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明細書 :レーザエネルギおよび情報供給システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4928203号 (P4928203)
公開番号 特開2008-072474 (P2008-072474A)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
発行日 平成24年5月9日(2012.5.9)
公開日 平成20年3月27日(2008.3.27)
発明の名称または考案の名称 レーザエネルギおよび情報供給システム
国際特許分類 H04B  10/24        (2006.01)
H04B  10/00        (2006.01)
H04B  10/10        (2006.01)
H04B  10/105       (2006.01)
H04B  10/22        (2006.01)
H04B  10/02        (2006.01)
B64D  47/00        (2006.01)
FI H04B 9/00 G
H04B 9/00 P
H04B 9/00 R
H04B 9/00 X
B64D 47/00
請求項の数または発明の数 3
全頁数 13
出願番号 特願2006-249542 (P2006-249542)
出願日 平成18年9月14日(2006.9.14)
審査請求日 平成21年9月11日(2009.9.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
発明者または考案者 【氏名】河島 信樹
【氏名】武田 和也
個別代理人の代理人 【識別番号】100084146、【弁理士】、【氏名又は名称】山崎 宏
【識別番号】100081422、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 光雄
【識別番号】100122286、【弁理士】、【氏名又は名称】仲倉 幸典
審査官 【審査官】工藤 一光
参考文献・文献 特開平05-030037(JP,A)
特開平01-120138(JP,A)
特公平01-033792(JP,B2)
特開平08-047184(JP,A)
調査した分野 H04B10/00-10/28
H04J14/00-14/08
H02J17/00
B64D47/00-47/08
特許請求の範囲 【請求項1】
遠隔装置と、
上記遠隔装置に、第1情報が乗ったレーザ光を送って、上記遠隔装置へのエネルギ供給を行うレーザシステムと
を備え、
上記遠隔装置は、
上記レーザシステムからのレーザ光を受光して電気に変換する光電変換装置と、
上記第1情報が乗ったレーザ光を受光して、このレーザ光から上記第1情報を取得する第1情報取得装置と、
上記レーザシステムからのレーザ光を上記レーザシステムに向けて反射する反射装置と、
上記反射装置で反射されたレーザ光の少なくとも一部に第2情報を乗せる第2情報付加装置と
を有し、
上記レーザシステムは、
上記遠隔装置にエネルギを供給するレーザ光を出射するレーザ光源と、
上記レーザ光源が出射したレーザ光の少なくとも一部に上記第1情報を乗せる第1情報付加装置と、
上記反射装置で反射されて上記第2情報が乗ったレーザ光を受光して、このレーザ光から上記第2情報を取得する第2情報取得装置と
を有し、
上記遠隔装置の上記光電変換装置が、上記レーザ光源から出射されたレーザ光と重なっていないときには、上記レーザシステムは、上記レーザ光を広げて待ち受けまたは上記遠隔装置を追いかけ、上記遠隔装置が広がったレーザ光に重なった段階で上記レーザー光を上記光電変換装置の大きさまで絞る遠隔装置捕獲手段を備えることを特徴とするレーザエネルギおよび情報供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザエネルギおよび情報供給システムにおいて、
上記レーザシステムは、上記第2情報取得装置が受光したレーザ光に基づいて上記遠隔装置の移動方向を検出して、上記遠隔装置に向けてレーザ光を出射して上記遠隔装置を追尾する追尾装置を有することを特徴とするレーザエネルギおよび情報供給システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレーザエネルギおよび情報供給システムにおいて、
