す情報が含まれている。
【0035】
電車が、図の右側から走行するとき、架線区間においては、電柱Eの位置情報タグTから、車両が架線区間内に位置していることが読み取られており、走行用パンタグラフ1のみ上がり、同パンタグラフ1を介して架線ECから電力が駆動用電力変換器およびバッテリに給電または回生されるように制御されている。一方、充電用パンタグラフ3はロックされるように制御されている。電車が電柱Fに達すると、同電柱Fの位置情報タグTから、車両が架線区間出口に位置していることが読み取られ、車両においては、走行用パンタグラフ1を下げるように制御される。そして、電柱Gに達すると、同電柱の位置情報タグTから、車両が無架線区間内に位置していることが読み取られ、両パンタグラフ1、3をロックするように制御される。また、同区間はバッテリ走行であるため、バッテリの残量によっては車両の冷暖房をOFFとするなどの省エネモードに移行してもよい。
【0036】
そして、車両が電柱Jを通過すると、同電柱の位置情報タグTから、車両が充電所の入口に位置したことが読み取られ、車両においては、充電用パンタグラフ3の上昇を許可するように制御され、充電用架線CCからパンタグラフ3を介して充電される。なお、このとき走行用パンタグラフ1も同時に上げてもよい。ただし、電流のほとんどは充電用パンタグラフ3に流れる。充電所から車両が出発して、電柱J´に達すると、同電柱の位置情報タグTから、車両が停留所の出口に位置したことが読み取られ、車両においては、充電用パンタグラフ3(又は両パンタグラフ1、3)を下げてロックするように制御される。
【0037】
図2は、本発明の実施の形態に係る制御の一例を示すフローチャートである。
図3は、図2の例における各パンタグラフの動作を説明する表である。
この例では、無架線区間から充電用架線のある充電所(停留所)に電車が入って停車し、充電後に充電所から出て行くときの動作の一例を示す(図1において、電車が無架線区間から充電停留所に入って停車し、充電後出て行く場合)。充電所の最初(入口)の電柱(図1の符号J)には、位置情報タグ(このタグを入口タグという)が設けられており、最後(出口)の電柱(図1の符号J´)には、位置情報タグ(このタグを出口タグという)が設けられている。入口タグには、充電停留所入口であることを示す情報が含まれている。出口タグには、充電停留所出口であることを示す情報が含まれている。
【0038】
まず、図3を参照してこの例における各パンタグラフの制御動作を説明する。
入口タグが読み取られた場合、入口フラグを1(真)とし、かつ、出口フラグを0(偽)とし、出口タグが読み取られた場合、入口フラグを0とし、かつ、出口フラグを1とする。入口フラグが1で出口フラグが0(偽)の場合、充電用パンタグラフのロック解除を許可し、走行用パンタグラフをロックする。入口フラグが1で出口フラグが1の場合、入口フラグが0で出口フラグが1の場合、及び、入口フラグが0で出口フラグが0の場合、両パンタグラフをロックする。
【0039】
図2を参照してフローチャートを説明する。
電車は、充電用パンタグラフ及び走行用パンタグラフとも下降状態で充電所に進入してくる。そして、S1で、入口フラグが1であるかどうかを判定する。ここで、入口フラグが1であり、出口フラグが0であれば、充電用パンタグラフのロック解除が許可される。具体的には、充電用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路接点が構成される。なお、この段階では、充電用パンタグラフの機械的カギは外れていない。機械的カギとは、パンタグラフの先端のカギに係合する可動フックである。この可動フックは電磁的手段によってパンタグラフのカギと係合・解除するように作動する。
【0040】
S1で入口フラグが1であり、出口フラグが0であれば、S2に進んで、充電用パンタグラフのロック解除を許可する。S1で入口フラグが1でない場合は、S3に進んだ後S1に戻り、入口フラグが1となるまで繰り返す。
【0041】
次に、S4において、出口フラグが1かどうかを判定する。出口フラグが1でなければ、車両は充電停留所を出ていないことを示し、乗務員は電車が停車中であることを判断し、充電用パンタグラフ上昇ボタンを押す。充電用パンタグラフ上昇ボタンは、入口フラグ1で出口フラグが0のときに有効になり、充電用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成される。さらに、ボタンが押されると、充電用パンタグラフの機械的カギが解除可能になる。
【0042】
