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明細書 :ミリ波無線・光ファイバ伝送方式および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3218325号 (P3218325)
公開番号 特開2000-244397 (P2000-244397A)
登録日 平成13年8月10日(2001.8.10)
発行日 平成13年10月15日(2001.10.15)
公開日 平成12年9月8日(2000.9.8)
発明の名称または考案の名称 ミリ波無線・光ファイバ伝送方式および装置
国際特許分類 H04B 10/02      
H04B 10/04      
H04B 10/06      
H04B 10/142     
H04B 10/152     
H04B 10/18      
H04Q  7/36      
FI H04B 9/00 M
H04B 9/00
H04B 7/26
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願平11-086650 (P1999-086650)
出願日 平成11年2月22日(1999.2.22)
審査請求日 平成11年2月22日(1999.2.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301022471
【氏名又は名称】独立行政法人通信総合研究所
発明者または考案者 【氏名】久利 敏明
【氏名】北山 研一
【氏名】小川 康徳
審査官 【審査官】江口 能弘
参考文献・文献 特開 平9-321700(JP,A)
特開 平10-32563(JP,A)
特開2000-19470(JP,A)
調査した分野 H04B 10/00 - 10/28
H04J 14/00 - 14/08
H04B 7/26
特許請求の範囲 【請求項1】
単一モード光源からの光搬送波を、伝送すべきミリ波無線副搬送波信号の搬送波周波数からそれより低いマイクロ波帯以下の所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数までの周波数変換量に相当する周波数の正弦波信号で強度変調し、その結果、発生したパイロット光をミリ波無線副搬送波信号で更に強度変調して得られた光スペクトルのうち、元のミリ波無線副搬送波信号と同じ情報を具備する複数の光スペクトルのうちの一つある第1成分と、その第1成分に対して所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数の差で隣接している第2成分とを光ファイバ伝送した後に、光自己ヘテロダイン検波により、その第1成分と第2成分との周波数差に相当する周波数を具備する中間周波数帯信号に変換し、該中間周波数帯信号を復調することにより元のミリ波無線副搬送波信号の情報を再生することを特徴とするミリ波無線・光ファイバ伝送方式。

【請求項2】
単一周波数の光搬送波を発生する単一モード光源と、
伝送すべきミリ波無線副搬送波信号の搬送波周波数からそれより低いマイクロ波帯以下の所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数までの周波数変換量に相当する周波数の正弦波を発生させるミリ波局部発振器と、
上記正弦波で光搬送波を強度変調しパイロット光を生成するパイロット光生成用光学的変調器と、
ミリ波無線副搬送波信号を受信するミリ波アンテナと、
ミリ波無線副搬送波信号でパイロット光を強度変調して光スペクトルを得る無線信号変調用光学的変調器と、
上記光スペクトルのうち、元のミリ波無線副搬送波信号同じ情報を具備する複数の光スペクトルのうちの一つである第1成分と、その第1成分に対して所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数の差で隣接している第2成分を取り出す光フィルタと、
上記第1成分と第2成分とを伝送する光伝送路と、
伝送された第1成分と第2成分とを光自己ヘテロダイン検波しその双方の周波数差に相当する周波数をもつ中間周波数帯信号に変換する光検波器と、
光検波で得られた中間周波数帯信号から元のミリ波無線副搬送波信号の情報を再生する中間周波数帯信号復調器と
から構成したことを特徴とするミリ波無線・光ファイバ伝送装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信等における光ファイバ伝送技術に関するものである。

【0002】

【従来の技術】無線端末からのミリ波無線信号をアンテナ基地局で受信し、光ファイバ伝送路により制御局まで伝送するアップリンクを想定した、従来のミリ波無線・光ファイバ伝送方式の構成図を、光ファイバ伝送路上における無線信号副搬送波の周波数で区分して、図4に示す。図4において、31はミリ波無線端末を、32はミリ波アンテナを、33はミリ波帯信号復調器を、34は光学的変調器を、35は光ファイバ伝送路を、36は光検波器を、37は副搬送波周波数変換器を、38は中間周波数帯信号復調器を各々示す。

