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明細書 :ラメラリンサルフェートおよび関連化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4982842号 (P4982842)
公開番号 特開2007-210927 (P2007-210927A)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発行日 平成24年7月25日(2012.7.25)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
発明の名称または考案の名称 ラメラリンサルフェートおよび関連化合物の製造方法
国際特許分類 C07D 207/416       (2006.01)
C07D 491/147       (2006.01)
C07D 491/052       (2006.01)
A61K  31/4745      (2006.01)
A61P  31/12        (2006.01)
A61P  31/18        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
FI C07D 207/416
C07D 491/147 CSP
C07D 491/052
A61K 31/4745
A61P 31/12
A61P 31/18
A61P 43/00 111
請求項の数または発明の数 30
全頁数 45
出願番号 特願2006-031723 (P2006-031723)
出願日 平成18年2月8日(2006.2.8)
審査請求日 平成21年2月2日(2009.2.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
発明者または考案者 【氏名】岩尾 正倫
【氏名】石橋 郁人
【氏名】福田 勉
【氏名】山口 智裕
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
審査官 【審査官】熊谷 祥平
参考文献・文献 特表2003-525271(JP,A)
Tetrahedron Letters,2003年,vol.44, no.24,p.4443-4446
Tetrahedron,2006年,vol.62,p.594-604
J. Med. Chem.,1999年,vol.42, no.11,p.1901-1907
Bioorg. & Med. Chem. Lett.,2002年,vol.10, no.10,p.3285-3290
Tetrahedron,2004年,vol.60, no.39,p.8669-8675
J. Org. Chem.,2004年,vol.69, no.7,p.2362-2366
J. Nat. Prod.,2002年,vol.65, no.4,p.500-504
J. Nat. Prod.,1999年,vol.62, no.3,p.419-424
調査した分野 C07D 207/416
C07D 491/052
C07D 491/147
A61K 31/4745
A61P 31/12
A61P 31/18
A61P 43/00
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(IV)
【化1】
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(式中、A環およびB環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基または置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基を示し、Pは水酸基保護基を示す。)で表される化合物と、一般式(V)
【化2】
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(式中、C環は置換基を有していてもよく、Rは水素原子、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基を示すか、あるいは互いに結合して環を形成してもよい。PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示し、PはPおよびPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物を遷移金属触媒の存在下、反応させることを特徴とする、一般式(VI)
【化3】
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(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、P、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)
【請求項2】
がイソプロピル基であり、Pがベンジル基であり、Pがメトキシメチル基である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
一般式(VI)
【化4】
JP0004982842B2_000031t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示し、PはPおよびPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物のPを選択的に脱保護し、分子内でエステル交換反応を行いラクトン環を形成することを特徴とする、一般式(VII)
【化5】
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(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、P、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)
【請求項4】
がイソプロピル基であり、Pがベンジル基であり、Pがメトキシメチル基である、請求項3記載の製造方法。
【請求項5】
一般式(VII)
【化6】
JP0004982842B2_000033t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物を加水分解することを特徴とする、一般式(VIII)
【化7】
JP0004982842B2_000034t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)
【請求項6】
がイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、請求項5記載の製造方法。
【請求項7】
一般式(VIII)
【化8】
JP0004982842B2_000035t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物を脱炭酸することを特徴とする、一般式(IX)
【化9】
JP0004982842B2_000036t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)
【請求項8】
がイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
一般式(IX)
【化10】
JP0004982842B2_000037t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物を酸化閉環することを特徴とする、一般式(X)
【化11】
JP0004982842B2_000038t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)
【請求項10】
がイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、請求項9記載の製造方法。
【請求項11】
一般式(X)
【化12】
JP0004982842B2_000039t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物を酸化することを特徴とする、一般式(XI)
【化13】
JP0004982842B2_000040t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)
【請求項12】
がイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、請求項11記載の製造方法。
【請求項13】
一般式(XI)
【化14】
JP0004982842B2_000041t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物のPを選択的に脱保護することを特徴とする、一般式(XII)
【化15】
JP0004982842B2_000042t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)
【請求項14】
がイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、請求項13記載の製造方法。
【請求項15】
一般式(XII)
【化16】
JP0004982842B2_000043t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pは水酸基保護基を示す。)で表される化合物を、一般式(XIII)
【化17】
JP0004982842B2_000044t.gif
(式中、PはPが脱保護される条件で脱保護されないスルホン酸保護基を示す。)で表される化合物と反応させることを特徴とする、一般式(XIV)
【化18】
JP0004982842B2_000045t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、Pは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれ、Pは、2,2,2-トリクロロエチル基及び2-(トリメチルシリル)エチル基から選ばれる。)
【請求項16】
がイソプロピル基であり、Pが2,2,2-トリクロロエチル基である、請求項15記載の製造方法。
【請求項17】
一般式(XIV)
【化19】
JP0004982842B2_000046t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護される条件で脱保護されないスルホン酸保護基を示す。)で表される化合物のPを選択的に脱保護することを特徴とする、一般式(XV)
【化20】
JP0004982842B2_000047t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物の製造方法(ここで、Pは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれ、Pは、2,2,2-トリクロロエチル基及び2-(トリメチルシリル)エチル基から選ばれる。)
【請求項18】
がイソプロピル基であり、Pが2,2,2-トリクロロエチル基である、請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
一般式(XV)
【化21】
JP0004982842B2_000048t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pはスルホン酸保護基を示す。)で表される化合物のPを脱保護することを特徴とする、一般式(I)
【化22】
JP0004982842B2_000049t.gif
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物またはその塩の製造方法(ここで、Pは、2,2,2-トリクロロエチル基及び2-(トリメチルシリル)エチル基から選ばれる。)
【請求項20】
が2,2,2-トリクロロエチル基である、請求項19記載の製造方法。
【請求項21】
請求項1、3、5、7、9、11、13、15、17および19記載の製造方法から選ばれる少なくとも一つの方法を含むことを特徴とする、一般式(I)
【化23】
JP0004982842B2_000050t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。)で表される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項22】
請求項1、3、5、7、9、11、13、15、17および19記載の製造方法を含むことを特徴とする、一般式(I)
【化24】
JP0004982842B2_000051t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。)で表される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項23】
一般式(VI)
【化25】
JP0004982842B2_000052t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示し、PはPおよびPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示し、ここで、P、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)で表される化合物。
【請求項24】
A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基であり、Pがメトキシメチル基である、請求項23記載の化合物。
【請求項25】
一般式(VII’)
【化26】
JP0004982842B2_000053t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rは水素原子、カルボキシル基または-CO(ここで、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。)を示し、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示し、ここで、P及びPは、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれる。)で表される化合物。
【請求項26】
A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
一般式(I’)
【化27】
JP0004982842B2_000054t.gif
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、- - - -
単結合または二重結合を示し、P1’は水酸基保護基を示し、P2’は水素原子、P1’が脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基または-SO(ここで、PはP1’が脱保護される条件で脱保護されないスルホン酸保護基を示す。)を示し、ここで、P及びP1’が脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基は、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基から選ばれ、Pは、2,2,2-トリクロロエチル基及び2-(トリメチルシリル)エチル基から選ばれる。)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、P1’がイソプロピル基であり、P2’が水素原子、ベンジル基または2,2,2-トリクロロエトキシスルホニル基である、請求項27記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
一般式(XV)
【化28】
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(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Pはスルホン酸保護基を示し、ここで、Pは、2,2,2-トリクロロエチル基及び2-(トリメチルシリル)エチル基から選ばれる。)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、Pが2,2,2-トリクロロエチル基である、請求項29記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、インテグラーゼ阻害活性を有し、抗レトロウィルス剤として有望なラメラリン類の製造方法に関する。詳細には、ラメラリンα20-サルフェートおよびその関連化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)などのレトロウィルスの複製には、逆転写酵素、プロテアーゼ、インテグラーゼの三種の酵素が必須である。このうち前二種の酵素の阻害剤はエイズ治療に広く使用されている。しかしながら、これらの阻害剤に対する耐性ウィルスが出現するに至り、新たにインテグラーゼ阻害を作用機序とする新規抗HIV剤の開発が求められている。インテグラーゼはヒトの細胞には存在しないため、インテグラーゼの選択的阻害剤は、従来の抗HIV剤に比較して副作用の少ないエイズ治療薬となる可能性が高いが、いまだ医薬として認可されたインテグラーゼ阻害剤は存在せず、早急な開発が求められている。
【0003】
下記式で表されるラメラリンα20-サルフェートは、米国スクリプス海洋研究所のFaulknerらによってアラビア海産ホヤから単離された天然物である。この化合物は、選択的なインテグラーゼ阻害活性を示すばかりでなく、実際のHIVの増殖も阻害する(IC50=8μM)。また細胞毒性は低く(LD50=274μM)、安全性の高い新規抗HIV剤のリード化合物と考えられている(非特許文献1)。
【0004】
【化1】
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【0005】
しかしながら本化合物を天然のホヤから大量に得ることは困難であるため、天然由来の化合物からの誘導化は現実的ではない。従って、新規抗HIV剤開発の観点から、効率的で、各種類縁体への展開が容易に行える、柔軟性の高い化学合成法の開発が求められている。
【0006】

