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明細書 :ゲーム装置、及びゲームプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5854495号 (P5854495)
公開番号 特開2012-223458 (P2012-223458A)
登録日 平成27年12月18日(2015.12.18)
発行日 平成28年2月9日(2016.2.9)
公開日 平成24年11月15日(2012.11.15)
発明の名称または考案の名称 ゲーム装置、及びゲームプログラム
国際特許分類 A63F  13/80        (2014.01)
A63F  13/2145      (2014.01)
A63F  13/5372      (2014.01)
FI A63F 13/80 E
A63F 13/2145
A63F 13/5372
請求項の数または発明の数 7
全頁数 13
出願番号 特願2011-095520 (P2011-095520)
出願日 平成23年4月21日(2011.4.21)
審査請求日 平成26年2月26日(2014.2.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】506122327
【氏名又は名称】公立大学法人大阪市立大学
発明者または考案者 【氏名】河内 明夫
【氏名】清水 理佳
【氏名】岸本 健吾
個別代理人の代理人 【識別番号】100156845、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 威一郎
【識別番号】100112896、【弁理士】、【氏名又は名称】松井 宏記
【識別番号】100124039、【弁理士】、【氏名又は名称】立花 顕治
【識別番号】100124431、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 順也
審査官 【審査官】宇佐田 健二
参考文献・文献 特表平10-503095(JP,A)
斉藤豊文、外2名,"3次元ディジタル線図形のトポロジー -結び目の解析",「電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 Vol.90 No.305」,日本,社団法人電子情報通信学会,1990年11月16日,第90巻,第305号,p.15-22,(特に、p.16の図4及び左方「定義3」の項)
若松栄史、外3名,"結び目理論に基づく線状物体の結び/締め操作の定性計画",「日本ロボット学会誌 第24巻第4号 2006年5月号」,日本,社団法人日本ロボット学会,2006年 5月15日,第24巻,第4号,p.95-104,(特に、p.101のFig.11及びその説明)
"クロス ワールド",「マイコンBASICマガジン 3月号」,日本,電波新聞社,1996年 3月 1日,第15巻,第3号,p.118
"脳内覚醒ハニカムビート",「iモードでハドソン! Vol.02」,日本,株式会社ハドソン,2006年12月 5日,p.10,独立行政法人「工業所有権情報・研修館」受入
調査した分野 A63F 13/00-13/98,9/24
特許請求の範囲 【請求項1】
一筆書きにより一本の線で表される閉じた図形、及び当該図形の周囲を囲む周囲領域を有するゲーム面を設定するゲーム面設定手段であって、前記図形が、前記線の2箇所が横断的に交差して形成される複数の交点、及び前記線で囲まれた複数の閉領域を有する、ゲーム面設定手段と、
前記ゲーム面設定手段により設定された前記ゲーム面において、前記複数の交点を第1及び第2の状態のいずれか一方の状態に設定し、初期状態において前記複数の交点の少なくとも一つが前記第1の状態となるように設定する交点設定手段と、
前記交点設定手段により交点が設定されたゲーム面を、表示する表示手段と、
前記閉領域及び周囲領域の中のいずれか一つを選択させるか、あるいは前記閉領域及び周囲領域の中の一つの領域を除いた残りの領域の中のいずれか一つを選択させる入力手段と、
前記入力手段により前記いずれか一つの領域を選択したときに、選択された領域と接するすべての交点の状態を、異なる状態に変化させて表示する交点変更手段と、
少なくとも一回の前記入力手段による領域の選択後に、すべての前記交点が前記第2の状態に変更されたときにゲームの終了を通知する終了判定手段と、
を備えている、ゲーム装置。
【請求項2】
前記入力手段が、前記閉領域及び周囲領域のいずれか一つを選択させる場合、前記表示手段は、前記交点設定手段により交点が設定されたゲーム面を、二以上の前記閉領域が一部しか表示されず且つ前記周囲領域が分断された状態にならないように、表示する、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム面設定手段は、前記交点の数が異なる図形を有する複数のゲーム面を備えており、
前記複数のゲーム面の中から、前記入力手段により選択されたゲーム面を、プレイ用のゲーム面として設定する、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記交点設定手段は、前記ゲーム面設定手段が設定したゲーム面において、前記各交点の状態が異なる複数の交点パターンのゲーム面を備えており、
