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明細書 :車両から信号機までの距離測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5156211号 (P5156211)
公開番号 特開2008-070332 (P2008-070332A)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
発行日 平成25年3月6日(2013.3.6)
公開日 平成20年3月27日(2008.3.27)
発明の名称または考案の名称 車両から信号機までの距離測定方法
国際特許分類 G01C   3/06        (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
H04N   7/18        (2006.01)
B60L  15/40        (2006.01)
FI G01C 3/06 120S
G06T 1/00 315
G06T 1/00 330A
H04N 7/18 J
B60L 15/40 G
請求項の数または発明の数 4
全頁数 13
出願番号 特願2006-251550 (P2006-251550)
出願日 平成18年9月15日(2006.9.15)
審査請求日 平成21年2月13日(2009.2.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】長峯 望
【氏名】鵜飼 正人
【氏名】佐藤 和敏
【氏名】新井 英樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100079212、【弁理士】、【氏名又は名称】松下 義治
審査官 【審査官】北川 創
参考文献・文献 特開平09-048298(JP,A)
特開2006-184276(JP,A)
調査した分野 G01C 3/06
G06T 1/00
H04N 7/18
B60L 15/40
特許請求の範囲 【請求項1】
幅Wの線路上を走行する車両に搭載された焦点距離f、高さh、仰角θのCCDカメラで進行方向前方の信号機を含む場面を撮影した画像をコンピュータで画像処理し、車両から信号機までの距離を測定する方法であって、パラメータf、h、θのいずれかN個(Nは1から3の整数)が未知数である場合の車両から信号機までの距離測定方法において、
ワールド座標系における前記信号機とその近傍の線路上の対向するN対の点を含む場面を前記CCDカメラで撮影した画面上に前記N対の点に対応するN対の点を特定するステップと、
上記ワールド座標系のN対の点とイメージ座標系上の対応するN対の点との間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用して線路幅Wは一定という事実を表現した方程式を解いてN個の未知のパラメータの数値を特定するステップと、
上記ワールド座標系とイメージ座標系との間に座標系の変換手法によって成立する車両から信号機までの距離Z’を表す関係式に上記の特定された数値と既知の数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出するステップとからなる車両から信号機までの距離測定方法。
【請求項2】
ワールド座標系における前記信号機とその近傍の幅Wの線路上の対向する一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)を含む場面を前記CCDカメラで撮影した画像上に前記一対の点Pと点Pに対応する一対の点p(x,y)と点p(x,y)をイメージ座標系上に特定するステップと、
上記ワールド座標系の一対の点とイメージ座標系上の対応する一対の点との間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用して線路幅Wは一定という事実を表現した方程式W=X’-X’を解いて1個の未知のパラメータの数値を特定するステップと、
上記ワールド座標系とイメージ座標系との間に座標系の変換手法によって成立する車両から信号機までの距離Z’を表す関係式に上記の特定された数値と既知の数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出するステップとからなる請求項1に記載の車両から信号機までの距離測定方法。
【請求項3】
ワールド座標系における前記信号機とその近傍の幅Wの線路上の対向する一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)及び対向する他の一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)を含む場面を前記CCDカメラで撮影した画面上に前記一対の点Pと点Pに対応する一対の点p(x,y)と点p(x,y)及び前記一対の点Pと点Pに対応する一対の点p(x,y)と点p(x,y)をそれぞれ特定するステップと、
上記ワールド座標系の一対の点とイメージ座標系上の対応する一対の点との間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用して線路幅Wは一定という事実を表現した連立方程式W=X’-X’とW=X’-X’を解いて2個の未知のパラメータの数値を特定するステップと、
上記ワールド座標系とイメージ座標系との間に座標系の変換手法によって成立する車両から信号機までの距離Z’を表す関係式に上記の特定された数値と既知の数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出するステップとからなる請求項1に記載の車両から信号機までの距離測定方法。
【請求項4】
ワールド座標系における前記信号機とその近傍の幅Wの線路上の対向する一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)、対向する他の一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)及び更に他の一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)を含む場面を前記CCDカメラで撮影した画面上に前記一対の点Pと点Pに対応する一対の点p(x,y)と点p(x,y)と、前記一対の点Pと点Pに対応する一対の点p(x,y)と点p(x,y)と、及び前記一対の点Pと点Pに対応する一対の点p(x,y)と点p(x,y)をそれぞれ特定するステップと、
上記ワールド座標系の一対の点とイメージ座標系上の対応する一対の点との間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用して線路幅Wは一定という事実を表現した連立方程式W=X’-X’、W=X’-X
、W=X’-X’を解いて3個の未知のパラメータの数値を特定するステップと、
上記ワールド座標系とイメージ座標系との間に座標系の変換手法によって成立する車両から信号機までの距離Z’を表す関係式に上記の特定された数値と既知の数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出するステップとからなる請求項1に記載の車両から信号機までの距離測定方法。





