【0003】
図4の(a)図はベースバンド伝送方式を示す構成図であり、ミリ波無線端末31からのミリ波無線信号をミリ波アンテナ32で受信し、該無線信号をアンテナ基地局のミリ波帯信号復調器33で復調し、光学的変調器34において再生されたベースバンド・データで光搬送波を変調し、光ファイバ伝送路35を通して伝送された光信号を光検波器36で光検波することにより、元の無線信号の情報が送られる。

【0004】
図4の(b)図は中間周波数帯副搬送波伝送方式を示す構成図であり、ミリ波無線端末31からのミリ波無線信号をミリ波アンテナ32で受信し、該無線信号をアンテナ基地局の無線信号周波数変換器37でマイクロ波中間周波数帯にダウンコンバートし、光学的変調器34において得られた中間周波数帯信号で光搬送波を変調し、光ファイバ伝送路35を通して伝送された光信号を光検波器36で光検波することにより、再生された中間周波数帯信号を中間周波数帯信号復調器38で復調を行うことで、元の無線信号の情報が送られる。

【0005】
図4の(c)図はミリ波帯副搬送波無線信号伝送方式を示す構成図であり、ミリ波無線端末31からのミリ波無線信号をミリ波アンテナ32で受信し、光学的変調器34において受信したミリ波無線信号で光搬送波を直接変調し、光ファイバ伝送路35を通して伝送された光信号を光検波器36で光検波することにより再生されたミリ波帯信号をミリ波帯信号復調器33で復調を行うことによって、元の無線信号の情報が送られる。

【0006】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の技術のうち、図4の(a)図と(b)図に示す方式では、光ファイバ伝送路が具備する分散の影響を無視できる反面、アンテナ基地局が複雑になることによる費用の増大が問題であり、商用的に展開することが大きく制限される。

【0007】
また、従来の技術のうち、図4の(c)図に示す方式では、基地局が大変簡便でコストの観点から有利であるが、他方光ファイバが具備する分散の影響を受けること、及び超高周波光検波器が必要となること等、実用化の面から光ファイバが具備する分散の影響及び費用負担の軽減を図る必要がある。

【0008】
本発明は、アンテナ基地局が簡便で費用の増大がなく、且つ商用的な展開に制限を受けることなく、更に光ファイバが具備する分散の影響を受けることないミリ波無線・光ファイバ伝送方式及び装置を提供することを、目的としている。

【0009】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題に鑑みて成されたものであり、ミリ波無線・光ファイバ伝方式において、単一モード光源からの光搬送波fc伝送すべきミリ波無線副搬送波信号の搬送波周波数fRFからそれより低いマイクロ波帯以下の所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数fIFまでの周波数変換量(fRFIFに相当する周波数fLOの正弦波信号で強度変調し、その結果、発生したパイロット光をミリ波無線副搬送波信号で更に強度変調して得られた光スペクトルのうち、元のミリ波無線副搬送波信号と同じ情報RFを具備する複数の光スペクトルのうちの一つである第1成分(fc-fRF)と、その第1成分(fc-fRF)に対して所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数fIFの差で隣接している第2成分fPLを光ファイバ伝送した後に、光自己ヘテロダイン検波により、その第1成分(fc-RF)と第2成分fPLとの周波数差(fPL-(fc-fRF)))に相当する周波数IFを具備する中間周波数帯信号に変換し、該中間周波数帯信号を復調することにより元のミリ波無線副搬送波信号の情報を再生することを特徴としている。

