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明細書 :生体外創傷治癒試験用用具または創傷作製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5429865号 (P5429865)
公開番号 特開2011-062087 (P2011-062087A)
登録日 平成25年12月13日(2013.12.13)
発行日 平成26年2月26日(2014.2.26)
公開日 平成23年3月31日(2011.3.31)
発明の名称または考案の名称 生体外創傷治癒試験用用具または創傷作製方法
国際特許分類 C12M   1/34        (2006.01)
C12N   5/071       (2010.01)
FI C12M 1/34 Z
C12N 5/00 202A
請求項の数または発明の数 6
全頁数 11
出願番号 特願2009-212903 (P2009-212903)
出願日 平成21年9月15日(2009.9.15)
審査請求日 平成24年9月6日(2012.9.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】山口 洋子
【氏名】大島 光宏
個別代理人の代理人 【識別番号】110000774、【氏名又は名称】特許業務法人 もえぎ特許事務所
審査官 【審査官】野村 英雄
参考文献・文献 特表2001-504446(JP,A)
特表2008-514618(JP,A)
特表2003-512433(JP,A)
実用新案登録第2531969(JP,Y2)
YAMAMURA, S. et al.,"Role of protein kinase C in attachment, spreading, and migration of human endothelial cells.",JOURNAL OF SURGICAL RESEARCH,1996年 6月,Vol.63, No.1,P.349-354
調査した分野 C12M 1/00-3/10
C12N 5/00
PubMed
CiNii
特許請求の範囲 【請求項1】
細胞に均一な創傷部分(8)を作製するための定規部分(6)および前記定規部分を支持するための創傷作製支持部分(7)を有する創傷作製用ガイド(5)とともに用いられる生体外創傷治癒試験用用具であって、
先端部分に1.0~7.0mmの幅を有するブレード(2)が、ブレード支持体(3)によって、棒状の柄(4)に保持されている創傷作製用用具(1)を含み、かつ、
ブレード(2)が、デュロメータータイプA(ショアA型)において65-80の硬度を示すゴム状弾性体材料からなり、
棒状の柄(4)が、四角柱である、
前記生体外創傷治癒試験用用具
【請求項2】
棒状の柄(4)が、凹み部分を有する請求項1に記載の生体外創傷治癒試験用用具。
【請求項3】
ブレード(2)の幅が1.5~2.5mmであり、24穴プレート用である、請求項1または2に記載の生体外創傷治癒試験用用具。
【請求項4】
ブレード(2)の幅が3.0~7.0mmの幅であり、12穴プレート用である、請求項1または2に記載の生体外創傷治癒試験用用具。
【請求項5】
さらに、細胞に均一な創傷部分(8)を作製するための定規部分(6)および前記定規部分を支持するための創傷作製支持部分(7)を有する創傷作製用ガイド(5)、を含む請求項1~4のいずれかに記載の生体外創傷治癒試験用用具。
【請求項6】
次の1)~4)の工程を含む創傷作製方法、
1)細胞を増殖させた細胞の培養容器に、細胞に均一な創傷部分(8)を作製するための定規部分(6)および前記定規部分を支持するための創傷作製支持部分(7)を有する創傷作製用ガイド(5)を載せる工程
2)請求項1~5のいずれかに記載の創傷作製用用具(1)を、細胞を増殖させた細胞培養容器に入れる工程
3)創傷作製用ガイド(5)の定規部分(6)に創傷作製用用具(1)の柄(4)を沿わせる工程
4)創傷作製用用具(1)のブレード(2)を増殖させた細胞の表面に接し、創傷作製用用具(1)を創傷作製用ガイド(5)の定規部分(6)に沿って上から下に移動させることで細胞を掻き取り、創傷部分(8)を作製する工程
