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明細書 :透かし情報埋込装置、透かし情報処理システム、透かし情報埋込方法、及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4742175号 (P4742175)
公開番号 特開2011-015431 (P2011-015431A)
登録日 平成23年5月13日(2011.5.13)
発行日 平成23年8月10日(2011.8.10)
公開日 平成23年1月20日(2011.1.20)
発明の名称または考案の名称 透かし情報埋込装置、透かし情報処理システム、透かし情報埋込方法、及びプログラム
国際特許分類 H04N   1/387       (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
FI H04N 1/387
G06T 1/00 500B
請求項の数または発明の数 6
全頁数 21
出願番号 特願2010-200387 (P2010-200387)
分割の表示 特願2010-534708 (P2010-534708)の分割、【原出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
出願日 平成22年9月7日(2010.9.7)
優先権出願番号 2009135301
優先日 平成21年6月4日(2009.6.4)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年9月7日(2010.9.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
【識別番号】507092573
【氏名又は名称】A・Tコミュニケーションズ株式会社
発明者または考案者 【氏名】小野 智司
【氏名】中山 茂
【氏名】津々見 誠
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
【識別番号】100123618、【弁理士】、【氏名又は名称】雨宮 康仁
【識別番号】100133592、【弁理士】、【氏名又は名称】山口 浩一
審査官 【審査官】白石 圭吾
参考文献・文献 特開2003-037730(JP,A)
特開2004-221925(JP,A)
特開2003-338921(JP,A)
調査した分野 H04N 1/387
G06T 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
二次元コードの原画像にウェーブレット変換を施して、各周波数成分に分解する第1ウェーブレット変換部と、
前記第1ウェーブレット変換部によって分解された前記各周波数成分のうち、斜め方向の高周波成分に、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む透かし情報埋込部と、
前記透かし情報埋込部によって前記透かし情報が埋め込まれた斜め方向の高周波成分、及び前記第1ウェーブレット変換部によって分解された前記各周波数成分のうち、該斜め方向の高周波成分以外の周波数成分に逆ウェーブレット変換を施して、透かし情報入り二次元コードを再構成する逆ウェーブレット変換部と、
を備える透かし情報埋込装置。
【請求項2】
請求項1に記載の透かし情報埋込装置と、
前記逆ウェーブレット変換部によって再構成された透かし情報入り二次元コードの入力画像を取り込む二次元コード取込部、
前記二次元コード取込部によって取り込まれた前記透かし情報入り二次元コードの入力画像にウェーブレット変換を施して、高周波成分を取り出す第2ウェーブレット変換部、
及び第2ウェーブレット変換部によって取り出された前記高周波成分のうち斜め方向の高周波成分から、透かし情報を抽出する透かし情報抽出部、を備える透かし情報抽出装置と、
を具備する透かし情報処理システム。
【請求項3】
前記第2ウェーブレット変換部は、前記二次元コードの原画像のサイズをm×、前記二次元コード取込部によって取り込まれた前記透かし情報入り二次元コードの入力画像のサイズをM×M(M=m×2j(jは自然数))とした場合、該透かし情報入り二次元コードの入力画像にウェーブレット変換をlog(M/m)回施す、
ことを特徴とする請求項2に記載の透かし情報処理システム。
【請求項4】
前記第2ウェーブレット変換部は、前記二次元コード取込部によって取り込まれた前記透かし情報入り二次元コードの入力画像に、ウェーブレット変換をk(kは自然数)+log(M/m)回施した後、逆ウェーブレット変換をk回施し、
前記透かし情報抽出部は、前記ウェーブレット変換をlog(M/m)回施すことにより取り出された前記斜め方向の高周波成分と、該ウェーブレット変換をk+log(M/m)回施した後、前記逆ウェーブレット変換をk回施すことにより取り出された前記斜め方向の高周波成分と、の和から、前記透かし情報を抽出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の透かし情報処理システム。
【請求項5】
二次元コードの原画像にウェーブレット変換を施して、各周波数成分に分解する第1ウェーブレット変換ステップと、
前記第1ウェーブレット変換ステップによって分解された前記各周波数成分のうち、斜め方向の高周波成分に、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む透かし情報埋込ステップと、
前記透かし情報埋込ステップによって前記透かし情報が埋め込まれた斜め方向の高周波成分、及び前記第1ウェーブレット変換ステップによって分解された前記各周波数成分のうち、該斜め方向の高周波成分以外の周波数成分に逆ウェーブレット変換を施して、透かし情報入り二次元コードを再構成する逆ウェーブレット変換ステップと、
を備える透かし情報埋込方法。
【請求項6】
コンピュータに、
二次元コードの原画像にウェーブレット変換を施して、各周波数成分に分解する第1ウェーブレット変換手順と、
前記第1ウェーブレット変換手順によって分解された前記各周波数成分のうち、斜め方向の高周波成分に、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む透かし情報埋込手順と、
前記透かし情報埋込手順によって前記透かし情報が埋め込まれた斜め方向の高周波成分、及び前記第1ウェーブレット変換手順によって分解された前記各周波数成分のうち、該斜め方向の高周波成分以外の周波数成分に逆ウェーブレット変換を施して、透かし情報入り二次元コードを再構成する逆ウェーブレット変換手順と、