当該複数のゲーム面の中から、前記入力手段により選択されたゲーム面を、プレイ用のゲーム面として設定する、請求項1から3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記入力手段は、前記表示手段に設けられたタッチスイッチで構成されている、請求項1から4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
表示手段及び入力手段を有するコンピュータに、
一筆書きにより一本の線で表される閉じた図形、及び当該図形の周囲を囲む周囲領域を有するゲーム面であって、前記図形が、前記線が横断的に交差して形成される複数の交点、及び前記線で囲まれた複数の閉領域を有する、ゲーム面を設定する第1ステップと、
設定された前記ゲーム面において、前記複数の交点を第1及び第2の状態のいずれか一方の状態に設定し、初期状態において前記複数の交点の少なくとも一つが前記第1の状態となるように設定する第2ステップと、
前記第2ステップで設定された前記ゲーム面を、前記表示手段に表示する第3ステップと、
前記入力手段により、前記閉領域及び周囲領域の中のいずれか一つを選択させるかあるいは前記閉領域及び周囲領域のの一つの領域を除いた残りの領域の中のいずれか一つを選択させる第4ステップと、
前記入力手段により前記いずれか一つの領域を選択したときに、選択された領域と接するすべての交点の状態を、異なる状態に変化させて前記表示手段に表示する第5ステップと、
少なくとも一回の前記入力手段による領域の選択後に、すべての前記交点が前記第2の状態に変更されたときにゲームの終了を通知する第6ステップと、
を実行させる、ゲームプログラム。
【請求項7】
前記入力手段により、前記閉領域及び周囲領域のいずれか一つを選択させる場合、前記表示手段は、前記交点設定手段により交点が設定されたゲーム面を、二以上の前記閉領域が一部しか表示されず且つ前記周囲領域が分断された状態にならないように、表示する、請求項6に記載のゲームプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ルービックキューブ(登録商標)や数独(登録商標)のように数学を利用したゲームが広く知られている。これらのゲームは、数手先の結果を読むいわゆる頭脳ゲームといわれており、一般的な娯楽のほか、教育訓練や認知機能のリハビリのために用いられることもある。特に、教育訓練やリハビリには、領域を選択するゲームのように、直感的な操作を行うゲームが好まれており、このようなゲームとしては、例えば、特許文献1に記載のようなゲームがある。特許文献1には、所定領域を構成する複数の部分領域を複数のプレイヤーが領域を奪い合うようなゲームが開示されている。また、近年の情報技術の発達により、これらのゲームは、ゲーム専用機器のほか、携帯電話、スマートフォンのような情報端末、パソコンなどでも行うことができ、人気を集めている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2005-66043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように数学を応用したゲームの人気は高まっているが、必ず解けるようなゲームは市場には少ない。また、教育訓練などに用いることができる直感的な操作で数手先の結果を読むような単純なゲームも十分に提供されているとはいえない。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、必ず解答があり、直感的な操作が可能なゲーム装置、ゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゲーム装置は、一筆書きにより一本の線で表される閉じた図形、及び当該図形の周囲を囲む周囲領域を有するゲーム面を設定するゲーム面設定手段であって、前記図形が、前記線の2箇所が横断的に交差して形成される複数の交点、及び前記線で囲まれた複数の閉領域を有する、ゲーム面設定手段と、前記ゲーム面設定手段により設定された前記ゲーム面において、前記複数の交点を第1及び第2の状態のいずれか一方の状態に設定し、初期状態において前記複数の交点の少なくとも一つが前記第1の状態となるように設定する交点設定手段と、前記交点設定手段により交点が設定されたゲーム面を、表示する表示手段と、前記閉領域及び周囲領域のいずれか一つ、または前記閉領域及び周囲領域のうちの一つの領域を除いた他の領域のいずれか一つを選択させる入力手段と、前記入力手段により前記いずれか一つの領域を選択したときに、選択された領域と接するすべての交点の状態を、異なる状態に変化させて表示する交点変更手段と、少なくとも一回の前記入力手段による領域の選択後に、すべての前記交点が前記第2の状態に変更されたときにゲームの終了を通知する終了判定手段と、を備えている。
【0007】
以下、本発明のゲーム装置で提供されるゲームについて説明する。このゲームでは、一筆書きにより一本の線で表される閉じた図形、及び当該図形の周囲を囲む周囲領域を有するゲーム面を設定する。ここで用いられる図形は、線が交わった複数の交点、及び線で囲まれた複数の閉領域を有する。ここでいう交点とは、線の2箇所が交わって形成されるものを指し、3箇所以上が交わるものは含まない。また、設定されたゲーム面においては、複数の交点を第1及び第2の状態のいずれか一方の状態に設定し、初期状態において複数の交点の少なくとも一つが第1の状態となるように設定される。この状態で、ゲーム面の設定が完了し、ゲームがスタートする。プレイヤーは、閉領域及び周囲領域のいずれか一つ又は複数の閉領域のいずれか一つを選択する。このとき、選択された領域と接するすべての交点の状態が、異なる状態に変化する。そして、少なくとも一回の領域の選択後に、すべての交点が第2の状態に変更されたときにゲームが終了する。なお、第2の状態とは、一の状態を指すのではなく、少なくとも第1の状態とは異なる状態であればよい。したがって、例えば、数種類の第2の状態を設定しておき、交点の状態がそのうちの一つに変更されればよい。
