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明細書 :電磁界ベクトル表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5594769号 (P5594769)
公開番号 特開2012-042401 (P2012-042401A)
登録日 平成26年8月15日(2014.8.15)
発行日 平成26年9月24日(2014.9.24)
公開日 平成24年3月1日(2012.3.1)
発明の名称または考案の名称 電磁界ベクトル表示装置
国際特許分類 G01R  29/08        (2006.01)
FI G01R 29/08 G
G01R 29/08 D
G01R 29/08 F
請求項の数または発明の数 6
全頁数 19
出願番号 特願2010-185607 (P2010-185607)
出願日 平成22年8月20日(2010.8.20)
審査請求日 平成25年8月9日(2013.8.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
発明者または考案者 【氏名】八木谷 聡
個別代理人の代理人 【識別番号】100109210、【弁理士】、【氏名又は名称】新居 広守
審査官 【審査官】藤田 憲二
参考文献・文献 特開平11-083920(JP,A)
国際公開第2009/028186(WO,A1)
特開昭57-144472(JP,A)
特開2010-085387(JP,A)
調査した分野 G01R 29/08
G01D 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
3次元座標系における電磁界の強度を算出するための電磁界情報を取得するための電磁界センサと、
前記電磁界センサにより取得された前記電磁界情報を用いて電磁界の強度を算出し、算出された該電磁界の強度を用いて電磁界ベクトルを算出する電磁界ベクトル算出部と、
前記電磁界センサと一体化された表示装置とを備え、
前記表示装置は、画像を表示する表示面を有する6個の表示部を有し、
前記6個の表示部にそれぞれ対応する6個の前記表示面は、前記3次元座標系において仮想的に存在する6個の仮想平面に、それぞれ対応し、
前記電磁界ベクトル算出部は、さらに、算出された前記電磁界ベクトルである算出電磁界ベクトルを、前記6個の仮想平面の各々に投影させることにより、該6個の仮想平面にそれぞれ投影された6個の前記算出電磁界ベクトルの各々を投影電磁界ベクトルとして算出し、
前記6個の表示部は、それぞれ、6個のベクトル画像を、対応する表示面に表示し、
前記6個のベクトル画像は、それぞれ、6個の前記投影電磁界ベクトルを示す
電磁界ベクトル表示装置。
【請求項2】
算出された前記電磁界の強度は、x軸、y軸およびz軸の各々が互いに直交する3次元座標系のx軸方向の電磁界の強度と、前記3次元座標系のy軸方向の電磁界の強度と、前記3次元座標系のz軸方向の電磁界の強度とを含む
請求項1に記載の電磁界ベクトル表示装置。
【請求項3】
前記電磁界ベクトル算出部は、前記x軸方向の電磁界の強度と、前記y軸方向の電磁界の強度と、前記z軸方向の電磁界の強度とを用いて、前記3次元座標系における前記電磁界ベクトルを算出する
請求項2に記載の電磁界ベクトル表示装置。
【請求項4】
前記表示面の形状は、平面状である
請求項に記載の電磁界ベクトル表示装置。
【請求項5】
前記電磁界ベクトル表示装置は、さらに、個の平面を有する多面体を備え、
前記個の表示部は、それぞれ、前記個の平面に設けられる
請求項またはに記載の電磁界ベクトル表示装置。
【請求項6】
前記電磁界センサは、前記電磁界情報を随時取得し、
前記電磁界ベクトル算出部は、所定時間経過毎に、前記電磁界センサにより取得された最新の前記電磁界情報を用いて電磁界の強度を算出し、算出された最新の該電磁界の強度を用いて電磁界ベクトルを算出し、
前記表示装置は、前記所定時間経過毎に、算出された最新の前記電磁界ベクトルを3次元的に示す画像を表示する
請求項1に記載の電磁界ベクトル表示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁界ベクトルを表示する電磁界ベクトル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等から漏洩する電磁界ノイズに効果的に対処するためには、当該電磁界ノイズの発生源(以下、ノイズ発生源ともいう)を特定することが重要である。電磁界ノイズは、ノイズ発生源からの距離および方位に応じて、電磁界ノイズの強度(大きさ)及び向き(ベクトル)が変化する。そのため、機器周辺で電磁界ノイズベクトル(電磁界ベクトル)を計測すれば、ノイズ発生源を探る上できわめて有用な情報が得られる。
【0003】
特許文献1では、電磁界センサを用いて得られた電磁界ベクトルを、矢印で表示する技術(以下、従来技術Aという)が開示されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】国際公開第09/028186号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術Aでは、電磁界センサと、電磁界ベクトルに対応する矢印を表示する装置とは、物理的に離れている。そのため、電磁界センサを持つ測定者は、電磁界が測定された場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルを3次元的に把握することはできない。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、電磁界が測定された場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルが3次元的に把握されることを実現する電磁界ベクトル表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電磁界ベクトル表示装置は、3次元座標系における電磁界の強度を算出するための電磁界情報を取得するための電磁界センサと、前記電磁界センサにより取得された前記電磁界情報を用いて電磁界の強度を算出し、算出された該電磁界の強度を用いて電磁界ベクトルを算出する電磁界ベクトル算出部と、前記電磁界センサと一体化された表示装置とを備え、前記表示装置は、画像を表示する表示面を有する6個の表示部を有し、前記6個の表示部にそれぞれ対応する6個の前記表示面は、前記3次元座標系において仮想的に存在する6個の仮想平面に、それぞれ対応し、前記電磁界ベクトル算出部は、さらに、算出された前記電磁界ベクトルである算出電磁界ベクトルを、前記6個の仮想平面の各々に投影させることにより、該6個の仮想平面にそれぞれ投影された6個の前記算出電磁界ベクトルの各々を投影電磁界ベクトルとして算出し、前記6個の表示部は、それぞれ、6個のベクトル画像を、対応する表示面に表示し、前記6個のベクトル画像は、それぞれ、6個の前記投影電磁界ベクトルを示す
【0009】
これにより、測定者が、表示装置が表示する電磁界ベクトルを3次元的に示す画像を見ることにより、電磁界が測定された場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルを3次元的に把握することができる。すなわち、電磁界が測定された場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルが3次元的に把握されることを実現することができる。
【0010】
また、好ましくは、算出された前記電磁界の強度は、x軸、y軸およびz軸の各々が互いに直交する3次元座標系のx軸方向の電磁界の強度と、前記3次元座標系のy軸方向の電磁界の強度と、前記3次元座標系のz軸方向の電磁界の強度とを含む。
【0011】
また、好ましくは、前記電磁界ベクトル算出部は、前記x軸方向の電磁界の強度と、前記y軸方向の電磁界の強度と、前記z軸方向の電磁界の強度とを用いて、前記3次元座標系における前記電磁界ベクトルを算出する。
【0013】
また、好ましくは、前記表示面の形状は、平面状である。
また、好ましくは、前記電磁界ベクトル表示装置は、さらに、個の平面を有する多面体を備え、前記個の表示部は、それぞれ、前記個の平面に設けられる。
【0014】
また、好ましくは、前記電磁界センサは、前記電磁界情報を随時取得し、前記電磁界ベクトル算出部は、所定時間経過毎に、前記電磁界センサにより取得された最新の前記電磁界情報を用いて電磁界の強度を算出し、算出された最新の該電磁界の強度を用いて電磁界ベクトルを算出し、前記表示装置は、前記所定時間経過毎に、算出された最新の前記電磁界ベクトルを3次元的に示す画像を表示する。
【0015】
これにより、測定者は、表示装置が表示する画像をみることにより、電磁界が測定された場所において、リアルタイムに変化する電磁界ベクトルを3次元的に把握することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、電磁界が測定された場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルが3次元的に把握されることを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る電磁界ベクトル表示装置の外観図である。
【図2】電磁界ベクトル表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】3次元座標系を示す図である。
【図4】センサ付表示装置の概観を示す斜視図である。
【図5】電磁界センサの概観を示す斜視図である。
【図6】表示装置と電磁界センサとが一体化されたセンサ付表示装置の構成の一例を示す図である。
【図7】一例としての電磁界ベクトルを示す図である。
【図8】各表示部の表示面に表示された、一例としてのベクトル画像を示す図である。
【図9】各表示部の表示面に表示された、一例としてのベクトル画像を示す図である。
【図10】センサ付表示装置の他の構成例を示す図である。
【図11】3軸ループアンテナが設けられたセンサ付表示装置を示す図である。
【図12】センサ付表示装置に棒が設けられた図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。