【非特許文献1】Journal of Medicinal Chemistry, 1999, vol. 42, p.1901-1907
【非特許文献2】Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2002, vol. 10, p.3285-3289
【非特許文献3】Tetrahedron Letters, 2003, vol. 44, p.4443-4446
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在ラメラリンα20-サルフェートを得る唯一の技術は、上述のとおりアラビア海産ホヤから抽出するものである(非特許文献1)。Faulknerらによって化学合成の試みが報告されているが、ラメラリンαの20位水酸基の選択的硫酸化には成功しておらず、ラメラリンα-13,20ジサルフェートを少量得たのみであった(非特許文献2参照)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討した。その結果、ラメラリン骨格の柔軟性および汎用性の高い独自の構築法を確立し(非特許文献3)、当該手法を用いてラメラリンαの13位および20位水酸基を異なる保護基で保護した中間体を合成した。さらに、かかる中間体の選択的脱保護と硫酸エステル中間体を経由する硫酸化法を組み合わせることによりラメラリンα20-サルフェートの合成に初めて成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 一般式(II)
【0009】
【化2】
JP0004982842B2_000003t.gif

【0010】
(式中、A環は置換基を有していてもよく、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基または置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基を示す。)で表される化合物(以下、化合物(II)ともいう。)と、一般式(III)
【0011】
【化3】
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【0012】
(式中、B環は置換基を有していてもよく、Rは水素原子、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基を示すか、あるいは互いに結合して環を形成してもよい。Pは水酸基保護基を示す。)で表される化合物(以下、化合物(III)ともいう。)を遷移金属触媒の存在下、反応させることを特徴とする、一般式(IV)
【0013】
【化4】
JP0004982842B2_000005t.gif

【0014】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(IV)ともいう。)の製造方法。
[2] Pがイソプロピル基である、上記[1]記載の製造方法。
[3] 化合物(IV)と、一般式(V)
【0015】
【化5】
JP0004982842B2_000006t.gif

【0016】
(式中、C環は置換基を有していてもよく、Rは水素原子、ハロゲン化されていてもよい低級アルキル基を示すか、あるいは互いに結合して環を形成してもよい。PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示し、PはPおよびPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物(以下、化合物(V)ともいう。)を遷移金属触媒の存在下、反応させることを特徴とする、一般式(VI)
【0017】
【化6】
JP0004982842B2_000007t.gif

【0018】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(VI)ともいう。)の製造方法。
[4] Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基であり、Pがメトキシメチル基である、上記[3]記載の製造方法。
[5] 化合物(VI)のPを選択的に脱保護し、分子内でエステル交換反応を行いラクトン環を形成することを特徴とする、一般式(VII)
【0019】
【化7】
JP0004982842B2_000008t.gif

【0020】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(VII)ともいう。)の製造方法。
[6] Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基であり、Pがメトキシメチル基である、上記[5]記載の製造方法。
[7] 化合物(VII)を加水分解することを特徴とする、一般式(VIII)
【0021】
【化8】
JP0004982842B2_000009t.gif

【0022】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(VIII)ともいう。)の製造方法。
[8] Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、上記[7]記載の製造方法。
[9] 化合物(VIII)を脱炭酸することを特徴とする、一般式(IX)
【0023】
【化9】
JP0004982842B2_000010t.gif

【0024】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(IX)ともいう。)の製造方法。
[10] Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、上記[9]記載の製造方法。
[11] 化合物(IX)を酸化閉環することを特徴とする、一般式(X)
【0025】
【化10】
JP0004982842B2_000011t.gif

【0026】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(X)ともいう。)の製造方法。
[12] Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、上記[11]記載の製造方法。
[13] 化合物(X)を酸化することを特徴とする、一般式(XI)
【0027】
【化11】
JP0004982842B2_000012t.gif

【0028】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(XI)ともいう。)の製造方法。
[14] Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、上記[13]記載の製造方法。
[15] 化合物(XI)のPを選択的に脱保護することを特徴とする、一般式(XII)
【0029】
【化12】
JP0004982842B2_000013t.gif

【0030】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(XII)ともいう。)の製造方法。
[16] Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、上記[15]記載の製造方法。
[17] 化合物(XII)を、一般式(XIII)
【0031】
【化13】
JP0004982842B2_000014t.gif

【0032】
(式中、PはPが脱保護される条件で脱保護されないスルホン酸保護基を示す。)で表される化合物(以下、化合物(XIII)ともいう。)と反応させることを特徴とする、一般式(XIV)
【0033】
【化14】
JP0004982842B2_000015t.gif

