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明細書 :光ファイバセンサ及びこれを備えた検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5433883号 (P5433883)
登録日 平成25年12月20日(2013.12.20)
発行日 平成26年3月5日(2014.3.5)
発明の名称または考案の名称 光ファイバセンサ及びこれを備えた検出装置
国際特許分類 G01B  11/00        (2006.01)
G01B  11/16        (2006.01)
G01M  11/00        (2006.01)
G01D   5/26        (2006.01)
B25J  19/02        (2006.01)
FI G01B 11/00 A
G01B 11/16 Z
G01M 11/00 U
G01D 5/26 D
B25J 19/02
請求項の数または発明の数 7
全頁数 15
出願番号 特願2010-088129 (P2010-088129)
出願日 平成22年4月6日(2010.4.6)
優先権出願番号 2009092115
優先日 平成21年4月6日(2009.4.6)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成25年2月8日(2013.2.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】598123138
【氏名又は名称】学校法人 創価大学
発明者または考案者 【氏名】西山 道子
【氏名】佐々木 博幸
【氏名】渡辺 一弘
個別代理人の代理人 【識別番号】110000800、【弁理士】、【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
特許請求の範囲 【請求項1】
所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位が検出可能な光ファイバセンサであって、
異なる径のコア及び該コアの外周に設けられたクラッドで構成され、伝送する光の一部を漏洩するヘテロコア部を有し、該へテロコア部が前記第1点と第2点との間に位置するよう、該第1点と第2点とに固定された光ファイバと、
前記光ファイバの前記ヘテロコア部と前記第2点との間の一部が固定され、摺動可能な光ファイバ固定部材と、
前記光ファイバ固定部材を前記第1点に向けて付勢する付勢手段と、
前記光ファイバ固定部材に固定された部分と前記第1点との間における前記光ファイバの変形を、所定の薄厚空間内に規制する規制部材とを備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項2】
前記光ファイバ固定部材を摺動可能にガイドするガイド部を、前記規制部材が有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ。
【請求項3】
前記光ファイバ固定部材に固定された部分と前記第2点との間における前記光ファイバの経路を規定する経路規定部材を備えることを特徴する請求項1又は2に記載の光ファイバセンサ。
【請求項4】
前記光ファイバ固定部材の前記第1点側に前記光ファイバの固定角度を変更する固定角度調整部材を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光ファイバセンサ。
【請求項5】
所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位が検出可能な光ファイバセンサであって、
異なる径のコア及び該コアの外周に設けられたクラッドで構成され、伝送する光の一部を漏洩するヘテロコア部を有し、該へテロコア部が前記第1点と第2点との間に位置するよう、該第1点に対して前記ヘテロコア部を間に有する2点が固定された光ファイバと、
一端が前記第2点に固定された糸状部材と、
該糸状部材の他端に連結され、前記2点間において前記光ファイバと接し、摺動可能な摺動部材と、
前記摺動部材を前記第1点側に向けて付勢する付勢手段と、
前記2点間における前記光ファイバの変形を、所定の薄厚空間内に規制する規制部材とを備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の光ファイバセンサと、
前記光ファイバの入射端に設けられた光源と、
前記光ファイバの出射端に設けられた受光部とを備え、
前記光源から前記入射端に入射された光が前記光ファイバを伝送して前記受光部にて受光されるまでの損失に応じて、前記第1点と第2点との間の変位を検出することを特徴とする変位検出装置。
【請求項7】
請求項1から5の何れか1項に記載の光ファイバセンサと、
前記光ファイバの入射端に設けられた光源と、
前記光ファイバの出射端に設けられた受光部と、
人体に装着され、前記第1点と第2点とが関節を跨ぐようにして表面に設けられた装着具とを備え、
前記光源から前記入射端に入射された光が前記光ファイバを伝送して前記受光部にて受光されるまでの損失に応じて、前記関節の動作を検出することを特徴とする関節動作検出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の経路に沿った2点間の変位を検出可能な光ファイバセンサ、及びこれを備えた変位検出装置、関節動作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、主として関節動作を検出して、コンピュータ、ロボット、ゲーム機等の情報処理装置に入力するためのデータグローブやデータスーツなどと呼ばれる装着具が提案されている。
【0003】
例えば、ゴルフスイングを解析するために、マーカを設けた衣装を装着させて複数の撮影装置で撮影し、撮影データの画像処理を行い、装着者の動作を検出することが汎用化されている。しかし、複数の撮影装置を所定の位置や角度に設置する必要があるため、設定や設置が複雑であり、且つ装置全体が大がかりとなり高価になるという問題がある。さらに、画像処理が複雑であるため、リアルタイム性に劣り、適用分野が限定されるという問題がある。
【0004】
また、圧電素子を配した装着具も提案されている。例えば、特許文献1には、屈曲部位に圧電素子を配した指サックを装着し、屈曲時に生じる圧電素子の電位変化により人差指の関節動作を検出することが開示されている。しかしながら、屈曲部位に圧電素子を正確に配する必要があるが、屈曲部位には個人差があるため、多くの圧電素子が配され、配線が煩雑になるという問題がある。さらに、電磁環境の影響を受ける懸念があるため、適用分野が限定されるという問題がある。
【0005】
そこで、光ファイバを配した装着具も提案されている。この場合、屈曲部位に光ファイバを通し、屈曲によって生じる光ファイバの伸縮量変化による干渉縞や曲げ変化による光損失を測定することによって、装着者の動作を検出している。
【0006】
しかしながら、屈曲による光ファイバの伸縮量は微小であり、干渉波を計測する高性能な測定器が必要であり、高価になるという問題がある。一方、屈曲による光ファイバの曲げ変化に基づく光損失の変化は、一般的な光ファイバを用いた場合、微小であり、また、屈曲部位以外の光ファイバの曲げによっても光損失が変化するので、精度良く検出することができないという問題がある。また、補償用の光ファイバを配する必要もある。
【0007】
そこで、特許文献2(図6)には、ヘテロコア部を有する光ファイバを配したグローブが開示されている。ヘテロコア部を有する光ファイバは、ヘテロコア部及びその近傍の曲げに応じて伝送される光が界面でリークして光損失が発生するので、リークによる光損失及びその曲げ変化による変化は、通常の光ファイバと比べて、非常に大きい。そのため、指関節の動作に応じて生じるヘテロコア部及びその近傍の曲率変化により、指関節の動作を精度良く検出することができる。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2003-5887号公報
