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明細書 :光反応器及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5429947号 (P5429947)
登録日 平成25年12月13日(2013.12.13)
発行日 平成26年2月26日(2014.2.26)
発明の名称または考案の名称 光反応器及びその製造方法
国際特許分類 B01J  19/24        (2006.01)
C02F   1/72        (2006.01)
C02F   1/30        (2006.01)
B01J  19/12        (2006.01)
FI B01J 19/24 A
C02F 1/72 101
C02F 1/30
B01J 19/12 C
請求項の数または発明の数 15
全頁数 15
出願番号 特願2011-539824 (P2011-539824)
出願日 平成23年7月29日(2011.7.29)
国際出願番号 PCT/JP2011/004335
国際公開番号 WO2012/017637
国際公開日 平成24年2月9日(2012.2.9)
優先権出願番号 2010174257
優先日 平成22年8月3日(2010.8.3)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成23年12月27日(2011.12.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
発明者または考案者 【氏名】宇佐美 久尚
個別代理人の代理人 【識別番号】100088579、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 茂
審査官 【審査官】菅野 智子
参考文献・文献 特開平09-239358(JP,A)
特開2000-117271(JP,A)
特開平09-290258(JP,A)
特開2002-166176(JP,A)
特開2005-334734(JP,A)
調査した分野 B01J 10/00-12/02
B01J 14/00-19/32
C02F 1/20-1/26
C02F 1/60-7/38
C02F 1/70-1/78
特許請求の範囲 【請求項1】
ガラス管の中にガラス素材により形成した多数の粒体を収容し、かつガラス管の中に流体を流通可能に構成した光反応器において、前記ガラス管と前記粒体間の当接部,及び前記粒体同士間の当接部を、それぞれ所定の面積を有する溶着面とすることにより、前記ガラス管及び前記粒体に前記溶着面を介して連続する導光路を設けてなることを特徴とする光反応器。
【請求項2】
前記溶着面を除く前記粒体の表面及び前記ガラス管の内面には、光触媒層を設けてなることを特徴とする請求項1記載の光反応器。
【請求項3】
前記ガラス管は、外周面に対して外部の発光部から光を照射可能な単管であることを特徴とする請求項1又は2記載の光反応器。
【請求項4】
前記ガラス管は、断面形状を円形に形成することを特徴とする請求項1,2又は3記載の光反応器。
【請求項5】
前記ガラス管は、断面形状を非円形に形成するとともに、この非円形には、少なくとも、多角形,長辺側が短辺側に対して三倍以上となる直線状又は曲線状の細長形状を含むことを特徴とする請求項1,2又は3記載の光反応器。
【請求項6】
前記ガラス管は、同軸上に外管と内管を配し、中心に発光部を配設可能にするとともに、前記外管と前記内管の間に前記粒体を収容可能に構成した二重管であることを特徴とする請求項1又は2記載の光反応器。
【請求項7】
前記粒体は、単一のガラス素材により形成することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の光反応器。
【請求項8】
前記粒体は、単一のガラス素材により形成した基体の表面に、当該ガラス素材よりも融点の低い透明素材によるコーティング層を設けてなることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の光反応器。
【請求項9】
前記粒体は、同一径の球状に形成することを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の光反応器。
【請求項10】
前記ガラス管の一端が被処理水の流入口となり、かつ他端が処理水の流出口となる浄水装置に用いることを特徴とする請求項2~9のいずれかに記載の光反応器。
【請求項11】
ガラス管の中にガラス素材により形成した多数の粒体を収容し、かつガラス管の中に流体を流通可能な光反応器を製造するための光反応器の製造方法において、前記ガラス管に前記粒体を充填した後、当該粒体を充填したガラス管を所定の加熱温度で加熱することにより、前記ガラス管と前記粒体間の当接部,及び前記粒体同士間の当接部に、それぞれ所定の面積を有する溶着面を生成し、前記ガラス管及び前記粒体に前記溶着面を介して連続する導光路を設けることを特徴とする光反応器の製造方法。
【請求項12】
