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明細書 :電子部品パッケージ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5757554号 (P5757554)
公開番号 特開2011-044700 (P2011-044700A)
登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
発行日 平成27年7月29日(2015.7.29)
公開日 平成23年3月3日(2011.3.3)
発明の名称または考案の名称 電子部品パッケージ
国際特許分類 H01L  23/20        (2006.01)
FI H01L 23/20
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願2010-163551 (P2010-163551)
出願日 平成22年7月21日(2010.7.21)
優先権出願番号 2009169960
優先日 平成21年7月21日(2009.7.21)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成25年5月27日(2013.5.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
発明者または考案者 【氏名】匹田 政幸
【氏名】大村 一郎
【氏名】ティアリ レベイ
個別代理人の代理人 【識別番号】100108660、【弁理士】、【氏名又は名称】大川 譲
審査官 【審査官】宮崎 園子
参考文献・文献 特開平11-074419(JP,A)
特開2003-023119(JP,A)
特開2006-066875(JP,A)
調査した分野 H01L 23/20
特許請求の範囲 【請求項1】
電子部品、及び該部品を装着した基板を密閉構造のパッケージ内に絶縁性ガスを封入して、少なくとも-50℃から450℃の広い温度領域で絶縁性を維持する電子部品パッケージにおいて、
前記密閉構造のパッケージ内に、前記絶縁性ガスとしてパーフロロカーボン系ガスを封入し、かつ、
該パーフロロカーボン系ガスの液化防止手段として、電子部品パッケージの外面にヒーターを配設した
ことから成る電子部品パッケージ。
【請求項2】
前記パーフロロカーボン系ガスは、八フッ化プロパンC3F8或いはパーフルオロシクロブタンC4F8である請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項3】
前記密閉構造のパッケージは、ベースと、該ベースの外周において接合される蓋体とから構成される請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項4】
前記電子部品を内部基板の上に実装して、この内部基板裏面の配線からベース内部を貫通して、前記ベース裏面のリード端子に接続し、かつ、前記電子部品の上側に設けた抑え板と蓋体内面との間に挿入したスプリングにより前記内部基板を前記ベースに対して圧接することにより、前記内部基板裏面配線の電気的接続を行う請求項に記載の電子部品パッケージ。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品などを密閉構造のパッケージ内に封入した電子部品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子部品を真空中或いは不活性ガス中に封入した電子部品パッケージが公知である(特許文献1、2、3、4参照)。図15は、特許文献1に開示の電子部品パッケージの断面図である。図示のように、気密状のメタルパッケージの中には内部基板が固定され、その上に電子部品が装着されている。プリント基板にハンダ付けによって固定された複数のリードピンが、メタルパッケージの底部を挿通して、パッケージ内部において、Al等のワイヤにより内部基板と接続される。メタルパッケージは、N2、Ar等の不活性ガス中で上板をかぶせ、4辺をシーム溶接等で封止されている。
【0003】
図示の電子部品パッケージは、電子部品等からの発熱がパッケージ内部基板、プリント基板を介して放熱できるという利点があるが、しかし、N2、Ar等の不活性ガスの封入は、防湿、防食を目的としたものであって、耐圧、耐熱には通用しない。図示の電子部品パッケージは、電子部品等からの発熱を十分に放熱させるための放熱構造が必要となっている。また、特許文献4は、絶縁耐圧の向上や絶縁寸法の縮小化のために、絶縁強度の大きいハロゲン元素を有するガスを減圧状態で封入したガス封入半導体素子を開示する。しかし、ハロゲン元素を有するガスを減圧状態で封入するのみでは、低温から高温までの広い温度範囲に渡って、絶縁耐圧を良好に維持することはできない。