【特許文献2】特開2005-265434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献2に記載のグローブにおいて、経路途中の光ファイバに撓み等が生じることがある。また、グローブ本体は手に密着させるように薄厚の柔軟素材から形成されるため、指関節の動作により、グローブ本体に皺が生じやすい。また、光ファイバの経路を中空リングによって規制しているが、この中空リングに光ファイバが引っ掛ることがある。これらにより、指関節の動作による2つの固定点間の所定の経路に沿った変位に応じて生じるヘテロコア部及びその近傍の曲率変化にバラツキが生じる。そのため、指関節の動作を再現性良く検出することができないという問題がある。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、所定の経路に沿った2点間の変位を再現性良く検出可能な光ファイバセンサ及びこれを用いた変位検出装置、関節動作検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光ファイバセンサは、所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位が検出可能な光ファイバセンサであって、異なる径のコア及び該コアの外周に設けられたクラッドで構成され、伝送する光の一部を漏洩するヘテロコア部を有し、該ヘテロコア部が前記第1点と第2点との間に位置するよう、該第1点と第2点とに固定された光ファイバと、前記光ファイバの前記ヘテロコア部と前記第2点との間の一部が固定され、摺動可能な光ファイバ固定部材と、前記光ファイバ固定部材を前記第1点に向けて付勢する付勢手段と、前記光ファイバ固定部材に固定された部分と前記第1点との間における前記光ファイバの変形を、所定の薄厚空間内に規制する規制部材とを備えることを特徴とする(第1発明)。
【0012】
第1発明の光ファイバセンサによれば、付勢手段の付勢力によって、光ファイバ固定部材と第2点との間の光ファイバに張力が付与される。この張力によって、当該部分の光ファイバには撓みや引っ掛りが生じず、光ファイバと接触する部分に生じた皺も解消され得る。そのため、所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位に応じて、再現性良く第1点と光ファイバ固定部材との間の距離が変化する。そして、光ファイバ固定部材に固定された部分と第1点との間における光ファイバの変形が、規制部材によって所定の薄厚空間内に規制される。そのため、第1点と光ファイバ固定部材との間の距離に応じた、光ファイバ固定部材に固定された部分と第1点との間における光ファイバの変形の再現性が良い。よって、所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位に応じた、ヘテロコア部及びその近傍の曲率変化の再現性が良い。従って、光ファイバの光損失から所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位を再現性良く検出することができる。
【0013】
また、第1発明の光ファイバセンサにおいて、前記光ファイバ固定部材を摺動可能にガイドするガイド部を、前記規制部材が有することが好ましい。この場合、ガイド部を独立した部材から構成する必要がないので、光ファイバセンサを小型化、簡易化することが可能となる。
【0014】
また、第1発明の光ファイバセンサにおいて、前記光ファイバ固定部材に固定された部分と前記第2点との間における前記光ファイバの経路を規定する経路規定部材を備えることが好ましい。この場合、経路規定部材によって、光ファイバを所定の経路に沿わすことが容易になる。
【0015】
また、第1発明の光ファイバセンサにおいて、前記光ファイバ固定部材の前記第1点側に前記光ファイバの固定角度を変更する固定角度調整部材を備えることが好ましい。この場合、光ファイバの固定角度を変更させて、光ファイバセンサの検出感度を変更できるので、汎用性に優れたものとなる。
【0016】
本発明の光ファイバセンサは、所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位が検出可能な光ファイバセンサであって、異なる径のコア及び該コアの外周に設けられたクラッドで構成され、伝送する光の一部を漏洩するヘテロコア部を有し、該へテロコア部が前記第1点と第2点との間に位置するよう、該第1点に対して前記ヘテロコア部を間に有する2点が固定された光ファイバと、一端が前記第2点に固定された糸状部材と、該糸状部材の他端に連結され、前記2点間において前記光ファイバと接し、摺動可能な摺動部材と、前記摺動部材を前記第1点側に向けて付勢する付勢手段と、前記2点間における前記光ファイバの変形を、所定の薄厚空間内に規制する規制部材とを備えることを特徴とする。(第2発明)。
【0017】
第2発明の光ファイバセンサによれば、付勢手段の付勢力によって、糸状部材に張力が付与される。この張力によって、糸状部材に撓みや引っ掛りが生じず、接触する部分に生じた皺も解消され得る。そのため、所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位に応じて、前記2点間で光ファイバに接触する摺動部材の摺動位置が再現性良く変化する。そして、当該2点間における光ファイバの変形が、規制部材によって所定の薄厚空間内に規制される。そのため、摺動部材の摺動位置に応じた当該2点間における光ファイバの変形の再現性が良い。よって、所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位に応じた、ヘテロコア部及びその近傍の曲率変化の再現性が良い。従って、光ファイバの光損失から所定の経路に沿った第1点と第2点との間の変位を再現性良く検出することができる。
【0018】
本発明の変位検出装置は、上記第1発明又は第2発明の光ファイバセンサと、前記光ファイバの入射端に設けられた光源と、前記光ファイバの出射端に設けられた受光部とを備え、前記光源から前記入射端に入射された光が前記光ファイバを伝送して前記受光部にて受光されるまでの損失に応じて、前記第1点と第2点との間の変位を検出することを特徴とする。
【0019】
本発明の変位検出装置によれば、上記第1発明又は第2発明の光ファイバセンサが備える効果を有する変位検出装置を得ることができる。
【0020】
本発明の関節動作検出装置は、上記第1発明又は第2発明の光ファイバセンサと、前記光ファイバの入射端に設けられた光源と、前記光ファイバの出射端に設けられた受光部、人体に装着され、前記第1点と第2点とが関節を跨ぐようにして表面に設けられた装着具とを備え、前記光源から前記入射端に入射された光が前記光ファイバを伝送して前記受光部にて受光されるまでの損失に応じて、前記関節の動作を検出することを特徴とする。
【0021】
本発明の関節動作検出装置によれば、上記第1発明又は第2発明の光ファイバセンサが備える効果を有する関節動作検出装置を得ることができ、関節動作を再現性良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデータグローブシステムを示す説明図。
【図2】光ファイバを示し、(a)は説明図、(b)は断面図。
【図3】光ファイバセンサを示し、(a)は上面図、(b)は(a)におけるB-B断面図。
【図4】第1実施形態の変形に係る光ファイバセンサを示す上面図。
【図5】光ファイバの固定角度を変化させたときの変位と損失との関係を表すグラフ。
【図6】第1実施形態の別形態に係る光ファイバセンサを示し、(a)は上面図、(b)は(a)におけるB-B断面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係るデータグローブシステムを示す説明図。
【図8】光ファイバセンサを示し、(a)は上面図、(b)は(a)におけるB-B断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の変位検出装置、関節動作検出装置の第1実施形態に係るデータグローブシステムを図面を参照して説明する。