【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る電磁界ベクトル表示装置1000の外観図である。以下、本明細書において、電磁界とは、電界および磁界の一方と、電界および磁界の両方とを示す。

【0020】
図1を参照して、電磁界ベクトル表示装置1000は、センサ付表示装置100と、演算処理装置200とを含む。センサ付表示装置100と、演算処理装置200とは、後述する複数の銅線およびデータ線により接続される。

【0021】
図2は、電磁界ベクトル表示装置1000の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、センサ付表示装置100は、表示装置110と、電磁界センサ10とを含む。すなわち、表示装置110は、電磁界センサ10と一体化される。

【0022】
表示装置110は、表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2を含む。以下においては、表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2の各々を、単に、表示部30とも表記する。

【0023】
各表示部30は、視野角の広い有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。なお、表示部30は、有機ELディスプレイに限定されることなく、他の方式のディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)であってもよい。なお、表示部30は、視野角の広いディスプレイであることが望ましい。

【0024】
なお、表示部30は、当該表示部30が発生する電磁界ノイズの少ない表示装置、例えば、電子ペーパーであってもよい。

【0025】
ここで、本明細書における3次元座標系について説明する。
図3は、3次元座標系を示す図である。

【0026】
図3に示されるように、3次元座標系では、x軸、y軸およびz軸の各々が互いに直交する。以下においては、x軸に沿った2つの方向の一方を+x方向とし、x軸に沿った2つの方向の他方を-x方向とする。また、以下においては、x軸に沿った2つの方向を、総括的に、x軸方向ともいう。

【0027】
また、以下においては、y軸に沿った2つの方向の一方を+y方向とし、y軸に沿った2つの方向の他方を-y方向とする。また、以下においては、y軸に沿った2つの方向を、総括的に、y軸方向ともいう。

【0028】
また、以下においては、z軸に沿った2つの方向の一方を+z方向とし、z軸に沿った2つの方向の他方を-z方向とする。また、以下においては、z軸に沿った2つの方向を、総括的に、z軸方向ともいう。

