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明細書 :通信システム及びその方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4638371号 (P4638371)
公開番号 特開2007-274503 (P2007-274503A)
登録日 平成22年12月3日(2010.12.3)
発行日 平成23年2月23日(2011.2.23)
公開日 平成19年10月18日(2007.10.18)
発明の名称または考案の名称 通信システム及びその方法
国際特許分類 H04W   4/04        (2009.01)
B61L  27/00        (2006.01)
FI H04Q 7/00 110
B61L 27/00 A
請求項の数または発明の数 5
全頁数 14
出願番号 特願2006-099411 (P2006-099411)
出願日 平成18年3月31日(2006.3.31)
審査請求日 平成20年7月14日(2008.7.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】竹内 恵一
【氏名】関 清隆
個別代理人の代理人 【識別番号】100100413、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 温
審査官 【審査官】望月 章俊
参考文献・文献 特開2004-015253(JP,A)
特開平11-098574(JP,A)
特開2005-151352(JP,A)
特開2003-333211(JP,A)
調査した分野 H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
特許請求の範囲 【請求項1】
通信回線で少なくとも二つの伝送装置の間を接続して通信する通信システムであって、
列車情報が入力される情報入力部と、
前記情報入力部から入力された列車の種類及び列車ダイヤを含む列車情報に基づいて、前記伝送装置間の区間に所定の列車が接近した場合に伝送速度を低下させる指示を発し、前記伝送装置間を前記所定の列車が通過した場合には伝送速度を元に戻す指示を発する、前記伝送装置に接続された制御部と、
前記制御部の指示に基づいて伝送速度を変更して通信を行う伝送装置と
からなる通信システム。
【請求項2】
前記制御部は、伝送品質の劣化をもたらす列車及びその列車ダイヤに基づいて作成された所定列車情報データベースを記憶する記憶領域と、時刻を計時するクロックとを備え、
前記制御部が、前記クロックと前記所定列車情報データベース情報に基づいて、列車の接近を検知する、請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記情報入力部が列車の運行を管理する指令所端末と接続され、前記指令所端末からの情報を受信して入力する、請求項1又は2記載の通信システム。
【請求項4】
前記情報入力部が、通信を行う二つの伝送装置のいずれかに接続された制御部のみに備えられた請求項1から請求項記載の通信システム。
【請求項5】
列車運行区間内の二点間で通信回線を通じて互いに通信する伝送装置を制御して通信を行う通信方法であって、
前記二点間の領域に列車が接近する時刻か否か判断する列車接近判断ステップと、
前記列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であるか否か判断する所定列車判断ステップと、
前記所定列車判断ステップにより、前記列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であると判断された場合には、前記伝送装置の伝送速度を低下させる指示を行う伝送速度低下指示ステップと、
前記二点間の領域を通過した後に前記伝送装置の伝送速度を回復させる指示を行う伝送速度回復指示ステップと、からなる通信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及びその方法に係り、特に、列車の走行時間帯において列車が走行する場合や、列車の走行がない時間帯の場合のそれぞれの場合に応じて、伝送品質を保つ通信システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道沿線には、メタリック通信ケーブルが敷設されており、モデム等を使用した高速データ伝送が行われている。しかし、メタリック通信ケーブルの雑音環境は列車の走行による変動があり、それに伴い所用の伝送速度を保つのが困難である。