前記ガラス管と前記粒体間の当接部,及び前記粒体同士間の当接部に、前記溶着面を生成した後、前記ガラス管の内部に光触媒用溶液を充填するとともに、この後、当該光触媒用溶液を前記ガラス管から排出し、前記溶着面を除く前記粒体の表面及び前記ガラス管の内面に光触媒層を設けることを特徴とする請求項11記載の光反応器の製造方法。
【請求項13】
前記溶着面は、単一のガラス素材により形成した粒体の表面に直接生成することを特徴とする請求項11又は12記載の光反応器の製造方法。
【請求項14】
前記ガラス管の素材は、前記粒体の素材よりも融点の高い素材を用いることを特徴とする請求項11,12又は13記載の光反応器の製造方法。
【請求項15】
前記粒体は、単一のガラス素材により形成した基体の表面に、当該ガラス素材よりも融点の低い透明素材によるコーティング層を設けてなり、前記溶着面は、前記コーティング層により生成することを特徴とする請求項11又は12記載の光反応器の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス管の中にガラス素材により形成した多数の粒体を収容し、かつガラス管の中に流体を流通可能に構成した光反応器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス素材により形成した粒体の表面に二酸化チタンをコーティングして構成した光触媒体を、ガラス管等の容器に多数収容し、この光触媒体に光(紫外線)を照射するとともに、被処理水を通過させることにより、当該被処理水を浄化するようにした浄水装置(光反応器)は知られており、特許文献1には浄化装置が開示され、また、特許文献2には水処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示される浄化装置は、ガラス等のように紫外線を透過させる材料で形成された両端が開放された外管と、この外管に収容されて、外管との間に、ガラスビーズ表面にアナターゼ型二酸化チタンが被覆された光触媒が充填されると共に、被処理水が供給される処理空間を形成する内管と、外管の両端部に設けられたガラスフィルタと、外管の近傍に配置された紫外線を照射する紫外線ランプと、紫外線ランプから照射された紫外線を外管に向けて反射する反射板とを備えて構成したものであり、また、特許文献2に開示される水処理装置は、円筒形状容器である処理槽が、駆動装置の回転支軸上に取り付けられ、中心軸を軸にして、毎分1~5回転程度の速さで回転するよう設置され、その内部には、球状ガラスの担体にアナターゼ型結晶からなる二酸化チタンを主成分としたコーティングが施された無数の光触媒体を収容しており、さらにこの光触媒体に対して光を照射する棒状紫外線ランプが配置され、さらに、処理槽の一方に被処理水の導入パイプが、また、他方に、排出パイプが設けられ、この処理槽に所定の流通量となるよう被処理水が導入・排出されるように設定されたものである。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平9-239358号公報
【特許文献2】特開2000-117271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来における浄水装置(浄化装置,水処理装置)は、次のような問題点があった。
【0006】
いずれの浄水装置も、ガラス素材により形成した粒体の表面に二酸化チタンをコーティングして構成した光触媒体を多数用いることにより、被処理水に対する二酸化チタン(光触媒)の接触面積を増大させて処理能力(処理効率)を高めている。一方、光触媒に対しては紫外線を照射する必要があるため、特許文献1のように、ガラス管に多数の光触媒体を充填した場合には、多くの光触媒体は他の光触媒体の陰になる。したがって、陰になる光触媒体は活性化されなくなり、紫外線の照射面積を増大させる観点からは不十分となる。結局、処理能力(処理効率)を高めるには限界がある。
【0007】
他方、特許文献2は、処理槽を毎分1~5回転程度の速さで回転させるため、この処理槽に収容された光触媒体はランダムに撹拌される。したがって、全ての光触媒体を平均的に活性化できるものの陰になる光触媒体を活性化できない点は引用文献1の場合と同じであり、紫外線の照射面積を増大させる観点からは不十分となる。しかも、大型の処理槽やこの処理槽を回転させる駆動装置が必要となるなど、装置全体のコストアップ及び大型化を招くとともに、電力を使用する必要があることから、省エネルギ性に劣り、加えて、使用できる場所が限定されるなど、汎用性にも劣る。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した光反応器及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る光反応器1は、上述した課題を解決するため、ガラス管2の中にガラス素材により形成した多数の粒体3…を収容し、かつガラス管2の中に流体Lを流通可能に構成した光反応器であって、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部を、それぞれ所定の面積を有する溶着面J…とすることにより、ガラス管2及び粒体3…に溶着面J…を介して連続する導光路Cを設けてなることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面には光触媒層4を設けることができる。