【0034】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(XIV)ともいう。)の製造方法。
[18] Pがイソプロピル基であり、Pが2,2,2-トリクロロエチル基である、上記[17]記載の製造方法。
[19] 化合物(XIV)のPを選択的に脱保護することを特徴とする、一般式(XV)
【0035】
【化15】
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【0036】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(XV)ともいう。)の製造方法。
[20] Pがイソプロピル基であり、Pが2,2,2-トリクロロエチル基である、上記[19]記載の製造方法。
[21] 化合物(XV)のPを脱保護することを特徴とする、一般式(I)
【0037】
【化16】
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【0038】
(式中、各記号は前記と同義である。)で表される化合物(以下、化合物(I)ともいう。)またはその塩の製造方法。
[22] Pが2,2,2-トリクロロエチル基である、上記[21]記載の製造方法。
[23] 上記[1]、[3]、[5]、[7]、[9]、[11]、[13]、[15]、[17]、[19]および[21]記載の製造方法から選ばれる少なくとも一つの方法を含むことを特徴とする、化合物(I)またはその塩の製造方法。
[24] 上記[1]、[3]、[5]、[7]、[9]、[11]、[13]、[15]、[17]、[19]および[21]記載の製造方法を含むことを特徴とする、化合物(I)またはその塩の製造方法。
[25]一般式(IV)
【0039】
【化17】
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【0040】
(式中、A環およびB環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基を示し、Pは水酸基保護基を示す。)で表される化合物。
[26] A環およびB環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、Xがトリフルオロメタンスルホニルオキシ基であり、Pがイソプロピル基である、上記[25]記載の化合物。
[27] 一般式(VI)
【0041】
【化18】
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【0042】
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示し、PはPおよびPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物。
[28] A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基であり、Pがメトキシメチル基である、上記[27]記載の化合物。
[29] 一般式(VII’)
【0043】
【化19】
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【0044】
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rは水素原子、カルボキシル基または-CO(ここで、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。)を示し、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物。
[30] A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である、上記[29]記載の化合物。
[31] 一般式(I’)
【0045】
【化20】
JP0004982842B2_000021t.gif

【0046】
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、- - - -は単結合または二重結合を示し、P1’は水素原子または水酸基保護基を示し、P2’は水素原子、P1’が脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基または-SO(ここで、PはP1’が脱保護される条件で脱保護されないスルホン酸保護基を示す。)を示す。但し、P1’およびP2’が同時に水素原子である場合を除く。)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
[32] A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、P1’がイソプロピル基であり、P2’が水素原子、ベンジル基または2,2,2-トリクロロエトキシスルホニル基である、上記[31]記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[33] A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個有していてもよく、P1’が水素原子であり、P2’が2,2,2-トリクロロエトキシスルホニル基である、上記[31]記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[34] 上記[31]~[33]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
[35] 上記[31]~[33]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗レトロウィルス剤。
[36] 抗HIV剤である、上記[35]記載の抗レトロウィルス剤。
[37] 抗HTLV-1剤である、上記[35]記載の抗レトロウィルス剤。
[38] HTLV-1関連ミエロパチー(HAM)の予防・治療剤である、上記[37]記載の抗レトロウィルス剤。
[39] 上記[31]~[33]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するインテグラーゼ阻害剤。
[40] HIVインテグラーゼ阻害剤である、上記[39]記載の阻害剤。
[41] HTLV-1インテグラーゼ阻害剤である、上記[39]記載の阻害剤。
【発明の効果】
【0047】
本発明により、世界初のラメラリンα20-サルフェートの合成法が提供された。本法における各段階の反応は容易にスケールアップできるので、薬理試験等に必要なラメラリンα20-サルフェートの大量供給が可能となった。
本発明の方法には11工程を要するが、安価な市販品である2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチルアミンなどの2-フェニルエチルアミン類から公知の方法により容易に合成することができる化合物(II)を原料としており、さらにラメラリンα20-サルフェートまでの総収率が24%と非常に高く、工業的応用にも充分に耐えうる実用的な合成法である。
さらには出発物質の2-フェニルエチルアミン類、および化合物(II)とのクロスカップリング反応の相手である化合物(III)および化合物(V)の芳香環部分およびその置換基の構造を変化させることにより、多様なラメラリンα20-サルフェート類縁体の合成が可能であり、構造活性相関研究への応用により、さらに高活性で低毒性の抗HIV剤の創製が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明について詳細に検討する。
、RおよびRにおけるハロゲン化されていてもよい低級アルキル基としては、1~3個のハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を有していてもよい炭素数1~9、好ましくは1~4の直鎖または分枝のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等)が挙げられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2,2,2-トリクロロエチル等が挙げられ、好ましくはメチルまたはエチルである。
、RおよびRにおける置換基を有していてもよいアリール基としては、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子等)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等)などから選ばれる置換基を1~3個有していてもよい、炭素数6~20、好ましくは6~10のアリール基(例、フェニル、ナフチル等)が挙げられ、具体的には、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-メトキシフェニル等が挙げられる。
、RおよびRにおける置換基を有していてもよいアラルキル基としては、C1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子等)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等)などから選ばれる置換基を1~3個有していてもよい、炭素数7~20、好ましくは7~10のアラルキル基(例、ベンジル、フェニルエチル等)が挙げられ、具体的には、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、4-メトキシベンジル等が挙げられる。
【0049】
におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは臭素原子またはヨウ素原子である。
における置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基としては、ベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0050】
およびRにおいて、互いに結合して形成される環としては、ピナコールボラン、カテコールボラン等が挙げられる。
【0051】
A環、B環およびC環は、各化学式で置換基が明示されていない位置に、置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、以下のものが例示される。
(a)ハロゲン化されてもよいアルキル基:ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子等)で置換されてもよい炭素数1~9、好ましくは1~4の直鎖または分枝のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等が挙げられ、好ましくはメチルまたはエチルである。
(b)アリール基:炭素数6~20、好ましくは6~10のアリール基、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。
(c)アラルキル基:炭素数7~20、好ましくは7~10のアラルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル等が挙げられる。
(d)アルコキシ基:炭素数1~9、好ましくは1~4の直鎖または分枝のアルコキシ基(但し、イソプロポキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基を除く。)、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられ、好ましくはメトキシまたはエトキシである。
(e)アリールオキシ基:炭素数6~20、好ましくは6~10のアリールオキシ基、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
(f)アラルキルオキシ基:炭素数7~20、好ましくは7~10のアラルキル基(但し、ベンジルオキシ、トリチルオキシは除く)、例えば、2-フェニルエチルオキシ等が挙げられる。
(g)ハロゲン原子:例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
(h)ヒドロキシ基(各工程の反応を阻害する場合は、保護基(例、イソプロピル基、ベンジル基など)で保護されていてもよい。)
(i)アミノ基(各工程の反応を阻害する場合は、保護基(例、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基など)で保護されていてもよい。)
(j)モノアルキルアミノ:炭素数1~9、好ましくは1~4の直鎖または分枝のアルキルアミノ基、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、イソペンチルアミノ、ネオペンチルアミノ、ヘキシルアミノ等が挙げられる。
(k)ジアルキルアミノ:炭素数1~9、好ましくは1~4の直鎖または分枝の、同一または異なるアルキル基を有するアミノ基、例えば、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジsec-ブチルアミノ、ジtert-ブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジイソペンチルアミノ、ジネオペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ等が挙げられる。
(l)アルキルチオ:炭素数1~9、好ましくは1~4の直鎖または分枝のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
(m)アルキルスルホニル:炭素数1~9、好ましくは1~4の直鎖または分枝のアルキルスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル等が挙げられる。
【0052】
当該置換基としてはアルコキシ基が好ましく、特にメトキシまたはエトキシが好ましい。
A環、B環およびC環における置換基の数は特に限定はないが、1~3個が好ましく、1または2個がより好ましい。同一環上における置換基が2以上の場合は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0053】
、PおよびPにおける水酸基保護基は、以下の(1)および(2)の条件を満足する限りにおいて、自体公知のあらゆる水酸基の保護基の組み合わせを採用することができる。
条件(1):PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基である。
条件(2):PはPおよびPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基である。
具体的には、上記(1)および(2)の条件を満足する限りにおいて、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd edition, Wiley, John & Sons, Incorporated (1999)の第3章に記載の種々の保護基(但し、メチル基を除く。)、例えば、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、p-ブロモフェナシル基、シクロプロピルメチル基、アリル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、tert-ブチル基、ベンジル基、2,6-ジメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、o-ニトロベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、4-(ジメチルアミノカルボニル)ベンジル基、9-アントリルメチル基、4-ピコリル基、へプタフルオロ-p-トリル基、テトラフルオロ-4-ピリジル基、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、レブリノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、9-フルオレンカルボニル基、メトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ジメチルホスホニル基、ジメチルチオホスホニル基、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基等からなる群から選ばれる組み合わせが挙げられる。
下記表1に、好ましい水酸基保護基の組み合わせを挙げる。
【0054】
【表1】
JP0004982842B2_000022t.gif

