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明細書 :光スイッチ素子及び光スイッチ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5261728号 (P5261728)
登録日 平成25年5月10日(2013.5.10)
発行日 平成25年8月14日(2013.8.14)
発明の名称または考案の名称 光スイッチ素子及び光スイッチ
国際特許分類 H01H  35/00        (2006.01)
G02B  26/02        (2006.01)
FI H01H 35/00 R
G02B 26/02 F
請求項の数または発明の数 8
全頁数 17
出願番号 特願2010-500581 (P2010-500581)
出願日 平成21年3月2日(2009.3.2)
国際出願番号 PCT/JP2009/000942
国際公開番号 WO2009/107403
国際公開日 平成21年9月3日(2009.9.3)
優先権出願番号 2008049616
優先日 平成20年2月29日(2008.2.29)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年2月29日(2012.2.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】598123138
【氏名又は名称】学校法人 創価大学
【識別番号】593103179
【氏名又は名称】日本電線工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】浜岡 和彦
【氏名】鎌田 仁
【氏名】鈴木 重行
【氏名】渡辺 一弘
【氏名】佐々木 博幸
個別代理人の代理人 【識別番号】110000800、【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
審査官 【審査官】林 政道
参考文献・文献 特開昭61-258131(JP,A)
特開2005-338361(JP,A)
特開昭58-199304(JP,A)
特開2004-053816(JP,A)
特公昭47-036909(JP,B1)
特開昭61-151503(JP,A)
調査した分野 H01H 35/00
G02B 26/02
G02B 6/02
G02B 6/42
特許請求の範囲 【請求項1】
コア及びコアの外周に積層されたクラッドを備え、伝送する光の一部の外界との相互作用を可能にする光透過部材を有し、前記光透過部材を含む範囲で所定の曲率の曲線を描くように配置され、入射端に光が入射されて出射端から前記光透過部材を通過した光を出射する光ファイバセンサと、
外部磁石との距離に応じて位置が変動し、前記光透過部材以外の部分で前記光ファイバセンサと接触して、前記位置に応じて前記光ファイバセンサの描く曲線の形状を変動させるスイッチ部材とを備え、
前記スイッチ部材が前記光ファイバセンサの描く曲線の形状を変動させることにより、光ファイバセンサの前記光透過部材及びその近傍部分の曲率が変動し、前記外界との相互作用が前記曲率に応じて前記光ファイバセンサを伝送する光に対して生じるように構成され
前記光ファイバセンサが前記光透過部材以外の部分で2つの固定点を通るように配置され、前記スイッチ部材を前記固定点の一方に外部磁石との距離に応じて揺動可能に設けている光スイッチ素子。
【請求項2】
前記スイッチ部材を第1の位置で係止させる第1係止部材と、
前記スイッチ部材を第2の位置で係止させる第2係止部材とを備え、
前記スイッチ部材が前記第1の位置に係止された第1の状態と、前記スイッチ部材が前記第2の位置に係止された第2の状態とを有する請求項1に記載の光スイッチ素子。
【請求項3】
前記第1の位置又は前記第2の位置の少なくとも一方が調整可能である請求項2に記載の光スイッチ素子。
【請求項4】
前記スイッチ部材が磁性体からなる板バネから構成される請求項1から3のいずれか1項に記載の光スイッチ素子。
【請求項5】
前記板バネが断面L字形状の撓み防止構造を有する請求項4に記載の光スイッチ素子。
【請求項6】
前記光透過部材は、光ファイバのコア径と異なるコア径を有するヘテロコア部である請求項1から5のいずれか1項に記載の光スイッチ素子。
【請求項7】
前記光透過部材は、光ファイバのコアの屈折率あるいはクラッドの屈折率と同等の屈折率を持つ光透過部材である請求項1から6のいずれか1項に記載の光スイッチ素子。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の光スイッチ素子と、
前記光ファイバセンサの入射端に設けられた光源と、
前記光ファイバセンサの出射端に設けられた受光部とを備える光スイッチ。
発明の詳細な説明
【0001】
本発明は、光ファイバセンサを用いた光スイッチ素子、及びこれを備えた光スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
防爆領域などでは、スイッチの切り替え時に火花が発生するおそれがあるので、電気接点を有するスイッチを用いることができない。そのため、光を利用してオン/オフ状態を切り替える光スイッチが用いられる。
【0003】
従来の光スイッチとして、例えば特許文献1を参照して、発光素子からの光を光ファイバで防爆領域に導き、防爆領域に設けられた遮光部を通過させ、光スイッチから戻ってくる出力光を光ファイバで防爆領域外へと導いて受光素子で受光し、受光した光量に応じてオン/オフ状態を判断するものが知られている。
