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明細書 :球体の製造装置およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5930694号 (P5930694)
公開番号 特開2013-123784 (P2013-123784A)
登録日 平成28年5月13日(2016.5.13)
発行日 平成28年6月8日(2016.6.8)
公開日 平成25年6月24日(2013.6.24)
発明の名称または考案の名称 球体の製造装置およびその製造方法
国際特許分類 B26F   3/12        (2006.01)
B26F   3/00        (2006.01)
B23K  26/00        (2014.01)
FI B26F 3/12
B26F 3/00 S
B23K 26/00 G
請求項の数または発明の数 5
全頁数 11
出願番号 特願2011-275046 (P2011-275046)
出願日 平成23年12月15日(2011.12.15)
審査請求日 平成26年12月9日(2014.12.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】小林 岳彦
【氏名】加藤 優一
個別代理人の代理人 【識別番号】100101269、【弁理士】、【氏名又は名称】飯塚 道夫
審査官 【審査官】矢澤 周一郎
参考文献・文献 実開平05-072304(JP,U)
実開平05-041602(JP,U)
特表2000-515075(JP,A)
調査した分野 B23K 26/00
B26F 3/00
B26F 3/12
B23B 5/40
B24B 11/02-11/08
B23Q 27/00
特許請求の範囲 【請求項1】
被加工物が固着されて主回転軸のまわりにこの被加工物を回転する第1回転治具と、
第1回転治具と対向して配置され、主回転軸を中心とする受部を有し被加工物の端部をこの受部に固着して主回転軸のまわりに被加工物を回転する第2回転治具と、
主回転軸と交わりかつ直交する副回転軸まわりに回転可能に支持されたアーム材と、
副回転軸から離れた位置で副回転軸と平行にアーム材に取り付けられ、副回転軸まわりに旋回されつつ、第1回転治具により固着された状態で被加工物の一方の端部を半球面に加工すると共に、第1回転治具から被加工物を取り外した状態で半球面に加工された一方の端部を第2回転治具の受部に固着して、被加工物の他方の端部を半球面に加工する加工器具と、
を含む球体の製造装置。
【請求項2】
加工器具が電熱線とされる請求項1 記載の球体の製造装置。
【請求項3】
加工器具はレーザ加工機より出力されるレーザビームとする請求項1記載の球体の製造装置。
【請求項4】
加工器具はウオータジェット装置より出力されるウオータジェットビームとする請求項1記載の球体の製造装置。
【請求項5】
第1回転治具に被加工物を固着した状態で、被加工物を主回転軸まわりに回転させつつ、主回転軸から離れて位置する加工器具を主回転軸と直交する副回転軸まわりに旋回させて、第1回転治具に固着された端部と逆側の被加工物の端部をこの加工器具により半球面に加工する第1工程と、
第1工程で加工された半球面を主回転軸まわりに回転可能に第2回転治具に固着する第2工程と、
第2回転治具により被加工物を主回転軸のまわりに回転させつつ、加工器具を副回転軸のまわりに旋回させて、第1工程において半球面に加工された被加工物の端部と逆側の被加工物の端部をこの加工器具により半球面に加工する第3工程と、
を含む球体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂等の材料から任意の大きさの球体を簡易かつ低コストに製造し得る球体の製造装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな理工学あるいは産業分野で球体は用いられている他、この内の導電性を有した導体球は例えばレーダの校正や電波の散乱実験にも用いられている。しかし、このような導体球を含めた球体を例えば銅や真鍮等の金属材料の塊から旋盤等により削り出すのは容易ではなく、多大な加工コストが必要であった。さらに、このように金属製の導体球を削り出して形成した場合には重量が重くなる欠点があるため、重量を軽減することが考えられるが、重量軽減のために中空な球体にするには、さらに加工工程が増えて加工コストが一層増大するようになる。
【0003】
これに対して、樹脂製の球体に表面処理などをして表面を導電性にすれば、レーダの校正や電波の散乱実験等に用いることが出来る。しかし、樹脂製の球体は、金型を用いて樹脂材料をこの金型内に射出成形するか、あるいは発泡樹脂材料を金型内に充填することによって、従来製造していた。このため、金型内に設けられていた凹部の径で球体の径が決まり、任意の径を有した球体を簡易に製造することは困難であった。また、射出成形により球体を製造した場合、金型と金型との間の接合部分の僅かな隙間により生じたバリが球体の外周面に残ってしまって、適切な状態の球体を得ることができない欠点を有していた。
他方、発泡スチロール材を球面に形成する技術として、下記の特許文献1に開示された技術が従来知られていた。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平7-314400公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この特許文献1には、発泡スチロールを半球形状に形成する技術が開示されているものの、樹脂材料等を球体に形成するための技術は何ら開示されていなかった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、樹脂等の材料から任意の大きさの球体を簡易かつ低コストに製造し得る球体の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した請求項1記載の発明は、被加工物が固着されて主回転軸のまわりにこの被加工物を回転する第1回転治具と、
第1回転治具と対向して配置され、主回転軸を中心とする受部を有し被加工物の端部をこの受部に固着して主回転軸のまわりに被加工物を回転する第2回転治具と、
主回転軸と交わりかつ直交する副回転軸まわりに回転可能に支持されたアーム材と、
副回転軸から離れた位置で副回転軸と平行にアーム材に取り付けられ、副回転軸まわりに旋回されつつ、第1回転治具により固着された状態で被加工物の一方の端部を半球面に加工すると共に、第1回転治具から被加工物を取り外した状態で半球面に加工された一方の端部を第2回転治具の受部に固着して、被加工物の他方の端部を半球面に加工する加工器具と、
を含む球体の製造装置である。