を実行させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、透かし情報埋込装置、透かし情報処理システム、透かし情報埋込方法、及びプログラムに関し、特に、複製の検知を可能にする二次元コードを提供することができる透かし情報埋込装置、透かし情報処理システム、透かし情報埋込方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次元コードの一種であるQR(Quick Response)コード(登録商標)は、印刷物に機械可読な情報を埋め込むもので、昨今では、航空券に代表されるように、金銭的価値を持ったQRコードの利用が拡大している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2006-318328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、QRコードに代表される二次元コードの複製を検知する方式の開発は、急務の課題となっている。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、複製の検知を可能にする二次元コードを提供することができる透かし情報埋込装置、透かし情報処理システム、透かし情報埋込方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る透かし情報埋込装置は、二次元コードの原画像にウェーブレット変換を施して、各周波数成分に分解する第1ウェーブレット変換部と、前記第1ウェーブレット変換部によって分解された前記各周波数成分のうち、斜め方向の高周波成分に、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む透かし情報埋込部と、前記透かし情報埋込部によって前記透かし情報が埋め込まれた斜め方向の高周波成分、及び前記第1ウェーブレット変換部によって分解された前記各周波数成分のうち、該斜め方向の高周波成分以外の周波数成分に逆ウェーブレット変換を施して、透かし情報入り二次元コードを再構成する逆ウェーブレット変換部と、を備える。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係る透かし情報処理システムは、上記透かし情報埋込装置と、前記逆ウェーブレット変換部によって再構成された透かし情報入り二次元コードの入力画像を取り込む二次元コード取込部、前記二次元コード取込部によって取り込まれた前記透かし情報入り二次元コードの入力画像にウェーブレット変換を施して、高周波成分を取り出す第2ウェーブレット変換部、及び第2ウェーブレット変換部によって取り出された前記高周波成分のうち斜め方向の高周波成分から、透かし情報を抽出する透かし情報抽出部、を備える透かし情報抽出装置と、を具備する。
【0008】
上記透かし情報処理システムにおいて、前記第2ウェーブレット変換部は、前記二次元コードの原画像のサイズをm×、前記二次元コード取込部によって取り込まれた前記透かし情報入り二次元コードの入力画像のサイズをM×M(M=m×2j(jは自然数))とした場合、該透かし情報入り二次元コードの入力画像にウェーブレット変換をlog(M/m)回施す、ようにしてもよい。
【0009】
また、上記透かし情報処理システムにおいて、前記第2ウェーブレット変換部は、前記二次元コード取込部によって取り込まれた前記透かし情報入り二次元コードの入力画像に、ウェーブレット変換をk(kは自然数)+log(M/m)回施した後、逆ウェーブレット変換をk回施し、前記透かし情報抽出部は、前記ウェーブレット変換をlog(M/m)回施すことにより取り出された前記斜め方向の高周波成分と、該ウェーブレット変換をk+log(M/m)回施した後、前記逆ウェーブレット変換をk回施すことにより取り出された前記斜め方向の高周波成分と、の和から、前記透かし情報を抽出する、ようにしてもよい。
【0010】
さらに、本発明の第3の観点に係る透かし情報埋込方法は、二次元コードの原画像にウェーブレット変換を施して、各周波数成分に分解する第1ウェーブレット変換ステップと、前記第1ウェーブレット変換ステップによって分解された前記各周波数成分のうち、斜め方向の高周波成分に、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む透かし情報埋込ステップと、前記透かし情報埋込ステップによって前記透かし情報が埋め込まれた斜め方向の高周波成分、及び前記第1ウェーブレット変換ステップによって分解された前記各周波数成分のうち、該斜め方向の高周波成分以外の周波数成分に逆ウェーブレット変換を施して、透かし情報入り二次元コードを再構成する逆ウェーブレット変換ステップと、を備える。
【0011】
そして、本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータに、二次元コードの原画像にウェーブレット変換を施して、各周波数成分に分解する第1ウェーブレット変換手順と、前記第1ウェーブレット変換手順によって分解された前記各周波数成分のうち、斜め方向の高周波成分に、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む透かし情報埋込手順と、前記透かし情報埋込手順によって前記透かし情報が埋め込まれた斜め方向の高周波成分、及び前記第1ウェーブレット変換手順によって分解された前記各周波数成分のうち、該斜め方向の高周波成分以外の周波数成分に逆ウェーブレット変換を施して、透かし情報入り二次元コードを再構成する逆ウェーブレット変換手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複製の検知を可能にする二次元コードを提供することができる透かし情報埋込装置、透かし情報処理システム、透かし情報埋込方法、及びプログラムを提供することができる。透かし情報処理システムによれば併せて二次元コードの複製を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る透かし情報埋込装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る離散ウェーブレット変換を説明するための模式図である。
【図3】実施形態に係る各画素におけるウェーブレット係数の値(係数値)の一例を示すグラフ図である。
【図4】実施形態に係る透かし情報抽出装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る透かし情報埋込処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る透かし情報埋込手順を説明するための模式図である。
【図7】実施形態に係る透かし情報抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る透かし情報抽出手順を説明するための模式図である。
【図9】実施形態に係る複製された透かし情報入り二次元コードを使用して抽出された透かし情報の変化を観察するための実験手順を説明するための図である。
【図10】各複写機の濃淡パターンを示す図である。
【図11】実施形態に係る複製による透かし情報の変化の例を示す図である。
【図12】実施形態に係る透かし情報埋込装置及び透かし情報抽出装置を実現可能なコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。

