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明細書 :イレウスチューブ型小腸内圧計測及び小腸内視システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4934847号 (P4934847)
公開番号 特開2008-188265 (P2008-188265A)
登録日 平成24年3月2日(2012.3.2)
発行日 平成24年5月23日(2012.5.23)
公開日 平成20年8月21日(2008.8.21)
発明の名称または考案の名称 イレウスチューブ型小腸内圧計測及び小腸内視システム
国際特許分類 A61B   1/00        (2006.01)
A61M  25/10        (2006.01)
FI A61B 1/00 300D
A61B 1/00 320C
A61M 25/00 410R
A61M 25/00 410J
請求項の数または発明の数 1
全頁数 10
出願番号 特願2007-026407 (P2007-026407)
出願日 平成19年2月6日(2007.2.6)
審査請求日 平成21年6月1日(2009.6.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人日本原子力研究開発機構
【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
発明者または考案者 【氏名】岡 潔
【氏名】長縄 明大
個別代理人の代理人 【識別番号】100074631、【弁理士】、【氏名又は名称】高田 幸彦
審査官 【審査官】井上 香緒梨
参考文献・文献 特開2002-330924(JP,A)
特開平08-038612(JP,A)
調査した分野 A61B 1/00
A61M 25/00
特許請求の範囲 【請求項1】
先端部分にバルーンを備え、光ファイバースコープを内包したイレウスチューブと、前記イレウスチューブの前記バルーンに流体を供給して該バルーンを膨らませる流体供給手段と、前記イレウスチューブを小腸の深部に進入させる過程において前記バルーンの内圧を計測してイレウスチューブの小腸への進入位置と対応させて記録手段に記録する小腸内圧計測手段と、前記イレウスチューブを小腸の深部から引き抜きながら前記光ファイバースコープによって小腸内を検査する過程において、イレウスチューブの引き抜き位置に応じて記録手段に記録された該部分の小腸内圧に応じて前記バルーンの内圧を制御するバルーン内圧制御手段を備えたことを特徴とするイレウスチューブ型小腸内視システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、イレウスチューブ型小腸内圧計測及び小腸内視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小腸は、胃や大腸などの他の消化器官と比べ、口側、肛門側のどちらからも遠く、全長6~7mで伸縮性があり、体内で固定されておらず、曲がりくねって詰め込まれているような状態のため、従来の、口や肛門から押し込んでいくプッシュ式内視鏡では挿入が困難であり、患者の負担が大きかった。そのため、造影検査など、低い精度の検査しか行うことができなかったが、近年、カプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡の開発により、患者の負担は軽減され、小腸内視はより容易になってきている。
【0003】
カプセル内視鏡とは、CCDセンサ、超小型レンズ、発信機、電池を内蔵した、直径φ11mm×26mmの大きさのカプセルで、患者がこれを飲み込むと、カプセルが小腸の蠕動運動によって運ばれていく間に自動で連続撮影を行い、その画像を体表に装着した記録装置に送信し、後にPC(パーソナルコンピュータ)で解析を行う。患者にとって非常に低侵襲な小腸検査を行うことが可能であるが、現状では間欠的にしか撮影できないため、小腸の全域を連続して撮影することは不可能である。また、リアルタイムに観察ができないため、病変を発見できても、その正確な位置を特定できない、患者に腸閉塞及び癒着がある場合には、体内に滞留してしまうため使用できない、といった問題がある。
【0004】
ダブルバルーン内視鏡は、有効長2000mmの内視鏡の先端及び、その内視鏡に被せて使用する軟性のチューブの先端にバルーンを取り付けた内視鏡で、それぞれのバルーンを交互に膨らませることによりバルーンを小腸内に固定し、小腸を手繰り寄せつつ挿入していく。小腸の形状を単純化することで従来の内視鏡に比べ、挿入が容易になり、より低侵襲、短時間に検査を終了できるが、内視鏡の操作に熟練を要し、バルーンの膨らませ過ぎによって腸を痛めてしまう場合もある。また、カプセル内視鏡と同様、患者に腸閉塞及び癒着がある場合には適用できない。
【0005】

【特許文献1】特開2006-223710号公報
【特許文献2】特開2006-288808号公報
【特許文献3】特開2002-126087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、腸閉塞の治療に用いられているイレウスチューブと光ファイバースコープを組み合わせた、新しい小腸内視鏡が開発された。イレウスチューブの前方には前後に2つのバルーンが付いており、前方のバルーンに空気または蒸留水を注入し、小腸の蠕動運動により挿入していく。滑らかに挿入が行えない場合には、補助的に後方のバルーンも使用する。また、バルーンを造影剤入りのシリコンゴムで形成したものとすることで、チューブの位置を確認しつつ挿入を行うことが可能である。
