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明細書 :すり板の接触力測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4964099号 (P4964099)
公開番号 特開2008-151775 (P2008-151775A)
登録日 平成24年4月6日(2012.4.6)
発行日 平成24年6月27日(2012.6.27)
公開日 平成20年7月3日(2008.7.3)
発明の名称または考案の名称 すり板の接触力測定装置
国際特許分類 G01L   5/00        (2006.01)
B60L   5/08        (2006.01)
FI G01L 5/00 Z
B60L 5/08 B
請求項の数または発明の数 18
全頁数 29
出願番号 特願2007-300432 (P2007-300432)
出願日 平成19年11月20日(2007.11.20)
優先権出願番号 2006316227
優先日 平成18年11月22日(2006.11.22)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年3月10日(2010.3.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】長坂 整
【氏名】小山 達弥
個別代理人の代理人 【識別番号】100104064、【弁理士】、【氏名又は名称】大熊 岳人
審査官 【審査官】田邉 英治
参考文献・文献 特開平01-201103(JP,A)
特開2004-125587(JP,A)
特開平07-212908(JP,A)
特開2006-067710(JP,A)
調査した分野 G01L 5/00- 5/28
B60L 5/00- 5/42
特許請求の範囲 【請求項1】
集電装置のすり板とこのすり板が接触する電車線との間に作用する接触力を測定するすり板の接触力測定装置であって、
前記すり板とこのすり板を弾性支持する弾性支持部との間に着脱自在に装着されて、このすり板から前記接触力を受ける荷重受け部と、
前記荷重受け部に作用する前記接触力を検出する荷重検出部と、
を備えるすり板の接触力測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重受け部は、
前記すり板と前記弾性支持部との間に間隙部を形成するように、これらの間に着脱自在に装着される装着部と、
前記装着部に支持された状態で前記すり板側の接触部と接触し、このすり板側の接触部から前記接触力を受けて弾性変形する前記荷重受け部側の接触部とを備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みを検出する歪みセンサを備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項4】
請求項2に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重受け部は、前記装着部に支持された状態で前記荷重受け部側の接触部と略同一環境下で熱変位する熱変位予定部を備え、
前記荷重検出部の検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の前記熱変位を検出する熱変位検出部を備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みを検出する測定用歪みセンサを備え、
前記熱変位検出部は、前記測定用歪みセンサの検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の歪みを検出する校正用歪みセンサを備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記熱変位検出部は、前記熱変位予定部の歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージ、又は前記熱変位予定部の歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記熱変位予定部は、前記荷重受け部側の接触部と間隔をあけてこの荷重受け部側の接触部の近傍に配置されていること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項8】
請求項2に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重受け部は、前記装着部に支持された状態で前記荷重受け部側の接触部と略同一環境下で熱変位する熱変位予定部を備え、
前記荷重検出部の検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の温度を検出する温度検出部を備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項9】
請求項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みを検出する測定用歪みセンサを備え、
前記温度検出部は、前記測定用歪みセンサの検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の温度を検出する校正用温度センサを備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項10】
請求項又は請求項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記温度検出部は、前記熱変位予定部の温度に応じて電気信号が変化する熱電対を備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項11】
請求項から請求項10までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記熱変位予定部は、前記荷重受け部側接触部と間隔をあけてこの荷重受け部側接触部の近傍に配置されていること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項12】
請求項4から請求項までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重受け部は、前記熱変位検出部に接続される伝送線を前記すり板と前記弾性支持部との間に通過させる通過部を備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項13】
請求項8から請求項11までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重受け部は、前記温度検出部に接続される伝送線を前記すり板と前記弾性支持部との間に通過させる通過部を備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項14】
請求項2から請求項13までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重受け部は、前記荷重検出部に接続される伝送線を前記すり板と前記弾性支持部との間に通過させる通過部を備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項15】
請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記通過部は、前記伝送線が光ファイバであるときに、この光ファイバが直線状に配線されるようにこの光ファイバを通過させること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項16】
請求項3から請求項15までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージ、又は前記荷重受け部側の接触部の歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを備えること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項17】
請求項2から請求項16までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記すり板側の接触部は、前記すり板から前記荷重受け部への熱伝導を遮断する断熱材によって形成されていること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
【請求項18】
請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、
前記すり板は、複数に分割されたすり板であり、
前記弾性支持部は、前記すり板のすり板片を弾性支持するばねであること、
を特徴とするすり板の接触力測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、集電装置のすり板とこのすり板が接触する電車線との間に作用する接触力を測定するすり板の接触力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、新幹線では360km/hでの走行が推進されており、この場合には従来型の新幹線用パンタグラフでは集電性能が不十分であり、この速度域で唯一十分な集電性能をもつ多分割すり板舟体の採用が有力であると考えられている。パンタグラフの集電状態を監視するためには、パンタグラフのすり板と架線のトロリ線との間の接触力を測定する方法が、集電状態の良否を定量的に判断できるという理由から有効である。従来、このような多分割すり板舟体のすり板とトロリ線との間の接触力を測定する方法が開発されている。
【0003】
従来のすり板の接触力測定装置は、多分割すり板舟体のすり板片の両端部を支持する一対のばねの下端部を固定する弾性体と、すり板片に荷重が作用したときにこの弾性体が弾性変形可能なようにこの弾性体を両端部よりも内側で支持する一対の弾性体支持部材と、弾性体の弾性変形によって伸長して反射光の波長が変化する光ファイバなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来のすり板の接触力測定装置では、ばねの下端部と舟体枠との間に間隙部を形成して、この間隙部に弾性体及び弾性体支持部材を配置している。
【0004】

【特許文献1】特開2006-067710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のすり板の接触力測定装置では、ばねを収容するために舟体枠内に形成された空間が僅かである。このため、一対のばねの下端部と舟体枠との間にさらに空間を確保して、弾性体及び弾性体支持部材をこの空間に配置することが困難である。また、従来のすり板の接触力測定装置では、既存の多分割すり板舟体を改造して接触力を測定可能に改造するときには、弾性体及び弾性体支持部材を舟体枠に取り付けるための大規模な改造が必要になる。このため、改造に手間がかかり、作業が煩雑になってコストが高くなる問題点がある。さらに、従来のすり板の接触力測定装置では、すり板片の両端部を一対のばねの上端部で支持する構造であり、一対のばねに作用する荷重を弾性体に伝達させて、この弾性体の歪みを光ファイバによって測定している。このため、2つのばねに対して1つの測定部が設けられているため、測定部からは1つの測定結果しか出力されず、2つのばねに作用する荷重のどちらが測定結果であるのか判別できない問題点がある。