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、生体外創傷治癒試験用用具に関する。更に詳しくは、シャーレやフラスコなどで培養した細胞や組織を用いて創傷治癒試験を行うにあたり、細胞や組織に創傷を与えるために使用する生体外創傷治癒試験用用具に関する。また本発明は、本発明の生体外創傷治癒試験用用具を用いた創傷作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体外創傷治癒試験(in vitro wound healing assay)は、創傷治癒に有用な物質のスクリーニング等を目的として行われている。
この試験にあたり、従来は、シャーレやフラスコなどで培養した細胞や組織をピペットのチップ先端等で引っ掻いて傷(scratch wound)をつけ、創傷部分を作製するのが主であった(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、この方法では、均一な創傷部分を作成することができず、生体外創傷治癒試験においても均一な結果が得られない等の問題があった。
【0003】
そこで、均一な創傷治癒試験を可能にすることを目的として、創傷治癒アッセイプレート(CytoSelectTM 24-Well創傷治癒アッセイ;CELL BIOLABS,INC社)が販売されている。このプレートは、プレートの一定範囲をインサートで事前に塞いでおき、それ以外の領域に細胞を加え単一層になるまで培養した後、インサートを取り出すことで生じる細胞が存在しない一定範囲の幅を創傷部分としたものである。
しかし、このプレートは高価である上に、実際に細胞や組織に創傷を与えたものではないため、厳密な創傷治癒試験ができるとは言い難い。
【0004】
また、細胞培養および組織培養の分野において、シャーレやフラスコなどで培養した細胞や組織を掻き取る道具として、セルスクレーパーが開発されているが(例えば、特許文献3、4参照)、これらの道具は、細胞をまとめて掻き取るものであり、細胞や組織に創傷を与えることを目的としていない。従って、セルスクレーパーを用いたところで均一な創傷を作成するのは容易ではなく、そのまま流用することができなかった。そこで、均一な創傷を作成できる生体外創傷治癒試験用用具の提供が望まれていた。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特表2009-502913号公報
【特許文献2】特表2002-541214号公報
【特許文献3】実用新案登録公報第2531969号
【特許文献4】実用新案出願公告平1-36106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、生体外創傷治癒試験用用具の提供を課題とする。更に詳しくは、シャーレやフラスコなどで培養した細胞や組織を用いて創傷治癒試験を行うにあたり、細胞や組織に創傷を与えるために使用する生体外創傷治癒試験用用具の提供を課題とする。また、本発明の生体外創傷治癒試験用用具を用いた創傷作製方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、創傷作製用用具または創傷作製用用具と創傷作製用ガイドからなる生体外創傷治癒試験用用具を作製し、この生体外創傷治癒試験用用具を用いることで均一な創傷部分が作製できる創傷作製方法を得て、本発明を完成するに至った。
本発明の創傷作製用用具は、先端部分に1.0~7.0mmの幅を有するブレードが、ブレード支持体によって、棒状の柄に保持されたものである。この創傷作製用用具のブレードの先端部分を細胞に接し、細胞を掻き取ることで、ブレードの先端部分の幅に合わせて均一な創傷部分を作製することができる。さらに本発明の創傷作製用ガイドによって、この創傷作製をサポートすることにより、創傷作製を安定して行うことができる。
この創傷作製用ガイドは、シャーレや多穴プレート上に培養された細胞に均一な創傷部分を作製するための定規部分または、定規部分と定規部分を支持するためのシャーレや多穴プレートの側面に沿った創傷作製支持部分を有することを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明は次の1~5の生体外創傷治癒試験用用具等に関する。
1.先端部分に1.0~7.0mmの幅を有するブレード(2)が、ブレード支持体(3)によって、棒状の柄(4)に保持されている創傷作製用用具(1)を含む生体外創傷治癒試験用用具。
2.ブレード(2)が、デュロメータータイプA(ショアA型)において65-80の硬度を示すゴム状弾性体材料からなるブレード(2)である上記1に記載の生体外創傷治癒試験用用具。