【0004】
また、従来の光スイッチとして、2本の光ファイバの端面同士を向かい合わせて両光ファイバ間に光を伝送させるように構成し、端面同士を十分に合わせて2本の光ファイバ間に伝送する光の端面における損失を小さくした状態と、端面同士をずらせて損失を大きくした状態とを、スイッチ部材の機械的な動作により制御するものが知られている。この光スイッチでは、スイッチ部材の動作状況に応じて、2本の光ファイバを伝送する光量によってオン/オフ状態を判別している。
【0005】
しかし、これら従来の光スイッチにおいては、スイッチ動作を実現するために、例えばコア径が1mm程度の太い光ファイバが必要であり、さらにスイッチ動作が安定しないなどの欠点を有していた。
【0006】
そこで、特許文献2には、ヘテロコア型の光ファイバセンサを用いた光スイッチが開示されている。この光スイッチにおいては、ヘテロコア構造のセンサ部と接触する円盤状部材を押圧部材が押圧する状態に応じて、センサ部及びその近傍部分の曲率が変化し、センサ光の伝送損失が変化することを利用して、オン/オフ状態を判別している。
【0007】
なお、ヘテロコア型の光ファイバセンサについては、特許文献3及び4に開示されている。
【特許文献1】特開2001-250462号公報
【特許文献2】特開2005-338360号公報
【特許文献3】国際公開97/48994号パンフレット
【特許文献4】特開2003-214906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に開示された光スイッチは、円盤状部材をセンサ部に直接接触させて、スイッチ動作を行っている。しかし、センサ部は、接合などにより光ファイバセンサの中途部に設けられているので、接触する円盤状部材に押圧されて破損するおそれが高いという問題があった。
【0009】
また、センサ部と円盤状部材とが非接触状態での曲率と、センサ部が円盤状部材を介して押圧部材に押し込まれた状態での曲率とにそれぞれ応じた伝送損失を計測することによってオン/オフ状態を判別している。そのため、特に、繰り返しの再現性に劣り、且つ精度が良くないという問題があった。さらに、オン/オフ状態でのセンサ光の伝送損失を調整できないので、汎用範囲が狭いという問題があった。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、センサ部に非接触でスイッチ動作を行うことが可能な光スイッチ素子及び光スイッチを提供することを目的としている。
【0011】
さらに、本発明は、好ましくは、繰り返しの再現性に優れ、精度が良い光スイッチ素子及び光スイッチを提供することを目的としている。
【0012】
さらに、本発明は、好ましくは、センサ光の伝送損失が調整でき、汎用範囲が広い光スイッチ素子及び光スイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の光スイッチ素子は、コア及びコアの外周に積層されたクラッドを備え、伝送する光の一部の外界との相互作用を可能にする光透過部材を有し、前記光透過部材を含む範囲で所定の曲率の曲線を描くように配置され、入射端に光が入射されて出射端から前記光透過部材を通過した光を出射する光ファイバセンサと、外部磁界の作用によって位置が変動し、前記光透過部材に非接触で、前記位置に応じて前記光ファイバセンサの描く曲線の形状を変動させるスイッチ部材とを備え、前記スイッチ部材が前記光ファイバセンサの描く曲線の形状を変動させることにより、該光ファイバセンサの前記光透過部材及びその近傍部分の曲率が変動し、前記外界との相互作用が前記曲率に応じて前記光ファイバセンサを伝送する光に対して生じるように構成され、前記光ファイバセンサが前記光透過部材以外の部分で2つの固定点を通るように配置され、前記スイッチ部材を前記固定点の一方に外部磁石との距離に応じて揺動可能に設けている。
【0014】
本発明の光スイッチ素子によれば、外部磁石との距離に応じてスイッチ部材の位置が変動し、該スイッチ部材が光透過部材以外の部分で光ファイバセンサと接触して、当該位置に応じて光ファイバセンサの描く曲線の形状が変動し、光ファイバセンサの前記光透過部材及びその近傍部分の曲率が変動する。そして、この曲率の変動により、光ファイバセンサに伝送される光と外界とで発生する相互作用が変動する。従って、発生した相互作用の変動を検出することにより、スイッチ動作を行うことが可能となる。
【0015】
そして、センサ部に直接円盤状部材が接触して曲率を変動させる特許文献2に開示された光スイッチと比較して、曲げにより破損しやすい光ファイバセンサの光透過部材にスイッチ部材が接触しないので、耐久性が向上する。また、光透過部材は簡易に設けることができるので、光スイッチ素子を安価に製造することが可能となる。また、光スイッチ素子は、電気接点を用いていないので、防爆施設などでも好適に使用できる。また、スイッチ部材の揺動に応じて光ファイバセンサの前記光透過部材及びその近傍部分の曲率が変動する。そのため、この曲率の変動により発生する相互作用を検出することにより、スイッチ動作を行うことが可能となる。
【0016】
