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明細書 :電気転てつ機用負荷トルク測定器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4719240号 (P4719240)
公開番号 特開2008-213837 (P2008-213837A)
登録日 平成23年4月8日(2011.4.8)
発行日 平成23年7月6日(2011.7.6)
公開日 平成20年9月18日(2008.9.18)
発明の名称または考案の名称 電気転てつ機用負荷トルク測定器
国際特許分類 B61L   5/06        (2006.01)
FI B61L 5/06
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2008-104241 (P2008-104241)
分割の表示 特願平10-349498 (P1998-349498)の分割、【原出願日】平成10年12月9日(1998.12.9)
出願日 平成20年4月14日(2008.4.14)
審査請求日 平成20年5月7日(2008.5.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】櫻井 育雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100079201、【弁理士】、【氏名又は名称】石井 光正
審査官 【審査官】白石 剛史
参考文献・文献 特開平04-154474(JP,A)
特開平08-268282(JP,A)
実開平07-018231(JP,U)
調査した分野 B61L 1/00-29/00
特許請求の範囲 【請求項1】
鉄道の分岐器を転換鎖錠する電気転てつ機の負荷の大きさを測定する負荷トルク測定器において、
電気転てつ機を駆動するモータの駆動電流及び電圧を測定する手段と、
モータの駆動電流及び電圧から動的負荷トルクに換算するための換算用データを記憶した手段と、
その記憶されている換算用データを基に前記電気転てつ機の転換中に測定したモータの駆動電流及び電圧の値から動的負荷トルクに換算して、その換算した動的負荷トルク記憶又は表示する手段と、
前記測定したモータの駆動電流の変化から電気転てつ機の動作かんのストロークを推定するストローク推定手段と、
を有することを特徴とする電気転てつ機用負荷トルク測定器。
【請求項2】
請求項1記載の電気転てつ機用負荷トルク測定器において、
負荷トルク測定器に計測モードと判定値設定モードの任意の一方を指示する手段を設けて、その負荷トルク測定器を判定値設定モードに指示した後に電気転てつ機を人為的に転換不能状態にさせ、予めクラッチがすべりを開始する直前に計測したモータの駆動電流及び電圧の値から換算された動的負荷トルクの値を判定値として記憶させ、その負荷トルク測定器を計測モードに切り換えて計測されたモータの駆動電流及び電圧の値から換算された動的負荷トルクと共に記憶又は表示させ、あるいは、前記判定値と前記動的負荷トルクとの比較値を記憶又は表示させる手段を備えたことを特徴とする電気転てつ機用負荷トルク測定器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された電気転てつ機用負荷トルク測定器において、換算された動的負荷トルクから動作かんの転換中の力を推定する転換力推定手段を付加したことを特徴とする電気転てつ機用負荷トルク測定装置。
【請求項4】
鉄道の分岐器を転換鎖錠する電気転てつ機の負荷の大きさを測定する負荷トルク測定器において、
その負荷トルク測定器は、携帯可能な大きさに形成してあり、
電気転てつ機の筐体を開けてモータの端子盤の端子に着脱自在に接続するための接続端子を備えた電圧測定回路及び電流測定回路を含むセンサ部と、
前記負荷トルク測定器を測定モード、判定値設定モード又は出力モードに設定する入力部と、
前記センサ部で測定された前記モータの駆動電圧及び電流の測定値から動的負荷トルクに換算するための換算用データ等を記憶する記憶部と、
前記測定モードに設定されている場合は、前記電気転てつ機の転換中に測定した前記モータの駆動電圧及び電流の測定値から前記換算用データを用い換算して得た動的負荷トルクを測定値として前記記憶部に記憶させ、前記判定値設定モードに設定されている場合は、電気転てつ機を人為的に転換不能状態にさせ、クラッチがすべりを開始する直前に測定した前記モータの駆動電圧及び電流の測定値から前記換算用データを用いて換算して得た動的負荷トルクを判定値として前記記憶部に記憶させ、前記測定値と前記判定値とを比較演算する演算部と、
前記記憶部に記憶された動的負荷トルクの測定値及び判定値、あるいは測定値と判定値と較値を表示する表示部と、
測定されたモータの駆動電流の変化から電気転てつ機の動作かんのストロークを推定するストローク推定手段と、
を有することを特徴とする電気転てつ機用負荷トルク測定器。
【請求項5】