一方、ガラス管2は、外周面に対して外部の発光部5から光を照射可能な単管を用いることができる。ガラス管2は、断面形状を、円形に形成してもよいし、或いは、非円形に形成してもよい。この際、非円形には、少なくとも、多角形,長辺側が短辺側に対して三倍以上となる直線状又は曲線状の細長形状を含ませることができる。なお、ガラス管2は、同軸上に外管2eと内管2iを配し、中心に発光部5を配設可能にするとともに、外管2eと内管2iの間に粒体3…を収容可能に構成した二重管を用いることもできる。他方、粒体3…は、単一のガラス素材により形成してもよいし、或いは単一のガラス素材により形成した基体3b…の表面に、当該ガラス素材よりも融点の低い透明素材によるコーティング層3c…を設けて構成してもよい。さらに、粒体3…は、同一径の球状に形成することができる。なお、光反応器1は、ガラス管2の一端が被処理水Laの流入口2aとなり、かつ他端が処理水Lbの流出口2bとなる浄水装置Mに用いることができる。
【0011】
一方、本発明に係る光反応器1の製造方法は、上述した課題を解決するため、ガラス管2の中にガラス素材により形成した多数の粒体3…を収容し、かつガラス管2の中に流体Lを流通可能な光反応器1を製造するに際し、ガラス管2に粒体3…を充填した後、当該粒体3…を充填したガラス管2を所定の加熱温度Thで加熱することにより、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部に、それぞれ所定の面積を有する溶着面J…を生成し、ガラス管2及び粒体3…に溶着面J…を介して連続する導光路Cを設けるようにしたことを特徴とする。
【0012】
この場合、発明の好適な態様により、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部に溶着面J…を生成した後、ガラス管2の内部に光触媒用溶液Kを充填するとともに、この後、当該光触媒用溶液Kをガラス管2から排出し、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面に光触媒層4を設けることができる。また、溶着面Jは、単一のガラス素材により形成した粒体3…の表面に、直接生成してもよいし、或いは粒体3…を、単一のガラス素材により形成した基体3b…の表面に、当該ガラス素材よりも融点の低い透明素材によるコーティング層3c…を設けて構成し、このコーティング層3c…により生成してもよい。なお、単一のガラス素材により形成した粒体3…の表面に溶着面Jを直接生成する際には、ガラス管2の素材として、粒体3…の素材よりも融点の高い素材を用いることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
このような本発明に係る光反応器1及びその製造方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0014】
(1) ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部を、それぞれ所定の面積を有する溶着面J…とすることにより、ガラス管2及び粒体3…に溶着面J…を介して連続する導光路Cを設けたため、ガラス素材により形成した多数の粒体3…を用い、かつガラス管2の外部から光を照射する場合であっても、ガラス管2の内部に流体Lを流通させた際には、流体Lに対する粒体3…の表面の接触面積を増大させることと同時に、粒体3…の表面に対する照射面積を増大させることができ、流体Lに対する処理能力(処理効率)を飛躍的に高めることができる。
【0015】
(2) 光反応器1を製造するに際しては、ガラス管2に粒体3…を充填した後、当該粒体3…を充填したガラス管2を所定の加熱温度Thで加熱することにより、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部に、それぞれ所定の面積を有する溶着面J…を生成すれば足りるため、少ない部品点数により極めて容易に製造することができ、全体のコストダウン及び小型コンパクト化を実現できるとともに、動力部等は不要なため、省エネルギ性及び汎用性にも優れる。
【0016】
(3) 好適な態様により、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面に光触媒層4を設ければ、ガラス管2の一端が被処理水Laの流入口2aとなり、かつ他端が処理水Lbの流出口2bとなる浄水装置M等を容易に構成することができるとともに、被処理水Laを浄化する際における処理能力(処理効率)を飛躍的に高め、しかも、コストダウン及び小型コンパクト化を図ることができる浄水装置M等として提供できる。
【0017】
(4) 好適な態様により、ガラス管2に、外周面に対して外部の発光部5から光を照射可能な単管を用いれば、よりシンプルで廉価な光反応器1を構成できる。
【0018】
(5) 好適な態様により、ガラス管2の断面形状を円形に形成すれば、最もポピュラな形状にできるため、容易かつ低コストに製造できる。
【0019】
