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明細書 :サーバシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4542561号 (P4542561)
公開番号 特開2007-282249 (P2007-282249A)
登録日 平成22年7月2日(2010.7.2)
発行日 平成22年9月15日(2010.9.15)
公開日 平成19年10月25日(2007.10.25)
発明の名称または考案の名称 サーバシステム
国際特許分類 H04M   3/42        (2006.01)
H04W   4/02        (2009.01)
H04W  12/06        (2009.01)
FI H04M 3/42 Z
H04Q 7/00 101
H04Q 7/00 183
請求項の数または発明の数 6
全頁数 29
出願番号 特願2007-105105 (P2007-105105)
分割の表示 特願2002-030430 (P2002-030430)の分割、【原出願日】平成14年2月7日(2002.2.7)
出願日 平成19年4月12日(2007.4.12)
審査請求日 平成19年4月12日(2007.4.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】荻野 隆彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100090033、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 博司
【識別番号】100093045、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 良男
審査官 【審査官】田中 庸介
参考文献・文献 特開平08-223650(JP,A)
特開平07-046661(JP,A)
特開平10-098770(JP,A)
特開平10-164656(JP,A)
特開2000-165953(JP,A)
調査した分野 H04M 3/00、3/16-3/20
H04M 3/38-3/58
H04M 7/00-7/16
H04M 11/00-11/10
H04W 4/00-99/00
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の携帯端末と通信可能なサーバシステムであって、
携帯端末から発信される、携帯端末を一意的に識別するための端末識別情報及び当該携帯端末の位置を示す位置情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された端末識別情報と位置情報とを対応付けて、蓄積・記憶し、更に、端末識別情報が前記受信手段により受信された時刻を対応付けて蓄積・記憶する記憶手段と、
(1)端末識別情報及び受信時刻、又は、(2)端末識別情報、位置情報、及び受信時刻、に基づいて、同一の端末識別情報を発信する、複数の異なる携帯端末の存否を判定する重複判定手段と、
前記記憶手段に記憶された受信時刻に基づいて、各端末識別情報毎に、当該端末識別情報の連続追跡時間を算出する連続追跡時間算出手段と、
前記連続追跡時間算出手段により算出された連続追跡時間に基づいて、信頼度相当情報を算出する信頼度相当情報算出手段と
前記信頼度相当情報算出手段により算出された信頼度相当情報を所定の決済処理を行う決済システムに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバシステム。
【請求項2】
前記重複判定手段は、
前記記憶手段に蓄積・記憶されている位置情報及び受信時刻に基づき、携帯端末の移動の適正/不適正を判定する移動判定手段を有し、
複数の異なる携帯端末の存否の判定に際し、更に、前記移動判定手段による判定結果を基に当該判定を行うことを特徴とする請求項1記載のサーバシステム。
【請求項3】
前記重複判定手段により同一の端末識別情報を発信する携帯端末が複数存在すると判定された場合に、前記記憶手段に記憶されている位置情報及び受信時刻に基づいて、移動履歴データレコードを作成し、当該作成された移動履歴データレコードより構成される複数の移動履歴データテーブルのうち、1つの移動履歴データテーブルを対象移動履歴データテーブルとし、当該対象移動履歴データテーブルの中から、重複フラグがONである移動履歴データレコードを全て抽出し、当該抽出された移動履歴データレコードに含まれる情報に基づいて、前記携帯端末毎の移動パターンを抽出し、当該抽出された移動パターンの内、1つの移動パターンを対象移動パターンとし、当該対象移動パターンと前記対象移動履歴データテーブルにおいて真贋フラグがONとなっている前記移動履歴データレコードから得られる移動パターンとを照合することで、当該複数の携帯端末それぞれの真贋を判定する第1の真贋判定手段と、
前記第1の真贋判定手段により本物の前記携帯端末の移動パターンと判定された場合、前記対象移動パターンに該当する移動履歴データレコードの真贋フラグを全てONにする真贋フラグ設定手段と
前記真贋フラグ設定手段によりONに設定された真贋フラグを前記移動履歴データレコードから抽出し、当該抽出された移動履歴データレコードに含まれる情報に基づいて、前記信頼度相当情報算出手段により算出された前記信頼度相当情報を所定値だけ更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバシステム。
【請求項4】
前記重複判定手段により同一の端末識別情報を発信する携帯端末が複数存在すると判定された場合に、当該複数の携帯端末それぞれに対してワンタイムパスワードの要求を行い、当該要求に対応したワンタイムパスワードにより、当該携帯端末それぞれの真贋を判定する第2の真贋判定手段を備え
前記真贋フラグ設定手段は、
前記第2の真贋判定手段により本物の前記携帯端末と判定された場合、前記移動履歴データレコードの真贋フラグをONにする請求項3に記載のサーバシステム。
【請求項5】
一の端末識別情報を指定する指定手段、を備え、
前記重複判定手段は、前記指定手段により指定された端末識別情報と同一の端末識別情報を発信する他の携帯端末の存否を判定する、ことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のサーバシステム。
【請求項6】
前記重複判定手段は、前記記憶手段に蓄積・記憶されている全ての端末識別情報を対象として、前記判定を所定周期で実行することを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のサーバシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ID(Identification)を確認(保証)する方式として知られているものの1つにパスワードがある。この方式は、IDを確認(保証)する際に、当該IDに対応するパスワードの応答を求め、そのパスワードが予め登録されてあるパスワードと同一か否かによって当該IDの真正を保証するものである(例えば、特許文献1参照)。

【特許文献1】特開2001-117873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のIDの保証方式によれば、原則、パスワードのみがそのIDの真贋を確認できる唯一のものである。従って、パスワードの情報が盗用された場合には、同一のIDを持つ2以上の個体(例えば、クレジットカード)の真贋を判別できず、容易に複製物を製造することができてしまっていた。
【0004】
本発明の課題は、パスワード等によらない、新たな個体の真正保証方式を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
複数の携帯端末と通信可能なサーバシステムであって、
携帯端末から発信される、携帯端末を一意的に識別するための端末識別情報及び当該携帯端末の位置を示す位置情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された端末識別情報と位置情報とを対応付けて、蓄積・記憶し、更に、端末識別情報が前記受信手段により受信された時刻を対応付けて蓄積・記憶する記憶手段と、
(1)端末識別情報及び受信時刻、又は、(2)端末識別情報、位置情報、及び受信時刻、に基づいて、同一の端末識別情報を発信する、複数の異なる携帯端末の存否を判定する重複判定手段と、
前記記憶手段に記憶された受信時刻に基づいて、各端末識別情報毎に、当該端末識別情報の連続追跡時間を算出する連続追跡時間算出手段と、
前記連続追跡時間算出手段により算出された連続追跡時間に基づいて、信頼度相当情報を算出する信頼度相当情報算出手段と
前記信頼度相当情報算出手段により算出された信頼度相当情報を所定の決済処理を行う決済システムに送信する送信手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の発明のように、請求項1記載のサーバシステムにおいて、前記重複判定手段は、前記記憶手段に蓄積・記憶されている位置情報及び受信時刻に基づき、携帯端末の移動の適正/不適正を判定する移動判定手段を有し、複数の異なる携帯端末の存否の判定に際し、更に、前記移動判定手段による判定結果を基に当該判定を行うように構成してもよい。
【0007】
また、請求項3記載の発明のように、請求項1又は2記載のサーバシステムにおいて、