上記第1情報は、上記レーザシステムから上記遠隔装置までの距離を測定するための距離測定用信号を含むことを特徴とするレーザエネルギおよび情報供給システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザエネルギおよび情報供給システムについてである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットや小型飛翔体等、電力(燃料)源から離れた場所で駆動する遠隔装置を備えたシステムがある。このシステムにおいて、電力(燃料)供給、遠隔装置の運動制御、位置情報、姿勢情報、システム情報、遠隔装置が撮影した静止画や動画の情報の取得は、互いに異なる手段を用いて行われてきた。例えば、カメラを搭載した無線操縦飛行機では、バッテリーや燃料を搭載し、操縦者が電波で無線操縦飛行機の運動を制御し、その電波とは違う周波数の電波でカメラの画像を送信するということは実現されている。
【0003】
また、上記無線操縦飛行機のような遠隔装置の運動制御に関しては、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用して遠隔装置の位置を検出し、その位置に基づいて自動制御を行うシステムも実現している。
【0004】
また、特開平8-47184号公報のシステムでは、電磁波を利用してマイクロマシンへの電力と制御データを同時に供給している。つまり、上記電磁波を電気に変換する電磁波受信器をマイクロマシンに搭載し、マイクロマシンの運動を制御するための制御データを含んだ電磁波を電磁波受信器に照射している。
【0005】
しかしながら、特開平8-47184号公報のシステムでは、マイクロマシンを自動追尾していないためにマイクロマシンが移動して電磁波照射領域外に出てしまうと、マイクロマシンへの電力および制御データの供給ができなくなってしまう。
【0006】
したがって、上記マイクロマシンを長時間稼働させたい場合、マイクロマシンの稼働領域は電磁波照射領域内に限定されてしまうため、その稼働領域は狭いという問題があると同時に、電磁波を絞ってマイクロマシンに照射していないため、電力変換効率が低いシステムとなっている。
【0007】
また、上記マイクロマシンの稼働領域を広げようとすると、電磁波の照射方向を人の手で変更して、マイクロマシンの電磁波受信器に電磁波を照射し続けなければならないので、取り扱いが煩雑になってしまう。
【0008】
また、上記マイクロマシンから操縦者へ情報を送信するには、マイクロマシンに情報送信装置を搭載しなければならいないが、マイクロマシンにおいて、情報送信装置の搭載は、大型化、重量の増大、複雑化および消費電力の増大を引き起こしてしまう。

【特許文献1】特開平8-47184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の課題は、遠隔装置へのエネルギ伝送、遠隔装置への情報の送信、遠隔装置からの情報(例えば、取得画像・姿勢などの状態データ)の受信を一本化し、システムとしてシンプルにする結果、遠隔装置の簡素化、小型化、軽量化および省電力化と、レーザシステムの簡素化および省力化とを達成することができるレーザエネルギおよび情報供給システムを構築することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のレーザエネルギおよび情報供給システムは、
遠隔装置と、
上記遠隔装置に、第1情報が乗ったレーザ光を送って、上記遠隔装置へのエネルギ供給を行うレーザシステムと
を備え、
上記遠隔装置は、
上記レーザシステムからのレーザ光を受光して電気に変換する光電変換装置と、
上記第1情報が乗ったレーザ光を受光して、このレーザ光から上記第1情報を取得する第1情報取得装置と、
上記レーザシステムからのレーザ光を上記レーザシステムに向けて反射する反射装置と、
上記反射装置で反射されたレーザ光の少なくとも一部に第2情報を乗せる第2情報付加装置と
を有し、
上記レーザシステムは、
上記遠隔装置にエネルギを供給するレーザ光を出射するレーザ光源と、
上記レーザ光源が出射したレーザ光の少なくとも一部に上記第1情報を乗せる第1情報付加装置と、
上記反射装置で反射されて上記第2情報が乗ったレーザ光を受光して、このレーザ光から上記第2情報を取得する第2情報取得装置と
を有し、