請求項4に記載された電気転てつ機用負荷トルク測定器において、
記憶部に記憶された動的負荷トルクの測定値と判定値とを外部機器に出力するための外部機器接続部が付加されていることを特徴とする電気転てつ機用負荷トルク測定器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道の分岐器を転換鎖錠する電気転てつ機がモータによって駆動されるときの負荷トルクである動的負荷トルクを測定するための電気転てつ機用負荷トルク測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気転てつ機用負荷トルク測定器(以下、「負荷トルク測定器」という)としては、例えば、特開平9-142303号公報に示されるような手動ハンドル型が知られている。
【0003】
この従来の手動ハンドル型の負荷トルク測定器は、電気転てつ機の駆動用のモータと動作かんを駆動する転換ローラとの間に設けられている歯車機構の一つの回転軸に接続されるように構成されている。そして、手動ハンドルを回転したときの力をトルクメータの目盛で直読して、又は、特開平9-142303号公報に示されるように、手動ハンドルを回転したときの力をストレインゲージ等のセンサを用いて電気的に計測して、電気転てつ機の手回しによる負荷トルクである静的負荷トルクを測定するようにしている。
【0004】
また、電気転てつ機の負荷トルクは、電気転てつ機の駆動用のモータの電流の二乗に比例することを利用して、その電流の挙動を監視して電気転てつ機を監視する電気転てつ機監視装置も提案されている(例えば、特開平2-197460号公報)。

【特許文献1】特開平9-142303号公報
【特許文献2】特開平2-197460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のハンドル型の負荷トルク測定器は、大型で持運びに不便であるだけでなく、ハンドルを負荷トルクの測定に影響を与えないように等速で回転させる必要があり、また、その回転に際しては、電気転てつ機の歯車機構側の回転軸と負荷トルク測定器側の回転軸とを一直線に保ちながら回転しなければならないので、負荷トルクの測定に熟練を必要とし、負荷トルク値の再現性に問題があった。
【0006】
また、電気転てつ機を手動で転換したときと本来の駆動源であるモータで転換したときとでは、分岐器の負荷の大きさが慣性等の影響を受けて異なるため、実体に合った負荷トルクの測定ができないという問題点があった。
【0007】
このような問題点を解決するために、電気転てつ機の駆動用のモータの電流を計測して負荷トルクを測定することも考えられるが、本出願人が、先に、特開平4-154474号公報で指摘しているように、電気転てつ機の負荷トルクは、電圧によっても大きく影響を受けるので、単にモータの電流を計測するだけでは、電気転てつ機の負荷トルクを正確に測定できないという問題点を含んでいる。
【0008】
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、小型軽量で現場への持運びが容易であるとともに、正確に電気転てつ機の負荷トルクを測定することのできる負荷トルク測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、鉄道の分岐器を転換鎖錠する電気転てつ機の負荷の大きさを測定する負荷トルク測定器において、(a)電気転てつ機を駆動するモータの駆動電流及び電圧を測定する手段と、(b)モータの駆動電流及び電圧から動的負荷トルクに換算するための換算用データを記憶した手段と、(c)その記憶されている換算用データを基に前記電気転てつ機の転換中に測定したモータの駆動電流及び電圧の値から動的負荷トルクに換算して、その換算した動的負荷トルク記憶又は表示する手段と、(d)前記測定したモータの駆動電流の変化から電気転てつ機の動作かんのストロークを推定するストローク推定手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明は、上記負荷トルク測定器において、(e)負荷トルク測定器に計測モードと判定値設定モードの任意の一方を指示する手段を設けて、(f)その負荷トルク測定器を判定値設定モードに指示した後に電気転てつ機を人為的に転換不能状態にさせ、予めクラッチがすべりを開始する直前に計測したモータの駆動電流及び電圧の値から換算された動的負荷トルクの値を判定値として記憶させ、(g)その負荷トルク測定器を計測モード側に切り換えて計測されたモータの駆動電流及び電圧の値から換算された動的負荷トルクと共に記憶又は表示させ、あるいは、前記判定値と前記動的負荷トルクとの比較値を記憶又は表示させる手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明は、上記負荷トルク測定器において、(h)換算された動的負荷トルクから動作かんの転換中の力を推定する転換力推定手段を有することを特徴としている。