【0015】
まず、本実施形態に係る透かし情報処理システムの構成について、図面を参照しつつ説明する。透かし情報処理システムは、図1に示す透かし情報埋込装置10と、図4に示す透かし情報抽出装置20と、から構成されている。

【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る透かし情報埋込装置の構成例を示すブロック図である。

【0017】
透かし情報埋込装置10は、原画像としての二次元コード(例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標))に透かし情報を埋め込み、再構成して、透かし情報を埋め込んだ二次元コードを生成する。透かし情報埋込装置10は、図1に示すように、二次元コード入力部11と、第1ウェーブレット変換部12と、透かし情報入力部13と、透かし情報埋込部14と、二次元コード再構成部15と、二次元コード出力部16と、を備えている。

【0018】
二次元コード入力部11は、透かし情報の埋め込み先の原画像である二次元コードを入力し、二次元コードの原画像を示す二次元画像信号を第1ウェーブレット変換部12に供給する。

【0019】
第1ウェーブレット変換部12は、色成分分離部120を備えるとともに、二次元コード入力部11より入力される二次元画像信号に周波数解析手法の1つであるウェーブレット変換を施す。

【0020】
具体的には、第1ウェーブレット変換部12は、色成分分離部120により、二次元画像信号が示す二次元コードの原画像をRGBの各成分に分割(RGB分解)した後、R、G、Bの色成分別に離散ウェーブレット変換(Discrete Wavelet Transform,DWT)を施すことにより、図2(a)に示す二次元コードの原画像を、図2(b)に示すLL成分、LH成分、HL成分、及びHH成分という周波数成分に分解(帯域分割)する。

【0021】
ここで、LL成分は、多重解像度近似(Multi Resolution Approximation)に該当し、MRA部と呼ばれ、LH成分、HL成分、及びHH成分は、多重解像度表現(Multi Resolution Representation)に該当し、MRR部と呼ばれる。MRA部は、低周波成分で、主に二次元コードの原画像の解像度を1/2にした画像を表現し、MRR部は、高周波成分を表し、MRR部の各成分は、主にこの画像の横、縦、及び斜め方向の差分情報を表現している。このため、MRR成分が強い(高い)箇所(エッジ成分)が多少変化しても画像の劣化が目立ちにくい。

【0022】
図1に示す透かし情報入力部13は、二次元コードの原画像に埋め込む透かし情報を入力し、透かし情報埋込部14に供給する。本実施形態において、透かし情報には、LH成分、HL成分、及びHH成分と同じ信号の長さを持つ透かし情報が使用される。信号の長さとは画像サイズを意味する。すなわち、透かし情報の画像サイズは原画像に1回のウェーブレット変換を施して得られる各成分の画像サイズと等しい。

【0023】
透かし情報埋込部14は、各周波数成分の差分情報を利用して、第1ウェーブレット変換部12にて分解された各周波数成分のうちHH成分のみに、透かし情報入力部13から供給される透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む。サイズ全体に透かし情報を埋め込むために、透かし情報の信号の長さとHH成分の信号の長さとは同じにする。

【0024】
このように、透かし情報埋込部14がHH成分のみに埋込を行うのは、二次元コードは、水平方向のエッジを含むLH成分と、鉛直方向のエッジを含むHL成分と、を多く含むという特徴を有するためである。二次元コードでは、このような特徴を有するため、図3に示すように、LH成分及びHL成分のウェーブレット係数の係数値が大きい。そのためLH成分及びHL成分はノイズの影響を受けやすい。従って、LH成分及びHL成分を避けて、HH成分にのみ透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む。このような形で埋込を行わないと、透かし情報の抽出時に透かし情報以外の情報がノイズとして現れてしまうおそれがあるからである。

【0025】
また、上述したようにMRR成分が強い(高い)箇所(エッジ成分)が多少変化しても画像の劣化が目立ちにくいので、その性質を利用し、高周波成分であるHH成分に透かし情報を埋め込むことで、再構成して得られる二次元コードの画像の劣化を目立たなくすることができる。