上記遠隔装置の上記光電変換装置が、上記レーザ光源から出射されたレーザ光と重なっていないときには、上記レーザシステムは、上記レーザ光を広げて待ち受けまたは上記遠隔装置を追いかけ、上記遠隔装置が広がったレーザ光に重なった段階で上記レーザー光を上記光電変換装置の大きさまで絞る遠隔装置捕獲手段を備えることを特徴としている。
【0011】
上記構成のレーザエネルギおよび情報供給システムによれば、上記レーザシステムから遠隔装置へのエネルギ供給、レーザシステムから遠隔装置への第1情報の送信、レーザシステムにおける遠隔装置からの第2情報の受信が一本化されるので、つまり、それらの全てをレーザ光で行えるから、遠隔装置の簡素化、小型化、軽量化および省電力化を達成でき、かつ、レーザシステムの簡素化および省力化を達成することができる。
【0012】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記レーザシステムは、上記第2情報取得装置が受光したレーザ光に基づいて上記遠隔装置の移動方向を検出して、上記遠隔装置に向けてレーザ光を出射して上記遠隔装置を追尾する追尾装置を有する。
【0013】
上記実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムによれば、上記追尾装置によって、レーザ送信装置が遠隔装置を自動追尾することができる。つまり、上記遠隔装置が移動しても、レーザシステムのレーザ光源が出射したレーザ光を遠隔装置の光電変換装置に照射し続けることができる。
【0014】
したがって、人が遠隔装置の移動に合わせてレーザ光源の出射方向を変更しなくてよく、全体として人手がかからなくすることができる。
【0015】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記第1情報は、上記レーザシステムから上記遠隔装置までの距離を測定するための距離測定用信号を含む。
【0016】
上記実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムによれば、上記第1情報は、レーザシステムから遠隔装置までの距離を測定するための距離測定用信号を含むので、第1情報が乗ったレーザ光を用いて、レーザシステムから遠隔装置までの距離を測定することができる。
【0018】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記遠隔装置捕獲手段は、上記レーザシステムから上記遠隔装置までの距離に応じて、上記レーザ光源から出射されたレーザ光の上記遠隔装置での大きさを距離に変更する変更手段を有する。
【0019】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記第1情報付加装置は、上記遠隔装置にエネルギを供給するレーザ光に、上記遠隔装置の状態や運動を制御する制御信号と、上記レーザシステムから上記遠隔装置までの間の距離を測定するための距離測定用信号とを重畳する変調回路である。
【0020】
上記構成により、制御信号を遠隔装置に送るためだけの電波源などをレーザシステムに装備しなくてもよい。
【0021】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記第2情報取得装置は、光学系と検出素子と位置検出回路と復調回路とから構成されている。
【0022】
これにより、上記遠隔装置からの反射光を光学系で検出素子上に集光させることができる。
【0023】
また、上記遠隔装置が移動する場合、集光された光点の移動を位置検出回路で検出し、この位置検出回路の検出結果に基づいて、常に遠隔装置をレーザ光で追尾することができる。つまり、上記遠隔装置の光電変換装置にレーザ光を常に照射することができる。
【0024】
したがって、上記遠隔装置へ電力供給を安定に継続することができ、バッテリ交換(燃料補給)のための作業を無くすことができる。
【0025】
また、上記反射装置で反射されたレーザ光に、距離情報と遠隔装置からの情報とが含まれている場合、遠隔装置の移動を検出する検出素子か、情報受信専用の検出素子で受けた光から復調回路によってこれらの情報を取り出すことができる。
【0026】
また、上記距離情報と、レーザ光源のレーザ光の出射角度とから、遠隔装置の位置情報を取得することができる。
【0027】
したがって、上記遠隔装置にGPSを搭載しなくてもよく、遠隔装置を軽量化および省電力化することができる。
