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明細書 :複数点照明による培養細胞観察システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5892594号 (P5892594)
公開番号 特開2013-150557 (P2013-150557A)
登録日 平成28年3月4日(2016.3.4)
発行日 平成28年3月23日(2016.3.23)
公開日 平成25年8月8日(2013.8.8)
発明の名称または考案の名称 複数点照明による培養細胞観察システム
国際特許分類 C12M   1/00        (2006.01)
C12M   1/34        (2006.01)
FI C12M 1/00 A
C12M 1/34 B
請求項の数または発明の数 4
全頁数 16
出願番号 特願2012-011839 (P2012-011839)
出願日 平成24年1月24日(2012.1.24)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2011年8月25日、公益社団法人 日本生物工学会発行の「第63回 日本生物工学会大会 講演要旨集」に発表、および2011年11月3日~5日、ライフサポート学会、日本生活支援工学会および日本機械学会主催の「生活生命支援医療福祉工学系学会連合大会2011」において文書をもって発表
審査請求日 平成26年12月25日(2014.12.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】幡多 徳彦
【氏名】野口 展士
【氏名】舟久保 昭夫
【氏名】紀ノ岡 正博
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100100712、【弁理士】、【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
【識別番号】100095500、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 正和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100098327、【弁理士】、【氏名又は名称】高松 俊雄
審査官 【審査官】吉門 沙央里
参考文献・文献 特開2011-008188(JP,A)
特開2006-141326(JP,A)
特開2007-048006(JP,A)
米国特許出願公開第2007/0139638(US,A1)
米国特許出願公開第2008/0144169(US,A1)
調査した分野 C12M 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
円周上に略等間隔に配置され、順番に点灯する複数のLEDと、
培養細胞が収納された容器を挟んで前記複数のLEDと対向し且つ前記円の中心軸上に配置され、順番に点灯された前記複数のLEDの異なる方向からの光により前記培養細胞を順番に撮像する撮像部と、
前記撮像部により順番に撮像された前記異なる方向からの複数の細胞画像の階調値をピクセル毎に加算合成し、ピクセル毎の加算合成階調値から所定のしきい値を減算して加算合成画像を得る画像処理部と、
を備えることを特徴とする複数点照明による培養細胞観察システム。
【請求項2】
円周上に略等間隔に配置され、順番に点灯する複数のLEDと、
培養細胞が収納された容器を挟んで前記複数のLEDと対向し且つ前記円の中心軸上に配置され、順番に点灯された前記複数のLEDの異なる方向からの光により前記培養細胞を順番に撮像する撮像部と、
前記撮像部により順番に撮像された前記異なる方向からの複数の細胞画像の階調値の平均値をピクセル毎に求め、各細胞画像毎に、細胞画像の階調値と前記平均値との差分の絶対値を偏り度とし、この偏り度を前記複数の細胞画像について加算して各ピクセルの偏り度利用画像を得る画像処理部と、
を備えることを特徴とする複数点照明による培養細胞観察システム。
【請求項3】
円周上に略等間隔に配置され、順番に点灯する複数のLEDと、
培養細胞が収納された容器を挟んで前記複数のLEDと対向し且つ前記円の中心軸上に配置され、順番に点灯された前記複数のLEDの異なる方向からの光により前記培養細胞を順番に撮像する撮像部と、
前記撮像部により順番に撮像された前記異なる方向からの複数の細胞画像の階調値の最大値と最小値とをピクセル毎に求め、各ピクセル毎に前記最大値から前記最小値を減算して差分画像を得る画像処理部と、
を備えることを特徴とする複数点照明による培養細胞観察システム。
【請求項4】
前記複数のLEDの各々が前記円の中心から等距離になるように前記複数のLEDを移動調整するLED移動調整部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の複数点照明による培養細胞観察システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、培養細胞を経時的に観察するための複数点照明による培養細胞観察システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、再生医療で行われている自家細胞培養による細胞組織の生産では、細胞培養プロセスに対する管理方法および細胞品質に対する評価技術が必要不可欠である。細胞培養プロセスの可視化を目的として、経時的な細胞画像を解析することで非侵襲かつ定量的な評価が可能である。