【0024】
図1を参照して、データグローブシステムは、本発明の実施形態に係る光ファイバセンサ1を配したデータグローブ10を備えている。 データグローブ10は、グローブ本体2を有しており、ここでは、グローブ本体2を手に装着した装着者の第2指(人差指)の関節動作を検出する。

【0025】
グローブ本体2は、薄厚の伸縮性に優れた素材から形成されており、装着された手に密着して、指の関節動作に良好に追従する。グローブ本体2は、自然に装着され、運動時や生活時等における関節動作を妨げない。

【0026】
光ファイバセンサ1は、グローブ本体2の甲側表面に配された光ファイバ3を有している。光ファイバ3は、入射端側の光ファイバ3aと、出射端側の光ファイバ3bと、光ファイバ3a,3b間に挿入されたヘテロコア部HPとから構成されている。

【0027】
図2(a)及び図2(b)を参照して、ヘテロコア部HPは、光ファイバ3aと光ファイバ3bとの間に設けられ、伝送される光の一部を漏洩(リーク)する。

【0028】
ヘテロコア部HPは、ここでは、コア31と、その外周部に設けられたクラッド32とを有する短いシングルモード光ファイバである。例えば、コア31の径は5μmであり、クラッド32の径は125μmであり、長さは2.0mmである。一方、光ファイバ3a,3bはともに、コア33と、その外周部に設けられたクラッド34とを有する長いシングルモード光ファイバである。例えば、コア33の径は9μmであり、クラッド34の径は125μmである。このように、ヘテロコア部HPのコア径は、光ファイバ3a,3bのコア径よりも小さくなるように構成されている。

【0029】
なお、ヘテロコア部HP、光ファイバ3a,3bの双方、あるいは一方が、マルチモード光ファイバであってもよい。ただし、ヘテロコア部HP及び光ファイバ3a,3bがシングルモード光ファイバであれば、外部からの影響がより受け難いので好ましい。また、ヘテロコア部HPのコア径が、光ファイバ3a,3bのコア径よりも大きくなるように構成されていてもよい。また、ヘテロコア部HPが、光ファイバ3a,3bのコア33の屈折率あるいはクラッド34の屈折率と同等の屈折率を有する素材からなるものであってもよい。この場合も、コア31の径が、0あるいはクラッド32の径と同じである一種のヘテロコア構造であると考えることが可能である。

