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明細書 :マルチステップ・ラティス・ボクセル法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5641503号 (P5641503)
公開番号 特開2012-088771 (P2012-088771A)
登録日 平成26年11月7日(2014.11.7)
発行日 平成26年12月17日(2014.12.17)
公開日 平成24年5月10日(2012.5.10)
発明の名称または考案の名称 マルチステップ・ラティス・ボクセル法
国際特許分類 G06T  15/08        (2011.01)
A61B   6/03        (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
A61B   5/055       (2006.01)
A61N   5/10        (2006.01)
G01N  23/04        (2006.01)
FI G06T 15/08
A61B 6/03 360G
G06T 1/00 290B
A61B 5/05 380
A61B 6/03 377
A61N 5/10 H
A61N 5/10 P
G01N 23/04
請求項の数または発明の数 11
全頁数 19
出願番号 特願2010-232524 (P2010-232524)
出願日 平成22年10月15日(2010.10.15)
審査請求日 平成25年10月7日(2013.10.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
発明者または考案者 【氏名】熊田 博明
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100120134、【弁理士】、【氏名又は名称】大森 規雄
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
審査官 【審査官】千葉 久博
参考文献・文献 特開2010-136765(JP,A)
特開2000-279416(JP,A)
特開平01-166267(JP,A)
特表2008-522272(JP,A)
特表2006-518074(JP,A)
”第7回日本中性子捕捉療法学会 プログラム・抄録集”,[online],2010年 8月 2日,[平成26年 7月 7日検索], インターネット<URL:http://www.secand.jp/work/img/pdf/184-1.pdf>
鳥脇純一郎,”三次元画像処理の医療応用の動向”,電子情報通信学会誌,日本,社団法人電子情報通信学会,2001年 5月 1日,第84巻, 第5号,p.287-293
調査した分野 G06T 15/00-15/87
A61B 5/04-5/05
A61B 6/00-6/14
A61N 5/00-5/10
G01N 23/00-23/227
G06T 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
コンピュータに、大きさの異なるボクセルが含まれる撮影画像のスライスデータを積み重ねて、撮影対象の3次元モデルを形成させる方法であって、以下の工程:
(a) 撮影画像のスライスデータを、一つの領域内に所定個数のピクセルが含まれるように複数の領域に分割する工程、
(b) 分割された1つの領域内に含まれるピクセルが、すべて同じ特徴を有する組織又は物質を表すときは、当該ピクセル同士を結合して1つのボクセルデータに置換する工程、
(c) 分割された1つの領域内に、異なる特徴を有する組織又は物質を表すピクセルが含まれるときは、当該1つの領域内のピクセルデータを混合ボクセルデータとして定義する工程、
(d) 前記工程(b)及び工程(c)を繰り返して、置換されたボクセルデータ及び混合ボクセルデータを含むスライスデータを取得する工程、並びに
(e) 前記工程(d)により取得された複数のスライスデータを多段階に積み重ねる工程、
を含む前記方法。
【請求項2】
撮影画像が人体の医療画像である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
撮影画像のスライスデータが、CT、MRI、Bitmap及びJPEGからなる群から選ばれる少なくとも1つによるものである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)において分割する領域の数が1024個である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
分割された1つの領域内に含まれるピクセルの数が256個である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
コンピュータに、大きさの異なるボクセルが含まれる撮影画像のスライスデータを積み重ねて、撮影対象の3次元モデルを形成させるためのプログラムであって、以下の手順:
(a) 撮影画像のスライスデータを、一つの領域内に所定個数のピクセルが含まれるように複数の領域に分割する手順、
(b) 分割された1つの領域内に含まれるピクセルが、すべて同じ特徴を有する組織又は物質を表すときは、当該ピクセル同士を結合して1つのボクセルデータに置換する手順、
(c) 分割された1つの領域内に、異なる特徴を有する組織又は物質を表すピクセルが含まれるときは、当該1つの領域内のピクセルデータを混合ボクセルデータとして定義する手順、
(d) 前記手順(b)及び手順(c)を繰り返して、置換されたボクセルデータ及び混合ボクセルデータを含むスライスデータを取得する手順、並びに
(e) 前記手順(d)により取得された複数のスライスデータを多段階に積み重ねる手順、
を実行させるための前記プログラム。
【請求項7】
撮影画像が人体の医療画像である請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
撮影画像のスライスデータが、CT、MRI、Bitmap及びJPEGからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
手順(a)において分割する領域の数が1024個である請求項6に記載のプログラム。
【請求項10】
分割された1つの領域内に含まれるピクセルの数が256個である請求項6に記載のプログラム。
【請求項11】
請求項6~10のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、大きさの異なるボクセルが含まれる撮影画像のスライスデータを積み重ねて、撮影対象の3次元モデルを形成する方法、及びコンピュータプログラムに関する。特に、本発明は、人体モデルに対するモンテカルロ輸送計算を高速化できるマルチステップ・ラティス・ボクセル法に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の放射線治療であるホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は、ガン細胞に選択的に集積するホウ素薬剤を患者に投与し、病巣部に中性子線を照射することでガン細胞のみを選択的に破壊する腫瘍細胞選択的粒子線治療法である。放射線治療を実施するためには、放射線照射によって病巣及びその周辺に付与される線量をシミュレーション計算によって的確に評価し、最適な照射条件を決定できる治療計画が不可欠である。特にBNCTは、中性子の挙動が非常に複雑であるため、従来のX線治療、粒子線治療などの単純な計算アルゴリズムでは線量計算ができないため、高精度計算が可能なモンテカルロ計算法による線量評価が必要である。本発明者は、このBNCT用のモンテカルロ治療計画システムをこれまで研究開発し、実際の臨床研究に実用化させている(非特許文献1:H. Kumada, et al., Development of JCDS, a computational dosimetry system at JAEA for boron neutron capture therapy, Journal of Physics: Conference Series, Vol. 74, pp.1-7 2007)。
【0003】
図1は、本発明者が開発した治療計画システムJCDSの概略を示す。「JCDS」とは、医療用の診断画像であるMRI及びCT画像のデータを用いて、患部周辺の数値モデルを作成し、このモデルと入射ビーム条件、核データライブラリーなどを用いてMCNPコードによるシミュレーション計算を行ない、中性子及び光子の線束分布を求め、線量分布に変換し、その結果を医療診断画像に重ねて表示するなどの治療に必要な情報を提供するものである(非特許文献2:熊田博明他、ホウ素中性子捕捉療法のためのBNCT線量評価システム(JCDS)の開発、JAERI-Tech 2003-002、(2003))。これはBNCT実施の前に線量計画を作成するために用いられるほか、照射後の線量分布を評価することにより治療成績との関係を解析するためにも使用される。さらに、中性子ビーム設備の照射コリメータなどの設計のツールとして用いることもできる。
【0004】
世界でBNCT用に開発された治療計画システムは、JCDSを含めて3つだけであり(他の2つは、米国MITの「NCTPlan」とワシントン大学等で共同開発された「SERA」)、JCDSはモンテカルロ法による治療計画を実用化している世界でも数少ないシステムの1つである。さらに現在も改良、高度化が行われているのはJCDSのみであり、国内外のBNCT研究者から注目されている。
【0005】
モンテカルロ法による線量評価は、高精度な線量計算が可能であり、X線治療や粒子線治療も導入が検討されている。しかし、モンテカルロ法は長時間の計算時間が必要である点で課題が多い。例えば、既存のX線治療の評価は数分以内で完了するのに対して、モンテカルロ法では計算が数時間かかることも多い。従って、X線治療、粒子線治療では治療効率を優先してモンテカルロ法は実用化されていない。
【0006】
従来の放射線治療のモンテカルロ法による線量計算では、患者のCTデータを基に人体の3次元モデルを作成し、これを計算モデルに変換して線量計算を行う。このとき人体のような複雑形状の計算モデルに対しては、図2に示すように人体を含む直方体の領域をX、Y、Z方向に分割して小さな直方体(ボクセルという)に分割し、個々のボクセルに適切な材質の情報を定義することで、人体の計算モデル(ボクセルモデルという)を定義する。このとき、ボクセルの大きさをできるだけ細かくすることで、線量評価精度(計算精度)を向上することができる(図2-b)。その一方で、ボクセルの数が多くなるとボクセル間の境界数が増えてしまい、境界を粒子が通過するごとに計算が発生することから、計算時間が多くかかってしまう。つまりボクセル数(これに起因した計算精度)と計算時間には相関性がある。
【0007】
現在実用化されているBNCT用の治療計画システムでは、治療効率を考えて計算時間の制限から、ボクセルの大きさを1cm角~5mm角などに大きくしたボクセルモデルでの計算を行っている(図2-a)。この大きなボクセルを使う場合、個々のボクセルの材質は、空気、軟組織、骨、などの情報を定義するが、例えば空気と皮膚(軟組織)の境界部にボクセルが重なった場合は、その混合の材質を定義することになるが、この混合材質が計算誤差の原因となる。
【先行技術文献】
【0008】

