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明細書 :荷電粒子ビーム装置、薄膜作製方法、欠陥修正方法及びデバイス作製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5442572号 (P5442572)
公開番号 特開2012-074194 (P2012-074194A)
登録日 平成25年12月27日(2013.12.27)
発行日 平成26年3月12日(2014.3.12)
公開日 平成24年4月12日(2012.4.12)
発明の名称または考案の名称 荷電粒子ビーム装置、薄膜作製方法、欠陥修正方法及びデバイス作製方法
国際特許分類 H01J  37/305       (2006.01)
H01J  37/317       (2006.01)
H01J  37/20        (2006.01)
H01J  37/30        (2006.01)
H01L  21/027       (2006.01)
FI H01J 37/305 Z
H01J 37/317 D
H01J 37/20 Z
H01J 37/30 Z
H01L 21/30 541P
H01J 37/317 E
H01J 37/317 Z
請求項の数または発明の数 15
全頁数 15
出願番号 特願2010-217084 (P2010-217084)
出願日 平成22年9月28日(2010.9.28)
審査請求日 平成24年6月7日(2012.6.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503460323
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクサイエンス
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】000004178
【氏名又は名称】JSR株式会社
発明者または考案者 【氏名】小山 喜弘
【氏名】八坂 行人
【氏名】下田 達也
【氏名】松木 安生
【氏名】川尻 陵
個別代理人の代理人 【識別番号】100090343、【弁理士】、【氏名又は名称】濱田 百合子
【識別番号】100119552、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 公秀
【識別番号】100138771、【弁理士】、【氏名又は名称】吉田 将明
【識別番号】100154863、【弁理士】、【氏名又は名称】久原 健太郎
【識別番号】100142837、【弁理士】、【氏名又は名称】内野 則彰
【識別番号】100123685、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 信行
審査官 【審査官】遠藤 直恵
参考文献・文献 特開2005-166726(JP,A)
特開2008-123891(JP,A)
特開2008-130390(JP,A)
特開2010-206161(JP,A)
特開平9-45922(JP,A)
特開2002-203794(JP,A)
特許第3424232(JP,B2)
特開平7-169679(JP,A)
調査した分野 H01J 37/305
H01J 37/30
H01J 37/317
特許請求の範囲 【請求項1】
荷電粒子源と、
前記荷電粒子源から引き出された荷電粒子ビームを集束するための集束レンズ電極と、
前記荷電粒子ビームの照射と非照射を切替えるためのブランキング電極と、
前記荷電粒子ビームを走査照射するための走査電極と、
試料を載置するための試料台と、
荷電粒子ビーム照射により前記試料から発生する二次荷電粒子を検出する二次荷電粒子検出器と、
下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を原料ガスとして収容するリザーバと、
前記原料ガスを前記試料の荷電粒子ビームの照射位置に供給するガス銃と、
を備える荷電粒子ビーム装置。
SinXm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
【請求項2】
前記ケイ素化合物は、シクロペンタシランである請求項1に記載の荷電粒子ビーム装置。
【請求項3】
前記荷電粒子ビームは、電子ビームである請求項1または2に記載の荷電粒子ビーム装置。
【請求項4】
前記荷電粒子ビームは、ガリウム、金、シリコン、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、酸素、窒素、または炭素から選ばれる一種のイオンビームである請求項1または2に記載の荷電粒子ビーム装置。
【請求項5】
前記原料ガスとは異なる原料ガスを供給する第二のガス供給系を有する請求項1から4のいずれか一つに記載の荷電粒子ビーム装置。
【請求項6】
試料に原料ガスを供給し、前記試料に荷電粒子ビームを集束させて照射することにより、薄膜を作製する薄膜作製方法であって、
下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を前記原料ガスとして前記試料に供給し、前記試料に前記荷電粒子ビームを集束させて照射し、前記薄膜を作製する薄膜作製方法。
SinXm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
【請求項7】
前記ケイ素化合物は、シクロペンタシランである請求項6に記載の薄膜作製方法。
【請求項8】
