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明細書 :有機電界発光素子の作製方法、有機電界発光素子、及び有機電界発光層

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3951022号 (P3951022)
公開番号 特開2004-335204 (P2004-335204A)
登録日 平成19年5月11日(2007.5.11)
発行日 平成19年8月1日(2007.8.1)
公開日 平成16年11月25日(2004.11.25)
発明の名称または考案の名称 有機電界発光素子の作製方法、有機電界発光素子、及び有機電界発光層
国際特許分類 H05B  33/10        (2006.01)
H01L  51/50        (2006.01)
FI H05B 33/10
H05B 33/14 B
H05B 33/22 B
H05B 33/22 D
請求項の数または発明の数 23
全頁数 10
出願番号 特願2003-127368 (P2003-127368)
出願日 平成15年5月2日(2003.5.2)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2003年3月27日社団法人応用物理学会主催の「2003年(平成15年)春季第50回応用物理学関係連合講演会」において文書をもって発表
審査請求日 平成15年5月2日(2003.5.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】岡田 裕之
【氏名】大榮 政憲
【氏名】中 茂樹
【氏名】女川 博義
個別代理人の代理人 【識別番号】100147485、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 憲司
【識別番号】100113745、【弁理士】、【氏名又は名称】藤原 英治
【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
審査官 【審査官】森 竜介
参考文献・文献 特開平10-060427(JP,A)
特開平11-354279(JP,A)
特開2002-203674(JP,A)
特開2003-068466(JP,A)
特開2002-324680(JP,A)
特開平10-289785(JP,A)
調査した分野 H01L 51/50
特許請求の範囲 【請求項1】
可視光波長領域で透明な基板を準備する工程と、
前記基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、低分子系有機発光材料、及び有機ホスト材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層を形成する工程と、
前記発光層上に第2の電極を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、有機電界発光素子の作製方法。
【請求項2】
前記有機ホスト材料は、4,4-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニルであることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光素子の作製方法。
【請求項3】
可視光波長領域で透明な基板を準備する工程と、
前記基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物を有機溶媒中に溶解して溶液状とし、得られた混合物溶液を前記第1の電極上に塗布することによって、非晶質を呈する発光層を形成する工程と、
前記発光層上に第2の電極を形成する工程と
を具えることを特徴とする、有機電界発光素子の作製方法。
【請求項4】
前記混合物溶液の塗布は、スピンコート法、インクジェット法、スプレイ法、及びマイクログラビア法の少なくとも一つの方法を用いて実施することを特徴とする、請求項3に記載の有機電界発光素子の作製方法。
【請求項5】
前記第1の電極は可視光波長領域で透明な電極からなり、前記第2の電極は金属電極からなることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一に記載の有機電界発光素子の作製方法。
【請求項6】
前記第1の電極は金属電極からなり、前記第2の電極は可視光波長領域で透明な電極からなることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一に記載の有機電界発光素子の作製方法。
【請求項7】
前記第1の電極は櫛形状を呈することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一に記載の有機電界発光素子の作製方法。
【請求項8】
可視光波長領域で透明な基板を準備する工程と、
前記基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層を形成する工程と、
前記発光層上に第2の電極を形成する工程とを具える有機電界発光素子の作製方法であって、
前記低分子系有機正孔輸送材料は、N,N’-ジフェニル-N,N’-(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]—4,4—ジアミンであることを特徴とする、有機電界発光素子の作製方法。
【請求項9】
可視光波長領域で透明な基板を準備する工程と、
前記基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層を形成する工程と、
前記発光層上に第2の電極を形成する工程とを具える有機電界発光素子の作製方法であって、
前記低分子系有機電子輸送材料は、2—(4—ビフェニル)-5-(p-tブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,9—ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、及び4,4’-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニルからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、有機電界発光素子の作製方法。
【請求項10】