【0008】
本発明のゲーム装置は、このようなゲームを提供するものであるが、このゲームは、数学理論の一つである結び目理論によって必ず解が存在することが証明されている。したがって、本発明によれば、必ず解答があり、直感的な操作が可能なゲームを提供することができる。
【0009】
なお、表示手段において、ゲーム面は、すべての部分を表示しなくてもよい場合があり、例えば、入力手段が、閉領域及び周囲領域のいずれか一つを選択させる場合、表示手段は、交点設定手段により交点が設定されたゲーム面を、二以上の閉領域が一部しか表示されず且つ周囲領域が分断された状態にならないように、表示することができる。
【0010】
上記ゲーム装置において、ゲーム面設定手段は、交点の数が異なる図形を有する複数のゲーム面を備えることができる。そして、複数のゲーム面の中から、入力手段により選択されたゲーム面を、プレイ用のゲーム面として設定することができる。これにより、プレイヤーは、自らが選択したゲーム面でゲームを行うことができる。これに代えて、ゲーム面の設定をゲーム面設定手段が自動で行うこともできる。すなわち、プレイヤーが選択するのではなく、複数のゲーム面の中から、ゲーム面設定手段がランダムにゲーム面を選択してプレイヤーにプレイさせることもできる。
【0011】
また、上記ゲーム装置において、交点設定手段は、ゲーム面設定手段が設定したゲーム面において、各交点の状態が異なる複数の交点パターンのゲーム面を備えることができる。そして、複数のゲーム面の中から、入力手段により選択されたゲーム面を、プレイ用のゲーム面として設定することができる。これにより、プレイヤーは、自らが選択した交点パターンのゲーム面でゲームを行うことができる。これに代えて、交点設定手段が自動で行うこともできる。すなわち、プレイヤーが選択するのではなく、複数の交点パターンのゲーム面の中から、交点設定手段がランダムにゲーム面を選択してプレイヤーにプレイさせることもできる。
【0012】
上記入力手段は、表示手段に設けられたタッチスイッチで構成することができる。これにより、プレイヤーは、指やタッチペンで領域を直接タッチすることによって選択することができ、ゲームをより直感的に行うことができる。
【0013】
また、本発明に係るゲームプログラムは、表示手段及び入力手段を有するコンピュータに、一筆書きにより一本の線で表される閉じた図形を有するゲーム面であって、前記図形が、前記線が横断的に交差して形成される複数の交点、及び前記線で囲まれた複数の閉領域を有する、ゲーム面を設定する第1ステップと、設定された前記ゲーム面において、前記複数の交点を第1及び第2の状態のいずれか一方の状態に設定し、初期状態において前記複数の交点の少なくとも一つが前記第1の状態となるように設定する第2ステップと、前記第2ステップで設定された前記ゲーム面を前記表示手段に表示する第3ステップと、前記入力手段により、前記閉領域及び周囲領域のいずれか一つ、または前記閉領域及び周囲領域のうちの一つの領域を除いた他の領域のいずれか一つを選択させる第4ステップと、前記入力手段により前記いずれか一つの領域を選択したときに、選択された領域と接するすべての交点の状態を、異なる状態に変化させて前記表示手段に表示する第5ステップと、少なくとも一回の前記入力手段による領域の選択後に、すべての前記交点が前記第2の状態に変更されたときにゲームの終了を通知する第6ステップと、を実行させる。
【0014】
なお、上記プログラムでは、表示手段において、ゲーム面は、すべての部分を表示しなくてもよい場合があり、例えば、入力手段が、閉領域及び周囲領域のいずれか一つを選択させる場合、表示手段は、交点設定手段により交点が設定されたゲーム面を、二以上の閉領域が一部しか表示されず且つ周囲領域が分断された状態にならないように、表示することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、必ず解答があり、直感的な操作が可能なゲーム装置、及びゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のゲーム装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】3交点のゲーム面の一例である。
【図3】図2のゲーム面において交点の色が変化した例を示す図である。
【図4】図2のゲーム面において交点の色が変化した例を示す図である。
【図5】ゲーム面の他の例である。
【図6】3交点のゲーム面における交点パターンを示す図である。
【図7】図1のゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】ゲーム面の選択画面を示す図である。
【図9】ゲーム面の交点パターンの選択画面を示す図である。
【図10】ゲームの終了画面を示す図である。
【図11】ゲーム面の表示方法の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るゲーム装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。ここでは、本発明のゲーム装置をパーソナルコンピュータに適用した場合の実施形態を説明する。図1はゲーム装置の構成を示すブロック図である。