【0006】
この発明の課題は、狭い空間内に簡単に設置可能であり改造が容易で測定精度を向上させることができるすり板の接触力測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図5図7及び図12に示すように、集電装置(4)のすり板(12)とこのすり板が接触する電車線(1)との間に作用する接触力(C)を測定するすり板の接触力測定装置であって、前記すり板とこのすり板を弾性支持する弾性支持部(22)との間に着脱自在に装着されて、このすり板から前記接触力を受ける荷重受け部(26)と、前記荷重受け部に作用する前記接触力を検出する荷重検出部(27;32)とを備えるすり板の接触力測定装置(24)である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のすり板の接触力測定装置において、前記荷重受け部は、前記すり板と前記弾性支持部との間に間隙部(Δ)を形成するように、これらの間に着脱自在に装着される装着部(26b)と、前記装着部に支持された状態で前記すり板側の接触部(25)と接触し、このすり板側の接触部から前記接触力を受けて弾性変形する前記荷重受け部側の接触部(26a)とを備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載のすり板の接触力測定装置において、前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みを検出する歪みセンサを備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2に記載のすり板の接触力測定装置において、図10及び図14に示すように、前記荷重受け部は、前記装着部に支持された状態で前記荷重受け部側の接触部と略同一環境下で熱変位する熱変位予定部(26q)を備え、前記荷重検出部の検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の前記熱変位を検出する熱変位検出部(43;44)を備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載のすり板の接触力測定装置において、前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みを検出する測定用歪みセンサを備え、前記熱変位検出部は、前記測定用歪みセンサの検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の歪みを検出する校正用歪みセンサを備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載のすり板の接触力測定装置において、前記熱変位検出部は、前記熱変位予定部の歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージ、又は前記熱変位予定部の歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、図10及び図14に示すように、前記熱変位予定部は、前記荷重受け部側の接触部と間隔をあけてこの荷重受け部側の接触部の近傍に配置されていることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2に記載のすり板の接触力測定装置において、図15に示すように、前記荷重受け部は、前記装着部に支持された状態で前記荷重受け部側の接触部と略同一環境下で熱変位する熱変位予定部(26q)を備え、前記荷重検出部の検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の温度を検出する温度検出部(46)を備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0015】
請求項9の発明は、請求項に記載のすり板の接触力測定装置において、前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みを検出する測定用歪みセンサを備え、前記温度検出部は、前記測定用歪みセンサの検出結果を校正するために、前記熱変位予定部の温度を検出する校正用温度センサを備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0016】
請求項10の発明は、請求項又は請求項に記載のすり板の接触力測定装置において、前記温度検出部は、前記熱変位予定部の温度に応じて電気信号が変化する熱電対を備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0017】
請求項11の発明は、請求項から請求項10までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、図14に示すように、前記熱変位予定部は、前記荷重受け部側接触部と間隔をあけてこの荷重受け部側接触部の近傍に配置されていることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0018】
請求項12の発明は、請求項4から請求項までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、図10及び図14に示すように、前記荷重受け部は、前記熱変位検出部に接続される伝送線(30B;35B)を前記すり板と前記弾性支持部との間に通過させる通過部(26s)を備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0019】
請求項13の発明は、請求項8から請求項11までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、図15に示すように、前記荷重受け部は、前記温度検出部に接続される伝送線(48)を前記すり板と前記弾性支持部との間に通過させる通過部を備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0020】
請求項14の発明は、請求項2から請求項13までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、図10、図14及び図15に示すように、前記荷重受け部は、前記荷重検出部に接続される伝送線(30;30A;35A)を前記すり板と前記弾性支持部との間に通過させる通過部(26r)を備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0021】
請求項15の発明は、請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、図10及び図15に示すように、前記通過部は、前記伝送線が光ファイバ(30;30A;30B)であるときに、この光ファイバが直線状に配線されるようにこの光ファイバを通過させることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0022】
請求項16の発明は、請求項3から請求項15までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、前記荷重検出部は、前記荷重受け部側の接触部の歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージ、又は前記荷重受け部側の接触部の歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを備えることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【0023】
請求項17の発明は、請求項2から請求項16までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、前記すり板側の接触部は、前記すり板から前記荷重受け部への熱伝導を遮断する断熱材によって形成されていることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
請求項18の発明は、請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載のすり板の接触力測定装置において、前記すり板は、複数に分割されたすり板であり、前記弾性支持部は、前記すり板のすり板片(12a)を弾性支持するばねであることを特徴とするすり板の接触力測定装置である。
【発明の効果】
【0024】
この発明によると、狭い空間内に簡単に設置可能であり改造が容易で測定精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置を備える集電装置の模式図であり、図1(A)は側面図であり、図1(B)は正面図である。
図1に示す架線1は、線路上空に架設される電車線であり、所定の間隔をあけて支持点で支持されている。トロリ線1aは、集電装置4のすり板12が接触する電線であり、すり板12が接触移動することによって車両2に負荷電流を供給する。車両2は、電車又は電気機関車などの電気車であり、例えば高速で走行する新幹線などの鉄道車両である。車体3は、乗客を積載し輸送するための構造物である。
【0026】
集電装置4は、トロリ線1aから電力を車両2に導くための装置であり、台枠5と、碍子6と、枠組7と、舟支え部8と、集電舟(舟体)9などを備えている。台枠5は、枠組7を支持する部分であり、碍子6は車体3と台枠5との間を電気的に絶縁する部材であり、枠組7は集電舟9を支持した状態で上下方向に動作可能なリンク機構である。舟支え部8は、集電舟9を架線1に対して水平に押上げるとともに、図示しないばねによる緩衝作用を与える機構部であり、台枠5が備える図示しない押上げ用ばねによって上方に押上げられる。図1に示す集電装置4は、車両2の進行方向に対して非対称であり、一方向又は両方向に使用可能なシングルアーム式パンタグラフである。
【0027】
図2は、この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置によって接触力が測定される集電舟の一部を省略して示す断面図である。図3は、図2のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。図4は、図2のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。
