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明細書 :パンタグラフ電圧降下式離線測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4777230号 (P4777230)
公開番号 特開2008-157787 (P2008-157787A)
登録日 平成23年7月8日(2011.7.8)
発行日 平成23年9月21日(2011.9.21)
公開日 平成20年7月10日(2008.7.10)
発明の名称または考案の名称 パンタグラフ電圧降下式離線測定装置
国際特許分類 G01R  19/00        (2006.01)
B60L   3/00        (2006.01)
FI G01R 19/00 T
B60L 3/00 B
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願2006-347617 (P2006-347617)
出願日 平成18年12月25日(2006.12.25)
審査請求日 平成21年3月17日(2009.3.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】毛利 哲
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】藤原 伸二
参考文献・文献 特開昭62-131705(JP,A)
特開平05-161203(JP,A)
特開昭53-027463(JP,A)
調査した分野 G01R 19/00-19/32
G01R 31/00
G01R 31/02-31/06
B60L 3/00
B60L 5/00-5/42
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)車両に給電を行うパンタグラフからの配線に接続される第1の測定端子とアース電位にある配線に接続される第2の測定端子との間に接続される電圧降下検出部と、
(b)前記第1の測定端子と前記第2の測定端子との間に接続される車内負荷と、
前記電圧降下検出部に接続されるハイパスフィルタまたは周波数解析装置と、
)該ハイパスフィルタまたは周波数解析装置に接続される電圧降下式離線測定器とを備え、
)前記パンタグラフの離線の開始時及び終了時にのみ発生する段状車内負荷電圧波形の変化を測定可能にすることを特徴とするパンタグラフ電圧降下式離線測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧測定によるパンタグラフの離線検出を行うパンタグラフ電圧降下式離線測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高速走行試験や新型車両・電車線が導入される際などに、パンタグラフの離線率は集電系の評価指標として広く用いられている。離線の検出方法は、主にパンタグラフの離線発生時に電流が0となる時間を捉えるもの(電流式離線測定装置)と、パンタグラフの離線時に発生するアーク光を検知するもの(光学式離線測定装置)との2つに大別できる。
【0003】
図4は従来の電流式離線測定装置による検出方法を示す図である。
この図において、図4(a)のように、一編成の車両101に複数のパンタグラフ103を搭載し、電気的に接続されている場合には、1つのパンタグラフ103がトロリ線102から離線すると離線時には電流が0となるので、この無電流を検出する。しかし、図4(b)のように、一編成の車両101が1つのパンタグラフ104しか搭載していない場合には、離線時でもアーク105により電流が継続するために、無電流を検出することはできない。
【0004】
図5は従来の光学式離線測定装置による検出方法を示す図である。
この図において、一編成の車両101にパンタグラフ106を搭載する場合には、パンタグラフ106が離線するとアーク107が発生する。しかし、このアーク107は昼間は周囲の光との区別が困難であり、アーク107を検出することに難がある。つまり、現在広く用いられている可視光式の場合、昼間の測定が不可能である。
【0005】
また、現在開発中の紫外線式離線測定装置の場合にも、太陽等の周囲の光により、誤差が発生する可能性がある。
更に、パンタグラフ離線測定法として、パンタグラフからの電圧をコンデンサで検出して、それを電気光変換器で電気量を光へ変換して光ファイバを介して光電気変換器で電気に変換し、処理装置で離線測定を行うようにしたものが開示されている(下記特許文献1参照)。

【特許文献1】特開昭62-131705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、1つのパンタグラフで走行する車両の場合、アークにより電流は連続するため、電流のゼロ点を検出する「電流式離線測定装置」を使用することができない。そのため、一般的に「光学式離線測定装置」が用いられているが、現在広く用いられている可視光式の場合、昼間の測定が不可能である。また現在開発中の紫外線式の場合にも、太陽等の周囲の光により、誤差が発生する可能性がある。
【0007】
また、従来のパンタグラフ離線測定法では、電気を光に変換しており、構成が複雑になるといった問題があった。