【0018】
図1に示すように、このゲーム装置は、バス10によって電気的に接続された制御ユニット11、メモリ12、ストレージ13を備えている。このほか、バス10にはディスプレイの表示を制御する表示制御部14、及び入力機器からの入力の制御を行う入力インターフェース部16が接続されている。制御ユニット11は、CPU(Central Processing Unit)などで構成されており、複数の機能ブロックを備えているが、これらについては後述する。ストレージ13は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリなどで構成される不揮発性の記憶手段であり、基本プログラム(OS)、ゲームプログラムなどの各種プログラムのほか、ゲーム用データなどの各種データが記憶される。メモリ12は、制御ユニット11によりアクセスされるプログラムや各種データが記憶され、各プログラムの一時的な作業領域として機能する。表示制御部14には、ディスプレイ15が接続されており、制御ユニット11から送信された制御信号に基づき、ディスプレイ15に表示しようとするゲーム画面用のデータにしたがって、ディスプレイ15の駆動制御を行う。また、入力インターフェース部16には、マウス17、キーボード18などの入力機器が接続されており、入力機器からの入力信号を制御する。例えば、マウス17によるクリック操作により、後述するように領域の選択を行うことができる。

【0019】
次に、このゲーム装置で実行されるゲームの概略を説明する。図2は、ディスプレイに表示されたゲーム面を示している。ゲーム面20は、一筆書きの一本の線Bで描かれた図形Aと、その周囲に配置され外形が矩形状に形成された周囲領域R1とで形成されている。図形Aは、線Bが平面上で横断的に交わる複数の交点C1~C3と、線Bによって囲まれた複数の閉領域R2~R5で形成されている。ここでいう交点C1~C3とは、それぞれ、線の2箇所が交わって形成されるものを指し、3箇所以上が交わるものは含まない。図2の例では、4つの閉領域R2~R5と3つの交点C1~C3とを有する図形Aが表示され、その周囲に周囲領域R1が描かれている。すなわち、この例では、合計5つの領域R1~R5が設定されている。ここでは、各領域R1~R5を便宜的に第1~第5領域と称することとする。また、図形Aの各交点C1~C3には、交点の状態を表示するランプが配置されており、交点の色は白色または黒色のいずれかの色に表示される。これら交点C1~C3も便宜的に第1~第3交点と称することとする。