また、本発明の光スイッチ素子において、前記スイッチ部材を第1の位置で係止させる第1係止部材と、前記スイッチ部材を第2の位置で係止させる第2係止部材とを備え、前記スイッチ部材が前記第1の位置に係止された第1の状態と、前記スイッチ部材が前記第2の位置に係止された第2の状態とを有することが好ましい。この場合、第1の状態と第2の状態との2つの状態において、スイッチ部材が係止され、光ファイバセンサの前記光透過部材及びその近傍部分の曲率が変動しない。そのため、これらの状態の判別を確実に行うことが可能となる。
【0017】
また、本発明の光スイッチ素子において、前記第1の位置又は前記第2の位置の少なくとも一方が調整可能であることが好ましい。この場合、光スイッチ素子の調整可能とした位置に対応する状態において発生する相互作用を調整することが可能となり、汎用性に富む。
【0018】
また、本発明の光スイッチ素子において、前記スイッチ部材が磁性体からなる板バネから構成されることが好ましい。この場合、スイッチ部材を簡易に構成することが可能となる。
【0019】
また、本発明の光スイッチ素子において、前記板バネが断面L字形状の撓み防止構造を有することが好ましい。この場合、板バネに撓みが発生することが防止され、安定なスイッチ動作を実現することが可能となる
【0020】
また、本発明の光スイッチ素子において、前記光透過部材は、光ファイバのコア径と異なるコア径を有するヘテロコア部であることが好ましい。
【0021】
また、本発明の光スイッチ素子において、前記光透過部材は、光ファイバのコアの屈折率又はクラッドの屈折率と同等の屈折率を持つ材料からなることが好ましい。
【0022】
これらの場合、光透過部材は伝送する光の一部を漏洩するので、光の伝送損失を検出することによって、スイッチ動作を行うことができる。そのため、安価な検出装置を用いることが可能となる。また、光の伝送損失は、光透過部材及びその近傍部分の曲率に依存するので、スイッチ動作を高精度に行うことが可能となる。また、放電による融着などにより簡易に光透過部材を設けることが可能となる。
【0023】
本発明の光スイッチは、前記本発明の光スイッチ素子と、前記光ファイバセンサの入射端に設けられた光源と、前記光ファイバセンサの出射端に設けられた受光部とを備える。
【0024】
本発明の光スイッチによれば、前記本発明の光スイッチ素子が有する効果を備えた光スイッチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態に係る光スイッチ素子の構成を示す模式図である。
【図2】光ファイバセンサのセンサ部近傍を概念的に示し、(a)は斜視図であり、(b)は長手方向断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る光スイッチの構成を示す模式図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の第2実施形態に係る光スイッチ素子の部分的な構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る光スイッチ素子を構成するスイッチ部材の可変部の構成及び動作を模式的に示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【図6】(a)乃至(b)は、本発明の第4実施形態に係る光スイッチ素子の構成を示す模式図である。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の第5実施形態に係る光スイッチ素子の部分的な構成を示す模式図である。
【図8】(a)及び(b)は、本発明の第6実施形態に係る光スイッチ素子のセンサ部近傍の長手方向断面図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係る光スイッチの構成を示す模式図である。
【図10】本発明の第8実施形態に係る光スイッチの構成を示す模式図である。
【図11】本発明の第9実施形態に係る光スイッチ素子の構成を示す模式図である。
【図12】本発明の第10実施形態に係る光スイッチ素子の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の光スイッチ素子及びこれを用いた光スイッチに係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
〔第1実施形態〕
図1(a)を参照して、第1実施形態に係る光スイッチ素子SWは、光ファイバ20a,20b及びその中途部に設けられた光透過部材であるセンサ部SPからなる光ファイバセンサ(センサファイバ)を備えている。光ファイバセンサを構成する光ファイバ20a,20b及びセンサ部SPの詳細については後述する。
【0028】
光ファイバセンサは、センサ部SP及びその近傍部分を含む範囲(以下、これらの範囲を合わせて、単に、「センサ部SP近傍」という)が所定の曲率となる曲線を描くようにして、筐体などに収容されている。
【0029】
光ファイバセンサは、ここでは、外部磁界の作用によって位置が変動するスイッチ部材1の可動部1aと筐体の壁面2aとで挟まれることによって、所定の曲線を描くように配置されている。光ファイバセンサは、筐体内でリング形状となるように保持されている。なお、光ファイバセンサは、U字状やΩ字状などの形状に保持されていてもよい。ただし、光ファイバセンサを筐体内に収容する場合、リング状であれば容易に収容可能となる。
【0030】
スイッチ部材1は、ここでは、磁性体金属からなる板バネで構成されている。スイッチ部材1は、可動部1aを除く部分が不図示の筐体に固定されており、外部磁界の作用によって可動部1aが基端部を支点として動作し、その位置が変動する。なお、可動部1a先端の移動距離は、例えば、数mmから数cmである。