前記重複判定手段により同一の端末識別情報を発信する携帯端末が複数存在すると判定された場合に、前記記憶手段に記憶されている位置情報及び受信時刻に基づいて、移動履歴データレコードを作成し、当該作成された移動履歴データレコードより構成される複数の移動履歴データテーブルのうち、1つの移動履歴データテーブルを対象移動履歴データテーブルとし、当該対象移動履歴データテーブルの中から、重複フラグがONである移動履歴データレコードを全て抽出し、当該抽出された移動履歴データレコードに含まれる情報に基づいて、前記携帯端末毎の移動パターンを抽出し、当該抽出された移動パターンの内、1つの移動パターンを対象移動パターンとし、当該対象移動パターンと前記対象移動履歴データテーブルにおいて真贋フラグがONとなっている前記移動履歴データレコードから得られる移動パターンとを照合することで、当該複数の携帯端末それぞれの真贋を判定する第1の真贋判定手段と、前記第1の真贋判定手段により本物の前記携帯端末の移動パターンと判定された場合、前記対象移動パターンに該当する移動履歴データレコードの真贋フラグを全てONにする真贋フラグ設定手段と前記真贋フラグ設定手段によりONに設定された真贋フラグを前記移動履歴データレコードから抽出し、当該抽出された移動履歴データレコードに含まれる情報に基づいて、前記信頼度相当情報算出手段により算出された前記信頼度相当情報を所定値だけ更新する更新手段と、を備える構成としてもよい。
【0008】
また、請求項4記載の発明のように、請求項に記載のサーバシステムにおいて、前記重複判定手段により同一の端末識別情報を発信する携帯端末が複数存在すると判定された場合に、当該複数の携帯端末それぞれに対してワンタイムパスワードの要求を行い、当該要求に対応したワンタイムパスワードにより、当該携帯端末それぞれの真贋を判定する第2の真贋判定手段を備え前記真贋フラグ設定手段は、前記第2の真贋判定手段により本物の前記携帯端末と判定された場合、前記移動履歴データレコードの真贋フラグをONにするように構成してもよい。
【0009】
また、請求項5記載の発明のように、請求項1~4の何れかに記載のサーバシステムにおいて、一の端末識別情報を指定する指定手段、を備え、前記重複判定手段は、前記指定手段により指定された端末識別情報と同一の端末識別情報を発信する他の携帯端末の存否を判定するように構成してもよい。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項1~5の何れかに記載のサーバシステムにおいて、前記重複判定手段は、前記記憶手段に蓄積・記憶されている全ての端末識別情報を対象として、前記判定を所定周期で実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、端末識別情報を受信することで、当該端末識別情報の発信元である携帯端末を識別するとともに、その位置を示す位置情報を取得することができる。即ち、端末識別情報を受信することにより、その発信元である携帯端末の位置を把握し、当該携帯端末の追跡が可能となる。即ち、所定の認証システムにより“本物”と確認された携帯端末を追跡することで、係る携帯端末の真正(“本物”であること)を確実に保証できるとともに、同一の端末識別情報を発信する他の携帯端末は、全て贋物であると判定できる。
更に、携帯端末を追跡中、同一の端末識別情報を発信する他の携帯端末が出現した場合には、追跡中の携帯端末から発信される端末識別情報に加えて、出現した携帯電話機から発信される端末識別情報を受信する。つまり、“贋物”の出現を判定するとともに、当該“贋物”を追跡することができる。
尚、携帯端末から端末IDとともに送信される位置情報は、例えば、携帯端末が有するGPS機能により実現される。
【0012】
また、請求項1記載の発明によれば、端末識別情報を取得することで、当該端末識別情報の発信元である携帯端末の位置とともに、その時の時刻(受信時刻)を取得できる。即ち、係る携帯端末の位置の変化を時間経過とともに把握することで、当該携帯端末を継続的に追跡することが可能となる。
【0013】
ところで、上述した従来のIDの保証方式は、そのIDに対応するパスワードという情報が唯一の手がかりとなっている点の他、IDを確認する時期が離散的であるという点が特徴である。
しかし、本発明によれば、継続的に個体を追跡することによるため、当該個体の真正を保証することができる。即ち、複製物(贋物)が発生した場合には、自動的に発見され、その複製物(贋物)の位置が特定され、その複製物(贋物)も追跡されることとなる。
【0014】
また、請求項1記載の発明によれば、携帯端末から発信される端末識別情報を継続して受信している継続受信時間、即ち連続追跡時間に基づいて、当該携帯端末に対する信頼度相当情報を算出できる。 そして、算出した信頼度相当情報を決済システムに送信することで、決済システムにおいては、この連続追跡時間を携帯端末に対する信頼度として扱うことができる。この際には、信頼度相当情報は、継続受信時間とともに増加するように定めることが望ましい。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、例えば、前回の受信時刻から今回の受信時刻までの間に移動した距離が、受信間隔において移動可能な距離であるか否かにより、移動の適正/不適正を判定することができる。そして、移動が不適正である場合には、互いに離れた場所に同時に存在する、同一の端末識別情報を発信する複数の携帯端末の判定が可能となる。
【0016】
また、請求項3記載の発明によれば、複数存在すると判定された携帯端末毎に、蓄積・記憶されている過去の位置情報と受信時刻との関係(移動パターン)から、“本物”であるか“贋物”であるかを判定することができる。例えば、この判定基準としては、既に“本物”と判定されている携帯端末の移動パターンと合致する移動パターンの携帯端末を“本物”と判定してもよいし、また、連続して追跡している移動パターンに合致する移動パターンの携帯端末を“本物”と判定することとしてもよい。
【0017】
また、請求項4記載の発明によれば、複数存在すると判定された携帯電話機毎に、所定の情報通信、例えば、通常のパスワードと比較してセキュリティの高いワンタイムパスワードによる照合を行うことで、“本物”であるか“贋物”であるかを確実に判定できる。
【0018】
また、請求項5記載の発明によれば、受信の有無に関わらず、“贋物”の可能性のある端末識別情報に対して、“本物”であるか“贋物”であるかの判定が可能となる。
【0019】
また、請求項6記載の発明によれば、前記重複手段は、端末識別情報の受信の有無にかかわらず、所定周期毎に、同一の端末識別情報を発信する異なる複数の携帯端末が存在するかの判定を行うため、“贋物”が存在するかの判定を、より確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に好適な実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下では、携帯電話機を追跡対象とする端末追跡システムに本発明を適用した場合について説明するが、本発明の適用はこれに限られるものではない。
【0021】
この端末追跡システムとは、主に携帯電話機とサーバとにより構成され、“本物”であると確認された携帯電話機を、サーバが連続的に追跡することにより、当該携帯電話機の真正を保証するシステムである。そして、追跡中の携帯電話機以外の携帯電話機は、全て“贋物”であると判定される。
【0022】
より具体的には、当該システムは、図1に示すフローチャートに従って追跡を実行する。同図によれば、先ず携帯電話機の使用開始時には、例えば購入店舗で、この携帯電話機が“本物”であることの確認即ち認証を行う(ステップS1)。認証がなされた後、サーバは、当該携帯電話機の追跡を開始する(ステップS2)。
尚、この追跡は、後述するように、携帯電話機から発信される所定の情報を、サーバが継続的に受信し、その位置を把握することにより実現される。
【0023】
そして、携帯電話機の追跡が、原則的に半永久的に実行される(ステップS3:NO、ステップS4)。この追跡により携帯電話機の真正が保証される。
但し、例えば携帯電話機の電源がOFFになる、或いは地下街に移動する等により、サーバと携帯電話機との通信が途切れた場合には、携帯電話機の追跡が中断する(ステップS5:YES)。
【0024】
携帯電話機の追跡が中断した場合には、サーバと携帯電話機との通信が再度可能となるまで待機する(ステップS6)。そして、再度通信が可能、即ち追跡再開が可能となった場合には(ステップS7:YES)、ステップS1に戻り、再度携帯電話機の認証を行う。“本物”であることが確認された後(ステップS1)、サーバは、携帯電話機の追跡を再開する(ステップS2)。
尚、ここでの携帯電話機の認証は、例えば携帯電話機の購入店舗やそれに準ずる正規の認証場所における確認作業や、携帯電話機の所有者が、自宅等の予め登録された場所から固定電話機等の安全な通信手段で管理センターに使用開始を通告する、若しくはサーバ・携帯電話機間の所定の情報通信等により実現される。
【0025】
また、携帯電話機の追跡中、携帯電話機の破損や契約の解除等、当該携帯電話機の使用が終了された場合には、この使用終了に伴い、当該携帯電話機に対する追跡は終了となる(ステップS3:YES)。以下、この端末追跡システムを実現する2つの実施例について、詳細に説明する。
【0026】
〔第1の実施例〕
先ず、図2~図12を参照し、第1の実施例について説明する。
【0027】