【0055】
上記表1のなかでも、No.1が特に好ましい保護基の組み合わせである。
【0056】
におけるスルホン酸保護基は、以下の(3)の条件を満足する限りにおいて、自体公知のあらゆるスルホン酸の保護基を採用することができる。
条件(3):PはPが脱保護される条件で脱保護されないスルホン酸保護基である。
かかる条件を満たすスルホン酸保護基としては、2,2,2-トリクロロエチル基、2-(トリメチルシリル)エチル基が挙げられ、2,2,2-トリクロロエチル基が特に好ましい。
【0057】
化合物(I)は、硫酸モノエステルであり、塩基との塩の形態であってもよい。かかる塩としては、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等);アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等);アンモニウム塩;有機塩基塩(例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩等);塩基性アミノ酸との塩(リジン塩、アルギニン塩等)等が挙げられる。
【0058】
本発明の方法を下記スキームに示す。
【0059】
【化21】
JP0004982842B2_000023t.gif

【0060】
本発明の原料である化合物(II)は、Tetrahedron Letters, 2003, vol.44, p.4443-4446に記載の方法に準じて、2-フェニルエチルアミン誘導体より、容易に合成することができる。
【0061】
【化22】
JP0004982842B2_000024t.gif

【0062】
(式中、各記号は前記と同義である。)
以下に、各工程について詳細に説明する。
各工程の出発化合物に反応を阻害する置換基(ヒドロキシ基、アミノ基など)が存在する場合は、予め保護基を導入しておくか、または各工程の前に当該置換基を自体公知の方法により保護してもよい。係る保護基としては、イソプロピル基、ベンジル基、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。
当該保護基は、最終工程の後または任意の工程の前後において自体公知の方法により脱保護してもよく、または各工程に反応条件において脱保護されてもよい。各工程に反応条件において脱保護された場合は、さらに再保護してもよい。
以下の各工程で得られる化合物は、常法によって単離・精製(例えば、抽出、洗浄、濃縮、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等)をすることができる。また、特に単離または精製することなく次工程に付することもできる。
【0063】
1.工程(1)
工程(1)は、化合物(II)と化合物(III)を遷移金属触媒の存在下、反応させる化合物(IV)の製造方法である。工程(1)は、いわゆる鈴木カップリング法に準じて行うことができる(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1979, 866)。具体的には、溶媒中に、化合物(II)、化合物(III)および遷移金属触媒を混合することにより行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0064】
化合物(III)は、対応するアリールブロミドをリチオ化するか、またはグリニャール試薬に変換後、ホウ酸エステル類と反応させることにより調製することができる。化合物(III)の使用量は、化合物(II)に対して、通常、1当量~1.5当量、好ましくは1当量~1.1当量である。この範囲より多いと、ジカップリング体が多く生成するため好ましくない。
【0065】
工程(1)に使用される遷移金属触媒としては、(PPhPd、PdCl(PPh2、PdCl(dppf)、Pd(OAc)/PhP等の0価あるいは2価のパラジウム触媒が好ましい。遷移金属触媒の使用量は、化合物(II)に対して、通常、0.001当量~0.2当量、好ましくは0.02当量~0.05当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0066】
工程(1)においては、化合物(III)を活性化し、反応を促進するために、塩基が添加される。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム、炭酸タリウム等が挙げられ、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムが好ましい。塩基の使用量は、化合物(III)に対して、通常、3当量~20当量、好ましくは5当量~8当量である。
【0067】
工程(1)に使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒;トルエン;ジメチルフォルムアミド;ジメチルスルフォキシド;メタノール;水等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(II)1モルに対して5~50Lの範囲である。
【0068】
工程(1)の反応温度は、通常は30℃~150℃であるが、50℃~100℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間~24時間である。
【0069】
2.工程(2)
工程(2)は、化合物(IV)と化合物(V)を遷移金属触媒の存在下、反応させる化合物(VI)の製造方法である。工程(2)は、工程(1)と同様に行うことができる。詳細は省略する。
【0070】
3.工程(3)
工程(3)は、化合物(VI)のPを選択的に脱保護させる化合物(VII)の製造方法である。工程(3)は、上記の条件(1)および条件(2)を満たすP、PおよびPの組み合わせにおいて、Pのみを選択的に脱保護できる反応条件であれば、特に限定することなく行うことができる。
具体的には、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd edition, Wiley, John & Sons, Incorporated (1999)の第3章に記載または引用されたPの脱保護法が挙げられる。
ここでは、代表的な保護基であるメトキシメチル基の脱保護について説明するが、工程(3)は当該脱保護法に限定されない。
なお、Pの脱保護と共にピロール環2位のエステル基とのエステル交換反応によりラクトン化が進行し、化合物(VII)が得られる。
【0071】
メトキシメチル基の脱保護は、例えば、溶媒中において、化合物(VI)と酸を混合することによって行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0072】
酸としては、塩酸、p-トルエンスルフォン酸、カンファースルフォン酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等が挙げられ、塩酸、p-トルエンスルフォン酸等が好ましい。酸の使用量は、化合物(VI)に対して、通常、0.1当量~100当量、好ましくは10当量~30当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0073】
溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒;水;酢酸等の単独、あるいはこれらのプロトン性溶媒とテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒;ジメチルフォルムアミド等との混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(VI)1モルに対して5~50Lの範囲である。
【0074】
反応温度は、通常は30℃~120℃であるが、50℃~80℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常0.5時間~10時間である。
【0075】
4.工程(4)
工程(4)は、化合物(VII)を加水分解させる化合物(VIII)の製造方法である。具体的には、溶媒中に、化合物(VII)および塩基を混合することにより行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0076】
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましい。塩基の使用量は、化合物(VII)に対して、通常、10当量~300当量、好ましくは250当量~300当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0077】
工程(4)に使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、ジグリムなどのエーテル溶媒;メタノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;水等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(VII)1モルに対して10~50Lの範囲である。
【0078】
工程(4)の反応温度は、通常は50℃~100℃であるが、75℃~100℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間~5時間である。
【0079】
反応終了後、得られる粗製物は、一部がラクトン環の開裂によりヒドロキシ-カルボン酸となっている場合があるため、溶媒中において酸で処理することによりラクトン化するのが好ましい。
【0080】
酸としては、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられ、p-トルエンスルホン酸が好ましい。酸の使用量は、化合物(VII)に対して、通常、0.1当量~1当量、好ましくは0.4当量~0.6当量である。
【0081】
溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒;ベンゼン;トルエン等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(VII)1モルに対して10~100Lの範囲である。
【0082】
酸処理の反応温度は、通常は20℃~100℃であるが、40℃~60℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常0.5時間~2時間である。
【0083】
5.工程(5)
工程(5)は、化合物(VIII)を脱炭酸させる化合物(IX)の製造方法である。
工程(5)は、化合物(VIII)が脱炭酸する反応条件であれば、いかなる方法をも採用しうる。
以下に代表的方法について説明するが、工程(5)は当該方法に限定されない。
【0084】
脱炭酸は、例えば、溶媒中または無溶媒において、化合物(VIII)と銅化合物を混合することによって行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0085】
銅化合物としては、銅、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩化銅(II)等が挙げられ、酸化銅(I)等が好ましい。銅化合物の使用量は、化合物(VIII)に対して、通常、1当量~5当量、好ましくは1当量~1.5当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0086】
工程(5)においては、加熱が必要であるため、好ましくは高沸点含窒素極性溶媒中において反応が行なわれる。高沸点含窒素極性溶媒としては、キノリン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、2,6-ルチジン、s-コリジン等が挙げられ、キノリンが好ましい。高沸点含窒素極性溶媒の使用量は、化合物(VIII)1モルに対して、通常、5L~20Lの範囲である。
【0087】
反応温度は、通常は150℃~250℃であるが、180℃~220℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常5分間~30分間である。
【0088】
6.工程(6)
工程(6)は、化合物(IX)を酸化閉環させる化合物(X)の製造方法である。
工程(6)は、化合物(IX)が酸化閉環する反応条件であれば、いかなる方法をも採用しうる。
以下に代表的方法について説明するが、工程(6)は当該方法に限定されない。
【0089】
酸化閉環は、例えば、溶媒中において、化合物(IX)と酸化剤を混合することによって行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0090】
