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明細書 :計測装置及び計測方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2011-527222 (P2011-527222A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成23年10月27日(2011.10.27)
特許番号 特許第5574386号 (P5574386)
登録日 平成26年7月11日(2014.7.11)
発行日 平成26年8月20日(2014.8.20)
発明の名称または考案の名称 計測装置及び計測方法
国際特許分類 A61B   5/055       (2006.01)
G01R  33/30        (2006.01)
FI A61B 5/05 400
A61B 5/05 390
A61B 5/05 330
G01N 24/02 510Y
請求項の数または発明の数 10
全頁数 17
出願番号 特願2011-517267 (P2011-517267)
出願日 平成21年7月7日(2009.7.7)
国際出願番号 PCT/IB2009/006533
国際公開番号 WO2010/004427
国際公開日 平成22年1月14日(2010.1.14)
優先権出願番号 2008178217
優先日 平成20年7月8日(2008.7.8)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年7月6日(2012.7.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
発明者または考案者 【氏名】市川 和洋
【氏名】内海 英雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100099508、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 久
【識別番号】100093285、【弁理士】、【氏名又は名称】久保山 隆
審査官 【審査官】島田 保
参考文献・文献 国際公開第2004/069052(WO,A1)
特開2000-157536(JP,A)
特開2007-316008(JP,A)
特開2006-204551(JP,A)
特開2006-075596(JP,A)
特開2002-143142(JP,A)
調査した分野 A61B 5/055
G01R 33/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Wiley Online Library
特許請求の範囲 【請求項1】
所定の大きさの磁場を発生させる第1の磁場発生手段と、
前記第1の磁場発生手段の磁場の大きさと異なる大きさの磁場を発生させる第2の磁場発生手段と、
計測対象物、または、前記第1及び第2の磁場発生手段を回転移動させることにより、前記計測対象物を前記第1及び第2の磁場発生手段の磁場中を順に通過させる回転移動手段と、
前記回転移動手段によって前記計測対象物または前記第1及び第2の磁場発生手段が回転移動している間に、前記計測対象物または前記第1及び第2の磁場発生手段を停止させることなく、前記計測対象物中の画像を異なる磁場下で計測する計測手段と、
を有する計測装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の磁場発生手段の何れか一方は、核磁気共鳴を励起して計測するためのものであり、他方は、電子スピン共鳴を励起して計測するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記第2の磁場発生手段は、前記第1の磁場発生手段の磁場よりも大きい磁場を発生させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記第1の磁場発生手段は、前記第2の磁場発生手段の磁場よりも大きい磁場を発生させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の計測装置。
【請求項5】
前記第1または第2の磁場発生手段は、磁気共鳴を励起して計測するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項6】
計測対象物、または、所定の大きさの磁場を発生させる第1の磁場発生手段及び前記第1の磁場発生手段の磁場の大きさとは異なる大きさの磁場を発生させる第2の磁場発生手段を回転移動させることにより、前記計測対象物を前記第1及び第2の磁場発生手段の磁場中を順に通過させること、
回転移動手段によって前記計測対象物または前記第1及び第2の磁場発生手段が回転移動している間に、前記計測対象物または前記第1及び第2の磁場発生手段を停止させることなく、前記計測対象物中の画像を異なる磁場下で計測すること、
を含む計測方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の磁場発生手段の何れか一方によって核磁気共鳴を励起して計測すること、
前記第1及び第2の磁場発生手段の他方によって電子スピン共鳴を励起して計測すること、
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の計測方法。
【請求項8】
前記第1の磁場発生手段の磁場よりも大きい磁場を前記第2の磁場発生手段によって発生させることをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の計測方法。
【請求項9】
前記第2の磁場発生手段の磁場よりも大きい磁場を前記第1の磁場発生手段によって発生させることをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の計測方法。
【請求項10】
前記第1または第2の磁場発生手段によって、磁気共鳴を励起して計測することをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の計測方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電子スピン共鳴(ESR)や核磁気共鳴(NMR)など種々の磁気共鳴を利用して、計測対象物の機能画像や形態画像などの画像を得るための計測装置及び計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
活性酸素や遊離基(フリーラジカル)を含むレドックス代謝は多くの生理現象や疾患成因・進展に密接に関与している。このため、実験小動物で、レドックス動態を個体レベルで可視化することができれば、生命現象の解明・疾病の解析とその治療法の確立・医薬品の開発に大きく貢献することは疑いもない。
【0003】
レドックス動態を可視化するには、レドックス代謝の中間生成物であるフリーラジカルを特異的に検出する電子スピン共鳴画像法(ESRI)が有効である。しかしながら、ESRIによる画像は体内臓器との対応を欠く。そこで、この問題を解決するため、核磁気共鳴画像法(MRI)により得た体内臓器のMRI画像をESRIの画像に重畳するESRI/MRI融合型磁気共鳴画像解析装置が開発されている。
【0004】
オーバーハウザー (Overhauser) 効果とは、フリーラジカルの電子スピンをESR遷移させ、電子スピンと核スピンの双極子相互作用により核スピンが偏極する現象である。OMRIとは、フリーラジカルの電子スピンを励起させ、その後、水分子の水素核スピンを偏極させてMRI測定を行う画像化法である。OMRIでは、通常の核スピンのボルツマン分布と比較して、最大(理論値)で330倍に核スピン偏極が増強される。すなわち、通常のMRI測定に較べて、330倍(理論値)の高感度化を図ることができる。
【0005】
また、本出願人は、特開2006-204551号公報において、電子スピン共鳴や核磁気共鳴などの種々の磁気共鳴を利用して生体の組織画像を得るための生体測定装置を提案している。この生体測定装置は、所定の大きさの磁場を発生させる第1の磁場発生手段と、第1の磁場発生手段の磁場よりも大きい磁場を発生させる第2の磁場発生手段と、計測対象物である生体をRFパルスの照射に同期させて第1及び第2の磁場発生手段の間で直線移動させる直線移動手段と、計測対象物である生体を停止させ、RFパルスに応じて検出される信号に基づいて計測対象物である生体中の組織画像を計測する計測処理手段と、を有する。
【0006】
この生体測定装置では、第1の磁場発生手段をESRI外部磁場発生装置及びPEDRI(OMRI)電子スピン励起装置として用い、第2の磁場発生手段をMRI及びOMRIの外部磁場発生装置として用いることができ、これによって、ラジカル量の時間変化画像はOMRIとして、質的変化画像はスペクトル・空間4次元ESRI/MRIとして得ることができ、さらに、第2の外部磁場発生手段による磁場を大きくすることができるため、高感度・高解像度の画像を得ることができる。
【0007】
ところで、この生体測定装置では、第1及び第2の磁場発生手段の間に設置された直線移動手段により計測対象物である生体を反復移動させ、生体が停止してから計測が行われる。このため、生体の移動及び停止時には大きな加速度を生じる。そのため、この生体測定装置による計測の対象である、移動する生体に対して大きな負荷が掛かってしまうという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、複数の磁場発生手段間を移動する際に計測対象物である生体を停止させることなく計測することにより、計測対象物である生体への負荷をなくすことが可能な計測装置及び計測方法を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の計測装置は、所定の大きさの磁場を発生させる第1の磁場発生手段と、この第1の磁場発生手段の磁場の大きさと異なる大きさの磁場を発生させる第2の磁場発生手段と、計測対象物、または、第1及び第2の磁場発生手段を回転移動させることにより、計測対象物を第1及び第2の磁場発生手段の磁場中を順に通過させる回転移動手段と、回転移動手段により計測対象物(または、第1及び第2の磁場発生手段)が回転移動している間に、計測対象物または第1及び第2の磁場発生手段を停止させることなく、計測対象物の画像を異なる磁場下で計測する計測手段と、を有する。
【0010】
また、本発明の計測方法は、計測対象物、または、所定の大きさの磁場を発生させる第1の磁場発生手段及びこの第1の磁場発生手段の磁場の大きさと異なる大きさの磁場を発生させる第2の磁場発生手段を回転移動させることにより、計測対象物を前記第1及び第2の磁場発生手段の磁場中を順に通過させること、回転移動手段により計測対象物(または、第1及び第2の磁場発生手段)が回転移動している間に、計測対象物または第1及び第2の磁場発生手段を停止させることなく、計測対象物の画像を異なる磁場下で計測することを含むことを特徴とする。
【0011】
これらの発明によれば、複数の磁場発生手段によりそれぞれ異なる大きさの磁場を発生させ、計測対象物、または、第1及び第2の磁場発生手段を回転移動させて、計測対象物をこれらの複数の磁場発生手段の磁場中を順次通過させながら、電子スピン共鳴や核磁気共鳴など種々の磁気共鳴を利用して、計測対象物の機能画像や組織画像などの画像を得ることができる。
【0012】
本発明の計測対象物の例としては、生物(生体)の体や、生体以外の物体(例えば、半導体)などを挙げることができる。計測対象物が生体である場合、機能画像としてのレドックス動態画像、代謝画像などの生体機能画像や、組織画像(13C、H、31P核等)などの形態画像を得ることができる。また、計測対象物が物体の場合、構造や欠陥などの形態画像、構成化合物の分布画像を得ることができる。
【0013】
ここで、レドックス動態画像を得るためには、第1及び第2の磁場発生手段の何れか一方は、核磁気共鳴を励起して計測を行うものであり、他方は、電子スピン共鳴を励起して計測を行うものであることが望ましい。これにより、OMRIにより生体レドックス動態画像を得ることができる。
【0014】
なお、第1及び第2の磁場発生手段は、どちらか一方が他方よりも大きい磁場を発生させるものであっても良いが、第2の磁場発生手段が第1の磁場発生手段の磁場よりも大きい磁場を発生させるものである場合、低磁場である第1の磁場発生手段をOMRIの電子スピン励起装置として用い、高磁場である第2の磁場発生手段をMRI及びOMRIの外部磁場発生装置として用いることができる。これにより、第2の磁場発生手段ではMRI画像及びOMRI画像を得ることができる。特に、この測定装置では、低磁場の第1の磁場発生手段により電子スピンが励起された後に、高磁場の第2の磁場発生手段によりOMRI測定が行われるので、OMRIの外部磁場が非常に大きくなり、高感度・高解像度のOMRI画像を得ることができる。
【0015】
一方、第1の磁場発生手段が第2の磁場発生手段の磁場よりも大きい磁場を発生させるものである場合、高磁場である第1の磁場発生手段をMRIの外部磁場発生装置として用い、低磁場である第2の磁場発生手段をOMRIの外部磁場発生装置として用いることができる。これにより、第1の磁場発生手段ではMRI画像が得られ、第2の磁場発生手段ではOMRI画像が得られる。
【0016】
このように、本発明における計測装置は、第1及び第2の磁気発生手段が磁気共鳴を励起して計測を行うように構成されているので、電子スピン共鳴や核磁気共鳴など種々の磁気共鳴を利用して、計測対象物の機能画像や形態画像などの画像を得ることができる。