【非特許文献1】H. Kumada, et al., Development of JCDS, a computational dosimetry system at JAEA for boron neutron capture therapy, Journal of Physics: Conference Series, Vol. 74, pp.1-7 2007
【非特許文献2】熊田博明 他:ホウ素中性子捕捉療法のためのBNCT線量評価システム(JCDS)の開発 、JAERI-Tech 2003-002、(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、撮影画像の3次元モデルを作成する際に、計算精度が高く、処理時間も短い方法及びそのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った。
計算モデルの元となるCTデータの1画素(ピクセル:0.5x0.5x2mm程度)をそのままボクセルに変換することができれば、計算精度はもっとも高くできるが、現状では計算時間の制約から実現できていない。この問題に対して、本発明者は、CTデータのピクセルレベルのままボクセルモデルを形成して計算精度を向上させ、且つ、計算効率を向上できるモデリング手法である「マルチステップ・ラティス・ボクセル法」(MLV法)を考案し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、大きさの異なるボクセルが含まれる撮影画像のスライスデータを積み重ねて、撮影対象の3次元モデルを形成する方法であって、以下の工程:
(a) 撮影画像のスライスデータを、一つの領域内に所定個数のピクセルが含まれるように複数の領域に分割する工程、
(b) 分割された1つの領域内に含まれるピクセルが、すべて同じ特徴を有する組織又は物質を表すときは、当該ピクセル同士を結合して1つのボクセルデータに置換する工程、
(c) 分割された1つの領域内に、異なる特徴を有する組織又は物質を表すピクセルが含まれるときは、当該1つの領域内のピクセルデータを混合ボクセルデータとして定義する工程、
(d) 前記工程(b)及び工程(c)を繰り返して、置換されたボクセルデータ及び混合ボクセルデータを含むスライスデータを取得する工程、並びに
(e) 前記工程(d)により取得された複数のスライスデータを多段階に積み重ねる工程、
を含む前記方法である。
【0012】
また、本発明は、コンピュータに、大きさの異なるボクセルが含まれる撮影画像のスライスデータを積み重ねて、撮影対象の3次元モデルを形成させるためのプログラムであって、以下の手順:
(a) 撮影画像のスライスデータを、一つの領域内に所定個数のピクセルが含まれるように複数の領域に分割する手順、
(b) 分割された1つの領域内に含まれるピクセルが、すべて同じ特徴を有する組織又は物質を表すときは、当該ピクセル同士を結合して1つのボクセルデータに置換する手順、
(c) 分割された1つの領域内に、異なる特徴を有する組織又は物質を表すピクセルが含まれるときは、当該1つの領域内のピクセルデータを混合ボクセルデータとして定義する手順、
(d) 前記手順(b)及び手順(c)を繰り返して、置換されたボクセルデータ及び混合ボクセルデータを含むスライスデータを取得する手順、並びに
(e) 前記手順(d)により取得された複数のスライスデータを多段階に積み重ねる手順、
を実行させるための前記プログラムである。
【0013】
本発明の方法及びプログラムにおいて、撮影画像としては、例えば人体の医療画像が挙げられる。また、撮影画像のスライスデータは、CT、MRI、Bitmap及びJPEGからなる群から選ばれる少なくとも1つによるものである。
本発明の一つの態様において、上記工程(a)又は手順(a)において分割する領域の数は、例えば1024個であり、また、分割された1つの領域内に含まれるピクセルの数は、例えば256個である。
さらに、本発明は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、マルチステップ・ラティス・ボクセル法が提供される。本発明の方法は、人体モデルを形成するボクセルの数(境界面の数)を減少することができ、効率的な計算が可能なLattice機能を活用して、より効率的な計算モデルを提供することができる。従って、本発明の方法は、例えば放射線治療法を計画する上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】BNCT用モンテカルロ治療計画システム(JCDS)の概要を示す図である。
【図2】ボクセルの大きさの異なるボクセルモデルを示す図である。
【図3】計算モデルの基となる人体3次元モデルの作成手順を示す図である。
【図4】マルチステップ・ラティス・ボクセル法の概略を示す図である。
【図5】マルチステップ・ラティス・ボクセル法によるボクセルモデル作成の処理フローチャートを示す図である。
【図6】各モデリング手法による円筒水ファントムモデルを示す図である。
【図7】頭部の任意断面に対するフルピクセルモデルと不均一ボクセルモデルを示す図である。
【図8】頭部の任意断面に対するフルピクセルモデル、2mm角の混合材質モデル及び不均一ボクセルモデルを示す図である。
【図9】各計算モデルで求めたファントム内ビーム中心軸上の熱中性子束分布を示す図である。
【図10】本発明のプログラムを実行するためのシステムの詳細構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、大きさの異なるボクセルが含まれる撮影画像のスライスデータを積み重ねて、撮影対象の3次元モデルを形成する方法に関する。