発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、幅Wの線路上を走行する車両上に搭載された焦点距離f、高さh、仰角θのCCDカメラで進行方向前方の信号機を含む場面を撮影した画像をコンピュータで画像処理し、車両と信号機との間の距離を測定する距離測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載の2台のCCDカメラの撮影画像を画像処理して車両から信号機までの距離Rを測定するステレオカメラ方式の距離測定装置は、特開平7-225126号公報(特許文献1)、特開平11-281350号公報(特許文献2)、特開2004-199148号公報(特許文献3)、特開平10-341458号公報(特許文献4)等に開示されている。ステレオカメラ方式の距離測定装置は、2台のカメラを必要とするので装置のコストが高いこと、及び2台のカメラの特性を整合させる補正等の付帯的な信号処理を要するという問題がある。
【0003】
特開2002-42142号公報(特許文献5)には、例えば鉄道の線路の如き実空間で幅Wを持つ平行する線が指標として映されている画像から、各走査ラインごとに、この指標の平行する線の間の画素数wを計数し、Wとwの比に基づいて、各走査ラインに対応する距離L、即ちカメラ画像のy座標値に対応する距離Lを算出する距離計測方法が開示されている。また、特開昭63-78299号公報(特許文献6)の図6には、1台のCCDカメラの2枚の撮影画像を画像処理して車両から信号機までの距離を測定する方法が開示されている。これらはステレオカメラ方式の距離測定装置に比べて低コストである。しかしながら、距離測定の算出には、CCDカメラの焦点距離f、高さh、仰角θの3つのパラメータが既知である必要がある。

