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明細書 :多波長パルス光生成システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3571245号 (P3571245)
公開番号 特開2000-258809 (P2000-258809A)
登録日 平成16年7月2日(2004.7.2)
発行日 平成16年9月29日(2004.9.29)
公開日 平成12年9月22日(2000.9.22)
発明の名称または考案の名称 多波長パルス光生成システム
国際特許分類 G02F  1/35      
H01S  3/10      
H04J 14/00      
H04J 14/02      
FI G02F 1/35
H01S 3/10 Z
H04B 9/00 E
請求項の数または発明の数 7
全頁数 12
出願番号 特願平11-060412 (P1999-060412)
出願日 平成11年3月8日(1999.3.8)
審査請求日 平成13年3月2日(2001.3.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人 科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】後藤 俊夫
【氏名】西澤 典彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】東 治企
参考文献・文献 特開平11-015032(JP,A)
特開平08-146474(JP,A)
特開平06-138500(JP,A)
国際公開第98/030881(WO,A1)
F.M.Michke et.ai,Discovery of the soliton self-frequency shift,Optics Letters,Optical Society of America ,1986年,vol,11 no,10,p659-661
調査した分野 G02F 1/29 - 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、
(b)該短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、
(c)該光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーとを備え、
(d)前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする多波長パルス光生成システム。
【請求項2】
(a)フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、
(b)該短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、
(c)該光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、
(d)前記分岐され、複数の光ファイバーを導波したパルス光を合波する光合波器とを備え
(e)前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする多波長パルス光生成システム。
【請求項3】
(a)フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、
(b)該短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、
(c)該光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、
該複数の光ファイバーのパルス光の強度を変調する光変調手段と、
)前記光変調手段によって変調されたパルス光を導波する複数の光ファイバーとを備え
(f)前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする多波長パルス光生成システム。
【請求項4】
(a)フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、
(b)該短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、
(c)該光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、
該複数の光ファイバーのそれぞれのパルス光の強度を変調する光変調手段と、
e)該光変調手段によって変調されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、
)該複数の光ファイバーを導波したパルス光を合波する光合波器とを備え
(g)前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする多波長パルス光生成システム。
【請求項5】
(a)フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、
(b)該短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、
(c)該光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、
(d)該複数の光ファイバーのそれぞれのパルス光の強度を変調する光変調手段と、
e)該変調調手段によって変調されたパルス光を時間的にずらして合波する光合波器と、
)該光合波器により合波されたパルス光を結合する1本の光ファイバーとを備え
(g)前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする多波長パルス光生成システム。
【請求項6】
(a)フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、
(b)該短パルス光源から出力される短パルス光を強度の異なる多数のパルスに分岐する光分岐器と、
(c)該光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、
該複数の光ファイバーの分岐されたそれぞれのパルス光の強度を変調する光変調器と、
e)該光変調器によって変調されたパルス光を時間的にずらして合波する光合波器と、
(f)該光合波器により合波されたパルス光を結合する1本の光ファイバーとを備え
(g)前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする多波長パルス光生成システム。
【請求項7】
請求項1~6記載の多波長パルス光生成システムにおいて、前記光分岐器の分岐比を、光分岐波路部の温度の変化によって変化させることを特徴とする多波長パルス光生成システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重パルス列生成システムに係り、特に波長可変短パルス光源を用いた波長多重パルス列生成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信の伝送容量の増大化を図るため、1本の光ファイバーに同時に多数の波長の光を多重して伝送する波長多重通信技術が注目を集めている。
【0003】