【0007】
請求項1に係る球体の製造装置によれば、第1回転治具に固着された被加工物が、主回転軸のまわりに回転される。これに伴い、主回転軸と直交する副回転軸まわりにアーム材を回転することで、この副回転軸から離れた位置でアーム材に取り付けられている加工器具が副回転軸まわりに旋回される。このことで、被加工物の一方の端部が加工されて、この端部が半球面とされる。
【0008】
第1回転治具と対向して配置された第2回転治具に半球面とされる被加工物の端部が固着されて、主回転軸のまわりにこの被加工物を回転した状態で、アーム材を副回転軸まわりに回転することで、加工器具が副回転軸まわりに旋回される。このことで、被加工物の他方の端部が加工されて、この他方の端部が半球面とされる。
【0009】
以上より、本請求項に係る球体の製造装置によれば、まず、第1回転治具に固着された被加工物の一方の端部が加工器具により半球状に形成される。この後、半球状に形成された被加工物の端部が第2回転治具に固着され、被加工物の他方の端部が加工器具により再度、半球状に形成される。
このことで、金型を用いなくとも被加工物が全体として球体となり、金型を用いずに被加工物から球体を簡易かつ低コストに切り出すことができるようになる。この際、副回転軸からの加工器具の距離を任意に設定しつつアーム材を取り付けることで、任意の大きさの球体をも容易に切り出すことが可能になる。
【0010】
請求項2の発明は、加工器具が電熱線とされる請求項1 記載の球体の製造装置である。
電源装置により加熱される電熱線をたとえば主回転軸と平行にアーム材に貼り付けることで、発泡スチロールや合成樹脂等の被加工物が溶融して簡易に加工される。
【0011】
請求項3の発明は、加工器具がレーザ加工機とされる請求項1 記載の球体の製造装置である。
アーム材に取り付けられたレーザ加工機からレーザ光を被加工物に照射することで、被加工物が簡易に加工される。
【0012】
請求項4の発明は、加工器具がウォータジェット装置とされる請求項1 記載の球体の製造装置である。
アーム材に取り付けられたウォータジェット装置から水流を被加工物に噴射することで、被加工物が簡易に加工される。
【0013】
上記課題を解決した請求項5記載の発明は、第1回転治具に被加工物を固着した状態で、被加工物を主回転軸まわりに回転させつつ、主回転軸から離れて位置する加工器具を主回転軸と直交する副回転軸まわりに旋回させて、第1回転治具に固着された端部と逆側の被加工物の端部をこの加工器具により半球面に加工する第1工程と、
第1工程で加工された半球面を主回転軸まわりに回転可能に第2回転治具に固着する第2工程と、
第2回転治具により被加工物を主回転軸のまわりに回転させつつ、加工器具を副回転軸のまわりに旋回させて、第1工程において半球面に加工された被加工物の端部と逆側の被加工物の端部をこの加工器具により半球面に加工する第3工程と、
を含む球体の製造方法である。
【0014】
請求項5に係る球体の製造方法によれば、請求項1に係る球体の製造装置と同様に、まず、第1回転治具に固着された被加工物の一方の端部を半球状に形成し、この後、半球状に形成された被加工物の端部が第2回転治具に固着されて、被加工物の他方の端部を半球状に形成する。
このことで、請求項1と同様に金型を用いなくとも被加工物が全体として球体となり、金型を用いずに被加工物から球体を簡易かつ低コストに切り出すことができるようになる。この際、請求項1と同様に副回転軸からの加工器具の距離を任意に設定しつつアーム材を取り付けることで、任意の大きさの球体をも容易に切り出すことが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、樹脂等の材料から任意の大きさの球体を簡易かつ低コストに製造し得る球体の製造装置および製造方法が提供されるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る球体の製造装置が適用される旋盤の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造装置に用いられる加工用支持台の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造装置に用いられる加工用支持台の正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造装置に用いられる加工用支持台の平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造装置に用いられる加工用支持台の側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造装置に用いられる第2回転治具の断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造方法の第1工程を示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造方法の第2工程を示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造方法の第3工程を示す説明図であって、加工途中を表す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る球体の製造方法の第3工程を示す説明図であって、加工終了後を表す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る球体の製造装置に用いられる第2回転治具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る球体の製造装置およびその製造方法の第1の実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る球体の製造装置10は、工作機械の内のたとえば旋盤1に設置して用いることができる。この旋盤1のチャックを、旋盤1の主軸である主回転軸Xのまわりに被加工物を把持して回転する第1回転治具12とすることで、例えば発泡スチロール製や合成樹脂製であって円筒形をした被加工物W(図7に示す)がこの第1回転治具12に固着される。