前記原料ガスとは異なる原料ガスを前記試料に供給する請求項6または7に記載の薄膜作製方法。
【請求項9】
前記異なる原料ガスの原料は、水、酸素または窒素のいずれか一つである請求項8に記載の薄膜作製方法。
【請求項10】
前記薄膜を加熱する請求項6から9のいずれか一つに記載の薄膜作製方法。
【請求項11】
前記薄膜に酸素または窒素イオンビームを注入する請求項6から10のいずれか一つに記載の薄膜作製方法。
【請求項12】
集束イオンビームを照射して試料の表面の一部に互いに離間した一対の凹部を形成し、前記凹部の間に薄片試料を形成する工程と、
前記薄片試料を前記試料から切り離す工程と、
前記凹部に下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を原料ガスとして供給し、荷電粒子ビームを集束させて照射し膜を形成する工程と、を有する薄膜作製方法。
SinXm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
【請求項13】
前記荷電粒子ビームは前記集束イオンビームである請求項12に記載の薄膜作製方法。
【請求項14】
下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を原料ガスとしてナノインプリントのモールドの欠陥部に供給し、前記欠陥部に荷電粒子ビームを集束させて照射し、膜を形成し、前記欠陥部を修正する欠陥修正方法。
SinXm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
【請求項15】
試料に原料ガスを供給し、前記試料に第一の荷電粒子ビームを集束させて照射することにより、第一の薄膜を作製する工程を有するデバイス作製方法であって、
下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を前記原料ガスとして前記試料に供給し、前記試料に前記第一の荷電粒子ビームを集束させて照射し、前記第一の薄膜を作製する工程と、
前記試料に前記原料ガスを供給し、前記試料に前記第一の荷電粒子ビームと異なるビーム種の第二の荷電粒子ビームを照射し、前記第一の薄膜とは異なる機能の第二の薄膜を作製する工程と、を有するデバイス作製方法。
SinXm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子ビームで試料を処理する荷電粒子ビーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの微細化に伴い、微小なデバイス欠陥の検査や配線の修正を行う技術が求められている。デバイス欠陥の検査には、デバイス作製過程の半導体ウエハから検査対象の微小部分を切り出し、微小部分を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)で観察する手法が広く用いられている。
【0003】
微小部分の半導体ウエハからの切り出しは、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)によるエッチング加工で行う。そして、切り出された微小部分をTEM装置で観察する。一方、微小部分を切り出された半導体ウエハは、デバイス作製工程に戻される。ただし、半導体ウエハをデバイス作製工程に戻す前に、FIBによる局所的なシリコン膜デポジションで、微小部分の切り出し時に形成された加工穴を埋める。これにより、デバイス作製工程において、FIB照射で半導体ウエハに注入されたFIBのイオン種が拡散することを防ぐことができる。
【0004】
また、配線の修正には、荷電粒子ビーム装置を用いて配線の切断や接続を行う技術が知られている。まず、修正部分の周辺にFIBで加工穴を形成する。そして、修正部分の配線をエッチング加工で切断する。そして、金属含有ガスを供給しながら荷電粒子ビームを照射することにより適切な配線になるように金属配線を作製する。最後に、修正部分の周辺に形成された加工穴を、例えば、シラン系ガスを用いた電子ビームによる局所的な酸化シリコン膜デポジションで埋める(特許文献1)。これにより配線の修正後、正常にデバイスを動作させることができる。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2005-166726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の電子ビームや集束イオンビームを用いたシリコン系膜の形成には、成膜速度が遅いという欠点があった。
【0007】
従来、成膜用のガスとして、シラン(SiH4)、よう化シリコン(SiI4)、三塩化シラン(SiHCl3)など一つの分子中に一つのシリコンを含むシリコン水素化物やハロゲン化物が用いられていた。これらの物質は常温では気体である。また、これらの物質は金属表面にラングミュア型吸着する。ラングミュア型吸着は、表面の吸着サイトに1分子しか吸着しない。また、ラングミュア型吸着は、多層吸着を起こさない。従って、表面への吸着量が小さい。
【0008】
荷電粒子ビームによるデポジション工程は、試料に原料ガスを供給し、試料に吸着した原料ガスの成分を荷電粒子ビームにより分解することにより成膜する。従って、試料に吸着するガスの吸着量が小さければ、成膜速度は遅い。