【特許文献1】特開平7-225126号公報
【特許文献2】特開平11-281350号公報
【特許文献3】特開2004-199148号公報
【特許文献4】特開平10-341458号公報
【特許文献5】特開2002-42142号公報
【特許文献6】特開昭63-78299号公報
【非特許文献1】徐剛、辻三郎著「3次元ビジョン」共立出版 1998年出版 3章 画像の変換
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
線路上を走行する車両に搭載された焦点距離f、高さh、仰角θのCCDカメラで撮影し、前記車両から信号機までの距離を測定する距離測定方法において、パラメータf、h、θのいずれかN個(Nは1から3の整数)が未知数である場合であっても前記距離の測定ができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、線路と信号機を含む場面を、線路上を走行する車両に搭載された焦点距離f、高さh、仰角θのCCDカメラで撮影し、ワールド座標系で表される前記線路と信号機を含む場面とイメージ座標系で表される前記場面の画像との間に座標系の変換手法により成立する関係式と、前記線路の幅Wは一定という関係式とをコンピュータで演算処理し、前記車両から信号機までの距離を測定するようにした。
【0006】
即ち、上記課題を解決する車両から信号機までの距離測定方法は、幅Wの線路上を走行する車両に搭載された焦点距離f、高さh、仰角θのCCDカメラで進行方向前方の信号機を含む場面を撮影したイメージ座標系の画像をコンピュータで画像処理し、車両から信号機までの距離を測定する方法であって、次の3つのステップによって構成され、パラメータf、h、θのいずれかN個(Nは1から3の整数)が未知数である場合の車両から信号機までの距離測定方法である。
【0007】
第1のステップは、ワールド座標系における前記信号機とその近傍の線路上の対向するN対の点を含む場面を前記CCDカメラで撮影し、前記N対の点に対応するN対の点をイメージ座標系上に特定するステップである。
【0008】
第2のステップは、線路幅Wは一定であるという事実及び上記ワールド座標とイメージ座標との間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用してコンピュータで処理しN個の未知のパラメータの数値を特定するステップである。
【0009】
そして、第3のステップは、上記ワールド座標とイメージ座標との間に座標系の変換手法によって成立する関係式に上記の特定された数値と既知の数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出するステップである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、線路上を走行する車両に搭載された焦点距離f、高さh、仰角θのCCDカメラで撮影し、座標系の変換手法を利用して前記車両から信号機までの距離を測定する距離測定方法において、パラメータf、h、θのいずれかN個(Nは1から3の整数)が未知数である場合であっても前記距離の測定ができるようなった。従って、地上子などのインフラを構築することがないので、設備投資とメンテナンス費用を大幅に削減することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、幅Wの線路上を走行する車両に搭載された焦点距離f、高さh、仰角θのCCDカメラで進行方向前方の信号機を含む場面を撮影したイメージ座標系の画像をコンピュータで画像処理し、車両から信号機までの距離を測定する方法であって、パラメータf、h、θのいずれかN個(Nは1から3の整数)が未知数である場合の車両から信号機までの距離測定方法であり、下記の3つのステップで構成されている。
【0012】
即ち、ワールド座標系における前記信号機とその近傍の線路上の対向するN対の点を含む場面を前記CCDカメラで撮影し、前記N対の点に対応するN対の点をイメージ座標系上に特定するステップと、線路幅Wは一定であるという事実及び上記ワールド座標とイメージ座標との間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用してコンピュータで処理しN個の未知のパラメータの数値を特定するステップと、上記ワールド座標とイメージ座標との間に座標系の変換手法によって成立する関係式に上記の特定された数値と既知の数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出するステップで構成された車両から信号機までの距離測定方法である。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施例1を、図1乃至図4を参照して説明する。なお、図1は本発明が適用される線路上を走行する車両と信号機との位置関係を示した図、図2は本発明が適用された自動列車停止装置のブロック構成図、図3は本発明の実施例1におけるカメラ座標系、イメージ座標系、及びワールド座標系の相互の関係を示した図である。そして、図4は本発明の実施例1における撮影画面を示した図である。更に、図7は、本発明の実施例1が適用された自動列車停止装置の信号処理の流れを示したフローチャートである。