前記低分子系有機発光材料は、有機色素又は燐光材料であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一に記載の有機電界発光素子の作製方法。
【請求項11】
可視光波長領域で透明な基板と、
前記基板上に形成された第1の電極と、
前記第1の電極上に形成された、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、低分子系有機発光材料、及び有機ホスト材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層と、
前記発光層上に形成された第2の電極と、
を具えることを特徴とする、有機電界発光素子。
【請求項12】
前記有機ホスト材料は、4,4-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニルであることを特徴とする、請求項11に記載の有機電界発光素子。
【請求項13】
前記第1の電極は可視光波長領域で透明な電極からなり、前記第2の電極は金属電極からなることを特徴とする、請求項11又は12に記載の有機電界発光素子。
【請求項14】
前記第1の電極は金属電極からなり、前記第2の電極は可視光波長領域で透明な電極からなることを特徴とする、請求項11又は12に記載の有機電界発光素子。
【請求項15】
前記第1の電極は櫛形状を呈することを特徴とする、請求項11~14のいずれか一に記載の有機電界発光素子。
【請求項16】
可視光波長領域で透明な基板と、
前記基板上に形成された第1の電極と、
前記第1の電極上に形成された、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層と、
前記発光層上に形成された第2の電極とを具える有機電界発光素子であって、
前記低分子系有機正孔輸送材料は、N,N’-ジフェニル-N,N’-(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]—4,4—ジアミンであることを特徴とする、有機電界発光素子。
【請求項17】
可視光波長領域で透明な基板と、
前記基板上に形成された第1の電極と、
前記第1の電極上に形成された、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層と、
前記発光層上に形成された第2の電極とを具える有機電界発光素子であって、
前記低分子系有機電子輸送材料は、2—(4—ビフェニル)-5-(p-tブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,9—ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、及び4,4’-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニルからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、有機電界発光素子。
【請求項18】
前記低分子系有機発光材料は、有機色素又は燐光材料であることを特徴とする、請求項11~17のいずれか一に記載の有機電界発光素子。
【請求項19】
それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、低分子系有機発光材料、及び有機ホスト材料の混合物からなり、非晶質を呈することを特徴とする、有機電界発光層。
【請求項20】
前記有機ホスト材料は、4,4-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニルであることを特徴とする、請求項19に記載の有機電界発光層。
【請求項21】
それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物からなり、非晶質を呈する有機電界発光層であって、
前記低分子系有機正孔輸送材料は、N,N’-ジフェニル-N,N’-(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]—4,4—ジアミンであることを特徴とする有機電界発光層。
【請求項22】
それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物からなり、非晶質を呈する有機電界発光層であって、
前記低分子系有機電子輸送材料は、2—(4—ビフェニル)-5-(p-tブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,9—ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、及び4,4’-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニルからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする有機電界発光層。
【請求項23】
前記低分子系有機発光材料は、有機色素又は燐光材料であることを特徴とする、請求項19~22のいずれか一に記載の有機電界発光層。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光素子の作製方法、及びその有機電界発光素子、並びに前記有機電界発光素子に使用する有機電界発光層に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機電界発光素子は、Tang及びVanSlyke による“J. Appl. Phys. Lett. 第51巻、913頁(1987年)”の報告以来、活発に研究開発が行われ、現在においては、カーオーディオ、車載パネル、及び携帯端末などにおいて商品化されるにまで至っている。前記有機電界発光素子を構成する有機薄膜は、低分子系有機材料を蒸着法を用いて形成する、あるいは高分子有機材料を溶液塗布法を用いて形成することによって得ている。
【0003】
低分子系有機材料の蒸着法は現在実用化されている方法であり、高分子系有機材料の溶液塗布法と比較して、高い信頼性を有するデバイスの作製が可能であり、複数層の積層構造を簡易に形成することができ、高輝度及び高効率のデバイスを実現することができる。しかしながら、パターニングの際には蒸着用マスクを用いる必要があり、高精細化及び大面積化の妨げとなっていた。
【0004】