【0004】
後述のように、本件発明者が実験した結果、N2環境下で、放電開始電圧DIV(discharge inception voltage)耐圧はSF6ガスの1/2以下であり、N2はそれ単独では、絶縁媒体ガスとしては使用できないことを確認している。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特許第2721748号公報
【特許文献2】特許第3800998号公報
【特許文献3】特開昭59-4101号公報
【特許文献4】特開平11-74419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の半導体デバイスは350℃以上の高温では使用できないが、それを制限している主要な要因は、パッシベーション、絶縁物封入、ケースパッケージングなどの絶縁材料である。このようなパッケージの絶縁材料としては、エポキシ樹脂、或いはセラミック材料のような固体、シリコンジェル、あるいはフロリネートなどの液体絶縁が考えられるが、いずれも高温(350℃以上)では、成形性、耐熱性、耐絶縁性の観点から、使用できない。
【0007】
高い温度領域での半導体デバイスの動作を可能にすることができると、電気自動車、ハイブリッド車では現在の水冷システムを除去でき、スペース的、コスト的にも低減し、また部品点数が減り、システム信頼性にも大きな寄与が期待できる。しかし、低い温度領域での、八フッ化プロパンC3F8或いはパーフルオロシクロブタンC4F8の沸点は夫々-36.74、-6.04℃であり、沸点以下の環境では液化して絶縁効果に問題を生じるため寒冷地用(-50℃)としては充分に適合できない。
【0008】
本発明は、ハーメチックパッケージ内に封入される電気負性ガス絶縁を、広い温度領域(例えば、-50℃から450℃まで)で使用可能にした半導体デバイスの動作を可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電子部品パッケージは、電子部品、及び該部品を装着した基板を密閉構造のパッケージ内に封入する。この密閉構造のパッケージ内に、パーフロロカーボン系ガスの電気負性絶縁ガスを封入し、かつ、パーフロロカーボン系ガスの沸点を下げる液化防止手段を備えた。液化防止手段として、パーフロロカーボン系ガスに窒素を混入した混合ガスを封入した。また、パーフロロカーボン系ガスの沸点まで温度が下がらないようにする液化防止手段として、電子部品パッケージの外面にヒーターを配設した。
【0010】
パーフロロカーボン系ガスは、八フッ化プロパンC3F8或いはパーフルオロシクロブタンC4F8である。密閉構造のパッケージは、絶縁材製のベースと、該ベースの外周において接合される絶縁材或いは金属製の蓋体とから構成される。
【発明の効果】
【0011】
特許文献1のようにパッケージ内で発生した熱を逃がすことは重要な事項であるが、本発明によれば、排熱の必要が無くなる。現在の車載用インバータには、排熱をするため、水冷が行われており、水冷用のパーツやスペースが必要となるが、本発明では、排熱をしなくても、インバータの半導体素子やモジュールが高温(450℃まで)となっても使用できると共に、低い温度領域でも、封入ガスの沸点を低下させる液化防止手段を備えること、また、パーフロロカーボン系ガスの沸点まで温度が下がらないようにする液化防止手段として、電子部品パッケージの外面にヒーターを配設することにより、-50℃以下の低い温度でも液化の問題がなく使用できる。
【0012】
また、電子部品を内部基板の上に実装して、この電子部品の上側に設けた抑え板と蓋体内面との間に挿入したスプリングにより内部基板をベースに対して圧接することにより、内部基板裏面配線の電気的接続がハンダ付けによることなく可能となるので、高温領域まで使用できる。
【0013】
高耐圧デバイスは車載用インバータ以外にも、太陽電池発電、風力発電、産業用高圧モータ、大電力系統用交直流変換機、大電力用遮断器など、高温高耐圧デバイスを用いた多くの応用が期待されている。450℃までの広い温度領域で使用可能になった場合、電気自動車、ハイブリッド車では現在の水冷システムを除去でき、スペース的、コスト的にもまた部品点数が減りシステム信頼性にも大きな寄与が期待できる。また、航空機、宇宙機、ガスや油田など資源用機器などにおいて、特殊な環境でのインバータ用としての活用も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に基づき構成した電子部品パッケージを例示する図である。
【図2】電子部品の装着までを例示する図である。
【図3】ベースに接合される蓋体の作成を例示する図であり、(A)は蓋体を示し、(B)は通気管を示し、(C)は通気管を拡大して示す断面図であり、(D)は通気管を装着した蓋体を示している。