本発明は、上記状況に鑑みて、車上電圧を測定し、離線時に発生する微小な電圧降下を検出することにより、離線発生を検知するパンタグラフ電圧降下式離線測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕パンタグラフ電圧降下式離線測定装置において、車両に給電を行うパンタグラフからの配線に接続される第1の測定端子とアース電位にある配線に接続される第2の測定端子との間に接続される電圧降下検出部と、前記第1の測定端子と前記第2の測定端子との間に接続される車内負荷と、前記電圧降下検出部に接続されるハイパスフィルタまたは周波数解析装置と、このハイパスフィルタまたは周波数解析装置に接続される電圧降下式離線測定器とを備え、前記パンタグラフの離線の開始時及び終了時にのみ発生する段状車内負荷供給電圧波形の変化を測定可能にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
電力を供給するトロリ線からのパンタグラフの離線によりアークが発生すると、それに伴い、トロリ線-パンタグラフ間で電圧降下が発生する。そのため、車上で測定している電圧波形が変化する。かかる電圧波形の変化を検出することで、パンタグラフの離線の開始及び終了を検知するようにする。
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0010】
(1)車上にて的確にトロリ線からのパンタグラフの離線の開始及び終了を検出することができる。
(2)従来の電流式離線測定装置及び光学式離線測定装置による難点を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のパンタグラフ電圧降下式離線測定装置は、車両に給電を行うパンタグラフからの配線に接続される第1の測定端子とアース電位にある配線に接続される第2の測定端子との間に接続される電圧降下検出部と、前記第1の測定端子と前記第2の測定端子との間に接続される車内負荷と、前記電圧降下検出部に接続されるハイパスフィルタまたは周波数解析装置と、このハイパスフィルタまたは周波数解析装置に接続される電圧降下式離線測定器とを備え、前記パンタグラフの離線の開始時及び終了時にのみ発生する段状供給電圧波形の変化を測定可能にする。
【実施例】
【0012】
電力を供給するトロリ線からのパンタグラフの離線によりアークが発生すると、それに伴い、トロリ線-パンタグラフ間で電圧降下が発生する。そのため、車上で測定している電圧波形が変化する。かかる電圧波形の変化を検出することで、パンタグラフの離線の開始及び終了を検知するようにする。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施例を示すパンタグラフ電圧降下式離線測定装置のブロック図、図2はパンタグラフ電圧降下式離線測定装置による離線時の車上電圧波形例を示す図である。
この図において、1は一編成の車両、2はトロリ線、3はパンタグラフ、4はパンタグラフ3に接続される配線、4Aはパンタグラフ3の電位を示す第1の測定端子、5は電圧降下検出部、6はその電圧降下検出部5に接続されるハイパスフィルタ(HPF)または周波数解析装置、7はそのハイパスフィルタ(HPF)または周波数解析装置6に接続される電圧降下式離線測定器、8はアース電位にある配線、8Aはそのアース電位を示す第2の測定端子、9は車輪、10はレールである。
【0014】
ここで、トロリ線2に銅・すり板に鉄を用いた際、アーク部分の電圧降下は、通常25V~100V程度であり、これは新幹線架線電圧の25000Vの0.1~0.4%程度に相当する。このように、電圧降下は母線電圧に比べ極めて小さいため、電圧波形から直接離線を検出することは難しい。一方アーク発生時には、極わずかではあるが電圧波形が図2に示すように変化する。ここでは、aは離線の開始時、bは離線終了時を示している。
【0015】
こうした段状の波形には、基本の周波数成分(50Hzまたは60Hz)以外の、高周波成分を含んでいる。そのため、50Hzまたは60Hzをカットし、それにより上の周波数を通過させ、あるいは検出する、ハイパスフィルタ(HPF)または周波数解析装置6を使用することにより、離線の開始時及び終了時に生じる段状の電圧変化を確実に検出できる。
【0016】
したがって、パンタグラフ3の離線の開始及び終了を的確に測定することができる。
図3は本発明にかかる離線検出の計算機によるシミュレーション波形図である。
この図において、Aは供給電圧波形、Bは離線波形、Cはハイパスフィルタ(HPF)または周波数解析装置6の出力波形を示している。
の結果から、ハイパスフィルタ(HPF)または周波数解析装置6の出力に一定レベルのしきい値を設けることにより、パンタグラフの離線の開始及び終了を確実に検出できることがわかった。
【0017】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明のパンタグラフ電圧降下式離線測定装置は、トロリ線からのパンタグラフの離線を確実に検知できる離線測定装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例を示すパンタグラフ電圧降下式離線測定装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施例を示すパンタグラフ電圧降下式離線測定装置による離線時の車上電圧波形例を示す図である。
【図3】本発明にかかる離線検出の計算機によるシミュレーション波形図である。
【図4】従来の電流式離線測定装置による検出方法を示す図である。
【図5】従来の光学式離線測定装置による検出方法を示す図である。
【符号の説明】
【0020】
1 一編成の車両
2 トロリ線
3 パンタグラフ
4 パンタグラフに接続される配線
4A 第1の測定端子
5 電圧降下検出部
6 ハイパスフィルタ(HPF)または周波数解析装置
7 電圧降下式離線測定器
8 アース電位にある配線
8A 第2の測定端子
9 車輪
10 レール
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4