【0026】
二次元コードへの透かし情報の埋込は二次元コードをウェーブレット変換することにより得られるウェーブレット係数に対して実行される。ここで、第1ウェーブレット変換部12により、ウェーブレット変換が(j+1)回実行された後の二次元コードの原画像のHH成分におけるウェーブレット係数をwm,n^(j+1,d)((m,n)は画素の位置を、dはウェーブレット係数がHH成分の係数であることを示すインデックスを表す。)、透かし二値画像をTm,n、色別重み係数をα、埋込強度をbitとすると、透かし情報入り二次元コードのウェーブレット係数Wm,n^(j+1,d)は、下記(1)式のようになる。

【0027】
【数1】
JP0004742175B2_000002t.gif

【0028】
このように、透かし情報埋込部14は、埋込強度に、背景色に使われているRGBの頻度に応じた色別重み係数を乗じて重み付けを行った重み付き埋込強度で、Tm,n=0の画素に埋込を行う。色別重み係数を乗じる理由は次の通りである。RGBの各色成分の輝度をR値、G値、B値とし、例えば、R値の平均値が高い背景画像に関しては、透かし情報のR成分の重み付き埋込強度が大きいと、それによる背景色のR成分の変動が微小であっても色相に大きな変化が生じて、二次元コードの意匠性が大きく変質するおそれがある。そのため、このような場合、透かし情報埋込部14は、透かし情報のR成分の色別重み係数αを小さくすることにより重み付き埋込強度を小さくして、埋込後の画像のR値の変動幅を小さくする一方、透かし情報のG成分とB成分(又はいずれか一方)の重み付き埋込強度を大きくして埋込後の画像のG値とB値との変動幅(又はいずれか一方の変動幅)を大きくすることで、二次元コードの意匠性の変質を抑えつつ、透かし情報の抽出精度を確保することができる。

【0029】
複写後の画像は、一般的に、複写前の画像と比較してコントラストが増加するといった特徴を有する。このため、透かし情報埋込部14は、二次元コードの不正コピーを防止すべく、透かし情報を埋め込む対象となる二次元コードの原画像の背景明度及び透かし情報の重み付き埋込強度を、複写による情報の欠落が大きいレンジに調整している。

【0030】
二次元コード再構成部15は、逆ウェーブレット変換部150と色成分統合部151とを備える。逆ウェーブレット変換部150は、第1ウェーブレット変換部12及び透かし情報埋込部14から出力される各周波数成分を用いて逆ウェーブレット変換を行う。その後、色成分統合部151は、逆変換後のRGBの各成分の統合(RGB統合)を行う。このようにして二次元コード再構成部15は、逆ウェーブレット変換部150と色成分統合部151とにより二次元コードを再構成する。

【0031】
具体的には、二次元コード再構成部15は、透かし情報埋込部14から出力される透かし情報が埋め込まれたHH成分と、第1ウェーブレット変換部12から出力されるHH成分を除く各周波数成分、すなわちLL成分、LH成分、及びHL成分とを用いて逆ウェーブレット変換部150により逆離散ウェーブレット変換(Inverse Discrete Wavelet Transform,IDWT)を行う。

【0032】
言い換えれば、二次元コード再構成部15は、第1ウェーブレット変換部12から出力される各周波数成分のうちHH成分のみを、透かし情報埋込部14で透かし情報が埋め込まれたHH成分に置き換える。このようにして、二次元コード再構成部15は、二次元コードの原画像に対して、透かし情報を埋め込むことができる。

【0033】
二次元コード出力部16は、透かし情報が埋め込まれた二次元コード(透かし情報入り二次元コード)を高品質印刷用紙などの紙媒体への印刷などにより出力する。

【0034】
図4は、本実施形態に係る透かし情報抽出装置の構成例を示すブロック図である。

【0035】
透かし情報抽出装置20は、透かし情報入り二次元コードから透かし情報を抽出するためのもので、図4に示すように、二次元コード取込部21と、第2ウェーブレット変換部22と、透かし情報抽出部23と、透かし情報出力部24と、を備えている。

【0036】
二次元コード取込部21は、例えばスキャナや複合機の画像読取装置などであって、透かし情報入り二次元コードを取り込んで、入力画像として第2ウェーブレット変換部22に供給する。

【0037】
第2ウェーブレット変換部22は、色成分分離部220を備える。第2ウェーブレット変換部22は、色成分分離部220により、二次元コード取込部21より供給される入力画像をRGBの各色成分に分解(以下、RGB分解と呼ぶ)した後、R、G、Bの色成分毎に離散ウェーブレット変換を施すことにより、入力画像をLL成分、LH成分、HL成分、及びHH成分という周波数成分に分解(帯域分割)する。

【0038】
二次元コード取込部21より供給される入力画像の解像度は、透かし情報の復元率(抽出精度)と大きな相関があり、透かし情報の抽出を利用して入力画像が複写されたものかどうかを検出する複写検出を行うことができる。