【0003】
このように雑音環境が変動し、設定した伝送速度の維持が困難な状態で伝送を継続すると、フレームロスやパケットロスを引き起こし、伝送するシステムに悪影響を及ぼす可能性がある。
この解決策としてモデムの送信出力を増加し、設定した伝送速度を十分維持できる状態にすることが考えられる。また、伝送速度が低下することを前提にして、一回線あたりの伝送速度を低めに設定し、使用回線を増やして所用の伝送速度を保つ手段も考えられる。
【0004】
これに対し、周期的に雑音量が変化する場合に、伝送速度を測定する方法や(特許文献1参照)、伝送容量確保のために、あらかじめ予備回線を用意しておき、現用回線の伝送容量を比較しながら切り替えるものがある(特許文献2参照)。
【0005】

【特許文献1】特開2003-23402号公報
【特許文献2】特開2004-15253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、メタリック通信ケーブル内には様々なシステムが混在しており、送信出力を増加させると他の回線への漏話雑音が大きくなり、他のシステムに影響を与えるおそれがあり、通信回線の空き回線は少ないため、可能な限り使用回線を節約することが求められるため、フレームロスやパケットロスを増大させない、送信出力を増加させない、使用回線数を節約するという3点を満たした上で伝送品質を可能な限り向上させた通信システムが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る通信システムは、通信回線で少なくとも二つの伝送装置の間を接続して通信する通信システムであって、列車情報が入力される情報入力部と、情報入力部から入力された列車の種類及び列車ダイヤを含む列車情報に基づいて、伝送装置間の区間に所定の列車が接近した場合に伝送速度を低下させる指示を発し、伝送装置間を所定の列車が通過した場合には伝送速度を元に戻す指示を発する、伝送装置に接続された制御部と、制御部の指示に基づいて伝送速度を変更して通信を行う伝送装置とからなる。
【0008】
また、制御部は、伝送品質の劣化をもたらす列車及びその列車ダイヤに基づいて作成された所定列車情報データベースを記憶する記憶領域と、時刻を計時するクロックとを備え、制御部が、クロックと所定列車情報データベース情報に基づいて、列車の接近を検知することができる。
【0009】
また、情報入力部が列車の運行を管理する指令所端末と接続され、指令所端末からの情報を受信して入力するようにしてもよい。
【0010】
本発明に関連する他の通信システムは、少なくとも二回線の通信回線のそれぞれに接続された伝送装置同士で通信を行う通信システムであって、列車情報が入力される情報入力部と、情報入力部から入力された列車の種類及び列車ダイヤを含む列車情報に基づいて、通常の列車運行時間帯から保守作業時間帯に移行したと判断した場合に、少なくとも二回線のうち、所定のいずれか一回線に接続された伝送装置同士を、音声帯域を利用する音声帯域通信機器とそれぞれ並列に接続された音声帯域を使用しない他の伝送装置同士にそれぞれ切り替える指示を発する制御部とからなり、制御部の指示に基づいて切り替わった伝送装置及び接続された音声帯域通信機器が通信を行う。
【0011】
また、制御部は、伝送品質の劣化をもたらす列車及びその列車ダイヤに基づいて作成された所定列車情報データベースを記憶する記憶領域と、時刻を計時するクロックとを備え、制御部が、クロックと所定列車情報データベース情報に基づいて、通常の列車運行時間帯から保守作業時間帯に移行したと判断する。
【0012】
また、情報入力部が列車の運行を管理する指令所端末と接続され、指令所端末からの情報を受信して入力するようにしてもよい。
【0013】
また、情報入力部が、通信を行う二つの伝送装置のいずれかに接続された制御部のみに備えられるように構成してもよい。
【0014】