3.さらに、細胞に均一な創傷部分(8)を作製するための定規部分(6)または定規部分(6)および定規部分(6)を支持するための創傷作製支持部分(7)を有する創傷作製用ガイド(5)を含む上記1に記載の生体外創傷治癒試験用用具。
4.次の1)~4)の工程を含む創傷作製方法、
1)細胞を増殖させた細胞の培養容器に、上記3に記載の創傷作製用ガイド(5)を載せる、
2)上記1または2に記載の創傷作製用用具(1)を、細胞を増殖させた細胞培養容器に入れる、
3)創傷作製用ガイド(5)の定規部分(6)に創傷作製用用具(1)の柄(4)を沿わせる、
4)創傷作製用用具(1)のブレード(2)を増殖させた細胞の表面に接し、創傷作製用用具(1)を創傷作製用ガイド(5)の定規部分(6)に沿って上から下に移動させることで細胞を掻き取り、創傷部分(8)を作製する。
5.上記4に記載の創傷作製方法によって、増殖させた細胞の表面に創傷部分(8)が作製された生体外創傷治癒試験用培養容器。
【発明の効果】
【0009】
本発明の生体外創傷治癒試験用用具を用いることにより、均一な創傷部分を有する細胞または組織を作製することができる。そして、この均一な創傷部分を有する細胞または組織を用いることで、創傷治癒に有用な物質のスクリーニング等を定量的に行うことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の生体外創傷治癒試験用用具のうち創傷作製用用具(1)のブレード(2)の一例を示した図である。
【図2】接着剤をブレード支持体(3)とした創傷作製用用具(1)の一例を示す図である。
【図3】ブレード(2)を挟み込む形状のプラスチックをブレード支持体(3)とした創傷作製用用具(1)の一例を示す図である。
【図4】本発明の生体外創傷治癒試験用用具のうちの創傷作製用ガイド(5)の全体図で、(a)は斜視図、(b)は側面図を示した図である。(c)は、創傷作製用ガイド(5)を細胞の培養容器に載せた場合の斜視図である。
【図5】本発明の生体外創傷治癒試験用用具を用いた創傷作製方法を示す図である。
【図6】本発明の生体外創傷治癒試験用用具を用いて作成された細胞の創傷部分(8)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の「生体外創傷治癒試験用用具」とは、生体外で培養している組織や細胞などに創傷を作製し、創傷治癒に有用な物質のスクリーニング等の生体外創傷治癒試験を行うための用具のことをいう。
本発明の「生体外創傷治癒試験用用具」は、生体外で培養している組織や細胞などに創傷を作製するための「創傷作製用用具」からなるものや、「創傷作製用用具」および「創傷作製用ガイド」からなるものが挙げられる。

【0012】
ここで、「創傷作製用用具」とは、生体外で培養している組織や細胞などに創傷を作製するためのブレードを有する用具のことを言う。本発明の「創傷作製用用具」は組織や細胞などに均一な創傷を作製できる用具であればいずれの用具であってもよいが、先端部分に1.0~7.0mmの幅を有するブレードが、ブレード支持体によって棒状の柄に保持されている創傷作製用用具であることが好ましい。
本発明の「創傷作製用用具」に用いられるブレードは、ブレードの先端部分を細胞に接し、細胞を掻き取ることで、ブレードの先端部分の幅に合わせて均一な創傷部分を作製することができるものであれば、どのような形状のものであっても良い。
ブレードの先端部分の1.0~7.0mmの幅は、創傷を作製する細胞に応じて調整することができ、例えば、細胞が24穴プレートで培養された細胞である場合には1.5~2.5mmの幅であることが好ましく、12穴プレートやシャーレで細胞を培養している場合には、3.0 mm以上の幅であることが好ましい。
また、この幅は線による幅であっても、正方形、長方形等の面による幅であってもよく、直径が1.0~7.0mmとなる円による幅であってもよい。また、この幅に対する側面の形状も、いずれの形状であってもよく、三角形、四角形、五角形等の多角形であってもよく、ブレード全体が円柱となるような側面を有していてもよい。
また、本発明の「創傷作製用用具」におけるブレードの素材は、ゴム状弾性体材料であることが好ましく、例えば、シリコーンゴム、バイトンゴムなどがあげられる。ブレードはデュロメータータイプA(ショアA型)において、65-80の硬度を示すゴム状弾性体材料であることが好ましく、特に75-80程度の硬度を有するフィラー多めのゴム状弾性体材料であると、創傷作製時に力をかけやすく、また力をかけてもゴムの歪みが少ないため、創傷部分が均一になりやすく好ましい。さらに本発明の「創傷作製用用具」におけるブレードは、滅菌して再利用できるもの等であってもよい。