【0014】
本発明が適用された自動列車停止装置は、図2に示す如く、焦点距離f、高さh、仰角θの3つのパラメータを有するCCDカメラ11と、CCDカメラ11が撮影した画像を画像処理して車両から信号機までの距離を算出するコンピュータ、及び速度制御装置18を含んで構成されている。
【0015】
高さhは、図1において架線3から給電されて線路2上を走行する車両1に搭載されているCCDカメラ11の地上からの高さであり、図3のワールド座標系原点O’とカメラ座標系原点O(CCDカメラ11の設置位置)との距離である。また、仰角θは、図1において架線3から給電されて線路2上を走行する車両1に搭載されているCCDカメラ11と線路2上の点Pを結ぶ線と、高さhの水平線との間の角度であり、図3のカメラ座標系のZ軸とカメラ座標系原点Oからワールド座標系のZ’軸上のPとPとを含む面との間の角度である。なお、点Pは図1における信号機4の近傍の線路2上の点であり、図3における一対の点PとPに対応する点である。
【0016】
前記コンピュータは、CCDカメラ11の出力信号であるアナログ画像データをデジタル画像データに変換するA/D変換部12、前記デジタル画像データを記憶するイメージデータ記憶部13、プログラムに従って構成要素を制御し又は演算処理を行う制御部14、演算処理したデータその他のデータを記憶するデータ記憶部15、制御や演算プログラムが格納されたプログラム記憶部16、演算処理の途中や結果を表示する表示部17を含んで構成されている。
【0017】
次に、図7のフローチャートを用いて、本発明の実施例1が適用された自動列車停止装置の信号処理の流れを説明する。なお、このフローチャートによる処理の前に、線路2を走行中の車両1に搭載されているCCDカメラ11の出力信号であるアナログ画像データはA/D変換部12によりデジタル画像に変換され、イメージデータ記憶部13に記憶されていることは勿論である。
【0018】
コンピュータは、テンプレートマッチング等により信号機を抽出する(101)。このステップにおいて、コンピュータはイメージデータ記憶部13に記憶されている車両前方の場面の画像を読み出し、テンプレートマッチング等により当該画像の中に信号機4が写っているか否かを判断し、存在していると判断したときには信号機の位置を特定し、その位置データをデータ記憶部15に記憶する。
【0019】
続いて、コンピュータは信号機の現示を識別する(102)。このステップにおいて、コンピュータは信号機4が写っている画像の中の信号機の色を識別し、信号機が表している信号の現示を特定し、特定した現示データをデータ記憶部15に記憶する。
【0020】
直線抽出手法により線路2を抽出する(103)。即ち、このステップにおいて、コンピュータは信号機4が写っている画像の中に写っている線路2の位置を特定し、その位置データをデータ記憶部15に記憶する。
【0021】
続いて、コンピュータは信号機4が写っている画像の中に信号機の近傍の線路上の一対の点を抽出する(104)。抽出された一対の点の位置データはデータ記憶部15に記憶される。
【0022】
即ち、このステップにおいては、コンピュータは、ワールド座標系における信号機とその近傍の幅Wのレール上の対向する一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)に対応するイメージ座標系上の一対の点p(x,y)と点p(x,y)を抽出し、抽出したp(x,y)とp(x,y)の位置データをデータ記憶部15に記憶する。なお、イメージ座標系上の一対の点pと点pと線路2の位置関係は、図4に示す通りである。
【0023】
次に、コンピュータは線路幅一定という事実を元にパラメータf,h,θの中の未知の一つを以下の数式を用いて算出する(105)。
【0024】
即ち、このステップにおいては、コンピュータは、ワールド座標系上の一対の点P並びに点Pとイメージ座標系上の一対の点p並びに点pとの間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用して、線路幅一定という事実を表した方程式を解いて未知のパラメータの数値を算出する。
【0025】
ワールド座標系上の一対の点P並びに点Pとイメージ座標系上の一対の点p並びに点pとの間に座標系の変換手法によって成立する関係式は、三次元画像計測システムにおける座標変換方式を利用すれば、下記の数式1、数式2、数式3及び数式4が得られる。そして、線路幅一定という事実を表した方程式は、数式5で与えられる。これらの数式は、データ記憶部15に予め記憶されている。
【0026】
【数1】
JP0005156211B2_000002t.gif