(6) 好適な態様により、ガラス管2の断面形状を非円形に形成するとともに、この非円形に、少なくとも、多角形,長辺側が短辺側に対して三倍以上となる直線状又は曲線状の細長形状を含ませれば、様々な用途や目的、更には発光部5の種類や形状等に柔軟対応させることにより、処理効率の向上や最適化を容易に実現することができる。
【0020】
(7) 好適な態様により、同軸上に外管2eと内管2iを配し、中心に発光部5を配設可能にするとともに、外管2eと内管2iの間に粒体3…を収容可能にした二重管を用いれば、リング状に配される各粒体3…に対して、中心に配した発光部5から360゜の方向に光を照射できるため、粒体3…に対する実質的な照射面積(照射効率)をより高めることができる。
【0021】
(8) 好適な態様により、粒体3…を単一のガラス素材により形成すれば、粒体3…の表面に溶着面J…を直接生成できるため、損失の少ない導光路Cを容易に設けることができる。
【0022】
(9) 好適な態様により、ガラス管2の素材に、粒体3…の素材よりも融点の高い素材を用いれば、粒体3…の表面に溶着面J…を直接生成する場合であっても、ガラス管2の無用な変形を招くなどの悪影響を回避することができる。
【0023】
(10) 好適な態様により、粒体3…を、単一のガラス素材により形成した基体3b…の表面に、当該ガラス素材よりも融点の低い透明素材によるコーティング層3c…を設けて構成すれば、コーティング層3c…により溶着面J…を生成できるため、より低い加熱温度により光反応器1を製造可能となり、特に、基体3b…の無用な溶解を回避することができる。
【0024】
(11) 好適な態様により、粒体3…を、同一径の球状に形成すれば、処理性能においてバラツキの少ない、品質及び均質性の高い光反応器1を得ることができる。
【0025】
(12) 好適な態様により、光反応器1を製造するに際し、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部に溶着面J…を生成した後、ガラス管2の内部に光触媒用溶液Kを充填するとともに、この後、当該光触媒用溶液Kをガラス管2から排出し、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面に光触媒層4を設けるようにすれば、粒体3…の表面及びガラス管2の内面に均一の光触媒層4を容易に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の最良実施形態に係る光反応器の正面視の原理的断面構成図、
【図2】同光反応器の一部を省略した側面断面図、
【図3】同光反応器における一部の粒体の抽出拡大断面を含む作用説明図、
【図4】同光反応器に使用するガラスの光波長に対する透過率特性図、
【図5】同光反応器における粒体同士の光波長に対する光強度特性図、
【図6】図4に示す光強度特性を測定する際の測定条件説明図、
【図7】同光反応器による被処理液の処理結果を示す特性図、
【図8】同光反応器における粒体に用いるコーティング層の評価用特性図、
【図9】同光反応器の製造方法を説明するためのフローチャート、
【図10】同光反応器の製造方法を説明するための模式的工程図、
【図11】本発明の変更実施形態に係る光反応器における一部の粒体の断面図、
【図12】本発明の他の変更実施形態に係る光反応器の一部を示す側面断面図、
【図13】本発明の他の変更実施形態に係る光反応器の一部を示す側面断面図、
【図14】本発明の他の変更実施形態に係る光反応器の一部を示す側面断面図、
【図15】本発明の他の変更実施形態に係る光反応器の一部を示す斜視図、
【図16】本発明の他の変更実施形態に係る光反応器のガラス管の組付説明図、
【図17】本発明の他の変更実施形態に係る光反応器の一部を示す斜視図、
【図18】本発明の他の変更実施形態に係る光反応器の一部を示す斜視図、
【符号の説明】
【0027】
1:光反応器,2:ガラス管,2e:外管,2i:内管,2a:流入口,2b:流出口,3…:粒体,3b…:基体,3c…:コーティング層,4:光触媒層,5:発光部,L:流体,La:被処理水,Lb:処理水,J…:溶着面,C:導光路,M:浄水装置,K:光触媒用溶液
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明に係る最良実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0029】
まず、本実施形態に係る光反応器1の構成について、図1~図7を参照して具体的に説明する。
【0030】
本実施形態に係る光反応器1は、基本的な構成として、図1及び図2に示すように、ガラス管2の中に、ガラス素材により形成した多数の粒体3…を収容し、かつガラス管2の中に流体Lを流通可能にするとともに、特に、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部を、それぞれ所定の面積を有する溶着面J…とすることにより、ガラス管2及び粒体3…に、溶着面J…を介して連続する導光路Cを設けたものである。したがって、図1及び図3に示すように、ガラス管2と粒体3間の当接部,及び粒体3と3同士間の当接部は、それぞれ溶着面Jとして生成するため、ガラス管2の外周面に照射された光は、点線で示すように、各粒体3…間に連続する導光路Cを透過し、ガラス管2内のほとんどの粒体3…対して光強度が大きく劣化することなく効率的に導かれる。