【図4】ベースと蓋体とのロー付けを説明する図であり、(A)はロー付け途中の図であり、(B)はロー付け完了時の図である。
【図5】ガスの充填を説明する図であり、(A)は排気工程を、(B)はガス充填工程を、(C)は通気管封止工程をそれぞれ示している。
【図6】本発明に基づき構成した電子部品パッケージの別の例を示す図であり、(A)は、全体構成を示す断面図であり、(B)は(A)に示されるラインX-X’で切断したヒーター固定部材を示す図である。
【図7】実験方法を示すブロック図である。
【図8】C4F8を用いた場合のDIVの温度T依存性および理想気体(ideal gas: IDL)として仮定した場合のDIVの温度T依存性の理論曲線を示す図である。
【図9】C3F8を用いた場合のDIVの温度T依存性および理想気体(ideal gas: IDL)として仮定した場合のDIVの温度T依存性の理論曲線を示す図である。
【図10】C4F8とN2を混合した混合ガスについて、C4F8混合率(%)を変化させ、かつ、混合ガスの圧力を変化させたときの混合ガスの沸点(℃)を表すグラフである。
【図11】C3F8とN2を混合した混合ガスについて、C3F8混合率(%)を変化させ、かつ、混合ガスの圧力を変化させたときの混合ガスの沸点(℃)を表すグラフである。
【図12】電子負性ガス(C4F8)と窒素N2を混合した混合ガスについて、-50℃から300℃までの温度範囲における部分放電開始電圧PDIV(V)を表すグラフである。
【図13】本発明を三相インバータコントローラに具体化した電子部品パッケージを例示する図である。
【図14】図13に示す円内を拡大して示す図である。
【図15】特許文献1に開示の電子部品パッケージの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明に基づき構成した電子部品パッケージを例示する図である。電子部品、及びそれらを装着した内部基板は、密閉構造のパッケージ内に封入されている。密閉構造のパッケージは、平板状のベースと、該ベースの外周において接合される箱型状の蓋体とから構成され、この中に絶縁ガスが充填される。ベースは、少なくとも450℃までの高い温度まで使える金属、或いは絶縁材、例えば、セラミックス、ガラス等を用いることが望ましい。蓋体もまた、ベースと同じく、少なくとも450℃までの高い温度まで使える絶縁材、或いは金属、例えば、アルミニウムとかステンレスを使用することが望ましい。ベースと蓋体は、その接合部を、例えば、銀ロー等を用いてロー付けする。絶縁ガスは、ベースと蓋体の接合前に充填することも可能であるが、図1に示す構成は、接合後に一方の通気管を介して排気した後、他方の通気管から充填するものとして例示している。排気及び充填後に、通気管の途中を押し潰し(図5参照)、かつ封止部を銀ローなどによって封止する。内部基板上に装着した電子部品の電気的接続のためのリード端子は、ハーメチックシールを介してベースを貫通して、外部に導出する。

【0016】
密閉構造のパッケージ内に充填される絶縁ガスとしては、電気負性ガス絶縁材料であるパーフロロカーボン系ガスの八フッ化プロパンC3F8およびパーフルオロシクロブタンC4F8をベースとしたガス絶縁を用いる。この絶縁ガスは、絶縁性、(-50℃程度の)低液化温度、耐熱性(熱分解性)、分解ガス生成物と金属材料などのパッケージ構成物との反応性など、いずれも優れた特性を有することを確認した。これらガス絶縁媒体は、450℃まで分解生成物が発生せず実用電圧に耐えうる絶縁性能を発揮することを見出した(後述の[実施例1]参照)。例示の電子部品パッケージには、さらに、パーフロロカーボン系ガスの沸点を下げる手段が備えられる。沸点を下げる手段として、パーフロロカーボン系ガスに窒素を混入した混合ガスを用いる(図10,11参照)。また、パーフロロカーボン系ガスの沸点まで温度が下がらないようにする液化防止手段として電子部品パッケージの外面にヒーターを配設することができる(図6参照)。

【0017】
次に、図1に例示の電子部品パッケージの製造方法の一例を、図2~図7を参照して説明する。図2は、電子部品の装着までを例示する図である。内部基板の上面には電子部品が装着されると共に、その下面からは電子部品に接続されたリード端子が取り付けられている。金属などにより構成されるベースには、リード端子のための穴を開けて、その穴にハーメチックシールを介してリード端子を気密に貫通させている。

【0018】