図2は、第1の実施例における端末追跡システム1000の構成を示す図である。同図によれば、端末追跡システム1000は、サーバ100、複数の基地局200、及び複数の携帯電話機300より構成される。尚、同図においては3つの基地局200と、4つの携帯電話機300とが示されているが、勿論これは幾つでも構わない。
【0028】
サーバ100のハードウェア構成は、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、CD或いはMOといった外部記憶媒体に記憶された情報を読込自在な記憶媒体読込装置、当該サーバ100外部と情報通信を行う通信装置等がシステムバスを介して接続される、公知の汎用サーバ装置のハードウェア構成と同様である。
また、サーバ100は、通信ネットワークNを介して基地局200と接続されている。そして、これらの基地局200を中継して携帯電話機300と各種情報通信を行うことで、携帯電話機300を追跡するとともに、その真贋を判定する。
【0029】
基地局200は、通信ネットワークNを介してサーバ100と接続される。また、基地局200は、携帯電話機300の移動範囲であると予想される場所を、これらの通信エリアが隙間なくカバーするよう、配置されている。
そして、当該基地局200の通信エリア内の携帯電話機300から発信される各種信号を受信してサーバ100に送信するとともに、サーバ100から送信される各種信号を、当該基地局200内の指定された携帯電話機300に送信する。即ち、基地局200は、当該基地局200の通信エリア内の携帯電話機300とサーバ100との情報通信を中継している。
【0030】
尚、通信ネットワークN及び基地局200は、端末追跡システム1000のために設けられる専用のネットワーク及び基地局200であるが、携帯電話機300に係る無線通話システム等、他の外部システムのために設けられているネットワーク及び基地局と兼用であることとしても構わない。即ち、通信ネットワークN及び基地局200を介することによるサーバ100と携帯電話機300間の通信システム自体は、公知の技術から構成される。
【0031】
携帯電話機300は、CPU、RAM、ROM、数字キーや操作キー等の入力装置、小型液晶ディスプレイ等の表示装置、無線通信を行う無線通信装置等がシステムバスを介して接続されたものであり、いわゆる公知の無線電話機能を有する。また、携帯電話機300は、電源が投入されている間、当該携帯電話機300の端末IDを、所定の発信間隔Tで発信する。
【0032】
端末IDとは、複数の携帯電話機300を一意的に識別するためのIDであり、携帯電話機300毎に異なる端末IDが割り当てられ、各携帯電話機300の記憶媒体に記憶されている。即ち、各携帯電話機300は、それぞれ異なる端末IDを発信する。
そして、サーバ100は、各携帯電話機300から発信される端末IDを受信することで、各携帯電話機300を識別するとともに、その位置を取得し、当該携帯電話機300を追跡する。
【0033】
尚、ここで、携帯電話機300を「追跡」するとは、サーバ100が、携帯電話機300から発信される端末IDを、発信間隔Tと等しい時間間隔で継続的に受信し、当該携帯電話機300の位置を把握していることを意味している。即ち、携帯電話機300の位置を継続的に取得するとともに、取得した位置が所定の整合条件を満足している状態を、サーバ100が携帯電話機300を連続的に「追跡」しているものとみなしている。
【0034】
ところで、携帯電話機300は、電源が投入されている間のみ端末IDを発信し、電源が投入されていない場合には、端末IDを発信しない。一方、サーバ100は、携帯電話機300から発信される端末IDを受信することで、当該携帯電話機300を識別する。
更に、携帯電話機300の位置が、地下街やトンネルの中等である場合等には、サーバ100は、当該携帯電話機300より発信される端末IDの受信が不可能となる。
【0035】
そのため、本実施の形態においては、携帯電話機300から発信される端末IDがサーバ100において受信されている状態、即ち、サーバ100が携帯電話機300から発信される端末IDを受信している状態を意味して、当該携帯電話機300が「存在」するという。
そして、携帯電話機300の電源が投入され端末IDの発信が開始される等、携帯電話機300から発信される端末IDが、サーバ100において受信可能となった状態を意味して、当該携帯電話機300が「出現」したという。
【0036】
また、携帯電話機300から発信される端末IDは、基地局200を中継し、サーバ100にて受信される。そして、サーバ100は、受信した端末IDがどの基地局200を中継して送信されたかにより、当該端末IDを発信した携帯電話機300の位置を特定する。
【0037】
具体的には、中継した基地局200の通信エリアを、端末IDの発信元である携帯電話機300の位置とし、当該基地局200の設置位置を携帯電話機300の位置とみなして、基地局200の位置を特定する。但し、2つ以上の基地局を中継した場合には、中継した各基地局の設置位置の内、何れか1つの位置を、基地局200の位置とする。
以下、端末IDの発信元の位置として特定された位置を、当該端末IDの「発信位置」という。
【0038】
次に、サーバ100による携帯電話機300の追跡、及び真贋判定の原理について、説明する。尚、本原理の説明において「端末ID」とは、ある1つの端末IDを指しているものとする。
【0039】
図3は、端末IDを発信する携帯電話機300が1台のみ(「携帯電話機A」とする。)存在する場合を示す図である。
図3(a)においては、横軸を時間として、携帯電話機Aにおける端末IDの発信時刻、及びサーバ100における端末IDの受信時刻tが示されている。
【0040】
同図(a)によれば、携帯電話機Aは、発信間隔Tで端末IDを発信し、その発信時刻は、t1、t2、t3、・・である。
そして、サーバ100は、携帯電話機Aから発信される端末IDを受信する。即ち、受信時刻tは、t1、t2、t3、・・であり、各受信時刻tの間の時間間隔(以下、「受信間隔」という。)は、発信間隔Tと等しい。また、各受信時刻t1、t2、t3、・・における端末IDの発信位置p1、p2、p3、・・は、同図(b)に示すようになる。
【0041】
図3(b)は、携帯電話機Aの移動パターンを示す図である。この移動パターンとは、1つの携帯電話機300に対する、受信時刻tと発信位置pとの関係のことである。
【0042】
同図(b)において、横軸は、サーバ100における端末IDの受信時刻tを、縦軸は、端末IDの発信位置pを、それぞれ示している。
例えば、受信時刻t1における発信位置はp1であり、受信時刻t2における発信位置はp2である。また、受信時刻t3における発信位置はp3である。
故に、サーバ100は、受信時刻t1からt2、そしてt3の間に、端末IDの発信元である携帯電話機300の位置は、p1からp2、そしてp3へ移動したと判定する。また、この時の移動距離lは、同図(c)に示すようになる。
【0043】
図3(c)において、横軸は、サーバ100における端末IDの受信時刻tを、縦軸は、移動距離lを、それぞれ示している。
移動距離lとは、受信間隔において、端末IDの発信元である携帯電話機300が移動したであろうとサーバ100が判断する距離であり、詳細には、前回の発信位置pと今回の発信位置pとの間の距離である。
【0044】
例えば、受信時刻t2における移動距離l2は、受信時刻t1における発信位置p1と受信時刻t2における発信位置p2との間の距離であり、また、受信時刻t3における移動距離l3は、受信時刻t2における発信位置p2と受信時刻t3における発信位置p3との間の距離である。
【0045】
また、同図(c)には、移動距離lの上限値Lが示されている。この上限値Lは、携帯電話機Aが一定時間内に移動可能な距離の上限であり、例えば、携帯電話機Aの発信間隔T、移動距離l、或いはこの発信間隔T及び移動距離lに基づく携帯電話機Aの移動速度により与えられる。より具体的には、携帯電話機Aの所有者の行動(例えば歩行中である、自動車に乗っている)、或いはその周辺環境(自動車に乗っている場合であれば、一般道であるのか、高速道路であるのか)等の条件に基づいて、適宜設定される値である。
尚、同図(c)においては、上限値Lは一定である。
【0046】
従って、図3によれば、受信間隔が所定の発信間隔Tと等しく、且つ受信間隔における移動距離lが上限値L以下である場合、サーバ100は、1つの携帯電話機300から発信されている端末IDを受信している、即ちこの端末IDを発信する携帯電話機300は、1つのみ存在すると判定する。
【0047】
このように、サーバ100が、携帯電話機300から発信される端末IDを、発信間隔Tと等しい受信間隔で受信しており、且つ移動距離lが上限値L以下である状態を、サーバ100は当該携帯電話機300を「追跡中」であるという。即ち、図2は、サーバ100が携帯電話機Aを追跡中の場合である。
【0048】
図4は、サーバ100が携帯電話機Aを追跡中に、携帯電話機Aの電源が一時遮断される等、サーバ100と携帯電話機Aとの通信が一時的に遮断された後、再度サーバ100にて端末IDの受信が再開された場合、即ち携帯電話機Aが「出現」した場合を示す図である。
【0049】
同図においては、横軸を時刻として、携帯電話機Aにおける端末IDの発信時刻、及びサーバ100における端末IDの受信時刻tが示されている。
また、通信遮断直前の発信時刻t4と通信再開直後の発信時刻t5との間の時間間隔を、以下、「通信遮断時間Td」という。尚、発信時刻t4以前、及び発信時刻t5以降の発信間隔はTである。
【0050】