酸化剤としては、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨウド]ベンゼン、[ビス(アセトキシ)ヨウド]ベンゼン、o-ヨードキシ安息香酸等の多価ヨウ素化合物またはフッ化バナジウム等が好ましい。酸化剤の使用量は、化合物(IX)に対して、通常、1当量~3当量、好ましくは1当量~1.5当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0091】
工程(5)において多価ヨウ素化合物を使用する場合は、多価ヨウ素化合物を活性化するため、好ましくはルイス酸が添加される。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素エーテル錯体、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、四塩化チタン等が挙げられ、三フッ化ホウ素エーテル錯体が好ましい。ルイス酸の使用量は、多価ヨウ素化合物に対して、通常、1当量~5当量、好ましくは2当量~3当量である。
【0092】
溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン溶媒;2,2,2-トリフルオロエタノール;ベンゼン;トルエン;ヘキサン等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(IX)1モルに対して50~100Lの範囲である。
【0093】
反応温度は、通常は-78℃~0℃であるが、-50℃~-30℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間~3時間である。
【0094】
7.工程(7)
工程(7)は、化合物(X)を酸化させる化合物(XI)の製造方法である。
具体的には、溶媒中において、化合物(X)と酸化剤を混合することによって行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0095】
酸化剤としては、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)、ヨウ素、パラジウム炭素、クロラニル、二酸化セレン等が挙げられ、DDQが好ましい。酸化剤の使用量は、化合物(X)に対して、通常、1当量~3当量、好ましくは1当量~1.2当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0096】
溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン溶媒;ベンゼン;トルエン等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(X)1モルに対して50~150Lの範囲である。
【0097】
反応温度は、通常は20℃~100℃であるが、40℃~60℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常20時間~40時間である。
8.工程(8)
工程(8)は、化合物(XI)のPを選択的に脱保護させる化合物(XII)の製造方法である。工程(8)は、上記の条件(1)を満たすPおよびPの組み合わせにおいて、Pのみを選択的に脱保護できる反応条件であれば、特に限定することなく行うことができる。
具体的には、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd edition, Wiley, John & Sons, Incorporated (1999)の第3章に記載または引用されたPの脱保護法が挙げられる。
ここでは、代表的な保護基であるベンジル基の脱保護について説明するが、工程(8)は当該脱保護法に限定されない。
【0098】
ベンジル基の脱保護は接触還元により行うことができ、例えば、溶媒中において、化合物(XI)と触媒を、水素ガス雰囲気下にて混合することによって行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0099】
触媒としては、パラジウム炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム炭素等が挙げられ、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素が好ましい。触媒の使用量は、化合物(XI)に対して、通常、5重量%~25重量%、好ましくは10重量%~20重量%である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0100】
溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒;酢酸エチル;水等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(XI)1モルに対して10~100Lの範囲である。
【0101】
水素雰囲気は加圧でも、常圧でもよい。
【0102】
反応温度は、通常は10℃~50℃であるが、20℃~25℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間~10時間である。
【0103】
9.工程(9)
工程(9)は、化合物(XII)と化合物(XIII)を反応させる化合物(XIV)の製造方法である。具体的には、溶媒中に、化合物(XII)、化合物(XIII)および塩基を混合することにより行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0104】
化合物(XIII)は、Hedayatullah, M.; Leveque, J.C.; Denivelle, L. C.R.Acad. Sci. Paris, Serie C, 1971, 273, 1444-1447に記載された方法により合成することができる。化合物(XIII)の使用量は、化合物(XII)に対して、通常、1当量~5当量、好ましくは1.5当量~2当量である。この範囲より多いと、コストが高くなる。
【0105】
工程(9)に使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられ、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンが好ましい。塩基の使用量は、化合物(XII)に対して、通常、1当量~5当量、好ましくは1.5当量~3当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
反応を促進するため、さらに4-(ジメチルアミノ)ピリジンを添加するのがこのましい。4-(ジメチルアミノ)ピリジンの使用量は、化合物(XII)に対して、通常、0.1当量~2当量、好ましくは0.5当量~1.1当量である。
【0106】
工程(9)に使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒;ベンゼン;トルエン等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(XII)1モルに対して1~10Lの範囲である。
【0107】
工程(9)の反応温度は、通常は0℃~50℃であるが、20℃~25℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間~5時間である。
【0108】
10.工程(10)
工程(10)は、化合物(XIV)のPを選択的に脱保護させる化合物(XV)の製造方法である。工程(10)は、上記の条件(3)を満たすPおよびPの組み合わせにおいて、Pのみを選択的に脱保護できる反応条件であれば、特に限定することなく行うことができる。
具体的には、Protective Groups in Organic Synthesis 3rd edition, Wiley, John & Sons, Incorporated (1999)の第3章に記載または引用されたPの脱保護法が挙げられる。
ここでは、代表的な保護基であるイソプロピル基の脱保護について説明するが、工程(10)は当該脱保護法に限定されない。
【0109】
イソプロピル基の脱保護は、例えば、溶媒中において、化合物(XIV)とルイス酸を混合することによって行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0110】
ルイス酸としては、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、三臭化ホウ素、ヨードトリメチルシラン等が挙げられ、三塩化ホウ素、ヨウ化アルミニウムが好ましい。ルイス酸の使用量は、化合物(XIV)に対して、通常、1当量~5当量、好ましくは2当量~3当量である。この範囲より少ないと反応が進行しずらく、多いとコストが高くなる。
【0111】
溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン溶媒;ベンゼン;トルエン等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(XIV)1モルに対して10~50Lの範囲である。
【0112】
反応温度は、通常は-78℃~25℃であるが、-78℃~0℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常2時間~5時間である。
【0113】
11.工程(11)
工程(11)は、化合物(XV)のPを脱保護させる化合物(I)の製造方法である。工程(11)は、上記の条件(3)を満たすPおよびPの組み合わせにおいて、Pを脱保護できる反応条件であれば、特に限定することなく行うことができる。
ここでは、代表的な保護基である2,2,2-トリクロロエチル基の脱保護について説明するが、工程(11)は当該脱保護法に限定されない。
【0114】
2,2,2-トリクロロエチル基の脱保護は、例えば、溶媒中において、化合物(XV)、亜鉛およびアンモニウム塩を混合することによって行うことができる。各試料の添加順序は特に限定はない。
【0115】
亜鉛の使用量は、化合物(XV)に対して、通常、2当量~5当量、好ましくは2.5当量~3.5当量である。この範囲より少ないと反応が進行しづらく、多いとコストが高くなる。
【0116】
アンモニウム塩としては、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられ、ギ酸アンモニウムが好ましい。アンモニウム塩の使用量は、化合物(XV)に対して、通常、1当量~10当量、好ましくは5当量~7当量である。
【0117】
溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、メチルtert-ブチルエーテル、1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド;水等の単独または混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(XV)1モルに対して50~200Lの範囲である。
【0118】
反応温度は、通常は0℃~50℃であるが、20℃~25℃が好ましい。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常3時間~5時間である。
【0119】
当該脱保護法によって、化合物(I)のアンモニウム塩が得られる。化合物(I)のアンモニウム塩は常法により、各種塩基の塩に変換することができる。例えば、ナトリウム型の塩基性イオン交換樹脂(例えば、Amberlite IRS-50)で処理することにより、ナトリウム塩に変換することができる。
【0120】
工程(1)により得られる化合物(IV)は新規化合物であり、ラメラリンα20-サルフェートまたはその類縁体の合成中間体として有用である。
化合物(IV)としては、A環およびB環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個を有していてもよく、Xがトリフルオロメタンスルホニルオキシ基であり、Pがイソプロピル基である態様が好ましい。
【0121】
工程(2)により得られる化合物(VI)は新規化合物であり、ラメラリンα20-サルフェートまたはその類縁体の合成中間体として有用である。
化合物(VI)としては、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個を有していてもよく、Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基であり、Pがメトキシメチル基である態様が好ましい。
【0122】
工程(3)~(5)により得られる一般式(VII’)
【0123】
【化23】
JP0004982842B2_000025t.gif