【0009】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、従来のシリコンの水素化物やハロゲン化物を原料ガスとして用いた荷電粒子ビーム誘起半導体膜デポジションよりも高速な半導体膜デポジションが可能な荷電粒子ビーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子源と、荷電粒子源から引き出された荷電粒子ビームを集束するための集束レンズ電極と、荷電粒子ビームの照射と非照射を切替えるためのブランキング電極と、荷電粒子ビームを走査照射するための走査電極と、試料を載置するための試料台と、荷電粒子ビーム照射により試料から発生する二次荷電粒子を検出する二次荷電粒子検出器と、下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を原料ガスとして収容するリザーバと、原料ガスを前記試料の荷電粒子ビームの照射位置に供給するガス銃と、を備える。
【0011】
Sinm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
これによりケイ素化合物を用いて局所的に膜を形成することができる。
【0012】
また、本発明に係る荷電粒子ビーム装置は、ケイ素化合物がシクロペンタシランである。これにより、シクロペンタシランを気化させて局所的に効率よく膜を形成することができる。
【0013】
また、本発明に係る荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビームが電子ビームである。これにより不純物を含まない膜を形成することができる。
【0014】
また、本発明に係る荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビームがガリウム、金、シリコン、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、酸素、窒素、または炭素から選ばれる一種のイオンビームであることを特徴とする。これにより、上記のイオンとケイ素化合物が含まれた膜を形成することができる。また、上記のイオンとケイ素化合物が反応した膜を形成することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る荷電粒子ビーム装置は、上記の原料ガスとは異なる原料ガスを供給する第二のガス供給系を有する。これにより、ケイ素化合物の蒸気と異なる蒸気の成分を含んだ膜を形成することができる。また、ケイ素化合物の蒸気と異なる蒸気の成分が反応した膜を形成することができる。
【0016】
本発明に係る薄膜作製方法は、集束イオンビームを照射して試料の表面の一部に互いに離間した一対の凹部を形成し、凹部の間に薄片試料を形成する工程と、薄片試料を試料から切り離す工程と、凹部に下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を原料ガスとして供給し、荷電粒子ビームを照射し膜を形成する工程と、を有する。
【0017】
Sinm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
本発明に係る欠陥修正方法は、下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を原料ガスとしてナノインプリントのモールドの欠陥部に供給し、欠陥部に荷電粒子ビームを照射し、膜を形成し、欠陥部を修正する。
【0018】
Sinm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
本発明に係るデバイス作製方法は、下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を原料ガスとして試料に供給し、試料に第一の荷電粒子ビームを照射し、第一の薄膜を作製する工程と、試料に原料ガスを供給し、試料に第一の荷電粒子ビームと異なるビーム種の第二の荷電粒子ビームを照射し、上記の薄膜とは異なる機能の第二の薄膜を作製する工程と、を有する。
【0019】
Sinm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る荷電粒子ビーム装置によれば、従来のシリコンの水素化物やハロゲン化物を原料ガスとして用いたデポジションに比べ、高速な半導体膜デポジションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る荷電粒子ビーム装置の構成図である。
【図2】本発明に係るTEM試料作製と穴埋め処理の模式図である。
【図3】本発明に係る試料処理装置の構成図である。
【図4】本発明に係る試料処理装置の液体吐出部の構成図である。
【図5】本発明に係るデバイス作製の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る荷電粒子ビーム装置の実施形態について説明する。
本実施形態の荷電粒子ビーム装置は、図1に示すように、荷電粒子ビーム6を発生する荷電粒子源1と、荷電粒子光学系とを備える。荷電粒子光学系は、集束レンズ電極2と、ブランキング電極3と、走査する走査電極4と、対物レンズ電極5と、からなる。集束レンズ電極2は、荷電粒子源1で発生した荷電粒子ビーム6を集束させるための集束レンズを形成する。ブランキング電極3は、荷電粒子ビーム6を試料9に照射しないときに荷電粒子ビーム6を偏向させる電界を形成する。また、走査電極4は、荷電粒子ビーム6を走査させる。対物レンズ電極5は、荷電粒子ビーム6を試料6の表面に集束させるための対物レンズを形成する。

