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明細書 :磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4647527号 (P4647527)
公開番号 特開2007-256019 (P2007-256019A)
登録日 平成22年12月17日(2010.12.17)
発行日 平成23年3月9日(2011.3.9)
公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
発明の名称または考案の名称 磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置
国際特許分類 G01M  17/08        (2006.01)
FI G01M 17/00 F
請求項の数または発明の数 4
全頁数 6
出願番号 特願2006-079536 (P2006-079536)
出願日 平成18年3月22日(2006.3.22)
審査請求日 平成20年7月11日(2008.7.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】渡邉 健
【氏名】星野 宏則
【氏名】鈴木 江里光
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】福田 裕司
参考文献・文献 特開平05-022809(JP,A)
特開平05-281281(JP,A)
特開2002-014012(JP,A)
特開平10-281936(JP,A)
特開平09-105706(JP,A)
特開平05-281096(JP,A)
特表2003-507731(JP,A)
独国特許出願公開第19903132(DE,A1)
調査した分野 G01M 17/08
特許請求の範囲 【請求項1】
連接構造を有する磁気浮上式鉄道の車体間に配置される台車の運動を再現するとともに、非接触の磁気ばねの連成を模擬するパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構を配置することを特徴とする磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置において、前記パラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構には、走行速度・台車間隔に応じた位相差を有する外乱を入力することを特徴とする磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置。
【請求項3】
請求項1記載の磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置において、前記磁気ばねのパラメータの変更を容易にしたことを特徴とする磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置。
【請求項4】
請求項1記載の磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置において、前記台車の運動に伴い、前記台車よりばね・ダンパ機構によって支持された車体の前後x軸方向、左右y軸方向、上下z軸方向、前後x軸回りのロール、左右y軸回りのピッチ、上下z軸回りのヨーが連成する振動を模擬することを特徴とする磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導磁気浮上式鉄道車両の走行中の台車運動および車体運動を模擬する連接車両用振動模型装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超電導磁気浮上式鉄道車両は、車上の超電導磁石と地上の地上コイルが高速で相対運動することにより発生する非接触の磁気ばねにより支持されている(下記特許文献1、2参照)。

【特許文献1】特開平5-022809号公報
【特許文献2】特開平5-281281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、超電導磁気浮上式鉄道車両の1次支持系(台車~ガイドウェイ間)は、磁気浮上している走行時は、非接触の磁気ばねで構成されており、この磁気ばねは、車上側の超電導磁石と地上側の地上コイルが高速で相対運動することにより発生するため、定置の試験装置での再現は困難である。
【0004】
また、この磁気ばねは、前後xと上下zとy軸周りのピッチ、左右yとx軸回りのロールとz軸回りのヨーが連成する特性を有しており、例えば、左右y方向に変位した場合は、左右y方向の力が発生する以外に、x軸回りのロールおよびz軸回りのヨーの回転モーメントも発生する。さらに、磁気ばねは、車両重量や超電導磁石の励磁電流や超電導コイル~地上コイル間空隙等のパラメータが変動することにより、そのばね定数が変化する特性を有している。磁気ばねはこのような特性を有しているため、各種の走行状態を模擬する必要がある試験装置では、コイルばねや空気ばねのような機械ばねを用いてこの磁気ばね特性を再現することは困難である。
【0005】
そのため、連接構造を有する超電導磁気浮上式鉄道車両の走行中の台車運動および車体運動を模擬する有効な振動模型装置はこれまで存在していないのが現状であった。すなわち、本発明は、上記状況に鑑みて、超電導磁気浮上式鉄道の連接車両の台車運動および車体運動を再現可能な連接車両用振動模型装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置において、連接構造を有する磁気浮上式鉄道の車体間に配置される台車の運動を再現するとともに、非接触の磁気ばねの連成を模擬するパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構を配置することを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載の連接構造を有する磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置において、前記パラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構には、走行速度・台車間隔に応じた位相差を有する外乱を入力することを特徴とする。
【0008】
〔3〕上記〔1〕記載の連接構造を有する磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置において、前記磁気ばねのパラメータの変更を容易にしたことを特徴とする。