従って、サーバ100は、携帯電話機300の追跡中、受信間隔が一時変化した後、発信間隔Tと等しい受信間隔で、再度端末IDを受信した場合には、当該携帯電話機300の通信が遮断され、再度通信が開始された、即ち携帯電話機300が出現したと判定する。
また、サーバ100は、この一時変化した受信間隔、即ち通信遮断時間Tdの経過後、最初の受信時刻を、携帯電話機300が出現した時刻(以下、「出現時刻」という。)と判定する。
【0051】
また、サーバ100は、携帯電話機300が出現したと判定した場合、当該出現した携帯電話機300の真贋を判定する。
これは、携帯電話機300の通信が遮断された後、当該携帯電話機300との通信が遮断された状態のまま、同一の端末IDを発信する贋物の携帯電話機300の電源が投入され、通信が開始された可能性も有り得るからであり、即ち、出現した携帯電話機300は、通信遮断前の携帯電話機300と必ずしも同一であるとは判定できないからである。
【0052】
真贋の判定には、サーバ100が、出現した携帯電話機300との間で所定の情報通信を行うことにより実現する。
より詳細には、サーバ100は、出現した携帯電話機300に対してパスワードの要求を行う。そして、この要求に応答したパスワードにより、出現した携帯電話機300の真贋を判定する。
また、このパスワードは、各携帯電話機300毎に予め定められた固有のパスワードであって、1回のみ有効な、いわゆるワンタイムパスワードである。そして、複数のワンタイムパスワードが、予め携帯電話機300内に組み込まれ、真贋判定時に使い切りとして使用される。尚、このワンタイムパスワードの技術は、何れの公知技術を用いて実現して構わない。
【0053】
尚、この真贋の判定は、上記所定の情報通信に限らず、他の手法、例えば上述のように、購入店舗やそれに準ずる正規の認証場所における確認作業、若しくは当該携帯電話機の所有者により、自宅等の予め登録された場所から固定電話機等の安全な通信手段で管理センターに使用開始を通告されることにより実現されることとしてもよい。
【0054】
さて、図5は、携帯電話機Aの追跡中に、他の携帯電話機300(「携帯電話機B」とする。)が出現した場合を示す図である。尚、この携帯電話機Bは、携帯電話機Aと同一の端末IDを発信する。
【0055】
図5(a)においては、横軸を時刻として、携帯電話機Aにおける端末IDの発信時刻、携帯電話機Bにおける端末IDの発信時刻、及びサーバ100における端末IDの受信時刻tが示されている。
【0056】
同図(a)によれば、携帯電話機Aは、発信間隔Tで端末IDを発信し、その発信時刻はta1、ta2、ta3・・である。また、携帯電話機Bは、携帯電話機Aが端末IDを発信途中、具体的には発信時刻ta2とta3との間に出現し、携帯電話機Aと等しい発信間隔Tで、端末IDを発信する。その発信時刻は、tb1、tb2、tb3・・である。
【0057】
そして、サーバ100は、携帯電話機Aから発信される端末IDを、発信間隔Tと等しい受信間隔で受信するとともに、携帯電話Bの出現後は、更に携帯電話機Bから発信される端末IDを受信する。つまり、受信時刻tは、ta1、ta2、tb1、ta3、tb2、ta4、tb3、・・である。また、受信間隔は、携帯電話機Bの出現前は、発信間隔Tと等しく、携帯電話機Bの出現後は、発信間隔Tより短い。
【0058】
従って、受信間隔が発信間隔Tより短い場合、サーバ100は、複数の携帯電話機300から発信されている端末IDを受信している、即ち同一の端末IDを発信する複数の携帯電話機300が存在すると判定する。
【0059】
また、サーバ100は、受信間隔が発信間隔Tより短くなった時点、即ち受信時刻tb1を、新たに出現した携帯電話機Bから発信される端末IDを受信した時刻、即ち携帯電話機Bが出現した時刻(以下、「出現時刻」という。)tb1であると判定する。
【0060】
そして、サーバ100は、出現時刻tb1以降の各受信時刻ta3、tb2、ta4、・・が、携帯電話機A、Bの何れから発信された端末IDを受信した時刻であるのかを判定する。
具体的には、出現時刻tb1の直前の受信時刻ta2から、発信間隔Tと等しい受信間隔で端末IDを受信した時刻、即ち受信時刻ta3、ta4、ta5、・・を、追跡中の携帯電話機Aから発信される端末IDの受信時刻であると判定する。また、出現時刻tb1から、発信間隔Tと等しい受信間隔で端末IDを受信した時刻、即ち受信時刻tb2、tb3、・・を、出現した携帯電話機Bから発信される端末IDの受信時刻であると判定する。
【0061】
更に、サーバ100は、追跡中の携帯電話機Aが“本物”である場合には、新たに出現した携帯電話機Bを、“贋物”であると判定する。
【0062】
また、各受信時刻ta1、ta2、tb1、・・における端末IDの発信位置pa1、pa2、pb1、・・は、同図(b)に示すようになる。
【0063】
図5(b)において、横軸は、サーバ100における端末IDの受信時刻tを、縦軸は、端末IDの発信位置pを、それぞれ示している。そして、サーバ100は、ここで示される受信時刻tと発信位置pとの関係から、携帯電話機A、Bそれぞれの移動パターンを抽出する。
【0064】
具体的には、受信時刻ta1、ta2、ta3、・・は、図5(a)において説明したように、携帯電話機Aから発信された端末IDを受信した時刻である。故に、サーバ100は、この受信時刻ta1、ta2、ta3、・・と、その時の発信位置pa1、pa2、pa3、・・との関係を、携帯電話機Aの移動パターンAとして抽出する。
【0065】
同様に、受信時刻tb1、tb2、tb3、・・は、携帯電話機Bから発信された端末IDを受信した時刻である。故に、サーバ100は、この受信時刻tb1、tb2、tb3、・・と、その時の発信位置pb1、pb2、pb3、・・との関係を、携帯電話機Bの移動パターンBとして抽出する。
【0066】
そして、サーバ100は、抽出した各移動パターンA、Bと、“本物”である携帯電話機300の移動パターンとを照合し、どちらの移動パターンが“本物”の携帯電話機300の移動パターンであるか、即ち携帯電話機A、Bのどちらが“本物”であるかを判定する。この判定は、日時を基に、蓄積・記憶されている“本物”の携帯電話機300の移動パターンと比較して判断してもよいし、従前から継続して追跡している方を“本物”と判定してもよい。
【0067】
ところで、同一の端末IDを発信する複数の携帯電話機300が存在するか否かの判定は、次の方法によっても実現される。即ち、同図(b)によれば、受信時刻ta1における発信位置はpa1であり、受信時刻ta2における発信位置はpa2である。そして、受信時刻tb1における発信位置はtb1である。
故に、サーバ100は、受信時刻ta1からta2、そしてtb1の間に、端末IDの発信元である携帯電話機300の位置は、pa1からpa2、そしてpb1へ移動したと判定する。そして、この時の移動距離lは、同図(c)に示すようになる。
【0068】
図5(c)において、横軸は、サーバ100における端末IDの受信時刻tを、縦軸は、移動距離lを、それぞれ示している。
例えば、受信時刻ta2における移動距離l2は、受信時刻ta1における発信位置pa1と受信時刻ta2における発信位置pa2との間の距離であり、また、受信時刻tb1における移動距離l3は、受信時刻ta2における発信位置pa2と受信時刻tb1における発信位置pb1との間の距離である。
【0069】
そして、受信時刻ta1、ta2、即ち携帯電話機Bの出現以前における移動距離l1、l2は、何れも移動距離の上限値L以下である。一方、携帯電話機Bの出現以降の受信時刻tb1、ta3、tb2、・・における移動距離lb1、la3、lb2、・・は、何れも移動距離の上限値Lを超えている。
従って、移動距離lが上限を超えた場合、サーバ100は、同一の端末IDを発信する複数の携帯電話機300が存在すると判定する。
【0070】
従って、図5によれば、受信間隔が発信間隔Tより短い、或いは受信間隔における移動距離lが一定値を超える場合、サーバ100は、異なる複数の携帯電話機300から発信される端末IDを受信している、即ち同一の端末IDを発信する複数の携帯電話機300が存在すると判定する。
【0071】
以上説明したように、端末追跡システム1000において、サーバ100は、携帯電話機300が発信する端末IDを受信することで、当該携帯電話機300を追跡する。また、受信時刻tと発信位置pとの関係より、新たな携帯電話機300が出現したか否かを判定し、出現した場合には、過去の追跡結果等に基づき、当該出現した携帯電話機300の真贋を判定する。
また、受信した端末IDに係るデータを蓄積することで、サーバ100は、当該携帯電話機300をいつから(どの時点から)連続的に追跡しているかを把握することができる。即ち、追跡の開始時点が明確となり、“本物”と確認された携帯電話機を追跡することで、携帯電話機300の真正の保証が可能となる。
【0072】
次に、携帯電話機300の構成について説明する。
図6は、携帯電話機300の内部構成を示すブロック図である。同図によれば、携帯電話機300は、制御部(CPU)50、入力部60、表示部70、無線通信部80、記憶部(ROM)91、及び一時記憶部(RAM)92より構成される。
【0073】
制御部50は、携帯電話機300を構成する各部を統括的に制御するものであり、記憶部91から読み出した各種制御プログラムに従った処理を実行し、処理結果を記憶部91内の所定領域に格納するとともに表示部70に表示させる。
また、制御部50は、電源スイッチが押下され、携帯電話機300本体の電源が投入されると、記憶部91に記憶されている端末IDを、所定の発信間隔Tで、無線通信部80より携帯電話機300外部に発信させる。