【0020】
ゲームは、以下のように行われる。図2は初期状態の一例であるが、第1交点C1が黒色で表示され、第2交点C2及び第3交点C3が白色に表示されている。ゲームのルールとしては、最終的には、すべての交点を黒色にすることを目的とするのであるが、初期状態では、少なくとも一つの交点が白色で表示されていればよく、すべての交点が白色に表示されていてもよい。これは、後述するように、ゲーム装置がランダムに設定することもできるし、プレイヤーが選択することもできる。この例のように、交点の数が3である場合には、2-1、つまり,各交点が2種類の表示が可能であるので、2の3乗、そして、ここからすべての交点が黒色であるパターンを引いて、合計7通りの初期状態を作成することができる。

【0021】
図2の初期表示が表示されると、プレイヤーは、5つの領域R1~R5の中からいずれか一つの領域を選択する。例えば、マウス17によってディスプレイ15上のポインタを選択すべき領域に移動し、その領域内でクリックする。このとき、ゲームのルールとして、ある領域を選択すると、選択した領域に接している交点の状態を変化させることとする。例えば、図2に示すように、第3領域R3に接している交点が、第1交点C1及び第2交点C2であり、第1交点C1は黒色、第2交点C2は白色である場合、プレイヤーが第3領域R3を選択すると、第1交点C1は白色、第2交点C2は黒色に変化する。図3は、初期状態から第3領域R3を選択した後のゲーム面20の状態を示している。なお、第3交点C3は第3領域R3と接していないので、色の変化はない。こうして、領域の選択を続けていき、すべての交点の色が黒に変化すると、ゲームが終了しプレイヤーの勝ちになる。例えば、初期状態が図2のゲーム面においては、第5領域R5を選択すれば、ゲームが終了する。つまり、第5領域R5に接する交点は、第2交点C2及び第3交点C3であるが、初期状態ではいずれも白色である。そこで、第5領域R5を選択すれば、第2交点C2及び第3交点C3がともに黒色に変化する。このとき、第1交点C1は、第5領域R5には接していないので、第5領域R5を選択しても第1交点C1の色は変化せず、黒色のままである。その結果、図4に示すように、すべての交点C1~C3が黒色となり、ゲームが終了する。なお、ここでは、白色の交点が本発明の第1の状態であり、黒色の交点が本発明の第2の状態である。

【0022】
このゲームは、結び目理論と呼ばれる数学理論に基づいており、領域及び交点の数がいくつになったとしても必ず解答方法があることが確認されている。結び目理論については、例えば、「レクチャー結び目理論」(河内明夫、2007年6月共立出版)に詳しく記載されている。