【0030】
ヘテロコア部HPと光ファイバ3a,3bとは、長手方向に直交する界面35でコア31,33が接合するように、略同軸に、放電による融着などによって接合されている。なお、コア33に予めスリットを形成しておき、溶融延伸することによって、ヘテロコア部HPを形成してもよい。また、コア31,33の径が漸次変化するものであってもよい。

【0031】
このように、光ファイバ3a,3bの中途部にヘテロコア部HPが存在しているので、界面35におけるコア径の相違によって、光の一部がヘテロコア部HPのクラッド32に漏洩し、伝送される光が損失される。ヘテロコア部HP及びその近傍の光ファイバ3の曲率が大きいほど、光の損失量(リーク量)が大きくなる。

【0032】
図1を参照して、光ファイバ3の入射端である光ファイバ3aの入射端には、、半導体発光ダイオード(LED)や半導体レーザなどの発光素子を有する光源20が接続されている。光ファイバ3の出射端である光ファイバ3bの端部には、、フォトダイドード(PD)や電荷結合素子(CCD)などの受光素子を有する光パワーメータなどの受光部30が接続されている。さらに、受光部30には、CPUやメモリ等を備えた検出部40が接続されている。なお、光源20、受光部30及び検出部40は、手首等人体に装着可能に構成されていてもよい。また、受光部30から検出部40に無線で受光信号を送信してもよい。

【0033】
光ファイバ3は、第1固定点Aと第2固定点Bとでグローブ本体2の表面に固定されている。ここでは、光ファイバ3aが第1固定点Aに、光ファイバ3bが第2固定点Bに、それぞれグローブ本体2の表面に接着剤等によって固定されている。第1固定点Aは、手の甲の手首近傍に、第2固定点Bは、第2指の遠位指節間関節(DIP関節)と近位指節間関節(PIP関節)との中間部の背に、それぞれ位置している。第1固定点Aと第2固定点Bは、第2指の近位指節間関節を跨ぐようにして設けられており、この近位指節間関節の屈曲により固定点A,B間の所定の経路に沿った長さ(以下、「経路長さ」という)が変化する。

【0034】
図3(a)及び図3(b)を参照して、光ファイバセンサ1は、光ファイバ3の一部がそれぞれ固定される2つの光ファイバ固定部材4a,4bと、光ファイバ固定部材4a,4bを接続する付勢部材5と、光ファイバ3が内部を通り、光ファイバ3の変形を規制する規制部材6とを備えている。

【0035】
ここでは、光ファイバ固定部材4aには、ヘテロコア部HPと第1固定点Aとの間における光ファイバ3aの一部分が、光ファイバ固定部材4bには、ヘテロコア部HPと第2固定点Bとの間における光ファイバ3bの一部分が、それぞれ接着剤等によって固定されている。これにより、ヘテロコア部HPは、光ファイバ固定部材4a,4bの間に位置している。ヘテロコア部HPは、光ファイバ固定部材4a,4bの中間近傍に位置することが好ましい。

【0036】
光ファイバ固定部材4a,4bは、良好な滑り性を確保するため、低摩擦性に優れた素材、例えば、フッ素樹脂から形成されている。光ファイバ固定部材4a,4bは、それ自体に伸縮や撓みが生じない程度の厚さ、例えば、0.1mmから1mm程度の厚さを有している。さらに、光ファイバ固定部材4a,4bの互いに対向する面には、矩形状に突出したガイド部4a1,4b1が形成されている。

【0037】
付勢部材5は、光ファイバ固定部材4a,4bを接続するとともに、光ファイバ固定部材4a,4bが互いに近接するように付勢する。付勢部材5は、薄厚のものであり、例えば、衣類用ゴムから形成されている。付勢部材5は、その両端部が光ファイバ固定部材4a,4bの下面にそれぞれ接着剤等によって固定されている。さらに、付勢部材5は、少なくともその中央部がグローブ本体2の表面に接着剤等によって固定されている。光ファイバ固定部材4a,4b間の間隔は、数cm程度であり、その変動は数mmから数cm程度である。

【0038】
付勢部材5の付勢力によって、光ファイバ固定部材4a,4bはともに、付勢部材5の中央部に向かって常時付勢されている。これにより、光ファイバ固定部材4aと第1固定点Aとの間の光ファイバ3a及び光ファイバ固定部材4bと第2固定点Bとの間の光ファイバ3bには、常時張力が付与される。

【0039】
規制部材6は、同一平面上に位置する2枚の同厚さの板状部材6a,6b、及びこれら板状部材6a,6bを上下方向から挟み込む板状部材6c,6dから構成されており、全体外形が薄板状になっている。板状部材6a~6dは、良好な滑り性を確保するため、低摩擦性に優れた素材、例えば、フッ素樹脂から形成されており、各々の厚さは、例えば、0.1mmから1mm程度である。