【0027】
【数2】
JP0005156211B2_000003t.gif

【0028】
【数3】
JP0005156211B2_000004t.gif

【0029】
【数4】
JP0005156211B2_000005t.gif

【0030】
【数5】
JP0005156211B2_000006t.gif

【0031】
もし、f、hの数値が既知であれば、上述のコンピュータ処理によってθの数値が算出される。また、カメラパラメータf、θの数値が既知であれば、上述のコンピュータ処理によってhの数値が算出される。更に、h、θの数値が既知であれば、上述のコンピュータ処理によってfの数値が算出される。
【0032】
続いて、座標系の変換手法により成立するワールド座標系とイメージ座標系の間の関係式に数値を代入し、車両から信号機までの距離を算出する(106)。
【0033】
即ち、このステップにおいて、コンピュータは、ワールド座標系とイメージ座標系との間に座標系の変換手法によって成立する車両から信号機までの距離Z’を表す関係式、即ち数式2又は数式4にカメラパラメータの数値、及びイメージ座標系上の一対の点p(x,y)と点p(x,y)の位置データの数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出する。算出した車両から信号機までの距離Z’は、データ記憶部15に記憶される。
【0034】
ステップ106に続いて、コンピュータは、信号機の現示と車両から信号機までの距離Z’に応じた速度照査パターンを作成する(107)。速度制御装置は、作成された速度照査パターンに従って車両1の速度を制御する。
【実施例2】
【0035】
実施例2は、カメラパラメータf、h、θのパラメータのいずれか2つが未知数である場合の車両から信号機までの距離測定方法であり、図7の実施例1が適用された自動列車停止装置の信号処理の流れを示したフローチャートのステップに対応して以下に説明する。
【0036】
コンピュータはステップ1からステップ3までの処理を行った後に、信号機4が写っている画像の中に信号機の近傍の線路上の一対の点と他の一対の点をそれぞれ抽出する(104)。抽出された一対の点と他の一対の点の位置データは、データ記憶部15に記憶される。
【0037】
即ち、このステップにおいては、コンピュータは、ワールド座標系における信号機と当該信号機の近傍の幅Wのレール上の対向する一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)並びに他の一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)と対向するに対応するイメージ座標系上の一対の点p(x,y)と点p(x,y)並びに他の一対の点p(x,y)と点p(x,y)をそれぞれ抽出し、抽出した点p、p、点p及び点pの位置データをデータ記憶部15に記憶する。なお、イメージ座標系上の一対のpとpと他の一対の点pと点pと線路2の位置関係は図5に示す通りである。
【0038】
次に、コンピュータは線路幅一定という事実を元にパラメータf,h,θの中の未知の二つを以下の数式を用いて算出する(105)。
【0039】
即ち、このステップにおいては、コンピュータは、ワールド座標系上の一対の点Pと点P並びに他の一対の点Pと点Pとこれらに対応するイメージ座標系上の一対の点pと点p並びに他の一対の点pと点pとの間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用して、線路幅一定という事実を表した方程式を解いて未知の二つのパラメータの数値を算出する。
【0040】
ワールド座標系上の一対の点Pと点Pと並びに他の一対の点Pと点Pとこれらに対応するイメージ座標系上の一対の点pと点p並びに他の一対の点pと点pとの間に座標系の変換手法によって成立する関係式は、三次元画像計測システムにおける座標変換方式を利用すれば、上記の数式1、数式2、数式3及び数式4、並びに下記の数式6、数式7、数式8及び数式9が得られる。そして、線路幅一定という事実を表した方程式は、上記の数式5と下記の数式10の連立方程式で与えられる。これらの数式は、データ記憶部15に予め記憶されている。
【0041】
【数6】
JP0005156211B2_000007t.gif

【0042】
【数7】
JP0005156211B2_000008t.gif

【0043】
【数8】
JP0005156211B2_000009t.gif

【0044】
【数9】
JP0005156211B2_000010t.gif

【0045】
【数10】
JP0005156211B2_000011t.gif

【0046】
もし、fの数値が既知であれば、上述のコンピュータ処理によってh、θの数値が算出される。また、hの数値が既知であれば、上述のコンピュータ処理によってf、θの数値が算出される。更に、θの数値が既知であれば、上述のコンピュータ処理によってf、hの数値が算出される。
【0047】
続いて、座標系の変換手法により成立するワールド座標系とイメージ座標系の間の関係式に数値を代入し、車両から信号機までの距離を算出する(106)。即ち、このステップにおいて、コンピュータは、ワールド座標系とイメージ座標系との間に座標系の変換手法によって成立する車両から信号機までの距離Z’を表す関係式、即ち数式2、数式4、数式7、数式9のいずれかにカメラパラメータの数値、及びイメージ座標系上の一対の点pと点p又は他の一対の点点pと点pの位置データの数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出する。算出した車両から信号機までの距離Z’は、データ記憶部15に記憶される。
【実施例3】
【0048】
実施例3は、カメラパラメータf、h、θのパラメータの全てが未知数である場合の車両から信号機までの距離測定方法であり、図7の実施例1が適用された自動列車停止装置の信号処理の流れを示したフローチャートのステップに対応して以下に説明する。
【0049】
コンピュータはステップ1からステップ3までの処理を行った後に、信号機4が写っている画像の中に信号機の近傍の線路上の一対の点と他の一対の点と更に他の一対の点をそれぞれ抽出する(104)。抽出された一対の点と他の一対の点と更に他の一対の点の位置データは、データ記憶部15に記憶される。
【0050】
即ち、このステップにおいては、コンピュータは、ワールド座標系における信号機と当該信号機の近傍の幅Wのレール上の対向する一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)、他の一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)並びに更に他の一対の点P(X’,Y’,Z’)と点P(X’,Y’,Z’)とこれに対応するイメージ座標系上の一対の点p(x,y)と点p(x,y)、他の一対の点p(x,y)と点p(x,y)並びを更に他の一対の点p(x,y)と点p(x,y)をそれぞれ抽出し、抽出した点p、点p、点p、点p、点p及び点pの位置データをデータ記憶部15に記憶する。なお、イメージ座標系上の一対の点pと点p、他の一対の点pと点p並びに更に他の一対の点pと点pと線路2の位置関係は、図6に示す通りである。
【0051】
次に、コンピュータは線路幅一定という事実を元にパラメータf,h,θの全てを数式を用いて算出する(105)。
【0052】
即ち、このステップにおいては、コンピュータは、ワールド座標系上の一対の点Pと点P、他の一対の点Pと点P並びに更に他の一対の点Pと点Pとこれらに対応するイメージ座標系上の一対の点pと点p、他の一対の点pと点p並び点p及び点pとの間に座標系の変換手法によって成立する関係式を利用して、線路幅一定という事実を表した方程式を解いて全てのパラメータの数値を算出する。
【0053】
ワールド座標系上の一対の点Pと点P、他の一対の点Pと点P並びに更に他の一対の点Pと点Pとこれらに対応するイメージ座標系上の一対の点pと点p、他の一対の点pと点p並び点p及び点pとの間に座標系の変換手法によって成立する関係式は、三次元画像計測システムにおける座標変換方式を利用すれば、上記の数式1、数式2、数式3及び数式4、数式6、数式7、数式8、数式9、数式11、数式12、数式13、数式14が得られる。そして、線路幅一定という事実を表した方程式は、上記の数式5と数式10及び下記の数式15の連立方程式で与えられる。これらの数式は、データ記憶部15に予め記憶されている。
【0054】
【数11】
JP0005156211B2_000012t.gif