【0031】
外部磁界がない状態では、可動部1aには自身のバネ作用により光ファイバセンサのセンサ部SPに近づく方向(以下、内側方向という)への力のみが作用している。しかし、内側方向に近づくように動作する可動部1aを第1の位置に係止する第1係止部材3aが設けられている。そのため、可動部1aは、図1(a)に示す位置に係止され、スイッチ部材1の可動部1aを除く部分に対して角度θ1で保持された状態となって位置決めされる。このとき、可動部1aと筐体の壁面2aとの間隔が狭く、光ファイバセンサは、図中上下方向から押さえ込まれ、センサ部SP近傍が所定の大きな曲率R1となる曲線を描く形状になる。この状態をオフ状態(第1状態)とする。
【0032】
オフ状態の光スイッチ素子SWにおいて、図1(b)に示すように、スイッチ部材1の可動部1aに外部磁石MGが近接するに従い、外部磁石MGが可動部1aを引き寄せる力が徐々に大きくなる。そして、スイッチ部材1の可動部1aから所定範囲内に外部磁石MGが近接すると、可動部1aのバネ作用による内側方向への力よりも可動部1aが外部磁石MGに引き寄せられる外側方向への力が大きくなり、可動部1aは光ファイバセンサから遠ざかる方向(以下、外側方向という)に動作する。しかし、外側方向に動作する可動部1aを第2の位置で係止する第2係止部材4aが設けられている。そのため、可動部1aは、図1(b)に示す位置で係止され、スイッチ部材1の可動部1aを除く部分に対して角度θ1aで保持された状態となって位置決めされる。このとき、可動部1aと筐体の壁面2aとの間隔が広く、光ファイバセンサは、図中上方向に広がり、そのセンサ部SP近傍が小さな所定の曲率R2となる曲線を描く形状になる。この状態をオン状態(第2状態)とする。
【0033】
このように、光スイッチ素子SWには、外部磁石MGが近接したオン状態と、外部磁石MGが近接していないオフ状態との2種類の状態があり、外部磁石MGとの距離に応じて、オン状態又はオフ状態になる。
【0034】
なお、外部磁石MGが近接する構成は任意である。例えば、外部磁石MGが、スイッチ部材1を固定した筐体に摺動可能に設けられ、別体の対象物が外部磁石MGあるいは外部磁石MGを固定した部材と当接して、外部磁石MGを可動部1aに近接させるように構成してもよい。又、筐体とは別体の対象物の先端に外部磁石MGを固定し、当該対象物が可動部1aに近接するものであってもよい。
【0035】
スイッチ部材1の可動部1aと筐体の壁面2aとで挟まれた光ファイバセンサの形状の変化が安定すると、センサ部SP近傍の曲率の変動が安定する。即ち、可動部1aが第1の位置で係止されるオン状態では、センサ部SP近傍の曲率がR1となり、可動部1aが第2の位置で係止されるオフ状態では、センサ部SP近傍の曲率がR2となるような再現性を、長期間に亘って良好に得る必要がある。そのために、光ファイバセンサがリング形状となるように保持した部分の一箇所又は複数箇所を筐体などに固定してもよい。ただし、固定せずに曲率の変動が安定する場合には固定しなくてもよい。なお、センサ部SP近傍の曲率がR1,R2から多少変化しても、オン/オフ状態を正確に判別できるので、オン/オフ各状態における光ファイバセンサの形状はそれぞれ厳密に一定である必要はない。
【0036】
光スイッチ素子SWには、上記のように、外部磁界の作用によって位置が変動するスイッチ部材1の可動部1aを第1の位置で係止する第1係止部材3aと、第2の位置で係止する第2係止部材4aとが設けられている。そのため、光スイッチ素子SWのオン/オフ状態に対応する可動部1aの位置決めを明確に行うことができる。
【0037】
光スイッチ素子SWを構成する光ファイバセンサは、光ファイバ20a,20bの中途部、即ち、光入射側の光ファイバ20aと光出射側の光ファイバ20bの間にセンサ部SPを有して構成されている。
【0038】
図2(a)及び図2(b)を参照して、光ファイバ20a,20bは、コア21と、該コア21の外周に積層されたクラッド22とを有する構成である。光ファイバ20a,20bは、入射端である光ファイバ20a端部、レーザダイオードや発光ダイオードなどの光源11(図3参照)から出射されたセンサ光が入射され、出射端である光ファイバ20b端部からセンサ部SPを通過したセンサ光がフォトダイオードなどの受光部12(図3参照)で受光される構成になっている。
【0039】
センサ部SPは、伝送する光の一部を漏洩するヘテロコア部30からなっている。ヘテロコア部30は、光ファイバ20a,20bのコア径alと異なるコア径blを有するコア31と、その外周に設けられたクラッド32とからなっている。ヘテロコア部30のコア31の径blは、光ファイバ20a,20bのコア21の径alより小さい。ここでは、コア21の径alは9μmであり、コア31のコア径blは5μmである。また、ヘテロコア部30の長さclは、例えば、1mmから2mm程度である。
【0040】
センサ部SPを構成するヘテロコア部30と光ファイバ20a,20bとは、長手方向に直交する界面40でコア同士が接合するように略同軸に、例えば、汎用化されている放電による融着などにより、接合されている。
【0041】
光ファイバ20a,20b及びヘテロコア部30として、シングルモード光ファイバとマルチモード光ファイバとのいずれも使用可能であり、これらを組み合わせて使用してもよい。例えば、光ファイバ20a,20bとして、コア径50μmのマルチモード光ファイバを使用してもよい。