【0017】
本発明の方法は、以下の工程を含むものである。
(a) 撮影画像のスライスデータを、一つの領域内に所定個数のピクセルが含まれるように複数の領域に分割する工程、
(b) 分割された1つの領域内に含まれるピクセルが、すべて同じ特徴を有する組織又は物質を表すときは、当該ピクセル同士を結合して1つのボクセルデータに置換する工程、
(c) 分割された1つの領域内に、異なる特徴を有する組織又は物質を表すピクセルが含まれるときは、当該1つの領域内のピクセルデータを混合ボクセルデータとして定義する工程、
(d) 前記工程(b)及び工程(c)を繰り返して、置換されたボクセルデータ及び混合ボクセルデータを含むスライスデータを取得する工程、並びに
(e) 前記工程(d)により取得された複数のスライスデータを多段階に積み重ねる工程。
本発明の方法は、1個1個のボクセルを個々に作成して並べるのではなく計算コードに組み込まれているLattice機能を有効活用し、このLattice機能を何度も繰り返し用いて1つの計算モデルを形成する手法である。同じ大きさのボクセルを並べる方法で形成した計算モデルに対して、本方法を使うことで計算時間を約半分以下に短縮できる上に、全く同じジオメトリ定義ができることから同精度の計算結果を得ることができる。