【0023】
次に、図1に示す制御ユニット11においてゲームプログラムを実行することにより実現される制御ユニットの各機能ブロックについて説明する。本実施形態においては、基本的に、ゲーム面設定部111、交点設定部112、交点変更部113、及び終了判定部114の4つの機能ブロックを有している。ゲーム面設定部111は、上述したゲーム面20を設定するものであり、ゲームプログラム、又はゲーム用データ内にある複数のゲーム面からプレイヤーにより選択されたゲーム面を、プレイ用のゲーム面として設定する。上述した例では、3つの交点、5つの領域を有するゲーム面を設定したが、これ以外のゲーム面をデータとして準備しておくこともできる。例えば、図5に示すように、交点の数が6,領域の数が8のゲーム面(a)、交点の数が8,領域の数が9のゲーム面(b)を準備しておくこともできる。また、プレイヤーにゲーム面を選択させるほか、ゲーム面設定部111が、複数のゲーム面の中から任意のゲーム面をランダムに選択することもできる。

【0024】
交点設定部112は、ゲーム面設定部111により設定されたゲーム面の交点の色を設定するものである。具体的には、初期状態における交点の色の設定を行うものであるが、少なくとも一つの交点が白色となるように、交点の色を設定する。図2の図形であれば、図6に示すように、7通りのパターンを生成することができるが、交点設定部112では、7通りのパターンからランダムに一つのパターンを選択してもよいし、プレイヤーに選択させることもできる。

【0025】
交点変更部113は、プレイヤーがマウスを介していずれかの領域R1~R5を選択したときに、上述したルールに従って、その領域に接する交点の色を変更するものである。また、終了判定部114は、交点変更部113によって交点の色が変更されたときに、すべての交点が黒色になっているか否かを判定するものであり、すべての交点が黒色になっていれば、ゲームの終了を通知する。具体的には、例えば、「終了」との文字を表示画面に表示させたり、ゲーム面の色を変化させてゲームが終了したことを通知する。一方、すべての交点が黒色になっていない場合には、ゲームは終了せず、プレイヤーによる領域の選択が続行される。

【0026】
次に、ゲーム装置の動作について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ゲーム装置は、プレイヤーによってゲームプログラムが起動されることにより、ゲーム処理を開始する(S1)。これにより、ゲーム面設定部111は、表示制御部14を介して、例えば図8に示すように、ゲーム面を選択させる画面をディスプレイ15に表示させる。この画面が表示されると、プレイヤーは、いずれかのゲーム面をマウスによって選択する(S2)。すなわち、マウス17のポインタをいずれかのゲーム面のアイコン31~33上でクリックする。これにより、ゲーム面設定部111は、プレイするゲーム面を設定する。続いて、選択されたゲーム面に基づいて、図9に示すように、名交点パターンの選択のための画面が表示される。この画面が表示されると、プレイヤーは、1~7の数字の中から一つをマウスによって選択する(S3)。すなわち、マウス17のポインタをいずれかの数字のアイコン上でクリックする。1~7の数字は、図6に示す交点パターンのいずれかに対応している。これにより、交点設定部112は、選択された数字に対応する交点パターンのゲーム面をディスプレイに表示する(S4)。

【0027】
こうして、例えば、図2に示すようなゲーム面がディスプレイに表示される。続いて、プレイヤーは、いずれかの領域を選択する。つまり、マウス17のポインタをいずれかの領域上でクリックする(S5)。そして、いずれかの領域が選択されると、交点変更部113は、選択された領域に接するすべての交点の色を変化させる(S6)。交点の色が変化されると、終了判定部114は、すべての交点の色が黒になったか否かを判定する(S7)。このとき、すべての交点が黒色に変化していなければ(S7のNO)、S5に戻って領域の選択が続行される。一方、すべての交点が黒色に変化していれば(S7のYES)、終了判定部114は、例えば、図10に示すように、ゲーム面20の背景の色を変化させ、ゲームの終了を報知する。これと同時にディスプレイ15には、「ゲーム面の選択」、及び「ゲームの終了」のアイコン41,42が表示される。そして、プレイヤーが「ゲーム面の選択」のアイコンをクリックすれば(S9のYES)、S2に戻ってゲーム面の選択画面が表示される。一方、「ゲームの終了」のアイコンをクリックすれば(S9のNO)、ゲームは終了する。なお、「ゲーム面の選択」のアイコンをクリックしたときに、S3に戻ってもよい。すなわち、同じ図形で、交点パターンを変更したゲーム面でゲームを行えるようにしてもよい。