本発明に係る通信方法は、列車運行区間内の二点間で通信回線を通じて互いに通信する伝送装置を制御して通信を行う通信方法であって、二点間の領域に列車が接近する時刻か否か判断する列車接近判断ステップと、列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であるか否か判断する所定列車判断ステップと、所定列車判断ステップにより、列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であると判断された場合には、伝送装置の伝送速度を低下させる指示を行う伝送速度低下指示ステップと、二点間の領域を通過した後に伝送装置の伝送速度を回復させる指示を行う伝送速度回復指示ステップとからなる。
【0015】
本発明に関連する他の通信方法は、列車運行区間内の2点間で少なくとも二回線の通信回線を通じてそれぞれが互いに通信する伝送装置を制御して通信を行う通信方法であって、予め定められた通常の列車ダイヤで列車が運行されている時間帯か保守時間帯かを判断する時間帯判断ステップと、時間帯判断ステップにより、通常の列車ダイヤの時間帯ではなく保守時間帯であると判断された場合に、通常の列車ダイヤから変更された列車ダイヤにより到着するべき列車が到着しているか否か判断する未到着列車判断ステップと、未到着列車判断ステップにより、未到着列車がない状態であると判断された場合に、少なくとも二回線のうち、所定のいずれか一回線に接続された伝送装置同士を、音声帯域を利用する音声帯域通信機器とそれぞれ並列に接続された音声帯域を使用しない他の伝送装置同士にそれぞれ切り替えるよう指示する切替指示ステップと、切替指示ステップに基づいて伝送装置を切り替える切替ステップとからなる。
【0016】
さらに、切替ステップにより伝送装置が切り替えられた後、保守時間帯の終了後に切替を元に戻す切替回復ステップとを含んでもよい。
【0017】
切替指示ステップ及び切替回復ステップは、通信回線を介して接続されている伝送装置のうち、いずれか一方が他方に対して、所定の時刻又は所定の時間経過後のいずれかの時に通信回線に接続されている伝送装置を切り替えるよう指示することにより、通信回線を通じて接続されている伝送装置同士の切替の同期をとるものであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信の伝送品質を保つとともに、使用回線の節約を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る通信システムについて図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る通信システムの実施の一形態を示すブロック図である。図1には、A駅20の各種端末や各種システム22と、B駅30の各種端末や各種システム32とが通信回線50を通じて通信可能な通信システム10が示されており、具体的には、通信回線50で少なくとも二つの伝送装置24、34の間を接続して通信する通信システム10が示されている。
【0020】
かかる通信システム10は、列車情報が入力される情報入力部29、39と、情報入力部29、39の少なくともいずれかから入力された列車の種類及び列車ダイヤを含む列車情報に基づいて、伝送装置24と伝送装置34との間の区間に所定の列車が接近した場合に伝送速度を低下させる指示を発し、伝送装置間を所定の列車が通過した場合には伝送速度を元に戻す指示を発する、伝送装置に接続された制御部26、36と、制御部26、36の指示に基づいて伝送速度を変更して通信を行う伝送装置24、34とからなる。
【0021】
ここで、A駅20側には、伝送装置24、伝送装置24と接続された制御部26、制御部26と接続されたシステム入出力部28及び情報入力部29にてB駅と通信するためのシステムが構成されている。
【0022】
一方、B駅30側には、伝送装置34、伝送装置34と接続された制御部36、制御部36と接続されたシステム入出力部38及び情報入力部39にてA駅と通信するためのシステムが構成されている。
【0023】
さらに、A駅20側の制御部26に接続された情報入力部29と、B駅30側の制御部36に接続された情報入力部39は、それぞれ列車の運行を管理する中央指令所の指令所端末40と接続されている。
【0024】
システム入出力部28、38は、常時使用するシステムから、伝送するデータの入出力を行う。制御部26、36は、情報入力部からのデータを元に状況を判断し、伝送速度の設定、回線60側の伝送装置の選択及び、それにかかわる各部の制御を行う。また、システム入出力部28、38からの伝送データを伝送装置に送るものであるが詳細は順に説明する。