図1及び図2に示す集電舟9は、すり板12,13を取り付けて支持する部材であり、一般にトロリ線1aと直交する方向に伸びた細長い金属製の部材である。集電舟9は、図1(B)及び図2に示すように、すり板12が複数に分割された多分割すり板舟体であり、すり板12を多数のすり板片12aに分割することによって、架線1と接触して加振されるすり板12の質量を低減し、架線1に対する追従性能を向上させた新幹線用(高速用)パンタグラフの集電舟である。集電舟9は、図3及び図4に示す整流部10と、図1(B)に示すホーン11と、すり板12,13と、図2~図4に示す弾性部14と、導電部15と、舟体枠16と、図3に示すスライド部17と、連結部18と、間隔調整部19と、図3及び図4に示すガイド部20と、ストッパ部21と、図4に示す弾性支持部22と、固定部23などを備えている。
【0028】
図3及び図4に示す整流部10は、気流によって発生する揚力を調整するための部材である。整流部10は、図示しない固定部材によって舟体枠16に着脱自在であり、最適な形状のものと交換することによって集電舟9の断面形状を任意の形状に変更可能である。
【0029】
図1(B)に示すホーン11は、車両2が分岐器を通過するときに、この分岐器の上方で交差する2本のトロリ線1aのうち車両2の進行方向とは異なる方向のトロリ線1aへの割込みを防止するための部材である。ホーン11は、図1(B)に示すように、集電舟9の長さ方向の両端部から突出しており、先端部が湾曲して形成された金属製の部材である。
【0030】
図1~図4に示すすり板12は、トロリ線1aと接触する部材であり、図1(B)に示すように集電舟9の中央部に取り付けられた主すり板である。図1~図4に示すすり板12は、複数に分割されたすり板であり、所定の長さに分割された多数のすり板片12aによって構成されている。すり板12は、車両2の進行方向と直交する方向に伸びた金属製又は炭素製の板状部材であり、集電舟9の一部を構成する構成部品である。すり板12には、トロリ線1aと接触移動(しゅう動)して大電流が流れるため、一定の機械的強度、導電性及び耐摩耗性などが要求される。すり板12は、図1(B)及び図2に示すように、複数のすり板片12aを備えている。
【0031】
すり板片12aは、すり板12を構成するすり板小片である。すり板片12aは、集電舟9の長さ方向に沿って1列に配置されておりトロリ線1aと接触する。すり板片12aは、トロリ線1aとの間に作用する接触力Cの変動、及びトロリ線1aの上下方向の変位に追従してそれぞれ独立して上下方向に移動可能であり、トロリ線1aとの間で発生する離線アークの熱による溶損を防止する。すり板片12aには、図3に示すように、このすり板片12aを貫通する雌ねじ部12bが形成されている。
【0032】
図1(B)及び図2に示すすり板13は、トロリ線1aと接触する部材であり、集電舟9の両端部に取り付けられた補助すり板である。すり板13は、すり板12に比べてトロリ線1aと接触する頻度が低いため耐摩耗性よりも軽量化が重要視されており、アルミニウムなどの金属製の板状部材である。すり板13は、図示しないボルトなどの固定部材によって舟体枠16に固定されている。
【0033】
図2~図4に示す弾性部14は、すり板12の上下方向への移動に応じて弾性変形する部材である。弾性部14は、耐アーク性を有する非導電性の長板状の可撓性部材(シート状部材)であり、弾性部14の上面にはすり板片12aの下面が接触しており、多数のすり板片12aを1枚で支持している。弾性部14は、トロリ線1aの変位に追従してすり板片12aが上下方向に移動すると、このすり板片12aの上下動作に応じて撓む。弾性部14には、図3に示すように、所定の間隔をあけて貫通孔14aが形成されている。
【0034】
図2~図4に示す導電部15は、電流経路を確保するための部材である。導電部15は、弾性部14とともに弾性変形可能な可撓性を有する銅板などの導電性金属であり、図3及び図4に示すように、弾性部14よりも幅が短く形成されている。導電部15には、図3に示すように、貫通孔15aが形成されており、導電部15の上面には図3及び図4に示すように弾性部14の下面が接触し、導電部15の下面には図3に示すようにスライド部17の上面が接触している。導電部15は、図4に示すように、この導電部15の下面と接触力測定装置24の荷重受け部26の上面との間に僅かに間隙部Δを形成している。
【0035】
図2~図4に示す舟体枠16は、集電舟9の本体部分を構成する部材である。舟体枠16は、図3及び図4に示すように、断面形状が略U字状の溝形のフレーム材であり、舟体枠16の上部には開口部が形成されており、舟体枠16の内部にはスライド部17、ガイド部20、ストッパ部21及び弾性支持部22などが収容されている。舟体枠16の外側側面(前面及び後面)には、整流部10が取り付けられており、舟体枠16の下面には図1に示す舟支え部8が取り付けられている。舟体枠16の両端部には、図2に示すように、所定長さで溝のない厚板状部分が形成されており、この厚板状部分の上面にはすり板13が取り付けられている。
【0036】
図3に示すスライド部17は、すり板12とともに移動する部材である。スライド部17は、断面が四角形状の中空のフレーム材であり、すり板12、弾性部14及び導電部15と一体となって上下方向にスライド可能である。スライド部17は、図2に示すように、舟体枠16の長さ方向に所定の間隔をあけて複数配置されており、スライド部17の上部には図3に示すように貫通孔17aが形成されている。スライド部17は、トロリ線1aの変位に追従してすり板片12aが上下方向に移動すると、このすり板片12aの上下動作に応じて上下方向にスライドする。
【0037】
連結部18は、すり板片12aとスライド部17とを連結する部材であり、すり板片12aの下面とスライド部17の上面との間に弾性部14及び導電部15を挟み込むように、すり板片12aにスライド部17を固定する。連結部18は、貫通孔15a,17a,19aを貫通して先端部がすり板片12aの雌ねじ部12bにねじ込まれる固定ボルト18aと、この固定ボルト18aとスライド部17との間に挟み込まれる座金18bなどを備えている。
【0038】
間隔調整部19は、すり板片12aとスライド部17との間の間隔を調整する部材であり、弾性部14の貫通孔14aに嵌め込まれる円環状のカラーなどである。間隔調整部19には、固定ボルト18aが貫通する貫通孔19aが形成されている。間隔調整部19は、すり板片12aとスライド部17との間に挟み込まれることによってこれらの間の間隔を一定に調整している。
【0039】
ガイド部20は、スライド部17を移動自在にガイドする部材である。ガイド部20は、舟体枠16の内側側面に対向して取り付けられた長板状の部材であり、スライド部17が移動可能なようにこのスライド部17の側面と接触している。ガイド部20は、スライド部17の垂直方向の移動を許容しているがスライド部17の水平方向の移動を規制するストッパ部として機能し、トロリ線1aの変位に追従してスライド部17が上下方向に移動するようにこのスライド部17を移動自在にガイドする。
【0040】
ストッパ部21は、スライド部17の上下方向の移動量を規制する部材である。ストッパ部21は、断面形状が略U字状の板状部材であり、スライド部17の内部を貫通しており舟体枠16の内側底面に対して所定の高さに固定されている。ストッパ部21は、このストッパ部21の下部底面とスライド部17の下部上面とを接触させることによって、スライド部17の可動範囲の上限を規定するとともに、このストッパ部21の上端面とスライド部17の上部下面とを接触させることによって、スライド部17の可動範囲の下限を規定する。ストッパ部21は、弾性支持部22の弾性力によってすり板片12a及び弾性部14などとともにスライド部17が上方に移動して、これらの部材が舟体枠16から脱落するのを防止する。ストッパ部21には、図4に示すように、貫通孔21aが形成されている。
【0041】
図4に示す弾性支持部22は、すり板片12aを弾性支持する部材である。弾性支持部22は、すり板片12aを弾性支持しており、圧縮を受ける圧縮コイルばねなどの弾性体(付勢部材)である。弾性支持部22は、図2に示すように、スライド部17間に配置されており、各すり板片12aに対応してすり板片12aと同じ個数配置されている。弾性支持部22は、図4に示すように、上端部がストッパ部21の貫通孔21aを貫通して装着部26bの下面と接触しており、弾性支持部22の下端部は舟体枠16の底部上面に取り付けられている。弾性支持部22は、図4に示すように、弾性体14、導電部15、すり板側接触部25、受け部側接触部26a及び装着部26bを介してすり板片12aを支持しており、図1に示すすり板片12aとトロリ線1aとの間に作用する接触力Cに応じて伸縮する。
【0042】
図4に示す固定部23は、弾性支持部22を舟体枠16に固定する部材である。固定部23は、舟体枠16の内側底面に取り付けられて弾性支持部22の下端部を保持する保持板23aと、この保持板23aとの間で弾性支持部22の下端部を挟み込みこの弾性支持部22の下端部を押さえ付ける押さえ板23bと、保持板23a及び押さえ板23bを舟体枠16に固定する固定ボルト23cと、固定ボルト23cと押さえ板23bとの間に挟み込まれる座金23dなどを備えている。保持部23aは、弾性支持部22と舟体枠16との間を電気的に絶縁してこの弾性支持部22に電流が流れないようにするために、非導電性材料によって形成されている。
【0043】
図5は、この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置の断面図である。図6は、この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置の平面図である。
図5及び図6に示す接触力測定装置24は、すり板片12aとトロリ線1aとの間に作用する接触力Cを測定する装置である。接触力測定装置24は、例えば、集電装置4の集電状態の良否を判断してこの集電状態を監視するために、すり板片12aとトロリ線1aとの間に作用する接触力Cを測定する。接触力測定装置24は、例えば、図1に示す車両2が軌道を走行しながら電車線の状態を検査する電気軌道総合試験車であるときには、この車両2に搭載されて走行状態で集電装置4の接触力Cを所定の時間毎又は連続して測定する。接触力測定装置24は、図5に示すすり板側接触部25と、図5及び図6に示す荷重受け部26と、荷重検出部27と、図2に示す光照射部28と、光検出部29と、図2、図5及び図6に示す光ファイバ30と、図2に示す荷重演算部31などを備えている。
【0044】
図5に示すすり板側接触部25は、荷重受け部26と接触する部分である。すり板側接触部25は、導電部15の下面に取り付けられており、この導電部15の下面から下方に突出して荷重受け部26の受け部側接触部26aを押圧する突起部である。すり板側接触部25は、既存の多分割すり板舟体の導電部15の下面にねじ又は接着剤などによって貼り付けられており、受け部側接触部26aと接触する先端部が球面状に形成されている。すり板側接触部25は、各すり板片12aに対応して導電部15の下面に複数配置されており、すり板片12aに作用する接触力Cに応じて受け部側接触部26aを加圧する。すり板側接触部25は、すり板12の各すり板片12aから受け部側接触部26aへの熱伝導を遮断するプラスチック又はセラミックスなどの断熱材によって形成されている。