【0029】
以下においては、x軸とy軸とを含む平面を、xy平面という。また、以下においては、z軸とx軸とを含む平面を、zx平面という。また、以下においては、y軸とz軸とを含む平面を、yz平面という。また、以下においては、3次元座標系のx軸、y軸およびz軸を、それぞれ、単に、x軸、y軸およびz軸ともいう。

【0030】
また、以下においては、xy平面の表面および裏面を、それぞれ、第1xy平面および第2xy平面ともいう。また、以下においては、zx平面の表面および裏面を、それぞれ、第1zx平面および第2zx平面ともいう。また、以下においては、yz平面の表面および裏面を、それぞれ、第1yz平面および第2yz平面ともいう。

【0031】
第1xy平面、第2xy平面、第1zx平面、第2zx平面、第1yz平面および第2yz平面の各々は、3次元座標系において仮想的に存在する仮想平面である。

【0032】
図4は、センサ付表示装置100の概観を示す斜視図である。
図4を参照して、センサ付表示装置100は、さらに、筺体101を含む。筺体101は、6個の平面を有する6面体(多面体)である。筺体101の6個の平面には、それぞれ、表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2が設けられる。

【0033】
表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2の各々は、画像を表示する表示面を有する。当該表示面の形状は、平面状である。なお、表示面の形状は、平面状に限定されず、例えば、球面状であってもよい。

【0034】
ここで、仮に、表示部30.X1の表示面が、yz平面と平行であるとする。この場合、表示部30.X2の表示面は、yz平面と平行である。すなわち、この場合、表示部30.X1の表示面および表示部30.X2の表示面は、それぞれ、第1yz平面および第2yz平面に対応する。

【0035】
また、この場合、表示部30.Y1の表示面および表示部30.Y2の表示面は、zx平面と平行である。すなわち、この場合、表示部30.Y1の表示面および表示部30.Y2の表示面は、それぞれ、第1zx平面および第2zx平面に対応する。

【0036】
また、この場合、表示部30.Z1の表示面および表示部30.Z2の表示面は、xy平面と平行である。すなわち、この場合、表示部30.Z1の表示面および表示部30.Z2の表示面は、それぞれ、第1xy平面および第2xy平面に対応する。

【0037】
すなわち、6個の表示部30にそれぞれ対応する6個の表示面は、それぞれ、6個の仮想平面に対応する。

【0038】
次に、電磁界センサ10について説明する。ここで、電磁界センサ10は、一例として、磁界(電磁界)を測定可能な磁界センサであるとする。

【0039】
図5は、電磁界センサ10の概観を示す斜視図である。図5に示される電磁界センサ10は、磁界(電磁界)を測定可能な磁界センサである。

【0040】
なお、電磁界センサ10は、電界を測定可能な構成を有するセンサであってもよい。また、電磁界センサ10は、電界および磁界を測定可能な構成を有するセンサであってもよい。

【0041】
図5を参照して、電磁界センサ10は、サーチコイル11X,11Y,11Zからなる。サーチコイル11X,11Y,11Zの各々は、互いに直交するように設けられる。

【0042】
ここで、サーチコイル11Xが、仮に、x軸に平行であるとする。この場合、サーチコイル11Yはy軸に平行であり、サーチコイル11Zはz軸に平行である。

【0043】
以下においては、サーチコイル11X,11Y,11Zの各々を、単に、サーチコイル11ともいう。

【0044】
サーチコイル11の形状は、四角柱である。なお、サーチコイル11の形状は、四角柱に限定されず、例えば、円柱であってもよい。サーチコイル11の短手方向の長さL1は、例えば、約1.5cmであり、サーチコイル11の長手方向の長さL2は、例えば、約10cmである。

【0045】
サーチコイル11の内部には、当該サーチコイル11の長手方向に延在する図示しないコア(磁性体)が設けられる。コアは、角柱状の芯である。例えば、サーチコイル11Yに含まれるコアは、y軸方向に延在する。

【0046】
各サーチコイル11に含まれるコアには、銅線が1万~2万回ほど巻かれている。また、各サーチコイル11のコアに巻かれている銅線における一端部分の線および他端部分の線は、図5のように、サーチコイル11の外部へ引き出される。

【0047】
以下においては、コアに巻かれている銅線における一端部分の線および他端部分の線を、それぞれ、第1銅線および第2銅線ともいう。

【0048】
各サーチコイル11の第1銅線および第2銅線は、図2に示されるように、演算処理装置200に接続される。各サーチコイル11における第1銅線と第2銅線との電位差としての電圧Vx,Vy,Vzは、電磁界の強度を算出するための電磁界情報として、各サーチコイル11により取得される。

【0049】
すなわち、サーチコイル11X,11Y,11Zの各々は、電磁界情報を随時取得するためのコイルである。つまり、サーチコイル11X,11Y,11Zからなる電磁界センサ10は、電磁界情報を随時取得するためのセンサである。電圧Vx,Vy,Vzは、それぞれ、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の電磁界の強度に対応する。

【0050】
例えば、サーチコイル11Yの第1銅線と第2銅線との電位差は電圧Vyである。電圧Vyの値が負の値である場合、当該電圧Vyに対応する電磁界ベクトルは、-y方向に向かうベクトルである。例えば、電圧Vyの値が正の値である場合、当該電圧Vyに対応する電磁界ベクトルは、+y方向に向かうベクトルである。