【0025】
情報入力部29、39は、列車情報が入力される。ここで列車情報は、電車や気動車といった車両の種類や何両編成の列車なのか、という情報や、それぞれの列車の列車ダイヤグラム(列車ダイヤ)が含まれる。この情報入力部29、39からは、例えば予め定められたダイヤについては、手動で入力することができ、入力の形式は通信回線による受信によって入力されてもよいし、キーボードやマウス操作による手動によって入力されるものを含んでもよい。
【0026】
制御部26、36は、それぞれ伝送装置24、34に接続されており、情報入力部29、39の少なくともいずれかから入力された列車の種類及び列車ダイヤを含む列車情報に基づいて、伝送装置24と伝送装置34との間の区間に所定の列車が接近した場合に伝送速度を低下させる指示を発し、伝送装置間を所定の列車が通過した場合には伝送速度を元に戻す伝送速度の変更を指示する。
【0027】
伝送装置24、34は、制御部26、36の指示に基づいて伝送速度を変更して通信を行う。列車ダイヤと何両編成の列車なのかという情報を得ることにより、通信回線の雑音レベルが上昇し、伝送品質に影響を与えると予想される列車が走行する場合には、伝送を行っている区間に列車が進入する前に伝送速度を低下させ伝送を行っている区間から列車がいなくなったら、伝送速度を元に戻すこととする。これによって、エラーフリーの状態を維持し、伝送するシステム側に影響を与えないようにすることが可能となる。
【0028】
図2は、本発明に係る通信システムを構成するA駅側の制御部周辺のブロック図である。基本的にB駅側も同様の構成である。図2には、図1で示した制御部26の内部機能ブロック図が示されており、伝送品質の劣化をもたらす列車及びその列車ダイヤに基づいて作成された所定列車情報データベース266を記憶する記憶領域264と、時刻を計時するクロック262とを備える。
【0029】
記憶領域264は、伝送品質の劣化をもたらす列車及びその列車ダイヤに基づいて作成された所定列車情報データベース266を記憶する。また、クロック262は、時刻を計時する。
【0030】
そして、制御部26が、クロック262と所定列車情報データベース情報266に基づいて、列車の接近を検知する。伝送品質の劣化をもたらす列車であるか否かは実際に列車を走行させて伝送品質の劣化を生じさせる列車のリスト及びその列車ダイヤが関連づけられて記憶するようにすることで、所定の列車の接近を検知することができる。
【0031】
また、情報入力部29が列車の運行を管理する指令所端末40と接続され、指令所端末40からの情報を受信して入力する。指令所は、管轄する区域内のすべての列車の運行を監視する。例えば線路の一区間を通過するときに電流回路が形成されることで列車の通過を検知するようにし、その場合に列車の通過情報を指令所端末40に通知するように構成すると列車の現在位置及びある地点の通過時刻が分かる。管轄する区域内のすべての列車の運行を監視してダイヤの乱れを検知することができるので、指令所端末40は、情報入力部29に対して通常の列車ダイヤに乱れがあった場合に最新の列車ダイヤを送信することができる。
【0032】
図1及び図2では、それぞれの伝送装置24、34にそれぞれ制御部26、36を接続した状態で説明しているが、制御部26、36のうち、いずれか一方の制御部が指示を発し、他方の制御部はその指示を受けて自己が接続されている伝送装置に指示するものであってもよい。また情報入力部からの入力についてもA駅20側、B駅30側のいずれか一方のみ機能させ、他方は当該一方からの情報を受けるように構成することも可能である。
【0033】
図3は、本発明に係る通信システムの他の実施の一形態を示すブロック図である。図3には、 少なくとも二回線の通信回線50、60のそれぞれに接続された伝送装置同士(伝送装置210と伝送装置310、さらに伝送装置220と伝送装置320)で通信を行う通信システム10が図示されている。ここで図1及び図2と同符号は同じ意味であるためその説明は省略する。
【0034】