【0028】
また、上記反射装置で反射されたレーザ光を利用しているので、遠隔装置からの第2情報やGPSデータを送信するための光源や電波源を搭載しなくてもよい。
【0029】
したがって、上記遠隔装置を軽量化・省電力化することができる。
【0030】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記第1情報取得装置は検出素子と復調回路とから構成されている。
【0031】
これにより、上記第1情報取得装置に導入されたレーザ光に、遠隔装置を制御するための制御信号が含まれている場合、検出素子で受けたレーザ光から復調回路によって制御信号を取り出し、遠隔装置の制御を行うことができる。
【0032】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記反射装置は、コーナーリフレクタとレーザ光変調装置と変調回路とから構成されている。
【0033】
一実施形態のレーザエネルギおよび情報供給システムでは、
上記レーザ光変調装置は液晶フィルターやEOM(電気光学素子)・AOM(音響光学素子)などの電気・機械光学素子から構成されている。
【0034】
上記反射装置では遠隔装置取得情報(例えば画像映像データや環境データなど)、また遠隔装置自身の情報を変調装置によって反射光に重畳し、上記レーザシステムの反射光検出装置へ送信することができる。
【0035】
したがって、上記遠隔装置に取得情報・遠隔装置情報を送信するための電波源を搭載しなくてもよく、遠隔装置を簡素化、軽量化及び省電力化することができる。
【0036】
一実施形態のシステムでは、エネルギ伝送・遠隔装置制御・遠隔装置追尾・遠隔装置の位置・遠隔装置取得情報をエネルギ伝送用レーザ光に重畳することでお互いのシステムを一本化することができるので、システム全体の簡素化・軽量化・省電力化が可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、遠隔装置へのエネルギ伝送、遠隔装置への情報送信、遠隔装置からの情報取得を一本化し、システムとしてシンプルにする結果、遠隔装置のシステムの簡素化、小型化、軽量化・省電力化とレーザシステムの簡素化、省力化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の飛行体を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0039】
図1に、本発明の一実施の形態のレーザエネルギおよび情報供給システムの模式図を示す。
【0040】
上記レーザエネルギおよび情報供給システムは、遠隔装置の一例としてのカイトプレーン100と、レーザ光をカイトプレーン100へ向けて出射するレーザシステム200とを備えている。
【0041】
上記レーザ光は、カイトプレーン100の運動を制御するための制御信号と、レーザシステム200からカイトプレーン100までの距離計測をするための距離測定用信号とを含んでいる。
【0042】
上記カイトプレーン100は、レーザシステム200からのレーザ光が含む制御信号に従い、飛行の制御がなされる。
【0043】
図2に、上記レーザエネルギおよび情報供給システムのブロック図を示す。
【0044】
上記カイトプレーン100は、制御信号および距離測定用信号を含むレーザ光を受光して電気に変換する太陽電池パネル101と、制御信号および距離測定用信号を含むレーザ光を受光してレーザ光から制御信号を取得する制御信号用受光器102と、制御信号および距離測定用信号を含むレーザ光をレーザシステム200に向けて反射するコーナリフレクタ103と、コーナリフレクタ103で反射されたレーザ光の一部を変調する強誘電液晶フィルタ104と、上空から地上を撮影するCCD(電荷結合素子)カメラ105と、太陽電池パネル101が変換した電気を蓄える小型バッテリ106とを有している。
【0045】
なお、上記太陽電池パネル101は光電変換装置の一例、制御信号用受光器102は第1情報取得装置の一例、コーナリフレクタ103は反射装置の一例、強誘電液晶フィルタ104は第2情報付加装置の一例である。
【0046】
上記制御信号用受光器102は、図示しないが、制御信号を復調するための復調回路を含んでいる。
【0047】
上記コーナリフレクタ103は太陽電池パネル101の略中央部に配置されている。つまり、上記太陽電池パネル101は、コーナリフレクタ103を取り囲むように配置されている。