【0017】
(1)計測対象物を第1及び第2の磁場発生手段の磁場中を順に通過させ、計測対象物、または、第1及び第2の磁場発生手段を停止させることなく計測対象物中の画像を異なる磁場下で計測する構成により、計測対象物を反復移動させる必要がなく、計測対象物または第1及び第2の磁場発生手段を停止させることなく回転移動させている間に、電子スピン共鳴や核磁気共鳴など種々の磁気共鳴を利用して、計測対象物の機能画像及び形態画像を得ることができるので、従来の装置のように測定時に停止することがなく、停止することにより生じていた負荷をなくすことができる。また、停止することにより生じていた第1及び第2の磁場発生手段への負荷もなくなる。
【0018】
(2)第1及び第2の磁場発生手段の一方が核磁気共鳴を励起するものであり、他方が電子スピン共鳴を励起するものとすることにより、OMRIにより生体レドックス動態画像を得ることができる。
【0019】
(3)第2の磁場発生手段の磁場が第1の磁場発生手段の磁場よりも大きいものである場合、低磁場である第1の磁場発生手段をOMRIの電子スピン励起装置として用い、第2の磁場発生手段をMRI及びOMRIの外部磁場発生装置として用いることができるので、OMRIの外部磁場が非常に大きくなり、高感度・高解像度のOMRI画像を得ることができる。
【0020】
(4)第1の磁場発生手段の磁場が第2の磁場発生手段の磁場よりも大きいものである場合、高磁場である第1の磁場発生手段をMRIの外部磁場発生装置として用い、低磁場である第2の磁場発生手段をOMRIの外部磁場発生装置として用いることができるので、高感度のOMRI画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る計測装置の概略的な構成図である。
【0022】
図2は、図1の計測装置の斜視図である。
【0023】
図3は、図2の計測装置の平面図である。
【0024】
図4Aは、本発明の第二の実施形態に係る計測システムの斜視図である。
【0025】
図4Bは、図4Aに示した計測システムの平面図である。
【0026】
図5Aは、本発明の第三の実施形態に係る計測システムの斜視図である。
【0027】
図5Bは、図5Aに示した計測システムの平面図である。
【0028】
図6Aは、本発明の第四の実施形態に係る計測システムの斜視図である。
【0029】
図6Bは、図6Aに示した計測システムの平面図である。
【0030】
図7Aは、本発明の第五の実施形態に係る計測システムの斜視図である。
【0031】
図7Bは、図7Aに示した計測システムの平面図である。
【0032】
図8は、本発明の他の実施形態に係る計測システムの斜視図である。
【0033】
図9は、本発明の他の実施形態に係る計測装置の概略的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1において、本発明の実施の形態に係る計測装置は、計測対象物としての生体を計測するものであって、計測対象物である生体(図示例ではマウスM)を載置する本体部2と、本体部2の各部の動作制御を行う制御部3と、制御部3からの処理結果などを表示する表示部4と、から構成される。