【0012】
また、本発明は、上記目的を達成するために、(i)その負荷トルク測定器は、携帯可能な大きさに形成してあり、(j)電気転てつ機の筐体を開けてモータの端子盤の端子に着脱自在に接続するための接続端子を備えた電圧測定回路及び電流測定回路を含むセンサ部と、(k)前記負荷トルク測定器を測定モード、判定値設定モード又は出力モードに設定する入力部と、(l)前記センサ部で測定された前記モータの駆動電圧及び電流の測定値から動的負荷トルクに換算するための換算用データ等を記憶する記憶部と、(m)前記測定モードに設定されている場合は、前記電気転てつ機の転換中に測定した前記モータの駆動電圧及び電流の測定値から前記換算用データを用い換算して得た動的負荷トルクを測定値として前記記憶部に記憶させ、前記判定値設定モードに設定されている場合は、電気転てつ機を人為的に転換不能状態にさせ、クラッチがすべりを開始する直前に測定した前記モータの駆動電圧及び電流の測定値から前記換算用データを用い換算して得た動的負荷トルクを判定値として前記記憶部に記憶させ、前記測定値と前記判定値とを比較演算する演算部と、(n)前記記憶部に記憶された動的負荷トルクの測定値及び判定値、あるいは測定値と判定値と較値を表示する表示部と、(d)測定されたモータの駆動電流の変化から電気転てつ機の動作かんのストロークを推定するストローク推定手段とを有することを特徴としている。
【0013】
本発明は、上記負荷トルク測定器において、(o)記憶部に記憶された動的負荷トルクの測定値と判定値とを外部機器に出力するための外部機器接続部が付加されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、負荷トルク測定器は、電気転てつ機を駆動するモータの駆動電流及び電圧を測定する手段と、モータの駆動電流及び電圧からトルク換算するデータを記憶した手段と、その記憶されているデータを基に転換中に測定したモータの駆動電流及び電圧の値からトルク換算を行って、動的負荷トルクとして記憶又は表示する手段とを有するほか、測定されたモータの駆動電流の変化から電気転てつ機の動作かんのストロークを推定するストローク推定手段を有するので、簡単に、かつ、正確に電気転てつ機の動的負荷トルクを計測することができるとともに、動作かんのストロークを推定することができる。
【0015】
また、負荷トルク測定器を計測側又は判定値設定側に切り換えを指示する手段を設けて、その負荷トルク測定器を判定値設定側に指示した後に電気転てつ機を人為的に転換不能状態にさせ、クラッチがすべりを開始する直前に計測したモータの駆動電流及び電圧を用いてトルク換算された動的負荷トルクの値を判定値として記憶させ、その負荷トルク測定器を計測側に切り換えて計測されたモータの駆動電流及び電圧の値からトルク換算された動的負荷トルクと共に記憶又は表示させ、あるいは、判定値と動的負荷トルクとの比較した値を記憶又は表示させる手段を有するときは、電気転てつ機の転換状態を正確に判定することができる。
【0016】
また、換算された動的負荷トルクから動作かんの転換中の力を推定する転換力推定手段を有するときは、動作かんの転換中の力を簡単に、かつ、正確に推定することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、負荷トルク測定器は、携帯可能な大きさに形成されているので、電気転てつ機が設置されている現地ごとに負荷トルク測定器を持ち込んで接続端子をその電気転てつ機のモータの端子盤に接続して、簡単に、かつ、正確に電気転てつ機の動的負荷トルクを計測し、転換状態を正確に判定することができる。従って、負荷が大きい場合は、その場で原因調査や対策を行うことができる。また、測定されたモータの駆動電流の変化から電気転てつ機の動作かんのストロークを推定するストローク推定手段を有するので、簡単に、しかも、正確に動作かんのストロークを推定することができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、記憶部に記憶された動的負荷トルクの測定値と判定値とを外部機器に出力するための外部機器接続部が付加されているので、負荷トルク測定器をパソコン等に接続して、負荷トルク測定器の記憶部に記憶されたデータを用いて電気転てつ機の状態を解析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、一実施の形態に係る負荷トルク測定器の概略構成を示すブロック図である。
【0020】
図1中、aは電気転てつ機であり、この電気転てつ機aを駆動するための交流100Vで駆動されるモータMを有している。このモータMが、本発明に係る負荷トルク測定器1の測定対象となる。
【0021】
負荷トルク測定器1は、センサ部10と処理部20とから構成されていて、鉄道の保守作業員等の係員が携帯できる大きさに形成されている。センサ部10には、モータMの駆動電圧を測定するための電圧測定回路11と、モータMの駆動電流を測定するための電流測定回路12とが含まれている。