【0039】
複写後の画像は、一般的に、複写前の画像と比較して高解像度情報が欠落するという特徴が見られる。このため、入力画像である透かし情報入り二次元コードが高解像度である程、この透かし情報を埋め込んだ画像の複写前後における微細な情報の有無の違いが大きくなり、複写前、及び複写後の入力画像の間で透かし情報を抽出できるかどうかという違いが大きくなる。従って、この抽出可否の違いにより入力画像が複写されたものかどうかを検出するという複写検出の高精度化を期待することができる。

【0040】
しかし、高解像度の入力画像は、画像サイズが極度に大きくなり、原画像のサイズと大きな違いが生じる。そのため、後処理や実験の都合上、抽出した透かし情報の画像サイズを原画像の画像サイズと等しくなるよう、調整を行った方がよい。このとき、安易に入力画像の縮小を行うと、微細な情報が失われ、透かし情報の抽出精度が落ちてしまうおそれがある。「安易に入力画像の縮小を行う」とは、例えば、市販の一般的な画像処理ソフトウェアを使った縮小処理を言う。

【0041】
そこで、第2ウェーブレット変換部22は、離散ウェーブレット変換により解像度が1/2となる性質を利用して入力画像を原画像のサイズに合わせている。すなわち、二次元コードの原画像のサイズがm×n(例えばn=m)、入力画像のサイズがM×N(例えばN=M)の場合、M=m×2j(j∈N)とすることで、第2ウェーブレット変換部22は、離散ウェーブレット変換をj=log(M/m)回実行することにより、入力画像を原画像のサイズまで縮小している。

【0042】
原画像のサイズが256px×256px(m=n=256)、入力画像のサイズが2048px×2048px(M=N=2048)であるとすると、第2ウェーブレット変換部22は、入力画像に対して離散ウェーブレット変換を3(=log(2048/256))回実行することにより、入力画像のサイズを256px×256pxまで縮小してから、HH成分を取り出す(HH成分Aと呼ぶ)。

【0043】
更に、第2ウェーブレット変換部22は、離散ウェーブレット変換をj+1(=4)回実行することにより、入力画像のサイズを128px×128pxまで一旦縮小した後、逆離散ウェーブレット変換を1回実行することにより、256px×256pxまで戻してから、HH成分を取り出す(HH成分Bと呼ぶ)。

【0044】
透かし情報抽出部23は、第2ウェーブレット変換部22より取り出されたHH成分を正規化して透かし情報を抽出する。このとき、透かし情報抽出部23は、異なる回数のDWTにより得られるHH成分を統合することで、より鮮明な透かし情報を抽出することができる。

【0045】
そこで、本実施形態では、HH成分Aと、HH成分Bと、の和であるHH成分A+HH成分B(画素毎に階調値を加算)を、抽出画像を示す抽出画像信号として取得する。これにより、より鮮明な透かし情報の抽出が可能となる。なお、離散ウェーブレット変換を、必要な回数に加えて余分にk回実行し(k:自然数)、その後逆離散ウェーブレット変換をk回実行して得られるHH成分CをHH成分Bに代えて利用しても良い。

【0046】
透かし情報出力部24は、透かし情報抽出部23において抽出された透かし情報を出力する。

【0047】
次に、上記構成を備える透かし情報処理システムの動作について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明は、透かし情報埋込方法、及び透かし情報抽出方法の説明をも兼ねる。

【0048】
透かし情報埋込装置10は、二次元コード入力部11に二次元コードの原画像が入力され、且つ、透かし情報入力部13に透かし情報が入力されると、透かし情報埋込処理を開始する。

【0049】
図5は、本実施形態に係る透かし情報埋込処理の一例を示すフローチャートであり、図6は、本実施形態に係る透かし情報埋込手順を説明するための模式図である。

【0050】
この透かし情報埋込処理では、まず、図1に示す第1ウェーブレット変換部12が、色成分分離部120により、図6(a)に示す二次元コードの原画像をRGB分解する(図5に示すステップS1、図6(b1)~(b3))。

【0051】
次に、第1ウェーブレット変換部12は、二次元コードの原画像に対して、R、G、Bの色成分別に、離散ウェーブレット変換を施して、二次元コードの原画像をLL成分、LH成分、HL成分、及びHH成分から成る各周波数成分に分解する(図5に示すステップS2、図6(c1)~(c3))。

【0052】
続いて、図1に示す透かし情報埋込部14は、各周波数成分の差分情報を利用して、第1ウェーブレット変換部12にて分解された周波数成分のうちHH成分のみに、図1に示す透かし情報入力部13から入力された透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む(図5に示すステップS3、図6(d1)~(d3))。

【0053】
さらに、図1の二次元コード再構成部15は、逆ウェーブレット変換部150により、透かし情報が埋め込まれたHH成分と、HH成分以外の各周波数成分、すなわちLL成分、LH成分、及びHL成分とを用いて逆離散ウェーブレット変換を行う(図5に示すステップS4、図6(e1)~(e3))。

【0054】
その後、二次元コード再構成部15は、色成分統合部151によりRGB統合を行って、透かし情報入り二次元コードを再構築する(図5に示すステップS5、図6(f))。