【0048】
上記強誘電液晶フィルタ104は、図示しないが、液晶ON/OFF制御回路および画像等データ送信用変調回路を含んでいる。
【0049】
上記レーザシステム200は、レーザ光を出射するレーザ装置(半導体レーザ等)201と、このレーザ装置201が出射したレーザ光の一部を変調する制御データ用変調回路202と、コーナリフレクタ103で反射されたレーザ光を受光する反射光検出装置203と、レーザ装置201のレーザ光の出射方向を制御するレーザ光射出方向制御駆動装置204と、レーザ装置201が出射したレーザ光が通過する光学系205とを有する。
【0050】
なお、上記レーザ装置201はレーザ光源の一例、制御データ用変調回路202は第1情報付加装置の一例、反射光検出装置203は第2情報取得装置の一例、反射光検出装置203である。また、上記反射光検出装置203とレーザ光射出方向制御駆動装置204とが追尾装置の一例を構成している。
【0051】
上記制御データ用変調回路202は、レーザ装置201から出射されたレーザ光がカイトプレーン100までの距離計測をするための距離測定用信号を含むように、そのレーザ光の一部を変調する。
【0052】
上記レーザ光射出方向制御駆動装置204はレーザ装置201のレーザ光の出射方向を制御する。つまり、上記レーザ光射出方向制御駆動装置204はレーザ装置201のレーザ光の出射方向を任意に変更することができる。
【0053】
上記反射光検出装置203は、図3に示すように、4分割フォトダイオード208および光学系207を有している。また、図示しないが、上記反射光検出装置203は、位置検出回路および復調回路も有しており、4分割フォトダイオード208で受けたレーザー光から、距離情報(カイトプレーン100とレーザシステム200との間の情報)と、カイトプレーン100からの情報(取得画像・姿勢などの状態データ)とを取り出すことができる。
【0054】
また、上記反射光検出装置203は、反射光に含まれている距離情報とカイトプレーン100からの情報との検出を行う信号検出専用の受光素子(図示せず)も含んでいる場合がある。
【0055】
上記反射光検出装置203には、カイトプレーン100からの反射光(コーナリフレクタ103で反射されたレーザ光)が導入されて光学系207によって位置検出用4分割フォトダイオード208上にコーナーレフレクタ103の像をむすぶ。上記カイトプレーン100が移動すると位置検出用4分割フォトダイオード208上の像の位置が変化するので、位置検出用4分割フォトダイオード208の中央に像が常に来るように制御する。つまり、上記レーザ光射出方向制御駆動装置204は、位置検出用4分割フォトダイオード208の中央に像が常に来るように制御することでレーザ装置201のレーザ光の出射方向を制御する。これにより、上記レーザ装置201が出射したレーザ光が太陽電池パネル101に常に入射する。つまり、上記レーザ光で太陽電池パネル101を追尾することができる。
【0056】
上記レーザ光射出方向制御駆動装置204は、図示しないが、可動台駆動用モーターおよびモーター制御回路を有している。
【0057】
図4に、上記コーナリフレクタ103の機構を説明するための模式図を示す。
【0058】
上記強誘電液晶フィルタ104は、コーナリフレクタ103とレーザシステム200との間に設置されている。これにより、上記レーザシステム200を出たレーザ光は強誘電液晶フィルタ104を通過した後、コーナリフレクタ103によって反射されて、再び強誘電液晶フィルタ104を通過してレーザシステム200へ戻って行く。このとき、上記強誘電液晶フィルタ104で反射光に変調がかけられる。上記反射光は反射光検出装置203で検出されて復調される。
【0059】
上記構成のレーザエネルギおよび情報供給システムによれば、図5に示すように、レーザ装置201が出射したレーザ光がレンズ等の光学系205(図2参照)を通ってカイトプレーン100に収束して送られ、電力供給される。つまり、上記レーザ光は太陽電池パネル101に照射されて太陽電池パネル101で電気に変換される。このとき、上記カイトプレーン100が移動しても、レーザ光出射方向制御装置204はレーザ装置201のレーザ光の出射方向を変更して、レーザ光が太陽電池パネル101に照射されている状態を維持することができる。つまり、上記レーザ光は太陽電池パネル101を追尾することができる。
【0060】