図3は、ベースに接合される蓋体の作成を例示する図であり、(A)は蓋体を示し、(B)は通気管を示し、(C)は通気管を拡大して示す断面図であり、(D)は通気管を装着した蓋体を示している。蓋体は、金属をプレス加工などにより形成する。通気管は、金属などによりパイプ状に形成して、その中央に通気孔を有している。次に、(D)に示すように、蓋体の両側に孔を開けて、この孔のそれぞれに通気管を、例えば、銀ロー等によりロー付けすることにより気密に装着する。

【0019】
図4は、ベースと蓋体との接合のためのロー付けを説明する図であり、(A)はロー付け途中の図であり、(B)はロー付け完了時の図である。ロー付けは、(A)に示すように、ベースと蓋体との接合面の全周囲(接合部)に銀ロー等を配設する。さらに、ロー付け工程時、蓋体上面及びベース下面に熱吸収体を配設する。なお、蓋体上面の熱吸収体は中央部だけになっているが、銀ロー部近くまでのばしてもよい。この状態で、銀ロー等を配設した全周囲を加熱してロー付けする。これによって、(B)に示すように、ベースと蓋体との接合部でのロー付けが完了する。

【0020】
図5は、ガスの充填を説明する図であり、(A)は排気工程を、(B)はガス充填工程を、(C)は通気管封止工程をそれぞれ示している。まず、(A)に示すように、両側の通気管の内の一方は、バルブ1を介してガスタンクに接続し、かつ他方の通気管は、バルブ2を介して真空ポンプに接続する。次に、バルブ1を閉じた状態でバルブ2を開いて真空ポンプにより排気する。パッケージ内が真空状態になった時点で、通気管の途中(押し潰し部)を、図の前後方向から油圧等により押し潰して、通気管を塞いだ後、バルブ2を閉じる。

【0021】
次に、図5(B)に示すように、バルブ1を開き、ガスが充填された時点で、通気管の途中(押し潰し部)を、図の前後方向から油圧等により押し潰し、通気管を塞いだ後、バルブ1を閉じる。さらに、(C)に示すように、長期的なガス漏出防止のため、通気管の孔(封止部)を銀ローなどによって塞ぐ。銀ローの加熱時は、蓋体の過熱防止のため熱吸収体を配設してもよい。これによって、図1を参照して前述したような電子部品パッケージが完成する。

【0022】
図6は、本発明に基づき構成した電子部品パッケージの別の例を示す図であり、(A)は、全体構成を示す断面図であり、(B)は(A)に示されるラインX-X’で切断したヒーター固定部材を示す図である。図示の電子部品パッケージは、ヒーター及びヒーター固定部材を除いて、図1を参照して説明した電子部品パッケージと同一構成を有している。図示のように、蓋体の外面に面状のセラミックヒーターを取付ける。ヒーターは、カーボンヒーターにしてもよい。取付けの方法は特に限定するものではないが、蓋体の外面と密着させるために、ヒーター固定部材(図6(B)参照)は、図の上下からセラミックヒーターを抑える構成にすることができる。ヒーター固定部材の材質は、ばね鋼であることが望ましい。ヒーターの出力は、電子部品パッケージのサイズによって決める必要があるが、例えば、10mm×10mmサイズに対して1~2mWである。ヒーターは、制御回路を介して電源に接続して、発熱と自然放熱とのバランスによって電子部品パッケージの外面温度が外周温度に対して約プラス50℃を維持する。例えば-50℃の環境において、0℃以下にならない程度であり、+50℃の環境において、+100℃以上にならない程度の小さなヒーターである。また、制御回路の制御によって、所定温度(例えば、0℃)以上で、或いは、電子部品が作動開始と同時にヒーターの回路をオフにする構成にすることが望ましい。
【実施例1】
【0023】
種々の雰囲気ガス絶縁媒体およびそれらとN2との混合ガスをテストした。図7は、実験方法を示すブロック図である。テストのため、銅板を接着したセラミック基板DBC(Direct bonded copper)試料を特別に設計された容器内で試験した。容器内には、ガス/真空など制御された雰囲気において電気配線を行っている。これらの全体のシステムを、図示のように500 °Cまで温度を変えられる恒温槽に入れた。ガスは数気圧のボンベから1気圧のレギュレータによって充填した。このようにして、DBC試料の放電開始電圧DIV(discharge inception voltage)を評価した。
【実施例1】
【0024】
SF6ガスなどいくつかの絶縁ガス媒体では、電圧印加をしない場合でも、350 °C 前後にて分解生成物が生じた。それゆえ、設定できうる最高温度では十分な熱安定性が得られなかった。種々のパタンのDBC試料と2つの異なる電子負性ガス(C3F8およびC4F8)に対する放電開始電圧DIVの温度T依存性および理想気体(ideal gas: IDL)として仮定した場合の放電開始電圧DIVの温度T依存性の理論曲線を図8、図9に示す。図8は、C4F8を用いた場合を示し、図9は、C3F8を用いた場合を示している。図中のTPLGは、理想気体を仮定した場合の計算値を表している。
【実施例1】
【0025】