【0003】
従来では、主に位相差顕微鏡による位相差画像を用いた観察システムや1点照明の明視野顕微鏡が用いられてきた。
【0004】
また、従来の技術として、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1の細胞培養装置では、収納容器内に、培養器を挟んで、光源とカメラとを対向して配置するとともに、カメラ或いは培養器を相対的に移動可能な構造とし、任意の焦点で培養器内の細胞の画像を取得していた。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2006-051813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の位相差顕微鏡では、細胞組織に厚みや色がある場合には、鮮明な細胞画像が得られず、画像処理による評価が困難であった。また、従来の1点照明の明視野顕微鏡や特許文献1では、観察機構が単純で色や厚みの観察に優れているが、細胞のエッジが不鮮明で細胞の認識が困難であった。
【0007】
本発明の課題は、細胞組織に厚みや色がある場合でも鮮明な細胞画像を得るとともに、細胞のエッジも鮮明な画像を得ることができる複数点照明による培養細胞観察システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る複数点照明による培養細胞観察システムは、円周上に略等間隔に配置され、順番に点灯する複数のLEDと、培養細胞が収納された容器を挟んで前記複数のLEDと対向し且つ前記円の中心軸上に配置され、順番に点灯された前記複数のLEDの異なる方向からの光により前記培養細胞を順番に撮像する撮像部と、前記撮像部により順番に撮像された前記異なる方向からの複数の細胞画像の階調値をピクセル毎に加算合成し、ピクセル毎の加算合成階調値から所定のしきい値を減算して加算合成画像を得る画像処理部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、細胞組織に厚みや色がある場合でも鮮明な細胞画像を得るとともに、細胞のエッジも鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの4つのLEDより得られた4つの画像と合成画像とを示す図である。
【図3】実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの処理を示すフローチャートである。
【図4】実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの4点照明観察での元画像を示す図である。
【図5】実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の加算合成処理を示す図である。
【図6】実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の加算合成処理して得られた加算合成の階調値を示す図である。
【図7】実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの加算合成画像を示す図である。
【図8】実施例2に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の偏り度利用処理を示す図である。
【図9】実施例2に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の偏り度利用処理して得られた偏り度利用の階調値を示す図である。
【図10】実施例2に係る複数点照明による培養細胞観察システムの偏り度利用画像を示す図である。
【図11】実施例3に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の最大値と最小値との差分処理を示す図である。
【図12】実施例3に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の最大値と最小値との差分処理して得られた差分の階調値を示す図である。
【図13】実施例3に係る複数点照明による培養細胞観察システムの最大値と最小値との差分画像を示す図である。
【図14】各画像合成法における細胞検出を示す図である。
【図15】本発明の実施例4に係る複数点照明による培養細胞観察システムの主要部の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施例5に係る複数点照明による培養細胞観察システムの主要部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る複数点照明による培養細胞観察システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの構成を示すブロック図である。図1において、培養された細胞が収納された培養容器5を挟んで、4つのLED1~LED4とCCDカメラ(撮像部)6とが対向して配置されている。