【0023】
さらに、荷電粒子ビーム装置は、試料9を載置し、X、Y、Zの三軸と、傾斜、回転を加えた五軸の方向に移動可能な試料台10を備える。

【0024】
また、荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム6を試料9に照射し、試料9から放出された二次荷電粒子7を検出する二次荷電粒子検出器8を備える。さらに、荷電粒子源1と荷電粒子光学系に制御信号を出力する制御部12を備える。制御部12は、走査電極4に走査信号を出力する。また、二次荷電粒子検出器8は制御部12に二次電子信号を出力する。制御部12は、二次荷電粒子信号と走査信号から観察像を形成する。また、形成された観察像を表示する表示部13を備える。

【0025】
さらに、荷電粒子ビーム装置は、試料9にデポジションの原料ガスを供給するガス銃11を備える。ガス銃11は、原料ガスを収容するリザーバ14に接続している。ガス銃11とリザーバ14との間にバルブ15を備える。バルブ15を開くと、リザーバ14に収容された原料ガスはガス銃11に供給される。そして、原料ガスはガス銃11から試料9に供給される。また、リザーバ14を加熱するヒータ16を備える。原料ガスをヒータ16により加熱し、ガス銃11に供給することができる。また、加熱しないと液化や固化する原料ガスを用いる場合は、リザーバ14よりも高い温度になるようにリザーバ14とガス銃11との間の流路、及びガス銃11を加熱する。原料ガスがガス流路で液化や固化することを防ぐためである。

【0026】
さらに、荷電粒子ビーム装置は、リザーバ14に収容された原料ガスと異なる原料ガスを試料9に供給する場合は、第二のガス供給系として、ガス銃17、リザーバ18、バルブ19、ヒータ20を用いる。

【0027】
次に荷電粒子源1について説明する。荷電粒子源1として、液体金属イオン源を用いる場合、イオン種として、ガリウム、金シリコン系合金またはシリコンを用いる。液体金属をエミッタ針の表面に塗布し、エミッタ針周辺に高電界を形成する。高電界によって液体金属はイオン化し、試料9に向けて放出される。

【0028】
また、荷電粒子源1として、プラズマイオン源を用いる場合、イオン種として、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、酸素または窒素から選ばれる一種の単体ガスを用いる。また、メタンなどの有機系化合物ガスを用いて炭素イオンビームを照射することも可能である。さらに、シラン、アルシンまたは、ボランから選ばれる一種の化合物ガスを用いて、それぞれ、シリコンイオンビーム、砒素イオンビーム、ボロンイオンビームを照射することも可能である。プラズマイオン源は、イオン源室内にイオン種のガスを供給し、プラズマを形成して、イオンビームを放出する。ただし、化合物ガスをイオン種として用いる場合、荷電粒子源1から試料9までの間にE×B質量分離器を配置し、イオン種を分離することが望ましい。これにより、不要なイオン種が試料9に照射されることを防ぐことができる。

【0029】
また、荷電粒子源1として電界電離型イオン源を用いる場合、エミッタ針に水素、ヘリ
ウム、ネオン、アルゴンから選ばれる一種の単体ガスをイオン種として供給し、エミッタ針周辺に高電界を形成し、イオンビームを放出する。

【0030】
また、荷電粒子源1として電子源を用いる場合、エミッタ針周辺に高電界を形成して電子ビームを放出する。

【0031】
次に半導体膜デポジションの原料ガスについて説明する。原料物質として、下記一般式(I)で表されるケイ素化合物を用いる。

【0032】
Sinm ・・・・・・・・・・・・ (I)
(ここで、nは3以上の整数を表し、mはn、2n-2、2nまたは2n+2の整数を表し、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表す)
ケイ素はシリコン膜の前駆体である。荷電粒子ビーム励起によりケイ素と水素の結合、またはケイ素とハロゲン原子の結合が開裂し、ケイ素とケイ素の結合が生じ、シリコン膜を形成する。ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を用いることができる。

【0033】
また、Sinmの具体例としては、m=2n+2の場合、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘプタシランなどの水素化シラン、またこれらの水素原子の一部またはすべてをハロゲン原子に置換したものを挙げることができる。m=2nの場合、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シリルシクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シリルシクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、などの一個の環系を有する水素化ケイ素化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてをハロゲン原子に置換したヘキサクロルシクロトリシラン、トリクロルシクロトリシラン、オクタクロルシクロテトラシラン、テトラクロルシクロテトラシラン、デカクロルシクロペンタシラン、ペンタクロルシクロペンタシラン、ドデカクロルシクロヘキサシラン、ヘキサクロルシクロヘキサシラン、テトラデカクロルシクロヘプタシラン、ヘプタクロルシクロヘプタシラン、ヘキサブロモシクロトリシラン、トリブロモシクロトリシラン、ペンタブロモシクロトリシラン、テトラブロモシクロトリシラン、オクタブロモシクロテトラシラン、テトラブロモシクロテトラシラン、デカブロモシクロペンタシラン、ペンタブロモシクロペンタシラン、ドデカブロモシクロヘキサシラン、ヘキサブロモシクロヘキサシラン、テトラデカブロモシクロヘプタシラン、ヘプタブロモシクロヘプタシランなどのハロゲン化環状ケイ素化合物を挙げることができる。m=2n-2の場合、1、1’-ビスシクロブタシラン、1、1’-ビスシクロペンタシラン、1、1’-ビスシクロヘキサシラン、1、1’-ビスシクロヘプタシラン、1、1’-シクロブタシリルシクロペンタシラン、1、1’-シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1、1’-シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1、1’-シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1、1’-シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1、1’-シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2、2]ペンタシラン、スピロ[3、3]ヘプタタシラン、スピロ[4、4]ノナシラン、スピロ[4、5]デカシラン、スピロ[4、6]ウンデカシラン、スピロ[5、5]ウンデカシラン、スピロ[5、6]ドデカシラン、スピロ[6、6]トリデカシランなどの2個の環系を有する水素化ケイ素化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてをSiH3基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物を挙げることができる。m=nの場合、多環系を有する水素化ケイ素化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてを部分的にSiH3基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物を挙げることができる。