図8、図9から以下の重要な結果がわかる。最も悪いケースでも(例えば図9のSample 1)、250 °Cの高温領域まで室温の放電開始電圧DIVと同レベル以上となっている。sample 2のDIV vs.T 特性は、450 °Cの高温領域まで温度とともに上昇している。C3F8ガス(図9)のDIV vs. T特性は、理想気体を仮定した場合のDIV vs. T特性とほぼ一致する。
【実施例1】
【0026】
いずれの電子負性ガスを絶縁媒体としたDBC試料の放電開始電圧DIVも、3 kVを越えており、高温(450 °Cまでの)高耐圧(1 kV 以上)のパッケージの目標仕様を十分に満たしている。
【実施例1】
【0027】
図10及び図11は、2つの異なる電子負性ガス(C4F8およびC3F8)と窒素N2を混合した混合ガスについて、C4F8およびC3F8の混合率(%)を変化させ、かつ、混合ガスの圧力を変化させたときの混合ガスの沸点(℃)を表すグラフである。まず、図10に見られるように、C4F8とN2の混合ガスの沸点は、混合ガスの圧力が下がれば、下がることが分かる。ここで、パッケージの内圧について考えると、パッケージ内の温度0℃において1気圧(atm)でガスを封入したとしても450°Cにおいては約2.65気圧(atm)、-50°Cにおいては約0.82気圧(atm)になる。例えば、パッケージ内の温度0℃において1気圧(atm)でガスを封入した場合、-50°Cにおいては約0.82気圧(atm)であるからC4F8混合率(%)を15%程度以下にすれば、充分に沸点50℃以下にできることが分かる。
【実施例1】
【0028】
同様に、C3F8とN2の混合ガスの沸点を表す図11に見られるように、混合ガスの圧力が下がれば、下がることが分かる。例えば、パッケージ内の温度0℃において1気圧(atm)でガスを封入した場合、-50°Cにおいては約0.82気圧(atm)であるからC3F8混合率(%)を56%程度にすれば、沸点50℃以下にできることが分かる。
【実施例1】
【0029】
図12は、電子負性ガス(C4F8)と窒素N2を混合した混合ガスについて、-50℃から300℃までの温度範囲における部分放電開始電圧PDIV(V)を表すグラフである。図の右側四角内に、C4F8とN2の混合率(%)における部分放電開始電圧PDIV(V)を示している。C4F8の混合率を上げる程に、耐圧は高くなっている。また、例えばC48(10%)の混合ガスは、図8のC48100%の傾向と同様に、C48の温度が上がれば耐圧は高くなる傾向を示している。
【実施例1】
【0030】
電子負性ガス(C4F8)と窒素N2を混合した混合ガスについて、C4F8混合沸点を下げることと、耐圧についての関係を考える。例えば、パッケージ内の温度0℃において1気圧(atm)でガスを封入した場合、C4F8混合率(%)を15%程度以下にすれば、充分に沸点50℃以下にできることと、C4F8混合率(%)を5%程度以上にすれば充分な耐圧が得られることから、C4F8混合率5~15%の混合ガスを封入すれば、広い温度領域での半導体デバイスの動作を可能にすることができることが分る。
【実施例2】
【0031】
図13は、本発明の電子部品パッケージを具体化した三相インバータコントローラを例示する図であり、図14は、図13に示す円内を拡大して示す図である。コントロールIC、パワーデバイス、パッシブ部品として例示した電子部品、及びそれらを装着した基板などは、密閉構造のパッケージで内に封入されている。密閉構造のパッケージは、平板状のベースと、該ベースの外周において接合される箱型状の蓋体とから構成され、この中に絶縁ガスが充填される。密閉構造のパッケージの排気及び絶縁ガスの充填は、ガス封止部を介して行う。図示の三相インバータコントローラには、3セットの電子部品が封入されている。その1セットのみの詳細を示す図14を参照して、さらに説明する。コントロールIC、パワーデバイス、パッシブ部品として例示した電子部品は、上下2枚の内部基板に挟まれるように実装されている。ベース内部を貫通している貫通配線(図示省略)を介して、内部基板の裏面配線からリード端子に接続される。その電気的接続は、スプリングを用いた圧接により行う。即ち、電子部品の上側に抑え板を設け、この抑え板と蓋体内面との間に挿入したスプリングにより内部基板を、ベースに対して圧接する。これによって、内部基板裏面配線とリード端子の電気的接続がハンダ付けによることなく可能となるので、高温領域まで使用できる。密閉構造のパッケージで内に充填される絶縁ガスとしては、上述の電気負性ガス絶縁材料であるパーフロロカーボン系ガスの八フッ化プロパンC3F8およびパーフルオロシクロブタンC4F8をベースとしたガス絶縁を用いる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14