【0018】
この旋盤1は、ベッド2の一端にチャックを取り付け可能な主軸台3が位置し、ベッド2上の中ほどに、図示しない横送り台や刃物台が載せられた往復台4が移動可能に位置するとともに、ベッド2上の他端側寄りに、心押し台5が位置する構造とされている。また、旋盤1の往復台4上には、図1から図5に示すように被加工物Wを加工するための加工用支持台14が位置している。具体的には、この加工用支持台14の基板16が往復台4上に設置されていて、この基板16からベッド2を挟んで一対の直立板18が上方にそれぞれ伸びている。

【0019】
図1から図5に示すように、これら直立板18の上部には、それぞれ支持軸20を介してアーム材22の基端側が回転可能に支持されていて、アーム材22の先端側が連結板24で相互に繋がっている。このため、アーム材22が回転可能に支持されつつ、これら一対のアーム材22及び連結板24が一体的に回転する構造とされているが、これら一対の支持軸20間を繋ぐ軸線が主回転軸Xと直交する副回転軸Yとされているので、この副回転軸Yまわりにアーム材22が回転することになる。

【0020】
各アーム材22には、支持軸20の部分からその長手方向に沿って複数の取付孔22Aがそれぞれ設けられている。ただし、各取付孔22Aは一対のアーム材22の相互に同位置に形成されていて、これらの取付孔22Aの内のいずれかであって相互に同一位置の取付孔22A間に加工器具である電熱線26を設置することで、一対のアーム材22間に副回転軸Yと平行に電熱線26が張られることになる。