【0040】
板状部材6a~6dによって規定された薄厚の空間S内を、光ファイバ3が通る。板状部材6a,6bは、空間S内の厚さを規定するスペーサとして機能している。なお、光ファイバ3と接触する部分、すなわち、空間Sを規定する内面に低摩擦性に優れた素材、例えば、フッ素樹脂を被膜してもよい。

【0041】
また、規制部材6は、光ファイバ固定部材4a,4bの摺動をガイドするものでもある。板状部材6a,6b間の両端部6eは、その間隔がガイド部4a1,4b1の形状に合わされており、光ファイバ固定部材4a,4bの摺動をガイドするガイド部として機能する。これにより、光ファイバ固定部材4a,4bは、所定方向にのみ摺動可能となっている。なお、ここでは、光ファイバ固定部材4a,4bの摺動方向は同一であるが、摺動方向は異なっていてもよい。

【0042】
光ファイバ固定部材4a,4b間における光ファイバ3は、薄厚の空間S内においてのみ変形可能となっている。規制部材6cは、光ファイバ3の上方向の飛び出しを規制する。規制部材6dは、光ファイバ3の下方向の飛び出しを規制するとともに、光ファイバ3と付勢部材5との接触を防止する。

【0043】
空間Sは、光ファイバ3が所定の方向、ここでは、図中上向きに突出して湾曲変形するように形成されている。すなわち、光ファイバ3は、その湾曲方向が空間Sによる空間が広がる方向に限定されている。これにより、光ファイバ3が他の方向に湾曲することが防止でき、湾曲方向の相違による曲率の変化が生じない。なお、光ファイバ3を所定の方向に傾けて光ファイバ固定部材4a,4bに固定することにより、湾曲方向を限定することも好ましい。

【0044】
さらに、データグローブ10は、第2固定点Bと光ファイバ固定部材4bとの間の光ファイバ3の経路を規定する経路規定部材8を有している。経路規定部材8は、光ファイバ3が引っ掛り等なくスムーズに所定の経路に沿って動くように構成されている。経路規定部材8は、ここでは、光ファイバ3が挿通可能な内径数mm程度の中空リング形状のフッ素樹脂製チューブを短く、例えば、数mm程度に切断したものである。経路規定部材8は、第2指の背に沿って、複数、グローブ本体2の表面上に接着剤等によって固定されている。なお、経路規定部材8は、例えば、溝を有するものや、柔軟素材から形成されるものであってもよく、その構成、素材、個数等は限定されない。

【0045】
次に、データグローブシステムを用いた関節動作の検出について説明する。装着者の手にグローブ本体2全体が密着するように装着する。なお、データグローブ10は数種類のサイズを準備しておき、装着者の手指のサイズに合わせて選択することが好ましい。

【0046】
装着者が第2指の近位指節間関節を動作させると、固定点A,B間の経路長さが変化する。具体的には、伸ばした状態の近位指節間関節を曲げると、固定点A,B間の経路長さが増加する。

【0047】
第1固定点Aと光ファイバ固定部材4aに固定された部分との間の光ファイバ3は、その長さが短く、且つ、手の甲に位置するので、変位が生じない、あるいは固定点A,B間の経路長さの変化と比較すると無視可能な程度の変位しか生じない。一方、第2固定点Bと光ファイバ固定部材4bとの間の光ファイバ3は、経路規定部材8によってその経路が規定されており、さらに、付勢部材5によって張力が付与されている。この張力により、第2固定点Bと光ファイバ固定部材4bとの間の光ファイバ3には撓みが生じず、グローブ本体2に生じた皺も解消され、光ファイバ3と経路規制部材8等との引っ掛りも防止される。よって、第2固定点Bと光ファイバ固定部材4bとの間の経路長さの変化は、固定点A,B間の経路長さの変化と同等になる。従って、固定点A,B間の経路長さの変化と、光ファイバ固定部材4a,4b間の間隔との間には、再現性の良好な相関関係が存在する。

【0048】
そして、光ファイバ固定部材4a,4b間の間隔に応じて、光ファイバ固定部材4a,4b間の光ファイバ3が変形するが、この変形は規制部材6によって薄厚の空間S内に規制されている。そのため、光ファイバ固定部材4a,4b間の距離が同じであれば、光ファイバ固定部材4a,4b間の光ファイバ3の変形も同じものとなる。従って、光ファイバ固定部材4a,4b間の間隔とヘテロコア部HP及びその近傍の曲率との間には、再現性の良好な相関関係が存在する。

【0049】
以上より、固定点A,B間の経路長さの変化とヘテロコア部HP及びその近傍の曲率との間には、再現性の良好な相関関係が存在することになる。具体的には、伸ばした状態の2指の近位指節間関節を曲げると、ヘテロコア部HP及びその近傍の湾曲は緩やかになる、すなわち、曲率は小さくなる。