【0031】
本実施形態は、このような光反応器1を、図2のような浄水装置Mに用いる場合を例示する。したがって、本実施形態に係る光反応器1は、上述した基本的な構成に対して、さらに、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面に、アナターゼ型の二酸化チタン(TiO2)を用いた光触媒層4を設けている。このため、例示の光反応器1は、図2に示すように、ガラス管2の一端が被処理水Laの流入口2aとなり、かつ他端が処理水Lbの流出口2bとなる。
【0032】
この場合、ガラス管2は、図1に示すように、外周面に対して外部の発光部5から光を照射可能な断面形状が円形の単管であり、パイレックス(登録商標)ガラス等の耐熱ガラスを用いて形成する。したがって、使用するガラス管2は、所定の径を有する長いガラスパイプから使用する長さ分だけ切断すれば、容易に目的のガラス管2を得ることができる。なお、本実施形態では、ガラス管2にパイレックス(登録商標)ガラスを用いた。このように、ガラス管2の断面形状を円形に形成すれば、最もポピュラな形状にできるため、容易かつ低コストに製造できる利点がある。
【0033】
また、粒体3は、ガラス素材を用いることにより同一径の球状に形成する。同一径となる球状の粒体3…を用いることにより、処理性能においてバラツキの少ない、品質及び均質性の高い光反応器1を得ることができる。粒体3のガラス素材には、汎用的な板ガラス等に用いるソーダガラスを用いることができる。一方、光触媒層4における光触媒を活性化させる紫外線照射光の光源となる外部の発光部5には、ブラックランプを用いることができる。
【0034】
図4は、パイレックス(登録商標)ガラス,ソーダガラス及びブラックランプの評価データであり、各ガラスの光波長に対する透過率特性及びブラックランプ(10〔W〕)の放射スペクトル特性を示す。図4中、Gpはパイレックス(登録商標)ガラスの透過率、Gsはソーダガラスの透過率、Fbはブラックランプの放射スペクトルである。パイレックス(登録商標)ガラスは、光波長が300〔nm〕以上で85~95〔%〕の透過率を確保し、ソーダガラスは、光波長が350〔nm〕以上で85~95〔%〕の透過率を確保する。また、ランプの相対光強度は、光波長が350~400〔nm〕の間に存在する。したがって、粒体3…として廉価なソーダガラスを使用するとともに、紫外線照射光の光源としてブラックランプを使用した場合であっても、必要十分な導光性を確保できる。
【0035】
図5は、粒体3…同士の光波長に対する光強度特性を示す。図5中、Fiは、二つの粒体3と3間に溶着面Jを設けた場合の光強度特性であり、このときの測定条件を図6(a)に示す。また、Frは、二つの独立した粒体3と3を単に接触させた場合の光強度特性であり、このときの測定条件を図6(b)に示す。図6(a),(b)に示すように、光強度特性は、二つの並んだ粒体3,3の並び方向の一端側に入光側光ファイバ41の一端を対向させ、かつ並び方向の他端側に出光側光ファイバ42の一端を対向させるとともに、入光側光ファイバ41の他端に発光源の光を入光させ、かつ出光側光ファイバ42の他端に分光器を臨ませて測定した。図6(b)に示すように独立した粒体3と3を単に接触させたのみでは、いずれの波長域であってもほとんど光は透過しない。しかし、図6(a)に示す本実施形態のように、粒体3と3間に溶着面Jを生成することにより、少なくとも光波長が350〔nm〕以上において、十分な光の透過性(導光性)を確認できる。
【0036】
このように、ガラス管2にパイレックス(登録商標)ガラス等の耐熱ガラスを使用し、粒体3…にソーダガラスを使用すれば、結果的に、ガラス管2の素材は、粒体3…の素材よりも融点が高くなる。したがって、粒体3…の表面に溶着面J…を直接生成する場合であっても、ガラス管2の無用な変形を招くなどの悪影響を回避することができる。また、単一のガラス素材により形成した粒体3…同士を溶着するため、粒体3…の表面に溶着面J…を直接生成でき、損失の少ない導光路Cを容易に設けることができる。さらに、ガラス管2には、外周面に対して外部の発光部5から光を照射可能な単管を用いるため、よりシンプルで廉価な光反応器1を構成可能である。
【0037】
一方、光触媒層4は、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面に、コーティングにより設ける。光触媒層4には前述した二酸化チタンを用いるため、光触媒による酸化反応及び分解反応により、公知の作用である空気洗浄、浄水,脱臭、除菌、防汚等の作用が行われる。即ち、図3に示すように、粒体3(ソーダガラス)に設けた光触媒層4の表面に汚染物質Xが接触している場合、同時に励起光(紫外線)Uが照射されていることを条件にして汚染物質Xの浄化が行われる。特に、この条件を満たす浄化作用は、液体の場合、気体に比べて著しく低くなるため、実際、液体の場合、気体に比べて1000倍の処理能力が必要とされる。したがって、光触媒層4の表面に汚染物質Xを接触さる実質的な接触面積を増大させると同時に、励起光Uが照射される実質的な照射面積を増大させることは、浄水装置1の処理能力を高める上での重要な課題となる。
