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明細書 :メラニン抑制及びMITF抑制作用を有する美白用組成物及び抗ガン剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5942185号 (P5942185)
公開番号 特開2013-163645 (P2013-163645A)
登録日 平成28年6月3日(2016.6.3)
発行日 平成28年6月29日(2016.6.29)
公開日 平成25年8月22日(2013.8.22)
発明の名称または考案の名称 メラニン抑制及びMITF抑制作用を有する美白用組成物及び抗ガン剤
国際特許分類 A61K  36/28        (2006.01)
A61P  17/16        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K   8/97        (2006.01)
A61Q  19/02        (2006.01)
FI A61K 36/28
A61P 17/16
A61P 43/00 111
A61K 8/97 ZNA
A61Q 19/02
請求項の数または発明の数 4
全頁数 16
出願番号 特願2012-025967 (P2012-025967)
出願日 平成24年2月9日(2012.2.9)
審査請求日 平成27年1月30日(2015.1.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
発明者または考案者 【氏名】池本 敦
個別代理人の代理人 【識別番号】100129838、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 典輝
審査官 【審査官】鳥居 福代
参考文献・文献 国際公開第2008/041460(WO,A1)
特開平05-345705(JP,A)
日本農芸化学会大会講演要旨集,2010年,p.267
Natural Medicines,2002年,Vol.56, No.4,p.153-156
Natural Medicines,1998年,Vol.52, No.3,p.269-272
RU 2206333 C1
Biosci Biotechnol Biochem., 2010, Vol.74 No.4 p.753-758
J Dermatol Sci., 2010, Vol.57 No.3 p.170-177
Eur Food Res Technol., 2010, Vol.231 No.1 p.75-83
Fragr J., 2000, Vol.28 No.9 p.24-30
調査した分野 A61K 36/00-36/9068
A61K 8/00-8/99
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)

特許請求の範囲 【請求項1】
ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出して、前記ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナ由来の小眼球症関連転写因子抑制成分を得る工程を備える、小眼球症関連転写因子抑制剤の製造方法。
【請求項2】
ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出して、前記ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナ由来の小眼球症関連転写因子抑制成分を得る工程を備える、メラニン生成抑制剤の製造方法。
【請求項3】
ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出して、前記ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナ由来の小眼球症関連転写因子抑制成分を得る工程を備える、美白用化粧品組成物の製造方法。
【請求項4】
前記アルコール抽出におけるアルコール濃度が25%以上80%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナのアルコール抽出成分を含み、生体において効果的にメラニン色素の生成を抑制可能な生理活性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康・美容への関心が高まっており、例えば、肌の美白に関する研究が数多くなされている。肌の黒ずみの原因はメラニンの生成によるものであるが、通常、皮膚におけるメラニンの生成メカニズムは下記の通り説明される。すなわち、図1に示されるように、紫外線や体内のメラニン産生刺激ホルモンによって刺激を受けると、メラニン産生酵素であるチロシナーゼが活性化され、皮膚のメラノサイトの中にあるチロシンを基質として酵素反応によってドーパクロムやインドール-5,6-キノンに変換し、酸化重合反応で次第に黒くなり、メラニン色素が作り出される。