【実施例1】
【0013】
4つのLED1~LED4は、照明用の白色LEDであり、円周上に等間隔に配置され、順番に1つずつ点灯するようになっている。CCDカメラ6には円筒状の鏡筒7が取り付けられ、この鏡筒7の先端部にはレンズ8が配置されている。4つのLED1~LED4の円の中心Oとレンズ8の中心と鏡筒7の中心とCCDカメラ6の中心とは同一直線上に配置されている。
【実施例1】
【0014】
培養容器5は、シャーレ、フラスコなどである。CCDカメラ6は、電荷結合素子であり、順番に点灯されたLED1~4の異なる方向からの光により培養細胞を撮像して細胞画像を得る。画像処理部10は、CCDカメラ6で撮像された4つの細胞画像を合成して合成画像を得た後、所定の処理を施す。画像処理部10の詳細な処理については、後述する。画像メモリ12は、画像処理部10で処理された合成画像を格納する。
【実施例1】
【0015】
図2は、実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの4つのLEDより得られた4つの画像と合成画像とを示す図である。図3は、実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの処理を示すフローチャートである。図4は、実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの4点照明観察での元画像を示す図である。
【実施例1】
【0016】
図4(a)は、24時間後の元の細胞画像、図4(b)は、48時間後の元の細胞画像、図4(c)は、72時間後の元の細胞画像、図4(d)は、96時間後の元の細胞画像である。即ち、時間の経過ととともに、細胞が培養されている様子を示す。
【実施例1】
【0017】
まず、LED1を点灯させると、CCDカメラ6により培養細胞を撮像して、図2に示すように右側エッジが鮮明な画像IM1が得られる。次に、LED2を点灯させると、CCDカメラ6により培養細胞を撮像して、図2に示すように上側エッジが鮮明な画像IM2が得られる。
【実施例1】
【0018】
次に、LED3を点灯させると、CCDカメラ6により培養細胞を撮像して、図2に示すように左側エッジが鮮明な画像IM3が得られる。次に、LED4を点灯させると、CCDカメラ6により培養細胞を撮像して、図2に示すように下側エッジが鮮明な画像IM4が得られる(ステップS10)。
【実施例1】
【0019】
次に、4つの画像IM1~IM4は、順番に画像処理部10に入力される(ステップS11)。画像処理部10は、4つの画像IM1~IM4の各画像について、画像サイズ、即ち、縦ピクセル数、横ピクセル数を決定する(ステップS12)。
【実施例1】
【0020】
さらに、画像処理部10は、各ピクセルの階調値(濃度値)を画像メモリ12に格納する(ステップS13)。次に、画像処理部10は、各画像IM1~IM4の位置を修正する(ステップS14)。即ち、画像のトリミング処理を行う。
【実施例1】
【0021】
次に、画像処理部10は、トリミング処理された各画像IM1~IM4の加算合成処理を行う(ステップS15)。
【実施例1】
【0022】
図5は、実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の加算合成の階調値を示す図である。各画像IM1~IM4の加算合成処理は、ピクセル毎に行われる。図5において、縦軸は各ピクセルを示し、横軸は、各ピクセルにおける各画像IM1~IM4の階調値の合計を示す。
【実施例1】
【0023】
実施例1の加算合成処理では、以下の式(1)により合成画像の階調値を算出して画像メモリ12に格納する(ステップS16)。
【数1】
JP0005892594B2_000002t.gif
【実施例1】
【0024】
式(1)において、Oは元画像(n=1,2,3,4)、wは幅であり、hは高さであり、Pは処理画像であり、thはスレショルド値(所定のしきい値に対応)である。
【実施例1】
【0025】
即ち、ピクセル毎に、4つの画像IM1~IM4を加算合成して、得られた画像からスレショルド値thを引き算して、得られた画像を加算合成画像としている。この場合、4つの画像IM1~IM4を加算合成して得られた画像がスレショルド値th以下のときは、加算合成画像はゼロとする。
【実施例1】
【0026】
図6は、実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の加算合成処理して得られた加算合成の階調値を示す図である。図6に示す加算合成画像の階調値は、0~255となる。この場合、図5に示す7個目のピクセルの階調値の合計が最大であり、これに対応して図6に示す7個目のピクセルの階調値が最大で255である。このため、スレショルド値thは、図5に示す7個目のピクセルの階調値の合計値から、図6に示す7個目のピクセルの階調値である255を引いた値に設定されている。
【実施例1】
【0027】