また、光計測の分野では、多数の波長の光源を用いて、被測定物の波長による光感度の違いを利用して、高精度な測定を行う多波長光計測が、新しい技術として注目を集めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の波長多重通信には、その多重すべき数だけの半導体レーザー光源を必要とするといった問題があった。
【0005】
また、多波長光計測でも、多数の光源が必要になるか、または、広いスペクトルを持つ光源の、一部のスペクトルのみを用いる必要があり、後者の場合は各スペクトルの強度が微弱になってしまい、十分な光強度が得られない等の問題があった。
【0006】
ところで、本願発明者は、光ファイバーとフェムト秒(fs)ファイバーレーザーによって構成される、コンパクトな波長可変fsパルス光源を開発し、特願平10-275604号として提案している。
【0007】
この光源では入射光の強度を変化させるだけで、fsパルスの波長をほぼ線形に変化させることができる。
【0008】
本発明は、上記状況に鑑みて、波長可変fsパルス光源を光源とし、複数の波長の超短パルス光を同時に生成することができる波長可変短パルス光源を用いた多波長パルス光生成システムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕多波長パルス光生成システムにおいて、フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、この短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、この光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーとを備え、前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする。
【0010】
〕多波長パルス光生成システムにおいて、フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、この短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、この光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、前記分岐され、複数の光ファイバーを導波したパルス光を合波する光合波器とを備え、前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする。
【0011】
〕多波長パルス光生成システムにおいて、フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、この短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、この光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、この複数の光ファイバーのパルス光の強度を変調する光変調手段と、前記光変調手段によって変調されたパルス光を導波する複数の光ファイバーとを備え、前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする。
【0012】
〕多波長パルス光生成システムにおいて、フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、この短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、この光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、この複数の光ファイバーのそれぞれのパルス光の強度を変調する光変調手段と、この光変調手段によって変調されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、この複数の光ファイバーを導波したパルス光を合波する光合波器とを備え、前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする。
【0013】
〕多波長パルス光生成システムにおいて、フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、この短パルス光源から出力される短パルス光を複数のパルスに分岐する光分岐器と、この光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、この複数の光ファイバーのそれぞれのパルス光の強度を変調する光変調手段と、この変調調手段によって変調されたパルス光を時間的にずらして合波する光合波器と、この光合波器により合波されたパルス光を結合する1本の光ファイバーとを備え、前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする。
【0014】
〕多波長パルス光生成システムにおいて、フェムト秒ファイバーレーザーからなる短パルス光源と、この短パルス光源から出力される短パルス光を強度の異なる多数のパルスに分岐する光分岐器と、この光分岐器によって分岐されたパルス光を導波する複数の光ファイバーと、この複数の光ファイバーの分岐されたそれぞれのパルス光の強度を変調する光変調器と、この光変調器によって変調されたパルス光を時間的にずらして合波する光合波器と、この光合波器により合波されたパルス光を結合する1本の光ファイバーとを備え、前記光分岐器の分岐比を変化させることによって波長の異なる複数のパルス光を生成することを特徴とする。
【0015】
〕請求項1~6記載の多波長パルス光生成システムにおいて、前記光分岐器の分岐比を、光分岐波路部の温度の変化によって変化させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図である。
【0018】
図1において、1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、2はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐器、3はその光分岐器2によって分岐されたそれぞれのパルス光を伝搬する複数の光ファイバーである。
【0019】
このように、fsファイバーレーザー1から出力される短パルス光を、光分岐器2を用いて多数のパルスに分岐する。その分岐された多数のパルスはそれぞれの光ファイバー3によって伝送され、図示しないが、光デバイスの特性試験に用いる。例えば、各光ファイバー3から出力されるパルスが同一であり、光デバイスの特性にバラツキがあるような場合には、それのバラツキの状態をオシロスコープ及びマイクロコンピュータで的確に測定することができる。
【0020】
図2は本発明の第2実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図(その1)である。なお、上記した部分と同じ部分には同じ符号を付している。
【0021】
1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、2はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐器、3はその光分岐器2によって分岐されたそれぞれのパルス光を伝搬する光ファイバー、4はそれらの光ファイバー3に設けられる光変調器である。
【0022】