【0018】
本発明において3次元モデルを形成させる対象は特に限定されるものではなく、例えば、人体、非ヒト動物の体、精密機器、食品、航空機、乗用車など、CT、MRIなどで撮影するものや、CADソフトで作成した3次元データでスライス毎に分別した画像データであればいずれのものでもよい。中でも、人体形状に対する線量計算に対して、人体モデルの形成方法に使用するために、撮影対象は人体であることが好ましい。また、撮影範囲は、頭部、胸部、腹部、四肢部など部分的であっても、人体全体であってもよい。
以下、人体モデルを例に説明する。

【0019】

1.JCDSによる人体モデル作成手順
JCDSによる線量評価では、まず被験者(例えば患者)のCT、MRI等の医療画像データを読み込み、これを重ね合せて3次元モデルを作成する。この3次元モデルのままでは、モンテカルロ計算コードによる線量計算は実行できないため、計算実行可能な計算モデル(ボクセルモデルという)に変換する。この計算モデルの基となる人体3次元モデルのデータ作成手順の概略を図3に示す。

【0020】
まずCTデータを基に3次元モデルのベースを作成する。このとき中性子の挙動は水素密度に大きく影響するため、人体の撮影画像は、材質、すなわち水素密度の大きく異なる空気、骨、軟組織を表す領域(この場合は3つの組織又は物質を表すピクセル)に分別する。なお、本明細書において、「材質」とは、撮影された組織(骨や軟組織)に由来するデータのことを意味して記載することもある。

【0021】
この材質の分別には、CTデータに記録されているCT値を利用して自動的に領域別を行う。CT値とは、CT撮影時に個々のピクセルごとに記録される情報であり、これはCT撮影時のX線照射の線源弱係数から決定される。従って、このCT値を解析することで、そのピクセルの材質を求めることができる。例えば空気のCT値は-1000、水は0と定義されている。骨のCT値は高値であり(CT値:1000)、続いて軟組織・筋肉(CT値:30~60)→血液(CT値:50)→水(CT値:0)→脂肪(CT値:-100)→空気(CT値:-1000)の順に小さくなっていく。このCT値を利用して、水素密度の異なる領域を自動分別する。

【0022】
続いて、ガン病巣や危険臓器、関心領域(ROIという)などは、CT値では自動分別は困難であるため、これらの領域別けはMRIを利用する。MRIを用いてこれらの関心領域を手入力で領域抽出する。このMRIの情報をモデルのベースとなるCT側に重ね合せて、1つの人体の3次元モデルを形成する。ここで材質の定義は、基本的にCT値で分別した3種類のみであるが、BNCTの場合は腫瘍の中にホウ素10が多く集積するため、腫瘍領域だけは、別の材質として設定することができる。また、材質を軟組織や骨とは別に分けて輸送計算させたい領域がある場合は、その領域をMRI上でROIとして別途領域抽出して、CT側に重ね合せ、その領域の材質を手入力で定義することができる。
これらの作業によってボクセルモデルの基となる3次元モデル(画像データ)が完成する。このとき3次元モデルを構成する個々のピクセルに、材質情報が定義付けられている。

【0023】

2.マルチステップ・ラティス・ボクセル法
本発明においては、前述の処理で作成した人体3次元モデルの画像データを、モンテカルロ計算コードで輸送計算可能なボクセルモデルに変換することを特徴とする。