通信システム10は、列車情報が入力される情報入力部29、39と、情報入力部29、39から入力された列車の種類及び列車ダイヤを含む列車情報に基づいて、通常の列車運行時間帯から保守作業時間帯に移行したと判断した場合に、少なくとも二回線のうち、所定のいずれか一回線に接続された伝送装置(220、320)同士を、音声帯域を利用する音声帯域通信機器240、340とそれぞれ並列に接続された音声帯域を使用しない他の伝送装置(230、330)同士にそれぞれ切り替える指示を発する制御部26、36とにより構成される。そして、制御部の指示に基づいて切り替わった伝送装置230、330及び接続された音声帯域通信機器240、340が通信を行う。
【0035】
伝送装置210、220は、音声帯域から数百キロヘルツまでの周波数帯域を使用して上下対称伝送を行う。伝送装置230は、音声帯域を使用せず、それより上の周波数帯域を使用して上下非対称伝送を行う。
【0036】
図3における制御部26,36の特徴は、情報入力部29、39から入力された列車の種類及び列車ダイヤを含む列車情報に基づいて、通常の列車運行時間帯から保守作業時間帯に移行したと判断した場合に、少なくとも二回線のうち、所定のいずれか一回線に接続された伝送装置(220、320)同士を、音声帯域を利用する音声帯域通信機器240、340とそれぞれ並列に接続された音声帯域を使用しない他の伝送装置(230、330)同士にそれぞれ切り替える指示を発することにある。
【0037】
図3においては、回線は常時2本使用することとする。図3の通信システムは、保守作業時間帯は一方の回線の伝送方式を音声帯域を使用しない非対称伝送のものに変更し、保守作業の連絡用等として準備されている、音声帯域使用のシステムと共存させる。これによって、実質的には二つのシステムを二回線使用して伝送することになるため、回線使用数は最低限に抑えることが可能となる。
【0038】
ここで、図4を参照する。図4は、本発明に係る通信システム10の切り替えの構成を示す図である。図1から図3と同一符号は同じ意味である。図4においては、図3で説明した伝送装置の切り替えに関して切替スイッチ410、420、430、440が示されており、この切替スイッチ410、420、430、440が、伝送装置220、320と伝送装置230、330とを切り替えるものである。
【0039】
さらに、図5を参照する。図5は、切替スイッチ410、420の内部構造を示す図である。切替スイッチ430、440も同じ構造を有する。図5(A)により、切替スイッチ410は内部にスイッチ1及びスイッチ2を備えている状態が示され、図5(B)により、切替スイッチ420は内部にスイッチ3及びスイッチ4を備えている状態が示されている。
【0040】
スイッチ1は、回線60で伝送装置220を使用する場合にオンとなり、伝送装置230を使用する場合にはオフとなる。スイッチ2は、回線60で伝送装置230を使用する場合にオンとなり、伝送装置220を使用する場合にオフとなる。スイッチ3は、回線60で伝送装置220を使用する場合にオンとなり、伝送装置230を使用する場合にはオフとなる。また、スイッチ4は、回線60で伝送装置230を使用する場合にオンとなり、伝送装置220を使用する場合にはオフとなる。
【0041】
図6は、本発明に係る通信システムのうち、A駅20側のブロック図である。今までの図と同一符号は同じ意味である。図6には、さらに、伝送装置220と伝送装置230とが切り替わった場合に伝送装置230と音声帯域通信機器240とはスプリッタ600を介して接続されている状態が示されている。スプリッ600は、伝送装置220から送受信される信号と、音声帯域通信機器240の音声帯域信号の合成分離を行う。
【0042】
図7は、本発明に係る通信システムを構成するA駅側の制御部周辺のブロック図である。基本的にB駅側も同様の構成である。図7には、図3、図4及び図6で示した制御部26の内部機能ブロック図が示されており、同一符号は同じ意味である。制御部26は、伝送品質の劣化をもたらす列車及びその列車ダイヤに基づいて作成された所定列車情報データベース266を記憶する記憶領域264と、時刻を計時するクロック262とを備える。
【0043】
記憶領域264は、A駅B駅間を通過する全列車及びその列車ダイヤに基づいて作成された所定列車情報データベース266を記憶する。また、クロック262は、時刻を計時する。
【0044】
そして、制御部26が、クロック262と所定列車情報データベース情報266に基づいて、
通常の列車運行時間帯から保守作業時間帯に移行したと判断する。
【0045】