このように、波長可変短パルス光源1からの光を光分岐器2によって分岐し、光変調器(1~n)4によってパルス光の強度を調整し、それぞれ光ファイバー3に伝搬させ、パルス光の強度に依存した波長の異なる多数のパルス光を生成する。
【0023】
図3は本発明の第2実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図(その2)である。なお、上記した部分と同じ部分には同じ符号を付している。
【0024】
図3において、1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、2はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐器、5A~5Gはその光分岐器2によって分岐されたそれぞれのパルス光を導波する光ファイバーであり、ここでは、それぞれ長さ等の特性の異なる光ファイバーを用いる。
【0025】
このように、fsファイバーレーザー1から出力される短パルス光を、光分岐器2を用いて多数のパルスに分岐する。その分岐された多数のパルスはそれぞれ長さ等の特性の異なる光ファイバー5A~5Gによって導波し、光ファイバー5A~5G中で得られる非線形効果の大きさの違いによって、波長の異なる多数のパルス光を生成させることができる。
【0026】
図4は本発明の第3実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図である。なお、上記した部分と同じ部分には同じ符号を付している。
【0027】
図4において、1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、6はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐比の異なる分岐比可変光分岐器(後述の図5参照)、3はその分岐比可変光分岐器6によって分岐されたそれぞれのパルス光を伝搬する光ファイバーである。
【0028】
このように、fsファイバーレーザー1から出力される短パルス光を、光分岐比の異なる分岐比可変光分岐器6によって分岐し、強度の異なるパルス光を生成し、それぞれの光ファイバー3に伝搬させることによって、パルス光の強度に依存した波長の異なる多数のパルス光を生成させることができる。
【0029】
図5は本発明の第3実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた波長多重短パルス列生成装置に用いられる分岐比可変光分岐器の概略構成図である。
【0030】
この図に示すように、分岐比可変光分岐器6は、入力側導波路部7A、出力側導波路部7B、光分岐波路部8、温度コントローラ9から構成されており、構造を調整することにより、各ポートへの分岐比を任意の値に設定することができる。
【0031】
また、光分岐波路部8の温度を変化させることによって分岐比を調整することができる。
【0032】
図6は本発明の第4実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた波長多重短パルス列生成装置の構成図である。なお、上記した部分と同じ部分には同じ符号を付している。
【0033】
図6において、1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、2はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐器、3はその光分岐器2によって分岐されたそれぞれのパルス光を伝搬する光ファイバー、10はその光ファイバーに施されるパルス光の強度を変調する光変調手段、12は分岐され、変調されたパルス光をずらして合波する光合波器、13はその光合波器12により合波されたパルス光を結合する1本の光ファイバーである。
【0034】
このように、fsファイバーレーザー1から出力される短パルス光を、光分岐器2を用いて多数のパルスに分岐する。その後、それぞれのパルスの強度を光変調手段10を用いて変調する。この時、光変調手段(変調器,光ファイバーの長さや特性を異ならせる)10ではそれぞれのパルス光の強度を少しずつ変化させておく。その後、これらのパルス光は光合波器12を用いて時間的にずらして合波され、1本の光ファイバー13に結合される。この1本の光ファイバー13において、信号光はその強度に応じて波長をシフトしたソリトンパルスに変換される。
【0035】
その結果、一定間隔で波長のシフトした広帯域の超短パルス列14を生成させることができる。
【0036】
図7は本発明の第5実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた波長多重短パルス列生成装置の構成図である。なお、上記した部分と同じ部分には同じ符号を付している。
【0037】
図7において、1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、2はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐器、3はその光分岐器2によって分岐されたパルス光を伝搬する光ファイバー、11はそのパルス光の強度を変調する光変調器、12は分岐され、変調されたパルス光を合波する光合波器、13はその光合波器12により合波されたパルス光を結合する1本の光ファイバーである。
【0038】
このように、fsファイバーレーザー1から出力される短パルス光を光分岐器2を用いて複数のパルスに分岐する。その後、それぞれのパルスの強度を光変調器11を用いて変調する。この時、光変調器11では、ON、OFF変調によってパルスにはディジタル信号が載せられる。また、それぞれのパルス光の強度を少しずつ変化させておく。変調されたパルス光が光ファイバー3を通り、光合波器12で合波され、一本の光ファイバー13に結合される。この光ファイバー13において信号光は波長をシフトしたソリトンパルス15に変換される。
【0039】
図8は本発明の第6実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス列生成システムの構成図である。なお、上記した部分と同じ部分には同じ符号を付している。
【0040】
図8において、1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、2はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐器、5A~5Gはその光分岐器2によって分岐されたそれぞれのパルス光を導波する光ファイバーであり、ここでは、それぞれ長さ等の特性の異なる光ファイバーを用いる。
【0041】
このように、fsファイバーレーザー1から出力される短パルス光を、光分岐器2を用いて多数のパルスに分岐する。その分岐された多数のパルスはそれぞれ長さ等の特性の異なる光ファイバー5A~5Gによって導波し、光ファイバー5A~5G中で得られる非線形効果の大きさの違いによって、波長の異なる多数のパルス光を生成し、光合波器12によって多数のパルス光を重ね合わせ、単一の光ファイバー13から多波長のパルス光16を出力することができる。
【0042】
図9は本発明の第7実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス列生成システムの構成図である。なお、上記した部分と同じ部分には同じ符号を付している。
【0043】