【0034】
上記の原料物質は、室温では液体または固体の化合物である。上記の原料物質の蒸気圧は、半導体製造プロセスで使用されているシランなど室温で気体であるシリコンの水素化物やハロゲン化物の蒸気圧よりも低い。例えば、5つのシリコンが環状に結合し、シリコン間の結合と、シリコンと水素の結合からなるシクロペンタシランの蒸気圧は、およそ133Paである。そのため、分子間の相互作用が大きく、試料表面での吸着量が大きい。これは試料表面でラングミュア型吸着とは異なる吸着現象、例えば多分子吸着が起こること考えられる。これにより高速なデポジションを行うことができる。

【0035】
原料ガス供給について説明する。リザーバ14にシクロペンタシランを挿入する。バルブ15を開き、気化したシクロペンタシランを、ガス銃11を通して試料9に供給する。リザーバ14をヒータ16で加熱し、シクロペンタシランの供給量を調整する。また、トリシランなど蒸気圧が高い原料物質を用いる場合は、リザーバ14とガス銃11との間にマスフローコントローラを設置し、ガス供給量を調整する。

【0036】
<実施例1-1>
荷電粒子ビーム誘起半導体膜デポジションの実施例について説明する。半導体膜デポジションの原料物質としてシクロペンタシランを用いる。リザーバ14にシクロペンタシランを挿入する。バルブ15を開き、気化したシクロペンタシランを、ガス銃11を通して試料9に供給する。また、荷電粒子源1としてガリウム液体金属イオン源を用いる。制御部12から出力されたビーム照射情報により、ガリウム液体金属イオン源からガリウムイオンビームを試料9表面に走査照射する。試料9表面にはシクロペンタシランが吸着している。このとき、試料9は室温である。ガリウムイオンビーム照射により試料表面に吸着したシクロペンタシランが分解され、ガリウムイオンビームを照射した領域に半導体膜が形成される。成膜速度は0.41μm3/nCであった。

【0037】
<実施例1-2>
次に実施例1-1のガリウム液体金属イオン源を電子源に代えた場合について説明する。シクロペンタシランを供給した試料9表面に電子ビームを走査照射する。成膜速度は3.36×10-3μm3/nCであり、ガリウムイオンビームによるデポジションよりも遅い。この理由は、電子はイオンに比べ、固体内での飛程が長いため、成膜に必要なシクロペンタシランの分解に寄与する電子の割合が小さいためである。

【0038】
しかし、金属イオン照射によるデポジションでは、デポジション膜は膜中に数%から30%程度のイオンビームのイオン種が含まれた膜になる。一方、電子ビーム照射によるデポジションではイオン種が含まれることはない。従って、電子ビームによるデポジションでは、不純物のない半導体膜を形成することができる。

【0039】
<実施例1-3>
次に実施例1-1のガリウム液体金属イオン源を、水素やヘリウム等のガスをイオン種としたイオン源に代えた場合について説明する。電界電離型イオン源で水素やヘリウムをイオン化し、イオンビームをシクロペンタシランが吸着した試料9表面に放出する。これにより金属不純物を含まない半導体膜を形成することができる。また、水素やヘリウムのイオンビームは、電子に比べ固体内での飛程が短いため、電子ビームを用いた場合よりも効率よく成膜することができる。

【0040】
<実施例1-4>
次に実施例1-1のガリウム液体金属イオン源を、シラン、アルシンまたは、ボランから選ばれる一種の化合物ガスをイオン種としたプラズマイオン源に代えた場合について説明する。イオン源室内にイオン種のガスを供給し、プラズマを形成して、イオンビームを放出する。放出したイオンビームをシクロペンタシランが吸着した試料9表面に照射する。これによりシランを用いた場合は、真性半導体膜を形成することができる。また、アルシンを用いた場合、n型半導体膜を形成することができる。また、ボランを用いた場合、p型半導体膜を形成することができる。