【0009】
〔4〕上記〔1〕記載の連接構造を有する磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置において、前記台車の運動に伴い、前記台車よりばね・ダンパ機構によって支持された車体の前後x軸方向、左右y軸方向、上下z軸方向、前後x軸回りのロール、左右y軸回りのピッチ、上下z軸回りのヨーが連成する振動を模擬することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、連接構造を有する超電導磁気浮上式鉄道車両の台車運動および車体運動を再現可能である。それにより、例えば、車体曲げ振動現象の解明や、振動制御適用による乗り心地向上効果の検討に資することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置は、磁気浮上式鉄道車両の車体間に配置される台車の運動を再現する、非接触の磁気ばねを模擬するパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構を配置する。また、車体は現車同様に台車よりばね・ダンパ機構を用いて支持される。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施例を示す磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置の模式図、図2は磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置のパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構とその制御装置を示す図である。
【0014】
これらの図において、1は複数車体が連接している磁気浮上式鉄道車両、2はその連接している車体1の間に配置される台車、3は磁気浮上式鉄道車両1と台車2との間に配置される車体支持ばね、4はその台車2に加わる磁気ばねに相当し、台車運動を模擬するパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構であり、ガイドウェイ5と台車2間に配置される。また、パラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構4にはアクチュエータ13が配置されており、そのアクチュエータ13にはアクチュエータ駆動用油圧源6と油圧系統7が接続されるとともに、アクチュエータ13を制御する制御装置8と制御系統9が接続されている。
【0015】
そして、図2に示すように、このパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構4は、超電導磁気浮上式鉄道車両の台車の運動を模擬するため、6自由度(前後x、左右y、上下z、x軸回りのロール、y軸回りのピッチ、z軸回りのヨー)の動きができる。つまり、台車2の運動を模擬するパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構4は、ベース11と台車2との間に6個のリンク12を備えており、それらのリンク12にはそれぞれアクチュエータ13が配置されており、それらのアクチュエータ13は伸縮アーム14を有している。また、油圧サーボバルブ15が配置されており、これには油圧系統7が接続されいる。さらに、油圧サーボバルブ15には制御プログラム22を有する制御装置8が接続されており、制御プログラム22に従って、油圧サーボバルブ15が制御されることにより、パラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構4は、超電導磁気浮上式鉄道車両の台車の運動を模擬した、6自由度(前後x、左右y、上下z、x軸回りのロール、y軸回りのピッチ、z軸回りのヨー)の動きができる。
【0016】
なお、制御装置8内には制御プログラム22以外に、CPU22、車体間隔、車体重量、走行速度、磁気パラメータなどが記憶された記憶装置23、出力インターフェース24、入力装置25、表示装置26などが備えられている。
【0017】
このように、制御装置8の制御プログラム22に従ってパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構4は駆動され、台車2に走行速度・台車間隔などに応じた位相差を有する外乱情報10を入力し、走行中の台車運動を再現する。車体~台車間の2次支持系は、現在の車両と同様に、空気ばね・油圧ダンパ等から構成され、車体運動を再現する。
【0018】
このように、本発明によれば、パラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構4により台車運動を再現できる。その場合に、磁気ばね等のパラメータの変更は入力装置25から容易に行うことができる。つまり、走行速度の変化や車体重量増加等による磁気ばね定数の変化を模擬することができる。
【0019】
また、本発明によれば、車体曲げ振動を模擬することができ、振動制御適用による車体振動低減策の検討を行うためのツールとして利用できる。
【0020】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置は、高周波領域における乗り心地評価を行う連接車両用振動模型装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例を示す磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す磁気浮上式鉄道の連接車両用振動模型装置のパラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構とその制御装置を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 複数車体が連接している磁気浮上式鉄道車両
2 磁気浮上式鉄道車両の車体間に配置される台車
3 車体支持ばね
4 パラレルメカニズムによる6自由度閉ループ機構
5 ガイドウェイ
6 アクチュエータ駆動用油圧源
7 油圧系統
8 制御装置
9 制御系統
10 外乱情報
11 ベース
12 6個のリンク
13 アクチュエータ
14 伸縮アーム
15 油圧サーボバルブ
21 制御部
22 制御プログラム
23 記憶装置
24 出力インターフェース
25 入力装置
26 表示装置
図面
【図1】
0
【図2】
1