【0042】
光ファイバ20a,20bの中途部にヘテロコア型のセンサ部SPが接合されており、ヘテロコア部30におけるコア31の径blと光ファイバ20a,20bのコア21の径alとが界面40で異なっている。このコア径の差に起因して、図5(a)に示すように、伝送される光の一部がヘテロコア部30のクラッド32へ漏洩し、リーク光Wが発生する。
【0043】
コア21とコア31のコア径の相違が小さくなるように設定すると、リーク光Wが小さくなり、大部分の光は再びコア21に入射し、伝送するセンサ光の伝送損失(ロス)が小さくなる。一方、コア21とコア31のコア径の相違が大きくなるように設定すると、リーク光Wが大きくなり、伝送するセンサ光の伝送損失が大きくなる。
【0044】
ヘテロコア型のセンサ部SPにおいて、リーク光Wの大きさ、ひいてはセンサ光の伝送損失は、センサ部SP近傍の光ファイバセンサの曲げの変化により鋭敏に変化し、曲げが大きいほど大きくなる。
【0045】
光スイッチ素子SWは、図1(a)及び(b)に示すように、スイッチ部材1の可動部1aの位置が変動すると、可動部1aと筐体の壁面2aとで挟み込まれた光ファイバセンサの形状が変化し、センサ部SP近傍の曲率がR1とR2とで変動することになる。
【0046】
従って、可動部1aの位置に応じて、即ち、可動部1aに外部磁石MGが近接しているオン状態か近接していないオフ状態かにより、光ファイバセンサにおける伝送損失が2値的に変動する。そこで、光ファイバ20bの出射端から出射されるセンサ光を受光し、センサ光の損失を測定することにより、光スイッチ素子SWのオン/オフ状態を判別することが可能となり、スイッチ動作を実現できる。
【0047】
図3を参照して、光スイッチは、上記した光スイッチ素子SW、外部磁石MG、光ファイバセンサの光入射端である光ファイバ20a端部に設けられた光源11、及び光ファイバセンサの光出射端である光ファイバ20b端部に設けられた受光部12を備えている。
【0048】
光源11は、例えば、半導体発光ダイオード(LED)や半導体レーザなどの発光素子を有しており、センサ光を出射する。受光部12は、例えば、フォトダイドード(PD)や電荷結合素子(CCD)などの受光素子を有する光マルチメータであり、光出射端から出射されるセンサ光を検出する。
【0049】
このように、光スイッチ素子SW及びこれを備えた光スイッチによれば、外部磁界の作用により可動部1aの位置を変動させ、その位置に応じてセンサ光の伝送損失を変動させる構成であり、外部磁石MGとの距離に応じて非接触でスイッチ動作させることが可能である。
【0050】
そして、リング状の光ファイバセンサの腹部(図1では上部)に可動部1aが当接しており、該可動部1aは外部磁石MGとの距離に応じて位置が変動する。そのため、リング状の光ファイバセンサは、その腹部の膨らみを規定する可動部1aが動作することにより形状が変動する。よって、センサ部SP近傍に何ら部材を接触させることなく、当該センサ部SP近傍の曲率を変動させている。そのため、センサ部に直接円盤状部材が接触して曲率を変動させる特許文献2に開示された光スイッチと比較して、センサ部SPの界面40で折れるなど光ファイバセンサが破損するおそれが減少するので、耐久性が向上する。
【0051】
また、光スイッチ素子SWには、オン状態とオフ状態の2つの状態しかない。そのため、オン/オフいずれの状態であるかを伝送損失によって高精度で判別でき、繰り返しの再現性も優れている。例えば、スイッチ部材1のバネ作用や磁性力が経年劣化しても、オン/オフいずれの状態であるかを確実に判別できる。
【0052】
また、光スイッチ素子SWは、スイッチ部材1の可動部1aの位置に応じて光ファイバセンサを伝送する光に対して損失を発生させる構成となっている。そして、曲率の変化に応じて鋭敏に伝送損失が変化するセンサ部SP近傍に可動部1aの位置に応じた曲率を生じさせている。また、センサ部SPを構成するヘテロコア部30は、汎用化されている放電による融着などにより簡易に設けることが可能である。そのため、安価で軽重量物を高精度で光スイッチを実現することができる。
【0053】
また、光スイッチ素子SWは、電気接点を用いていないので、防爆施設などでも好適に使用できる。なお、防爆施設など以外で用いる場合には、外部磁石MGとして電磁石を用いてもよい。
【0054】
〔第2実施形態〕
第1実施形態において、外部磁界の作用によって位置が変動するスイッチ部材1の可動部1aは、光スイッチ素子SWのオン/オフ状態に対応して、第1の位置で係止する第1係止部材3aと、第2の位置で係止する第2係止部材4aとのいずれかによって係止され、明確な位置決めが行われる。
【0055】
ここで、第1係止部材3aにより規定される第1の位置、及び/又は第2係止部材4aにより規定される第2の位置が調整可能である場合には、光スイッチ素子SWのオン/オフ状態に対応する伝送損失の大きさを調整することが可能となる。そして、これにより、オン/オフ状態を峻別する外部磁石MGの閾距離を変化させることが可能となり、汎用性に富むことになる。
【0056】
そこで、図4(a)を参照して、第2実施形態に係る光スイッチ素子は、第1実施形態に係る光スイッチ素子SWと異なり、第1係止部材3aが規定する第1の位置を可変としている。
【0057】