【0013】
本発明の「創傷作製用用具」におけるブレード支持体は、棒状の柄にブレードを保持できるものであれば、ブレードを棒状の柄に接着させるための接着剤をブレード支持体としてもよく、ブレードを挟み込む形状のプラスチック等をブレード支持体としてもよい。
接着剤をブレード支持体として使用する場合には、創傷を作製する細胞に対して毒性を有さず、棒状の柄にブレードを保持できる接着剤であればいずれのものも用いることができる。
また、ブレードを挟み込む形状のプラスチック等をブレード支持体として使用する場合には、ブレードの形状に合わせて、二枚の板の間にブレードを挟み込める形状をしているものや、円形または四角く囲われた板の中等にブレードが挟み込める形状をしているものであってもよい。さらに、このブレード支持体は、棒状の柄と一体となっており、棒状の柄の先端がブレード支持体となっているものであってもよい。

【0014】
本発明の「創傷作製用用具」における棒状の柄は、創傷を作製するにあたり、操作しやすい形状のものであればいずれの形状であっても良い。ブレードの形状に合わせて、円柱や、四角柱等の形状であってもよく、手になじみやすいように、持ち手の部分が凹んでいる形状のものであってもよい。
棒状の柄は強度があり、たわみにくい材質であれば特に指定はなく、例えば、ABS樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、TPX樹脂、ベークライト、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチックの成形品や、木材等があげられる。

【0015】
また、本発明の「創傷作製用ガイド」とは、「創傷作製用用具」を用いて組織や細胞などに創傷を作製する際に、組織や細胞に対して創傷を与える部分がぶれるのを防ぎ、均一な創傷の作製をサポートするためのものを言う。本発明の「創傷作製用ガイド」とは、「創傷作製用用具」による均一な創傷の作製をサポートできる用具であればいずれの用具であってもよいが、例えば、細胞に均一な創傷部分を作製するための定規部分または定規部分および定規部分を支持するための創傷作製支持部分を有し、プラスチックからなる創傷作製用ガイド等が挙げられる。

【0016】
本発明の「創傷作製方法」とは、生体外で培養している組織や細胞などに、本発明の「生体外創傷治癒試験用用具」を用いて創傷を作製するための方法のことをいう。組織や細胞に均一な創傷を作製できる方法であればいずれの方法であってもよいが、例えば、次の1)~4)の工程を含む創傷作製方法等が挙げられる。
1)細胞を増殖させた細胞の培養容器に、本発明の創傷作製用ガイドを載せる、
2)本発明の創傷作製用用具を、細胞を増殖させた細胞培養容器に入れる、
3)創傷作製用ガイドの定規部分に創傷作製用用具の柄を沿わせる、
4)創傷作製用用具のブレードの先端部分を増殖させた細胞の表面に接し、創傷作製用用具を創傷作製用ガイドの定規部分に沿って上から下に移動させることで細胞を掻き取ることで、創傷部分を作製する。

【0017】
ここで、使用する細胞の培養容器としては、「生体外創傷治癒試験」に有用な培養容器であればいずれの培養容器も用いることができる。例えば、シャーレ、6穴プレート(3穴×2列)、12穴プレート(4穴×3列)、24穴プレート(6穴×4列)、48穴プレート(8穴×6列)等が挙げられ、これらは市販されているものであってもよい。

【0018】
本発明の「生体外創傷治癒試験用用具」および「創傷作製方法」により、創傷を作製する細胞としては、「生体外創傷治癒試験」の対象となる細胞であればいずれの細胞であってもよいが、例えば、上皮細胞、がん細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞、筋芽細胞等の付着細胞が挙げられる。

【0019】
本発明において、創傷作製用用具のブレード、創傷作製用用具、創傷作製用ガイドまたは生体外創傷治癒試験用培養容器のいずれか1以上を含むものを、生体外創傷治癒試験用用具キットとして提供することもできる。
【実施例1】
【0020】