【0003】
メラニン生成抑制剤として、上記のうちチロシナーゼの活性を阻害するものがある。例えば、ハイドロキノンにグルコースがひとつ結合した配糖体である「アルブチン」は、メラニン色素を生成するメラノサイト(色素生成細胞)の中にあるチロシナーゼの活性を阻害する作用を持っており、これによりメラニンの生成を抑制する。また、ヒト皮膚に紫外線を照射して誘導される色素沈着に対する抑制効果が二重盲検法により調べられ、アルブチン配合乳液の塗布が有効であることが示されている。このように、チロシナーゼの活性を阻害する成分は数多く見つかっているが、いくら阻害作用を有していようとも、ヒトに有害となる物質である場合は適用することができない。このような観点から、ヒトへの安全性の高い食用植物等にメラニン生成抑制成分を見出し、これを抽出して化粧品に用いる技術が数多くなされている(例えば、特許文献1~5や非特許文献1等)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2011-88856号公報
【特許文献2】特開2011-37851号公報
【特許文献3】特開2010-173964号公報
【特許文献4】特開2010-111645号公報
【特許文献5】特開2010-43041号公報
【0005】

【非特許文献1】Miyazawa et al. “Character Impact Odorants of Wild Edible Plant-Cacalia hastate L. var. orientalis-Used in Japanese Traditional Food”, Journal of Oleo Science 59, (10) 527-533 (2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、メラニン生成抑制剤としては、チロシナーゼ等のメラニン色素産生酵素そのものに対する阻害作用を有するものが数多く知られている。或いは、抗酸化成分によって、メラニン生成時の酸化重合を抑えることもなされている。しかしながら、メラニン生成抑制はチロシナーゼの酵素反応を抑制することや、酸化重合を抑えることのみでは十分でない場合がある。
【0007】
例えば、小眼球症関連転写因子(MITF)は、メラニン色素産生酵素の遺伝子発現を促進することが知られており、MITFを抑制することができれば、メラニン生成を根元から抑えることができるものと考えられる。
【0008】
本発明は、食用植物由来の成分を含むとともに、MITF抑制作用を示し、従来よりもメラニン生成抑制作用に優れた生理活性組成物及びその製造方法、MITF抑制剤、並びにメラニン生成抑制剤、化粧品組成物、抗ガン剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、各種天然資源を収集し、各種溶媒を用いて極性の違いにより種々の抽出物を作製し、その生理活性を調べて系統的ライブラリーを構築している。このうち、天然資源抽出物のメラニン生成抑制作用について鋭意研究を進めたところ、天然に自生する山菜の一種であるヨブスマソウやイヌドウナのアルコール抽出物に、チロシナーゼ阻害成分、及び抗酸化成分とともに、MITF抑制成分が含まれていることを知見した。ヨブスマソウやイヌドウナは、冷涼な地域に広く自生する山菜であり、食経験もありヒトへの安全性が高い。そして、上記各成分を含むことにより、MITFによるチロシナーゼ遺伝子発現を抑制し、チロシナーゼによる酵素反応を阻害し、且つ、酵素反応後の酸化重合反応を抑制することも可能であるため、メラニン生成に関して、根元から最終生成に至るまでの各段階において効果的に作用させることができることを知見した。
【0010】
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、
第1の本発明は、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出して得られる、生理活性組成物である。
【0011】
本発明において、「ヨブスマソウ」、「イヌドウナ」とは、キク科コウモリソウ属(Parasenecio)のヨブスマソウ、イヌドウナを意味する。「アルコール抽出」とは、極性の違いによって、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナに含まれる成分の一部を、アルコールを含む溶媒中に抽出すること意味する。
【0012】
第1の本発明は、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナ由来の小眼球症関連転写因子抑制成分を含んでおり、MITFによるチロシナーゼ遺伝子発現を抑制し、メラニン生成を根元から抑制することができる。