【0050】
そこで、例えば、光源20から一定強度の光を出射し、第2指の近位指節間関節を伸ばした状態における受光部30での受光量と、第2指の近位指節間関節を曲げた状態における受光部30での受光量とを予め計測しておき、検出部40にデータとして格納しておく。これにより、受光部30での受光量から第2指の近位指節間関節の屈曲状態を検出部40によって検出することが可能となる。また、検出部40で、必要に応じて、第2指の近位指節間関節の屈曲状態を示す信号をディスプレイ等に送信する。

【0051】
以上のように、光ファイバ3の光損失の変化から関節、ここでは第2指の近位指節間関節の動作を再現性良く検出することができる。

【0052】
また、関節動作により当該関節周辺に生じた光ファイバ3の変位を、関節から離れた適宜な部位、ここでは手の甲に位置するヘテロコア部HP周囲の変位に置換して、ヘテロコア部HP及びその近傍の曲率を変化させている。そのため、関節周囲に規制部材6等を設ける必要がないので、装着者は自由に関節動作を行うことが可能となる。また、光ファイバ3は極細であり柔軟性に富むものであり、且つ、光ファイバ3を手の甲側に配しているので、データグローブ10を装着した装着者に不快感や違和感を与えることなく、無拘束で関節動作を検出することが可能となる。

【0053】
また、受光部40での受光量は十分に大きく、平均化などの必要がないため、数十Hz程度のリアルタイム計測を容易に実現することが可能となる。また、LEDなどの発光素子とPD、CCDなどの受光素子とからなる簡便な構成で入出力装置を構築できるため、安価なシステムを実現することができる。また、伝送路である光ファイバ3に加わる外乱の影響を受けないため、水中等の過酷な環境であっても、関節動作の検出が可能となる。

【0054】
また、ヘテロコア部HP及びその近傍の光ファイバ3の微小な曲率変化を検出することが可能であるので、微小な関節動作を検出するができる。また、ヘテロコア部HP及びその近傍以外の光ファイバ3に生じた曲げ等の影響を受けることがないので、検出過誤のない安定化した関節動作の検出を行うことができる。

【0055】
また、装着者毎に関節の屈曲状態とそれに応じた光損失のデータを検出部40に格納しておくことにより、関節位置に個人差があっても、各装着者の関節動作を適切に検出することが可能となる。

【0056】
なお、光ファイバ固定部4aをグローブ本体2に固定してもよい。この場合、光ファイバ固定部4aにおける光ファイバ3の固定部分と第1固定点Aとが一致してもよい。

【0057】
また、光ファイバ3aの中途部に光カプラを設け、光カプラで別の光ファイバを分岐させるとともに、光ファイバ3bの端部に銀蒸着などによって鏡を形成した反射部を設けてもよい。この場合、前記分岐された光ファイバの端部が出射端となり、この出射端に受光部30を接続すればよい。

【0058】
また、光ファイバ3aの端部にOTDR(Optical time-domain reflectometer)装置を接続して、OTDR装置から入射されたセンサ光の後方へのレイリー散乱光をOTDR装置自身が計測するものであってもよい。この場合、1本の光ファイバセンサに複数のヘテロコア部HPを設けて、各ヘテロコア部HP及びその近傍の光ファイバ3の曲率変化を検出することも可能となる。ただし、OTDR装置を用いた場合には、リアルタイム計測することができない。

【0059】
次に、図4を参照して、前述した光ファイバセンサ1の変形に係る光ファイバセンサ51について説明する。

【0060】
光ファイバセンサ1においては、光ファイバ3a,3bの一部分がそれぞれ光ファイバ固定部材4a,4bに固定されていた。一方、本光ファイバセンサ51においては、光ファイバ固定部材4a,4bに回動可能に軸支された回動部材52a,52bに光ファイバ3a,3bの一部分がそれぞれ固定されている。そして、光ファイバ固定部材4a,4bにはそれぞれ複数のピン53が設けられており、これらピン53間に回動部材52a,52bの先端部が挟み込まれることにより、光ファイバ3a,3bの固定角度θが変更可能となっている。なお、回動部材52a,52b及びピン53が本発明の固定角度調整部材に相当する。

【0061】
なお、ここでは、光ファイバ固定部材4a,4bにともに回動部材52a,52bを設けているが、光ファイバ固定部材4a,4bの一方のみに回動部材を設けてよい。また、光ファイバ3a,3bの固定角度θを共通としているが、光ファイバ3a,3bの固定角度θを異ならせてもよい。

【0062】
固定角度θを変更することにより、光ファイバ3a,3bが回動部材52a,52bの端部からヘテロコア部HPに向う角度も変化する。ここでは、光ファイバ3a,3bは回動部材52a,52bに直線状に固定されており、回動部材52a,52bの端部からヘテロコア部HPに向う角度は固定角度θに等しくなる。

【0063】
光ファイバ3a,3bの固定角度θが大きくなると、ヘテロコア部HPでの湾曲が急激になり、図5を参照するように、光ファイバ3の光損失が大きくなる。従って、光ファイバ3a,3bの固定角度θを大きくすることにより、光ファイバセンサ11の検出感度が向上する。