【0045】
荷重受け部26は、すり板片12aから接触力Cを受ける部分であり、すり板片12aと弾性支持部22との間に着脱自在に装着されている。荷重受け部26は、既存の多分割すり板舟体の構造を大規模に変更せずに、導電部15の下面と弾性支持部22の上端部との間に間隙部Δを形成することによって、これらの間に挟み込まれている。荷重受け部26は、図5及び図6に示すように、受け部側接触部26aと装着部26bなどを備えている。
【0046】
受け部側接触部26aは、すり板側接触部25から荷重を受けて弾性変形する部分である。受け部側接触部26aは、図5に示すように、装着部26bに支持された状態ですり板側接触部25と接触しており、すり板片12aに作用する接触力Cに応じて撓む。受け部側接触部26aは、図5及び図6に示すように、長さ方向の両端部が固定支持された長板状の梁部を構成する荷重測定用の金属片であり、図5に示すようにすり板片12aと平行に配置されている。一般に、荷重検出部27が歪みセンサである場合には、歪みが大きくなるほど出力信号も大きくなってS/N比も大きくなるが、歪みが大きくなると応力も大きくなるため荷重検出部27が容易に破壊し易くなる。このため、受け部側接触部26aには、例えば、荷重を受けたときの歪みが大きくても破壊しないように、許容応力の高いばね鋼鋼材などを使用することが好ましい。
【0047】
図5に示す装着部26bは、すり板片12aと弾性支持部22との間に間隙部Δを形成するように、これらの間に着脱自在に装着される部分である。装着部26bは、既存の多分割すり板舟体の弾性支持部22の上端部に嵌め込み搭載される。装着部26bは、図5に示すように、上側保持部26cと下側保持部26dなどを備えており、上側保持部26cと下側保持部26dとの間に受け部側接触部26aの両端部を挟み込んでいる。図5に示す上側保持部26cは、弾性支持部22の上端部に支持される部材である。上側保持部26cは、図6に示すように、外観が円環状の部材であり、図5に示すようにこの上側保持部26cの外周部から突出して弾性支持部22の上端部に支持される外側フランジ部26eと、この上側保持部26cの外周部に形成された雄ねじ部26fなどを備えている。下側保持部26dは、受け部側接触部26aを支持する部材である。下側保持部26dは、上側保持部26cと同様に外観が円環状の部材であり、この下側保持部26dの内周部から突出して受け部側接触部26aの両端部下面を支持する内側フランジ部26gと、この下側保持部26dの内周部に形成されて上側保持部26cの雄ねじ部26fと噛み合う雌ねじ部26hなどを備えている。
【0048】
図5及び図6に示す荷重検出部27は、荷重受け部26に作用する接触力Cを検出する部分である。荷重検出部27は、受け部側接触部26aの歪みを検出する歪みセンサを備えており、この受け部側接触部26aの歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージを備えている。荷重検出部27は、例えば、受け部側接触部26aに発生する歪み量に応じて反射光の波長が変化する特性を有するセンシングプローブ(検出子)であり、特定の波長の光を反射する。荷重検出部27は、各すり板片12aに対応して1個ずつ配置されており、それぞれ反射光の中心波長を変えており、すり板片12a毎に異なる特定の波長の光のみを反射する。荷重検出部27は、図5及び図6に示すように、受け部側接触部26aの中心線上であって受け部側接触部26aの中央部に配置されており、受け部側接触部26aの下面に接着剤などによって取り付けられている。
【0049】
図2に示す光照射部28は、光を照射する部分である。光照射部28は、光ファイバ30の一端部から入射光を入射させる光源であり、各荷重検出部27を通過して光検出部29に向かう光を照射する。
【0050】
光検出部29は、荷重検出部27から反射する反射光を検出する部分である。光検出部29は、光ファイバ30の一端部から入射して荷重検出部27で反射し、光ファイバ30の他端部から出射する反射光を検出する光検出器であり、受け部側接触部26aに歪みが発生したときの反射光と、光照射部28が照射する入射光との波長の変化を検出する。光検出部29は、光信号を電気信号に変換する光電気変換部として機能し、検出した反射光に応じた電気信号を荷重演算部31に出力する。
【0051】
光ファイバ30は、光を伝送する部材である。光ファイバ30は、光信号によって情報を伝達する際に使用される光通信の伝送路(伝送線)であり、図2に示すように光照射部28、各荷重検出部27及び光検出部29を一本で直列に接続している。光ファイバ30は、小さな曲率で曲げることが困難であるため、図5及び図6に示すように受け部側接触部26aと平行に一直線上に配線されており、複数の受け部側接触部26aの歪みを荷重検出部27によって同時に測定可能にしている。光ファイバ30は、図3に示すスライド部17の上部下面とストッパ部21の上部端面とが接触して、図4及び図5に示す弾性支持部22が最も圧縮したときに、線条間の間隙部に挟み込まれないような外径のものが選択されている。
【0052】
図2に示す荷重演算部31は、すり板片12aに作用する接触力Cを演算する部分である。荷重演算部31は、光検出部29の検出結果に基づいてすり板片12aとトロリ線1aとの間に作用する接触力Cを演算する。荷重演算部31は、光検出部29が出力する光検出信号に基づいて受け部側接触部26a毎に歪み量を演算し、各すり板片12aに作用する接触力Cを加算してすり板12全体に作用する接触力を演算する。荷重演算部31は、反射光の中心波長が異なる各荷重検出部27が一本の光ファイバ30によって直列に接続されているため、光検出部29の出力信号に基づいてトロリ線1aと接触しているすり板片12aを個別に特定可能である。
【0053】
次に、この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置の取付方法について説明する。
図3及び図4に示す舟体枠16から整流部10を取り外して、舟体枠16の上端面と導電部15の下面との間に間隙部Δを形成する。この状態では、図3に示すように、スライド部17の下部上面とストッパ部21の下部下面とが接触しているため、すり板12、弾性部14、導電部15及びスライド部17の上方への移動が規制されており上限位置で停止している。図4に示すように、弾性支持部22の上端部には導電部15の下面が搭載されているだけであり、弾性支持部22の上端部と導電部15の下部とは連結されていない。このため、導電部15を上限位置で停止させた状態で、弾性支持部22の上端部を押圧して弾性支持部22を圧縮させると、弾性支持部22の上端部と導電部15の下面との間に間隙部Δが形成される。
【0054】
この状態で、弾性支持部22の上端部の中心にすり板側接触部25を位置決めして、導電部15の下面にすり板側接触部25を装着する。次に、弾性支持部22の上端部と導電部15の下面との間に荷重受け部26を挿入して、荷重受け部26の下側保持部26dの外周部を弾性支持部22の上端部に嵌め込み、弾性支持部22の上端部に上側保持部26cを搭載して荷重受け部26を装着する。図5に示すように、荷重検出部27の両端部に接続された光ファイバ30を弾性支持部22の線条間の間隙部に通過させて、すり板12と平行になるように光ファイバ30を配線する。次に、弾性支持部22の上端部の押圧を解除すると弾性支持部22が伸長して、すり板側接触部25と受け部側接触部26aとが接触し、導電部15と弾性支持部22との間に荷重受け部26が配置される。同様の作業を繰り返すことによって、全ての弾性支持部22にそれぞれ荷重受け部26が装着されるとともに、全ての荷重検出部27が一本の光ファイバ30によって直列に接続される。最後に、光ファイバ30の一方の端部に光照射部28を接続し、光ファイバ30の他方の端部に光検出部29を接続するとともに、光検出部29と荷重演算部31とを信号線などによって接続する。
【0055】
次に、この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置の動作を説明する。
図1に示すように、車両2がA方向に走行するとすり板12がトロリ線1aに対して接触移動する。トロリ線1aとすり板12とが同一箇所で摩擦接触しないように、トロリ線1aにはジグザグ偏位(トロリ線偏位)が付与されている。このため、車両2がA方向に移動すると各すり板片12aがトロリ線1aと接触して、トロリ線1aとすり板片12aとの間に接触力Cが作用する。図5に示すように、トロリ線1aとすり板片12aとの間に接触力Cが作用すると、すり板側接触部25と受け部側接触部26aとが接触する。このため、すり板片12aから弾性部14、導電部15及び荷重受け部26を通じて弾性支持部22に接触力Cが伝達されて、この接触力Cが弾性支持部22に作用して弾性支持部22が圧縮する。すり板片12aからすり板側接触部25を介して受け部側接触部26aに接触力Cが伝達されると、すり板側接触部25が受け部側接触部26aを押圧して受け部側接触部26aの中心部が下方に撓む。その結果、受け部側接触部26aと一体となって荷重検出部27も撓み、光ファイバ30を通過する光が荷重検出部27で反射して、受け部側接触部26aの歪み量(撓み量)に応じて反射光の波長が変化する。図2に示す光検出部29によって荷重検出部27で反射した反射光が検出されると、この反射光に応じた電気信号を光検出部29が荷重演算部31に出力し、すり板片12aに作用する接触力Cの大きさを荷重演算部31が演算する。
【0056】
この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、すり板12と弾性支持部22との間に荷重受け部26が着脱自在に装着されており、この荷重受け部26がすり板12から接触力Cを受け、この荷重受け部26に作用する接触力Cを荷重検出部27が検出する。このため、既存の多分割すり板舟体の基本構造を大規模に改変することなく、弾性支持部22とすり板12との間に僅かな空間を確保して荷重受け部26を簡単に装着し、この荷重受け部26に作用する接触力Cを容易に検出することができる。また、荷重検出部27によってすり板12を直接支持する構造や、弾性支持部22と荷重検出部27とを一体化させる構造ではないため、荷重検出部27が破損してもすり板12が弾性支持部22によって支持され、集電舟9の安全性を破損後も維持することができる。同様に、荷重受け部26が破損してもすり板12が弾性支持部22によって支持されるため、集電舟9の機能を損なわず、集電舟9の安全性が維持されて、集電舟9を継続して使用することができる。さらに、従来の多分割すり板舟体のように、すり板片12aと弾性支持部22とを互いに連結せずにこれらが容易に分離可能な構造であるため、これらの間に荷重受け部26を短時間で簡単に装着することができる。
【0057】