【0013】
第1の本発明において、小眼球症関連転写因子抑制成分の分子量は3000以下である。
【0014】
第2の本発明は、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出する工程を備える、生理活性組成物の製造方法である。
【0015】
第2の本発明において、アルコール抽出におけるアルコール濃度は25%以上80%以下とすることが好ましい。尚、「アルコール濃度」とは、抽出溶媒全体の体積を100%とした場合に占めるアルコール体積の占める割合を意味する。当該範囲内において、上記のMITF抑制成分を含む生理活性組成物を効率的に得ることができる。仮に水(熱水)や純粋なアルコールを溶媒として用いた場合、生理活性組成物のメラニン生成抑制作用が劣ってしまう。
【0016】
第3の本発明は、第1の本発明に係る生理活性組成物を含む、小眼球症関連転写因子抑制剤である。
【0017】
第4の本発明は、第1の本発明に係る生理活性組成物を含む、メラニン生成抑制剤である。
【0018】
第5の本発明は、第1の本発明に係る生理活性組成物を含む、化粧品組成物である。
【0019】
第6の本発明は、第1の本発明に係る生理活性組成物を含む、抗ガン剤である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る生理活性組成物は、ヒトへの安全性が高い食用山菜の抽出成分を含んでなるもので、MITFによるチロシナーゼ遺伝子発現を抑制し、チロシナーゼの酵素反応を阻害し、且つ、酵素反応後の酸化重合反応を抑制することも可能である。すなわち、本発明によれば、食用植物由来の成分を含むとともに、MITFに対する抑制作用を示し、従来よりもメラニン生成抑制作用に優れた生理活性組成物及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】皮膚のメラニン生成メカニズムを説明するための図である。
【図2】本発明に係る生理活性組成物の効果を説明するための図である。
【図3】ヨブスマソウ抽出物のマッシュルームチロシナーゼ活性に及ぼす影響を示すデータである。
【図4】ヨブスマソウ抽出物のメラニン産生に及ぼす影響を示すデータである。
【図5】ヨブスマソウ精製物のマッシュルームチロシナーゼ活性に及ぼす影響を示すデータである。
【図6】ヨブスマソウ精製物のメラニン産生に及ぼす影響を示すデータである。
【図7】ヨブスマソウ精製物の抗酸化能を示すデータである。
【図8】ヨブスマソウ精製物(分画3)による細胞のmRNA発現の定量に係るデータである。
【図9】ヨブスマソウ精製物(分画3)のメラニン産生抑制作用に係るデータである。
【図10】ヨブスマソウ精製物(分画3、4)と既存のメラニン抑制剤とについて、遺伝子発現に及ぼす影響を比較したデータである。
【図11】ヨブスマソウ精製物(分画3、4)と既存のメラニン抑制剤とについて、メラニン産生に及ぼす影響を比較したデータである。
【図12】各種刺激剤の違いによる、ヨブスマソウ精製物の遺伝子発現に及ぼす影響を比較したデータである。
【図13】各種刺激剤の違いによる、ヨブスマソウ精製物のメラニン産生に及ぼす影響を比較したデータである。
【図14】ヨブスマソウ精製物の抗ガン作用を示すデータである。
【図15】本発明に係る生理活性組成物の抗ガン作用について説明するための図である。
【図16】分画3について、細胞密度による抗ガン活性の相違を比較したデータである。
【図17】ヨブスマソウ抽出物及びモミジガサ抽出物のマッシュルームチロシナーゼ活性に及ぼす影響を示すデータである。
【図18】ヨブスマソウ抽出物及びモミジガサ抽出物の抗酸化能を示すデータである。
【図19】ヨブスマソウ抽出物及びモミジガサ抽出物のメラニン産生に及ぼす影響を示すデータである。
【図20】ヨブスマソウ抽出物及びモミジガサ抽出物のMITF mRNA発現に及ぼす影響を示すデータである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<生理活性組成物>
本発明に係る生理活性組成物は、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出して得られるものである。

【0023】
ヨブスマソウ、イヌドウナとしては、天然に存在するキク科コウモリソウ属のヨブスマソウ、イヌドウナを用いることができる。或いは、促進栽培等によって人工的に栽培、収穫されたものでもよい。

【0024】
本発明に係る生理活性組成物には、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナ由来のMITF抑制成分が含まれている。当該MITF抑制成分は、分子量3000以下の脂溶性の高い物質である。