第1係止部材3aは、その固定位置が可変であり、ここでは、筐体などに形成された穴に嵌入されて固定されるピンから構成されている。ピン固定位置を段階的あるいは無段階的に可変となるように構成することで、伝送損失の大きさを段階的あるいは無段階的に調整することができる。なお、第2係止部材4aが規定する第2の位置も同様に可変にしてもよい。
【0058】
図4(b)を参照して、第2実施形態の変形に係る光スイッチ素子において、第2係止部材3cは、一種の板バネで構成され、ここでは、筐体2の壁面2bにネジ5によって固定されている。ネジ5によって第1係止部材3cの調整部3dを筐体の壁面2bに近づけるか、あるいは遠ざけるかによって、スイッチ部材1の可動部1aを係止する第2の位置3eを無段階的に可変となるように構成されている。なお、第1係止部材を、第2係止部材3cと同様に構成して、第1の位置を可変にしてもよい。
【0059】
なお、例えば、複数個の光スイッチ素子を直列に接続して共通の受光部で複数個の光スイッチ素子全体の伝送損失を検出する構成とした場合も、上記のような調整機構を設けることが好ましい。この場合、オン/オフ状態のセンサ光の伝送損失が互いに異なる光スイッチ素子を直列に接続し、全伝送損失と各光スイッチ素子の伝送損失の組み合わせを比較することによって、複数個の光スイッチ素子のどの光スイッチ素子がオン状態で、どの光スイッチ素子がオフ状態であるかを容易に判別することが可能となる。
【0060】
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係る光スイッチ素子を構成するスイッチ部材1は、第1実施形態と同様に、板バネである。しかし、図5(a)及び図5(b)を参照して、この板バネは、第1実施形態と異なり、断面L字形状の撓み防止構造1wが可動部1aに形成されている。
【0061】
光スイッチ素子を構成するスイッチ部材1は、自身のバネ作用及び外部磁界の作用で可動部1aの位置が変動する。特に可動部1aが細長形状の場合、外部磁界によって引き付けられ位置を変動する際に撓みが発生するおそれがある。撓みが発生すると、オン/オフ状態の各状態における可動部1aの光ファイバセンサと当接する位置が不安定になるため、光ファイバセンサの形状の変動も不安定になり、オン/オフ状態の判別が困難になるおそれがある。
【0062】
そこで、スイッチ部材1の可動部1aに、撓み防止構造1wを設けて、撓む方向への強度を高めている。そのため、可動部1aに撓みが発生することが防止され、安定なスイッチ動作を実現することが可能となる。
【0063】
〔第4実施形態〕
図6(a)乃至図6(c)を参照して、第4実施形態に係る光スイッチ素子SWaのスイッチ部材1は、外部磁界の作用によってそれぞれ位置が変動する第1可動部1a及び第2可動部1bを備えている。スイッチ部材1は、ここでは、磁性体金属からなる板バネで構成され、スイッチ部材1の第1可動部1a及び第2可動部1bを除く部分で不図示の筐体に固定されている。
【0064】
光ファイバセンサは、スイッチ部材1の第1可動部1aと第2可動部1bとで図中上下方向を挟み込まれた状態で所定の曲線を描く形状になる。
【0065】
第1可動部1aは、外部磁界の作用によって位置が変動する。図6(a)を参照して、外部磁界がない状態では、第1可動部1aには自身のバネ作用により内側方向(図中下側方向)への力が作用し、第1可動部1aは内側方向へ動作する。しかし、第1可動部1aを第1の位置で係止する第1係止部材3aが設けられている。そのため、第1可動部1aは、図6(a)に示す位置で係止され、スイッチ部材1の第1可動部1a及び第2可動部1bを除く部分に対して角度θ1で保持された状態となって位置決めされる。
【0066】
第2可動部1bも、第1可動部1aと同様に、外部磁界の作用によって位置が変動する。外部磁界がない状態では、第2可動部1bには自身のバネ作用により内側方向(図中上側方向)への力が作用し、第2可動部1bは内側方向へ動作する。しかし、第2可動部1bを第1の位置で係止する第1係止部材3bが設けられている。そのため、第2可動部1bは、図6(a)に示す位置で係止され、スイッチ部材1の第1可動部1a及び第2可動部1bを除く部分に対して角度θ2で保持された状態となって位置決めされる。
【0067】
このとき、光ファイバセンサは、図中上下方向から押さえ込まれたようになり、センサ部SP近傍が大きな所定の曲率R1となる曲線を描く形状になる。この状態をオフ状態とする。
【0068】
図6(b)を参照して、外部磁石MGが第1可動部1aに近接すると、第1可動部1aのバネ作用により内側方向に作用する力よりも外部磁石MGに引き寄せられて外側方向(図中上側方向)に作用する力が大きくなり、第1可動部1aは外側方向に動作する。しかし、第1可動部1aを第2の位置で係止する第2係止部材4aが設けられている。そのため、第1可動部1aは、図6(b)に示す位置で係止され、スイッチ部材1の可動部1a及び第2可動部1bを除く部分に対して角度θ1aで保持された状態となって位置決めされる。このとき、光ファイバセンサは、図中上方向に広がり、そのセンサ部SP近傍が曲率R1より小さな所定の曲率R2となる曲線を描く形状になる。この状態を第1オン状態とする。
【0069】