【0035】
本体部2は、第1の磁場発生手段としての低磁場用の第1の外部磁場発生装置5と、第2の磁場発生手段としての高磁場用の第2の外部磁場発生装置6と、円筒状のRFコイル(共振器)7と、鉛直軸周りに回転する回転移動手段としての回転テーブル8と、を有する。回転テーブル8は、モータ、プーリやベルトなどにより構成される回転駆動機構9により回転駆動される。

【0036】
RFコイル7は、回転テーブル8の周縁部上に固定されている。計測対象物である生体はRFコイル7内に保持され、回転テーブル8とともに回転移動することにより、第1の外部磁場発生装置5及び第2の外部磁場発生装置6の磁場中を順に通過するようになっている。図3の例では、回転テーブル8は時計回りに回転する。RFコイル7は、第1の外部磁場発生装置5及び第2の外部磁場発生装置6の静磁場に直交する方向に電磁波磁界を形成する。

【0037】
本実施形態における第1の外部磁場発生装置5は3つの外部磁場発生装置5a、5b、5cから構成されており、それぞれ、永久磁石50と、磁場勾配コイル51と、磁場掃引コイル52と、を有している。この第1の外部磁場発生装置5は、回転テーブル8上のRFコイル7が通過する空間内において、OMRI用の励起磁場を提供するものである。フリーラジカルの電子スピンは、第2の外部磁場発生装置6によってOMRI測定を実行するために、第1の外部磁場発生装置5によって励起される。

【0038】
第2の外部磁場発生装置6は、回転テーブル8上のRFコイル7が通過する空間内に静磁場を発生させるための永久磁石60を有している。また、磁場勾配コイル61が設置されており、永久磁石60により発生された静磁場において、所定のMRパルスシーケンスに応じて、所定規模の磁場勾配が所定の回数で生成されるようになっている。この第2の外部磁場発生装置6は、MRI/OMRI用に外部静磁場を提供するものである。MRI測定及びOMRI測定は第2の外部磁場発生装置6によって行われる。

【0039】
第1の外部磁場発生装置5は、第1の静磁場発生ドライバ10を介して、制御部3に接続されている。この第1の静磁場発生ドライバ10には、磁場勾配コイル51と、磁場掃引コイル52とに給電するために、図示しない電源が接続されている。第1の静磁場発生ドライバ10は、制御部3からの指令によって、磁場勾配コイル51と、磁場掃引コイル52とを制御する。本実施形態における第1の外部磁場発生装置5の磁場強度は20mTであるが、この磁場強度は、OMRIでは0超50mT以下、MRIでは0超11T以下の範囲で任意の値に設定することが可能である。また、永久磁石60に代えて電磁石を用いることも可能である。

【0040】
第2の外部磁場発生装置6は、第2の静磁場発生ドライバ11を介して制御部3に接続されている。この第2の静磁場発生ドライバ11は、磁場勾配コイル61に給電するために、図示しない電源に接続されている。第2静磁場発生ドライバ11は、制御部3からの指令によって、磁場勾配コイル61を駆動する。本実施形態における第2の外部磁場発生装置6の磁場強度は1.5Tであるが、この磁場強度は0超11T以下の範囲内において任意の値に設定することが可能であり、大きい方が好ましい。本実施形態においては永久磁石60を用いているが、永久磁石60を用いる場合、磁場強度は2T程度まで大きくすることが可能である。また、永久磁石60に代えて、超伝導磁石を用いることも可能である。永久磁石60に代えて超伝導磁石を用いた場合には、磁場強度を11T程度まで大きくすることが可能である。