【0074】
入力部60は、数字キーや操作キー等の各種機能キーや、電源スイッチ等により構成される。そして、キー或いはスイッチが押下されたことを検知すると、押下されたキー或いはスイッチに応じた押下信号を、制御部50に出力する。
【0075】
表示部70は、小型液晶ディスプレイ(LCD)等により構成され、制御部50から入力される表示データに従った表示画面を表示する。
【0076】
無線通信部80は、基地局200と接続し、サーバ100との間の各種情報通信を実現するための通信装置である。例えば、制御部50から入力される端末ID等の各種データを変調して無線アンテナ81から送信するとともに、無線アンテナ81にて受信された受信信号を増幅・復調し、復調後の受信信号を制御部50に出力する。
【0077】
記憶部91は、フラッシュROM等の不揮発性の半導体メモリで構成され、携帯電話機300のシステムプログラム(初期化情報等)や各種処理プログラム、及び当該プログラムの実行に必要な諸データ、例えば端末ID等を記憶している。
【0078】
一時記憶部92は、制御部50によって実行される各種処理において、記憶部91や無線通信部80、或いは入力部60から取得されるプログラムやデータ、若しくは処理データ等を一時的に格納する作業領域として用いられるものである。
【0079】
次に、サーバ100の構成について説明する。
図7は、サーバ100の内部構成を示すブロック図である。同図によれば、サーバ100は、制御部(CPU)10、通信部20、記憶部(HD等)30、及び一時記憶部(RAM)40より構成される。
【0080】
制御部10は、記憶部30に記憶されている、サーバ100に対応する各種プログラム等の中から指定されたプログラムやデータ、通信部20から取得される各種データを一時記憶部40内に展開する。そして、このデータ等に応じて、上記プログラムに従う各種処理を実行し、処理結果を記憶部30内の所定領域に格納する。
また、制御部10は、サーバ100を構成する各部の動作を統一的に制御するとともに、重複判定プログラム33aに従った重複判定処理a(図10参照)、真贋判定プログラム34aに従った真贋判定処理a(図11参照)、及び信頼度算出プログラム35aに従った信頼度算出処理a(図12参照)を実行制御する。
【0081】
具体的には、重複判定処理aにおいて、制御部10は、携帯電話機300から発信される端末IDを受信すると、中継した基地局200より、当該端末IDを発信した携帯電話機300の位置を特定する。そして、特定した位置、即ち発信位置とこの端末IDを受信した時刻(受信時刻)とを対応付けて、移動履歴DB31a内の該当する領域に蓄積・記憶する。
それとともに、移動履歴DB31aを参照し、今回の受信時刻及び発信位置と、この端末IDの前回の受信時刻及び発信位置より、係る端末IDを発信する携帯電話機300が複数存在するか否かを判定する。
【0082】
即ち、重複判定処理aにおいて、制御部10は、図5を参照して説明したように、受信した端末IDの受信間隔及び移動距離lより、同一の端末IDを発信する複数の携帯電話機が存在する可能性、即ち重複の有無を判定する。そして、重複の可能性有りと判定したものについは、該当する移動履歴データテーブルの重複フラグをONとし、後述する真贋判定処理aにおける判定対象とする。
【0083】
また、制御部10は、真贋判定処理aにおいて、移動履歴DB31aを参照し、端末ID毎に、重複判定処理aにおいて存在すると判定された複数の携帯電話機300それぞれの真贋を判定する。
【0084】
更に、制御部10は、上記真贋判定処理aに続いて実行する信頼度算出処理aにおいて、移動履歴DB31aを参照し、端末ID毎に、複数の携帯電話機300それぞれの信頼度を算出するとともに、信頼度データテーブル32aを更新する。
【0085】
また、制御部10は、計時機能を有しており、この計時機能により計時される時刻に基づいて、端末IDの受信時刻を取得する。
【0086】
通信部20は、通信ネットワークNを介して基地局200と接続し、携帯電話機300との間の各種情報通信を実現するための通信装置である。
【0087】
記憶部30は、磁気的、光学的記録媒体等により構成され、サーバ100のシステムプログラム(初期化情報等)や各種処理プログラム、及び当該プログラムの実行に必要な諸データ等を記憶している。
また、上記処理プログラムには重複判定プログラム33a、真贋判定プログラム34a、及び信頼度算出プログラム35aが、そしてこれらの処理プログラムの実行に必要な諸データには移動履歴DB31a、及び信頼度データテーブル32aが、それぞれ含まれている。
【0088】
移動履歴DB31aとは、携帯電話機300の追跡結果を記憶するものであり、具体的には、各携帯電話機300に割り当てられた端末IDを対応付けた、移動履歴データテーブルを格納する。また、移動履歴データテーブルとは、対応付けられた端末IDを発信する携帯電話機の追跡結果を記憶するものである。
【0089】
図8は、移動履歴DB31aを示す図であり、この移動履歴DB31aに格納されている複数の移動履歴データテーブルの内、1つの移動履歴データテーブルが、図中下方に示されている。
同図によれば、移動履歴データテーブルは、端末IDを受信した時刻(受信時刻)と、その時の発信位置と、重複フラグと、真贋フラグとを対応付けた複数のレコード(以下、各レコードを「移動履歴データレコード」という。)より構成される。この移動履歴データレコードは、端末IDが受信される毎に生成され、移動履歴データテーブルに追加される。
【0090】
重複フラグとは、当該移動履歴データレコードに該当する端末IDの発信元である携帯電話機300が複数存在する可能性の有無を示すフラグである。
具体的には、重複判定処理aにおいて、該当する端末IDを発信する携帯電話機300が複数存在すると判定された場合に、ONとなる。そして、この重複フラグがONである移動履歴データレコードが、真贋判定処理aにおける真贋判定の対象となり、該当する端末IDを発信した携帯電話機300が本物であるか否かを判定されると、OFFとなる。
【0091】
真贋フラグとは、当該移動履歴データレコードに該当する端末IDが、本物の携帯電話機300から発信されたか否かを示すフラグである。
具体的には、該当する端末IDが、本物と確認された携帯電話機300から発信された場合、即ち重複判定処理a又は真贋判定処理aにおいて、本物の携帯電話機300から発信された端末IDであることが確認された場合に、ONとなる。言い換えれば、発信された携帯電話機300が本物であるか否かを確認されていない場合、或いは贋物であると確認された場合には、OFFである。
【0092】
信頼度データテーブル32aとは、携帯電話機300に与えられる信頼度を記憶するものである。但し、ここで対象としている携帯電話機300とは、“本物”であると確認されている携帯電話機300である。
図9(a)は、信頼度データテーブル32aを示す図である。同図(a)によれば信頼度データテーブル32aは、各携帯電話機300に割り当てられた端末ID毎に、信頼度、及び前回算出時刻を対応付けて記憶する。
【0093】
信頼度は、追跡時間の経過に基づいて所定値が加算されていく累積値であり、具体的には、端末IDを受信した累積回数(即ち、累積追跡時間)に比例する値である。
【0094】
前回算出時刻とは、信頼度が更新された最近の時刻である。即ち、信頼度データテーブル(詳細には、上記信頼度)は、一定時間毎に実行される信頼度算出処理a(図12参照)において更新されるが、この時の更新時刻が、この前回算出時刻に該当する。
【0095】
図9(b)は、追跡時刻の経過と信頼度との関係の概念を示す図である。同図(b)においては、横軸を時間として、時刻t1で追跡を中断し、その後時刻t2で追跡を再開した様子を示している。
そして、時刻t3を現在時刻とすると、追跡開始時刻は時刻t2となり、連続追跡時間は、時刻t2から時刻t3までの経過時間となる。
【0096】
また、信頼度は、追跡が中断した時刻t1までは、経過時間に応じて所定値が複数回加算されることにより増加する。次いで、追跡が中断した時刻t1から追跡が再開した時刻t2までの間は、信頼度は“ゼロ”となる。その後、追跡が再開した時刻t2からは、追跡時間の経過に伴って所定値が加算されていくことにより、信頼度は、再度増加する。
ここで、追跡再開後の信頼度の増加の割合、即ち加算していく所定値を、追跡中断前(時刻t2以前)と比較し、一時的に大きい値(例えば、1.5倍)とする。そして、時刻t3で、追跡が中断されない場合の値に到達すると、以降は、加算していく所定値の値を中断前の値とし、信頼度の増加の割合を元に戻す。
【0097】
但し、同図(b)は概念図であるため、実際には、上述のように一定時間毎に実行される信頼度算出処理により、信頼度データテーブル即ち信頼度が更新される。つまり、携帯電話機300の追跡(即ち、端末IDの受信)とともに増加するのではなく、上記一定時間毎に更新されることになる。
だが、この一定時間即ち更新間隔を短くすることで、同図(b)とほぼ同様に変化する信頼度を得ることができる。
【0098】
尚、この信頼度に加算する所定値(加算値)を、追跡開始後、一時的に大きい値とすることとしたが、特に変更しなくとも良い。また、追跡が中断された場合には、信頼度を“ゼロ”に戻すこととしたが、追跡中断時間に応じて所定度数下げることとしても良いし、特に下げることはせず、再開されるまで追跡中断前の信頼度を維持することとしても良い。
【0099】