さらに、図6(c)を参照して、外部磁石MGが第2可動部1bに近接すると、上記と同様に、第2可動部1bのバネ作用により内側方向に作用する力よりも外部磁石MGに引き寄せられて外側方向(図中下側方向)に作用する力が大きくなり、第2可動部1bは外側方向に動作する。しかし、第2可動部2aを第2の位置で係止する第2係止部材4bが設けられている。そのため、第2可動部1bは、図6(c)に示す位置で係止され、スイッチ部材1の可動部1a及び第2可動部1bを除く部分に対して角度θ2aで保持された状態となって位置決めされる。このとき、光ファイバセンサは、図中下方向に広がり、そのセンサ部SP近傍が曲率R1より小さな所定の曲率R3となる曲線を描く形状になる。この状態を第2オン状態とする。
【0070】
このように、光スイッチ素子SWa及びこれを備えた光スイッチによれば、外部磁界の作用により可動部1a,3bの位置を変動させ、その位置に応じてセンサ光の伝送損失を変動させる構成であり、外部磁石MGとの距離に応じて非接触でスイッチ動作させることが可能である。
【0071】
そして、スイッチ素子SWaには、オフ状態、第1オン状態及び第2オン状態の3つの状態がある。そのため、3つの状態に応じたスイッチ動作させることが可能となる。
【0072】
なお、曲率R2と曲率R3とが共通の曲率となるように構成して、第1オン状態と第2オン状態を同一のオン状態とみなすこともできる。また、2つの可動部1a,3bに共に外部磁石MGを近接させた第4の状態を有することもできる。
【0073】
〔第5実施形態〕
第5実施形態の光スイッチ素子は、第1実施形態に対する第2実施形態の光スイッチ素子と同様に、第4実施形態に対して、第1係止部材3aにより規定される第1の位置、及び/又は第2係止部材4aにより規定される第2の位置が調整可能となるように構成している。
【0074】
図7(a)を参照して、第1係止部材3a,3bは、その固定位置が可変であり、ここでは、筐体などに形成された穴に嵌入されて固定されるピンから構成されている。ピン固定位置を段階的あるいは無段階的に可変となるように構成することで、伝送損失の大きさを段階的あるいは無段階的に調整することができる。なお、第2係止部材4a,4bの固定位置も同様に可変にしてもよい。
【0075】
図7(b)を参照して、第2係止部材3cは、一種の板バネで構成され、ここでは、筐体2の壁面2bにネジ5によって固定されている。ネジ5によって第1係止部材3cの調整部3dを筐体の壁面2bに近づけるか、あるいは遠ざけるかによって、スイッチ部材1の可動部1a,1bを係止する第2の位置3e,3fを無段階的に可変となるように構成されている。なお、第1係止部材を、第2係止部材3cと同様に構成して、第1の位置を可変にしてもよい。
【0076】
〔第6実施形態〕
センサ部SPとして、図2(a)及び図2(b)に示したヘテロコア部30以外の構成を採用することも可能である。
【0077】
図8(a)を参照して、第6実施形態に係る光スイッチ素子のセンサ部SPを構成するヘテロコア部30は、コア31の径blが、光ファイバ20a,20bのコア21の径alよりも大きくなるように構成されている。
【0078】
図8(b)を参照して、第6実施形態の変形に係る光スイッチ素子のセンサ部SPは、光ファイバ20a,20bのコア21の屈折率又はクラッド22の屈折率と同等の屈折率を持つ材料から構成されている。このセンサ部SPは、ヘテロコア構造ではない光透過部材30aであり、光ファイバ20a,20bの中途部に接合されている。
【0079】
センサ部SPを上記のように構成しても、伝送する光の一部がセンサ部SPで漏洩するので、前記実施形態と同様に、オン/オフ状態を確実に判別することができる。
【0080】
〔第7実施形態〕
図9を参照して、第7実施形態に係る光スイッチにおいては、光ファイバ20a端部に、OTDR(Optical time-domain reflectometer)装置70が接続されている。OTDR装置70から入射されたセンサ光の後方へのレイリー散乱光をOTDR装置70自身が検出する。
【0081】
後方へのレイリー散乱光は、センサ部SP近傍の曲げに応じて発生するため、OTDR装置70が検出した光量から、オン/オフ状態を確実に判別することができる。
【0082】
〔第8実施形態〕
図10を参照して、第8実施形態に係る光スイッチにおいては、1本の光ファイバ上に複数個の光スイッチ素子が直列に接続され、光ファイバ20a端部に、OTDR装置70が接続されている。
【0083】
ここでは、光ファイバ20a,20bの中途部に第1光スイッチ素子SW1が設けられ、光ファイバ20b,20cの中途部に第2光スイッチ素子SW2が設けられ、さらに光ファイバ20c,20dの中途部に第3光スイッチ素子SW3が設けられている。
【0084】
OTDR装置70からセンサ光が入射されると、3個の光スイッチ素子SW1~SW3のそれぞれにおいて後方へのレイリー散乱光が発生し、これらの光量をOTDR装置70が検出する。これにより、複数個の光スイッチ素子SW1~SW3で同時にオン/オフ状態を判別することができる。
【0085】
〔第9実施形態〕
図11を参照して、第9実施形態に係る光スイッチ素子においては、直方体形状の筐体2の内部に、図7(b)に示す構成の第1可動部1a及び第2可動部1bを有するスイッチ部材1が設けられている。筐体2の壁面に、第1可動部1a及び第2可動部1bを除く部分のスイッチ部材1が固定されている。第1可動部1a及び第2可動部1bには、それぞれ撓み防止構造1wが設けられている。
【0086】
図7(b)と同様に、板バネで構成される第1係止部材3cが筐体2の壁面2bにネジ5で固定され、ネジ5によって第1係止部材3cの調整部3dを筐体の壁面2bに近づけるか、あるいは遠ざけるかによって、第1可動部1aと第2可動部1bが第1係止部材3cにより係止される第1の位置を調整することが可能となっている。筐体の壁面2c,2dが第2係止部材となっている。