【0055】
【数12】
JP0005156211B2_000013t.gif

【0056】
【数13】
JP0005156211B2_000014t.gif

【0057】
【数14】
JP0005156211B2_000015t.gif

【0058】
【数15】
JP0005156211B2_000016t.gif

【0059】
続いて、座標系の変換手法により成立するワールド座標系とイメージ座標系の間の関係式に数値を代入し、車両から信号機までの距離を算出する(106)。即ち、このステップにおいて、コンピュータは、ワールド座標系とイメージ座標系との間に座標系の変換手法によって成立する車両から信号機までの距離Z’を表す関係式、即ち数式2、数式4、数式7、数式9、数式12、数式14のいずれかにカメラパラメータの数値、及びイメージ座標系上の一対の点pと点p、他の一対の点点pと点p、又は更に他の一対の点pと点pの位置データの数値を代入し、車両から信号機までの距離Z’をコンピュータにより算出する。算出した車両から信号機までの距離Z’は、データ記憶部15に記憶される。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明により、信号機などの地上設備までの距離を逐次算出することができるので、これを利用して、自列車の速度を非接触で計測する速度計、即ち速度発電機パルスなどによらない非接触速度計が可能である。また、本発明により、信号機などの地上設備までの距離を逐次算出することができるので、上述した自動列車停止装置に限らず、列車の速度制御も行う走行曲線(ランカーブ)自動生成装置を構成することも可能である。更に、本発明により、前方列車までの距離が分かるので、移動閉そく装置を構築することも可能である。更にまた、本発明により、電柱や信号機の位置を特定できるので、地上設備台帳の一データの作成システムなの構築に利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明が適用される線路上を走行する車両と信号機との位置関係を示した図である。
【図2】本発明が適用された自動列車停止装置のブロック構成図である。
【図3】本発明の実施例1におけるカメラ座標系、イメージ座標系、及びワールド座標系の相互の関係を示した図である。
【図4】本発明の実施例1における撮影画面を示した図である。
【図5】本発明の実施例2における撮影画面を示した図である。
【図6】本発明の実施例3における撮影画面を示した図である。
【図7】本発明が適用された自動列車停止装置の信号処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 車両
2 線路
3 架線
4 信号機
11 CCDカメラ
12 A/D変換部
13 イメージデータ記憶部
14 制御部
15 データ記憶部
16 プログラム記憶部
17 表示部
18 速度制御装置
Z’車両から信号機までの距離
O カメラ座標系原点
O’ワールド座標系原点
o イメージ座標系原点
,P 信号機の近くの線路上の一対の点
,P 信号機の近くの線路上の他の一対の点
,P 信号機の近くの線路上の更に他の一対の点
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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