【0025】
また、本発明に係る生理活性組成物には、上記のMITF抑制成分の他、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナ由来のチロシナーゼ阻害成分、及び、抗酸化成分も含まれているとよい。生理活性組成物に含まれるチロシナーゼ阻害成分は、上記MITF抑制成分よりも水溶性が高い成分であり、抗酸化成分は、チロシナーゼ阻害成分と同等又はチロシナーゼ阻害成分よりも水溶性が高い成分である。尚、生理活性組成物に含まれる上記の各種成分の割合は特に限定されるものではなく、抽出操作によって変化し得る。このような生理活性組成物は、具体的には例えば下記のような製造方法により製造することができる。

【0026】
<生理活性組成物の製造方法>
本発明に係る生理活性組成物の製造方法は、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出する工程を備えている。当該工程は、極性の違いによって、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナに含まれる成分の一部をアルコール溶媒中に抽出可能な工程であればよく、抽出操作は公知の方法により実施可能である。尚、抽出の際は、刃物等を用いてヨブスマソウ及び/又はイヌドウナを細かく切断しておくと良い。これにより、含有成分を効率的に抽出することができる。

【0027】
本発明に係る生理活性組成物の製造方法においては、抽出溶媒におけるアルコール濃度を25%以上80%以下とすることが好ましい。より好ましくは、50%以上80%以下、特に好ましくは60%以上80%以下である。本発明では、抽出溶媒として、水(熱水)や純粋なアルコールを用いるよりも、25%以上80%以下の濃度のアルコールを用いるほうが、上記の各種有効成分を効率的に抽出することができる。アルコールの温度は特に限定されるものではなく、例えば常温にて抽出可能である。アルコールの種類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等、特に限定されるものではないが、特にエタノールが好ましい。

【0028】
本発明に係る生理活性組成物の製造方法においては、アルコール抽出により得られた生理活性組成物を減圧乾固、或いは、凍結乾燥する工程を備えていてもよい。これにより、生理活性組成物の保存性や取り扱い性を向上させることができる。

【0029】
このようにして得られる本発明に係る生理活性組成物は、食用植物由来のMITF抑制成分を含み、さらに、チロシナーゼ阻害成分及び抗酸化成分を含んでいる。すなわち、図2に示すように、MITF抑制成分によって、チロシナーゼの遺伝子発現を抑制してメラニン生成を根元から抑え(第1の効果)、発現を抑制しきれなかったチロシナーゼについては、チロシナーゼ阻害成分によって酵素反応を阻害してドーパクロムやインドール-5,6-キノンの生成を抑え(第2の効果)、さらに、これらが生成したとしても抗酸化成分によって酸化重合を抑えることができる(第3の効果)。すなわち、本発明に係る生理活性組成物は、3段階でメラニン生成を抑制することができ、従来よりもメラニン生成抑制作用に優れたものといえる。

【0030】
<小眼球症関連転写因子抑制剤、メラニン生成抑制剤>
上述の通り、本発明に係る生理活性組成物には、MITF抑制成分、チロシナーゼ阻害成分及び抗酸化成分が含まれていることから、小眼球症関連転写因子抑制剤やメラニン生成抑制剤として好適に利用可能である。尚、小眼球症関連転写因子抑制剤とする場合は、上記の生理活性組成物を得た後、さらに酢酸エチル等の脂溶性の高い溶媒を用いてMITF抑制成分が濃縮された抽出物を得るとよい。

【0031】
本発明に係る生理活性組成物を含むメラニン生成抑制剤を製造する場合、メラニン生成抑制剤には、上記の抽出物の他、公知のゲル化剤や防腐剤等を含ませることができ、化粧液や化粧用クリームとすることができる。このような場合において、化粧液や化粧用クリームに含まれる、ヨブスマソウ及び/又はイヌドウナをアルコール抽出して得られた抽出物濃度については特に限定されるものではない。抽出物を凍結乾燥等して乾燥する場合は、化粧液や化粧用クリーム1mlに対し、乾燥後の抽出物が0.1~5mg、好ましくは1~5mg含まれるようにすると、充分なメラニン生成抑制効果を得ることができる。本発明に係る生理活性組成物は、上述の通り、MITF抑制成分によって、チロシナーゼの遺伝子発現を抑制してメラニン生成を根元から抑え(第1の効果)、発現を抑制しきれなかったチロシナーゼについては、チロシナーゼ阻害成分によって酵素反応を阻害してドーパクロムやインドール-5,6-キノンの生成を抑え(第2の効果)、さらに、これらが生成したとしても抗酸化成分によって酸化重合を抑えることができる(第3の効果)ので、薄い濃度であっても充分なメラニン生成抑制効果を得ることができる。