【0021】
この結果として、副回転軸Yから離れた位置でアーム材22に電熱線26が取り付けられ、副回転軸Yまわりにこの電熱線26が旋回されることになる。この際、取付孔22Aを適宜選択することで、電熱線26の位置を任意に変更可能となる。また、この電熱線26は図2に示す電源装置28に繋がっていて、電源装置28からの通電により、電熱線26を加熱することができる。

【0022】
以上より、旋盤1を動作しチャックである第1回転治具12を回転して被加工物Wを主回転軸Xまわりに少なくとも1回転しつつ、加熱された電熱線26をこの主回転軸Xと直交する副回転軸Yまわりに180度旋回することで、図7に示す被加工物Wの一方の端部W1が電熱線26により溶融されて、半球形に形成可能となる。

【0023】
他方、ベッド2の他端側には、心押し台5に取り付けられて手動回転可能な第2回転治具32が第1回転治具12と対向して配置されている。この第2回転治具32には、図6に示すように被加工物Wを固定するための受部である面板34が存在している。この第2回転治具32は被加工物Wの径より大きな径の円盤状に形成されていて、面板34の第1回転治具12との対向面は、半球面に加工された被加工物Wの一方の端部W1とほぼ同一径であって、かつ主回転軸Xを中心とする半球面状の凹面とされている。

【0024】
この面板34の内部には主回転軸Xに沿って伸びる複数の吸引孔36が形成されていて、これら吸引孔36の終端部において相互に繋がっている他、中央である主回転軸X上に位置する排出管32Aを介して面板34内から排気される構造になっている。そして、この排気管には、ロータリィカプラ38を介して真空ポンプ42に繋がるエアホース40が接続されている。このため、ロータリィカプラ38を介していることから、第2回転治具32及び面板34が回転しても問題なく真空吸着可能となる。

【0025】
したがって、第2回転治具32を例えば手動により回転させつつ、複数の吸引孔36から空気を吸引することで、半球面とされる被加工物Wの一方の端部W1が半球面状の凹部とされる面板34に吸着可能となることで、この一方の端部W1が主回転軸X上で固着されて主回転軸Xのまわりに被加工物Wが回転するようになる。

【0026】
これに伴い、第2回転治具32に支持された被加工物Wを主回転軸Xまわりに少なくとも1回転しつつ、加熱された電熱線26を副回転軸Yまわりであって被加工物Wの一方の端部W1を加工した時と逆に、180度旋回することで、第1回転治具12に支持されていた被加工物Wの他方の端部W2が電熱線26により溶融されて、半球形に形成可能となる。

【0027】
次に、本実施の形態に係る球体の製造装置10の作用及びその製造方法の手順を以下に説明する。
本実施の形態に係る製造装置10を用いた球体の製造方法によれば、第1工程として、図7に示すように第1回転治具12に固着された円筒状の被加工物Wを主回転軸Xのまわりに回転する。これに伴い、主回転軸Xと直交する副回転軸Yまわりにアーム材22を回転することで、この副回転軸Yから離れた位置でアーム材22に取り付けられている電熱線26が副回転軸Yまわりに旋回される。このことで、第1回転治具12に固着された端部と逆側とされる被加工物Wの一方の端部W1が電熱線26により加工されて、この端部が半球面とされる。

【0028】
次に、第2工程として、第1回転治具12から被加工物Wを取り外し、図8に示すように第1回転治具12と対向して配置された第2回転治具32に第1工程で加工されて半球面とされる被加工物Wの一方の端部W1を主回転軸Xまわりに回転可能に固着する。この際、図6に示すエアホース40、ロータリィカプラ38、排出管32Aを介して真空ポンプ42に繋がる面板34の複数の吸引孔36により吸引されて、半球面とされる被加工物Wの一方の端部W1が確実に第2回転治具32に固着される。