【0010】
また、本発明は、ミリ波無線・光ファイバ伝送装置において、単一周波数の光搬送波を発生する単一モード光源と、伝送すべきミリ波無線副搬送波信号の搬送波周波数からそれより低いマイクロ波帯以下の所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数までの周波数変換量に相当する周波数の正弦波を発生させるミリ波局部発振器と、上記正弦波で光搬送波を強度変調しパイロット光を生成するパイロット光生成用光学的変調器と、ミリ波無線副搬送波信号を受信するミリ波アンテナと、ミリ波無線副搬送波信号でパイロット光を強度変調して光スペクトルを得る無線信号変調用光学的変調器と、上記光スペクトルのうち、元のミリ波無線副搬送波信号と同じ情報を具備する複数の光スペクトルのうちの一つである第1成分と、その第1成分に対して所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数の差で隣接している第2成分とを取り出す光フィルタと、上記第1成分と第2成分とを伝送する光伝送路と、伝送された第1成分と第2成分とを光自己ヘテロダイン検波しその双方の周波数差に相当する周波数をもつ中間周波数帯信号に変換する光検波器と、光検波で得られた中間周波数帯信号から元のミリ波無線副搬送波信号の情報を再生する中間周波数帯信号復調器とから構成したことを特徴としている。

【0011】
本発明に含まれる光学的な副搬送波周波数変換機能により、アンテナ基地局はより単純な構成で、光ファイバの分散の影響を無視でき、且つ制御局に超高周波光検波器やミリ波帯ミキサが不必要となる。

【0012】
本発明は、具体的には、ある一つの光搬送波をミリ波無線副搬送波信号で強度変調した際に得られる光スペクトルのうち、元のミリ波無線副搬送波信号と同じ情報を具備する複数の光スペクトルのうちの一つ(第1成分)と、その第1成分に対して所望の中間周波数帯信号の搬送波周波数の差で隣接する異周波数・同位相雑音のもう一つの無変調光波(第2成分)とを光ファイバ伝送路上を伝送させ、光自己ヘテロダイン検波を行い、伝送した光信号(第1成分と第2成分)の周波数差に相当する周波数を具備する光検波信号、即ち中間周波数帯信号を復調する。

【0013】

【発明の実施の形態】以下に、本発明による実施の形態の一実施例の具体的な構成を図面に基づいて、説明するが、本発明は、この実施例に限定されない。図1は本発明の実施例におけるミリ波無線・光ファイバ伝送装置の構成を示す図である。図1において、9は制御局を、10はアンテナ基地局を、11はミリ波無線端末を、12は単一モード光源を、13はミリ波局部発振器を、14はパイロット光生成用光学的変調器を、15は光増幅器を、16は光伝送路を、17は偏光制御装置を、18は無線信号変調用光学的変調器を、19はミリ波無線信号生成部を、20はミリ波アンテナを、21はミリ波帯増幅器を、22は光帯域フィルタを、23は光検波器を、24は中間周波数帯信号処理部(中間周波数帯信号復調器)を、25はミリ波局部発振器出力のスペクトルを、26はパイロット光の光スペクトルを、27はミリ波無線副搬送波信号のスペクトルを、28はアップリンク変調信号の光スペクトルを、及び29は光検波信号のスペクトルを各々示す。本装置は基本的に、制御局9と、アンテナ基地局10と、ミリ波無線端末11と及び光ファイバ伝送路16とから構成される。

【0014】
まず、制御局9において、単一モード光源12からの光搬送波(fc)を、ミリ波局部発振器13からの正弦波出力25(fLO)により、パイロット光生成用光学的変調器14で強度変調することによりパイロット光26を生成し、該パイロット光26を光増幅器15で十分増幅した後、一つの光伝送路16を通してアンテナ基地局10に伝送する。伝送されたパイロット光26は、別の光増幅器15で所要電力に達するまで増幅され、偏光制御装置17で偏光を調整した後に、無線信号変調用光学的変調器18に入力される。

【0015】
一方、無線端末11では、伝送する情報(DATA)をミリ波無線信号生成部19においてDPSK変調形式のミリ波無線信号(fRF27に変換し、該ミリ波無線信号を無線端末側のミリ波アンテナ20よりアンテナ基地局10に向けて放射する。

【0016】
自由空間を通して伝搬してきたミリ波無線信号27をアンテナ基地局側のミリ波アンテナ20で受信し、該ミリ波無線信号27をミリ波帯増幅器21で所要電力に達するまで増幅し、更に無線信号変調用光学的変調器18においてパイロット信号26を強度変調し、その結果、アップリンク変調信号28を得る。