【0041】
RFコイル7は、RFコイルドライバ12及び検出信号受信部13を介して、制御部3に接続されている。また、回転駆動機構9は、回転駆動機構ドライバ14を介して、制御部3に接続されている。RFコイルドライバ12及び回転駆動機構ドライバ14には、それぞれRFコイル7及び回転駆動機構9に給電するための図示しない電源が接続されている。

【0042】
RFコイルドライバ12及び回転駆動機構ドライバ14は、制御部3から指令されるシーケンスに従って、それぞれRFコイル7及び回転駆動機構9を駆動する。このとき、RFコイルドライバ12は、回転駆動ドライバ10と同期して、RFコイル7が回転テーブル8とともに第1の外部磁場発生装置5及び第2の外部磁場発生装置6の磁場中を通過するタイミングと同じタイミングでRFコイル7を駆動する。RFコイル7に高周波パルスが印加されると、RFコイル7に高周波磁場が発生し、内部の計測対象物である生体が高周波磁場にさらされる。

【0043】
第1の外部磁場発生装置5内においてRFコイル7で受信された電子スピン共鳴信号及び第2の外部磁場発生装置6内においてRFコイル7で受信された磁気共鳴信号は、それぞれ検出信号受信部13で受け取られ、制御部3に渡される。第1の外部磁場発生装置5から第2の外部磁場発生装置6までの駆動時間は1秒以内であることが好ましく、さらに好ましくは0.7秒以内であり、本実施形態においては、0.5秒に設定されている。

【0044】
また、制御部3には、計測シーケンス処理部30と、OMRI計測処理部31と、MRI計測処理部32とが設けられている。計測シーケンス制御部30は、第1の外部磁場発生装置5、第2の外部磁場発生装置6、RFコイル7及び回転駆動機構9に対する給電制御シーケンスと、RFコイル7に対する計測シーケンスとを有し、第1の外部磁場発生装置5、第2の外部磁場発生装置6、RFコイル7及び回転駆動機構9を制御する。OMRI計測処理部31及びMRI計測処理部32は、計測シーケンスに従って得られた電子スピン共鳴信号及び磁気共鳴信号に基づいて画像処理を行い、その結果は表示装置4上に表示される。

【0045】
また、本実施形態においては、この画像処理では、生体内局在性の異なる(例えば、膜透過性の異なる)複数のニトロキシルプローブを合成しておき、これをそれぞれ14Nと15Nで標識化することにより、細胞膜(厚さナノメートル)あるいは受容体などとの結合を介して微小空間の分離同時画像解析を行うことができるようになっている。制御部3は、実際にはコンピュータシステムからなり、ハードディスクなどの記録媒体に格納されたコンピュータプログラムを実行することによって上述のように機能する。

【0046】
次に、上記の構成を有する計測装置1の動作について説明する。最初に、回転テーブル8上のRFコイル7内に、計測対象物である生体として小動物、例えば、マウスMを置く。この例では、計測対象物である生体における酸化ストレス疾患でのレドックス代謝異常、あるいは、統合失調症等での脳機能を空間画像解析する。

【0047】
次いで、回転駆動機構9を駆動して回転テーブル8を回転させ、計測対象物生体を第1の外部磁場発生装置5及び第2の外部磁場発生装置6の磁場中を順に回転させる。このとき、第1の外部磁場発生装置5において、RFコイル7から高周波を照射するとともに、磁場掃引コイル52を駆動することによって、静磁場を高速掃引する。これにより、計測対象物生体中の不対電子が高周波を吸収し、電子スピンが共鳴励起される。


【0048】
第1の外部磁場発生装置5を通過した計測対象物である生体は、次に第2の外部磁場発生装置6内に入り、1T以上、本実施形態においては1.5Tという非常に強い静磁場に置かれる。これにより、第1の外部磁場発生装置5において共鳴励起された電子スピンが核スピンエネルギーに遷移する。次いで、RFコイル7を用い、高周波照射により計測対象物である生体から得られる信号を検出信号受信部13で受信する。

【0049】
このようにして検出信号受信部13で受信された信号は制御部3で受け取られ、OMRI計測処理部31及びMRI計測処理部32で処理される。MRI計測処理部32は、第の外部磁場発生装置5におけるRFコイル7から得られた信号を処理することにより、MRI画像を合成する。また、OMRI計測処理部31は、第2の外部磁場発生装置から得られた信号を処理することにより、核スピン分布を示す画像を合成する。

【0050】
以上のように、本実施形態における計測装置1によれば、第1の外部磁場発生装置5及び第2の外部磁場発生装置6によりそれぞれ異なる大きさの磁場を発生させ、計測対象物である生体を回転テーブル8により回転移動させて、計測対象物である生体を第1及び第2の外部磁場発生装置5、6の磁場中を順次通過させながらMRI画像及びOMRI画像を得ることができる。したがって、計測対象物である生体を反復移動させることがなく、移動及び停止時に生体に負荷を掛けることがない。

【0051】
また、この計測装置1では、低磁場である第1の外部磁場発生装置5はOMRIの電子スピン励起装置として用いられ、高磁場である第2の外部磁場発生装置5はMRI及びOMRIの外部磁場発生装置として用いられている。このため、この計測装置1では、低磁場の第1の外部磁場発生装置5により電子スピンが励起された後に、高磁場の第2の外部磁場発生装置6によりOMRI測定が行われるので、OMRIの外部磁場が非常に大きくなり、高感度・高解像度のOMRI画像を得ることができる。

【0052】
この計測装置1においては、回転テーブル8を逆回転させて、計測対象物である生体を第2の外部磁場発生装置6、第1の外部磁場発生装置5の順に通過させて計測することも可能である。この場合、高磁場である第2の外部磁場発生装置6をMRIの外部磁場発生装置として用い、低磁場である第1の外部磁場発生装置をOMRIの外部磁場発生装置として用いることができる。