【0055】
そして、二次元コード出力部16は、透かし情報入り二次元コードを高品質印刷用紙などの紙媒体への印刷などにより出力する(ステップS6)。

【0056】
図4の透かし情報抽出装置20は、二次元コード取込部21に透かし情報入り二次元コードが入力されて取り込まれると、透かし情報抽出処理を開始する。

【0057】
図7は、本実施形態に係る透かし情報抽出処理の一例を示すフローチャートであり、図8は、本実施形態に係る透かし情報抽出手順を説明するための模式図である。

【0058】
この透かし情報抽出処理では、まず、第2ウェーブレット変換部22が、色成分分離部220により、図8(a)に示す、例えば2048px×2048px(M=N=2048)の高解像度の入力画像をRGB分解する(図7に示すステップS11、図8(b1)~(b3))。以下の処理は色成分毎に実行される。

【0059】
次に、第2ウェーブレット変換部22は、離散ウェーブレット変換を3回実行することにより、入力画像のサイズを256px×256pxに縮小し(図7に示すステップS12、図8(c1)~(c3))、その後HH成分(=HH成分A)を取り出す(図7に示すステップS13)。

【0060】
また、第2ウェーブレット変換部22は、離散ウェーブレット変換を更にもう1回実行することにより、入力画像のサイズを128px×128pxに縮小する(図7に示すステップS14、図8(d1)~(d3))。

【0061】
続いて、第2ウェーブレット変換部22は、逆離散ウェーブレット変換を1回実行することにより、入力画像のサイズを256px×256pxに戻し(図7に示すステップS15)、その後HH成分(=HH成分B)を取り出す(ステップS16)。

【0062】
そして、透かし情報抽出部23は、ステップS13の処理にて取り出されたHH成分Aと、ステップS16の処理にて取り出されたHH成分Bと、の和を、抽出画像を示す抽出画像信号として取得することにより、透かし情報を抽出する(図7に示すステップS17、図8(f))。HH成分Bに代えてHH成分Cを利用しても良いことは既に説明したとおりである。

【0063】
そして、透かし情報出力部24は、透かし情報抽出部23において抽出された透かし情報を出力する(ステップS18)。

【0064】
以上説明した透かし情報埋込装置10は、色成分分離部120、及び色成分統合部151を、それぞれ、第1ウェーブレット変換部12、及び二次元コード再構成部15内に備えており、透かし情報抽出装置20は、色成分分離部220を第2ウェーブレット変換部22内に備えている。しかし、色成分分離部120、220、及び色成分統合部151をそれぞれ分離して別に備えても良い。また、二次元コードがモノクロで形成されているときは色成分分離部120、220、及び色成分統合部151を必ずしも装備しなくても良い。このときは色別重み付け係数による埋込強度の重み付けは不要となる。また、透かし情報埋込装置10と透かし情報抽出装置20とを備えた透かし情報処理システムは、色成分分離部120と220とを、別々に装備せずに共通のものとして装備してもよい。

【0065】
続いて、上記動作を実行する透かし情報処理システムにおいて、複製された透かし情報入り二次元コードを使用して抽出された透かし情報の変化を観察する。

【0066】
図9は、本実施形態に係る複製された透かし情報入り二次元コードを使用して抽出された透かし情報の変化を観察するための実験手順を説明するための図である。

【0067】
まず、図9(a)及び(b)に示すように、透かし情報埋込装置10において、二次元コードの原画像に透かし情報を埋め込んで高品質印刷用紙に印刷する。

【0068】
次に、図9(c)に示すように、高品質印刷用紙に印刷された透かし情報入り二次元コードを入出力解像度600dpi程度の複写機(SHARP製のカラーコピー機)を利用して複写(不正コピーを想定)する。

【0069】
そして、図9(d1)及び(d2)に示すように、透かし情報抽出装置20において、複写機による「複写前」の透かし情報入り二次元コードと、「複写後」の透かし情報入り二次元コードと、からそれぞれ透かし情報を抽出する。

【0070】
「複写後」の透かし情報入り二次元コードでは、図9(d2)に示すように、複写により透かし情報が失われていることが確認できる。これは、埋込部分の背景明度が非常に高いことに起因する。すなわち、複写機による色調整の過程で画像のコントラストが上がり、白色に近い部分に埋め込まれた透かし情報が失われたためである。

【0071】
また、「複写後」の透かし情報入り二次元コードから透かし情報の抽出を行った際に画像全面にノイズがのる理由は、複写機の濃淡表現方法(濃淡パターン)に起因する。すなわち、複写機は、図10に示すように、それぞれ特有の濃淡パターンを有している。本実施形態において使用したSHARP製のカラーコピー機の濃淡パターンは、図10(a)に示すように、斜線によって濃淡を表現するものであるため、透かし情報の抽出時に透かし情報以外のHH成分が発生し、このHH成分によるノイズが非常に強くなってしまったものと考えられる。