以下、図面により本発明による生体外創傷治癒試験用用具および該用具を使用した創傷作製方法の一例を詳細に説明する。本発明の生体外創傷治癒試験用用具および該用具を使用した創傷作製方法はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の一実施例となる生体外創傷治癒試験用用具のうちの創傷作製用用具(1)のブレード(2)を示した図である。図2は接着剤をブレード支持体(3)とした場合の創傷作製用用具(1)の全体図を示し、図3はブレード(2)を挟み込む形状のプラスチックをブレード支持体(3)とした場合の創傷作製用用具(1)の全体図を示す図である。また、図4は、本発明の一実施例となる生体外創傷治癒試験用用具のうちの創傷作製用ガイド(5)の全体図および創傷作製用ガイド(5)を細胞の培養容器に載せた場合の斜視図を示す図である。
【実施例1】
【0021】
<創傷作製用用具(1)>
ブレード(2)は、先端部分に1.0~7.0mmの幅を有する形状をしている。ブレード(2)が有する1.0~7.0mmの幅は、線による幅であっても、正方形、長方形等の面による幅であってもよく、直径が1.0~7.0mmとなる円による幅であってもよい。さらに、この1.0~7.0mmの幅に対する側面の形状も、いずれの形状であってもよく、三角形、四角形、五角形等の多角形であってもよく、ブレード全体が円柱となるような側面を有していてもよい。
図1にブレード(2)の一例を示したが、(a)先端部分の1.0~7.0mmの幅が線による幅であり、幅に対する側面の形状が三角形のブレード(2)、(b)先端部分の1.0~7.0mmの幅が線による幅であり、幅に対する側面の形状が五角形のブレード(2)、(c)先端部分の1.0~7.0mmの幅が長方形の面による幅であり、幅に対する側面の形状が正方形のブレード(2)、(d)先端部分の1.0~7.0mmの幅が円の直径の幅であり、ブレード自体が円柱状のブレード(2)等が示される。図1は各ブレード(2)の正面図、同側面図、同斜視図をそれぞれ示す。
これらのブレード(2)は、シリコーンゴム、バイトンゴムなどのゴム状弾性体材料を素材とし、ブレード(2)はデュロメータータイプA(ショアA型)において、65-80の硬度を示すゴム状弾性体材料であることが好ましい。ブレード(2)はブレード支持体(3)から取り外し、ブレード(2)のみを滅菌して再利用することができるものであってもよい。
【実施例1】
【0022】
ブレード支持体(3)は、図2に一例として示すように、ブレード(2)とブレードを保持する棒状の柄(4)を接着するための接着剤であってもよい。また、図3に一例として示すように、(c)二枚の板の間にブレード(2)を挟み込める形状をしているもの、(d)円形の中にブレード(2)を挟み込める形状をしているもの、(e)四角く囲われた板の中等にブレード(2)が挟み込める形状をしているものであってもよい。
図2は各創傷作製用用具(1)の側面図、同斜視図を示す。また、図3は創傷作製用用具(1)の側面図を示し、(c)~(e)に、各ブレード支持体(3)の斜視図を示す。
このブレード支持体(3)は強度があり、たわみにくい材質であれば特に指定はなく、例えば、ABS樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、TPX樹脂、ベークライト、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチックの成形品や、木材等があげられる。
【実施例1】
【0023】
ブレード(2)を保持する棒状の柄(4)は、創傷作製がしやすい長さや形状の棒状の柄(4)であればいずれの形状をしていてもよく、ブレード支持体(3)が柄(4)の先端に一体となって存在する形状のものであってもよい。図2に一例として示すように、(a)持ち手方向に長い四角柱の形状である柄(4)、(b)持ち手部分が凹んだ形状を有する柄(4)、図3に一例として示すように、(a)ブレード(2)を保持する方向と反対の方向に持ち手部分を有する柄(4)等が挙げられる。
この棒状の柄(4)はブレード支持体(3)と同様に、強度があり、たわみにくい材質であれば特に指定はなく、例えば、ABS樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、TPX樹脂、ベークライト、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチックの成形品や、木材等があげられる。
【実施例1】