【0053】
これにより、第2の外部磁場発生装置6によってMRI画像が得られ、第1の外部磁場発生装置5によってOMRI画像が得られる。

【0054】
また、本実施形態における計測装置1は、回転テーブル8により計測対象物である生体を回転移動させる構成であるが、それとは逆に、計測対象物である生体を回転移動させないで、第1及び第2の外部磁場発生装置5、6を回転移動させる構成とすることも可能である。この場合、計測対象物である生体は静止したままであるので、計測時に不快に感じることがなく、生体に優しい計測装置を実現することができる。また、この場合も、第1及び第2の外部磁場発生装置5、6を反復移動させる必要がないため、外部磁場発生装置の移動及び停止時に負荷が掛かることがない。

【0055】
また、本実施形態における計測装置1はMRI/OMRIであるが、異なる大きさの磁界を発生させる2もしくはそれ以上の外部磁場発生装置間において計測対象物である生体を移動させる装置であれば、いかなる装置にも適用可能である。また、本実施形態における計測装置1では、回転テーブル8上の計測対象物である生体の回転移動経路上に、X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置、超音波画像化装置やポジトロン断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)装置などの他の計測装置を配置することによって、連続的に複数の測定項目の計測を行うことも可能である(この点については後に詳述)。

【0056】
また、この計測装置1では、生体の機能画像としてのレドックス動態画像の他、形態画像としての組織画像を得ることも可能である。さらに、生物以外の物体、例えば半導体などの構造や欠陥などの形態画像を得ることも可能であり、電子スピン共鳴や核磁気共鳴など種々の磁気共鳴を利用して、計測対象物の機能画像や形態画像などの画像を得ることも可能である。

【0057】
図4Aは、本発明の第二の実施形態に係る計測システム100の一実施例の斜視図である。図4Bは図4Aに示した計測システム100の平面図である。計測システム100は、第一の画像形成装置(外部磁場発生装置5、6)70と、第二の画像形成装置(X線装置)40と、円筒形RFコイル7a、7bと、回転駆動機構9により回転する回転テーブル8と、を備えている。図に示すように、RFコイル7aはX線装置40の左側において回転テーブル8の周縁上に固定されており、RFコイル7bは外部磁場発生装置5aの右側において回転テーブル8の周縁上に固定されている。RFコイル7a、7bはそれぞれ計測対象物M1、M2を収容するように構成されており、例えば、小動物や小物体用としては1-7cmの直径を有することが好ましく、人間の体の一部を対象とする場合には20-40cmの直径を有することが好ましい。

【0058】
図9(図9については後に詳述)に示すように、RFコイル7aは、RFコイル駆動手段12a及び検出信号受信部13aを介して、制御部3aに接続されており、RFコイル7bは、RFコイル駆動手段12b及び検出信号受信部13bを介して、制御部3aに接続されている。また、回転駆動機構9は、回転駆動機構駆動手段14を介して、制御部3aに接続されている。RFコイル駆動手段12a、12b及び回転駆動機構駆動手段14は、RFコイル7a、7b及び回転駆動機構9に電力を供給する電力源(図示せず)に接続されている。

【0059】
RFコイル駆動手段12a、12bは、回転駆動機構駆動手段14とともに、例えば、制御部3aにより供給されるコンピュータープログラムの方法形式のシーケンスに従って作動し、それぞれ、RFコイル7a、7b及び回転駆動機構9を駆動する。ここで、RFコイル駆動手段12a、12bは回転駆動機構駆動手段14と同期している。すなわち、RFコイル7bが外部磁場発生装置5aの真下に並んだときに、RFコイル7aもX線装置40の真下に並ぶようになっている。ここで、計測シーケンス処理部30のソフトウェァを使用する制御部3aは、コイル7bはRFコイル駆動手段12bによって駆動されるべきであることを認識し、電力をコイル7bに供給することにより、コイル7bをRFコイルに変える。これによって、高周波パルスがRFコイル7bに印加されたときに、RFコイル7bの内部に高周波磁場が形成され、さらに、計測対象物である内部の生体が高周波磁場に曝されることになる。

【0060】
これとは逆に、RFコイル7aがX線装置40の真下に並ぶときには、制御部3aによって、電力はRFコイル7aには供給されず、従って、RFコイル7aは、単に、計測対象物である生体のX線装置40に対するホルダーとしてのみ機能する。

【0061】
これらのコイルの並びの検出には、第一及び第二の画像形成装置に設けられた種々のセンサやガイドを用いることができる。計測対象物M1、M2の画像がそれぞれX線装置40及び第一の画像形成装置70によって形成された後、計測対象物は、制御部3aにより決められた通りに、次の位置へ移動する。これらの計測対象物の画像の形成は同時に行ってもよく、あるいは、別々に行うこともできる。例えば、計測対象物M1は第一待機位置(すなわち、画像は形成されない位置)まで進み、計測対象物M2は外部磁場発生装置5bまで進む。計測対象物M2が第一の画像形成装置70を抜け出るまでの間に、計測対象物M1は数個の画像非形成地点を通過する。その後、計測対象物M2が第一の画像形成装置70により計測されている間に、計測対象物M1の画像がX線装置40により形成される。ここで制御部3aは、X線装置40の真下に位置しているRFコイル7bが電力を受けず計測対象物M2のためのホルダーとして機能すること、一方、第一の画像形成装置70の直下に位置しているRFコイル7aが、コイル7aをRFコイルに変えるRFコイル駆動手段12aによって駆動されること、を認識する

【0062】
一般的に、X線装置40は画像形成に数秒を要するのに対して、外部磁場発生装置5は画像形成に数ミリ秒を、外部磁場発生装置6は画像形成に数秒から数分を要する。