次に、S5において、充電用パンタグラフ上昇ボタンが押し下げられたかを判定する。S5でボタンが押されていないことが判定されれば、S6に進んだ後S4に戻り、ボタンが押されたことが判定されるまで繰り返す。S5でボタンが押されたことが判定されれば、S7に進み、機械的カギが外れて充電用パンタグラフが上昇する。その後、S8で、車載の電力変換器(バッテリ充電又は充放電を行う電力変換器)が電圧確認後、充電動作が開始される。例えば、充電用架線の電圧が所定範囲(例えば、直流500V以上900V以下)の場合に、充電動作を開始する。ここで、充電開始ボタンを別途設けることもできる。この場合、乗務員が充電開始ボタンを押すと充電が開始される。
【0043】
そして、S9で充電終了ボタンが押されたかどうかを判定する。押されたことが判定されない場合は、S10に進んで、充電開始から所定時間経過したかどうかを判定する。所定時間とは、電力変換器側で電流値と電圧値から判断した充電量に達した時間、あるいは、停車可能時間いっぱいに達したと電力変換器が判断した時間であり、この時間を過ぎると充電を自動終了とする。
S10で所定時間経過していない場合は、S11に進んだ後S9からの作業を繰り返す。
【0044】
S9で充電終了ボタンが押されると、又は、S10で所定時間が経過すると、S12で充電が終了となる。充電終了後、乗務員は充電用パンタグラフ下降ボタンを押す。そこで、S13で、充電用パンタグラフ下降ボタンが押されたかどうかを判定する。ボタンが押されたことが判定されると、S14に進んで、充電用パンタグラフ下降リレーが励磁されて、S15に進んで、同パンタグラフが下降した後、機械的カギがかかる。この時点で、充電用パンタグラフ上昇用リレー励磁回路は構成されたままである。その後、S16に進んで、運転を開始する(車両を発車させる)。
【0045】
運転開始後、S4で、出口フラグが1かどうかを判定する。出口フラグが1であれば、S17に進んで、充電用パンタグラフがロックされる。具体的には、充電用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成されず、充電用パンタグラフのロック解除が許可されなくなる。
【0046】
なお、運転士が充電用パンタグラフ下降ボタンを押し忘れて、S13で充電用パンタグラフ下降ボタンが押されたことが判定されていない場合も、S16に進んで運転が開始される。そして、S4で、出口フラグが1の場合には、S18で充電用パンタグラフ下降リレーが励磁されて、S19で、同パンタグラフが下降した後、機械的カギがかかる。この時点で、充電用パンタグラフ上昇用リレー励磁回路は構成されたままである。その後、S17に進んで、充電用パンタグラフがロックされる(充電用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成されず、充電用パンタグラフのロック解除が許可されなくなる)。
【0047】
このように、充電停留所で充電終了後、乗務員が充電用パンタグラフの下降を忘れていた場合でも、充電停留所の出口に達すると充電用パンタグラフを下降するように制御される。
なお、以上の例では、乗務員がパンタグラフの下降を忘れていた場合に、パンタグラフを強制的に降下させる場合について説明したが、パンタグラフが下降されないまま発車した場合(乗務員がパンタグラフ下降ボタンを押さなかった場合)に、アラームを発するようにすることもできる。また、パンタグラフが下降されないまま発車したことを、非常停止回路に送信して、非常停止などの処置を行うこともできる。
【0048】
図4は、本発明の他の実施の形態に係る制御の一例を示すフローチャートである。
図5(A)は、図4の例におけるタグの位置を説明する図であり、図5(B)は図4の例における各パンタグラフの動作を説明する表である。
この例では、無架線区間から架線区間に電車が入り架線集電で走行後、無架線区間へ出て行くときの動作の一例を示す。図5(A)に示すように、架線区間の最初(入口)の電柱には、入口タグが設けられており、最後(出口)の支柱には、出口タグが設けられている。入口タグには、架線区間入口であることを示す情報が含まれている。出口タグには、架線区間出口であることを示す情報が含まれている。
【0049】
まず、図5(B)を参照してこの例における各パンタグラフの動作を説明する。
入口タグが読み取られた場合、入口フラグを1とし、かつ、出口フラグを0とする。出口タグが読み取られた場合、入口フラグを0とし、かつ、出口フラグを1とする。入口フラグが1で出口フラグが0の場合、充電用パンタグラフをロックし、走行用パンタグラフのロックを解除する。入口フラグが1で出口フラグが1の場合、入口フラグが0で出口フラグが1の場合、及び、入口フラグが0で出口フラグが0の場合、両パンタグラフをロックする。