【0017】
アップリンク変調信号28は、更に別の光増幅器15で増幅してから、光帯域フィルタ22で伝送に必要最小限の光スペクトル(fpLとfc-fRF)のみを取りだし、続いてもう一つの光伝送路16を通して制御局9に伝送される。ここで、送られる2つの光波(第1成分(fc-fRF)と第2成分PL)の周波数差は、必ず光検波後の所望周波数fIFに一致していなければならない。

【0018】
次に、伝送された2つの光波(fpLとfc-fRF)は、その光周波数差を十分検波できる帯域の光検波器23で光自己ヘテロダイン検波されると、中間周波数帯信号29(fIF)が得られる。最後に、光検波によって得られた中間周波数帯信号29を中間周波数帯信号処理部24においてDPSK復調することにより、元の情報が再現される。ここで、パイロット光26は位相雑音が等しく、異なる周波数で少なくとも2つの光波で構成されていれば、他の方法で生成してもよい。例えば、モード同期レーザ等の他波長光源から出力された光波のうち、fpLに相当する光波を基準光として用いることにより、fcに相当する光波をミリ波無線信号の情報伝送用に用いればよい。この際に、光変調方式は、副搬送波伝送が可能な光アナログ変調方式、即ち、強度変調、振幅変調、位相変調、及び周波数変調のいずれの光変調方式でも可能である。

【0019】
また、fpLに相当する光波は変調構成分(fc-fRF)と分離して送信しても良いし、又はアンテナ基地局10に送信しないで、制御局9内で変調構成分(fc-fRF)と合成して光検波を行っても良いし、従って光源又はパイロット光の各スペクトルの配置は、制御局とアンテナ基地局の何れにも限定しない。

【0020】
光増幅器15とミリ波帯増幅器21は、所要電力を得るために用いるものであるので、増幅器の手前で十分な電力がある場合には省略することができる。偏光制御装置17は無線信号変調用光学的変調器18の偏光依存性に対して変調効率を高めるために用いられるものであるので、光伝送路が偏波保持型ものであるか又は光学的変調器の偏光依存性が極めて低い場合には、該偏光制御装置17は省略することができる。

【0021】
ミリ波無線信号は任意であり、アナログ信号とディジタル信号、単一信号と多重化信号、伝送速度、及び変調形式等の限定はする必要がない。

【0022】
図2は、本実施例において測定された光スペクトルを示しており、図2の(a)図はパイロット光、及び図2の(b)図は光ファイバ伝送前と標準光ファイバを50km伝送した後の光アップリンク信号を示している。

【0023】
図3は、本実施例において、50km離れたアンテナ基地局で受信した155.52Mb/sの伝送速度を具備する59.6GHzのDPSKミリ波無線信号を標準光ファイバ伝送路で伝送し、続いて制御局側で情報を再現したときの伝送品質の一つとして、ビット誤り率を測定した結果である。図3の結果より、光ファイバ50kmを取り除いて測定した場合と比べて、殆ど同等の特性が得られていることが、判る。

【0024】

【発明の効果】本発明によると、ミリ波信号を直接的にパイロット光に取り込んでいるので、アンテナ基地局の構成が簡単となり、該基地局のコストが大幅に改善できるだけでなく、又屋外に配置される場合も考慮すると、維持、管理、及び信頼性の面で実用性が高くなり、従って商用的な展開にも大きく貢献できる。また、光領域でミリ波の無線信号帯からマイクロ波の中間周波数帯まで周波数を変換しているので、全体構成の中で電気的ミリ波ダウンコンバータの構成要素を必要としない。更に、光源を制御局側に配置することにより、光源の安定度や信頼性も高くでき、且つ光波長等の変更が容易となるので、ネットワークを構築し易くなる。更に又、伝送される信号は、中間周波数帯と同等の副搬送波伝送に相当するので、光ファイバが具備する分散の影響を考慮しなくて済む。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
2
【図4】
3