【0051】
なお、電圧Vx,Vy,Vzの値が小さすぎて測定できない場合は、例えば、図示しない増幅器を利用して電圧を増幅させてもよい。

【0052】
なお、電磁界センサ10の構成は単なる一例である。例えば、サーチコイル11のサイズは、上記サイズに限定されない。また、コアの形状は角柱状に限定されず、他の形状であってもよい。また、銅線の巻き数は1万~2万回に限定されず、感度により変えてもよい。

【0053】
前述したように、表示装置110は、電磁界センサ10と一体化される。
図6は、表示装置110と電磁界センサ10とが一体化されたセンサ付表示装置100の構成の一例を示す図である。図6では、図を簡略化するために、各表示部30は示していない。

【0054】
図6に示されるように、電磁界センサ10は、筺体101の内部に配置される。筺体101の各平面には、表示装置110に含まれる各表示部30(図示せず)が設けられる。すなわち、表示装置110は、電磁界センサ10と一体化される。これにより、センサ付表示装置100を利用して、電磁界ノイズを測定することができる。

【0055】
電磁界センサ10は、サーチコイル11Xが表示部30.X1,30.X2と直交するように、筺体101の内部に配置される。すなわち、この場合、サーチコイル11Yは表示部30.Y1,30.Y2と直交し、サーチコイル11Zは表示部30.Z1,30.Z2と直交する。

【0056】
なお、電磁界センサ10の配置は、上記の配置に限定されない。例えば、電磁界センサ10は、サーチコイル11Zがz軸に対して斜めになるように、筺体101の内部に配置されてもよい。

【0057】
センサ付表示装置100のサイズは、電磁界ノイズの測定者(人間)が、手により容易に持てるサイズである。センサ付表示装置100の縦および横の長さは、一例として、約10cmである。

【0058】
以下においては、電磁界ノイズを発生する、測定対象の電子機器を、測定対象機器ともいう。

【0059】
測定者がセンサ付表示装置100を持って、当該センサ付表示装置100を測定対象機器に近づけることにより、電磁界ベクトル表示装置1000は、測定対象機器が発生する電磁界ノイズの強度、電磁界ノイズのベクトル方向等を測定可能である。

【0060】
本実施の形態では、一例として、電磁界ノイズの中でも特に低周波の電磁界ノイズ(以下、低周波電磁界ノイズという)を測定対象とする。低周波電磁界ノイズの周波数は、100kHz以下(例えば、50Hz~数十kHz)である。すなわち、測定対象機器は、低周波電磁界ノイズを発生する機器である。

【0061】
測定対象機器は、例えば、IHヒータ、インバータ電源、ブラウン管テレビ、電気ストーブ等である。IHヒータ、インバータ電源、ブラウン管テレビは、数十kHzの電磁界ノイズを発生する。電気ストーブは、50/60Hzの電磁界ノイズを発生する。

【0062】
以下においては、測定対象機器が発生する電磁界ノイズの電磁界ベクトルを、測定対象電磁界ベクトルともいう。また、以下においては、測定対象機器が発生する電磁界ノイズを、測定対象電磁界ノイズともいう。

【0063】
なお、本実施の形態に係る電磁界ベクトル表示装置1000は、電磁界センサ10の代わりに高周波電磁界用アンテナを備えてもよい。この場合、電磁界ベクトル表示装置1000は、高周波の電磁界ノイズ(以下、高周波電磁界ノイズという)を測定可能である。高周波電磁界ノイズの周波数は、例えば、800MHz~2.4GHzである。すなわち、この場合、測定対象機器は、携帯電話、無線LAN(Local Area Network)装置等である。

【0064】
次に、演算処理装置200の構成および動作について説明する。
再び、図2を参照して、演算処理装置200は、A/D変換部210と、電磁界ベクトル算出部220と、表示制御部230とを含む。

【0065】
A/D変換部210は、A/D変換(Analog to Digital conversion)を行う機能を有する。

【0066】
A/D変換部210には、サーチコイル11X,11Y,11Zの各々の第1銅線および第2銅線が接続される。以下においては、電圧Vx,Vy,Vzをそれぞれ示す3つの信号を、信号Sx,Sy,Szともいう。

【0067】
A/D変換部210には、電磁界情報としての電圧Vx,Vy,Vzをそれぞれ示す信号Sx,Sy,Szが電磁界センサ10から随時入力される。信号Sx,Sy,Szの各々は、複数種類の周波数成分を含む波形を示す。電磁界情報は、電磁界の強度を得るための情報である。

【0068】
A/D変換部210は、所定時間(例えば、1/2秒)経過毎に、信号Sx,Sy,SzをA/D変換することにより、デジタルデータとしての電圧データDx,Dy,Dzを得る。電圧データDx,Dy,Dzは、それぞれ、信号Sx,Sy,Szに対応する。電圧データDx,Dy,Dzは、複数種類の周波数成分を含む波形データを示す。電圧データDx,Dy,Dzは、電磁界の強度を算出するための電磁界情報である。

【0069】
そして、A/D変換部210は、電磁界情報としての電圧データDx,Dy,Dzを得る毎に、当該電圧データDx,Dy,Dzを、電磁界ベクトル算出部220へ送信する。

【0070】
電磁界ベクトル算出部220は、MPU(Micro Processing Unit)である。なお、電磁界ベクトル算出部220は、MPUに限定されることなく、他の演算回路であってもよい。