【0024】
<創傷作製用ガイド(5)>
創傷作製用ガイド(5)は強度があれば材質は特に指定はなく、例えば、ABS樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、TPX樹脂、ベークライト、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチックの成形品があげられる。創傷作製用ガイド(5)は、細胞培養容器であるシャーレや12穴や24穴等の多穴プレートの蓋を加工して作製したものでもよい。
シャーレや多穴プレート上に培養された細胞に均一な創傷部分(8)を作製するための定規部分(6)と、創傷作製時に定規部分(6)がぶれないように、シャーレや多穴プレートの側面に沿って定規部分(6)を支持する創傷作製支持部分(7)が一体となった創傷作製用ガイド(5)や、定規部分(6)のみからなる創傷作製ガイドであってもよい。
図4に一例として示すように、24穴等の多穴プレートの蓋を加工した創傷作製用ガイド(5)では、蓋の短辺側を一辺切り落とし、切り落とした部分を定規部分(6)とし、残りの3辺の多穴プレートに沿った側面を創傷作製支持部分(7)としてもよい。さらに、切り落とした蓋をひっくり返して垂直に立ち上がるように接合し、接合した面も含めて定規部分(6)としても良い。定規部分(6)に高さが出ることにより、創傷作製時に左右のぶれがでにくくなり、均一な創傷が作製しやすくなるという利点がある。図4の(a)は創傷作製用ガイド(5)の側面図、(b)は同斜視図を示し、図4の(c)はこの創傷作製用ガイド(5)を細胞の培養容器(24穴プレート)に載せた場合の斜視図を示す。
【実施例1】
【0025】
本発明の生体外創傷治癒試験用用具は、創傷作製用用具(1)のみであってもよく、創傷作製用用具(1)と創傷作製用ガイド(5)の組み合わせからなるものであってもよい。
創傷作製用用具(1)または創傷作製用ガイド(5)はディスポーザブル製品として市販する場合、ひとつずつ滅菌袋中に納められる。創傷作製用用具(1)のブレード(2)のみも滅菌袋中に収められて販売される。また、独自に作製した場合には、滅菌後のものを使用することができる。
【実施例2】
【0026】
<創傷作製方法>
本発明の創傷作製方法の一例を図5に示した。滅菌されている、または滅菌した生体外創傷治癒試験用用具を用い、クリーンベンチやクリーンルームなどを用いた無菌空間において、無菌的に維持した状態で次の1)~6)の工程を行い、本発明の創傷作製方法を行った。
1)細胞を増殖させた24穴プレートに、本発明の創傷作製用ガイド(5)を載せる、24穴プレートには、創傷作製部分に合わせて創傷作製用ガイド(5)を載せる位置に目印をつけておく、
2)本発明の創傷作製用用具(1)を、24穴プレートにおいて細胞を増殖させたうちの1穴に入れる、
3)創傷作製用ガイド(5)の定規部分(6)に創傷作製用用具(1)の柄(4)を沿わせる、
4)創傷作製用用具(1)のブレード(2)を増殖させた細胞の表面に接し、創傷作製用用具(1)を創傷作製用ガイド(5)の定規部分(6)に沿って上から下に移動させることで細胞を掻き取り、創傷部分(8)を作製する、
5)2)~4)の工程を繰り返し、24穴プレートの縦4穴に行った後、創傷作製用ガイド(5)を次の縦4穴にスライドし、1)で目印をつけた位置に創傷作製用ガイド(5)を載せ、同様に2)~4)の工程を行う、
6)以後5)の工程を繰り返し、24穴プレートの細胞を増殖させた全ての穴の細胞に創傷部分(8)を作製する。
本発明の生体外創傷治癒試験用用具を用いて、この創傷作製方法によって作製された細胞の創傷部分(8)を図6に示した。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の生体外創傷治癒試験用用具は、そのまま、定量的な生体外創傷治癒試験を行うための実験用用具として販売することができる。また、本発明の生体外創傷治癒試験用用具を用いて作製した創傷部分の幅を一定とするプレート等も販売することができる。
このようなプレートを用いて、創傷治癒に有用な物質のスクリーニング等を定量的に行うことも容易となる。
【符号の説明】
【0028】
1、創傷作製用用具
2、ブレード
3、ブレード支持体
4、柄
5、創傷作製用ガイド
6、定規部分
7、創傷作製支持部分
8、創傷部分
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5