【0041】
また、イオン種の膜中での含有率は、成膜速度に依存する。成膜速度が速いと、イオン種の膜中での含有率は小さい。成膜速度は、原料ガスの供給量と荷電粒子ビームの照射量によって制御することができる。ヒータ16でリザーバ14を加熱し、ガス原料の供給量を増加させ、試料9に照射するイオンビーム電流量を少なくすることで、イオン種の膜中での含有率の低い膜を形成することができる。また、原料ガスの供給量とビームの照射量を制御しても含有量が不足する場合は、第二のガス供給系から上記イオン種をデポジションの原料ガスとしてシクロペンタシランと同時に供給し、試料表面に吸着させ、イオンビームを照射することにより、含有量の不足を補うことができる。

【0042】
<実施例1-5>
次に実施例1-1のガリウム液体金属イオン源を、金をイオン種としたイオン源に代えた場合について説明する。金をエミッタ針の表面に塗布し、エミッタ針周辺に高電界を形成し、イオンビームを放出する。放出したイオンビームをシクロペンタシランが吸着した試料9表面に照射する。これにより金を含み導電性の高い膜を形成することができる。

【0043】
<実施例1-6>
次に実施例1-1のガリウム液体金属イオン源を、酸素または窒素をイオン種としたイオン源に代えた場合について説明する。シクロペンタシランが吸着した試料9表面に酸素または窒素をイオン種としたイオンビームを照射する。これにより、酸化シリコンまたは窒化シリコン膜が形成される。酸化シリコンまたは窒化シリコン膜は絶縁膜である。また酸化シリコン膜と窒化シリコン膜は透明膜であるので、レンズなどの光学部品やナノインプリントのマスクのような透明体構造物の形成や修復が可能である。

【0044】
また、第二のガス供給系から酸素または窒素を試料9表面に供給する。これにより、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜の酸素または窒素含有量を制御することができる。ガス銃11から気化したシクロペンタシランを、ガス銃17から酸素または窒素を供給する。そして、酸素または窒素イオンビームを照射することで、酸素また窒素含有量の多い膜を形成することができる。また、窒素を収容したリザーバ18をガス銃11に接続し、ガス銃11からシクロペンタシランと窒素の混合ガスを供給することも可能である。

【0045】
<実施例1-7>
次に実施例1-1のガリウム液体金属イオン源を、炭素をイオン種としたイオン源を用いる場合について説明する。炭素イオンビームをシクロペンタシランが吸着した試料9表面に照射する。これによりシリコンカーバイド膜を形成することができる。

【0046】
上記のとおり、荷電粒子ビームのビーム種と原料ガス供給を制御することにより、デポジション膜の機能性と成膜速度を制御することができる。

【0047】
<実施例2>
デポジションした膜に荷電粒子ビームを注入する実施例について説明する。シクロペンタシランが吸着した試料9表面に酸素または窒素イオンビームを照射し、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を形成する。さらに酸素または窒素濃度を増加させるために、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜に酸素または窒素イオンビームを照射し、イオン注入する。これにより膜中の酸素または窒素濃度を増加することができる。

【0048】
また、同様にして、p型半導体膜またはn型半導体膜に、ボロンやガリウムまたは砒素イオンビームを照射し、不純物のドープ量を増加することができる。

【0049】
<実施例3>
デポジションした膜の結晶性を向上させる実施例について説明する。シクロペンタシランが吸着した試料9表面に荷電粒子ビームを照射して膜を形成する。次に形成した膜を載置した試料台10を加熱する。これにより膜が加熱され、膜の結晶性が向上する。また、荷電粒子源1として、電子源を用いて、形成した膜に電流量の大きい電子ビームを照射し、膜を加熱することもできる。また、レーザー装置を用いて、形成した膜にレーザーを照射し、膜を加熱することもできる。

【0050】
<実施例4>
図2を用いてTEM試料作製後の穴埋め処理の実施例を説明する。図2(a)はウエハ21の断面の模式図である。ウエハ21から特定の観察領域を含むTEM試料23を切り出す。ガリウムイオン源から放出された集束イオンビームをTEM試料23の周辺領域に走査照射し、凹部22を形成する。TEM試料23はTEMの電子ビームが透過可能な厚さに集束イオンビームにより加工される。加工されたTEM試料23をウエハ21から切り離し、TEMで観察する。図2(b)はTEM試料23が切り離されたウエハ21の断面の模式図である。凹部22の底や側壁には集束イオンビーム照射によりガリウムイオンが注入されている。注入されたガリウムイオンの拡散を防ぐために、凹部22にシリコン膜24を形成し、凹部22を埋める。ガス銃11からシクロペンタシランを凹部22に供給する。荷電粒子源1として電子源を用いて、電子ビームを凹部22に照射する。これにより図2(c)に示すように凹部22にシリコン膜24を形成する。そしてシリコン膜で穴埋めされたウエハ21を半導体デバイス作製工程に戻す。