【0087】
光ファイバ20a,20bの中途部にヘテロコア部30からなるセンサ部SPを有する光ファイバセンサが筐体内に導かれ、センサ部SP近傍が所定の曲率の曲線を描くように配置されている。光ファイバ20a,20bの一部である数重に巻かれた部分20rが筐体2内に設けられ、センサ部SP近傍で形成される所定の曲率の曲線にそれ以外の部分の光ファイバが影響を与えないように構成されている。
【0088】
光スイッチは、筐体2の外部から、図示しない外部磁石を第1可動部1a又は第2可動部1bに近づけるとオン状態となり、いずれからも遠ざけるとオフ状態となる。
【0089】
〔第10実施形態〕
図12を参照して、第10実施形態に係る光スイッチ素子においては、光ファイバ20a,20bの中途部にセンサ部SPが設けられて構成された光ファイバセンサが、センサ部SP近傍で所定の曲率を有する曲線を描いて撓むように、距離Lだけ離れた2つの固定点6,7を通過するように配置されている。
【0090】
一方の固定点7には、外部磁界の作用によって位置が変動するスイッチ部材8が設けられており、このスイッチ部材8に光ファイバセンサの一部が固定されている。ここでは、スイッチ部材8は、固定点7を軸中心にして、位置Aと位置Bとの間を揺動可能に設けられている。スイッチ部材8は、図示しない外部磁石が離れたとき、位置Aに存在し、外部磁石が近接したとき、位置Bに存在する。なお、図示しないが、スイッチ部材8を、位置Aに係止する第1係止部材、及び位置Bに係止する第2係止部材を設けることが好ましい。
【0091】
スイッチ部材8が位置Aに存在するとき、光ファイバセンサは、センサ部SP近傍が所定の曲率R1となる曲線を描く形状になる。この状態をオフ状態とする。一方、スイッチ部材8が位置Bに存在するとき、光ファイバセンサは、センサ部SP近傍が実質的に直線状態(曲率R2は∞)となる曲線を描く形状になる。この状態をオン状態とする。
【0092】
センサ部SP近傍に曲げがないオン状態が、光ファイバセンサにおける伝送損失が最も小さい状態である。よって、センサ部SP近傍に曲げがあるオフ状態での伝送損失と比較することにより、センサ部SP近傍の曲げの有無を敏感に感知して、オン/オフ状態を明確に判別することができる。
【0093】
従って、スイッチ部材8の位置に応じて、即ち、センサ部SP近傍に曲げがあるオフ状態か、センサ部SP近傍に曲げがないオン状態かにより、光ファイバセンサにおける伝送損失が2値的に変動する。そこで、光ファイバ20bの出射端から出射されるセンサ光を受光し、センサ光の伝送損失を測定することにより、光スイッチ素子SWのオン/オフ状態を精度良く判別でき、繰り返しの再現性も優れている。例えば、スイッチ部材8の駆動機構が経年劣化して位置A,Bが多少ずれても、オン/オフいずれの状態であるかを確実に判別できる。
【0094】
このように、外部磁界の作用によりスイッチ部材8の位置を変動させ、その位置に応じてセンサ光の伝送損失を変動させる構成であり、外部磁石MGとの距離に応じて非接触でスイッチ動作させることが可能である。
【0095】
そして、光ファイバセンサの固定点7における傾きをスイッチ部材8で変動させることにより、光ファイバセンサの形状が変動する。よって、センサ部SP近傍に何ら部材が接触することなく、当該センサ部SP近傍の曲率を変動させている。そのため、センサ部に直接円盤状部材が接触して曲率を変動させる特許文献2に開示された光スイッチと比較して、センサ部SPの界面40で折れるなど光ファイバセンサが破損するおそれが減少するので、耐久性が向上する。
【0096】
本発明は、上記の各実施形態に限定されず、各実施形態を適宜組み合わせた形態などであってもよく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0097】
例えば、スイッチ部材1を磁性体金属からなる板バネから構成したが、他の構成としてもよい。例えば、外部磁石MGと逆極の磁石を可動部1a先端に固定し、外部磁石MGの近接により、可動部1aが内側方向に動作し、外部磁石MGが遠ざかると、外側方向に動作して水平状態に戻るものであってもよい。また、元の状態に戻る作用して自身のバネ作用を利用したが、例えば、コイルバネやスポンジ等の付勢力を利用してもよい。
【0098】
また、スイッチ部材の構成は、外部磁界の作用により非接触で光ファイバセンサの曲率を変動させる構成であればよい。
【0099】
また、外部磁石MGが近接した状態をオン状態、外部磁石MGが遠ざかっている状態をオフ状態としたが、これらのオン状態とオフ状態とを入れ替えてもよい。また、センサ部SP近傍の曲率が小さい状態をオン状態、センサ部SP近傍の曲率が大きい状態をオフ状態としたが、これらのオン状態とオフ状態とを入れ替えてもよい。
【0100】
また、複数のスイッチ素子SWを例えば2次元アレイ状に配置して、面状の光スイッチを構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の光スイッチ素子及びこれを用いた光スイッチは、防爆施設などにおけるスイッチに好適に利用可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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