また、ここで得られる信頼度は、例えば追跡対象である携帯電話機300がクレジットカードとしての機能を有する場合、サーバ100が所定の決済システム、例えばクレジットカード会社が運営する決済システムと通信を行い、得られた信頼度を送信することで、当該携帯電話機300に対する信頼度として扱うことができる。
【0100】
一時記憶部40(RAM)は、制御部10によって実行される各種処理において、記憶部30や通信部20から取得されるプログラムやデータ、若しくは処理データ等を一時的に格納する作業領域として用いられるものである。
【0101】
次に、サーバ100の動作を説明する。
図10は、重複判定処理aを説明するフローチャートである。この重複判定処理aは、端末IDを受信する毎に、制御部10により、重複判定プログラム33aに従って実行される処理である。
【0102】
同図によれば、制御部10は、端末IDを受信すると、この時中継した基地局200より、当該端末IDを発信した携帯電話機300の位置を特定する(ステップS11)。
そして、端末IDを受信した時刻(受信時刻)と、特定した位置(発信位置)を対応付けた移動履歴データレコードを作成し、移動履歴DB31a内の、端末IDに対応する移動履歴データテーブル(以下、単に「移動履歴データテーブル」という。)の最後に、追加格納する(ステップS12)。また、それとともに、制御部10は、係る移動履歴データレコードに含まれる重複フラグ、及び真贋フラグを、以下のように決定する。
【0103】
制御部10は、移動履歴データテーブルの最後に格納されていた移動履歴データレコード、即ち前回この端末IDが受信された際の移動履歴データレコード(以下、「前回の移動履歴データレコード」という。)を参照し、前回の受信時刻から今回の受信時刻までの時間経過、即ち受信間隔を求める(ステップS13)。そして、求めた受信間隔と、携帯電話機300の発信間隔Tとを比較する(ステップS14)。
【0104】
比較の結果、受信間隔と発信間隔Tとが等しい場合(ステップS14:YES)、制御部10は、前回の移動履歴データレコードを参照し、前回の発信位置から今回の発信位置までの移動距離を求める(ステップS15)。そして、求めた移動距離が所定距離以内である場合(ステップS16:YES)、1台の携帯電話機300を追跡中であるとみなし、続いて、前回の移動履歴データテーブルの真贋フラグを判定する(ステップS17)。
尚、ステップS16における「所定距離」とは、図3、図5を参照して説明した、移動距離lの上限値Lに該当するものである。
【0105】
前回の移動履歴データレコードの真贋フラグがONである場合(ステップS17:YES)、制御部10は、端末IDの発信元である携帯電話機300を“本物”であるとみなし、移動履歴データレコードの重複フラグをOFFとするとともに、真贋フラグをONとする(ステップS18)。
また、前回の移動履歴データレコードの真贋フラグがOFFである場合には(ステップS17:NO)、端末IDの発信元である携帯電話機300を“本物”であることを確認できないため、移動履歴データレコードの重複フラグをONとするとともに、真贋フラグをOFFとする(ステップS19)。
【0106】
一方、ステップS16において、求めた移動距離が所定距離を超えた場合(ステップS16:NO)、制御部10は、追跡中の携帯電話機300の移動が不適切である、即ち新たな携帯電話機300が出現したものとみなし、移動履歴データレコードの重複フラグをONとするとともに、真贋フラグをOFFとする(ステップS19)。
【0107】
また、ステップS14において、受信間隔と発信間隔Tとが等しくなく(ステップS14:NO)、更に受信間隔が発信間隔Tより大きい場合(ステップS20:YES)、制御部10は、携帯電話機300が出現したものとみなし、当該携帯電話機300、即ち端末IDの発信元である携帯電話機300の真贋を確認する処理を行う(ステップS21)。
この真贋の確認方法として、制御部10は、上述したように、当該携帯電話機300との所定の情報通信を行ってその真贋を確認する方法や、正規の認証場所における確認作業、或いは携帯電話機300の所有者からの使用開始通告等により、その真贋を確認する。
【0108】
尚、ステップS20におけるYES判定は、図4を参照して説明した、「追跡中の携帯電話機Aの通信が遮断され、通信遮断時間Td経過後、再度通信が開始された場合」に該当する。但し、通信遮断時間Td>発信間隔T、である。
【0109】
そして、係る携帯電話機300が本物であると確認された場合(ステップS22:YES)、制御部10は、移動履歴データレコードの重複フラグをOFFとするとともに、真贋フラグをONにする(ステップS23)。一方、本物であると確認できない場合には(ステップS22:NO)、重複フラグをONにするとともに、真贋判定フラグをOFFとする(ステップS24)。
【0110】
また、ステップS20において、受信間隔が発信間隔Tより小さい場合(ステップS20:NO)には、制御部10は、携帯電話機300が出現したとみなし、移動履歴データレコードの重複フラグをONとするとともに、真贋判定フラグをOFFとする(ステップS24)。
【0111】
尚、ステップS20におけるNO判定は、図4を参照して説明した、「追跡中の携帯電話機Aの通信が遮断され、通信遮断時間Td経過後、再度通信が開始された場合」或いは、図4を参照して説明した、「携帯電話機Aを追跡中、新たな携帯電話機Bが出現した場合」の何れかに該当するが、どちらであるかは判定できない場合である。但し、通信遮断時間Td<発信間隔T、である。
【0112】
このように、受信間隔と発信間隔Tとを比較し、その比較結果により、移動履歴データレコードの重複フラグ、及び真贋フラグを設定すると、制御部10は、本重複判定処理aを終了する。
【0113】
図11は、真贋判定処理aを説明するためのフローチャートである。この真贋判定処理aは、一定時間毎、例えば24時間毎に、制御部10により、真贋判定プログラム34aに従って実行される処理である。
【0114】
同図によれば、制御部10は、移動履歴DB31aに格納されている複数の移動履歴データテーブルの内、1つの移動履歴データテーブルを判定対象(以下、対象移動履歴データテーブル)という。)とする(ステップS31)。
次に、この対象移動履歴データテーブルに格納されている移動履歴データレコードの中から、重複フラグがONである移動履歴データレコードを、全て抽出する(ステップS32)。但し、重複フラグがONである移動履歴データレコードが無い場合には、再度ステップS31に処理を移行し、次の移動履歴データテーブルを判定対象とする。
【0115】
そして、図5を参照して説明したように、抽出した移動履歴データレコードに含まれる受信時刻と発信位置、及び携帯電話機300の発信間隔Tより、存在するであろう、当該端末IDを発信する携帯電話機300毎の移動パターンを抽出する(ステップS33)。
【0116】
移動パターンを抽出すると、続いて、制御部10は、これら抽出した移動パターンの内、1つの移動パターンを判定対象(以下、「対象移動パターン」という。)とする(ステップS34)。そして、対象移動パターンと、本物と確認されている携帯電話機300の移動パターン、具体的には、対象移動履歴データテーブルにおいて、真贋フラグがONとなっている移動履歴データレコードから得られる移動パターンと照合することで、その真贋を判定する(ステップS35)。
【0117】
判定の結果、本物の携帯電話機300の移動パターンと判定する場合(ステップS36:YES)、制御部10は、対象移動パターンに該当する移動履歴データレコードの真贋フラグを、全てONにする(ステップS37)。一方、本物の携帯電話機300の移動パターンでないと判定する場合には(ステップS36:NO)、対象移動パターンに該当する移動履歴データテーブルの真贋フラグを、全てOFFのままとする。
その後、対象移動パターンに該当する移動履歴データレコードの重複フラグを、全てOFFとする(ステップS38)。
【0118】
このように、対象移動パターンの真贋を判定すると、続いて、残りの移動パターンについても同様に、1つづつ、順に判定対象とし、ステップS34~S38の処理を実行する。そして、抽出した全ての移動パターンについて上記処理を行うと(ステップS39:YES)、対象移動履歴データテーブルに対する処理が終了したことになる。
【0119】
尚、この各移動パターンに対する真贋の判定において、判定基準により、複数の移動パターンについて本物の携帯電話機300の移動パターンであると判定する、或いは1つも本物の携帯電話機300の移動パターンでないと判定する場合がある。即ち、例えば、複数の携帯電話機300の位置が近接する場合には、当該携帯電話機300の移動パターンは何れも本物であると判定され、また、本物の携帯電話機300であっても、変則的な移動をした場合には贋物であると判定される。
このため、1つの移動パターンのみを本物であると判定しない場合には、再度判定を行い、最も適切と思われる1つの移動パターンを本物の携帯電話機300の移動パターンであると判定する処理を追加することとすればよい。
【0120】
続いて、残りの移動履歴データテーブルについても同様に、1つづつ、順に判定対象とし、ステップS31~S39の処理を実行する。そして、全ての移動履歴データテーブルについて上記処理を行うと(ステップS40:YES)、制御部10は、本真贋判定処理aを終了する。
【0121】
図12は、信頼度算出処理aを説明するためのフローチャートである。この信頼度算出処理は、上述の真贋判定処理aが実行された後、続いて制御部10により、信頼度算出プログラム35aに従って実行される処理である。