【0051】
また、シリコン膜を形成する手段として、液体のシクロペンタシランを凹部22に供給することも可能である。液体のシクロペンタシランを用いたTEM試料作製後の穴埋め処理について説明する。

【0052】
図3は、液体シクロペンタシランを用いた試料処理装置の構成図である。シクロペンタシランは酸素と反応すると燃焼するため、試料室39内部を窒素で満たし、酸素を1ppm以下にしている。試料処理装置は液体吐出部32と顕微鏡部33とUV光照射部34を有するヘッド部31を備える。ヘッド部31はヘッド駆動部35により試料台36に対して相対移動することができる。顕微鏡部33でウエハ21を観察し、凹部22に液体吐出部32から液体シクロペンタシランを吐出し、UV光照射部34からUV光を照射する。また、液体吐出部32に液体シクロペンタシランを補充するための液体シクロペンタシラン37を入れた容器38を備える。ヘッド部31を移動し、液体吐出部32に容器38の液体シクロペンタシラン37を補充する。

【0053】
TEM試料作製後の穴埋め処理の手順を説明する。顕微鏡部33でウエハ21の凹部22の位置を確認する。ヘッド部31を移動し、液体吐出部32から液体シクロペンタシランを凹部22に吐出する。UV光照射部34吐出した液体シクロペンタシランにUV光を照射し、液体シクロペンタシランを重合し、アモルファスシリコンの膜を形成する。これにより凹部22をアモルファスシリコンの膜で埋めることができる。ここで、吐出する液体シクロペンタシランは、事前にUV光を照射しポリマー状にして用いても良い。

【0054】
図4は液体吐出部32の構成図である。ガラス管41内に針状部材42を備える。また、ガラス管41は液体シクロペンタシラン44を収容している。針状部材42は針状部材駆動部43によりガラス管41に沿って上下に移動する。図4(a)のように針状部材42が液体シクロペンタシラン44の液面よりも上にある状態から、図4(b)のようにガラス管41から針状部材42が突出した状態に針状部材42を移動させる。これにより液体シクロペンタシラン44を付着した針状部材42をガラス管41から突出させ、針状部材42を所望箇所に接触させることで液体シクロペンタシラン44を所望箇所に供給することができる。

【0055】
次に、荷電粒子ビーム装置と試料処理装置を用いたTEM試料作製と穴埋め処理の手順について説明する。荷電粒子源1として液体金属ガリウムイオン源を用いた荷電粒子ビーム装置でTEM試料23を作製し、ウエハ21から切り離す。凹部22にガス銃11からシクロペンタシランを供給し、ガリウムイオンビームを照射し、シリコン膜24を形成する。次に、ウエハ21を試料処理装置に移動し、シリコン膜24上に液体吐出部32から液体シクロペンタシランを供給する。液体シクロペンタシランにUV光照射部34からUV光を照射しアモルファスシリコン膜を形成する。これによりガリウムイオンが注入されていたシリコン膜24を、金属不純物を含まないアモルファスシリコン膜で覆うことができ、ウエハ21を半導体デバイス作製工程に戻すことができる。

【0056】
<実施例5>
ナノインプリントのモールド修正の実施例について説明する。ナノインプリントとは、モールドと呼ばれる凹凸のパターンを持った板を基板上の液状ポリマー等へ押しつけ、その状態で加熱や光の照射で液状ポリマーを組成変形させ、パターンを転写する技術である。その中で光の照射でパターンを形成する方法は、光ナノインプリントと呼ばれ、光を透過させるため、モールドが透明膜でできている。このモールドに欠損部分ができた場合、修正が必要である。

【0057】
欠損部分にビームを照射できるように試料台10を移動させる。ガス銃11から気化したシクロペンタシランを、またガス銃17から酸素または水蒸気を、モールドの欠損部分に供給する。荷電粒子源1として電子源を用いて、電子ビームを欠損部分に照射する。これにより欠損部分に透明な酸化シリコン膜を形成することができる。シクロペンタシランは分子内に炭素を含まないので、光吸収の少ない膜を形成することができる。上記のように欠損部分に透明膜を形成することで欠損を修正することができる。