【0063】
第一の画像形成装置70(外部磁場発生装置5及び6)は、計測対象物が外部磁場発生装置5及び6を通過しつつ計測されている間に停止する点を除いて、本発明の第一の実施形態において述べたのとほぼ同様に作動する。これは、第一の画像形成装置が、画像形成中に計測対象物が静止していることを必要とする画像形成装置(X線装置40)との組み合わせで用いられていることによる。X線装置40は、計測対象物Mへの照射の吸収を観測することによって、作動する。このため、X線装置40は、制御装置42と、照射装置41と、制御装置42及び照射装置41を支持するハウジング43と、を備えている。制御装置42は制御部3aと交信することにより、X線装置40を作動させ、さらに、表示部4に表示される画像を処理する。本発明の他の実施例においては、X線装置40は照射装置41のみを有しており、X線装置40が制御部3aと直接交信するように、画像形成装置駆動手段(図示せず)を設けることもできる。

【0064】
図4A及び図4Bに示した第一及び第二の画像形成装置の配置に関して、第一の画像形成装置70の外部磁場発生装置6とX線装置40との間の距離は約50cmまたはそれ以上である。あるいは、X線装置40を第一の画像形成装置70の右側に(すなわち、外部磁場発生装置5aに近く)配置する場合、外部磁場発生装置5cとX線装置40との間の距離は約10cmまたはそれ以上である。第一の画像形成装置70とX線装置40とを上述の距離よりも相互に近づけて配置する場合、第一の画像形成装置70により形成される磁場がX線装置40の正常作動を阻害し、X線装置40によりつくられる画像の歪みの原因となり、また、X線装置の内部の金属物質が第一の画像形成装置70による磁場を歪め、第一の画像形成装置70によりつくられる画像の歪みの原因となる。

【0065】
本発明の第二の実施形態において図示したように、二つの計測対象物M1及びM2が用意されている。本発明の第二の実施形態の変形例によれば、2を超える数の計測対象物を計測システム100に適用することができる。制御部3aは、これらの計測対象物が第一及び第二の画像形成装置と同期するように、これらの計測対象物を収容可能に修正される。本発明の他の変形例によれば、回転テーブル8を逆方向に回転させ、画像形成を逆の順番で行うこともできる。

【0066】
図5Aは、本発明の第三の実施形態に係る計測システム200の一実施例の斜視図である。図5Bは、図5Aに示した計測システム200の平面図である。計測システム200は、第一の画像形成装置(外部磁場発生装置5及び6)70と、第二の画像形成装置(CTシステム20)と、円筒形のRFコイル7b7cと、回転駆動機構9により回転する回転テーブル8と、を備えている。第一の画像形成装置(外部磁場発生装置5及び6)70は、計測対象物が外部磁場発生装置5及び6を通過しつつ計測されている間に停止する点を除いて、本発明の第一の実施形態において述べたのとほぼ同様に作動する。これは、第一の画像形成装置が、画像形成中に計測対象物が静止していることを必要とする画像形成装置(CTシステム20)との組み合わせで用いられていることによる。CTシステム20は、ハウジング21と、照射装置22などの複数の照射手段と、検出器23などの複数の検出手段と、制御部3aと交信し、表示部4に表示される画像を処理する制御ユニット(図示せず)と、を備えている。図に示すように、RFコイル7cはCTシステム20の左側において回転テーブル8の周縁上に固定されており、RFコイル7bは外部磁場発生装置5aの右側において回転テーブル8の周縁上に固定されている。RFコイル7b、7cはそれぞれ計測対象物M1、M2を収容するように構成されており、例えば、小動物や小物体用としては1-7cmの直径を有することが好ましく、人間の体の一部を対象とする場合には20-40cmの直径を有することが好ましい。

【0067】
図9に示すように、RFコイル7cは、RFコイル駆動手段12c及び検出信号受信部13cを介して、制御部3aに接続されており、RFコイル7bは、RFコイル駆動手段12b及び検出信号受信部13bを介して、制御部3aに接続されている。また、回転駆動機構9は、回転駆動機構駆動手段14を介して、制御部3aに接続されている。RFコイル駆動手段12b12c及び回転駆動機構駆動手段14は、RFコイル7b、7c及び回転駆動機構9に電力を供給する電力源に接続されている。

【0068】
RFコイル駆動手段12b、12cは、回転駆動機構駆動手段14とともに、例えば、制御部3aにより供給されるコンピュータープログラムの方法形式のシーケンスに従って作動し、それぞれ、RFコイル7b、7c及び回転駆動機構9を駆動する。ここで、RFコイル駆動手段12b、12cは回転駆動機構駆動手段14と同期している。すなわち、RFコイル7bが外部磁場発生装置5aの真下に並んだときに、RFコイル7cもCTシステム20の真下に並ぶようになっている。ここで、制御部3aは、コイル7bはRFコイル駆動手段12bによって駆動されるべきであることを認識し、電力をコイル7bに供給することにより、コイル7bをRFコイルに変える。これによって、高周波パルスがRFコイル7bに印加されたときに、RFコイル7bの内部に高周波磁場が形成され、さらに、計測対象物である内部の生体が高周波磁場に曝されることになる。


【0069】
これとは逆に、RFコイル7cがCTシステム20の真下に並ぶときには、制御部3aによって、電力はRFコイル7cには供給されず、従って、RFコイル7cは、単に、計測対象物である生体のCTシステム20に対するホルダーとしてのみ機能する。これらのコイルの並びの検出には、第一及び第二の画像形成装置に設けられた種々のセンサやガイドを用いることができる。計測対象物M1、M2の画像がそれぞれCTシステム20及び第一の画像形成装置70によって形成された後、計測対象物は、上述のように、制御部3aにより決められた通りに、次の位置へ移動する。これらの計測対象物の画像の形成は同時に行ってもよく、あるいは、別々に行うこともできる。