【実施例】
【0032】
以下、実施例により、本発明に係る生理活性組成物のメラニン生成抑制作用についてさらに詳述するが、本発明は以下の実施例に記載された具体的な形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0033】
1.ヨブスマソウ抽出物のマッシュルームチロシナーゼ阻害作用
抽出物として、ヨブスマソウ88gに溶媒((1)熱水、(2)70% エタノール、(3)100%メタノール)を加え、ミキサーで細かく粉砕した。(1)の場合はその後100℃、10分加熱した。3000rpmで10分間遠心分離し、上層を濾紙で濾過し回収した。その後、(1)は凍結乾燥機、(2)と(3)はロータリーエバポレータによる減圧乾固を行って溶媒を除去した。固形抽出物の重量を測定後、それぞれ0.1g/mlに調製した。
【実施例】
【0034】
96well plateにL-チロシン含有溶液(2mM L-チロシン、溶媒:50mM燐酸緩衝液pH6.8)を100μl採り、50mM燐酸緩衝液pH6.8を60μl入れ、1mg/mlに調製した抽出物を20μl入れた。そして、マッシュルームチロシナーゼ(300U)を20μl加え攪拌し、25℃に設定したハイブリオーブンに入れて、60分インキュベート後、490nmの吸光度を測定した。結果を図3に示す。
【実施例】
【0035】
図3から、ヨブスマソウにはチロシナーゼ阻害作用が存在し、70%エタノールで最も良く抽出されることがわかった。ヨブスマソウの70%エタノール抽出物がチロシナーゼを50%阻害する濃度は、IC50=100μg/mlであった。
【実施例】
【0036】
2.ヨブスマソウ抽出物のメラニン産生抑制作用
マウス由来細胞株(B16 melanoma 4A5)を用いて、DMEMを基礎培地として、10%ウシ胎児血清、100μg/mlストレプトマイシン、100μg/mlペニシリンを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で3~4日間培養した。メラニン産生を測定するにあたって、細胞を24時間培養し、培地交換をして100μM IBMXと抽出物及び精製物を添加した後、37℃、5%CO雰囲気下で3~4日間培養した後、メラニン産生量を測定した。
【実施例】
【0037】
メラニン測定では、細胞を培養した後、PBSを加え、細胞を2回かきとり、3000rpmで5分間遠心し、上清をとり、1N NaOHを加えて60℃で60分間処理した。処理した後、合成メラミンを標準物質として、マイクロプレートリーダーで細胞は450/655nm、培地は450nmで測定した。結果を図4(A)、(B)に示す。
【実施例】
【0038】
図4から、ヨブスマソウ抽出物の中で、70%エタノール抽出物がIBMXで誘導されるメラニン産生を最も強く抑制した。細胞のメラニン含量と培地に放出されたメラニン量を総合すると、メラニン色素産生を50%阻害する濃度は、IC50=8~10μg/mlであった。これはチロシナーゼ阻害濃度と比較して、低濃度であった。
【実施例】
【0039】
3.ヨブスマソウ70%エタノール抽出物からの有効成分の精製
ヨブスマソウ1362gを細断し、70%エタノールを5.5L加えてワーリングブレンダーで粉砕した。これを2000rmpで5分間遠心分離し、上層を濾紙で濾過して回収した。残渣を回収し、70%エタノールを2.2L加え、同様に遠心分離し、上層を濾紙で濾過して回収したあと、最初に回収したものに加えた。その後、ロータリーエバポレータによる減圧乾固を行い、エタノールを留去した後、凍結乾燥を行って溶媒を完全に除去した。固形抽出物の重量は44.5gであった。
【実施例】
【0040】
逆相樹脂のDiaion HP-20(三菱化学社製)を用いて、極性の違いによってヨブスマソウ70%エタノール抽出物を精製した。45gのHP-20をメタノールに溶解してカラムに詰めた。これを30%メタノールで平衡化後、21gのヨブスマソウ70%エタノール抽出物を245mlの30%エタノールに溶解したものをカラムに注入した。ここで溶出したものを「分画1」(30%メタノール溶出物)とした。次に75%メタノール300mlを注入して溶出したものを「分画2」とした。さらに100%メタノール300mlを注入して溶出したものを「分画3」とした。最後に、酢酸エチル300mlを注入して溶出したものを「分画4」とした。同様の操作を2回行い、合計42gのヨブスマソウ70%エタノール抽出物を分画した。それぞれの分画はロータリーエバポレータによる減圧乾固と凍結乾燥で溶媒を除去した。収率は下記表1に記載の通りである。
【実施例】
【0041】
【表1】
JP0005942185B2_000002t.gif
【実施例】
【0042】
4.ヨブスマソウ分画の性状解析
各分画について、マッシュルームチロシナーゼ阻害作用及びメラニン色素抑制作用を評価した。