【0022】
センサ部10からは、図2(a)に示されるように、3個のクリップ付き接続端子10a,10b,10cが外部に突出して設けられている。これら接続端子10a,10b,10cは、図2(b)に示されるように、電気転てつ機aの筐体の一部を開けたときに現われる端子盤a′の端子T1 ,T2 ,T3 にそれぞれ接続できるように構成されている。
【0023】
すなわち、各接続端子10a,10b,10cのうち、接続端子10a,10cは、端子盤a′からモータMの保護ヒューズFを取外した後の端子T1 ,T2 にそれぞれ接続されるとともに、残りの接続端子10bは、端子盤a′の電圧測定用の端子T3 に接続される。なお、センサ部10には、取外された保護ヒューズFの代りとなるヒューズF′が設けられている(図2(b)参照)。
【0024】
端子T1 ,T2 から取込まれた駆動電流は、電流計測回路12を介して後述するアナログ/デジタル(A/D)変換回路23に、また、端子T2 ,T3 を介して取込まれた駆動電圧は、電圧計測回路11を介して、同様に、A/D変換回路23に取込まれるように構成されている。
【0025】
処理部20は、CPUからなる演算部21を中心に構成されている。この演算部21は、記憶部22に格納されているシステムプログラム、後述する換算テーブル及びワーキングデータを用いて所定の演算処理を行うことができるように構成されている。
【0026】
図1中のA/D変換回路23は、上記センサ部10で測定した駆動電流及び電圧をA/D変換して演算部21に取込むためのものであり、入力部24は、処理部20を測定モードや判定値設定モードや表示モード等の各種モードに設定したりするキー及び所定の値を入力できるテンキーからな
【0027】
図1中、25は、出力部の一例としての、液晶からなる表示部であり、測定結果、すなわち、演算部21の演算結果を表示することができるように構成されている。また、26は、外部機器接続部であって、負荷トルク測定器1をプリンタやパソコン(パーソナルコンピュータ)等の外部機器に接続する接続端子から構成されている。すなわち、この外部機器接続部26を介することにより、演算部21の演算結果を外部に出力したり、あるいは、記憶部22に記憶されている測定データを用いて外部機器を介して出力できるように構成されている。したがって、本発明で表示というときは、負荷トルク測定器1(処理部20)内で測定結果を出力するときと、外部機器を介して出力するときの両方を含んでいる。
【0028】
図3は、記憶部22に予め記憶されている換算テーブル(データ)の一例である。この換算テーブルは、動作かんを転換中の動的負荷トルクは、モータMの駆動電流(モータ電 流)が同一でも駆動電圧が異なれば異なることを表している。なお、この図3では、図面 を簡略化するために、3種類の電圧V1 ,V2 ,V3 しか示されていないが、実際の現場における電気転てつ機に現われる電圧に対処できるように、すなわち、機器室に近い場所に設置されて電圧の高いものから、機器室から遠く離れた場所に設置されて電圧の低いものまで対処できるように多数のデータが用意されている。
【0029】
なお、上述の換算テーブルは、データ量が多くなるので、所定の換算式の形のデータとして記憶部22に記憶しておくことができる。この所定の換算式は、本発明者の知見によって得られたもので、例えば、図3の電圧V2 を基準とするとき、図3の電圧V1 又はV3 における負荷トルクは、所定の換算式を用いると基準とする電圧V2 の負荷トルクに換算できるようにしたものである。この換算式を用いたときは、記憶部22の記憶容量を小さくすることができる。
【0030】
上述の換算テーブル又は換算式のデータ(本発明においては、これらを換算用データと 総称する。)は、図示しないマイコンを用いて作成される。そして、その作成された換算 用データは、負荷トルク測定器1を入力部24を介して入力モードに設定し、外部機器接続部26を介して記憶部22に記憶される。もちろん、上述の作成された換算用データは、記憶部22のROMに設定しておくこともできる。
【0031】
次に、図4のフローチャートを用いて測定制御動作について説明する。本発明に係る負荷トルク測定器1は、測定対象である電気転てつ機が設置されている現場に持ち込まれ、先ず、入力部24を介して負荷トルク測定器1が判定値設定モードかモータMの駆動電流及び電圧の測定モードかに設定される。なお、ここでは、最初に測定モードに設定している(ステップ100。以下、ステップを「S」とする。)。測定に当たっては、電気転てつ機aの筐体の一部を開けてセンサ部10の3個の接続端子10a,10b,10cが図2(b)に示されるように、端子T1 ,T2 ,T3 にそれぞれ接続される。
【0032】
次いで、電気転てつ機aの端子盤a′に設けられている図示しない手動スイッチが押下されると、図5に示すように、モータMの駆動が開始されて動作かん(図示せず)の転換が開始され、その転換が終了するまでの間(図5の測定区間)の駆動電流及び電圧がセンサ部10を介して測定されるとともに、記憶部22に記憶されている換算用データを用いて動的負荷トルクに換算されて、動的負荷トルクの測定値データとして、記憶部22に記憶される(S102、S104、S106否定、S108)。
