TOP > 国内特許検索 > 液体酸素検知システム > 明細書

明細書 :液体酸素検知システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5295505号 (P5295505)
公開番号 特開2008-196941 (P2008-196941A)
登録日 平成25年6月21日(2013.6.21)
発行日 平成25年9月18日(2013.9.18)
公開日 平成20年8月28日(2008.8.28)
発明の名称または考案の名称 液体酸素検知システム
国際特許分類 G01N  27/74        (2006.01)
G01N  27/82        (2006.01)
FI G01N 27/74
G01N 27/82
請求項の数または発明の数 3
全頁数 7
出願番号 特願2007-031791 (P2007-031791)
出願日 平成19年2月13日(2007.2.13)
審査請求日 平成21年3月17日(2009.3.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】宮崎 佳樹
【氏名】岩松 勝
【氏名】古澤 孝之
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】蔵田 真彦
参考文献・文献 特開2006-064601(JP,A)
特開平06-324021(JP,A)
特開平08-193982(JP,A)
特開2006-294664(JP,A)
特表2002-510988(JP,A)
特開平07-077516(JP,A)
特開平07-234205(JP,A)
特開平07-012779(JP,A)
特開平01-218431(JP,A)
特開2005-351804(JP,A)
実開昭57-118353(JP,U)
特開平01-119756(JP,A)
調査した分野 G01N 27/72
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)液体酸素(11)が存在する非磁性配管(12)と、
(b)該非磁性配管(12)の外周に配置され、容器(13C)内に収納される、サーチコイル(13A)と外部磁場を与えられる永久磁石(13B)とを備え、自己インダクタンスを測定する検査プローブ(13)と、
(c)該検査プローブ(13)に接続され、据え置きされるとともに、冷却用液体窒素充填され、それを磁気シールド容器(14C)で覆うようにした高精度磁気センサー(14A)を有するインプットコイル装置(14)と、該インプットコイル装置(14)に接続される高精度磁気センサー駆動回路(15)と、該高精度磁気センサー駆動回路(15)に接続される計測用コンピュータ(16)とを具備することを特徴とする液体酸素検知システム。
【請求項2】
請求項1記載の液体酸素検知システムにおいて、前記検査プローブ(13)が、前記非磁性配管(12)の近傍を移動可能に配置されることを特徴とする液体酸素検知システム。
【請求項3】
請求項1記載の液体酸素検知システムにおいて、前記高精度磁気センサー(14A)が高温SQUIDであることを特徴とする液体酸素検知システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却媒体などとして用いられる液体酸素検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
却媒体などとして用いられる液体酸素が供給されているか否かを検査するには、有効な手だてがないのが現状である。
本願出願人は、低温容器内の配管のガス漏れ箇所を正確に、しかも迅速に測定することができる低温容器内の配管のガス漏れ箇所検査システムを既に提案している(下記特許文献1)。

【特許文献1】特開2006-064601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、液体酸素の検出については十分な研究がなされておらず、特に、密閉容器内の液体酸素配管の液体酸素漏れ検知については、有効な手だてがないのが現状である。
本発明は、上記状況に鑑みて、構成が簡単で、安全かつ容易に用いることができる液体酸素検知システムを提供することを目的とする。
【0004】
なお、常磁性を示す流体であれば同様に適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕液体酸素検知システムにおいて、液体酸素(11)が存在する非磁性配管(12)と、この非磁性配管(12)の外周に配置され、容器(13C)内に収納される、サーチコイル(13A)と外部磁場を与えられる永久磁石(13B)とを備え、自己インダクタンスを測定する検査プローブ(13)と、この検査プローブ(13)に接続され、据え置きされるとともに、冷却用液体窒素充填され、それを磁気シールド容器(14C)で覆うようにした高精度磁気センサー(14A)を有するインプットコイル装置(14)と、このインプットコイル装置(14)に接続される高精度磁気センサー駆動回路(15)と、この高精度磁気センサー駆動回路(15)に接続される計測用コンピュータ(16)とを具備することを特徴とする。