【0071】
電磁界ベクトル算出部220は、電圧データDx,Dy,Dzを受信する毎に、後述の電磁界強度算出処理と、電磁界ベクトルを算出するための電磁界ベクトル算出処理と、後述のベクトル画像生成処理とを行う。すなわち、電磁界ベクトル算出部220は、所定時間経過毎に、電磁界強度算出処理、電磁界ベクトル算出処理および後述のベクトル画像生成処理を行う。

【0072】
電磁界強度算出処理では、電磁界ベクトル算出部220は、受信した、電磁界情報としての電圧データDx,Dy,Dz(波形データ)を用いて、周波数解析処理を行うことにより、電磁界の強度を算出する。周波数解析処理は、周知な処理であるので詳細な説明は行わない。簡単に説明すると、周波数解析処理は、波形データ(電圧データDx,Dy,Dz)をスペクトルデータに変換し、各周波数に対応するスペクトルデータが示すスペクトルの強度を、電磁界の強度として算出する処理である。

【0073】
すなわち、電磁界ベクトル算出部220は、所定時間経過毎に、電磁界センサ10により取得された最新の電磁界情報を用いて電磁界の強度を算出する。

【0074】
以下においては、周波数解析処理により算出された電磁界の強度を、算出電磁界強度ともいう。算出電磁界強度は、複数種類の周波数の電磁界強度を含む。

【0075】
以下においては、x軸方向の算出電磁界強度を、電磁界強度xともいう。また、以下においては、y軸方向の算出電磁界強度を、電磁界強度yともいう。また、以下においては、z軸方向の算出電磁界強度を、電磁界強度zともいう。

【0076】
すなわち、電磁界強度算出処理により算出された電磁界の強度は、3次元座標系のx軸方向の電磁界の強度と、3次元座標系のy軸方向の電磁界の強度と、3次元座標系のz軸方向の電磁界の強度とを含む。

【0077】
電磁界ベクトル算出処理では、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界強度を用いて、電磁界ベクトルを算出する。

【0078】
すなわち、電磁界ベクトル算出部220は、算出された電磁界の強度を用いて電磁界ベクトルを算出する。つまり、電磁界ベクトル算出部220は、所定時間経過毎に、算出された最新の電磁界の強度を用いて電磁界ベクトルを算出する。

【0079】
具体的には、電磁界ベクトル算出処理では、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界強度に含まれる複数種類の周波数の電磁界強度のうち、処理対象周波数に対応する電磁界強度を選択する。ここで、処理対象周波数とは、例えば、演算処理装置200に設けられた図示しない指示部から電磁界ベクトル算出部220に対し指示される周波数である。当該指示部は、例えば、測定者が操作可能なボタン、ダイヤル等である。

【0080】
なお、処理対象周波数は、指示された周波数に限定されず、電磁界の強度が最大となるような周波数であってもよい。

【0081】
本実施の形態において、処理対象周波数は、前述した低周波電磁界ノイズの周波数であるとする。なお、高周波電磁界ノイズを測定する場合、処理対象周波数は、例えば、800MHz~2.4GHzである。

【0082】
そして、電磁界ベクトル算出部220は、選択した処理対象周波数に対応する電磁界強度x,y,zを、それぞれ、電磁界ベクトルのx軸方向の大きさ、y軸方向の大きさおよびz軸方向の大きさとすることにより、3次元座標系における電磁界ベクトルを算出する。

【0083】
すなわち、電磁界ベクトル算出部220は、x軸方向の電磁界の強度と、y軸方向の電磁界の強度と、z軸方向の電磁界の強度とを用いて、3次元座標系における電磁界ベクトルを算出する。

【0084】
以下においては、電磁界ベクトル算出部220により算出された電磁界ベクトルを、算出電磁界ベクトルともいう。

【0085】
そして、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界ベクトルを第1yz平面に投影させた当該算出電磁界ベクトルを、第1yz投影電磁界ベクトルとして算出する。また、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界ベクトルを第2yz平面に投影させた当該算出電磁界ベクトルを、第2yz投影電磁界ベクトルとして算出する。第2yz投影電磁界ベクトルは、第1yz投影電磁界ベクトルをy軸方向に反転させたベクトルである。

【0086】
また、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界ベクトルを第1zx平面に投影させた当該算出電磁界ベクトルを、第1zx投影電磁界ベクトルとして算出する。また、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界ベクトルを第2zx平面に投影させた当該算出電磁界ベクトルを、第2zx投影電磁界ベクトルとして算出する。第2zx投影電磁界ベクトルは、第1zx投影電磁界ベクトルを、x軸方向に反転させたベクトルである。

【0087】
また、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界ベクトルを第1xy平面に投影させた当該算出電磁界ベクトルを、第1xy投影電磁界ベクトルとして算出する。また、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界ベクトルを第2xy平面に投影させた当該算出電磁界ベクトルを、第2xy投影電磁界ベクトルとして算出する。第2xy投影電磁界ベクトルは、第1xy投影電磁界ベクトルを、y軸方向またはx軸方向に反転させたベクトルである。

【0088】
すなわち、電磁界ベクトル算出部220は、算出電磁界ベクトルを、複数の仮想平面の各々に投影させることにより、該複数の仮想平面にそれぞれ投影された複数の算出電磁界ベクトルの各々を投影電磁界ベクトルとして算出する。