【0024】
ところで、ボクセルモデルを形成するボクセルの数(境界面の数)を減少することができれば、モンテカルロ法の粒子輸送計算を効率化できる。従来のボクセルモデルのモデリング手法では、空気や軟組織領域の内部では、同じ材質が隣り合っているにもかかわらず、同じ大きさのボクセルで分割して計算モデルを形成していた。これは計算コード(MCNPやPHITS)に組み込まれているLatticeの機能を利用しているためである。ここで、Lattice機能とは、直方体をX、Y、Z方向に等分割して個々のボクセルに材質を定義することで効率的な輸送計算を行う機能である。

【0025】
これに対して、本発明者は、同じ材質が隣り合う領域を結合して大きなボクセルに置き換えることで、モデルの材質配置は同じまま、ボクセル数(境界数)を大幅に低減できると発想した。但し、隣り合う材質を結合する場合、結合した領域を、Cell機能を使って1個1個の領域を定義して全体モデルを作成することは原理的には可能であるが、Cellの定義数が膨大になってしまい、この定義数が、計算コードのCell数の上限値を超えてモデリングできない場合が想定される。さらに、Cellを1個1個定義すると、効率的な計算が可能なLatticeでモデリングするよりも結果的に計算時間が長くなってしまう事象が発生する。そこで、本発明においては、効率的な計算が可能なLattice機能を活用して、より効率的な計算モデルを定義する手法を提案する。
図4に本発明の方法の概略を示す。

【0026】
CTデータの1スライスについて、1つの領域内に所定個数のピクセルが含まれるように、複数の領域に分割する。「スライス」とは撮影対象(例えば人体)を輪切り状に撮影したときの撮影切片を意味し、1スライスの厚さは任意に設定することができる。また、1つの領域内に含まれるピクセルの数は特に限定されるものではなく、これも任意に設定することができる。例えば1つのスライスには512×512=262,144個のピクセルが含まれているとして、これをn×m個に領域分割する。n及びmは2のべき乗の値(2x)で512(29)(0<m<9)より小さい値をとり、m及びnはそれぞれ横方向(x軸方向)及び縦方向(y軸方向)の分割数であり、それぞれ1、2、4、8、16、32、64、128、256、512個、好ましくは8、16、32、64個、さらに好ましくは32個である。mとnとは同数であってもよく異なる数であってもよいが、同数であることが好ましい。従って、例えば512x512ピクセルの画像データをまず32x32=1024個に領域分割すると、分割された1領域中(1区画中)には16x16=256ピクセルが含まれることとなる。このように、1つのスライスからn×m個に分割したときの領域(上記の例では32x32個の各領域)を「Large Voxel領域」という。【0027】
このとき1領域内(16x16ピクセルの領域内)の材質がすべて同じ材質の場合は、ピクセル同士を結合して1つの大きなボクセル(つまり1×1のボクセル)に置き換えてボクセル数を減少させる。1つの大きなボクセルに置き換えたときのセルを「Single Large Voxel Cell」という。
仮に、Large Voxel領域内に2つ以上の材質が混在する場合は、ピクセルレベルの小さいボクセル(Small Voxel Cell)を設定してボクセルを定義する。このように定義されたセルを「Mixed Large Voxel Cell」という。
上記Single Large Voxel Cellに置き換える工程、及びMixed Large Voxel Cellを定義する工程を繰り返し使用して多段階にボクセルを積み重ね、最終的に大きさの異なるボクセルが混在する人体モデル(不均一ボクセルモデル)を形成する。
図5にこれらの処理のフローチャートを示す。
説明の便宜上、Large Voxel領域は16x16=256個のピクセルが含まれる場合を想定する。

【0028】
16x16ピクセルのLarge Voxel領域をSingle Large Voxel Cell もしくはMixed Large Voxel Cell に分別するには、まず、Large Voxel領域内の16x16=256個のピクセルの材質情報をフルスキャンによってチェックする。そして、全てのピクセルが同じ材質(空気、軟組織、骨及び腫瘍のいずれか)であるときは、256個のピクセルを1個のセル(Single Large Voxel cell) に置換する。256個のピクセルに1個でも別の材質データが混合していたときは、Mixed Large Voxel cellにLattice機能を使って置き換える。Mixed Large Voxel cell はピクセルレベルの大きさのSmall Voxel Cell を256個順番にLattice機能を使って並べて作成する。