【0038】
本実施形態に係る光反応器1は、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部を、それぞれ所定の面積を有する溶着面J…とすることにより、ガラス管2及び粒体3…に溶着面J…を介して連続する導光路Cを設けるようにしたため、ガラス素材により形成した多数の粒体3…を用い、かつガラス管2の外部から光を照射する場合であっても、ガラス管2の内部に流体Lを流通させた際には、流体Lに対する粒体3…の表面の接触面積を増大させることと同時に、粒体3…の表面に対する照射面積を増大させることができ、流体Lに対する処理能力(処理効率)を飛躍的に高めることができる。また、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面に二酸化チタンを用いた光触媒層4を設けたため、ガラス管2の一端が被処理水Laの流入口2aとなり、かつ他端が処理水Lbの流出口2bとなる浄水装置M等を容易に構成することができるとともに、被処理水Laを浄化する際における処理能力(処理効率)を飛躍的に高め、しかも、コストダウン及び小型コンパクト化を図ることができる浄水装置M等として提供できる。
【0039】
図7は、光反応器1(浄水装置M)による被処理液Laの処理結果を示す。図7は、50〔mM〕,pH3.0,4〔mL〕のメチレンブルーを、光反応器1に収容するとともに、ブラックランプからの紫外線をガラス管2の周面に照射した際における処理結果であり、図7中、Qrはメチレンブルー(被処理液La)の初期濃度、Qiは処理後のメチレンブルー(処理液Lb)の濃度を示す。また、Qpは溶着面J…を設けない場合の比較例であり、独立した粒体3…を従来と同様にそのままガラス管2に充填し、Qiの場合と同一の条件により処理した結果を示す。本実施形態に係る光反応器1(浄水装置M)を用いた場合(Qi)には、従来の場合(Qp)に比べ、格段に高い浄水効果を得ることができる。
【0040】
次に、本実施形態に係る光反応器1の製造方法について、図9に示すフローチャート及び図10(a)~(d)を参照して説明する。
【0041】
まず、使用部品であるガラス管2及び多数の粒体3…を準備するとともに、光触媒層4を設けるための光触媒用溶液Kを準備する(ステップS1)。光触媒用溶液Kは、二酸化チタンを主成分とし、必要なバインダ等を含ませることができる。準備が終了したなら、図10(a)に示すように、基板治具21の上にガラス管2を起立させ、ガラス管2の上端開口から粒体3…を投入することによりガラス管2の内部に充填する(ステップS2)。次いで、図10(b)に示すように、ヒータ22により加熱を行う加熱炉23の内部に、粒体3…を充填したガラス管2を収容し、予め設定した加熱温度Th〔℃〕の温度環境下で予め設定した加熱時間Zhだけ加熱処理する(ステップS3,S4)。これにより、ガラス管2と粒体3…の表面は、加熱温度Th〔℃〕により溶解し、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部がそれぞれ溶着することにより、所定の面積を有する溶着面J…が生成される。この場合、加熱温度Th〔℃〕が低過ぎる場合には溶解不足が発生し、十分かつ良好な溶着面J…が得られない。また、加熱温度Th〔℃〕が高過ぎる場合には過度に溶解し、良好な内部形状が得られないとともに、流路も狭くなる。したがって、加熱温度Th〔℃〕及び加熱時間Zhは、実験等により最適値を設定することが望ましい。なお、例示の場合、加熱温度Th〔℃〕としては、600~700〔℃〕程度が望ましい。これにより、ガラス管2及び粒体3…には溶着面J…を介して連続する導光路Cが設けられる。そして、加熱時間Zhが経過したなら加熱炉23からガラス管2を取り出し、自然冷却により常温まで冷却する(ステップS5)。
【0042】
次いで、図10(c)に示すように、ガラス管2の上端開口から光触媒用溶液Kを注入し、ガラス管2の内部に光触媒用溶液Kを充填する(ステップS6)。この際、必要により振動等を加え、粒体3…同士間の隙間等に光触媒用溶液Kを浸透させることができる。一方、所定の時間が経過したなら、ガラス管2から光触媒用溶液Kを排出する(ステップS7)。そして、光触媒用溶液Kを排出した後の粒体3…を含むガラス管2は、乾燥又は焼成する(ステップS8)。これにより、溶着面J…を除く粒体3…の表面及びガラス管2の内面に、二酸化チタンを用いた光触媒層4を設けられる。このような手法により、粒体3…の表面及びガラス管2の内面には、均一の光触媒層4を容易に設けることができる。なお、必要により、ステップS6~S8を繰り返すことにより、光触媒層4の膜厚(層厚)を調整することができる。この後、基板治具21を取り除き、ガラス管2の端面や外周面等に付着した不要な光触媒層4を取り除くなどの仕上げを行い、さらに、導光性等の検査を行えば、図10(d)に示す光反応器1を得ることができる(ステップS9)。
【0043】
また、得られた光反応器1に対して、その両端開口を閉塞する図2に示すキャップ31,32を装着すれば、浄水装置Mとして構成することができる。各キャップ31,32の中央には、外方に突出する接続口31c,32cを有し、各接続口31c,32cに、光反応器1の内部に被処理水Laを流入させ、又は光反応器1の内部から処理水Lbを流出させる配水管33,34をそれぞれ接続することができる。これにより、ガラス管2の一端は被処理水Laの流入口2aとなり、かつ他端は処理水Lbの流出口2bとなる浄水装置Mが得られる。