【0070】
一般的に、CTシステム20は画像形成に数十秒、例えば、5-40秒を要するのに対して、外部磁場発生装置5は画像形成に数ミリ秒を、外部磁場発生装置6は画像形成に数秒から数分を要する。図5A及び図5Bに示した第一及び第二の画像形成装置の配置においては、第一の画像形成装置70の外部磁場発生装置6とCTシステム20との間の距離は約50cmまたはそれ以上である。あるいは、CTシステム20が第一の画像形成装置70の右側に(すなわち、外部磁場発生装置5aに近く)配置されている場合には、外部磁場発生装置5cとCTシステム20との間の距離は約10cmまたはそれ以上である。第一の画像形成装置70とCTシステム20とを上述の距離よりも相互に近づけて配置する場合、第一の画像形成装置70により形成される磁場がCTシステム20の正常作動を阻害し、CTシステム20によりつくられる画像の歪みの原因となり、また、CTシステム20の内部の金属物質が第一の画像形成装置70による磁場を歪め、第一の画像形成装置70によりつくられる画像の歪みの原因となる。

【0071】
本発明の第三の実施形態において図示したように、二つの計測対象物M1及びM2が用意されている。本発明の第三の実施形態の変形例によれば、2を超える数の計測対象物を計測システム200に適用することができる。制御部3aは、これらの計測対象物が第一及び第二の画像形成装置と同期するように、これらの計測対象物を収容可能に修正される。本発明の他の変形例によれば、回転テーブル8を逆方向に回転させ、画像形成を逆の順番で行うこともできる。

【0072】
図6Aは、本発明の第四の実施形態に係る計測システム300の一実施例の斜視図である。図6Bは、図6Aに示した計測システム300の平面図である。計測システム300は、第一の画像形成装置(外部磁場発生装置5及び6)70と、第二の画像形成装置(PETシステム80)と、円筒形のRFコイル7b、7dと、回転駆動機構9により回転する回転テーブル8と、を備えている。第一の画像形成装置(外部磁場発生装置5及び6)70は、計測対象物が外部磁場発生装置5及び6を通過しつつ計測されている間に停止する点を除いて、本発明の第一の実施形態において述べたのとほぼ同様に作動する。これは、第一の画像形成装置が、画像形成中に計測対象物が静止していることを必要とする画像形成装置(PETシステム80)との組み合わせで用いられていることによる。PETシステム80は、ハウジング81と、照射装置82などの複数の照射手段と、検出器83などの複数の検出手段と、制御部3aと交信し、表示部4に表示される画像を処理する制御ユニット(図示せず)と、を備えている。図に示すように、RFコイル7dはPETシステム80の左側において回転テーブル8の周縁上に固定されており、RFコイル7bは外部磁場発生装置5aの右側において回転テーブル8の周縁上に固定されている。RFコイル7b、7dはそれぞれ計測対象物M1、M2を収容するように構成されており、例えば、小動物や小物体用としては1-7cmの直径を有することが好ましく、人間の体の一部を対象とする場合には20-40cmの直径を有することが好ましい。

【0073】
図9に示すように、RFコイル7dは、RFコイル駆動手段12d及び検出信号受信部13dを介して、制御部3aに接続されており、RFコイル7bは、RFコイル駆動手段12b及び検出信号受信部13bを介して、制御部3aに接続されている。また、回転駆動機構9は、回転駆動機構駆動手段14を介して、制御部3aに接続されている。RFコイル駆動手段12b、12d及び回転駆動機構駆動手段14は、RFコイル7b、7d及び回転駆動機構9に電力を供給する電力源に接続されている。

【0074】
RFコイル駆動手段12b、12dは、回転駆動機構駆動手段14とともに、例えば、制御部3aにより供給されるコンピュータープログラムの方法形式のシーケンスに従って作動し、それぞれ、RFコイル7b、7d及び回転駆動機構9を駆動する。ここで、RFコイル駆動手段12b、12dは回転駆動機構駆動手段14と同期している。すなわち、RFコイル7bが外部磁場発生装置5aの真下に並んだときに、RFコイル7dもPETシステム80の真下に並ぶようになっている。ここで、制御部3aは、コイル7bはRFコイル駆動手段12bによって駆動されるべきであることを認識し、電力をコイル7bに供給することにより、コイル7bをRFコイルに変える。これによって、高周波パルスがRFコイル7bに印加されたときに、RFコイル7bの内部に高周波磁場が形成され、さらに、計測対象物である内部の生体が高周波磁場に曝されることになる。

【0075】
これとは逆に、RFコイル7dがPETシステム80の真下に並ぶときには、制御部3aによって、電力はRFコイル7dには供給されず、従って、RFコイル7dは、単に、計測対象物である生体のPETシステム80に対するホルダーとしてのみ機能する。これらのコイルの並びの検出には、第一及び第二の画像形成装置に設けられた種々のセンサやガイドを用いることができる。計測対象物M1、M2の画像がそれぞれPETシステム80及び第一の画像形成装置70によって形成された後、計測対象物は、上述のように、制御部3aにより決められた通りに、次の位置へ移動する。これらの計測対象物の画像の形成は同時に行ってもよく、あるいは、別々に行うこともできる。

【0076】
一般的に、PETシステム80は画像形成に数十秒、例えば、5-40秒を要するのに対して、外部磁場発生装置5は画像形成に数ミリ秒を、外部磁場発生装置6は画像形成に数秒から数分を要する。図6A及び図6Bに示した第一及び第二の画像形成装置の配置においては、第一の画像形成装置70の外部磁場発生装置6とPETシステム80との間の距離は約50cmまたはそれ以上である。あるいは、PETシステム80が第一の画像形成装置70の右側に(すなわち、外部磁場発生装置5aに近く)配置されている場合には、外部磁場発生装置5cとPETシステム80との間の距離は約10cmまたはそれ以上である。第一の画像形成装置70とPETシステム80とを上述の距離よりも相互に近づけて配置する場合、第一の画像形成装置70により形成される磁場がPETシステム80の正常作動を阻害し、PETシステム80によりつくられる画像の歪みの原因となり、また、PETシステム80の内部の金属物質が第一の画像形成装置70による磁場を歪め、第一の画像形成装置70によりつくられる画像の歪みの原因となる。