【0029】
「Lattice機能を使う」とは、人体モデルのような複雑な計算体系に対して粒子輸送を行う際に、モデルの中を通過する粒子と位置関係(分割したVoxelのどこを粒子が通過したのか)を即座に判別して輸送効率を向上させる処理を行なうことを意味する。
上記Lattice機能処理を全てのLarge Voxel領域(32x32=1024領域)に対して繰り返し行い、1枚のスライスをSingle Large VoxelとMixed Large Voxelの2種類で構成されるスライスに変換する。最後に、置き換えた2つのLarge Voxel cellを順番にLattice 機能を使って並べ、1枚のVoxel Sliceを作成する。

【0030】
この一連の作業をさらにスライス毎に実行し、最後に再びLattice機能を使って各スライスを順番に並べて、1個の3次元のボクセルモデルを形成する。

【0031】
本発明の方法においては、上記の通り、Large Voxel 領域を16x16ピクセルに設定したが、元の人体の材質形状の複雑さ等に応じて、8x8=64や32x32=1024の大きさのLarge Voxel 領域に設定することができる。これにより、結果的にSingle large Voxel Cellに置き換えられる数が増えて、総ボクセル数を減少させることが可能である。また、Large Voxel 領域内のピクセル数は、スライス毎に使い分けても良い。
また、Voxel Sliceの作成は、スライス1枚ごとに処理しているが、複数枚(例えば2枚、3枚、・・・)のスライスを一緒にして処理することができる。

【0032】
さらに、Lattice処理もさらに1段、2段追加することも可能である。例えば、最初のLarge Voxel 領域(16x16ピクセル)をSingle large Voxel CellとMixed large Voxel Cellに置き換えた後に、このLarge Voxel 領域の隣り合う2個、4個、6個、あるいは8個の領域をチェックしてすべてのセルがSingle large Voxel Cellの場合は、さらにもう一段大きなSingle Large Voxel Cell (例えば4個の領域を1つのセルに置換するときは1024ピクセル分)に置き換えることでボクセル数を減らすことが可能である。この処理をさらに繰り返すこともできる。この方法は、さらに工夫して用いることでMixed Large Voxel Cellも効率化できる。例えばLarge Voxel 領域を8x8や4x4に設定し、この中の材質が同じだった場合は、Single Large Voxel Cellに置き換える。これを繰り返すことでボクセルの数を大幅に低減できる。

【0033】

3.コンピュータプログラム
本発明のプログラムは、コンピュータに、大きさの異なるボクセルが含まれる撮影画像のスライスデータを積み重ねて、撮影対象の3次元モデルを形成させるためのプログラムであり、以下の手順を含むものである。
(a) 撮影画像のスライスデータを、一つの領域内に所定個数のピクセルが含まれるように複数の領域に分割する手順、
(b) 分割された1つの領域内に含まれるピクセルが、すべて同じ特徴を有する組織又は物質を表すときは、当該ピクセル同士を結合して1つのボクセルデータに置換する手順、
(c) 分割された1つの領域内に、異なる特徴を有する組織又は物質を表すピクセルが含まれるときは、当該1つの領域内のピクセルデータを混合ボクセルデータとして定義する手順、
(d) 前記手順(b)及び手順(c)を繰り返して、置換されたボクセルデータ及び混合ボクセルデータを含むスライスデータを取得する手順、並びに
(e) 前記手順(d)により取得された複数のスライスデータを多段階に積み重ねる手順。
本発明のプログラムにおいて、コンピュータを実行させるためのシステムを示す構成例を図10に示す。

【0034】
図10において、システム100は、Single Large Voxel 及びMixed Large Voxelの2種類で構成されるスライスに変換する計算部110、データベース(以下「DB」という)109、制御部101、送信/受信部102、入力部103、出力部104、ROM105、RAM106、ハードディスクドライブ(HDD)107、CD-ROMドライブ108などにより構成される。

【0035】
制御部101はCPUやMPU等の中央演算処理部であり、システム100全体の動作を制御する。特に、送信/受信部102の通信制御を行い、あるいはDB109に記憶されている撮影データを利用して、Large Voxel Cell又はMixed Large Voxel Cellの作成、及びその結果表示等の表示データ読出し処理等を行う。