【0122】
同図によれば、制御部10は、移動履歴DB31aに格納されている複数の移動履歴データテーブルの内、1つの移動履歴データテーブルを判定対象(以下、「対象データテーブル」という。)とする(ステップS51)。
【0123】
そして、制御部10は、対象データテーブルに対応する端末ID(以下、「対象端末ID」という。)の、信頼度算出の対象となる時間範囲(以下、「対象範囲」という。)を求める(ステップS52)。具体的には、信頼度データテーブル32aを参照し、この端末IDに該当する前回算出時刻から現在時刻までを、対象範囲とする。
【0124】
対象範囲を求めると、続いて制御部10は、対象データテーブルの中から、受信時刻がこの対象範囲内であり、且つ真贋フラグがONである移動履歴データレコードを、全て抽出する(ステップS53)。
それとともに、制御部10は、対象データテーブルの中から、受信時刻が前回算出時刻の直前であり、且つ真贋フラグがONである移動履歴データレコードを検索し、この移動履歴データレコードを、判定基準の移動履歴データレコード(以下、「基準データレコード」という。)とする(ステップS54)。
【0125】
そして、上記抽出した移動履歴データレコード中に、受信時刻が、基準データレコードの受信時刻から発信間隔Tだけ後のものが存在するか否かを判定する(ステップS55)。
判定の結果、存在する場合には(ステップS55:YES)、制御部10は、信頼度データテーブル32aの対象端末IDの信頼度を、所定値だけ加算した値に更新する(ステップS56)。
【0126】
次いで、制御部10は、抽出した移動履歴データレコードについて(ステップS57:NO)、その受信時刻が古いものから順に基準データレコードとし(ステップS58)、ステップS55~S57の処理を実行する。
そして、抽出した全ての移動履歴データレコードについて上記処理を行うと(ステップS57:YES)、信頼度データテーブル32aの対象端末IDの前回算出時刻を、現在時刻に更新する(ステップS59)
【0127】
このように、対象データテーブルに対する処理を行うと、続いて、残りの移動履歴データテーブルについても同様に、1つづつ、順に判定対象とし、ステップS52~S60の処理を実行する。そして、全ての移動履歴データテーブルについて上記処理を行うと(ステップS60:YES)、制御部10は、本信頼度算出処理aを終了する。
【0128】
尚、真贋判定処理a及び信頼度算出処理aは、ともに所定時間毎に行うこととしたが、任意の時間に行うこととしてもよい。
具体的には、携帯電話機300の追跡中、この携帯電話機300に対する信頼度を得る必要が生じた時、例えば携帯電話機300が有するクレジットカード機能を使用する時、或いは切符の検札等、必要に応じて実行し、この携帯電話機300に対する必要な時点での信頼度を得ることができる。
【0129】
以上のように、端末追跡システム1000は、携帯電話機300から発信される端末IDを受信し、これら携帯電話機300を追跡する。従って、存在する携帯電話機300を追跡するとともに、追跡結果を移動履歴DB31aとして記憶しておくことで、同一の端末IDを発信する他の携帯電話機300、即ち“贋物”の出現を、確実に判定できる。
【0130】
〔第2の実施例〕
次に、図13~図17を参照し、第2の実施例について説明する。尚、図13~図17において、第1の実施例と同一部分については同符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本第2の実施例における端末追跡システムは、第1の実施例におけるサーバ100の機能を、複数のサーバ装置により実現させることを特徴としている。
【0131】
図13は、第2の実施例における端末追跡システム2000の構成を示す図である。
同図によれば、端末追跡システム2000は、統括サーバ400、複数のエリアサーバ500、複数の基地局200、及び複数の携帯電話機300より構成される。尚、同図においては、2つのエリアサーバ500と、4つの基地局200と、4つの携帯電話機300とが示されているが、勿論これは幾つでも構わない。
【0132】
統括サーバ400、及びエリアサーバ500は、図2のサーバ100と同様に、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、CD或いはMOといった外部記憶媒体に記憶された情報を読込自在な記憶媒体読込装置、通信装置等がシステムバスを介して接続される、公知の汎用サーバ装置により実現される。
【0133】
統括サーバ400は、エリアサーバ500と接続され、これらのエリアサーバ500と所定の情報通信を行う。具体的には、エリアサーバ500からの要求に応じて、各エリアサーバ500にて受信された端末IDを、該当する他のエリアサーバ500へ振り分ける処理を行う。
【0134】
エリアサーバ500は、統括サーバ400に接続されるとともに、通信ネットワークNを介して基地局200と接続される。そして、基地局200を中継して携帯電話機300と各種情報通信を行うとともに、統括サーバ400との各種情報通信を行うことで、携帯電話機300の位置を追跡するとともに、その真贋を判定する。
【0135】
ところで、各エリアサーバ500には、当該エリアサーバ500が担当する一乃至複数の端末IDが割り当てられている。そして、エリアサーバ500は、担当する端末IDを発信する携帯電話機300を、追跡及び真贋判定の対象とする。但し、各携帯電話機300に割り当てられている端末IDは、何れか1つのエリアサーバ500に必ず担当されているものとする。言い換えれば、全ての端末IDは、必ず、エリアサーバ500の何れか1つによる追跡、及び真贋判定対象となっている。
【0136】
また、エリアサーバ500は、接続された基地局200の通信エリア内の携帯電話機300から発信される端末IDを受信するが、受信した端末IDが担当する端末IDでない場合には、係る端末IDを、受信時刻及び発信位置とともに統括サーバ400へ送信する。すると、統括サーバ400は、この端末IDを、担当する他のエリアサーバ500へ送信する。
即ち、エリアサーバ500は、発信位置に関わらず、担当する端末IDを受信し、追跡、及び真贋判定の対象としている。
【0137】
言い換えれば、各携帯電話機300が発信する端末IDは、その発信位置に関わらず、当該端末IDを担当するエリアサーバ500へ送信される。即ち、各携帯電話機300は、その位置に関わらず、当該携帯電話機300が発信する端末IDを担当するエリアサーバ500にて追跡される。
【0138】
また、携帯電話機300は、図2の携帯電話機300と同一のものであり、電源が投入されている間、当該携帯電話機300に割り振られている端末IDを、発信間隔Tで発信する。
【0139】
次に、統括サーバ400の構成について説明する。
図14は、統括サーバ400の内部構成を示すブロック図である。
同図によれば、統括サーバ400は、制御部(CPU)10、通信部20、記憶部30、及び一時記憶部40より構成される。
【0140】
制御部10は、通信部20を介して、受信時刻及び発信位置とともに端末IDを受信する。そして、担当端末IDテーブル36を参照し、当該端末IDを、受信時刻及び発信位置とともに、担当するエリアサーバ500へ送信する。
【0141】
記憶部30は、担当端末IDテーブル36を記憶する。この担当端末IDテーブル36は、各エリアサーバ500が、どの端末IDを担当しているかを記憶するものである。
図15は、担当端末IDテーブル36を示す図である。同図によれば、担当端末IDテーブル36は、エリアサーバ500毎に、担当する端末IDを対応付けて格納する。即ち、この担当端末IDテーブル36に基づいて、統括サーバ400は、受信した端末IDを担当するエリアサーバ500を判断し、該当するエリアサーバへ送信する。
【0142】
次に、エリアサーバ500の構成について、説明する。
図16は、エリアサーバ500の内部構成を示すブロック図である。
同図によれば、エリアサーバ500は、制御部(CPU)10、通信部20、記憶部(HD:ハードディスク等)30、及び一時記憶部(RAM)40より構成される。
【0143】
制御部10は、重複判定プログラム33bに従った重複判定処理b(図17参照)、真贋判定プログラム34bに従った真贋判定処理b、及び信頼度算出プログラム35bに従った信頼度算出処理bを実行する。
【0144】
具体的には、重複判定処理bにおいて、制御部10は、受信した端末IDが担当する端末IDである場合には、図10の重複判定処理aと同様の処理を行う。即ち、中継した基地局200より、当該端末IDを発信した携帯電話機300の位置を特定する。そして、特定した位置、即ち発信位置とこの端末IDを受信した時刻(受信時刻)とを対応付けて、移動履歴DB31b内の該当する領域に蓄積・記憶する。それとともに、移動履歴DB31bを参照し、今回の受信時刻及び発信位置と、この端末IDの前回の受信時刻及び発信位置より、係る端末IDを発信する携帯電話機300が複数存在するか否かを判定する。
一方、受信した端末IDが担当する端末IDでない場合には、受信時刻及び特定した発信位置とともに、当該端末IDを、統括サーバ400へ送信する。
【0145】
また、真贋判定処理bにおいて、制御部10は、図11の真贋判定処理aと同様の処理を行う。即ち、移動履歴DB31bを参照し、担当する端末ID毎に、重複判定処理bにおいて存在すると判定された複数の携帯電話機300それぞれの真贋を判定する。
【0146】