【0072】
なお、図10(b)に示す濃淡パターンは、RICOH製のカラーコピー機によるもので、SHARP製のカラーコピー機と同様に、斜線によって濃淡を表現している。図10(c)に示す濃淡パターンは、Xerox製のカラーコピー機によるもので、SHARP製及びRICOH製のカラーコピー機とは異なり、横線によって濃淡を表現している。図10(d)に示す濃淡パターンは、Canon製のカラーコピー機によるもので、SHARP製及びRICOH製のカラーコピー機とも、Xerox製のカラーコピー機とも異なり、点によって濃淡を表現している。

【0073】
図11は、本実施形態に係る複製による透かし情報の変化の例を示す図である。図11(a)は、RICOH製のカラーコピー機で複写した透かし情報入り二次元コードからの抽出画像、図11(b)は、Xerox製のカラーコピー機で複写した透かし情報入り二次元コードからの抽出画像、図11(c)は、Canon製のカラーコピー機で複写した透かし情報入り二次元コードからの抽出画像を、それぞれ示している。図11に示すように、本実施形態で使用したSHARP製のカラーコピー機と濃淡パターンが同様のRICOH製のカラーコピー機で複写した透かし情報入り二次元コードだけでなく、濃淡パターンの異なるXerox製及びCanon製のカラーコピー機で複写した二次元コードからも、透かし情報が失われていることが確認できる。

【0074】
このような複製によるコントラストの増加や、複写機の濃淡表現方法の相違という要因に加え、高解像度の二次元コードにおける複製過程での高解像度情報の欠落が要因となって、不正コピーされた二次元コードであることの検出精度を大きく向上させることができる。

【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る透かし情報処理システムによれば、透かし情報埋込装置10は、第1ウェーブレット変換部12において、二次元コードの原画像をRGBの各色成分に分離した後、R、G、Bの色成分毎に離散ウェーブレット変換を施して、LL成分、LH成分、HL成分、及びHH成分という周波数成分に分解する。

【0076】
次に、透かし情報埋込装置10は、透かし情報埋込部14において、第1ウェーブレット変換部12によって色成分毎に分解された各周波数成分のうちHH成分に、二次元コードの原画像における各色成分の使用頻度に応じて重み付けを行った重み付け埋込強度で、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込む。

【0077】
そして、透かし情報埋込装置10は、二次元コード再構成部15において、透かし情報埋込部14によって透かし情報が埋め込まれたHH成分と、第1ウェーブレット変換部12によって分解されたLL成分、LH成分、及びHL成分と、に逆離散ウェーブレット変換を施した後、RGBの各色成分の統合を行って、透かし情報入り二次元コードを再構成する。

【0078】
このように、透かし情報埋込装置10は、ウェーブレット係数の値(係数値)がLH成分及びHL成分に比べて小さいHH成分のみに、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込むことで、複写されていない正規の透かし情報入り二次元コードのHH成分から、透かし情報以外の情報がノイズとして現れて透かし情報が失われることを防止することができる。

【0079】
これに対して、複写前の正規の透かし情報入り二次元コードの画像と濃淡表現方法が相違する複写機で複写された(不正コピーされた)非正規の透かし情報入り二次元コードの画像のHH成分には、透かし情報以外の情報が非常に強く現れる。そのため、透かし情報が失われる。

【0080】
これにより、二次元コードの複製を検知することが可能となる。すなわち、透かし情報埋込装置10は複製の検知を可能にする二次元コードを提供することができる。

【0081】
さらに、透かし情報埋込装置10は、高周波成分であるHH成分に、透かし情報を斜め方向の高周波成分として埋め込むことで、再構成して得られる二次元コードの画像の劣化を目立たなくすることができる。

【0082】
加えて、透かし情報埋込装置10は、二次元コードの原画像における各色成分の使用頻度に応じて重み付けを行った重み付け埋込強度で、透かし情報を埋め込むことにより、二次元コードの意匠性の変質を抑えつつ、透かし情報の抽出精度を確保することができる二次元コードを提供することができる。

【0083】
複写後の画像は、一般的に、複写前の画像と比較してコントラストが増加するといった特徴が見られる。このため、透かし情報埋込装置10は、透かし情報埋込部14において、埋込対象となる二次元コードの原画像の背景明度及び埋込情報の埋込強度を、複写による情報の欠落が大きいレンジに調整する。このような二次元コードとすることにより、この二次元コードを複写した場合に、「複写後」の透かし情報入り二次元コードから透かし情報が消失するので、透かし情報の抽出を行った場合に、透かし情報の抽出可否を介して二次元コードの複製の有無が検知できる。従って、透かし情報埋込装置10は複製を検知することが可能な二次元コードを提供することができる。

【0084】
透かし情報抽出装置20は、第2ウェーブレット変換部22において、二次元コード取込部21によって取り込まれた透かし情報入り二次元コードの入力画像に、離散ウェーブレット変換をlog(M/m)回施して、HH成分Aを取り出す。また、透かし情報抽出装置20は、第2ウェーブレット変換部22において、透かし情報入り二次元コードの入力画像に、離散ウェーブレット変換をk+log(M/m)回施した後、逆離散ウェーブレット変換をk回施して、HH成分Cを取り出す。