【0028】
以上のように、本実施形態によれば、数学上の結び目理論によって必ず解が存在することが証明されているため、必ず解答があり、直感的な操作が可能なゲームを提供することができる。したがって、教育訓練や認知機能のリハビリに有効である。また、ゲーム性を向上するために、ゲーム終了までの時間や、ゲーム終了までの領域の選択回数を記録することもできる。

【0029】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記ゲーム装置は、パーソナルコンピュータを利用して実現されたが、ゲーム専用機、携帯電話、スマートフォンなど、上述したゲームプログラムを実行可能な他の情報処理装置においても実行可能である。また、上記実施形態では、マウスによりゲーム面の選択や領域の選択を行っていたが、ディスプレイの表面に、静電容量式、抵抗膜式などの公知のタッチスイッチを配置したタッチパネルを用いることもできる。これにより、プレイヤーは、領域を直接指でタッチして選択することができ、より直感的にゲームを行うことができる。このほか、タッチペンなどで選択を行うこともできるが、少なくとも領域の選択ができるのであれば、入力手段は特には限定されない。

【0030】
また、表示手段もディスプレイに限定されず、上述したゲーム面が表示されるものであれば特には限定されない。例えば、シート、壁、床などの表面にゲーム面を表示し、各領域にセンサを配置しておけば、手、足などで領域の選択が可能となる。そして、交点には、その状態の変化が確認できるようにランプなどの表示部材を設置しておけばよい。こうすることで、手が不自由な人であっても、足で領域の選択を行うことができる。したがって、老人、身体障害者などもゲームを行うことができ、リハビリとして利用することができる。また、目が不自由な人が利用できるように、交点の状態を視覚以外で確認できるようにすることもできる。例えば、交点の状態を音声の変化、触覚で確認できるように形状の変化などで行うこともできる。また、領域についても、手足で触れるなどして形状を触覚で確認できるように凹凸を設けるなどして構成することもできる。

【0031】
本発明で用いられるゲーム面は、上述したものに限定されず、種々の変更が可能である。上述したように、図形は、一筆書きにより一本の線で表された閉じた図形であり、一つの線が横断的に交わった複数の交点、及びその線で囲まれた複数の閉領域を有する、という規則に基づくものであれば、特には限定されない。上述した例では、3,6,及び8交点の図形を示したが、これ以外の交点の数であってもよく、交点の数がいくつであっても、結び目理論により必ず解がある。また、線により形成される閉領域の形状も特には限定されない。上記例では、図形の周囲の周囲領域の外形は矩形状に形成されているが、図形を囲む形状であれば、特には限定されない。

【0032】
上記実施形態では、交点の状態を色で表示してこれを変化させていたが、交点の状態は、これに限定されるものではない。色の変更のほか、図形、キャラクターの形状を変更させたり、これらを表示させたり、消去したりなど、種々の態様が可能である。すなわち、交点の状態の変化を確認できるものであれば、特には限定されない。

【0033】
上記実施形態では、ゲーム面(図形)の選択、交点パターンの選択をすべてプレイヤーに行わせているが、このうちの少なくとも一つをゲーム装置側で自動的に行うこともできる。すなわち、ゲームプログラムが起動したときに、自動的にゲーム面を選択して表示したり、あるいは交点パターンが決定したゲーム面を直接ディスプレイに表示することもできる。