また、上記制御データ用変調回路202は、レーザ装置201が出射したレーザ光を変調して、カイトプレーン100の運動を制御するための制御信号と、カイトプレーン100までの距離計測をするための距離測定用信号とを、レーザ装置201が出射したレーザ光に重畳させることができる。これらの信号はそれぞれ第1情報の一例である。
【0061】
上記制御データ用変調回路202は、レーザシステム200からカイトプレーン100への送信電力の送信電力の0.2%を1kHzで変調している。
【0062】
また、上記強誘電液晶フィルタ104は、コーナリフレクタ103で反射されてレーザシステム200へ向かうレーザ光の一部を変調している。これにより、上記コーナリフレクタ103による反射光に、CCDカメラ105が撮影した画像の信号と、カイトプレーン100のステータス信号とを重畳させることができる。これらの信号のそれぞれは第2情報の一例である。
【0063】
また、上記反射光には、カイトプレーン100の搭載機器の観測データや運動環境データ等を示す信号を重畳させることもできる。この信号は第2情報の一例である。
【0064】
また、上記反射光は反射光検出装置203の信号用受光素子で受光される。これにより、上記反射光に乗った信号を検出して反射光検出装置203の復調回路で復調することができる。
【0065】
また、上記レーザ装置201が出射するレーザ光を用いて、レーザシステム200からカイトプレーン100までの距離を検出することができるので、レーザシステム200からカイトプレーン100までの距離と、レーザ装置201のレーザ光の出射方向とを用いて、レーザシステム200とカイトプレーン100との相対位置を検出することができる。
【0066】
上記レーザシステム200からカイトプレーン100までの距離の測定は、レーザシステム200からカイトプレーン100への送信電力の送信電力の0.1%を使って行っている。
【0067】
以上より明らかなように、カイトプレーン100への電力(燃料)供給・カイトプレーン100追尾・位置/姿勢情報取得・運動制御・取得画像や遠隔物の状態データを一本化し、システムとしてシンプルにした結果、カイトプレーン100のシステムの簡素化、小型化、軽量化・省電力化とレーザシステムの簡素化、省力化を達成することができ、全体として人手がかからない省力化されたシステムを構築することができる。
【0068】
以下、上記カイトプレーン100の操作手順と信号の流れについて説明する。
【0069】
まず、上記カイトプレーン100は離陸時は小型バッテリ106を使用して離陸させる。このとき、上記カイトプレーン100の尾翼は、レーザ装置201のレーザ光でカイトプレーン100を捕らえるまで同じ場所を上昇しながら旋回するように固定しておく(図1参照)。
【0070】
次に、上記レーザ装置201のレーザ光は、カイトプレーン100を捕らえやすくするために最初大きく広げてカイトプレーン100の飛行経路上に照射する。これにより、上記カイトプレーン100は上空で旋回運動を行い、大きく広げたレーザ光を通過する。このとき、上記カイトプレーン100のコーナリフレクタ103にレーザ光が入射し、入射方向と同じ方向へ反射される。上記コーナリフレクタ103による反射光はレーザシステム200に取り付けてある反射光検出装置203に導入される。この反射光検出装置203内には光学系207と4分割フォトダイオード208があり、反射光は光学系207によって4分割フォトダイオード208上に集光される。上記反射光の集光点が4分割フォトダイオード208の中央にくるような制御を行うことでレーザシステム200はカイトプレーンを自動追尾することが可能となっている。
【0071】
このように、上記レーザシステム200がカイトプレーンを自動追尾することが可能になった状態が得られた段階で、広げていたレーザ光を太陽電池パネル101の大きさまで集光し、カイトプレーン100は太陽電池パネル101からの電力のみで飛行する。
【0072】
上記太陽電池パネル101からの電力のみで飛行を開始したら、レーザー光に重畳されている制御信号に従ってカイトプレーン100のモーター・方向舵は制御され、カイトプレーン100の運動が制御される。
【0073】