【0033】
記憶部22に記憶された負荷トルクの測定値データは、必要に応じて負荷トルク測定器1を出力モードに設定して表示部25に表示させて現場において確認することができる(S112)。もちろん、負荷トルク測定器1を現場から事務所に移動し、事務所のパソコン等に接続して表示あるいはプリントアウト等することができる。
【0034】
負荷トルク測定器1に判定値を記憶させるときは、100において、負荷トルク測定器1が入力部24を介して判定値設定モードに設定される。この判定値設定に当っては、動作かんが転換不能となるように操作して、例えば、基本レールとトングレールとの間に介在物を設けた状態で、手動スイッチが押下される。
【0035】
手動スイッチが押下されると、モータMの駆動が開始されるが、動作かんの動作が阻止されているので、歯車機構中に設けられているクラッチが空転状態となる。この空転状態になる直前の負荷トルク、すなわち、クラッチの最大伝達トルクが判定値データとして記憶部22に記憶される(S102,S104,106肯定、110)。
【0036】
上述のようにして現場において動的負荷トルクの測定値データ及び判定値データが記憶部22に収集された後、負荷トルク測定器1を用いて、又は、負荷トルク測定器1をパソコン等に接続して、電気転てつ機aの状態を解析することができる。なお、上述の動的負荷トルク及び判定値の測定が終了した後、各接続端子10a,10b,10cは、端子T1 ,T2 ,T3 から外されるとともに、端子T1 ,T2 間に保護ヒューズFが装着される。
【0037】
解析としては、種々の解析があるが、その一つとして、動作かんが転換中のトルクの状態の解析がある。動作かんの転換中のトルクの状態の解析は、例えば、表示部25又はパソコンの表示画面(図示せず)に表示して行われる。また、電気転てつ機の状態を知る目安として、動的負荷トルクの測定値が判定値(最大伝達トルク)の何%か(測定値と判定値を比較した値)を表示部25又はパソコンの表示画面に表示して行われる。この場合、 例えば、動的負荷トルクの測定値が判定値に近い場合は、注油等の保守が早急に必要であるなどの注意を表示させることもできる。
【0038】
また、解析処理においては、計測された駆動電流の変化から動作かんのストロークも推定することができ、さらに、算出された動的負荷トルクにおける動作かんの転換力を算出することができる。
【0039】
加えて、負荷トルク測定器1は、モータMの電圧を測定しているので、従来の電気転てつ機の保守管理時に記録していた電圧記録も簡単に入手することができる。
【0040】
上述の解析処理は、表示部25を介して現場において、即、実施することができるが、事務所に帰った後、負荷トルク測定器1を外部機器接続部26を介してパソコン(図示せず)に接続して、さらに高級な解析を行ったり、あるいは、プリンタ(図示せず)に接続して測定結果をプリントアウトすることもできる。
【0041】
なお、図4には、駆動電流と電圧を測定しながらトルク換算していく測定制御フローチャートの一例を示したが、転換開始から転換終了までの電流と電圧を測定して一旦記憶部22に記憶した後に、トルクを表示又は記憶させる際にトルク換算させる処理にしても同等の効果が得られる。したがって、この場合も、本発明の技術的範囲に入ることは言うまでもない。また、駆動電圧や電流の有無やその計測値をトリガーとして自動測定の開始や停止する機能を付加するものであっても同等の効果が得られるので、この場合も、本発明の技術的範囲に入ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係る負荷トルク測定器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】電気転てつ機の筐体を開けたときに現われる端子盤と負荷トルク測定器の接続端子を示す図であって、(a)は端子盤に接続端子を接続する前の状態の平面図、(b)は接続した後の状態を示す平面図である。
【図3】転換テーブルの一例である。
【図4】測定制御動作を示すフローチャートの一例である。
【図5】駆動電流と転換動作との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 電気転てつ機用負荷トルク測定器(負荷トルク測定器)
10 センサ部
10a,10b,10c 接続端子
11 電圧計測回路
12 電流計測回路
20 処理部
21 演算部(CPU)
22 記憶部
23 A/D変換部
24 入力部
25 表示部(出力部)
26 外部機器接続部
a 電気転てつ機
M モータ
a′ 端子盤
T1 ,T2 ,T3 端子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4