【0058】
<実施例6-1>
デバイス作製の実施例について説明する。図5はデバイス作製の模式図である。荷電粒子源1としてプラズマイオン源を用いる。アルシンをプラズマイオン源に導入し、砒素イオンビームを基板51に放出する。図5(a)に示すように、基板51に砒素イオンビームを照射し、エッチングを行い、凹部52を形成する。次にプラズマイオン源の内部のアルシンを排気する。次にプラズマイオン源の内部にジボランを導入する。プラズマイオン源でジボランをプラズマ化し、ボロンイオンビームを放出させる。図5(b)に示すように、凹部52に対して、ガス銃11からシクロペンタシランを供給し、ボロンイオンビームを照射することによりボロンを含んだシリコン膜を形成し、凹部52を埋める。これによりMOS型トランジスタのソース、ドレイン領域53が形成される。

【0059】
次にプラズマイオン源の内部のジボランを排気する。そして、プラズマイオン源の内部に酸素を導入する。プラズマイオン源で酸素をプラズマ化し、酸素イオンビームを放出させる。ガス銃11からシクロペンタシランを供給し、酸素イオンビーム照射する。これにより図5(c)に示すように、ゲート酸化膜54が形成される。

【0060】
次にプラズマイオン源の内部の酸素を排気する。次にプラズマイオン源の内部に六フッ化タングステンを導入する。プラズマイオン源で六フッ化タングステンをプラズマ化し、タングステンイオンビームを放出させる。ガス銃11からシクロペンタシランを供給し、タングステンイオンビーム照射する。これにより図5(d)に示すように、タングステンシリサイド膜によるゲート電極55を形成することができる。

【0061】
以上よりMOS型トランジスタを形成することができる。荷電粒子ビームとシクロペンタシランを用いることにより、従来の半導体リソグラフィーを用いることなく、半導体デバイスを作製することができる。

【0062】
<実施例6-2>
次に実施例6-1のソース、ドレイン領域53の形成において、ドーパントをイオンビームにより供給することに代えて、原料ガスにより供給する実施例を説明する。図5(a)に示すように、基板51に砒素イオンビームを照射し、エッチングを行い、凹部52を形成する。次にプラズマイオン源の内部のアルシンを排気する。次にプラズマイオン源の内部にアルゴンを導入する。プラズマイオン源でアルゴンをプラズマ化し、アルゴンイオンビームを放出させる。図5(b)に示すように、凹部52に対して、ガス銃17からボロンを含んだケイ素化合物ガスを供給し、アルゴンイオンビームを照射することによりボロンを含んだシリコン膜を形成し、凹部52を埋める。これによりMOS型トランジスタのソース、ドレイン領域53が形成される。

【0063】
ここで、アルゴンイオンビームの代わりに、水素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンなど金属を含まない元素をイオン種に用いても良い。また、イオンビームの代わりに電子ビームを用いても良い。

【0064】
また、ボロンを含んだケイ素化合物ガスは、ボロンによる変性シラン化合物またはジボランなどのボロン水素化合物であることが望ましい。

【0065】
さらに、凹部52に対して、ガス銃11からシクロペンタシランを供給し、ガス銃17からボロンを含んだケイ素化合物ガスを同時に供給することも可能である。二つのガス銃からの原料ガス供給により、ドープ量を制御することができる。

【0066】
また、ボロンイオンビームで凹部52を形成し、凹部52にガス銃17からリンを含んだケイ素化合物ガスを供給し、アルゴンイオンビームを照射することによりリンを含んだシリコン膜を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…荷電粒子源
2…集束レンズ電極
3… ブランキング電極
4…走査電極
5…対物レンズ電極
6… 荷電粒子ビーム
7…二次荷電粒子
8…二次荷電粒子検出器
9…試料
10…試料台
11…ガス銃
12…制御部
13…表示部
14…リザーバ
15…バルブ
16…ヒータ
17…ガス銃
18…リザーバ
19…バルブ
20…ヒータ
21…ウエハ
22…凹部
23…TEM試料
24…シリコン膜
31…ヘッド部
32…液体吐出部
33…顕微鏡部
34…UV光照射部
35…ヘッド駆動部
36…試料台
37…液体シクロペンタシラン
38…容器
39…試料室
41…ガラス管
42…針状部材
43…針状部材駆動部
44…液体シクロペンタシラン
51…基板
52…凹部
53…ソース、ドレイン領域
54…ゲート酸化膜
55…ゲート電極
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4