【0077】
本発明の第四の実施形態において図示したように、二つの計測対象物M1及びM2が用意されている。本発明の第四の実施形態の変形例によれば、2を超える数の計測対象物を計測システム300に適用することができる。制御部3aは、これらの計測対象物が第一及び第二の画像形成装置と同期するように、これらの計測対象物を収容可能に修正される。本発明の他の変形例によれば、回転テーブル8を逆方向に回転させ、画像形成を逆の順番で行うこともできる。

【0078】
図7Aは、本発明の第五の実施形態に係る計測システム400の一実施例の斜視図である。図7Bは、図7Aに示した計測システム400の平面図である。計測システム400は、第一の画像形成装置(外部磁場発生装置5及び6)70と、第二の画像形成装置(X線装置40)と、第三の画像形成装置(PETシステム80)と、第四の画像形成装置(CTシステム20)と、円筒形のRFコイル7a、7b、7c、7dと、回転駆動機構9により回転する回転テーブル8と、を備えている。第一の画像形成装置(外部磁場発生装置5及び6)70は、計測対象物が外部磁場発生装置5及び6を通過しつつ計測されている間に停止する点を除いて、本発明の第一の実施形態において述べたのとほぼ同様に作動する。これは、第一の画像形成装置が、画像形成中に計測対象物が静止していることを必要とする画像形成装置(X線装置40、PETシステム80及びCTシステム20)との組み合わせで用いられていることによる。図9に示すように、RFコイル駆動手段12a、12b、12c、12dは回転駆動機構駆動手段14と同期しており、これにより、RFコイルの各々が対応する画像形成装置の真下に並ぶようになっている。これらのRFコイルの並びの検出には、画像形成装置に設けられた種々のセンサやガイドを用いることができる。計測対象物M1、M2、M3、M4の画像がそれぞれの画像形成装置によって形成された後、計測対象物は、制御部3aにより決められた通りに、次の位置へ移動する。これらの計測対象物の画像の形成は同時に行ってもよく、あるいは、別々に行うこともできる。

【0079】
例えば、計測対象物M1、M2、M3及びM4が当初それぞれCTシステム20、PETシステム80、X線装置40及び外部磁場発生装置5aに位置しており、それぞれ対応する画像形成装置により画像が形成されたものとすると、画像形成装置がその計測対象物の画像の仕上げを行うのに最長の時間を取った後に、各計測対象物が次の位置に進むように回転テーブル8は回転する。計測対象物の次の位置は、制御部3aによって決められるが、次の画像形成装置または画像非形成位置(すなわち、計測対象物は画像形成装置の下には位置しない)の何れかである。あるいは、計測対象物は次の画像形成装置まで回転することはあっても、画像形成装置が、制御部3aの指示によって、計測対象物の画像を形成しないこともある。このため、この動作は、計測対象物にとっては画像非形成位置として機能することになる。本発明の一実施形態によれば、一つまたは多数の計測対象物を本計測システムに用いることができる。このため、いくつかの異なる画像形成装置によって一つの計測対象物を計測する場合には、それらの画像形成装置の周りを回転する計測対象物を保持するためには、一つのRFコイルがあればよい。

【0080】
一般的に、CTシステム20及びPETシステム80は画像形成に数十秒、例えば、5-40秒を要するのに対して、X線装置40は画像形成に数秒を要する。外部磁場発生装置5は画像形成に数ミリ秒を、外部磁場発生装置6は画像形成に数秒から数分を要する。図7A及び図7Bに示した第一ないし第四の画像形成装置の配置においては、X線装置40、CTシステム20とPETシステム80との間の距離は約10cmまたはそれ以上であり、第一の画像形成装置70の外部磁場発生装置6とCTシステム20との間の距離は約50cmまたはそれ以上であり、外部磁場発生装置5cとX線装置40との距離は約10cmまたはそれ以上である。上述の距離以上に各画像形成装置を相互に近づけて配置すると、画像の歪みの原因となる。

【0081】
各画像形成装置は図7A及び図7Bに示す特定の順序に配置されているが、各画像形成装置は、上述の各画像形成装置間の距離が維持されている限りにおいては、回転テーブル8の周りに任意の順序で配置することが可能である。前述の例で言えば、第二、第三または第四の画像形成装置を外部磁場発生装置6または外部磁場発生装置5cに隣接して配置することも可能である。画像形成装置をこれらの外部磁場発生装置の何れかに隣接して配置する場合、画像形成装置と外部磁場発生装置との間の距離は上述の距離内であることを要する。

【0082】
図8は本発明のさらなる実施形態に係る計測システム500の斜視図である。計測システム500は、静止テーブル8aと、RFコイル7w、7x、7y、7zと、第一の回転画像形成装置71と、第二の回転画像形成装置72と、第三の回転画像形成装置73と、第四の回転画像形成装置74と、制御ユニット75と、画像形成装置を静止テーブル8aの周りに回転させる回転機構501と、を備えている。回転機構501は、モーター、プーリー、ベルトなどから構成することができ、制御ユニット75と交信し、各計測対象物の画像形成と同期する。換言すれば、回転機構501は回転駆動機構9と同様に作動するが、静止している種々の画像形成装置の周りに回転テーブル8を駆動する代わりに、回転機構501は、回転画像形成装置を静止テーブル8aの周りに駆動する。この場合、計測対象物は静止しているので、これらの計測対象物は計測中に不快感を感じることはなく、このため、この計測システムは計測対象物に対して優しい。本発明のさらなる実施形態によれば、計測対象物と画像形成装置の双方を回転させて、計測能力を向上させることも可能である。

【0083】
本発明の計測装置及び計測方法は、電子スピン共鳴や核磁気共鳴など種々の磁気共鳴を利用して計測対象物の画像を得るための装置及び方法として有用である。特に、本発明は、複数の磁場発生手段間で移動する計測対象物を停止させることにより生じていた負荷をなくすものとして好適である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4A】
3
【図4B】
4
【図5A】
5
【図5B】
6
【図6A】
7
【図6B】
8
【図7A】
9
【図7B】
10
【図8】
11
【図9】
12