図7は、実施例1に係る複数点照明による培養細胞観察システムの加算合成画像を示す図である。図7(a)は、24時間後の加算合成画像、図7(b)は、48時間後の加算合成画像、図7(c)は、72時間後の加算合成画像、図7(d)は、96時間後の加算合成画像である。即ち、図7に示す加算合成画像は、図4に示す元の細胞画像よりも、細胞画像の輪郭がより強調される。従って、細胞組織に厚みや色がある場合でも鮮明な細胞画像が得られとともに、細胞のエッジも鮮明な画像を得ることができるので、細胞を容易に認識できる。
【実施例1】
【0028】
また、加算合成画像は、コントラストが良いので、細胞領域を認識するのに最適な方法である。
【実施例1】
【0029】
さらに、全てのピクセルを終了したかどうかが判定され(ステップS17)、合成画像が確認され(ステップS18)、画像位置の修正が適正がどうかが判定される(ステップS19)。
【実施例2】
【0030】
図8は、実施例2に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の偏り度利用処理を示す図である。画像の偏り度利用処理は、図1に示す画像処理部10によって行われる。図8(a)は、ピクセル毎に各画像IM1~IM4の加算合成処理を行ったことを示す。図8(a)において、縦軸は各ピクセルを示し、横軸は、各ピクセルにおける各画像IM1~IM4の階調値の合計を示す。
【実施例2】
【0031】
図8(b)は、1つのピクセル、例えば、1番目のピクセルの4つの画像IM1~IM4(図ではA,B,C,D)の階調値を示す。図8(c)は、1番目のピクセルの4つの画像IM1~IM4(図ではA,B,C,D)の階調値の平均値(ave)を求める。平均値(ave)は、点線部分で示されている。この場合、式(2)の演算が行われる。
【数2】
JP0005892594B2_000003t.gif
【実施例2】
【0032】
式(2)において、Oは元画像(n=1,2,3,4)、wは幅であり、hは高さであり、Pは処理画像である。
【実施例2】
【0033】
即ち、各画像毎に、画像の階調値と平均値との差分の絶対値を偏り度とし、この偏り度を4つの画像について加算して1つのピクセルの偏り度利用画像としている。そして、各ピクセルについて、式(2)の画像の偏り度利用処理を行うことで、図9に示す偏り度利用の階調値が得られる。
【実施例2】
【0034】
図10は、実施例2に係る複数点照明による培養細胞観察システムの偏り度利用画像を示す図である。図10(a)は、24時間後の偏り度利用画像、図10(b)は、48時間後の偏り度利用画像、図10(c)は、72時間後の偏り度利用画像、図10(d)は、96時間後の偏り度利用画像である。
【実施例2】
【0035】
即ち、図10に示す偏り度利用画像は、図4に示す元の細胞画像よりも、細胞画像の輪郭がより強調される。従って、細胞組織に厚みや色がある場合でも鮮明な細胞画像が得られとともに、細胞のエッジも鮮明な画像を得ることができるので、細胞を容易に認識できる。また、この方法では、細胞の輪郭をさらに明確にできるので、細胞の形状をさらに明確に認識できる。
【実施例3】
【0036】
図11は、実施例3に係る複数点照明による培養細胞観察システムの画像の最大値と最小値との差分処理を示す図である。
【実施例3】
【0037】
画像の最大値と最小値との差分処理は、図1に示す画像処理部10によって行われる。図11は、ピクセル毎に各画像IM1~IM4の加算合成処理を行ったことを示す。また、図11では、ピクセル毎に、各画像IM1~IM4の内の最大値と最小値とを求める。太枠で囲んだ部分が最大値と最小値とを示している。図11において、縦軸は各ピクセルを示し、横軸は、各ピクセルにおける各画像IM1~IM4の階調値の合計を示す。
【実施例3】
【0038】
この場合、式(3)の演算によりピクセル毎に、最大値と最小値との差分処理が行われる。
【数3】
JP0005892594B2_000004t.gif
【実施例3】
【0039】
式(3)において、maxは最大値、minは最小値、Oは元画像(n=1,2,3,4)、wは幅であり、hは高さであり、Pは処理画像である。
【実施例3】
【0040】
即ち、式(3)の画像の最大値と最小値との差分処理を行うことで、図12に示す差分の階調値が得られる。図12に示す差分画像の階調値は、0~255としている。
【実施例3】
【0041】
図13は、実施例3に係る複数点照明による培養細胞観察システムの最大値と最小値との差分画像を示す図である。図13(a)は、24時間後の差分画像、図13(b)は、48時間後の差分画像、図13(c)は、72時間後の差分画像、図13(d)は、96時間後の差分画像である。
【実施例3】
【0042】
即ち、図13に示す差分画像は、図4に示す元の細胞画像よりも、細胞画像の輪郭がより強調される。従って、細胞組織に厚みや色がある場合でも鮮明な細胞画像が得られとともに、細胞のエッジも鮮明な画像を得ることができるので、細胞を容易に認識できる。また、この方法では、細胞の輪郭をさらに明確にできるので、細胞の形状をさらに明確に認識できる。
【実施例3】
【0043】
図14は、各画像合成法における細胞検出を示す図である。図14において、横軸(x軸)は目視による測定細胞密度を示し、縦軸(y軸)は画像処理での測定細胞密度を示している。●は単純合成処理を示し、○は加算合成処理を示し、■は偏り度処理を示し、□は最大値と最小値との差分処理を示す。○で示される加算合成処理は、y=xの直線に最も近づいており、より鮮明な細胞画像を取得できることがわかる。