一方、高分子系有機材料の塗布法は、上述したように、低分子系有機材料の蒸着法と比較して、得られたデバイスの信頼性及び特性などは劣るものの、例えばインクジェット法と組み合わせることにより、十分高精細な発光領域の形成が可能であり、数十インチクラスのディスプレイに対して適用することもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、蒸着法及び塗布法には一長一短があり、特に次世代の有機電界発光素子の実現に向けて、高信頼性及び高性能のデバイスを提供することができ、さらには微細な加工技術を伴う新規な有機電界発光素子の作製技術の確立が望まれていた。
【0006】
本発明は、高信頼性及び高性能のデバイスを提供することができるとともに、微細な加工技術を伴う新規な有機電界発光素子の作製方法、及びその方法によって得られた新規な有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現すべく、本発明は、
可視光波長領域で透明な基板を準備する工程と、
前記基板上に第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極上に、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、低分子系有機発光材料、及び有機ホスト材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層を形成する工程と、
前記発光層上に第2の電極を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、有機電界発光素子の作製方法に関する。
【0008】
また、本発明は、
可視光波長領域で透明な基板と、
前記基板上に形成された第1の電極と、
前記第1の電極上に形成された、それぞれ分子量が10、000以下の低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、低分子系有機発光材料、及び有機ホスト材料の混合物からなり、非晶質を呈する発光層と、
前記発光層上に形成された第2の電極と、
を具えることを特徴とする、有機電界発光素子に関する。
【0009】
なお、上記で規定されているように、上記低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料とは、それぞれ分子量が10,000以下の有機材料を意味するものである。
【0010】
従来、有機電界発光素子においては、発光層を挟み込むようにして、正孔輸送層及び電子輸送層を別個独立した層として形成していた。したがって、一対の電極間に挟まれた発光層部分は複数の層が積層された多層膜構造を呈していた。例えば、上述した塗布法によって有機電界発光素子を作製する場合、発光層自体は塗布法によって形成するものの、正孔輸送層や電子輸送層は蒸着法を用いることによって作製していた。
【0011】
これに対して、本発明によれば、低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物を準備し、この混合物から発光層を形成するようにしている。この結果、有機電界発光素子の、発光層部分は単独の発光層のみから構成されるようになる。したがって、前記混合物を所定の有機溶媒などに溶解させれば、前記有機電界発光素子の前記発光層部分を塗布法のみを用いて形成することができるようになる。結果として、微細なパターニングを行うことができ、微細な加工技術を実現することができる。
【0012】
また、前記低分子系有機正孔輸送材料、前記低分子系有機電子輸送材料、及び前記低分子系有機発光材料を蒸着法で使用している、分子量が10000以下の低分子系材料から構成すれば、前記有機電界発光素子の、さらにはこの素子を有するデバイスの信頼性及び性能を向上させることもできるようになる。
【0013】
結果として、本発明によれば、次世代の有機電界発光素子の実現に向けて、高信頼性及び高性能のデバイスを提供することができ、さらには微細な加工技術を伴う新規な有機電界発光素子の作製技術を提供することができる。
【0014】
本発明の詳細及びその他の特徴、利点については以下の発明の実施の形態で説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に則して詳細に説明する。
図1は、本発明の有機電界発光素子の一例を示す構成図である。図1に示す有機電界発光素子10は、可視光波長領域で透明な基板11上において、可視光波長領域で透明な電極12、発光層13、及び金属電極14が順次に積層されている。
【0016】
発光層13は、分子量が10,000以下の、低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料の混合物から形成する。具体的には、前記混合物を有機溶媒などに溶解させて溶液状とし、この混合物溶液を基板11上において透明電極12を覆うように塗布法によって形成することができる。前記塗布法としては、スピンコート法、インクジェット法、スプレイ法、及びマイクログラビア法などを例示することができる。このような塗布法を用いることにより、微細なパターニングを行うことができ、微細な加工技術を実現することができる。
【0017】
なお、本発明における塗布法は上記具体例に限定されるものではなく、その他の方法も適宜使用することができる。さらに、塗布法だけでなく、その他の形成方法、例えば混合物溶液を作製することなく、バルク状の混合物を準備することによって、蒸着法で発光層13を形成することもできる。
【0018】
発光層13の厚さは特に限定されるものではないが、50nm~150nmに形成することが好ましい。
【0019】
また、上述した低分子系有機正孔輸送材料、低分子系有機電子輸送材料、及び低分子系有機発光材料を従来の蒸着法で使用している、分子量が10000以下の低分子系材料から構成すれば、前記有機電界発光素子の、さらにはこの素子を有するデバイスの信頼性及び性能を向上させることもできるようになる。
【0020】
前記低分子系有機正孔輸送材料としては、膜形成後に非晶質性を示す材料を用いる。例えば、N,N’-ジフェニル-N,N’-(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4-ジアミン(TPD)、又はビス[N-(1, ナフチル)-ン-フェニル]ベンジテン(α-NPD)などのアミン系誘導体を用いることが好ましい。特には、TPDを用いることが好ましい。