【0050】
図4を参照してフローチャートを説明する。
電車は、充電用パンタグラフ及び走行用パンタグラフとも下降状態で架線区間に進入してくる。そして、S21で、入口フラグが1であるかどうかを判定する。入口フラグが1であり、出口フラグが0であれば、走行用パンタグラフのロック解除を許可する。具体的には、走行用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路接点が構成される。なお、この段階では、走行用パンタグラフの機械的カギは外れていない。S21で入口フラグが1である場合は、S22に進んで走行用パンタグラフのロック解除を許可する。S1で入口フラグが1でない場合は、S23に進んだ後S21に戻り、入口フラグが1となるまで繰り返す。
【0051】
次に、S24において、出口フラグが1かどうかを判定する。出口フラグが1でなければ、架線区間内であることを示し、乗務員は、架線区間に進入したことを判断後、走行用パンタグラフ上昇ボタンを押す。走行用パンタグラフ上昇ボタンは、入口フラグが1で出口フラグが0のときに、走行用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成されることにより有効となる。そして、ボタンが押されると、走行用パンタグラフの機械的カギの解除が許可される。
【0052】
次に、S25において、走行用パンタグラフ上昇ボタンが押し下げられたかを判定する。S25でボタンが押されたことが判定されなければ、S26に進んだ後S24に戻り、ボタンが押されるまで繰り返す。S25でボタンが押されたことが判定されれば、S27に進み、機械的カギが外れて走行用パンタグラフが上昇する。その後、S28で、車載の電力変換器(バッテリ充電又は充放電を行う電力変換器)が電圧確認後、充電動作が開始される。例えば、充電用架線の電圧が所定範囲(例えば、直流500V以上900V以下)の場合に、充電動作を開始する。ここで、充電開始ボタンを別途設けることもできる。この場合、乗務員が充電開始ボタンを押すと充電が開始される。
【0053】
そして、S29で充電終了ボタンが押されたかどうかを判定する。押されていない場合は、S30に進んで、充電開始から所定時間経過したかどうかを判定する。所定時間とは、電力変換器側で電流値と電圧値から判断した充電量に達した時間であり、この時間を過ぎると充電を自動終了とする。
S30で所定時間経過していない場合は、S31に進んで、S29からの作業を繰り返す。
【0054】
S29で充電終了ボタンが押されると、又は、S30で所定時間が経過すると、S32で充電が終了となる。充電終了後、架線区間の出口に接近すると、乗務員は走行用パンタグラフ下降ボタンを押す。そこで、S33に進み、充電用パンタグラフ下降ボタンが押されたかどうかを判定する。S33でボタンが押されたことが判定されると、S34に進んで、走行用パンタグラフ下降リレーが励磁されて、S35に進んで、同パンタグラフが下降した後、機械的カギがかかる。この時点で、走行用パンタグラフ上昇用リレー励磁回路は構成されたままである。なお、S33で、走行用パンタグラフ下降ボタンが押されていない場合は、S29に戻って、ボタンが押されるまで繰り返す。
【0055】
その後、S24で、出口フラグが1かどうかを判定する。出口フラグが1であれば、S36に進んで、走行用パンタグラフがロックされる。具体的には、走行用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成されず、充電用パンタグラフのロック解除が許可されなくなる。
【0056】
なお、乗務員がS33で走行用パンタグラフ下降ボタンを押し忘れたままで、出口フラグが1の場合には、S37で走行用パンタグラフ下降リレーが励磁されて、S38で、同パンタグラフが下降した後、機械的カギがかかる。この時点で、走行用パンタグラフ上昇用リレー励磁回路は構成されたままである。その後、S36に進んで、走行用パンタグラフがロックされる(走行用パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成されず、走行用パンタグラフのロック解除が許可されなくなる)。
【0057】
この例においても、架線区間から無架線区間へ電車が出て行くときに、乗務員が走行用パンタグラフを下げ忘れていても、架線区間出口に達すると走行用パンタグラフを下降するように制御される。
【0058】