【実施例4】
【0044】
図15は、本発明の実施例4に係る複数点照明による培養細胞観察システムの主要部の構成を示すブロック図である。図15に示す実施例4に係る複数点照明による培養細胞観察システムは、円周上に略等間隔に配置された白色のLED1~LED4を円の中心Oから等距離に移動させるためのLED移動調整部を設けたことを特徴とする。
【実施例4】
【0045】
なお、図15に示すその他の構成は、図1に示す構成と同一構成であるものとする。
【実施例4】
【0046】
このLED移動調整部は、以下のように構成される。凹凸が形成されたギア20~24が設けられ、ギア20には略等間隔の位置にギア21~24が噛合されている。ギア21~24の半径及び凹凸数は、互いに同じである。
【実施例4】
【0047】
ギア20には中心にシャフト20aが取り付けられ、シャフト20aが例えば時計方向に回転することでギア20が時計方向に回転し、ギア21~24が反時計方向に回転するようになっている。
【実施例4】
【0048】
ギア21~24の中心にはワイヤ31~34の一端が取り付けられ、ワイヤ31~34の他端はネジ41~44の一端に取り付けられている。ネジ41~44の他端にはLED1~LED4が取り付けられている。ネジ41~44は、ピッチが互いに同じであり、ボルト51~54と螺合している。ボルト51~54は、略正方形状の固定部材55に固定されている。
【実施例4】
【0049】
次に、このように構成されたLED移動調整部の動作を説明する。まず、シャフト20aを時計方向に回転させると、ギア20が時計方向に回転し、ギア21~24が反時計方向に回転する。すると、ギア21~24の反時計方向の回転に伴って、ワイヤ31~34およびボルト41~44も反時計方向に回転する。このため、ボルト41~44およびLED1~LED4は、中心Oから離れる方向に移動する。
【実施例4】
【0050】
ギア21~24の半径及び凹凸数は、互いに同じであり、ネジ41~44のピッチが互いに同じであるので、中心OからLED1~LED4までの距離r1~r4は、同じ値となる。従って、異なる4つの方向で且つLED1~LED4から培養細胞までの距離が一定値となるので、容易にトリミングでき、より鮮明な細胞画像を得ることができる。
【実施例4】
【0051】
なお、シャフト20aを反時計方向に回転すると、上記動作とは逆の動作となり、ボルト41~44およびLED1~LED4が、中心Oに近づく方向に移動できる。
【実施例5】
【0052】
図16は、本発明の実施例5に係る複数点照明による培養細胞観察システムの主要部の構成を示すブロック図である。図16に示す実施例5に係る複数点照明による培養細胞観察システムは、円板60と、円板60のいずれかの位置に取り付けられたLED1と、円板60の中心Oに取り付けられたシャフト61と、シャフト61を介して円板60を回転させる回転モータ62と、回転モータ62により円板60およびLED1が1回転される期間中に、LED1を等間隔毎の複数点において点灯させる点灯制御部63とを備えることを特徴とする。
【実施例5】
【0053】
なお、図16に示すその他の構成は、図1に示す構成と同一構成であるものとする。
【実施例5】
【0054】
図16に示す構成によれば、回転モータ62により円板60が例えば、1秒間に1回転すると、点灯制御部63は、LED1を0.25秒後、0.5秒後、0.75秒後、1.0秒後に点灯することで、図1に示す4つのLED1~LED4を順番に点灯したことと同じとなる。なお、LED1の点灯時間を例えば、0.1秒とする。
【実施例5】
【0055】
この場合にも、4つの細胞画像IM1~IM4が得られるので、実施例1の効果と同様な効果が得られる。また、LEDが1個で済むという利点がある。
【実施例5】
【0056】
なお、本発明は実施例1乃至5の複数点における培養細胞観察システムに限定されるものではない。実施例1乃至4では、LEDの数を4つとしたが、LEDの数は2つ以上であっても良い。LEDの数は、偶数であって且つ円周上の等間隔の位置に配置されるのが好ましい。
【実施例5】
【0057】
実施例1乃至5では、LEDを用いたが、光を発するものであればよく、その他の光源であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、再生医療分野における細胞組織生産プロセスにおける観察技術として広く利用できる。
【符号の説明】
【0059】
1~4 LED
5 培養容器
6 CCDカメラ
7 鏡筒
8 レンズ
10 画像処理部
12 画像メモリ
20~24 ギア
20a 回転シャフト
31~34 ワイヤ
41~44 ネジ
51~54 ボルト
55 固定部材
60 円板
61 シャフト
62 回転モータ
63 点灯制御部
IM1~IM4 画像
IMSy 合成画像
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図8】
5
【図9】
6
【図11】
7
【図12】
8
【図14】
9
【図15】
10
【図16】
11
【図4】
12
【図7】
13
【図10】
14
【図13】
15