また、信頼度算出処理bにおいて、制御部10は、図12の信頼度算出処理aと同様の処理を行う。即ち、移動履歴DB31bを参照し、端末ID毎に、複数の携帯電話機300それぞれの信頼度を算出するとともに、信頼度データテーブル32bを更新する。
【0147】
記憶部30は、重複判定プログラム33b、真贋判定プログラム34b、及び信頼度算出プログラム35bを含む各種処理プログラム、そして移動履歴DB31b、及び信頼度データテーブル32bを含む、上記処理プログラムの実行に必要な諸データを記憶する。
この移動履歴DB31bは、図8の移動履歴DB31aと同様の構成である。但し、格納する移動履歴データテーブルは、担当する端末IDに対応する移動履歴データテーブルである。また信頼度データテーブル32bは、図9(a)の信頼度データテーブル32aと同様の構成である。但し、格納するデータは、担当する端末IDに対応するデータである。
【0148】
次に、エリアサーバ500の重複判定処理bにおける動作を、図17を参照して詳細に説明する。
図17は、重複判定処理bを説明するためのフローチャートである。
この重複判定処理bは、制御部10により、重複判定プログラム33bに従って実行される処理である。
【0149】
同図によれば、制御部10は、端末IDを受信すると、この受信した端末IDが、統括サーバ400から送信された端末IDであるのか、或いは当該エリアサーバ500に接続された基地局200の通信エリア内の携帯電話機300から発信された端末IDであるのかを判定する(ステップS51)。
【0150】
判定の結果、統括サーバ400から送信された端末IDである場合(ステップS51:YES)、即ち他のエリアサーバ500にて受信された端末IDである場合には、続いて、図10に示す重複判定処理aを実行する(ステップS52)。
【0151】
但し、この重複判定処理aのステップS11において、端末IDの発信元である携帯電話機300の位置、即ち発信位置を特定する必要はない。そして、ステップS12においては、統括サーバ400より、端末IDとともに受信した受信時刻及び発信位置を対応付けた移動履歴データレコードを作成し、移動履歴DB31b内の、該当する移動履歴データテーブルの最後に追加格納する。
【0152】
また、ステップS51において、判定の結果、受信した端末IDが統括サーバ400から送信された端末IDでない場合(ステップS51:NO)、即ち接続された基地局200の通信エリア内の携帯電話機300から受信した端末IDである場合には、制御部10は、移動履歴DB31bを参照し、担当する端末IDであるか否かを判定する(ステップS53)。
【0153】
判定の結果、担当する端末IDである場合(ステップS53:YES)、続いて、図10に示す重複判定処理aを実行する(ステップS52)。
一方、担当する端末IDでない場合には(ステップS53:NO)、中継した基地局200より、この端末IDの発信元である携帯電話機300の位置(発信位置)を特定する(ステップS54)。そして、特定した発信位置、及び受信時刻とともに、係る端末IDを、統括サーバ400に送信する(ステップS55)。
以上の処理を行うと、制御部10は、本重複判定処理bを終了する。
【0154】
以上のように、端末追跡システム2000は、携帯電話機300から発信される端末IDを受信し、これら携帯電話機300を追跡する。従って、存在する携帯電話機300を追跡するとともに、追跡結果を移動履歴DB31bとして記憶しておくことで、同一の端末IDを発信する他の携帯電話機300、即ち“贋物”の出現を、確実に判定できる。
【0155】
〔変形例〕
尚、本発明は、上記第1及び第2の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0156】
例えば、第2の実施例において、各携帯電話機300の追跡、及び真贋判定を、ともに統括サーバ400にて実現することとしてもよい。
即ち、エリアサーバ500は、接続された基地局200を中継して、携帯電話機300から発信される端末IDを受信すると、その時の受信時刻と発信位置とを対応付けたデータを、端末ID毎に蓄積・記憶する。つまり、担当するIDであるか否かに関わらず、携帯電話機300から受信した全ての端末IDに関するデータ(追跡データ)を記憶する。
そして、統括サーバ400は、所定時間毎に、各エリアサーバ500が蓄積・記憶している追跡データを取得する。そして、取得した追跡データに基づいて、端末ID毎に、同一の端末IDを発信する携帯電話機300が複数存在するか否かを判定するとともに、複数存在すると判定した場合には、それぞれの真贋を判定する。
【0157】
また、端末IDの発信元である携帯電話機300の位置、即ち端末IDの発信位置の特定を、中継した基地局200の位置により行うこととしたが、携帯電話機300が、当該携帯電話機300の位置を示す位置情報を発信することとしてもよい。
具体的には、携帯電話機300を、GPS受信機としての機能を有するものとする。そして、携帯電話機300は、所定の測位動作を行うことで当該携帯電話機300の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報を、端末IDとともに発信する。
【0158】
また、携帯電話機300の位置を、駅構内やショッピングセンター等の建物など、閉ざされた空間内であるか否かと判定することとしてもよい。
即ち、この閉空間内部に設けられる所定の出入り口において、携帯電話機300が発信する端末IDを受信し、当該携帯電話機300の出場/入場を判定することで、携帯電話機300の位置を特定する。
そして、ある携帯電話機300が閉空間内に存在すると特定されており、且つ出入り口において当該携帯電話300の出場が検知されていないにも関わらず、同一の端末IDを発信する携帯電話機300がこの閉空間外に存在する場合、若しくはその閉空間に出入り口から入ろうとした場合には、同一の端末IDを発信する複数の携帯電話機300が存在すると判定する。即ち、“贋物”の判定を確実に行うことができる。
【0159】
また、携帯電話機300は、電源が投入されている間のみ端末IDを発信することとしたが、電源の投入/遮断に関わらず、常に端末IDを発信することとしてもよい。
【0160】
また、上記実施例においては、携帯端末の一例として携帯電話機300を用いて説明したが、PDA等の情報携帯端末であっても良いし、非接触IDタグと呼ばれるものであっても良いし、更にこの非接触IDタグを備えるカード(クレジットカード等)であっても良い。
非接触IDタグとは、リーダ/ライタ装置から所定の電波を受けると、内蔵されたコイルによる誘導電流によって、自発的に電力を生成して内蔵回路を起動し、内蔵メモリに記憶されたデータを発信等するものである。すなわち、基地局200の代わりに、リーダ/ライタ装置を配置することにより、非接触IDタグを携帯電話機300の代わりに利用することができる。但し、リーダ/ライタ装置と、非接触IDタグ間の通信距離には制約がある。このため、例えば、遊戯施設等の一定の地域内において適用することとしたり、改札口にリーダ/ライタ装置を設置して鉄道施設内(閉空間内)への出入りを監視するといった場合の適用が、より実用的である。
【0161】
また、本明細書においては技術的事項の開示に留めているが、本発明の適用可能な範囲は、実施例に限定されるものではない。例えば、クレジットカードやICカード、クレジットカードの機能を有する携帯電話機などの、ID或いはIDを有する固体の真正を保証するための種々のシステムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】端末追跡システムの追跡に係る動作を説明するためのフローチャートである。
【図2】端末追跡システムの構成を示す図である。
【図3】携帯電話機Aを追跡中の様子を示す図である。
【図4】携帯電話機Aを追跡中、一時電源が遮断された様子を示す図である。
【図5】携帯電話機Aを追跡中、携帯電話機Bが出現した様子を示す図である。
【図6】携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図7】サーバの内部構成を示すブロック図である。
【図8】移動履歴DB、及び移動履歴データテーブルを示す図である。
【図9】信頼度データテーブルを示す図である。
【図10】重複判定処理aを説明するフローチャートである。
【図11】真贋判定処理aを説明するフローチャートである。
【図12】信頼度算出処理aを説明するフローチャートである。
【図13】第2の実施例における端末追跡システムの構成を示す図である。
【図14】統括サーバの内部構成を示す図である。
【図15】担当端末IDテーブルを示す図である。
【図16】エリアサーバの内部構成を示す図である。
【図17】重複判定処理bを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0163】
1000、2000 端末追跡システム
100 サーバ
10 制御部(CPU)
20 通信部
30 記憶部(HD等)
31a、31b 移動履歴DB
32a、32b 信頼度データテーブル
33a、33b 重複判定プログラム
34a、34b 真贋判定プログラム
35a、35b 信頼度算出プログラム
36 担当端末IDテーブル
40 一時記憶部(RAM)
200 基地局
300 携帯電話機
50 制御部(CPU)
60 入力部
70 表示部
80 無線通信部
91 記憶部(ROM)
92 一時記憶部(RAM)
400 統括サーバ
500 エリアサーバ
N 通信回線
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16