図9において、1は波長可変短パルス光源としてのフェムト秒(fs)ファイバーレーザー、6はそのフェムト秒ファイバーレーザー1から出力される短パルス光を多数のパルスに分岐する光分岐比の異なる光分岐器、3はその光分岐器6によって分岐されたそれぞれのパルス光を伝搬する光ファイバー、12は分岐され、変調されたパルス光をずらして合波する光合波器、13はその光合波器12により合波されたパルス光を結合する1本の光ファイバーである。
【0044】
このように、fsファイバーレーザー1から出力される短パルス光を、分岐比の異なる多数のパルス光を生成し、それぞれ光ファイバー3に伝搬させることによって、パルス光の強度に依存した波長の異なる多数の光を生成し、光合波器12において合波し、光合波器12から多波長のパルス光17を出力することができる。
【0045】
図10は本発明の実施例を示す波長多重短パルス列生成装置における波長可変短パルス光源の模式図である(本願発明者によって提案された特願平10-275604号を参照)。
【0046】
この図において、波長可変短パルス光源(fsファイバーレーザー)1は、短パルス光源101と、この短パルス光源101からの光特性を調整する光特性調整器102と、この光特性調整器102から入射パルスを入射するとともに、出力パルスの波長を線形に変化させることができる光ファイバー103とから構成されている。なお、Rは励起パルス、Sはソリトンパルスである。
【0047】
図10に示すように、励起光源(短パルス光源)101には、例えば、フェムト秒パルス光を安定に生成するコンパクトな短パルス光源(ファイバーレーザー)101を用いる。その短パルス光源101の出力は、光特性調整器102を通し、パルス光を所望の光特性に調整した後、光ファイバー103に入射される。この時、入射光の偏光方向は光ファイバー103の複屈折軸に平行に合わせる。光ファイバー103の長さが十分に長く、入射光強度が十分に大きいとき、誘導ラマン散乱によって、入射パルスの長波長側に新たなパルス光が生成される。
【0048】
このパルス光は、自己位相変調と、波長分散の相互作用であるソリトン効果によって、パルス波形とスペクトル波形がsech2 型をとる理想的なソリトンパルスSになっていく。このソリトンパルスSは光ファイバー103を伝搬するのに伴い、ラマン散乱効果によってスペクトルの中心が長波長側にシフトしていく。この効果をソリトン自己周波数シフトという。この時、周波数のシフト量は光ファイバー103の長さやパルス光の強度に依存するため、両者を変化させることにより、波長のシフト量を調整することができる。特に、入射光強度を変化させることで、波長シフト量を線形に変化させることができる。
【0049】
図11は本発明の実施例を示す8波波長多重パルス列のスペクトルを示す図であり、縦軸にスペクトル強度(相対単位)、横軸は波長(nm)を表している。
【0050】
この図に示すように、fsファイバーレーザーからの出力を8分割し、それぞれの強度を調整した後、再度重ね合わせ、1本の細径光ファイバーに結合させ、波長が等間隔離れたソリトンパルスを生成させた。ここで、細径光ファイバーの長さは220m、入射パルスはパルス幅180fs、平均出力40mWである。図2及び図6に示すように、変調器を用いてON-OFF変調することで、それぞれのパルスに信号を載せることができる。
【0051】
本発明によれば、波長可変fsパルス光源を発展させ、多波長多重パルス列生成装置を得ることができた。つまり、fsファイバーレーザーの出力を多数に分岐し、各々の強度を変調器で調整した後、再度重ね合わせ、光ファイバーに入射する。その光ファイバーに入射された光は、その強度に依存して波長のシフトしたソリトンパルスを生成する。その場合、変調器を用いることによって、ソリトンパルスに信号を載せることができる。
【0052】
このような光源は、光通信の分野、特に、波長多重光通信の分野に広く用いられていくことが期待される。
【0053】
また、多波長光計測の分野への適用が考えられる。
【0054】
更に、上記実施例において、光源からの光を多数に分岐して、それぞれの強度を変化させる場合、それぞれのパルスが1本の光ファイバーに入射する時間を少しずつずらしておく必要があるが、これは、例えば、光分岐器から分岐された光ファイバーの長さを若干異ならせることにより、容易に達成することができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0056】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0057】
(A)簡単な構成で、多波長パルス光を生成することができる。
【0058】
(B)多波長の変調パルスを1本の光ファイバーから出力することができる。
【0059】
(C)一定間隔で波長のシフトした広帯域の超短パルス列が得られる。つまり、一つの光源から非常に広帯域の多波長パルスを生成することができる。
【0060】
(D)入射光の強度を変化させるだけで、fsパルスの波長をほぼ線形に変化させ、その強度に依存して波長のシフトしたソリトンパルスを生成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図(その1)である。
【図3】本発明の第2実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図(その2)である。
【図4】本発明の第3実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス光生成システムの構成図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた波長多重短パルス列生成装置に用いられる分岐比可変光分岐器の概略構成図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた波長多重短パルス列生成装置の構成図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた波長多重短パルス列生成装置の構成図である。
【図8】本発明の第6実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス列生成システムの構成図である。
【図9】本発明の第7実施例を示す短パルス光源と光ファイバーを用いた多波長パルス列生成システムの構成図である。
【図10】本発明の実施例を示す波長多重短パルス列生成装置における波長可変短パルス光源の模式図である。
【図11】本発明の実施例を示す8波波長多重パルス列のスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 波長可変短パルス光源〔フェムト秒(fs)ファイバーレーザー〕
2 光分岐器
3 光ファイバー
4,11 光変調器
5A~5G 長さ等の特性の異なる光ファイバー
6 分岐比可変光分岐器
7A 入力側導波路部
7B 出力側導波路部
8 光分岐波路部
9 温度コントローラ
10 光変調手段
12 変調されたパルス光をずらして合波する光合波器
13 1本の光ファイバー
14 超短パルス列
15 波長をシフトしたソリトンパルス
16,17 多波長のパルス光
101 短パルス光源
102 光特性調整器
103 光ファイバー
R 励起パルス
S ソリトンパルス
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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