また、情報入力部29が列車の運行を管理する指令所端末40と接続され、指令所端末40からの情報を受信して入力する。指令所は、管轄する区域内のすべての列車の運行を監視する。例えば線路の一区間を通過するときに電流回路が形成されることで列車の通過を検知するようにし、その場合に列車の通過情報を指令所端末40に通知するように構成すると列車の現在位置及びある地点の通過時刻が分かる。管轄する区域内のすべての列車の運行を監視してダイヤの乱れを検知することができるので、指令所端末40は、情報入力部29に対して通常の列車ダイヤに乱れがあった場合に最新の列車ダイヤを送信することができる。これにより通常は保守の時間帯であるとしてもダイヤの乱れによって遅延列車のダイヤも記憶領域264に格納されるため保守時間帯に移行してもまだ未到着列車があることがわかる。
【0046】
図3及び図4では、それぞれの伝送装置24、34にそれぞれ制御部26、36を接続した状態で説明しているが、制御部26、36のうち、いずれか一方の制御部が指示を発し、他方の制御部はその指示を受けて自己が接続されている伝送装置に指示するものであってもよい。また情報入力部からの入力についてもA駅20側、B駅30側のいずれか一方のみ機能させ、他方は当該一方からの情報を受けるように構成することも可能である。
【0047】
情報入力部29より列車ダイヤ及び保守時間の情報が制御部26に送られ、制御部26で、現在時刻と列車ダイヤ、保守時間を参照し、確かに列車が来ないこと、保守時間であることを確認して、図5における切替スイッチ2と切替スイッチ4をオンし、切替スイッチ1と切替スイッチ3をオフする。
【0048】
回線50は伝送装置210によって伝送され、回線60は、音声周波数帯域を使用しない伝送装置230を使用して伝送する。また、保守作業用の音声帯域通信機器240を伝送装置230と並列に接続し、回線60は、常時使用システムと保守作業用音声帯域通信機器で共用する。
【0049】
図3、図4、図6、図7では、それぞれの伝送装置24、34にそれぞれ制御部26、36を接続した状態で説明しているが、制御部26、36のうち、いずれか一方の制御部が指示を発し、他方の制御部はその指示を受けて自己が接続されている伝送装置に指示するものであってもよい。また情報入力部29からの入力についてもA駅20側、B駅30側のいずれか一方のみ機能させ、他方は当該一方からの情報を受けるように構成することも可能である。
【0050】
その場合、制御部26が、通信回線50を介して接続されている制御部36に対して、所定の時刻又は所定の時間経過後のいずれかの時に通信回線に接続されている伝送装置を切り替えるよう指示することにより、通信回線を通じて接続されている伝送装置同士の切替の同期をとることができる。
【0051】
図8は、本発明に係る通信方法を示すフローチャートである。図8には、列車運行区間内のニ点間で通信回線を通じて互いに通信する伝送装置を制御して通信を行う通信方法が示されており、二点間の領域に列車が接近する時刻か否か判断する列車接近判断ステップ(S810)と、列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であるか否か判断する所定列車判断ステップ(S830)と、所定列車判断ステップ(S830)により、列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であると判断された場合には、伝送装置の伝送速度を低下させる指示を行う伝送速度低下指示ステップ(S840)と、二点間の領域を通過した後に(S850)、伝送装置の伝送速度を回復させる指示を行う伝送速度回復指示ステップ(S860)を含む。
【0052】
列車接近判断ステップ(S810)は、二点間の領域に列車が接近する時刻か否か判断する。所定列車判断ステップ(S830)は、列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であるか否か判断する。伝送速度低下指示ステップ(S840)は、所定列車判断ステップ(S830)により、列車が通信品質の低下を招くとして予め定められた所定の列車であると判断された場合には、伝送装置の伝送速度を低下させる指示を行う。伝送速度回復指示ステップ(S860)は、二点間の領域を通過した後に(S850)、伝送装置の伝送速度を回復させる指示を行う。
【0053】