(2) この第1実施形態では、すり板12が複数に分割されたすり板であり、すり板片12aを弾性支持する弾性支持部22がばねである。このため、すり板片12aに作用する接触力Cをすり板片12a毎に検出することができるとともに、複数のすり板片12aのうち接触力Cが作用しているすり板片12aを簡単に特定することができる。また、内部に空間が殆ど存在しない多分割すり板舟体であっても、すり板片12aと弾性支持部22との間の僅かな空間に荷重受け部26を装着することができる。その結果、集電舟9の外部に接触力測定装置24を設置する必要がなくなるため、集電舟9の基本的な外形を変化させずに、空力特性が低下するのを防ぐことができる。また、小型で軽量な荷重受け部26及び荷重検出部27をすり板片12aと弾性支持部22との間に差し込み装着するため、弾性支持部22のばね定数などが大きく変化せず、集電装置4としての性能が低下するのを防ぐことができる。さらに、従来のすり板の接触力測定装置のような2つのばねに対して1つの測定部が設けられているような構造とは異なり、1つのばねに対して1つの測定部が設けられている。このため、いずれのばねに作用する荷重であるかを明確に判別して測定することができ、それぞれのすり板片12aに作用する接触力Cを精度よく測定することができる。
【0058】
(3) この第1実施形態では、すり板12と弾性支持部22との間に間隙部Δを形成するようにこれらの間に着脱自在に装着部26bが装着されており、この装着部26bに支持された状態ですり板側接触部25と受け部側接触部26aとが接触し、このすり板側接触部25から接触力Cを受けてこの受け部側接触部26aが弾性変形する。このため、既存の多分割すり板舟体の弾性支持部22の上方に小さな空間を短時間の作業で容易に確保することができるとともに、限られた内部空間を有効に利用して荷重受け部26を設置することができ、省空間化を図ることができる。また、すり板12側にすり板側接触部25を形成し、弾性支持部22に装着部26bを装着するような簡単な改造で足りるとともに、弾性支持部22の構造や機能を変えずにこの弾性支持部22を使用しながら接触力Cを測定することができる。
【0059】
(4) この第1実施形態では、受け部側接触部26aの歪みを検出する歪みセンサを荷重検出部27が備えている。このため、受け部側接触部26aの歪みを検出することによってすり板片12aに作用する接触力Cを簡単に検出することができる。
【0060】
(5) この第1実施形態では、受け部側接触部26aの歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージを荷重検出部27が備えている。このため、電気的なノイズによる影響を受けずに、集電舟9のような大電流の流れる箇所で、すり板片12aに作用する接触力Cを高精度に測定することができる。また、一本の光ファイバ30によって複数点の歪みを簡単に測定することができるとともに、光ファイバ30の配線作業に手間がかからず配線作業を大幅に簡略化することができる。さらに、光ファイバ30が絶縁体であるため、集電装置4のような高電圧部から碍子6を通して車両2の内部に光ファイバ30を簡単に引き込むことができる。
【0061】
(第2実施形態)
図7は、この発明の第2実施形態に係るすり板の接触力測定装置の断面図である。以下では、図5に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示す荷重検出部32は、荷重受け部26に作用する接触力Cを検出する部分である。荷重検出部32は、受け部側接触部26aの歪みを検出する歪みセンサを備えており、受け部側接触部26aの歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを備えている。荷重検出部32は、受け部側接触部26aに発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化する。荷重検出部32は、各すり板片12aに対応して1個ずつ配置されており、受け部側接触部26aの中心線上であって受け部側接触部26aの中央部に配置されており、受け部側接触部26aの下面に接着剤などによって取り付けられている。
【0062】
電力供給部33は、荷重検出部32に電力を供給する部分である。電力供給部33は、荷重検出部32と直列に接続されており、各荷重検出部32に1個ずつ又は全ての荷重検出部32に対して1個配置されている。電力供給部33は、例えば、荷重検出部32の電気抵抗式の歪みゲージに直流電流を流す直流電源、又は交流電流を流す交流電源である。
【0063】
通電状態検出部34は、荷重検出部32の通電状態を検出する部分であり、各荷重検出部32に対応して1個ずつ配置されている。通電状態検出部34は、例えば、荷重検出部32の電気抵抗式の歪みゲージに流れる電流値などを検出し、検出した電流値に応じた電気信号を通電状態情報(電流値情報)として荷重演算部36に出力する。
【0064】
信号線35は、電気信号を伝送する部材である。信号線35は、電流の流れる電線(伝送線)であり、電力供給部33、荷重検出部32及び通電状態検出部34を一本の電線によって直列に接続している。
【0065】
荷重演算部36は、すり板片12aに作用する接触力Cを演算する部分である。荷重演算部36は、通電状態検出部34の検出結果に基づいてすり板12とトロリ線1aとの間に作用する接触力Cを演算する。荷重演算部36は、通電状態検出部34が出力する電気信号に基づいて各受け部側接触部26aの歪み量を演算し、各すり板片12aに作用する接触力Cを演算する。荷重演算部36は、各荷重検出部32の受け部側接触部26aの歪み量を演算可能であり、各通電状態検出部34の出力信号に基づいてトロリ線1aと接触しているすり板片12aを個別に特定可能である。
【0066】
この発明の第2実施形態に係るすり板の接触力測定装置には、第1実施形態の効果に加えて以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、受け部側接触部26aの歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを荷重検出部32が備えている。このため、すり板片12aに作用する接触力Cを光ファイバ式の歪みゲージに比べて安価な荷重検出部32によって測定することができる。
【0067】
(第3実施形態)
図8は、この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置によって接触力が測定される集電舟の一部を省略して示す断面図である。図9は、この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の組立状態の斜視図である。図10は、この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の分解状態の斜視図である。図11は、この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の平面図である。図12は、図11のXII-XII線で切断した状態を示す断面図である。図13は、図11のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。以下では、図1~図6に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
図8~図13に示す接触力測定装置24は、図2に示すすり板側接触部25と、荷重受け部26と、荷重検出部27と、光照射部28と、光検出部29などに加えて、図8に示す光ファイバ30A,30Bと、荷重演算部31と、図10、図11及び図13に示す熱変位検出部43などを備えている。荷重受け部26は、図10に示すように、受け部側接触部26aと、装着部26bと、熱変位予定部26qと、通過部26r,26sなどを備えている。図10、図12及び図13に示す装着部26bは、上側保持部26cと、下側保持部26dと、中間保持部26kなどを備えており、図10に示すように上側保持部26cと下側保持部26dとの間に受け部側接触部26a、熱変位予定部26q及び中間保持部26kの両端部を挟み込んでいる。
【0069】
図9~図13に示す上側保持部26cは、外観が円環状の部材であり、図10及び図12に示すように外側フランジ部26eと、雄ねじ部26fと、位置決め部26iなどを備えている。図10、図12及び図13に示す雄ねじ部26fは、下側保持部26dの雌ねじ部26hと噛み合う部分であり、図10に示すように上側保持部26cに中間保持部26kを着脱可能なように、この中間保持部26kの幅よりも僅かに広い幅で切り欠かれている。図9及び図10に示す位置決め部26iは、上側保持部26cの所定の位置に中間保持部26kを位置決めする部分である。位置決め部26iは、上側保持部26c及び下側保持部26dとの間に中間保持部26kの両端部を挟み込み押さえ付けるための凹状の溝であり、中間保持部26kが嵌り込むようにこの中間保持部26kの幅よりも僅かに広い幅で外側フランジ部26eの下面に形成されている。
【0070】
図9、図10、図12及び図13に示す下側保持部26dは、中間保持部26kを支持する部材である。下側保持部26dは、図10に示すように外観が円環状の部材であり、図10、図12及び図13に示す雌ねじ部26hと、図9、図10及び図13に示す嵌合部26jなどを備えている。雌ねじ部26hは、上側保持部26cの雄ねじ部26fと噛み合う部分であり、下側保持部26dの内周部に形成されている。嵌合部26jは、図9に示す締結用工具Tの嵌合部T1が嵌合する部分である。嵌合部26jは、下側保持部26dの雄ねじ部26fと上側保持部26cの雌ねじ部26hとを締め付け及び緩めるときに、締結用工具Tの凸状の嵌合部T1が嵌め込まれる凹状の溝である。
【0071】
図10、図12及び図13に示す中間保持部26kは、受け部側接触部26a及び熱変位予定部26qを支持する部材である。中間保持部26kは、図10に示すように、受け部側接触部26a及び熱変位予定部26qを支持した状態で、上側保持部26cと下側保持部26dとの間に挟み込まれこれらの部材によって保持される。中間保持部26kは、支持部26m,26nと嵌合部26pとなどを備えている。
【0072】
図10に示す支持部26mは、受け部側接触部26aの両端部をそれぞれ支持する部分である。支持部26mは、受け部側接触部26aの両端部の幅よりも僅かに広く形成された凹状の溝であり、この支持部26mには受け部側接触部26aの両端部が接着剤などによって固定されている。支持部26mは、受け部側接触部26aの両端部が嵌り込むことによってこの受け部側接触部26aを所定の位置に位置決めする。支持部26nは、熱変位予定部26qの両端部をそれぞれ支持する部分である。支持部26nは、熱変位予定部26qの両端部の幅よりも僅かに広く形成された凹状の溝であり、この支持部26nには熱変位予定部26qの両端部が接着剤などによって固定されている。支持部26nは、熱変位予定部26qの両端部が嵌り込むことによってこの熱変位予定部26qを所定の位置に位置決めする。支持部26m,26nは、受け部側接触部26aと熱変位予定部26qとを支持したときに、これらが微小な隙間を形成して平行に配列するように、嵌合部26pの上面に形成されている。
【0073】
嵌合部26pは、上側保持部26cと嵌合するとともに下側保持部26dに支持される部分である。嵌合部26pは、図9に示すように、上側保持部26cの位置決め部26iと嵌合可能なように凸状に形成されている。嵌合部26pは、下側保持部26dの上面に支持された状態でこの下側保持部26dと上側保持部26cとの間に挟み込まれ押さえ付けられる。