【0029】
この後、第3工程として、図9に示すように第2回転治具32により主回転軸Xのまわりにこの被加工物Wを回転した状態で、アーム材22を副回転軸Yまわりに回転することで、電熱線26が副回転軸Yまわりに旋回される。このことで、第1工程において半球面に加工された被加工物Wの一方の端部W1と逆側の被加工物Wの他方の端部W2が電熱線26により加工されて、この他方の端部W2が図10に示すように同様に半球面とされる。

【0030】
以上より、本実施の形態に係る球体の製造装置10によれば、第1回転治具12に固着された被加工物Wの一方の端部W1が電熱線26により半球状に形成される。この後、半球状に形成された被加工物Wの端部が第2回転治具32に固着され、被加工物Wの他方の端部W2が電熱線26により再度、半球状に形成される。
このことから、金型を用いなくとも被加工物Wが全体として球体となるので、金型を用いずに被加工物Wから球体を簡易かつ低コストに切り出すことができるようになる。この際、副回転軸Yからの電熱線26の距離を任意に設定しつつアーム材22を取り付けることで、任意の大きさの球体をも容易に切り出すことが可能になる。

【0031】
次に、本発明に係る球体の製造装置およびその製造方法の第2の実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構造部分は同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
本実施の形態は第1の実施の形態とほぼ同一構造とされているが、図11に示すように、本実施の形態では、第2回転治具32の被加工物Wと接する側の面板34を半球面状の凹面とする替りに、この部分に三角形状の斜辺となるような形状の固定器50を少なくとも3個以上、回転対称となるように配置した構造としている。

【0032】
この際、面板34の中心から放射状でかつ隣り合う固定器50が等間隔で主回転軸Xの周囲に回転対称になるように、三角形状で楔状とされる固定器50を配置する。この結果、被加工物Wの一方の端部W1を形成する半球面に、各固定器50の斜辺が接するようになる。そして、図11に示すように、この固定器50には例えば針状の串材52が斜面から突出するように、直線状で串材52の向きが半球面の中心に向かうような貫通孔50Aが形成されている。

【0033】
したがって、この貫通孔50Aを介して、被加工物Wの一方の端部W1の半球面に3本以上の串材52を打ち込んで、被加工物Wの一方の端部W1を第2回転治具32に固着する構造と本実施の形態はなっている。このため、本実施の形態においても、被加工物Wの一方の端部W1を問題なく固着できるようになる。

【0034】
なお、上記実施の形態では、第2回転治具の面板に対する被加工物の固着手段として、真空吸引あるいは串材による固着を採用したが、これらの手段に限定されるものではなく、接着剤や粘着テープによる接着を用いることとしても良い。さらに、第2回転治具の面板に形成された半球状の凹面の径や三角形状の固定器の大きさ等は、必要に応じて適宜変更することが考えられる。また、旋盤のチャックを第1回転治具としたが、必ずしも旋盤を用いる必要はなく、他の工作機械や工作機械以外の他の手段を用いても良い。

【0035】
他方、上記実施の形態では、被加工物を円筒形の発泡スチロールや合成樹脂としたが、形状や材料はこれらに限定されるものではない。さらに、上記実施の形態では、加工器具を電熱線としたが、加工器具をレーザビームとする場合は、図2の加工器具の電熱線26が配置される位置に、レーザ加工機より出力されるレーザビームを通し、加工器具をウオータジェットビームとする場合は、図2の加工器具の電熱線26が配置される位置に、ウオータジェット装置より出力されるウオータジェットビームを通すようにしても良く、その他、被加工物の加工に適した加工装置等であれば良い。

【0036】
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は係る実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、さまざまな理工学あるいは産業分野で用いられる球体の加工に適用可能となる。
【符号の説明】
【0038】
10 球体の製造装置
12 第1回転治具
14 加工用支持台
22 アーム材
26 電熱線(加工器具)
32 第2回転治具
34 面板(受部)
X 主回転軸
Y 副回転軸
W 被加工物
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10