【0064】
このように、光ファイバセンサ51は、検出感度が変更できるので、装着者の手の大きさ、検出する関節の相違、関節動作の検出目的などに適した検出感度にすることが可能となり、汎用性に優れたものとなる。

【0065】
次に、図6(a)及び図6(b)を参照して、前述した光ファイバセンサ1の別形態である光ファイバセンサ61について説明する。

【0066】
光ファイバセンサ1においては、付勢部材5が光ファイバ固定部材4a,4bに接続されていた。一方、本光ファイバセンサ61においては、光ファイバ固定部材62a,62bと規制部材63との間に付勢部材64a,64bがそれぞれ介在されている。

【0067】
光ファイバ固定部材62a,62bは、低摩擦性に優れた素材、例えば、フッ素樹脂から薄厚の直方形状に形成されており、上方が開口されている。光ファイバ固定部材62a,62bには、光ファイバ3a,3bの被覆材による被覆部分3a1,3b1が接着剤等によってそれぞれ固定されている。

【0068】
規制部材63は、低摩擦性に優れた素材、例えば、フッ素樹脂から形成されており、その内部に形成された開口内を光ファイバ固定部材62a,62bが摺動可能に構成されている。これにより、規制部材63の開口は光ファイバ固定部材62a,62bの摺動をガイドするガイド部として機能し、光ファイバ固定部材62a,62bは所定方向(図中左右方向)にのみ摺動可能となっている。そして、光ファイバ固定部材62a,62bと規制部材63との間の薄厚空間S内で光ファイバ3が変形する。さらに、規制部材63は、グローブ本体2の表面に接着剤等によって固定されている。

【0069】
光ファイバ固定部材62a,62b間における光ファイバ3は、規制部材63により上下方向の飛び出しが規制され、薄厚空間S内においてのみ変形可能となっている。

【0070】
付勢部材64a、64bは、ここでは薄厚のねじりばねからなる。付勢部材64a、64bは、その一端が、光ファイバ固定部材62a,62bの下壁部から上方に突出して形成された係止部62a1,62b1に係止され、その他端が、規制部材63の上壁部から下方に突出して形成された係止部63a,63bに係止されている。

【0071】
これにより、付勢部材64a、64bの付勢力によって、光ファイバ固定部材62a,62bはともに、規制部材63の中央部に向かって常時付勢されている。よって、光ファイバ固定部材62aと第1固定点Aとの間の光ファイバ3a及び光ファイバ固定部材62bと第2固定点Bとの間の光ファイバ3bには、常時張力が付与される。

【0072】
以上のように構成された光ファイバセンサ61は前述した光ファイバセンサ1と同様の作用効果を有する。さらに、光ファイバセンサ61は付勢部材64a,64bとしてばねを用いているので、耐久性が向上する。

【0073】
以下、本発明の変位検出装置、関節動作検出装置の第2実施形態に係るデータグローブシステムを図面を参照して説明する。

【0074】
図7を参照して、このデータグローブシステムは、光ファイバセンサ71を配したデータグローブ80を備えている。データグローブ80は、グローブ本体2を有しており、このグローブ本体2の甲側表面に光ファイバ3が配されている。

【0075】
さらに、データグローブ80は、一端が第2固定点Bでグローブ本体2の表面に固定された糸状部材81も有している。糸状部材81は、伸縮しない、あるいは伸縮性が非常に劣る細長い部材、例えば繊維製か樹脂製の糸であり、グローブ本体2の表面に接着剤等によって固定される。手の甲の手首近傍に、第2固定点Bは、第2指の遠位指節間関節(DIP関節)と近位指節間関節(PIP関節)との中間部の背に、それぞれ位置している。第1固定点Aと第2固定点Bは、第2指の近位指節間関節を跨ぐようにして設けられており、この近位指節間関節の屈曲により固定点A,B間の所定の経路に沿った長さ(以下、「経路長さ」という)が変化する。

【0076】
図8(a)及び図8(b)に示すように、光ファイバセンサ71は、接着剤等によってグローブ本体2の表面に固定された薄厚の筐体72を有している。筐体72の端部72a,72bで光ファイバ3の一部がそれぞれ固定され、光ファイバ3は筐体72の内部空間S内でループ状に配置され、その変形が内部空間Sにより規制されている。ヘテロコア部HPは、ループの略頂部に位置することが好ましい。筐体72は本発明の規制部材に相当する。なお、第1固定点Aは筐体72の任意の一点となる。

【0077】
さらに、詳細な構成は図示しないが、光ファイバ3a,3bの外側にそれぞれ接触する突起部73a,73bと、突起部73a,73bを連結し、糸状部材81の一旦が固定された連結部73cとを備え、筐体72内を摺動可能に構成された摺動部材73が設けられている。そして、摺動部材73は、ばねなどからなる付勢部材74によって手首側に常時付勢されている。この付勢部材74の付勢力によって、摺動部材73を介して糸状部材81は、手首側、すなわち第1固定点A側に向かって常時張力が付与される。