【0089】
これにより、電磁界ベクトル算出処理は終了する。その後、電磁界ベクトル算出部220は、後述のベクトル画像生成処理を行う。

【0090】
ここで、一例として、仮に、A/D変換部210に入力された信号Sx,Sy,Szがそれぞれ示す電圧Vx,Vy,Vzの各々の値の絶対値は、同じ値であるとする。また、電圧Vxは負の値であり、電圧Vy,Vzの各々は、正の値であるとする。

【0091】
この場合、前述のA/D変換の処理および電磁界強度算出処理が行われた後、電磁界ベクトル算出処理において、電磁界ベクトル算出部220が選択する、処理対象周波数に対応する電磁界強度x,y,zの絶対値は、同じ値となる。すなわち、電磁界強度x,y,zの各々の大きさは等しい。また、この場合、電磁界強度xは、負の値であり、電磁界強度y,zの各々は、正の値である。

【0092】
この場合、電磁界ベクトル算出処理により、以下の電磁界ベクトルV10が算出される。

【0093】
図7は、一例としての電磁界ベクトルV10を示す図である。
図7(a)は、3次元座標系における電磁界ベクトルV10を示す図である。

【0094】
図7(b)は、yz平面(第1yz平面)に投影された電磁界ベクトルV10を示す図である。図7(b)の電磁界ベクトルV10は、第1yz投影電磁界ベクトルである。図7(b)により、電磁界強度y,zの各々は、正の値であることが示される。

【0095】
図7(c)は、zx平面(第1zx平面)に投影された電磁界ベクトルV10を示す図である。図7(c)の電磁界ベクトルV10は、第1zx投影電磁界ベクトルである。図7(c)により、電磁界強度xの値は負の値であり、電磁界強度zの値は正の値であることが示される。

【0096】
図7(d)は、xy平面(第1xy平面)に投影された電磁界ベクトルV10を示す図である。図7(d)の電磁界ベクトルV10は、第1xy投影電磁界ベクトルである。図7(d)により、電磁界強度xの値は負の値であり、電磁界強度yの値は正の値であることが示される。

【0097】
再び、図2を参照して、前述の電磁界ベクトル算出処理の後、ベクトル画像生成処理が行われる。

【0098】
ベクトル画像生成処理では、電磁界ベクトル算出部220が、ベクトル画像のデータ(以下、ベクトルデータともいう)を生成する。具体的には、電磁界ベクトル算出部220は、第1yzおよび第2yz投影電磁界ベクトルと、第1zxおよび第2zx投影電磁界ベクトルと、第1xyおよび第2xy投影電磁界ベクトルとを用いて、ベクトルデータVX1,VX2,VY1,VY2,VZ1,VZ2を生成する。

【0099】
以下においては、第1yz投影電磁界ベクトル、第2yz投影電磁界ベクトル、第1zx投影電磁界ベクトル、第2zx投影電磁界ベクトル、第1xy投影電磁界ベクトルおよび第2xy投影電磁界ベクトルをそれぞれ示す6個のベクトル画像を、ベクトル画像GX1,GX2,GY1,GY2,GZ1,GZ2という。

【0100】
ベクトル画像は、一例として、矢印を示す画像である。ベクトル画像は、対応する電磁界ベクトルの大きさ(電磁界強度)が大きい程、矢印の長さが長くなるように生成される画像である。なお、ベクトル画像は、矢印に限定されず、他の図形(例えば、三角形)を表示する画像であってもよい。

【0101】
ベクトルデータVX1は、第1yz投影電磁界ベクトルを示すベクトル画像GX1を示すデータである。ベクトルデータVX2は、第2yz投影電磁界ベクトルを示すベクトル画像GX2を示すデータである。

【0102】
ベクトルデータVY1は、第1zx投影電磁界ベクトルを示すベクトル画像GY1を示すデータである。ベクトルデータVY2は、第2zx投影電磁界ベクトルを示すベクトル画像GY2を示すデータである。

【0103】
ベクトルデータVZ1は、第1xy投影電磁界ベクトルを示すベクトル画像GZ1を示すデータである。ベクトルデータVZ2は、第2xy投影電磁界ベクトルを示すベクトル画像GZ2を示すデータである。

【0104】
ベクトルデータVX1,VX2,VY1,VY2,VZ1,VZ2は、それぞれ、表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2に対応する。各表示部30は、対応するベクトルデータが示すベクトル画像を、対応する表示面に表示する。例えば、表示部30.X1は、ベクトルデータVX1が示すベクトル画像GX1を、当該表示部30.X1の表示面に表示する。

【0105】
すなわち、6個の表示部30は、それぞれ、6個のベクトル画像を、対応する表示面に表示する。

【0106】
図8は、各表示部30の表示面に表示された、一例としてのベクトル画像を示す図である。図8に示されるベクトル画像GX1,GY1,GZ1の各々は、一例として、図7(a)~(d)に示される電磁界ベクトルV10を示すベクトル画像である。

【0107】
図8を参照して、ベクトル画像GX1,GY1,GZ1は、それぞれ、表示部30.X1,30.Y1,30.Z1の表示面に表示される。

【0108】
ベクトル画像GX1は、第1yz投影電磁界ベクトル(例えば、図7(b)の電磁界ベクトルV10)を示す画像である。ベクトル画像GY1は、第1zx投影電磁界ベクトル(例えば、図7(c)の電磁界ベクトルV10)を示す画像である。ベクトル画像GZ1は、第1xy投影電磁界ベクトル(例えば、図7(d)の電磁界ベクトルV10)を示す画像である。