【0074】
図10、図11及び図13に示す熱変位予定部26qは、受け部側接触部26aと略同一環境下で熱変位する部分である。熱変位予定部26qは、図11及び図13に示すように、装着部26bに支持された状態で、受け部側接触部26aと間隔をあけてこの受け部側接触部26aの近傍に配置されている。熱変位予定部26qは、受け部側接触部26aと厚さが同一であるが、幅が僅かに狭く長さが僅かに短く形成されている。熱変位予定部26qは、受け部側接触部26aと略同一の温度環境下で膨張及び収縮(熱変位)する。熱変位予定部26qは、受け部側接触部26aと同様に、長さ方向の両端部が固定支持された長板状の梁部を構成する熱変位測定用の金属片であり、図13に示すようにすり板片12aと平行に配置されている。熱変位予定部26qは、受け部側接触部26aと同一の材料であり、熱変位予定部26qには例えばばね鋼鋼材などを使用することが好ましい。
【0075】
図9及び図10に示す通過部26rは、荷重検出部27に接続される光ファイバ30Aをすり板12の各すり板片12aと弾性支持部22との間に通過させる部分であり、通過部26sは熱変位検出部43に接続される光ファイバ30Bをすり板12の各すり板片12aと弾性支持部22との間に通過させる部分である。通過部26r,26sは、図8に示すように、光ファイバ30A,30Bが直線状に配線されるようにこれらの光ファイバ30A,30Bを通過させる。通過部26r,26sは、図10に示すように、中間保持部26kの嵌合部26pの上面に形成された溝であり、光ファイバ30A,30Bが通過可能なように光ファイバ30A,30Bの線径よりも溝の幅と深さが僅かに大きく形成されている。通過部26r,26sは、図8に示すように、導電部15と弾性支持部22との間に光ファイバ30A,30Bが配線されるように、図10に示すように弾性支持部22の上端部と接触する嵌合部26pの下面よりも上方に形成されている。通過部26r,26sは、支持部26m,26nの端部から嵌合部26pの端部まで平行に直線状に形成されている。
【0076】
図8に示す光照射部28は、光ファイバ30A,30Bの一端部から入射光を入射させ、各荷重検出部27及び各熱変位検出部43を通過して光検出部29に向かう光を照射する。光検出部29は、荷重検出部27及び熱変位検出部43からそれぞれ反射する反射光を検出する。光検出部29は、光ファイバ30A,30Bの一端部から入射して荷重検出部27及び熱変位検出部43で反射し、光ファイバ30A,30Bの他端部から出射する反射光を検出しており、受け部側接触部26a及び熱変位予定部26qに歪みが発生したときの反射光と、光照射部28が照射する入射光との波長の変化を検出する。
【0077】
光ファイバ30A,30Bは、光を伝送する部材であり、光信号によって情報を伝達する際に使用される光通信の伝送路(伝送線)である。光ファイバ30Aは、光照射部28、荷重検出部27及び光検出部29を一本で直列に接続しており、光ファイバ30Bは光照射部28、熱変位検出部43及び光検出部29を一本で直列に接続している。光ファイバ30Aは、受け部側接触部26aと平行に一直線上に配線されており、複数の受け部側接触部26aの歪みを荷重検出部27によって同時に測定可能にしている。一方、光ファイバ30Bは、熱変位予定部26qと平行に一直線上に配線されており、複数の熱変位予定部26qの歪みを熱変位検出部43によって同時に測定可能にしている。光ファイバ30A,30Bは、図2及び図5に示す光ファイバ30とは異なり弾性支持部22の線条間の間隙部を通過するように配線されておらず、図8に示すように弾性支持部22の上端面と導電部15の下面との間に配線されている。
【0078】
荷重演算部31は、光検出部29の検出結果に基づいて、受け部側接触部26a毎に歪み量を演算するとともに、熱変位予定部26q毎に歪み量を演算し、各熱変位予定部26qに対応する各受け部側接触部26aの歪み量を温度補正する。荷重演算部31は、例えば、光検出部29が出力する光検出信号に基づいて、各受け部側接触部26aの歪み量から各熱変位予定部26qの歪み量を減算して熱変位による影響を補正し、各すり板片12aに作用する接触力Cをそれぞれ演算する。荷重演算部31は、全てのすり板片12aに作用する補正後の接触力Cを加算して、すり板12全体に作用する接触力を演算する。
【0079】
図10、図11及び図13に示す熱変位検出部43は、荷重検出部27の検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの熱変位を検出する部分である。熱変位検出部43は、荷重検出部27の測定用(荷重測定用)歪みセンサの検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの歪みを検出する校正用(温度補償用)歪みセンサを備えている。熱変位検出部43は、熱変位予定部26qの歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージを備えている。熱変位予定部26qは、例えば、荷重検出部27と同様に、歪み量に応じて反射光の波長が変化する特性を有するセンシングプローブ(検出子)であり、特定の波長の光を反射する。熱変位検出部43は、各すり板片12aに対応して1個ずつ配置されており、それぞれ反射光の中心波長を変えることによって、すり板片12a毎に異なる特定の波長の光のみを反射する。熱変位検出部43は、熱変位予定部26qの中心線上であって熱変位予定部26qの中央部に配置されており、熱変位予定部26qの下面に接着剤などによって取り付けられている。
【0080】
次に、この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の取付方法について説明する。
図9に示すように、荷重受け部26を組み立てるときには、図10に示す受け部側接触部26aの下面に荷重検出部27を取り付けて、この荷重検出部27の両端部から伸びる光ファイバ30Aを中間保持部26kの通過部26rに嵌め込み、受け部側接触部26aの両端部を中間保持部26kの支持部26mに取り付ける。同様に、熱変位予定部26qの下面に熱変位検出部43を取り付けて、この熱変位検出部43の両端部から伸びる光ファイバ30Bを中間保持部26kの通過部26sに嵌め込み、熱変位予定部26qの両端部を中間保持部26kの支持部26nに取り付ける。この状態で、中間保持部26kに上側保持部26cを被せるように装着し、中間保持部26kの嵌合部26pを上側保持部26cの位置決め部26iに嵌め込むと、上側保持部26cに対して中間保持部26kが位置決めされる。上側保持部26cと中間保持部26kとを一体に保持した状態で、上側保持部26c及び中間保持部26kを下側保持部26dに被せるように装着し、図9に示すように下側保持部26dの嵌合部26jに締結用工具Tの嵌合部T1を嵌め込み、この締結用工具Tを軸回りに回転させる。その結果、図10に示す上側保持部26cの雄ねじ部26fと下側保持部26dの雌ねじ部26hとが噛み合って、上側保持部26cと下側保持部26dとが締結されるとともに、これらの間に中間保持部26kが挟み込まれて保持され、荷重受け部26が組み立てられる。図10に示すように、荷重受け部26を分解するときには、図9に示す下側保持部26dの嵌合部26jに締結用工具Tの嵌合部T1を嵌め込み、この締結用工具Tを組立時とは逆方向に回転すると、図10に示すように上側保持部26cと下側保持部26dとが分離するとともに、上側保持部26cと中間保持部26kとが分離する。
【0081】
次に、図12及び図13に示す導電部15を上限位置で停止させた状態で、弾性支持部22の上端部を押圧して弾性支持部22を圧縮させると、弾性支持部22の上端部と導電部15の下面との間に間隙部Δが形成される。この状態で、弾性支持部22の上端部の中心にすり板側接触部25を位置決めして、導電部15の下面にすり板側接触部25を装着する。次に、弾性支持部22の上端部と導電部15の下面との間に荷重受け部26を挿入して、荷重受け部26の下側保持部26dの外周部を弾性支持部22の上端部に嵌め込み、弾性支持部22の上端部に上側保持部26cを搭載して荷重受け部26を弾性支持部22に装着する。次に、図8に示すように、荷重検出部27及び熱変位検出部43の両端部にそれぞれ接続された光ファイバ30A,30Bを導電部15と弾性支持部22との間の間隙部に通過させて、すり板12と平行になるように光ファイバ30A,30Bを配線する。図12及び図13に示す弾性支持部22の上端部の押圧を解除すると弾性支持部22が伸長して、すり板側接触部25と受け部側接触部26aとが接触し、導電部15と弾性支持部22との間に荷重受け部26が配置される。同様の作業を繰り返すことによって、全ての弾性支持部22にそれぞれ荷重受け部26が装着されるとともに、全ての荷重検出部27及び熱変位検出部43がそれぞれ一本の光ファイバ30A,30Bによって直列に接続される。最後に、光ファイバ30A,30Bの一方の端部に光照射部28を接続し、光ファイバ30A,30Bの他方の端部に光検出部29を接続するとともに、光検出部29と荷重演算部31とを信号線などによって接続する。
【0082】
次に、この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の動作を説明する。
図12及び図13に示すように、すり板片12aからすり板側接触部25を介して受け部側接触部26aに接触力Cが伝達されると、すり板側接触部25が受け部側接触部26aを押圧して受け部側接触部26aの中心部が下方に撓む。その結果、受け部側接触部26aと一体となって荷重検出部27も撓み、光ファイバ30Aを通過する光が荷重検出部27で反射して、受け部側接触部26aの歪み量(撓み量)に応じて反射光の波長が変化する。このとき、すり板側接触部25が断熱材によって形成されているため、すり板片12aからすり板側接触部25への熱伝導を遮断する。また、図11及び図13に示すように、受け部側接触部26aと熱変位予定部26qとの間に微小な隙間が形成されているため、受け部側接触部26aに接触力Cが作用して受け部側接触部26aが撓んでも、熱変位予定部26qには接触力Cが作用せず熱変位予定部26qが接触力Cの影響を受けて撓むことがない。
【0083】
受け部側接触部26aが周囲の温度変化による影響を受けると、受け部側接触部26aが熱膨張又は熱収縮する。その結果、受け部側接触部26aに作用する接触力Cだけではなく、この受け部側接触部26aの熱変位により生ずる荷重(熱荷重)も荷重検出部27によって検出されるため、荷重検出部27の検出結果を補正(温度補償)する必要がある。図11及び図13に示すように、受け部側接触部26aの近傍には熱変位予定部26qが配置されているため、受け部側接触部26aと熱変位予定部26qとが略同一の温度変化による影響を受ける。また、受け部側接触部26aと熱変位予定部26qとが微小間隔をあけて配置されているため、熱変位予定部26qには接触力Cが作用せず、熱変位により生ずる荷重のみが作用し、この熱変位により生ずる荷重が熱変位検出部43によって検出される。図8に示す光検出部29が出力する光検出信号に基づいて、熱変位によって生ずる熱変位予定部26qの歪み量を荷重演算部31が演算するとともに、接触力C及び熱変位によって生ずる受け部側接触部26aの歪み量を荷重演算部31が演算する。そして、荷重演算部31が受け部側接触部26aの歪み量から熱変位予定部26qの歪み量を減算して、接触力Cのみによって生ずる受け部側接触部26aの歪み量を演算し、各すり板片12aに作用する接触力Cの大きさを演算する。