【0044】
このような光反応器1の製造方法によれば、ガラス管2に粒体3…を充填した後、当該粒体3…を充填したガラス管2を所定の加熱温度Thで加熱することにより、ガラス管2と粒体3…間の当接部,及び粒体3…同士間の当接部に、それぞれ所定の面積を有する溶着面J…を生成するようにしたため、少ない部品点数により極めて容易に製造することができ、全体のコストダウン及び小型コンパクト化を実現できるとともに、動力部等は不要なため、省エネルギ性及び汎用性にも優れる。
【0045】
次に、本実施形態に係る光反応器1(浄水装置M)の使用方法及び作用について、各図を参照して説明する。
【0046】
光反応器1を浄水装置Mとして使用する際には、図1に示すように、光反応器1におけるガラス管2の周面に、紫外線を発光するブラックランプを用いた発光部5を対向させて配設する。これにより、発光部5から発光する紫外線はガラス管2の周面に照射される。なお、図1は、便宜上、一つの発光部5を示すが、光反応器1の回りに複数の発光部5を配置したり、或いは断面半円形の反射板を、ガラス管2の周面に対向する位置であって発光部5に対して反対側の位置に配置するなどの構成を採用できる。一方、ガラス管2と粒体3…間,及び粒体3…同士間には、それぞれ溶着面J…が生成され、この溶着面J…を介して連続する導光路Cを設けられているため、ガラス管2の外周面から入光した紫外線は、図1に点線矢印で示す導光路Cを通って、各粒体3…に導光され、各粒体3…の内部側から各粒体3…の表面に設けた光触媒層4の裏面に照射される。
【0047】
他方、光反応器1におけるガラス管2には、図2に示すように、一端の流入口2aから、例えば、汚れた被処理水Laが流入し、ガラス管2の内部を通過する。この際、被処理水Laは、ガラス管2の内部に存在する多数の粒体3…の表面に設けた光触媒層4に接触して流通するとともに、同時に、ほとんどの粒体3…において内部側から紫外線が励起光として光触媒層4に照射され、光触媒層4の活性化が行われているため、光触媒層4による酸化反応及び分解反応により、水中の汚れ、例えば、各種環境ホルモン,ダイオキシン,トリハロメタン,細菌類等の有害溶解物が、効率的に分解され、無害化される。そして、処理された処理水Lbは、他端の流出口2bから、直接又は図示を省略したストレーナを通して流出する。
【0048】
次に、本発明の変更実施形態に係る各種光反応器1…について、図8及び図9を含む図11~図18を参照して説明する。
【0049】
図11は、粒体3…を、単一のガラス素材により形成した基体3b…の表面に、当該ガラス素材よりも融点の低い透明素材によるコーティング層3c…を設けて構成したものである。この場合、使用する粒体3は、図9に示すステップR1~R4により予め製造することができる。即ち、最初に、低融点ガラスの生成材料として58〔重量%〕のNa2SiO3(0.5M)と42〔重量%〕のHCI(1M)を調合し、十分に撹拌することにより前駆体溶液を用意する(ステップR1,R2)。次いで、単一のガラス素材により形成した基体3b…を前駆体溶液に浸漬し、この後、取り出して乾燥する(ステップR3,R4)。これにより、基体3b…の表面にコーティング層3c…を有する粒体3…が得られる。
【0050】
そして、この粒体3…を使用し、図9に示すステップS1~S9を経て光反応器1を製造すれば、図11に示すように、コーティング層3c…同士による溶着面J…が生成される。このように、基体3b…の表面にコーティング層3c…を設けた粒体3…を用いれば、コーティング層3c…により溶着面J…を生成できるため、より低い加熱温度により光反応器1を製造することができる。特に、基体3b…の無用な溶解を回避できるため、基体3b…の形状をそのまま維持させることができる。
【0051】
図8は、コーティング層3c…を設けた粒体3…の評価用特性図、特に、機械的強度を評価した特性図を示す。強度の判定において、「1」は溶着なし。「2」は外れるが溶着痕がある。「3」は溶着しているが床上10〔cm〕から落下させると外れる。「4」は溶着しているが床上50〔cm〕から落下させると外れる。「5」は溶着しており床上50〔cm〕から落下させても外れない。「6」は基体3b…の融点を越えて原形を留めない。を示している。したがって、図8の結果を考慮すれば、図8中、符号Vを付した条件が良好な溶着条件となり、特に、符号Vsを付した条件、即ち、加熱温度680〔℃〕,pH10が最適となる。
【0052】
図12は、光触媒層4を設けない光反応器1を示す。即ち、図9のステップS5で得られる中間製造物をそのまま光反応器1として使用するものである。この場合であっても、溶着面J…及び導光路Cは形成されるため、ガラス管2を流通する流体に対して効率的な光照射が可能になる。したがって、例えば、エタノールにマーガリンを溶かした有機溶媒を流し、マーガリン成分のトランス体を活性化させることにより、短波長側にあるシス体に変化させるなどの用途に利用することが可能であり、このような処理後、エタノールを揮発させれば、有害とされるトランス体を除去することができる。