【0021】
前記有機電子輸送材料としては、2-(4-ビフェニル)-5-(p-tブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(tBu-PBD)、2,9—ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、2,5-ビス(1-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール(BND)、2,5-ビス(6’-(2’,2”-ビピリジル))-1,1-ジメチル-3,4-ジフェニシロール(PyPySPyPy)、バソフェナントロリン(Bphen)、及び4,4’-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニル(CBP)を用いることが好ましく、特には、tBu-PBD、BCP、及びCBPより選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0022】
前記有機発光材料としては、有機色素及び燐光材料の他、デンドリマー系材料などの任意の発光材料を用いることができる。
【0023】
また、前記混合物中には、同じく4,4’-ビス(9-カルバゾール)-ビフェニル(CBP)などのホスト材料を含有させることもできる。
【0024】
透明電極12及び金属電極14は蒸着法などの公知の方法を用いることによって形成することができる。
【0025】
透明電極12は、インジュウム酸化物とスズ酸化物との混合物であるITOや、インジュウム酸化物と亜鉛酸化物との混合物であるIZOなどから構成することができる。
【0026】
金属電極14は、Al、Cs、Erなどの金属や、MgAg、AlLi、AlLi、AlMg、CsTeなどの合金、あるいはCa/Al、MgAl、Li/Al、Cs/Al、Cs2O/Al、LiF/Al、ErF3/Alなどの積層構造体から構成することができる。
【0027】
なお、透明電極12及び金属電極14はいずれを陽極及び陰極に設定することができる。
【0028】
図1に示す有機電界発光素子10においては、基板11側に透明電極12が設けられており、発光層13に対して、基板11と反対側に金属電極14が設けられている。したがって、発光層13から生成及び発せられた光は透明電極12を介して透明基板11から出射されるようになる。
【0029】
図2は、本発明の有機電界発光素子のその他の例を示す構成図である。図2に示す有機電界発光素子において、図1に示すものと同様な構成要素については同じ参照数字を用いて表している。
【0030】
図2に示す有機電界発光素子20においては、透明電極12及び金属電極14の位置が逆転している以外は、図1に示す有機電界発光素子10と同じである。この場合は、発光層13から生成及び発せられた光は、金属電極14で反射され、透明電極12を介して、透明基板11と反対の側から出射されるようになる。
【0031】
なお、図2に示す有機電界発光素子20においては、生成した光を基板と反対の側から出射させるので、基板自体は必ずしも透明である必要はない。したがって、基板自体を金属から構成し、金属電極としての機能を付与することにより、別個独立した金属電極の形成を省略することもできる。
【0032】
また、図1及び図2の変形例として、上下に設けた電極を総て透明電極とし、基板側及び基板と反対側の双方から生成した光を取り出すこともできる。さらに、図1及び図2においては、透明電極12及び金属電極14を平板状に形成しているが櫛形状に形成することもできる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
ガラスからなる透明基板を準備し、この基板表面に紫外線オゾンクリーナ処理を約25分間実施した。次いで、正孔輸送材料としてのTPD、所定の電子輸送材料、及び緑色発光剤であるクマリン6(C6)を、TPD:有機電子輸送材料:C6=40:160:1で混合し、1,2-ジクロロエタン溶媒中に溶解して、混合物溶液を調整した。溶液中における前記混合物の割合は1重量%から2重量%に調節した。
【0034】
次いで、前記透明基板上にITO電極を厚さ100nmに形成し、次いで、前記混合物溶液を前記ITO電極を覆うようにして厚さ104nm~109nmに形成し、所定時間ベークして発光層を形成した。次いで、前記発光層上にLiF/Al電極を厚さ1/70nmに形成し、図1に示すような有機電界発光素子を形成した。
【0035】
図3は、有機電子輸送材料毎の、電流密度-電圧特性を示すグラフであり、図4は、有機電子輸送材料毎の、輝度-電流密度特性を示すグラフである。図3及び図4から明らかなように、有機電子輸送材料として、tBu-PBD、BCP、及びCBPを用いた場合は、tBu-PBDの場合が最も輝度が高く、最高輝度が1640cd/m2(電流密度180mA/cm2)であることが判明した。また、BCP及びCBPの最高輝度は、それぞれ334cd/m2(電流密度155mA/cm2)及び346cd/m2(電流密度318mA/cm2)であった。
【0036】
なお、電子輸送材料としてPyPySPyPy及びBphenを用いた際の最高輝度は、それぞれ83cd/m2、27cd/m2であった。
【0037】
以上、具体例を示しながら発明の実施に形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範疇においてあらゆる変形や変更が可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高信頼性及び高性能のデバイスを提供することができるとともに、微細な加工技術を伴う新規な有機電界発光素子の作製方法、及びその方法によって得られた新規な有機電界発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機電界発光素子の一例を示す構成図である。
【図2】 本発明の有機電界発光素子の他の例を示す構成図である。
【図3】 本発明の有機電界発光素子の、電流密度-電圧特性を示すグラフである。
【図4】 本発明の有機電界発光素子の、輝度-電流密度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10、20 有機電界発光素子
11 透明基板
12 透明電極
13 発光層
14 金属電極
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3