【0109】
図9は、各表示部30の表示面に表示された、一例としてのベクトル画像を示す図である。図9に示されるベクトル画像GX1,GX2,GY1,GY2,GZ1,GZ2の各々は、一例として、図7(a)~(d)に示される電磁界ベクトルV10を示すベクトル画像である。ベクトル画像GX1,GY1,GZ1は、図8で説明したベクトル画像であるので説明は行わない。

【0110】
図9を参照して、ベクトル画像GX2,GY2,GZ2は、それぞれ、表示部30.X2,30.Y2,30.Z2の表示面に表示される。

【0111】
ベクトル画像GX2は、第2yz投影電磁界ベクトルを示す画像である。すなわち、ベクトル画像GX2は、ベクトル画像GX1をy軸方向に反転させた画像である。

【0112】
ベクトル画像GY2は、第2zx投影電磁界ベクトルを示す画像である。すなわち、ベクトル画像GY2は、ベクトル画像GY1をx軸方向に反転させた画像である。

【0113】
ベクトル画像GZ2は、第2xy投影電磁界ベクトルを示す画像である。すなわち、ベクトル画像GZ2は、ベクトル画像GZ1をy軸方向またはx軸方向に反転させた画像である。

【0114】
再び、図2を参照して、ベクトル画像生成処理では、電磁界ベクトル算出部220が、生成したベクトルデータVX1,VX2,VY1,VY2,VZ1,VZ2を、表示制御部230へ送信する。そして、ベクトル画像生成処理は終了する。

【0115】
表示制御部230は、データ線により、表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2の各々と接続される。

【0116】
表示制御部230は、ベクトルデータを受信する毎に、ベクトル表示処理を行う。すなわち、表示制御部230は、所定時間経過毎に、ベクトル表示処理を行う。

【0117】
ベクトル表示処理では、表示制御部230は、ベクトルデータVX1,VX2,VY1,VY2,VZ1,VZ2を、それぞれ、表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2へ送信する。

【0118】
表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2の各々は、受信したベクトルデータが示すベクトル画像を、対応する表示面に表示する。これにより、例えば、図9に示すように、表示部30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2の各々の表示面において、ベクトル画像が表示される。

【0119】
すなわち、表示装置110(センサ付表示装置100)は、6個の表示部30を利用して、算出電磁界ベクトルを、3次元座標系(3次元空間)における6個の仮想平面に投影することにより得られる6個のベクトル画像を表示する。すなわち、表示装置110は、6個の表示部30を利用して、電磁界ベクトル算出部220により算出された電磁界ベクトルを3次元的に示す画像を表示する。

【0120】
なお、ベクトル表示処理は、所定時間経過毎に行われる。したがって、表示装置110は、所定時間経過毎に、算出された最新の前記電磁界ベクトルを3次元的に示す画像を表示する。

【0121】
以上説明したように、本実施の形態に係る電磁界ベクトル表示装置1000は、センサ付表示装置100により電磁界が測定されたその場所で、電磁界ベクトルを目に見えるように3次元的に可視化する。

【0122】
これにより、センサ付表示装置100を持つ測定者は、3次元空間における、当該測定対象電磁界ベクトルの向きおよび大きさを、測定者が立っているその場所で、3次元的に把握することができる。すなわち、測定者は、測定対象電磁界ノイズが測定された場所で、当該場所における該測定対象電磁界ベクトルの向きおよび大きさを、方位磁石のように即座に把握することができ、かつ、3次元的に把握することができる。

【0123】
したがって、電磁界が測定された場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルが3次元的に把握されることを実現することができる。その結果、電磁界ノイズの発生源を迅速に特定することができ、当該電磁界ノイズの対策を迅速に行うことができる。そのため、EMC(電磁環境)計測分野に極めて大きなインパクトを与えることができる。

【0124】
すなわち、センサ付表示装置100は、電磁界ベクトルが測定された場所で、当該電磁界ベクトルを可視化することが可能な電磁界ベクトルその場可視化センサ(電磁界コンパス)である。

【0125】
また、前述のベクトル表示処理は、所定時間経過毎に行われるため、電磁界が測定された場所において、リアルタイムに変化する電磁界ベクトルを3次元的に把握することができる。

【0126】
本実施の形態に係る電磁界ベクトル表示装置1000を用いれば、例えば、電子機器、通信機器、自動車メーカ等の開発設計現場において電磁界ノイズを手軽に計測することができる。これにより、開発設計段階の機器において、電磁界ノイズの発生源を迅速に特定することができ、当該電磁界ノイズの対策を迅速に行うことができる。

【0127】
また、電磁界ベクトル表示装置1000を用いれば、オフィス、工場、車内等に設置され実際に稼動している機器の電磁界ノイズを容易に測定することができる。

【0128】
また、電磁界ベクトル表示装置1000により、電磁界を測定した場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルを可視化することにより、電磁気学や電波工学の教育及び啓蒙におおいに役立つことができる。

【0129】
(変形例)
本実施の形態では、センサ付表示装置100と演算処理装置200とは、複数の銅線およびデータ線により接続されるとしたが、これに限定されない。例えば、センサ付表示装置100および演算処理装置200の各々が無線通信装置を備え、センサ付表示装置100と演算処理装置200とは、複数の銅線およびデータ線により接続されていなくてもよい。