【実施例】
【0043】
図5に、ヨブスマソウ70%エタノール抽出物からのHP-20で精製した各分画のチロシナーゼ阻害作用を示す。分画2がチロシナーゼを50%阻害する濃度は、IC50=50μg/mlであった。一方で、分画3、4は測定した濃度ではほとんどチロシナーゼ阻害作用を示さなかった。
【実施例】
【0044】
図6(A)、(B)に、各分画がB16 melanoma 4A5によるメラニン色素産生に及ぼす影響を示す。チロシナーゼ阻害作用の高い分画2のメラニン色素抑制効果は弱いものであった。一方で、ほとんどチロシナーゼ阻害作用を示さなかった分画3と4に強いメラニン色素抑制効果が観察された。
【実施例】
【0045】
5.抗酸化能の測定
メラニン色素産生を抑制するには、図2に示したようにチロシナーゼを抑制する作用以外に、酸化重合反応を阻害する場合が考えられるため、各分画の抗酸化能を測定した。抗酸化能は、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)を用いてラジカル捕捉活性を測定することで評価した。100μM DPPH(エタノール溶液)を1ml試験管にとり、分画を各濃度に調整したものを20μl加え、30秒撹拌して室温、暗所で30分間おいた。その後、分光光度計で517nmの吸光度を測定することで、ラジカルの消失を測定した。結果を図7に示す。
【実施例】
【0046】
図7のように、チロシナーゼ阻害作用の強かった分画2が最も抗酸化能が強く、次いで分画1が強い活性を示した。一方で、細胞のメラニン産生を抑制する効果の最も強かった分画3と4の抗酸化能は弱いものであった。以上より、分画3と4がメラニン産生を抑制するメカニズムは、チロシナーゼの抑制及び酸化重合反応の阻害とは別にあると考えられる。
【実施例】
【0047】
6.ヨブスマソウ精製物(分画3)によるMITF及びチロシナーゼ遺伝子発現の抑制
強いメラニン産生抑制効果を示したヨブスマソウ精製物の分画3は、チロシナーゼ阻害作用や抗酸化能以外の作用を持つと考えられたため、色素細胞特異的転写因子であるMITF遺伝子のmRNA発現に及ぼす影響を検討した。MITF(小眼球症関連転写因子)とは、色素細胞(メラニン産生細胞)の分化・増殖を制御するマスター転写因子であり、標的遺伝子はメラニン合成酵素のチロシナーゼと、チロシナーゼのアミノ酸配列と40%の類似性を持つチロシナーゼ関連タンパク-1(TRP-1)やチロシナーゼ関連タンパク-2(TRP-2)/ドーパクロムトートメラーゼ(DCT)であり、これらに対して特異的に発現を促進する。近年では、MITFをコードする遺伝子が黒色腫細胞で大きく増幅されていることが発見され、黒色腫癌遺伝子として機能している可能性も示唆されるなど、癌治療の新たな戦略として注目されている。
【実施例】
【0048】
φ60mmのディッシュで12時間~3日間培養した細胞を、5mlのPBSで1回洗浄した後、1mlのTRIzol(Gibco)を加えて常法にしたがってRNAを抽出した。これよりPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ社製)を用いてcDNAを合成し、SYBR Premix Ex Taq II(タカラバイオ社製)を用いて、Real-time PCR法によりmRNAを定量した。実験に用いたPrimerの塩基配列は下記表2の通りである。
【実施例】
【0049】
【表2】
JP0005942185B2_000003t.gif
【実施例】
【0050】
図8(A)~(D)に、細胞をIBMXで12時間処理したときのMITF及びその下流のmRNA発現に及ぼすヨブスマソウ精製物(分画3)の影響を示す。図8(A)のように、ヨブスマソウ分画3は1.5μg/mlの濃度で、IBMXによるMITF mRNA発現の誘導を強く阻害した。また、図8(B)~(D)に示すように、その下流のチロシナーゼ、TRP-1及びDCTの発現も阻害した。
【実施例】
【0051】
図9に、分画3による細胞のメラニン産生抑制効果の検証結果を示す。図9に示すように、分画3は、1.5μg/mlより低濃度の0.75μg/mlの濃度にて、十分なメラニン抑制効果が観察された。
【実施例】
【0052】
7.ヨブスマソウ精製物と既存のメラニン抑制剤との比較
24時間培養して培地交換をして、IBMXで処理した細胞に、分画3、4(Fr.3、4)を1.5μg/ml、アルブチン、コウジ酸を15、30μg/mlの濃度で添加した後、12時間培養して、RNAを抽出した。そして、リアルタイムPCR法を用いてMITF、チロシナーゼ、TRP-1、DCT遺伝子の発現を抑えるか調べた。結果を図10(A)~(D)に示す。
【実施例】
【0053】