【0085】
そして、透かし情報抽出装置20は、透かし情報抽出部23において、離散ウェーブレット変換をlog(M/m)回施すことにより取り出されたHH成分Aと、離散ウェーブレット変換をk+log(M/m)回施した後、逆離散ウェーブレット変換をk回施すことにより取り出されたHH成分Cと、の和から透かし情報を抽出する。

【0086】
このように、透かし情報抽出装置20は、離散ウェーブレット変換を施して透かし情報入り二次元コードの入力画像のサイズを、二次元コードの原画像のサイズにまで縮小する。これにより、複写前後における微細な情報の違いを保存して、複写前後における埋込情報の抽出精度の違いを大きくする。透かし情報抽出装置20は、このようにして、二次元コードが複写されたものかどうかの検出精度を向上させることができる。

【0087】
また、透かし情報抽出装置20は、第2ウェーブレット変換部22で、離散ウェーブレット変換をlog(M/m)回施すことにより取り出されたHH成分Aと、離散ウェーブレット変換をk+log(M/m)回施した後、逆離散ウェーブレット変換をk回施すことにより取り出されたHH成分Cと、の和を、透かし情報抽出部23において抽出画像を示す抽出画像信号として取得することで、より鮮明な透かし情報を抽出することができる。

【0088】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記実施形態の変形態様について説明する。

【0089】
上記実施形態では、透かし情報を埋め込む透かし情報埋込装置10と、透かし情報を抽出する透かし情報抽出装置20と、をそれぞれ分けて説明したが、透かし情報を埋め込む機能と抽出する機能との両方の機能を1つの画像処理装置に備えても良い。このような画像処理装置は透かし情報処理システムということができる。

【0090】
また、上記本実施形態における透かし情報埋込装置10や透かし情報抽出装置20は、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成可能なものであり、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。

【0091】
したがって、コンピュータが上記機能を果たすように動作させるプログラムを、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)のような記録媒体に記録し、コンピュータに読み込ませることによって実現できるものである。上記プログラムを記録する記録媒体としては、CD-ROM以外に、DVD-ROM(Digital Versatile Disc_Read Only Memory)や、ブルーレイディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。

【0092】
また、コンピュータが、供給されたプログラムを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(Operating System)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全てあるいは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われることにより上述の実施形態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明の実施形態に含まれる。

【0093】
また、本発明をネットワーク環境で利用するべく、全部あるいは一部のプログラムが他のコンピュータで実行されるようになっていても良い。例えば、画面入力処理は、遠隔端末コンピュータで行われ、各種判断、ログ記録等は他のセンターコンピュータ等で行われるようにしても良い。

【0094】
例えば、本実施形態に示した画像処理装置は、図12に示すようなコンピュータ機能500を有し、そのCPU501により本実施形態での動作が実施される。

【0095】
コンピュータ機能500は、図12に示すように、CPU501と、ROM502と、RAM503と、キーボード(Keyboard,KB)509のキーボードコントローラ(Keyboard Controller,KBC)505と、表示部としてのLCDディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)510のLCDコントローラ(Liquid Crystal Controller,LCDC)506と、ハードディスク(Hard Disk Drive,HDD)511およびリムーバルディスク(Removable Disk,RD)512のディスクコントローラ(Disk Controller,DKC)507と、ネットワークインタフェースカード(Network Interface Card,NIC)508とが、システムバス504を介して互いに通信可能に接続された構成としている。

【0096】
CPU501は、ROM502あるいはHD511に記憶されたソフトウェア、あるいはRD512より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス504に接続された各構成部を総括的に制御する。

【0097】
すなわち、CPU501は、上述したような動作を行うための処理プログラムを、ROM502、あるいはHD511、あるいはRD512から読み出して実行することで、本実施形態での動作を実現するための制御を行う。

【0098】
RAM503は、CPU501の主メモリあるいはワークエリア等として機能する。KBC505は、KB509や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。LCDC506は、LCD510の表示を制御する。

【0099】
DKC507は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、および本実施形態における処理プログラム等を記憶するHD511およびRD512とのアクセスを制御する。NIC508はネットワーク513上の他の装置と双方向にデータをやりとりする。

【0100】
さらに、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0101】
10 透かし情報埋込装置
11 二次元コード入力部
12 第1ウェーブレット変換部
13 透かし情報入力部
14 透かし情報埋込部
15 二次元コード再構成部
16 二次元コード出力部
20 透かし情報抽出装置
21 二次元コード取込部
22 第2ウェーブレット変換部
23 透かし情報抽出部
24 透かし情報出力部
120 色成分分離部
150 逆ウェーブレット変換部
151 色成分統合部
220 色成分分離部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図7】
5
【図12】
6
【図6】
7
【図8】
8
【図9】
9
【図10】
10
【図11】
11