【0034】
また、ゲーム装置が自動で選択する場合の表示についても、種々の方法がある。例えば、ゲーム面を表示させ、その後に、交点パターンの一つを表示させてもよいし、交点パターンが決まったゲーム面を表示させてもよい。また、ゲーム面設定部111は、ストレージなどに予め複数のゲーム面を記憶させておいてもよいが、上述した規則に基づいて、ゲームを始める都度、ゲーム面を生成することもできる。さらに、プレイヤーが上記規則に基づいて、タッチペンなどで任意に図形を作成し、これを読み込んでゲーム面を設定することもできる。

【0035】
ゲーム面をディスプレイに表示する際に、周囲領域を含むすべての部分を表示してよいが、その他の表示方法もある。例えば、図11(a)は、図形Aと、その周囲をすべて囲む周囲領域R1とをゲーム面20と表示している。これに対して、図11(b)は、図11(a)に示すゲーム面20から点線部分50が切り取られた状態を示している。つまり、図形Aの閉領域R2の一部が切り取られ、それに合わせて周囲領域R1も切り取られた残りの部分がディスプレイに表示される。このような表示であっても、閉領域R2は選択可能であり、また周囲領域R1も分断されず、一つの領域として存在しているので、ゲームをすることは可能である。したがって、ディスプレイに表示する際に、図11(a)のように図形及び周囲領域のすべてを表示する必要はなく、図11(b)のように一部のみを表示することもできる。但し、ゲーム面20の一部を表示する際には、「二以上の閉領域が一部しか表示されず且つ周囲領域が分断された」、状態にならないようにしなければならない。

【0036】
また、本発明において用いられる図形は、一筆書きの一本の線で形成され、且つ複数の交点が存在すればよいが、結び目理論によれば、周囲領域を使わずにゲームを解くことができる。したがって、例えば、図2及び図5に示す図形の場合には、周囲領域R1を選択できないように設定したゲーム面をディスプレイに表示することができる。あるいは、周囲領域を明示的に表示せず、図形のみを表示したゲーム面をディスプレイに表示することもできる。この場合、周囲領域は単なる背景となる。また、選択できないようにする領域は、周囲領域に限らず、他の閉領域のうちの一つであってもよい。すなわち、周囲領域及び閉領域のうちのいずれか一つのみを選択できないようしても、ゲームを解くことができる。さらに、周囲領域を選択できないようにした場合には、図11に示したように、各閉領域は、一部が切り取られていてもよく、切り取られる部分が2以上の領域に亘って連続していない限り、切り取られる領域が2以上であってもよい。

【0037】
交点の状態を3以上にする場合には、次のようにすることもできる。例えば、交点の状態がA,B,Cの3つの状態となるとき、Aをゴールの状態とし、その他の状態からAへ変化するように交点を設定する。例えば、領域を選択するごとに、B→A→C→A→B→A→C→Aのように、B,Cの状態のときから領域を選択すると、必ずAに変化するようにし、Aの状態から領域を選択すると、BまたはCに変化するようにする。Aの状態から領域を選択したときには、上記のように、B,Cの状態へ規則的に変化してもよいし、ランダムに変化してもよい。もちろん、A以外の状態をゴールにすることもできるし、交点の状態を4以上にすることもできる。また、ゴールとする交点の状態は、プレイヤー自身が選択してもよいし、予め選択されていてもよい。さらには、ゲームの途中で変更することもできる。また、ゴールのルールについても、一つの状態にする以外に、複数の状態にすることもできる(例えば、Aが1つ以上、A,Bが一つずつなど)。なお、交点の状態を一つの状態にすることをゴールとする場合には、結び目理論により必ずゲームを終了することができる。
【符号の説明】
【0038】
111 ゲーム面設定部(ゲーム面設定手段)
112 交点設定部(交点設定手段)
113 交点変更部(交点変更手段)
114 終了判定部(終了判定手段)
15 ディスプレイ(表示手段)
17 マウス(入力手段)
20 ゲーム面
A 図形
B 線
C1~C3 交点
R1 周囲領域
R2~R5 閉領域
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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