上記カイトプレーン100に搭載されたCCDカメラ105が撮影した地上の画像データは強誘電液晶フィルタ104へと送られ、強誘電液晶フィルタ104が反射光を変調する。これにより、上記画像データが乗った反射光は、レーザシステム200の反射光検出装置203に導入されて、信号用受光素子に受光される。これにより、上記画像データを復調して信号を取り出すことにより、CCDカメラ105が撮影した地上の画像データを得ることができる。
【0074】
上記実施の形態では、コーナリフレクタ103で反射されたレーザ光の一部を強誘電液晶フィルタ104で変調していたが、コーナリフレクタ103で反射されたレーザ光の一部は例えばAOMまたはEOM等でも変調される。つまり、上記強誘電液晶フィルタ104の代わりに、AOMまたはEOM等を用いることが可能である。
【0075】
また、上記コーナリフレクタ103で反射されたレーザ光の変調には、反射ミラーを圧電素子などで振動させて反射光強度を変える方法、反射光の位相を圧電素子を用いて変調させ、干渉で復調信号を取り出す方法等がある。
【0076】
上記実施の形態では、上記反射光検出装置203は、位置検出用4分割フォトダイオード208と、レーザ光にのっている制御信号を検出する信号用受光素子(図示せず)とを含んでいたが、位置検出用4分割フォトダイオードのみを含むようにしてもよい。ただし、上記位置検出用4分割フォトダイオードは制御信号検出用受光素子を兼用できるものとする。
【0077】
上記制御データ用変調回路202によるレーザ光の変調は、レーザ光を太陽電池パネル101に照射している間ずっと行わなくてもよく、例えば、所定時間毎に行うようにしてもよい。
【0078】
上記制御データ用変調回路202によるレーザ光の変調はレーザ光の全部に対して行ってよい。
【0079】
上記強誘電液晶フィルタ104による反射光の変調は反射光の全部に対して行ってもよい。
【0080】
上記実施の形態において、太陽電池パネル101と、レーザ装置201が出射したレーザ光とが重なっていないときには、レーザシステム200は、そのレーザ光の放射角を広くして、太陽電池パネル101と、レーザ装置201が出射したレーザ光とが重なるのを待ってもよい。
【0081】
このような制御を行う場合、太陽電池パネル101と、レーザ装置201が出射したレーザ光とが重なった段階で、上記レーザ光を絞ることによって、上記レーザ光によりカイトプレーン100上に形成される光スポットの大きさが太陽電池パネル101の大きさと略同じにする。このとき、上記レーザシステム200からカイトプレーン100までの距離に応じて、レーザ装置201から出射されたレーザ光によりカイトプレーン100上に形成される光スポットの大きさを変更してもよい。
【0082】
上記実施の形態において、太陽電池パネル101と、レーザ装置201が出射したレーザ光とが重なっていないときには、レーザシステム200は、そのレーザ光の放射角を広くして、太陽電池パネル101と、レーザ装置201が出射したレーザ光とが重なるように、レーザ装置201のレーザ光の出射方向を制御してもよい。
【0083】
このような制御を行う場合、太陽電池パネル101と、レーザ装置201が出射したレーザ光とが重なった段階で、上記レーザ光を絞ることによって、上記レーザ光によりカイトプレーン100上に形成される光スポットの大きさが太陽電池パネル101の大きさと略同じにする。このとき、上記レーザシステム200からカイトプレーン100までの距離に応じて、レーザ装置201から出射されたレーザ光によりカイトプレーン100上に形成される光スポットの大きさを変更してもよい。
【0084】
本発明のレーザエネルギおよび情報供給システムが、移動しない遠隔装置に対しても使用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は本発明の一実施の形態のレーザエネルギおよび情報供給システムの模式図である。
【図2】図2は上記レーザエネルギおよび情報供給システムのブロック図である。
【図3】図3はカイトプレーンの追尾を説明するための模式図である。
【図4】図4はコーナリフレクタの機構を説明するための模式図である。
【図5】図5は上記レーザエネルギおよび情報供給システムの要部の模式図である。
【符号の説明】
【0086】
100 カイトプレーン
101 太陽電池パネル
102 制御信号用受光器
103 コーナリフレクタ
104 強誘電液晶フィルタ
200 レーザシステム
201 レーザ装置
202 制御データ用変調回路
203 反射光検出装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4