【0078】
データグローブ80を手に装着した装着者が第2指の近位指節間関節を動作させると、固定点A,B間の経路長さが変化する。糸状部材81は、経路規定部材8によってその経路が規定されており、さらに、付勢部材74によって張力が付与されている。この張力により、糸状部材81には撓みが生じず、グローブ本体2に生じた皺も解消され、光ファイバ3と経路規制部材8等との引っ掛りも防止される。従って、摺動部材73の摺動による位置変化は、固定点A,B間の経路長さの変化と同等になる。

【0079】
そして、摺動部材73の摺動に応じて光ファイバ3のループ形状は変形するが、この変形は薄厚空間S内に規制されている。そのため、摺動部材73の位置が同じであれば、光ファイバ3の変形も同じものとなる。従って、摺動部材73の位置とヘテロコア部HP及びその近傍の曲率との間には、再現性の良好な相関関係が存在する。

【0080】
よって、固定点A,B間の経路長さの変化とヘテロコア部HP及びその近傍の曲率との間には、再現性の良好な相関関係が存在することになる。具体的には、伸ばした状態の2指の近位指節間関節を曲げると、摺動部材73は指先側に摺動してテロコア部HP及びその近傍の湾曲は緩やかになる、すなわち、曲率は小さくなる。

【0081】
以上のように、本実施形態のデータグローブシステムも、第1実施形態のデータグローブシステムと同様に、光ファイバ3の光損失の変化から関節、ここでは第2指の近位指節間関節の動作を再現性良く検出することができる。

【0082】
また、第1実施形態のデータグローブシステムにおいては、第2固定点Bから光ファイバ3bを手首側に折り返して配置する必要がある。しかし、本実施形態では、光ファイバセンサ71の光ファイバ3a、3bがともに手首側に向かうので、光ファイバ3の配置が容易となる。

【0083】
また、第1実施形態のデータグローブシステムにおいては、光ファイバ3に張力を直接付与しているので、光ファイバ3が破損するおそれがある。しかし、本実施形態では、光ファイバ3には直接張力が付与されないので、光ファイバ3が破損するおそれを減少させることが可能となる。

【0084】
なお、摺動部材73と光ファイバ3との接触位置間の間隔、すなわち2つの突起部73a,73bの内側面の間隔が一定であるものについて説明したが、これに限定されない。突起部73a,73bの内側面の間隔を変更可能に構成することにより、光ファイバセンサ71が変化可能となり、汎用性に優れたものとなる。例えば、突起部73a,73bの内側面の間隔が異なる複数の摺動部材73を予め用意しておき、良好な検出感度を必要とする場合には、前記間隔が狭いものを用いればよい。

【0085】
また、摺動部材73が、2箇所、すなわち2つの突起部73a,73bの内側面で光ファイバ3と接触するものについて説明したが、これに限定されない。例えば、摺動部材が、1箇所で光ファイバ3と接触し、摺動部材の位置に応じて光ファイバ3の変形を異ならせるものであってもよい。

【0086】
さらに、本発明は実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、第2指の近位指節間関節の動作を検出可能なデータグローブ10,80について説明した。しかし、第2指の中手指節関節(MP関節)や遠位指節間関節(DIP関節)、あるいは他の指の関節動作を検出可能なものであってもよい。なお、動作検出する関節に複数の光ファイバセンサ1を設けてもよい。このように、多数の光ファイバセンサ1,51,61,71をグローブ本体2に配しても、光ファイバ3は極細であるので、無拘束検出を行うことが可能となる。また、この場合、1つの規制部材6,61によって複数の光ファイバ3の変位を規制することも可能である。

【0087】
また、光ファイバセンサ1,51,61,71の光ファイバ固定部材4,62、付勢部材5,64,74及び規制部材6,63は、手の甲に配したため、薄く軽量になるように構成した。しかし、人体に装着しない場合、これらの部材を薄く軽量を期さずに構成してもよい。例えば、付勢部材5としてバネを用いることも可能である。

【0088】
また、本発明に係る光ファイバセンサを、装着者の身体に密着して装着させるスーツやタイツ形状等のデータスーツに配してもよい。これにより、首、肩、腕、手首、腰、脚、足首等の関節の動作を検出することが可能となる。なお、光ファイバ3を固定する固定点A,Bを適切に配することによって、関節の屈曲だけではなく、捻りも検出することが可能となる。

【0089】
また、本発明に係る光ファイバセンサは、関節動作を検出する関節検出装置に限定して用いられるものではなく、所定の経路に沿った2点間の変位を検出可能な変位検出装置に用いることも可能である。例えば、地盤や構造物などの微小な変位を検出する変位検出装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0090】
1,51,61,71…光ファイバセンサ、 2…グローブ本体、 3,3a,3b…光ファイバ、 4a,4b,62a,62b…光ファイバ固定部材、 5,64a,64b,74…付勢部材、 6,63…規制部材、 8…経路規定部材、 10,80…ファイバグローブ、 20…光源、 30…受光部、 31,33…コア、 32,34…クラッド、 35…界面、 40…検出部、 52a,52b…回動部材(固定角度調整部材)、 53…ピン(固定角度調整部材)、 73…摺動部材、 81…糸状部材、 A…第1固定点(第1点)、 B…第2固定点(第2点)、 HP…ヘテロコア部、 S…空間。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7