図10に示すように、分画3、4で全ての遺伝子の発現が抑えられていた。アルブチンは、30μg/mlでは15μg/mlの場合よりも発現が抑えられていたが、コウジ酸では発現が活性化されていた。このように分画3、4は既存のメラニン抑制剤にはないMITF抑制効果があり、同時にその下流の遺伝子発現も抑制していることが示された。
【実施例】
【0054】
B16 melanoma細胞のIBMX刺激によるメラニン産生に及ぼす影響を比較した。結果を図11(A)、(B)に示す。図11に示すように、分画3、4は、既存のメラニン抑制剤であるアルブチンやコウジ酸と比較して、10分の1以下の濃度でメラニン産生を抑制した。
【実施例】
【0055】
8.各種刺激剤の違いによるヨブスマソウ精製物の効果の比較
24時間培養して培地交換をして、IBMX、α-MSH、Forskolinで処理した細胞に、分画3を1.5μg/mlの濃度で添加した後、12時間培養して、RNAを抽出した。そして、リアルタイムPCR法を用いてMITF、チロシナーゼ、TRP-1、DCT遺伝子の発現を抑えるか否かを調べた。結果を図12(A)~(D)に示す。
【実施例】
【0056】
図12に示すように、いずれの刺激剤においても、分画3はMITFの発現を最も強く抑制した。これらの結果より、分画3には強いMITF抑制効果があり、それに引き続いて、その下流の遺伝子であるチロシナーゼやTRP-1、DCTの発現を抑制していると考えられる。
【実施例】
【0057】
さらに、B16-melanoma細胞の各種刺激剤によるメラニン産生に及ぼす影響を比較した。結果を図13(A)、(B)に示す。図13に示すように、IBMX、α-MSH、Forskolinのいずれの刺激で産生されるメラニンであっても、分画3は強く抑制した。
【実施例】
【0058】
以上のように、ヨブスマソウのアルコール抽出物には、抗酸化成分(分画1~3)、チロシナーゼ阻害成分(分画1、2)及びMITF抑制成分(分画3、4)が含まれており、従来の美白剤に含まれるコウジ酸やアルブチンよりも、低濃度にてメラニン生成を抑制可能なことが分かった。これら分画1~4は、極性の違いによって各種溶媒で精製可能であり、例えば、精製して分画3、4を得ることで、MITF抑制剤としても用いることができる。
【実施例】
【0059】
9.ヨブスマソウ精製物(分画3)の細胞増殖抑制作用(抗ガン作用)
分画3を添加し培養した細胞を用いて各種癌細胞株の増殖を測定した。結果を図14に示す。図14に示すように、分画3は悪性黒色腫であるB16 melanoma 4A5及びヒト肺癌細胞株A549に対して、強い細胞増殖抑制が確認された。一方で、マウス由来間葉系幹細胞C3H/10T1/2、ヒト肝臓癌細胞株HepG2、ヒト白血病細胞株U937、マウス由来脂肪前駆細胞3T3-L1の細胞増殖には、同じ濃度の範囲ではほとんど影響を及ぼさなかった。以上のように、分画3は悪性黒色腫や肺癌に選択的に抗ガン作用を示すことが分かった。
【実施例】
【0060】
例えば、Nature. 480(7375), 94-98 (2011)、A SUMOylation-defective MITF germline mutation predisposes to melanoma and renal carcinomaや、Nature. 480(7375), 99-103 (2011)、A novel recurrent mutation in MITF predisposes to familial and sporadic melanomaに開示されている通り、最近になってMITFは悪性黒色種の原因遺伝子であることを示す知見が得られており、図15に概念的に示すように、本発明に係る生理活性組成物(分画3)は、このMITFを抑制することによって、抗ガン作用を示したものと考えられる。MITFをターゲットとした抗がん剤は従来において得られておらず、本発明は新規抗がん剤としても極めて有効と考えられる。
【実施例】
【0061】
細胞密度による抗ガン活性の相違を比較した結果を図16に示す。図16から明らかなように、分画3は、高密度で細胞を培養した場合に、より強い抗ガン作用があることが分かった。
【実施例】
【0062】
10.補足実験(他のCacalia植物との比較)
以下に、本発明に係るヨブスマソウから得られる生理活性組成物が、同じCacalia植物の一種であるモミジガサから得られる組成物よりも極めて優れた美白効果を有することについて示す。
【実施例】
【0063】
10.1.マッシュルームチロシナーゼ阻害作用
抽出物として、ヨブスマソウ88gに溶媒((1)熱水、(2)70% エタノール、(3)100%メタノール)を加え、ミキサーで細かく粉砕した。(1)の場合はその後100℃、10分加熱した。3000rpmで10分間遠心分離し、上層を濾紙で濾過し回収した。その後、(1)は凍結乾燥機、(2)と(3)はロータリーエバポレータによる減圧乾固を行って溶媒を除去した。固形抽出物の重量を測定後、それぞれ0.1g/mlに調製した。一方、モミジガサについても同様にして、それぞれ0.1g/mlに調製した。