【0124】
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、Rは水素原子、カルボキシル基または-CO(ここで、Rはハロゲン化されていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。)を示し、Pは水酸基保護基を示し、PはPが脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基を示す。)で表される化合物は新規化合物であり、ラメラリンα20-サルフェートまたはその類縁体の合成中間体として有用である。
化合物(VII')としては、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個を有していてもよく、Pがイソプロピル基であり、Pがベンジル基である態様が好ましい。
【0125】
工程(6)~(10)により得られる一般式(I’)
【0126】
【化24】
JP0004982842B2_000026t.gif

【0127】
(式中、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよく、- - - -は単結合または二重結合を示し、P1’は水素原子または水酸基保護基を示し、P2’は水素原子、P1’が脱保護されない条件で脱保護可能な水酸基保護基または-SO(ここで、PはP1’が脱保護される条件で脱保護されないスルホン酸保護基を示す。)を示す。但し、P1’およびP2’が同時に水素原子である場合を除く。)で表される化合物は新規化合物であり、ラメラリンα20-サルフェートまたはその類縁体の合成中間体、インテグラーゼ阻害剤または抗レトロウィルス剤として有用である。
【0128】
化合物(I')としては、A環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個を有していてもよく、P1’がイソプロピル基であり、P2’が水素原子、ベンジル基または2,2,2-トリクロロエトキシスルホニル基である態様、あるいはA環、B環およびC環はそれぞれ独立に、アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいアルキル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基を1~3個を有していてもよく、P1’が水素原子であり、P2’が2,2,2-トリクロロエトキシスルホニル基である態様が好ましい。
【0129】
化合物(I')の薬学的に許容される塩としては、化合物(I')と無毒の塩を形成するものであればいかなる塩でもよく、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩;又はシュウ酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルコン酸塩、アスコルビン酸塩、メチルスルホン酸塩、ベンジルスルホン酸塩等の有機酸塩;又はナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;又はメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、グアニジン塩、コリン塩、シンコニン塩等の有機塩基塩;又はリジン塩、アルギニン塩等のアミノ酸塩等が挙げられる。また、化合物(I')の水和物または溶媒和物も包含される。
【0130】
化合物(I')は、レトロウィルス増殖の必須酵素であるインテグラーゼの阻害剤等として、哺乳動物(ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)に投与することができる。
本発明の予防・治療の対象となるレトロウィルスとしては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞好リンパ球ウイルス-1(HTLV-1)などが挙げられる。したがって、本発明の化合物(I')はこれらレトロウィルスが引き起こす疾患、例えば後天性免疫不全症候群(acquired immune deficiency syndrome、AIDS)、HTLV-1関連ミエロパチー(HTLV-I-associated myelopathy、HAM)等の予防・治療剤として有用である。
【0131】
化合物を医薬製剤として用いる場合、通常それ自体公知の製薬上許容される担体、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤、その他添加剤、具体的には水、植物油、エタノール又はベンジルアルコール等のアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、ラクトース、デンプン等の炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラノリン、ワセリン等と混合して、常法により錠剤、丸剤、散剤、顆粒、坐剤、注射剤、点眼剤、液剤、カプセル剤、トローチ剤、エアゾール剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の形態となすことにより、全身的或るいは局所的に、経口若しくは非経口で投与することができる。
投与量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法等により異なるが、通常、成人ひとり当たり、1回に0.01mg乃至1gの範囲で、1日1回乃至数回、経口剤或いは静脈注射等の注射剤等の剤形で投与される。
【実施例】
【0132】
以下、本発明について、下記スキームに示される実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0133】
【化25】
JP0004982842B2_000027t.gif