また、図8に示したフローチャートには、列車運行区間内の2点間で少なくとも二回線の通信回線を通じてそれぞれが互いに通信する伝送装置を制御して通信を行う通信方法も示されている。すなわち、予め定められた通常の列車ダイヤで列車が運行されている時間帯か保守時間帯かを判断する時間帯判断ステップ(S810)と、時間帯判断ステップ(S810)により、通常の列車ダイヤの時間帯ではなく保守時間帯であると判断された場合に、通常の列車ダイヤから変更された列車ダイヤにより到着するべき列車が到着しているか否か判断する未到着列車判断ステップ(S870)と、未到着列車判断ステップ(S870)により、未到着列車がない状態であると判断された場合に、少なくとも二回線のうち、所定のいずれか一回線に接続された伝送装置同士を、音声帯域を利用する音声帯域通信機器とそれぞれ並列に接続された音声帯域を使用しない他の伝送装置同士にそれぞれ切り替えるよう指示する切替指示ステップ(S890)と、切替指示ステップに基づいて伝送装置を切り替える切替ステップ(S895)とを含み、切替ステップ(S895)により伝送装置が切り替えられた後、保守時間帯の終了後に切替を元に戻す切替回復ステップ(S910)も含まれる。
【0054】
時間帯判断ステップ(S810)は、予め定められた通常の列車ダイヤで列車が運行されている時間帯か保守時間帯かを判断する。未到着列車判断ステップ(S870)は、時間帯判断ステップ(S810)により、通常の列車ダイヤの時間帯ではなく保守時間帯であると判断された場合に、通常の列車ダイヤから変更された列車ダイヤにより到着するべき列車が到着しているか否か判断する。
【0055】
切替指示ステップ(S890)は、未到着列車判断ステップ(S870)により、未到着列車がない状態であると判断された場合に、少なくとも二回線のうち、所定のいずれか一回線に接続された伝送装置同士を、音声帯域を利用する音声帯域通信機器とそれぞれ並列に接続された音声帯域を使用しない他の伝送装置同士にそれぞれ切り替えるよう指示する。
【0056】
切替ステップ(S895)は、切替指示ステップに基づいて伝送装置を切り替える。替回復ステップ(S910)は、切替ステップ(S895)により伝送装置が切り替えられた後、保守時間帯の終了後に切替を元に戻す。
【0057】
切替指示ステップ(S890)及び切替回復ステップ(S910)は、通信回線を介して接続されている伝送装置のうち、いずれか一方が他方に対して、所定の時刻又は所定の時間経過後のいずれかの時に通信回線に接続されている伝送装置を切り替えるよう指示するようにすれば、回線60を通じて接続されている伝送装置同士の切替の同期をとることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、通信品質を可能な限り向上させた通信システムであるため、通信分野での利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る通信システムの実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る通信システムを構成するA駅側の制御部周辺のブロック図である。
【図3】本発明に係る通信システムの他の実施の一形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る通信システムの切り替えの構成を示す図である。
【図5】切替スイッチの内部構造を示す図である。
【図6】本発明に係る通信システムのうち、A駅側のブロック図である。
【図7】本発明に係る通信システムを構成するA駅側の制御部周辺のブロック図である。
【図8】本発明に係る通信方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 通信システム
20 A駅
22 各種端末・各種システム
24 伝送装置
26 制御部
28 システム入出力部
29 情報入力部
30 B駅
32 各種端末・各種システム
34 伝送装置
36 制御部
38 システム入出力部
39 情報入力部
40 指令所端末
50 回線
210~230 伝送装置
240 音声帯域通信機器
310~330 伝送装置
340 音声帯域通信機器
410~440 切替スイッチ
600 スプリッタ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7