【0036】
送信/受信部102は、制御部101の指示に基づいて、ユーザ端末との間で撮影データの送信及び受信処理を行うことができる。なお、ユーザ端末は、インターネット回線111を介して接続されていてもよい。送信/受信部102は、MLV法の処理等に必要とする情報を計算部110に対して送信する。
入力部103は、キーボード、マウス、タッチパネル等であり、処理条件の入力やDB109の内容更新時等に操作される。出力部104はLCD(液晶ディスプレイ)等であり、DB109の更新時等に制御部101からのコードデータをその都度表示用データに変換して表示処理を行う。ROM105は、システム100の処理プログラムを格納する。RAM106は、システム100の処理に必要なデータを一時的に格納する。HDD107は、プログラム等を格納し、制御部101の指示に基づいて、格納しているプログラム又はデータ等を読み出し、例えばRAM106に格納する。CD-ROMドライブ108は、制御部101からの指示に基づいて、CD-ROM120に格納されているプログラム等を読み出してRAM106等に書き込む。CD-ROM120の代わりに記録媒体として書き換え可能なCD-R、CD-RW等を用いることもできる。その場合には、CD-ROMドライブ108の代わりにCD-R又はCD-RW用ドライブを設ける。また、上記媒体の他に、DVD、MO、フラッシュメモリースティック等の媒体を用い、それに対応するドライブを備える構成とすることもできる。

【0037】

4.コンピュータ読み取り可能な記録媒体
本発明のプログラムは、例えばC言語、Java(登録商標)、Perl、Fortran、Pascal等で書くことができ、そしてクロスプラットフォームに対応できるように設計されている。従って、このソフトウエアはWindows(登録商標)95/98/2000/XP等、Linux、UNIX(登録商標)、Macintoshで作動させることが可能である。

【0038】
本発明のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体又はコンピュータに接続しうる記憶手段に保存することができる。本発明のプログラムを含有するコンピュータ用記録媒体又は記憶手段も本発明に含まれる。記録媒体又は記憶手段としては、磁気的媒体(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光学的媒体(CD、DVDなど)、磁気光学的媒体(MO、MD)、フラッシュメモリーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0039】
本発明の方法による計算性能の検証
(1)円筒水ファントム条件での検証
本手法の計算性能を検証するため、BNCT治療施設であるJRR-4(日本原子力研究開発機構の研究炉、Japan Research Reactor No.4)で実施した円筒水ファントム(直径約20cm、長さ20cm)を用いた実験を再現し、以下の各種のモデリング手法による計算を実行して、その計算精度と計算時間を比較した。計算モデルは、(i) 従来の5x5x5mm角(125mm3)のボクセルで構成する混合材質ボクセルモデル、(ii) 従来の2x2x2mm角(8mm3)のボクセルで構成する混合材質ボクセルモデル、(iii) 元のCTのピクセルの大きさのままボクセルを定義したフルピクセルモデル、(iv) 本発明の方法であるマルチステップ・ラティス・ボクセル法(MLV法)で作成した不均一ボクセルモデル、の4つを作成し、それぞれの計算モデルを用いてモンテカルロコードPHITSによる輸送計算を実行して計算時間等を比較した。図6に各モデリング手法によるファントムモデルを示す。
【実施例1】
【0040】

(2)人体モデルでの検証
ファントムモデルに続いて人体頭部のCTデータを基に頭部3次元モデルを作成し、線量計算について、(i) 全てのピクセルをそのままボクセルに変換した計算モデル(フルピクセルモデル)と、(ii) マルチステップ・ラティス・ボクセル法を用いて不均一ボクセルモデルを作成し、それぞれをモンテカルロコードPHITSを用いて輸送計算を実行して計算時間等を比較した。図7と図8に2つの手法で作成したボクセルモデルを示す。なお図6には2x2x2mm角の混合材質モデルで作成した場合のサンプルも合わせて示す。
【実施例1】
【0041】

<結果及び考察>
(1) 円筒水ファントムモデルの計算結果
まず各モデルのボクセル数は、5mm角の混合材質モデルが約64,000個、2mm角の混合材質モデルが約1,000,000個、フルピクセルモデルのボクセル数は、15,728,640個(512x512x60スライス)であったのに対して、MLV法で作成した不均一ボクセルモデルのボクセル数は、約39,000個(約650個/スライス×60スライス)であった。
【実施例1】
【0042】
図9に円筒水ファントム内のビーム中心軸上の熱中性子束分布について、3つの方法で計算した結果を示す。図9-bはビームが入射する空気とファントム表面の境界面を拡大したものである。この結果から、ファントムの表面から1cmよりも深い領域では、3つの手法の計算結果は、統計誤差の範囲内で一致した。一方、空気領域とファントム表面の境界領域では、フルピクセルモデルとMLV法の不均一ボクセルモデルは統計誤差の範囲内で一致した。しかし、5mm角及び2mm角の混合材質モデルの計算結果は、上記2つの結果に対して最大で18%の誤差を生じた。ここでフルピクセルモデルとMLV法の不均一ボクセルモデルの結果は、同実験で得られた実験値に対しても実験誤差、統計誤差の範囲内で一致することを確認した。
次に各モデルによる計算時間を比較した。各モデルでの計算時間、並びに混合ボクセルモデルに対する計算時間の比、及びフルピクセルモデルに対する計算時間の比を表1に示す。
【実施例1】
【0043】
【表1】
JP0005641503B2_000002t.gif
【実施例1】
【0044】
表1に示すように、MLV法による不均一ボクセルモデルでの計算はフルピクセルモデルの約半分の時間で線量計算を完了できている。また、従来の混合材質モデルに対しても、2x2x2mm角のボクセルを用いた混合材質モデルに対しては計算時間の増分は約17%であった。ボクセル数が大幅に少ない5x5x5mm角の混合材質モデルに対しては、約2倍の計算時間を要した。
【実施例1】
【0045】