【0134】
以下の製造例、実施例の化合物番号は上記スキームの番号に対応し、(a)~(n)は上記スキームの矢印上の符号に対応する。
【0135】
製造例1
(a) 化合物2の合成:
2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチルアミン (10.0 g, 55 mmol)、ブロモ酢酸メチル (33.3 g, 110 mmol)、炭酸水素ナトリウム (33.3 g, 390 mmol)およびアセトニトリル (150 mL)の混合物を2.5時間、撹拌還流した。放冷後、不溶物を吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。残留する油状物に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ジクロロメタンを減圧留去した。残渣を減圧蒸留し、化合物2を淡黄色の油状物として16.4g得た。収率91%。沸点210℃/1mmHg。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.74 (t, J= 7.8 Hz, 2H), 2.97 (t, J= 7.8 Hz, 2H), 3.60 (s, 4H), 3.71 (s, 6H), 3.85 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 6.72-6.81 (m, 3H).
【0136】
製造例2
(b) 化合物3の合成:
アルゴン雰囲気下、乾燥ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム (2.46 g, 61.5 mmol) とシュウ酸ジメチル (3.63 g, 30.7 mmol) の混合物に乾燥テトラヒドロフラン (25 mL) を加え、撹拌還流を開始した。そこへ化合物2(5.00 g, 15.4 mmol) の乾燥テトラヒドロフラン (75 mL) 溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間撹拌還流した。放冷後、酢酸 (3.5 mL) を加え、溶媒を減圧下留去した。残渣を氷水にあけ、塩酸により混合物のpHを3にした。生成する固体を吸引ろ過により集めた。水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、化合物3を白色粉末として4.98g得た。収率85%。融点141-142℃ (CH2Cl2 / hexane)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.83 (t, J=7.3 Hz, 2H), 3.86 (s, 6H), 3.91 (s, 6H), 4.70 (t, J=7.3 Hz, 2H), 6.58 (d, J=1.7 Hz, 1H), 6.64 (dd, J=1.7 and 8.2 Hz, 1H), 6.78 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.48 (br s, 2H).
【0137】
製造例3
(c) 化合物4の合成:
アルゴン雰囲気下、0℃にて化合物3(4.00g, 10.5 mmol)の乾燥ピリジン (16 mL) 溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物 (3.94 mL, 23.3 mmol)を滴下し、さらに同温度で2時間撹拌した。室温まで上昇させた後、水(20 mL)を加え、エーテルで抽出した。抽出液を3N HCl、水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物4を白色固体として6.25g得た。収率92%。融点64-65℃(CH2Cl2 / hexane)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.99 (t, J=7.0 Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.87 (s, 6H), 5.09 (t, J=7.0 Hz, 2H), 6.59-6.62 (m, 2H), 6.75 (d, J=8.8 Hz, 1H).
【0138】
実施例1
(d) 化合物6の合成:
化合物4(6.43 g, 10.0 mmol)、アリールボロン酸5 (2.10 g, 10.0 mmol)およびPd(PPh3)4(231 mg, 0.20 mmol)の混合物を減圧脱気によりアルゴンに置換した。この固体混合物にテトラヒドロフラン(200 mL)を加え、撹拌溶解した。さらにアルゴンで脱気した炭酸ナトリウム水溶液 [Na2CO3 (7.00 g, 66.0 mmol) + 水(20 mL)]を加えた。この混合物を5時間還流した。放冷後、溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=8:1)で精製し、化合物6を白色固体として5.26g得た。収率80%。融点88.5-90℃(エーテル/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.36 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.04 (t, J= 7.3 Hz, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 4.41-4.55 (m, 1H), 4.96 (t, J= 7.3 Hz, 2H), 6.69 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 6.72 (dd, J= 1.8 and 8.1 Hz, 1H), 6.76-6.82 (m, 3H), 6.87 (d, J= 8.8 Hz, 1H).
【0139】
実施例2
(e) 化合物8の合成:
化合物6(4.33g, 6.57 mmol)、アリールボロン酸7(4.18 g, 13.1 mmol)およびPd(PPh3)4(607 mg, 0.526 mmol) の混合物を減圧脱気によりアルゴンに置換した。この固体混合物にテトラヒドロフラン(66 mL)を加え、撹拌溶解した。さらにアルゴンで脱気した炭酸ナトリウム水溶液 [Na2CO3 (4.60 g, 43.4 mmol) + 水(13 mL)]を加えた。この混合物を20時間、還流した。放冷後、溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)で精製し、化合物6を淡黄色固体として4.62g得た。収率90%。融点102.5-104℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.16 (d, J= 5.4 Hz, 6H), 3.09 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 3.22 (s, 3H), 3.54 (s, 6H), 3.59 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 4.16-4.29 (m, 1H), 4.72 (br s, 2H), 4.88 (br s, 2H), 5.08 (s, 2H), 6.34 (s, 1H), 6.57 (d, J= 1.7 Hz, 1H), 6.62 (dd, J= 1.9 and 8.2 Hz, 1H), 6.72 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.76-6.86 (m, 3H), 7.25-7.46 (m, 5H).
【0140】
実施例3
(f) 化合物9の合成:
化合物8(3.085 g, 3.94 mmol)、メタノール (79 mL)および濃塩酸 (7.9 mL)の混合溶液を2時間撹拌還流した。水 (80 mL)を加えた後、減圧濃縮し、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1)で精製し、化合物9を白色固体として2.578g得た。収率93%。融点98.5-101℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.35 (d, J= 5.6 Hz, 3H), 1.37 (d, J= 5.6 Hz, 3H), 3.09 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 3.44 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 4.45-4.59 (m, 1H), 5.10 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 5.17 (s, 2H), 6.53 (s, 1H), 6.77-6.83 (m, 3H), 6.85-6.90 (m, 3H), 6.98 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.29-7.45 (m, 5H).
【0141】
実施例4
(g) 化合物10の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物9(2.463 g, 3.48 mmol)、エタノール (137 mL)および40%KOH水溶液(137 mL)の混合溶液を3時間撹拌還流した。放冷後、エタノールを留去し、濃塩酸で溶液のpHを2にした。その後、ジクロロメタンで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ジクロロメタンを留去した。残渣にパラトルエンスルホン酸 (331 mg)およびジクロロメタン(150 mL)を加え、その溶液を1時間還流した。反応溶液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=15:1)で精製し、化合物10を淡褐色固体として1.848g得た。収率77%。融点214-215℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.34 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 1.35 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 3.09 (t, J= 7.7 Hz, 2H), 3.43 (s, 3H), 3.83 (s, 6H), 3.91 (s, 3H), 4.46-4.60 (m, 1H), 5.11-5.19 (m, 4H), 6.46 (s, 1H), 6.77 (s, 2H), 6.83 (s, 1H), 6.87-6.96 (m, 3H), 7.01 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.29-7.44 (m, 5H).
【0142】
実施例5
(h) 化合物11の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物10(1.582 g, 2.28 mmol)、Cu2O (326 mg, 2.28 mmol)およびキノリン (25 mL)の混合物を220℃に設定下油浴中で10分間加熱撹拌した。放冷後、ジクロロメタンで希釈し、セライトでろ過した。ろ液をエバポレートしジクロロメタンを除いた。その後キノリンを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物11を淡黄色固体として1.418g得た。収率96%。融点135-136℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.37 (d, J= 6.1 Hz, 6H), 3.10 (t, J= 7.0 Hz, 2H), 3.58 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 4.45-4.59 (m, 1H), 4.63 (t, J= 7.0 Hz, 2H), 5.19 (s, 2H), 6.60 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 6.68 (dd, J= 1.8 and 8.1 Hz, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.78 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 6.90-6.97 (m, 4H), 7.10 (s, 1H), 7.28-7.47 (m, 5H).