【0130】
この場合、センサ付表示装置100は、電磁界センサ10が取得した電磁界の強度の情報(電圧)を、無線通信により、演算処理装置200へ送信する。また、演算処理装置200は、無線通信により、ベクトルデータを、センサ付表示装置100へ送信する。

【0131】
また、図10に示されるように、電磁界ベクトル表示装置1000は、センサ付表示装置100(筺体101)の内部に、演算処理装置200が設けられる構成としてもよい。

【0132】
これにより、測定者は、銅線等により行動範囲が制限されることなく、電磁界ベクトルを測定する際の利便性が向上する。この場合、電磁界ベクトル表示装置1000は、電磁界ベクトルが測定された場所で、当該電磁界ベクトルを可視化することが可能な電磁界ベクトルその場可視化センサ(電磁界コンパス)である。

【0133】
また、演算処理装置200は、図2に示す構成に限定されない。例えば、演算処理装置200は、A/D変換部210を含まない構成であってもよい。この場合、電磁界ベクトル算出部220には、磁界情報としての電圧Vx,Vy,Vzをそれぞれ示す信号Sx,Sy,Szが随時入力される構成としてもよい。この場合、電磁界ベクトル算出部220は、所定時間経過毎に、前述のA/D変換の処理、電磁界強度算出処理、電磁界ベクトル算出処理およびベクトル画像生成処理を行う。すなわち、電磁界ベクトル算出部220は、所定時間経過毎に、電磁界センサ10により取得された最新の電磁界情報を用いて電磁界の強度を算出する。

【0134】
また、センサ付表示装置100は、図6に示すような構成に限定されない。例えば、図11に示すように、センサ付表示装置100の外部に、3軸ループアンテナを設ける構成としてもよい。この場合、センサ付表示装置100の内部に電磁界センサ10を設ける必要はない。

【0135】
センサ付表示装置100(筺体101)の形状は、6面体としたが、これに限定されない。センサ付表示装置100(筺体101)の形状は、例えば、8面体であってもよい。この場合、8面体における8つの平面の各々に、表示部30を設ける構成としてもよい。

【0136】
また、センサ付表示装置100(筺体101)の形状は、球状であってもよい。この場合、球の表面全てを複数のLED(Light Emitting Diode)により覆うようにしてもよい。そして、当該複数のLEDにより、電磁界ベクトルを表示する構成としてもよい。

【0137】
また、表示部30は、3Dディスプレイであってもよい。これにより、左右方向に対しては、電磁界ベクトルを立体表示することができる。

【0138】
また、本実施の形態のセンサ付表示装置100に対し、人の視点、センサの傾き等によって、画像の見える角度を変える技術を適用してもよい。これにより、臨場感のある電磁界ベクトル表示を実現できる。

【0139】
また、図12のように、センサ付表示装置100に対し棒50を設けてもよい。これにより、測定者は、手の届かない場所等の電磁界ベクトルを容易に測定できる。

【0140】
また、電磁界センサ10の代わりに、高周波(数GHz)の電波を測定可能な構成を有する電磁界センサを用いてもよい。これにより、電波を測定した場所で、当該電波の向きを可視化することが可能である。

【0141】
また、図2の演算処理装置200の内部に、外部のPC(Personal computer)等と通信するための通信インタフェースを設けるようにしてもよい。この場合、電磁界ベクトル算出部220が算出したベクトルデータを、通信インタフェースを介して、PCへ送信する構成とする。

【0142】
これにより、PCにおいて、電磁界ベクトルを3次元的に表示することができる。また、さらに、PCにおいて電磁界ベクトルの空間分布を記録することも容易となる。

【0143】
また、ベクトル画像に対し、電磁界の強度の大きさに応じた色をつけるようにしてもよい。これにより、ベクトル画像に対応する電磁界の強度を容易に把握することができる。

【0144】
また、ベクトル画像に対し、処理対象周波数に応じた色をつけるようにしてもよい。これにより、ベクトル画像に対応する電磁界の周波数を容易に把握することができる。

【0145】
また、ベクトル画像は、例えば、図8のベクトル画像GX1のように、矢印を示す画像に限定されない。当該ベクトル画像は、例えば、矢印を立体的に示す画像であってもよい。

【0146】
また、前述した説明では、電磁界ノイズを可視化する場合を例示して説明したが、本発明が可視化する対象はノイズに限定されるものではない。すなわち、本発明は、携帯電話や無線LANから発生する電磁波など、ノイズとはいえない通信目的の電磁波を可視化することも可能である。

【0147】
以上、本発明における電磁界ベクトル表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、あるいは異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。

【0148】
また、上記の演算処理装置200を構成する複数の構成要素の全てまたは一部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されてもよい。システムLSIは、複数の構成要素を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。

【0149】
例えば、図2の演算処理装置200は、1個のシステムLSIから構成されてもよい。

【0150】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、電磁界が測定された場所で、当該電磁界に対応する電磁界ベクトルが3次元的に把握されることを実現する電磁界ベクトル表示装置として、利用することができる。
【符号の説明】
【0152】
10 電磁界センサ
11X,11Y,11Z サーチコイル
30.X1,30.X2,30.Y1,30.Y2,30.Z1,30.Z2 表示部
100 センサ付表示装置
101 筺体
110 表示装置
200 演算処理装置
210 A/D変換部
220 電磁界ベクトル算出部
230 表示制御部
1000 電磁界ベクトル表示装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11