【実施例】
【0064】
96well plateにL-チロシン含有溶液(2mM L-チロシン、溶媒:50mM燐酸緩衝液pH6.8)を100μl採り、50mM燐酸緩衝液pH6.8を60μl入れ、1mg/mlに調製した抽出物を20μl入れた。そして、マッシュルームチロシナーゼ(300U)を20μl加え攪拌し、25℃に設定したハイブリオーブンに入れて、60分インキュベート後、490nmの吸光度を測定した。結果を図17に示す。
【実施例】
【0065】
図17から、ヨブスマソウ抽出物は、70%エタノール抽出物で最も強くチロシナーゼを阻害したが、モミジガサ抽出物は、どの溶媒で抽出したとしても、全く阻害作用を示さなかった。
【実施例】
【0066】
10.2.抗酸化能の測定
上記と同様に、抗酸化能は、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)を用いてラジカル捕捉活性を測定することで評価した。100μM DPPH(エタノール溶液)を1ml試験管にとり、上記の抽出物を10mg/ml濃度に調整したものを20μl加え、30秒撹拌して室温、暗所で30分間おいた。その後、分光光度計で517nmの吸光度を測定することで、ラジカルの消失を測定した。結果を図18に示す。
【実施例】
【0067】
図18のように、どの溶媒で作成した抽出物でもヨブスマソウ抽出物はモミジガサ抽出物よりも強い抗酸化能を示した。特に、ヨブスマソウ70%エタノール抽出物は強い抗酸化能を示した。
【実施例】
【0068】
10.3.メラニン産生抑制作用
マウス由来細胞株(B16 melanoma 4A5)を用いて、DMEMを基礎培地として、10%ウシ胎児血清、100μg/mlストレプトマイシン、100μg/mlペニシリンを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で3~4日間培養した。メラニン産生を測定するにあたって、細胞を24時間培養し、培地交換をして100μM IBMXと抽出物及び精製物を添加した後、37℃、5%CO雰囲気下で3~4日間培養した後、メラニン産生量を測定した。
【実施例】
【0069】
メラニン測定では、細胞を培養した後、PBSを加え、細胞を2回かきとり、3000rpmで5分間遠心し、上清をとり、1N NaOHを加えて60℃で60分間処理した。処理した後、合成メラミンを標準物質として、マイクロプレートリーダーで細胞は450/655nm、培地は450nmで測定した。結果を図19(A)、(B)に示す。
【実施例】
【0070】
図19から、B16メラノーマ細胞におけるIBMX刺激によるメラニン産生に対して、ヨブスマソウ抽出物はモミジガサ抽出物よりも強い抑制作用を示した。特に、ヨブスマソウ70%エタノール抽出物は強いメラニン産生抑制作用を示した。
【実施例】
【0071】
10.4.MITF mRNA発現に及ぼす影響
φ60mmのディッシュで12時間~3日間培養した細胞を、5mlのPBSで1回洗浄した後、1mlのTRIzol(Gibco)を加えて常法にしたがってRNAを抽出した。これよりPrimeScript RT Master Mix(タカラバイオ社製)を用いてcDNAを合成し、SYBR Premix Ex Taq II(タカラバイオ社製)を用いて、Real-time PCR法によりmRNAを定量した。
【実施例】
【0072】
図20に、細胞をIBMXで12時間処理したときのMITF及びその下流のmRNA発現に及ぼす抽出物の影響を示す。図20に示すように、B16メラノーマ細胞におけるIBMX刺激によるMITF mRNAの発現上昇に対して、ヨブスマソウ70%エタノール抽出物は強い抑制作用を示したが、モミジガサ70%エタノール抽出物には抑制作用はなかった。この差が、メラニン産生抑制の差になっていると考えられる。
【実施例】
【0073】
以上、現時点において、最も実践的であり、且つ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う生理活性組成物、生理活性組成物の製造方法、小眼球症関連転写因子抑制剤、及びメラニン生成抑制剤、化粧品組成物、抗ガン剤もまた本発明の技術範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る生理活性組成物には、抗酸化成分、チロシナーゼ阻害成分及びMITF抑制成分(特にMITF抑制成分)が含まれており、従来の美白剤に含まれるコウジ酸やアルブチンよりも、低濃度にてメラニン生成を抑制可能であり、化粧品や薬剤等に好適に用いることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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