【0084】
この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置には、第1実施形態~第6実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、装着部26bに支持された状態で受け部側接触部26aと略同一環境下で熱変位予定部26qが熱変位し、荷重検出部27の検出結果を補正するために、この熱変位予定部26qの熱変位を熱変位検出部43が検出する。このため、受け部側接触部26aの熱膨張又は熱収縮によって生ずる荷重検出部27の検出誤差を、熱変位検出部43の検出結果によって校正し、接触力Cを高精度に測定することができる。
【0085】
(2) この第3実施形態では、受け部側接触部26aの歪みを検出する測定用歪みセンサの検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの歪みを校正用歪みセンサが検出する。このため、測定用歪みセンサの熱変位による検出誤差を、校正用歪みセンサの検出結果によって温度補償し、測定精度を向上させることができる。
【0086】
(3) この第3実施形態では、熱変位予定部26qが受け部側接触部26aと間隔をあけてこの受け部側接触部26aの近傍に配置されている。例えば、受け部側接触部26aのみに光ファイバ式の歪みゲージを貼り付けて熱変位による検出誤差を補正する場合には、光ファイバ30A,30Bを直交させて受け部側接触部26aに貼り付ける必要がある。しかし、舟体枠16内の狭い空間内に光ファイバ30A,30Bを直交させて配線することは困難であり、無理に配線すると光ファイバ30A,30Bに屈曲部分が生じ検出誤差の原因になる。この第3実施形態では、受け部側接触部26aと熱変位予定部26qとが微小間隔をあけて配置されている。このため、光ファイバ30A,30Bを直線状に平行に配線させることによって、熱変位による検出誤差を簡単に精度よく補正することができる。また、受け部側接触部26aに作用する接触力Cを熱変位予定部26qに作用させずに、熱変位によって生ずる荷重のみを熱変位予定部26qに作用させることができる。さらに、受け部側接触部26aと略同一の温度環境下で熱変位予定部26qを熱変位させることができる。
【0087】
(4) この第3実施形態では、荷重検出部27に接続される光ファイバ30Aをすり板片12aと弾性支持部22との間に通過部26rが通過させる。また、この第3実施形態では、熱変位検出部43に接続される光ファイバ30Bをすり板片12aと弾性支持部22との間に通過部26sが通過させる。例えば、この第1実施形態では、図2及び図5に示すように、荷重検出部27の両端部に接続された光ファイバ30を弾性支持部22の線条間の間隙部に通過させる必要があり、配線作業に手間がかかり組立作業に時間がかかる。一方、この第3実施形態では、導電部15と弾性支持部22との間に荷重受け部26を装着するだけで、通過部26r,26sによって光ファイバ30A,30Bがすり板片12aと弾性支持部22との間に誘導される。このため、光ファイバ30A,30Bの配線作業が簡単になり、組立作業を短時間で実施することができる。
【0088】
(5) この第3実施形態では、光ファイバ30A,30Bが直線状に配線されるようにこれらの光ファイバ30A,30Bを通過部26r,26sが通過させる。例えば、この第1実施形態では、図2及び図5に示すように、すり板12と平行になるように光ファイバ30を配線する必要があり配線作業に手間がかかる。一方、この第3実施形態では、通過部26r,26sによって光ファイバ30A,30Bが直線状に配線されるため配線作業を短時間で実施することができる。
【0089】
(6) この第3実施形態では、すり板片12aから荷重受け部26への熱伝導を遮断する断熱材によってすり板側接触部25が形成されている。このため、すり板片12aから受け部側接触部26aに伝わる熱をすり板側接触部25によって遮断し、熱変位予定部26qとは異なる温度環境下で受け部側接触部26aが熱変形するのを防ぐことができる。
【0090】
(第4実施形態)
図14は、この発明の第4実施形態に係るすり板の接触力測定装置の分解状態の斜視図である。以下では、図7に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図14に示す接触力測定装置24は、図7に示すすり板側接触部25と、荷重受け部26と、荷重検出部32と、電力供給部33と、通電状態検出部34などに加えて、図14に示す信号線35A,35Bと、熱変位検出部44と、荷重演算部45などを備えている。電力供給部33は、荷重検出部32及び熱変位検出部44に電力を供給する部分であり、通電状態検出部34は荷重検出部32及び熱変位検出部44の通電状態を検出する部分である。
【0091】
信号線35A,35Bは、電気信号を伝送する部材であり、信号線35Aは電力供給部33、荷重検出部32及び通電状態検出部34を一本の電線によって直列に接続し、信号線35Bは電力供給部33、熱変位検出部44及び通電状態検出部34を一本の電線によって直列に接続している。
【0092】
熱変位検出部44は、荷重検出部32の検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの熱変位を検出する部分である。熱変位検出部44は、熱変位予定部26qの歪みを検出する歪みセンサを備えており、熱変位予定部26qの歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを備えている。熱変位検出部44は、熱変位予定部26qに発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化する。熱変位検出部44は、各すり板片12aに対応して1個ずつ配置されており、熱変位予定部26qの中心線上であって熱変位予定部26qの中央部に配置されており、熱変位予定部26qの下面に接着剤などによって取り付けられている。
【0093】
荷重演算部45は、すり板片12aに作用する接触力Cを演算する部分である。荷重演算部45は、通電状態検出部34の検出結果に基づいて、受け部側接触部26a毎に歪み量を演算するとともに、熱変位予定部26q毎に歪み量を演算し、各熱変位予定部26qに対応する各受け部側接触部26aの歪み量を温度補正する。荷重演算部45は、例えば、通電状態検出部34が出力する通電状態情報に基づいて、各受け部側接触部26aの歪み量から各熱変位予定部26qの歪み量を減算して熱変位による影響を補正し、各すり板片12aに作用する接触力Cをそれぞれ演算する。荷重演算部45は、全てのすり板片12aに作用する補正後の接触力Cを加算して、すり板12全体に作用する接触力を演算する。
【0094】
この発明の第4実施形態に係るすり板の接触力測定装置には、第3実施形態の効果に加えて以下に記載するような効果がある。
この第4実施形態では、受け部側接触部26aの歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを荷重検出部32が備えており、熱変位予定部26qの歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを熱変位検出部44が備えている。このため、第3実施形態のような高価な光ファイバ式の歪みゲージを使用する場合に比べて、安価な電気抵抗式の歪みゲージを使用して接触量Cを簡単に測定することができる。
【0095】
(第5実施形態)
図15は、この発明の第5実施形態に係るすり板の接触力測定装置の分解状態の斜視図である。以下では、図9及び図10に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図15に示す接触力測定装置24は、図9及び図10に示すすり板側接触部25と、荷重受け部26と、荷重検出部27と、光照射部28と、光検出部29と、光ファイバ30などに加えて、図15に示す温度検出部46と、通電状態検出部47と、信号線48と、荷重演算部49などを備えている。
【0096】
温度検出部46は、荷重検出部27の検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの温度を検出する部分である。温度検出部46は、受け部側接触部26aの歪みを検出する荷重検出部27の測定用(荷重測定用)歪みセンサの検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの温度を検出する校正用(温度補償用)温度センサを備えている。温度検出部46は、例えば、温度に応じて電気信号が変化する熱電対を備えており、各すり板片12aに対応して1個ずつ配置されている。温度検出部46は、熱変位予定部26qに接着剤などによって取り付けられている。
【0097】
通電状態検出部47は、温度検出部46の通電状態を検出する部分であり、各温度検出部46に対応して1個ずつ配置されている。通電状態検出部47は、例えば、温度検出部46の熱電対の接点間の温度差に応じて発生する起電力を検出し、検出した電力に応じた電気信号を通電状態情報(起電力情報)として荷重演算部49に出力する。
【0098】
信号線48は、電気信号を伝送する部材である。信号線48は、電流の流れる電線(伝送線)であり、温度検出部46及び通電状態検出部47を一本の電線によって直列に接続している。
【0099】
荷重演算部49は、すり板片12aに作用する接触力Cを演算する部分である。荷重演算部49は、光検出部29の検出結果に基づいて、受け部側接触部26a毎に歪み量を演算するとともに、通電状態検出部47の検出結果に基づいて熱変位予定部26q毎に歪み量を演算し、各熱変位予定部26qに対応する各受け部側接触部26aの歪み量を温度補正する。荷重演算部49は、例えば、通電状態検出部47が出力する通電状態情報に基づいて、熱変位予定部26qの温度を演算し、この熱変位予定部26qの線膨張係数、温度及び基準長さに基づいてこの熱変位予定部26qの歪み量を演算する。荷重演算部49は、例えば、光検出部29が出力する光検出信号に基づいて、各受け部側接触部26aの歪み量から各熱変位予定部26qの歪み量を減算して熱変位による影響を補正し、各すり板片12aに作用する接触力Cをそれぞれ演算する。荷重演算部49は、全てのすり板片12aに作用する補正後の接触力Cを加算して、すり板12全体に作用する接触力を演算する。
【0100】