(2) 人体モデルの計算結果
角モデルのボクセル数については、まずフルピクセルモデルの場合は1スライス面当たり262,144個(512x5125)であるのに対して、MLV法の不均一ボクセルモデルではスライス毎にボクセル数が異なり、図7に示したスライス面のボクセル数は約66,000個であり、フルピクセルモデルに対して、ボクセル数を約25%にまで減少できていた。また、図8に示したスライス面のボクセル数は約77,800個であり、こちらもフルピクセルモデルに対して、約30%に減少できた。
それぞれのモデルによる計算結果は、全領域において統計精度の範囲内で一致し、2つのモデルが同等の計算精度を有していることを確認した。
【実施例1】
【0046】
続いて表2に2つの計算モデルによる1千万粒子輸送当たりの計算時間を比較した結果を示す。MLV法による不均一ボクセルモデル計算は、フルピクセルモデルでの計算に対して、計算時間を約50%短縮することができた。
【実施例1】
【0047】
【表2】
JP0005641503B2_000003t.gif
【実施例1】
【0048】
表2に示すように、MLV法による不均一ボクセルモデルの計算はフルピクセルモデルでの計算に対して同一の計算精度を保ちながら時間時間を約半分に短縮して線量計算を完了できた。
【実施例1】
【0049】

<考察>
円筒水ファントム体系及び人体頭部の体系に対して各計算手法による線量計算の比較検証から、MLV法でモデリングした計算は、フルピクセルモデルと同等の計算精度を有していることを確認した。これはフルピクセルモデルもMLV法による不均一ボクセルモデルも材質の定義上ではジオメトリ構造は全く同一であるためである。しかしボクセル数が大きく異なることから、MLV法を用いることで、計算精度はそのままに、計算時間を約半分程度まで短縮することが可能である。
【実施例1】
【0050】
現在治療で使われている混合材質モデルとの比較では、単純形状のファントムモデルに対しては、2mm角の混合材質モデルに対しては、計算時間の増分は約17%程度であり、MLV法による線量計算も十分実用的であると考えられる。一方ボクセル数が大幅に少ない5mm角の混合材質モデルに対しては、計算時間が約2倍程度かかっている。しかし混合材質モデルでは、異なる材質の境界面で大きな誤差を生じるため、実用面では課題が残ったままであるが、MLV法を用いることで計算精度を実測値と同等までに高精度化することが可能である。
【実施例1】
【0051】
MLV法は、さらにアルゴリズムを最適化、高度化することが可能であり、現在は1スライスあたりで16x16ピクセルごとにLarge Voxel を定義しているが、例えば、2つのスライスを組み合せて16x16x2スライス(512ピクセル)を1つのLarge Voxel に置き換えてモデリングすることにより、さらにボクセル数を低減することができる。表3は、上記の頭部モデルをこの16x16x2ピクセルで組み合わせた場合の不均一ボクセルモデルによる計算結果を示している。
【実施例1】
【0052】
【表3】
JP0005641503B2_000004t.gif
【実施例1】
【0053】
この組み合わせを用いることで、計算時間をさらに約34%短縮することができ、フルピクセルモデルに対しては、計算時間を約1/3まで短縮することができた。
このように本アルゴリズムは計算体系に応じて、最適化することで計算効率をさらに向上させることができる。また、本手法は、一般に広く普及しているMCNPやPHITSなどのLattice機能を有している汎用のモンテカルロコードで(ほとんどコードの改良を伴うことなく)利用することができる。
【実施例1】
【0054】
この手法は、モンテカルロ法を治療に実用しているBNCT分野で先行的に開発したが、従来のX線治療、粒子線治療分野にも適用が可能である。この手法を用いることでX線治療、粒子線治療においてモンテカルロ法による治療計画が実現する可能性もある。また、本手法は放射線治療の人体モデルに対して検証を実施したが、実際には複雑形状の計算対象物すべてに対して応用が可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
8
【図10】
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