なお、この例では、充電終了後に架線区間の出口に接近したことを、乗務員が目視で確認していたが、架線区間出口の手前の電柱に架線区間出口が間近であることを知らせる架線区間出口予告タグ(図5(A)参照)を設けて判定することもできる。
【0059】
図6は、本発明の他の実施の形態に係る制御の一例を示す図であり、図6(A)はタグの位置を説明する図、図6(B)はフローチャートである。
この例では、無架線区間から充電所又は架線区間(この例では架線区間)に電車が入ってくる際に、何らかの異常により充電用パンタグラフ又は走行用パンタグラフのいずれかが上昇したままの場合の動作の一例を示す。
【0060】
この例では、図6(A)に示すように、架線区間入口タグと架線区間出口タグに加えて、架線区間の手前の電柱に、入口予告タグが設けられている。入口予告タグには、架線区間の入口が間近であることを示す情報が含まれている。入口タグには、架線区間入口であることを示す情報が含まれており、出口タグには、架線区間出口であることを示す情報が含まれている。
【0061】
図6(B)を参照してフローチャートを説明する。
まず、S41で、入口予告フラグが1であるかどうかを判定する。入口予告フラグが1でなければ、まだ、架線区間(又は充電所)に接近していないことを示す。乗務員は架線区間(又は充電所)が接近することを目視で確認すると、安全上、念のため両パンタグラフ下降ボタンを押す。そして、S42で、パンタグラフ下降ボタンが押されたかどうかを判定する。S42で、ボタンが押されていると判定されれば、S43に進んで、充電用パンタグラフ下降リレー及び走行用パンタグラフ下降リレーを励磁し、S44で、両パンタグラフが下降し、機械的カギがかかる。この時点で、走行用パンタグラフ上昇リレー励磁回路及び充電用パンタグラフ上昇リレー励磁回路は構成されている。
なお、S42で下降ボタンが押されていない場合は、S45に進んだ後、S41からの作業を繰り返す。
【0062】
その後、S41に戻って、入口予告フラグが1であるかを判定する。入口予告フラグが1であれば、S46に進んで、パンタグラフがロックされる。具体的には、パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成されず、充電用パンタグラフのロック解除が許可されなくなる。
【0063】
なお、乗務員がS42でパンタグラフ下降ボタンを押さないままで、入口予告フラグが1の場合には、S47でパンタグラフ下降リレーが励磁されて、S48で、同パンタグラフが下降した後、機械的カギがかかる。この時点で、パンタグラフ上昇用リレー励磁回路は構成されたままである。その後、S46に進んで、パンタグラフがロックされる(パンタグラフ上昇リレーの励磁回路が構成されず、パンタグラフのロック解除が許可されなくなる)。
【0064】
両方あるいは一方のパンタグラフが上昇したまま架線区間に進入したことは、乗務員は認識できない。そこで、この例のように、両方あるいは一方のパンタグラフが上昇したまま架線区間に進入した場合でも、同区間の入口の手前に達すると、両パンタグラフを下降するように制御される。
【0065】
パンタグラフが上昇したまま停留所や充電所に進入したときの対策として、以下に説明するパンタグラフ誤動作防止装置を設けてもよい。
図7は、本発明の他の実施の形態に係るパンタグラフ誤動作防止装置の構成を模式的に示す図である。
この例は停留所(充電所)を示し、停留所の入口と出口の電柱間には、充電用架線CCが設けられている。図に示すように、充電用架線CCの両端E1、E2は上向きに弓なりに反っている。このような形状とすることにより、例えば、走行用パンタグラフ1が上昇したまま停留所に進入してきた場合、パンタグラフ1は最初に上向きに沿った湾曲部E1に当たって、そのまま架線に沿って押されて下降しながら停留所に進入する。
【0066】
さらに、パンタグラフが上昇したまま架線区間や充電停留所に進入したときの対策として、架線区間や充電停留所の入口予告タグの手前の電柱又は支柱に、パンタグラフ上昇検知装置を設けることもできる。
図8(A)はタグの位置を説明する図であり、図8(B)は各パンタグラフの動作を説明する表である。
この例では、架線区間の手前の電柱に入口予告タグが設置されており、同電柱のさらに手前の電柱にパンタグラフ上昇検知装置が備えられている。このパンタグラフ上昇検知装置は、上昇したパンタグラフを検知可能な装置であり、パンタグラフが上昇した位置を通過する物体を検知するものである。この装置でパンタグラフ上昇が検知されると、入口予告タグ内の情報伝文中にあるパンタグラフ上昇フラグを1に書き換える。入口予告タグ通過時に電車側でパンタグラフ上昇フラグが1となる。なお、入口予告タグ内のパンタグラフ上昇フラグは一定時間(電車の通過に必要な時間に余裕を見込んだ値)後に0となる。従って、前提として、パンタグラフ上昇検知装置から入口予告タグへの伝送が必要になる。