【0006】
〔2〕上記〔1〕記載の液体酸素検知システムにおいて、前記検査プローブ(13)が、前記非磁性配管(12)の近傍を移動可能に配置されることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の液体酸素検知システムにおいて、前記高精度磁気センサー(14A)が高温SQUIDであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液体酸素が存在する非磁性配管の液体酸素のリーク検知を、簡便、安全かつ容易に行うことができる。
また、高精度磁気センサー部分は、シールド内に静置するため、地磁気などの外乱に対しても強い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の液体酸素検知システムは、液体酸素(11)が存在する非磁性配管(12)と、この非磁性配管(12)の外周に配置され、容器(13C)内に収納される、サーチコイル(13A)と外部磁場を与えられる永久磁石(13B)とを備え、自己インダクタンスを測定する検査プローブ(13)と、この検査プローブ(13)に接続され、据え置きされるとともに、冷却用液体窒素充填され、それを磁気シールド容器(14C)で覆うようにした高精度磁気センサー(14A)を有するインプットコイル装置(14)と、このインプットコイル装置(14)に接続される高精度磁気センサー駆動回路(15)と、この高精度磁気センサー駆動回路(15)に接続される計測用コンピュータ(16)とを具備する。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の液体酸素の検知の原理を示す模式図(その1)である。
この図において、1はサーチコイル、2はサーチコイル1の近傍に配置される外部磁場を与えられる機構としての永久磁石、3はインプットコイル、4は高精度磁気センサーとしての高温SQUID、5は検知の対象となる液体酸素である。
【0010】
サーチコイル1を液体酸素5に近づけた際の磁束の変化による起電力は、
V=-∂φ/∂t …(1)
で与えられる。
永久磁石2により生成される磁場をB0 、磁性体が磁化されたときの磁性体内部磁場をB1 とすると、B1 は、
1 ={3/〔1+2μ0 /μ〕}・B0 …(2)
で与えられる。
【0011】
ここで、μ=μ0 (1+χm ) …(3)
であるから、
1 ={3(1+χm )/(3+χm )}・B0 …(4)
となる。サーチコイル1のコイル半径をa、巻き数をNとすると、(1)式は、
V=-Nπa2 (B1 -B0 )/Δt …(5)
と表される。
【0012】
そこで、銅線の抵抗をRとすれば、銅線に発生する誘導電流は、
I=-Nπa2 (B1 -B0 )/RΔt …(6)
となる。
一方、このような電流が生じたとき、インプットコイル3側では、ビオサバールの法則により、
B=nμ0 Ib2 /2(b2 +z2 3/2 …(7)
なる磁場が発生する。
【0013】
表1,2にサーチコイル1,インプットコイル3のパラメータ設定の一例を示す。
【0014】
【表1】
JP0005295505B2_000002t.gif

【0015】
【表2】
JP0005295505B2_000003t.gif
表1,2に示す値を上記(7)式に代入し、SQUID電圧に換算(1.4nT/V)したものを図3に示す。
図2は本発明の液体酸素の検知の原理を示す模式図(その2)である。
【0016】
この図において、6は液体酸素5が流れる非磁性配管、例えば、テフロン(登録商標)、銅、ステンレススチールSUSなど、7はその非磁性配管6の外周に配置されるコイル8を有する電磁石(ソレノイド)、9は電磁石7に接続される電源、10はその電磁石7のコイル8に接続される自己インダクタンスの測定器である。
このように、液体酸素5を電磁石(ソレノイド)7中に通過させる。
【0017】
そこで、電磁石(ソレノイド)7内に何もない、つまり、液体酸素が流れない場合の自己インダクタンスL0 は次式のように表現される。
0 =K×μ0 πa2 (N2 /l)
ここで、K:長岡係数、a:ソレノイドの半径、N:巻数、l:コイル長である。
そして、透磁率μは、以下の式で書き表される。
【0018】
μ=μ0 (1+X)
ここで、Xは磁化率である。液体酸素の磁化率Xは、3.46×10-3 である。