【0143】
実施例6
(i) 化合物12の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物11(1.000 g, 1.54 mmol)をジクロロメタン(110 mL)に撹拌溶解し、-40℃に冷却した。この溶液にフェニルヨウ素 (III) ビス(トリフルオロアセテート) (794 mg, 1.85 mmol)とBF3・OEt2 (468 mL, 3.69 mmol)のジクロロメタン(37 mL)溶液を滴下した。同温度にて1.5時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温にもどした。反応溶液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1)で精製し、化合物12を淡黄色固体として0.944g得た。収率95%。融点209-210℃(ジクロロメタン/ジエチルエーテル混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.33 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 1.35 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 3.11 (t, J= 6.7 Hz, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.47 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 4.46-4.60 (m, 1H), 4.68-4.89 (m, 2H), 5.16 (s, 2H), 6.68 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 7.03-7.20 (m, 3H), 7.28-7.46 (m, 5H).
【0144】
実施例7
(j) 化合物13の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物12(893 mg, 1.38 mmol)、DDQ(312 mg, 1.38 mmol)およびジクロロメタン(160 mL)の混合溶液を30時間還流した。ジクロロメタンを減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1)で精製し、化合物13を淡黄色固体として882mg得た。収率99%。融点208-209℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.35 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 1.36 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 3.47 (s, 3H), 3.49 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 4.48-4.61 (m, 1H), 5.19 (s, 2H), 6.77 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 7.05 (d, J= 7.3 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.12-7.22 (m, 4H), 7.28-7.47 (m, 5H), 9.22 (d, J= 7.3 Hz, 1H).
【0145】
実施例8
(k) 化合物14の合成:
水素雰囲気下(常圧)、化合物13(500 mg, 0.774 mmol)、10% Pd-C (100 mg)および酢酸エチル (40 mL)の混合物を2時間激しく撹拌した。混合物をセライトろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製し、化合物14を淡黄色固体として424mg得た。収率99%。融点262.5-263.5℃(ジクロロメタン/ジエチルエーテル混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.36 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 1.37 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.51 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 4.49-4.62 (m, 1H), 5.81 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 7.05 (d, J= 7.3 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.12-7.23 (m, 4H), 9.24 (d, J= 7.3 Hz, 1H).
【0146】
実施例9
(l) 化合物15の合成:
アルゴン雰囲気下、化合物14(224 mg, 0.403 mmol)、4-ジメチルアミノメチルピリジン (49 mg, 0.403 mmol)、トリエチルアミン (112 mL, 0.806 mmol)およびテトラヒドロフラン (5.0 mL)の混合溶液に、クロロ硫酸トリクロロエチル (200 mg, 0.806 mmol)のテトラヒドロフラン (2.0 mL)の溶液を滴下した。室温で4時間撹拌した後、水を加え反応を止めた。溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン抽出を行った。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン)で精製し、化合物15を淡黄色固体として296mg得た。収率96%。融点144-146℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1.36 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 1.37 (d, J= 6.0 Hz, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.50 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 4.00 (s, 3H), 4.49-4.64 (m, 1H), 4.91 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 4.95 (d, J= 10.8 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 7.09 (d, J= 7.4 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.13-7.23 (m, 4H), 7.46 (s, 1H), 9.21 (d, J= 7.4 Hz, 1H).
【0147】
実施例10
(m) 化合物16の合成:
アルゴン雰囲気下、-78℃において、化合物15(100 mg, 0.130 mmol)のジクロロメタン (5.0 mL)溶液に、三塩化ホウ素の1Mへプタン溶液 (391 mL, 0.391 mmol)を滴下し、30分撹拌した。その後、0℃に昇温し、同温度にて4時間撹拌した。水 (3.0 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (2 mL)を順次加え、反応を停止した。反応溶液に酢酸エチルを加え、分離した有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)で精製し、化合物16を淡黄色固体として91mg得た。収率96%。融点239-240℃(ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.50 (s, 3H), 3.52 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 4.01 (s, 3H), 4.94 (s, 2H), 5.86 (s, 1H), 6.95 (s, 1H), 7.07-7.16 (m, 4H), 7.19 (s, 1H), 7.21 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 7.47 (s, 1H), 9.21 (d, J= 7.4 Hz, 1H).
【0148】
実施例11
(n) 化合物17(ラメラリン α 20-サルフェート)の合成:
化合物16(50 mg, 0.069 mmol)、ギ酸アンモニウム (26 mg, 0.414 mmol)、亜鉛末 (14 mg, 0.207 mg atom)、テトラヒドロフラン (5.0 mL)およびメタノール (5.0 mL)の混合物を室温にで4時間撹拌した。セライトろ過し、ろ液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、目的物のアンモニウム塩を得た。このアンモニウム塩をイオン交換樹脂Amberlite IRS-50 (Na型)のカラムに通し(メタノール)、ナトリウム塩に変換した。このようにして得られた粗製の化合物17を、Sephadex LH-20のカラムに通し(ジクロロメタン:メタノール=1:1)、純粋な化合物17(ラメラリン α 20-サルフェート)を淡黄色固体として34mg得た。収率80%。融点263-269℃(分解、未再結晶)。
IR (KBr): 3448, 1695, 1487, 1419, 1272, 1223, 1167, 1048, 839 cm-1;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 17mg/0.7 mL): δ 3.37 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 6.80 (s, 1H), 6.94 (dd, J= 2.0 and 8.0 Hz, 1H), 7.05 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.19 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J= 7.4 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 8.48 (br s, 1H), 9.03 (d, J= 7.4 Hz, 1H);
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6, 17mg/0.7 mL): δ 54.36, 54.96, 55.48, 55.97, 104.63, 105.64, 106.80, 108.00, 108.66, 111.13, 111.40, 112.70, 113.42, 118.00, 118.05, 121.36, 121.88, 124.09, 126.83, 127.80, 133.26, 143.00, 144.93, 146.48, 147.87, 147.99, 148.71, 149.71, 153.96.
HRFABMS m/z. Calcd for C29H23NNaO11S [(M+H)+]: 616.0890. Found: 616.0889.
HRFABMS m/z. Calcd for C29H22NO11S [(M-Na)-]: 592.0914. Found: 592.0913.
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明の方法は、ラメラリンα20-サルフェートまたはその類縁体の柔軟性の高い、実用的な方法であるので、ラメラリンα20-サルフェートの大量調製やその類縁体の合成に適している。したがって、新規な抗HIV剤の開発に応用可能な、優れた方法である。