【0053】
図13は、ガラス管2として、同軸上に外管2eと内管2iを配し、中心に発光部5を配設可能にするとともに、外管2eと内管2iの間に粒体3…を収容可能にした二重管を用いたものである。したがって、図13に示すように、内管2iの中心に、ブラックライト等の発光部5を配設し、外管2eと内管2iの間に粒体3…を充填すれば、光反応器1(浄水装置M)を得ることができる。図13の光反応器1によれば、リング状に配した各粒体3…に対して、中心に配した発光部5から360゜の方向に光を照射できるため、粒体3…に対する照射効率をより高めることができる。
【0054】
図14は、ガラス管2の内部に、多孔質体51を設けたものである。この場合、例えば、ガラス材を破壊することによりランダムな破片による粒体3…を得、この粒体3…をガラス管2の内部に充填するとともに、加熱処理することにより、各粒体3…同士を溶着させれば、基本的に、前述した球状の粒体3…を用いる場合と同様の原理により、所定の面積を有する溶着面J…を生成することができる。この際、溶着状態を適度に確保すれば、通水路となる多孔質空間52…が得られ、損失の少ない、より効果的な導光路Cを得ることができる。
【0055】
図15~図18は、特に、ガラス管2の断面形状を変更したものである。図1~図3は、ガラス管2の断面形状を円形に選定したが、図15~図18は、非円形に選定した。まず、図15(a)及び(b)は、ガラス管2の断面形状を多角形に選定したものであり、図15(a)は正方形、図15(b)は三角形に選定した場合を示す。なお、ガラス管2の断面形状を変更した場合であっても、変更する点は、断面形状のみであり、他の構成は前述した図1~図14に示した実施例と同様に構成できる。また、ガラス管2の断面形状を多角形に選定した場合、必ずしも一体成形することを要せず、図16に示すように、複数のプレート部材を組付けて製作可能である。例えば、図15(a)の正方形の場合、図16に示すように、四枚の平坦なプレート部材2sx,2sx,2sy,2syを用意し、透明な接着液や接着シート等の接着部61…を介して各プレート部材2sx…同士を固定(結合)することができる。他の固定手段としては、例えば、各プレート部材2sx…同士を位置決め用の凹凸を介して組合わせ、周囲を固定バンド等により固定してもよく、その固定手段は任意である。その他、多角形には、六角形等をはじめ、台形や菱形等の各種形状が含まれる。
【0056】
一方、図17及び図18は、ガラス管2の断面形状を、長辺側Dmが短辺側Dsに対して三倍以上となる細長形状に選定したものであり、図17は直線状、図18は曲線状に選定した場合を示す。ガラス管2の断面形状を細長形状に選定することにより、長辺側Dmにおける広幅面の面積を大きくできるため、この広幅面に光を効率的に照射できる。また、このような形状選定により、幅方向サイズの小さい光反応器1を得ることができる。
【0057】
図15~図18に示すように、ガラス管2の断面形状を非円形に形成するとともに、この非円形に、少なくとも、多角形,長辺側が短辺側に対して三倍以上となる直線状又は曲線状の細長形状を含ませれば、様々な用途や目的、更には発光部5の種類や形状等に柔軟対応させることにより、処理効率の向上や最適化を容易に実現することができる。なお、図11~図18において、図1~図3と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。
【0058】
以上、最良実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0059】
例えば、ガラス管2の素材及び粒体3…の素材は、例示以外の任意のガラス素材を利用可能であるとともに、ガラス素材と同様の作用を呈する他の透明素材の使用を排除するものではない。また、ガラス管2は直線形(I形)に形成した場合を示したが、必要によりL形やU形等ように折曲したり湾曲させて形成してもよい。一方、光源ランプについても、使用する光触媒や反応物質に好適な波長を放射する光源を選択することが可能であり、例示したランプ以外の光源を排除するものではない。さらに、光触媒層4は二酸化チタンを用いて形成した場合を示したが、他の光触媒作用を呈する物質を用いて形成する場合を排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る光反応器1は、広くは、光又は光の成分により流体(液体,気体)を反応させることができる各種光反応器に利用できるとともに、実用的には、例示の浄水装置をはじめ、空気浄化装置,消臭装置,滅菌装置等の光反応器1を一部に備える各種装置に利用できる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
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【図15】
14
【図16】
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【図17】
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【図18】
17