この発明の第5実施形態に係るすり板の接触力測定装置には、第1実施形態~第4実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第5実施形態では、装着部26bに支持された状態で受け部側接触部26aと略同一環境下で熱変位予定部26qが熱変位し、荷重検出部27の検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの温度を温度検出部46が検出する。このため、受け部側接触部26aの熱膨張又は熱収縮によって生ずる荷重検出部27の検出誤差を、温度検出部46の検出結果によって校正し、接触力Cを高精度に測定することができる。
【0101】
(2) この第5実施形態では、測定用歪みセンサの検出結果を校正するために、熱変位予定部26qの温度を校正用温度センサが検出する。このため、図9~図12に示すような光ファイバ式の歪みゲージのような高価な熱変位検出部43を使用せずに、熱電対のような安価な温度センサを利用して、すり板片12aに作用する接触力Cを高精度に測定することができる。
【0102】
(第6実施形態)
図16は、この発明の第6実施形態に係る荷重測定装置の断面図である。
図16に示す荷重作用部50は、荷重Fが作用する部材であり、上面に荷重Fが作用すると上下方向に可動する可動部材である。弾性支持部51は、荷重作用部50を弾性支持する部材であり、図2~図8に示す弾性支持部22と同様に、荷重作用部50が上下方向に移動可能なように支持する圧縮コイルばねなどの弾性体(付勢部材)である。
【0103】
荷重測定装置52は、荷重作用部50に作用する荷重Fを測定する装置である。荷重測定装置52は、図5に示す接触力測定装置24と同様に、作用部側接触部53と、荷重受け部54と、荷重検出部55などを備えている。作用部側接触部53は、荷重受け部54と接触する部分であり、荷重作用部50の下面に取り付けられており、この荷重作用部50の下面から下方に突出して荷重受け部54の受け部側接触部54aを押圧する突起部である。荷重受け部54は、荷重作用部50と弾性支持部51との間に着脱自在に装着されてこの荷重作用部50から荷重Fを受ける部分である。荷重受け部54は、図5及び図6に示す荷重受け部26と同様の部材であり、図16では荷重受け部26側の部分と対応する荷重受け部54側の部分については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。荷重検出部55は、荷重受け部54に作用する荷重Fを検出する部分である。荷重検出部55は、図5及び図7に示す荷重検出部27,32と同様であり、受け部側接触部54aの歪みに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式の歪みゲージ、又は受け部側接触部54aの歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージを備えている。
【0104】
この発明の第6実施形態に係る荷重測定装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第6実施形態では、荷重作用部50と弾性支持部51との間に着脱自在に荷重受け部54が装着されて、この荷重作用部50から荷重Fをこの荷重受け部54が受け、この荷重受け部54に作用する荷重Fを荷重検出部55が検出する。このため、荷重作用部50を弾性支持部51によって支持する基本構造を大規模に改変することなく、荷重作用部50と弾性支持部51との間に僅かな空間を確保して荷重受け部54を簡単に装着し、この荷重受け部54に作用する荷重Fを容易に検出することができる。また、荷重検出部55によって荷重作用部50を支持する構造や、弾性支持部51と荷重検出部55とを一体化させる構造ではないため、荷重検出部55が破損しても荷重作用部50が弾性支持部51によって支持されて、安全性を維持することができる。同様に、荷重受け部54が破損しても荷重作用部50が弾性支持部51によって支持されるため、安全性を維持することができる。さらに、荷重作用部50と弾性支持部51とを互いに連結させずに、これらが容易に分離可能な構造であるため、これらの間に荷重受け部54を短時間で簡単に装着することができる。
【0105】
(2) この第6実施形態では、荷重作用部50と弾性支持部51との間に間隙部Δを形成するように、これらの間に着脱自在に装着部54bが装着され、この装着部54bに支持された状態で作用部側接触部53と受け部側接触部54aが接触し、この受け部側接触部54aから荷重Fを受けて受け部側接触部54aが弾性変形する。このため、荷重作用部50側に作用部側接触部53を形成し、弾性支持部51に装着部54bを装着するような簡単な改造で足りるとともに、弾性支持部51の構造や機能を変えずにこの弾性支持部51を使用しながら荷重Fを測定することができる。
【0106】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この第1実施形態~第5実施形態では、車両2がA方向に移動する場合を例に挙げて説明したが、車両2がA方向とは逆方向に移動する場合についてもこの発明を適用することができる。また、この第1実施形態~第5実施形態では、集電装置4としてシングルアーム式パンタグラフを例に挙げて説明したが、菱型パンタグラフ、翼型パンタグラフなどの他の形式のパンタグラフ、第三軌条方式(サードレール式)の集電装置などについてもこの発明を適用することができる。さらに、この第1実施形態~第5実施形態では、電車線として架空式電車線路を例に挙げて説明したが、導電性レールを使用する第三軌条式電車線路についてもこの発明を適用することができる。
【0107】
(2) この第1実施形態~第5実施形態では、電気軌道総合試験車などの特殊車に接触力測定装置24を搭載して接触力Cを測定する場合を例に挙げて説明したが、旅客を輸送する旅客車に接触力測定装置24を搭載して接触力を測定することもできる。また、この第1実施形態~第5実施形態では、多分割すり板舟体を備える集電装置4の各すり板片12aに作用する接触力Cを測定する場合を例に挙げて説明したが、この多分割すり板舟体に限定するものではない。例えば、すり板が少数に分割された構造の集電舟の各すり板片に作用する接触力Cを測定する場合や、通常の集電装置の1枚すり板に作用する接触力を測定する場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この第1実施形態~第5実施形態では、集電装置4のすり板片12aに作用する接触力Cを測定する場合を例に挙げて説明したが、鉄道車両の軸箱を支持する軸ばねと台車枠との間に作用する荷重を測定する場合などについてもこの発明を適用することができる。
【0108】
(3) この第1実施形態~第5実施形態では、光ファイバ30,30A,30B又は信号線35,35A,35B,48によって集電装置4から車内に検出結果を送信しているが、テレメータ装置などを使用して集電装置4から車内に検出結果を無線送信することもできる。また、この第1実施形態~第5実施形態では、上側保持部26cと下側保持部26dとを雄ねじ部26fと雌ねじ部26hとの噛み合わせによって一体化しているが、これらをねじで締結して一体化することもできる。さらに、この第1実施形態~第6実施形態では、弾性支持部22,51がばねである場合を例に挙げて説明したが、ばね以外にゴムなどの弾性体である場合についても、この発明を適用することができる。
【0109】
(4) この第6実施形態では、光ファイバ式の歪みゲージ又は電気抵抗式の歪みゲージを備える一つの荷重検出部55によって受け部側接触部54aの歪みを測定する場合を例に挙げて説明したが、このような検出方法に限定するものではない。例えば、第3実施形態~第5実施形態のような熱変位予定部26qを受け部側接触部54aと平行に微小間隔をあけて配置し、受け部側接触部54aの歪みを温度補正することもできる。この場合には、第3実施形態~第5実施形態のような光ファイバ式の歪みゲージ、電気抵抗式の歪みゲージ又は熱電対によって熱変位予定部26qの歪みを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置を備える集電装置の模式図であり、(A)は側面図であり、(B)は正面図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置によって接触力が測定される集電舟の一部を省略して示す断面図である。
【図3】図2のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。
【図4】図2のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。
【図5】この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置の断面図である。
【図6】この発明の第1実施形態に係るすり板の接触力測定装置の平面図である。
【図7】この発明の第2実施形態に係るすり板の接触力測定装置の断面図である。
【図8】この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置によって接触力が測定される集電舟の一部を省略して示す断面図である。
【図9】この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の組立状態の斜視図である。
【図10】この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の分解状態の斜視図である。
【図11】この発明の第3実施形態に係るすり板の接触力測定装置の平面図である。
【図12】図11のXII-XII線で切断した状態を示す断面図である。
【図13】図13は、図11のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。
【図14】この発明の第4実施形態に係るすり板の接触力測定装置の分解状態の斜視図である。
【図15】この発明の第5実施形態に係るすり板の接触力測定装置の分解状態の斜視図である。
【図16】この発明の第6実施形態に係る荷重測定装置の断面図である。
【符号の説明】
【0111】
1 架線(電車線)
1a トロリ線
2 車両
4 集電装置
9 集電舟
12 すり板
12a すり板片
22 弾性支持部
24 接触力測定装置
25 すり板側接触部
26 荷重受け部
26a 受け部側接触部
26b 装着部
26q 熱変位予定部
26r,26s 通過部
27 荷重検出部
28 光照射部
29 光検出部
30,30A,30B 光ファイバ
31 荷重演算部
32 荷重検出部
33 電力供給部
34 通電状態検出部
35,35A,35B 信号線
36 荷重演算部
43,44 熱変位検出部
45 荷重演算部
46 温度検出部
47 通電状態検出部
48 信号線
49 荷重演算部
50 荷重作用部
51 弾性支持部
52 荷重測定装置
53 作用部側接触部
54 荷重受け部
54a 受け部側接触部
54b 装着部
55 荷重検出部
C 接触力
F 荷重
Δ 間隙部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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