ここで、液体酸素5が流路断面積S1で流れており、電磁石(ソレノイド)7の断面積をS2と仮定する。その場合の自己インダクタンスLは次のように表現できる。
L={1+(S1/S2)X}L0
液体酸素5の量によって電磁石(ソレノイド)7の断面積S2が異なり、それに伴って自己インダクタンスLが変化する。それ以外の量は既知であることから、自己インダクタンスLを測定することにより、液体酸素5の流量が把握できる。
【0019】
図4は本発明の実施例を示す液体酸素検知システムの全体構成図である。
この図において、12は検査対象となる液体酸素11が存在する非磁性配管、13はその非磁性配管12からの液体酸素11のリークを検知する検査プローブであり、この検査プローブ13はサーチコイル13Aと外部磁場を与えられる機構としての永久磁石13Bとそれらを収納する容器13Cとから成っている。14は検査プローブ13に接続されるインプットコイル(検出コイル)装置であり、このインプットコイル装置14は高精度磁気センサーとしての高温SQUID(Superconducting Quantum interference Device:超伝導量子干渉計)14A、この高温SQUID14Aが浸される冷却用液体窒素容器14B、この冷却用液体窒素容器14Bを収納する磁気シールド容器14Cからなる。15はSQUID駆動回路、16はSQUID駆動回路15に接続される計測用コンピュータである。ここで、インプットコイル装置14、SQUID駆動回路15、計測用コンピュータ16は据え置かれて固定されている。
【0020】
このように、検査対象となる液体酸素11または酸素ガスが存在する非磁性配管12に、サーチコイル13Aと永久磁石13Bとそれらを収納する容器13Cとからなる検査プローブ13を移動させて、非磁性配管12からの液体酸素11のリークを検出可能にしている。
より詳細に述べると、非磁性配管12に存在する液体酸素11が検出の対象物となり、検査プローブ13にはサーチコイル13Aと外部磁場を与えられる機構としての永久磁石13Bが配置されており、この検査プローブ13を非磁性配管12に沿って移動させることによって、液体酸素11のリークによるインダクタンスの変化をサーチコイル13Aにより検知する。
【0021】
固定されたインプットコイル装置14には、高温SQUID14Aが用いられており、高温SQUID14A自体は動かされず磁気シールド容器14Cに収納されており、冷却用液体窒素により冷却されている。したがって、非磁性配管12からの液体酸素11のリークを高精度に検出することができるように構成している。
本発明では、特に、非磁性配管12に存在する液体酸素11が検出の対象物となり、検査プローブ13にはサーチコイル13Aと外部磁場を与えられる機構としての永久磁石13Bが配置されており、この検査プローブ13を非磁性配管12に沿って移動させることによって、液体酸素11のリークによるインダクタンスの変化をサーチコイル13Aにより検知するように構成している点に特徴を有している。
【0022】
また、上記実施例では、非磁性配管内に液体酸素が導入される場合について述べたが、非磁性配管内に酸素ガスが導入される場合についても適用可能である。
なお、上記実施例では、外部磁場を与えられる機構として永久磁石を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、電磁石などであってもよい。
また、上記実施例では流体酸素の検知について述べたが、常磁性を示す流体であれば、上記と同様に適用可能である。
【0023】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の液体酸素検知システムは、検出が困難な冷却媒体などとして用いられる液体酸素のリークを高精度に検出できる液体酸素検知システムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の液体酸素の検知の原理を示す模式図(その1)である。
【図2】本発明の液体酸素の検知の原理を示す模式図(その2)である。
【図3】本発明の液体酸素の検知をSQUID電圧に換算した図である。
【図4】本発明の実施例を示す液体酸素検知システムの全体構成図である。
【符号の説明】
【0026】
1,13A サーチコイル
2,13B 永久磁石
3 インプットコイル
4,14A 高温SQUID
5,11 液体酸素
6,12 非磁性配管
7 電磁石
8 コイル
9 電源
10 自己インダクタンスの測定器
13 検査プローブ
13C 容器
14 インプットコイル(検出コイル)装置
14B 冷却用液体窒素容器
14C 磁気シールド容器
15 SQUID駆動回路
16 計測用コンピュータ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3