【0067】
図8(B)を参照して、地上側にパンタグラフ上昇検知装置を備えた場合の、入口タグに到達するまでの無架線区間における各パンタグラフの動作を説明する。
入口予告フラグが0で、パンタグラフ上昇検知フラグが0の場合、車両は入口予告タグに達していないため何もしない。入口予告フラグが1になり、パンタグラフ上昇検知フラグが0のままの場合、充電用パンタグラフ及び走行用パンタグラフは下降状態にあり、念のためロックする。入口予告フラグが1となり、パンタグラフ上昇検知フラグが1の場合、充電用パンタグラフ及び走行用パンタグラフを下降させてロックする。入口予告フラグが0で、パンタグラフ上昇検知フラグが1となった場合、充電用パンタグラフ及び走行用パンタグラフを下降させてロックする。この場合、入口予告タグに達しているにも拘らず、入口予告が変化しないため、入口予告タグの情報確認を別途行う必要がある。なお、入口予告フラグ及びパンタグラフ上昇検知フラグは、入口フラグが1になった時点でリセットして0とする。
【0068】
なお、パンタグラフ上昇検知装置を車上に設けることもできる。
図11は、車上に設けたパンタグラフ上昇検知装置の構成を模式的に示す図であり、図11(A)はパンタグラフ下降時、図11(B)はパンタグラフ上昇時を示す。
この例のパンタタグラフ上昇検知装置においては、車両の屋根にCOMBAT質問器qを搭載し、この質問器を利用してパンタグラフの上昇を検知する。パンタグラフPの下枠組管P1はタグTが設けられている。このタグTには、パンタグラフPが下降していることを示す情報が含まれている。図11(A)に示すように、パンタグラフPが、タグTが質問器Qに対向する位置まで下降すると、質問器Qでは、タグTからパンタグラフPが下降していることが読み出される。一方、パンタグラフPが上昇していると、図11(B)に示すように、タグTと質問器Q間に通信が成立しない。
【0069】
この場合、入口予告タグ通過時に、パンタグラフ上昇フラグを用いて上記と同じ動作を行う。
【0070】
以上に示した例においては、架線区間や無架線区間、充電所の入口や出口は、車両の進行方向によって逆になる。しかし、各入口や出口に設けられているタグは同じものである。そこで、入口・出口は、車両の進行方向(行き先表示器からの情報)による状態遷移からの判別、タグに書き込まれているタグ固有番号又は距離程情報を元に車両側でその状態遷移からの判別、によって読み替えることができる。
【0071】
また、充電所などが線路の終点にあって折り返し運転される場合は、入口フラグと出口フラグを置き換える。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のパンタグラフ誤動作防止方法の概念を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る制御の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2の例における各パンタグラフの動作を説明する表である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5(A)は図4の例におけるタグの位置を説明する図であり、図5(B)は図4の例における各パンタグラフの動作を説明する表である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る制御の一例を示す図であり、図6(A)はタグの位置を説明する図、図6(B)はフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施の形態に係るパンタグラフ誤動作防止装置の構成を模式的に示す図である。
【図8】図8(A)はタグの位置を説明する図であり、図8(B)は各パンタグラフの動作を説明する表である。
【図9】架線・バッテリハイブリッド車両の構造の一例を説明する図である。
【図10】COMBATの機器構成の一例を示す図である。
【図11】車上に設けたパンタグラフ上昇検知装置の構成を模式的に示す図であり、図11(A)はパンタグラフ下降時、図11(B)はパンタグラフ上昇時を示す。
【0073】
1 走行用パンタグラフ 3 充電用パンタグラフ
5 機械的カギ 7 質問器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10