【0007】
この内視鏡の特長は、腸閉塞の患者にも使用可能であるという点である。また、ダブルバルーン内視鏡に比べ、チューブ径が細いため低侵襲で、無理な挿入は行わないので、患者に優しい内視が可能である。
【0008】
小腸内視は、チューブ引抜時に縮んでいる状態の小腸をバルーンによって徐々に開放しながら行っていく。現状では小腸の一部の内視は可能であるが、全域の検査はできない。それは、チューブ引抜時にバルーンの圧力を適切に制御できないため、縮んだ小腸を開放することができずに、チューブが一気に動いてしまう、ジャンピングという現象が生じるためである。
【0009】
本発明の目的は、イレウスチューブと光ファイバースコープを組み合わせて構成した新しい小腸内視鏡を用い、小腸の全域検査を円滑に行うことができるシステムの構築及びジャンピング現象の発生を抑制するためのバルーンの内圧制御システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
内圧制御システムを設計するためには、実際にバルーンを小腸内に入れた場合に、小腸からバルーンに加えられる圧力を知っていることが必要である。そこで、イレウスチューブに圧力センサを組み合わせ、内圧計測システムを構成し、小腸の内圧を計測する。
【0011】
具体的には、先端部分にバルーンを備え、光ファイバースコープを内包したイレウスチューブと、前記イレウスチューブの前記バルーンに流体を供給して該バルーンを膨らませる流体供給手段と、前記イレウスチューブを小腸の深部に進入させる過程において前記バルーンの内圧を計測してイレウスチューブの小腸への進入位置と対応させて記録手段に記録する小腸内圧計測手段と、前記イレウスチューブを小腸の深部から引き抜きながら前記光ファイバースコープによって小腸内を検査する過程において、イレウスチューブの引き抜き位置に応じて記録手段に記録された該部分の小腸内圧に応じて前記バルーンの内圧を制御するバルーン内圧制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、患者の小腸の内圧を知ることができるので、小腸の深部に進入させたイレウスチューブを引き抜きながら小腸を内視するときに、バルーンの膨らみ圧力を適切に制御してイレウスチューブを円滑に引き抜きながらの内視が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態は、先端部分にバルーンを備え、光ファイバースコープを内包したイレウスチューブと、前記イレウスチューブの前記バルーンに流体を供給して該バルーンを膨らませる流体供給手段と、前記バルーンを膨らませてイレウスチューブを小腸の深部に進入させる過程において前記バルーンの内圧を計測してイレウスチューブの小腸への進入位置と対応させて記録手段に記録する小腸内圧計測手段と、前記イレウスチューブを小腸の深部から引き抜きながら前記光ファイバースコープによって小腸内を検査する過程において、イレウスチューブの引き抜き位置に応じて記録手段に記録された該部分の小腸内圧に応じて前記バルーンの内圧を制御するバルーン内圧制御手段を備えたイレウスチューブ型小腸内視システムを構成し、
イレウスチューブを小腸に挿入して深部に進入させる過程において前記小腸の内圧を計測し、イレウスチューブを引き抜きながら光ファイバースコープを用いて小腸を内視する過程においては、イレウスチューブの引き抜き位置に応じて記録されている該部分の小腸内圧に応じて前記バルーンの内圧を制御するように機能させて内視を実行する。
【実施例1】
【0014】
イレウスチューブとは、嚥下した空気や異常発酵のため生じたガスなどの気体と通過障害や分泌亢進のために生じた胃酸、胃液を、腸までチューブを挿入し、積極的に排除することを目的としたロングチューブのことをいう。大腸癌、腸炎、術後や外傷による腸管の癒着による単純性癒着性イレウスの内視への適用が最も良い適応例である。
【0015】
この実施例1では、光ファイバースコープの内包(出し入れ)を容易にすることから非親水性イレウスチューブ(先導子バルーンタイプ)を用いる。
【0016】
この非親水性イレウスチューブは、シリコンやポリウレタン製の全長3000mm程度のチューブに2つのバルーンと吸引孔が付いている構造である。
【0017】
後方の留置バルーンは、これに滅菌蒸留水または空気を注入して膨らませ、小腸の蠕動運動を利用して深部へ挿入していくように使用する。また、この留置バルーンは、造形剤入りのシリコンゴムを用いて作成されているため、レントゲンでバルーンの状態を確認することができ、より安全な手技を行うことが可能である。
【0018】
前方の先導子バルーンは、空気や滅菌蒸留水を注入し、小腸屈曲部でチューブが引っ掛かり進まない場合やチューブがたわんだりループしている場合に補助的に使用することで、これらを解消するように使用する。
【0019】
吸引孔はこれらのバルーンの後方に付いており、ガスや胃液などを吸引するように使用する。
【0020】
図1は、光ファイバースコープを内包した非親水性イレウスチューブを使用した内視鏡システムのブロック図である。
【0021】
イレウスチューブ1は、光ファイバースコープ(図示省略)を内包し、その先端部分には、留置バルーン1aと先導子バルーン1bを備え、後端部分は操作部2に接続する構成である。この実施例1では、前記留置バルーン1aと先導子バルーン1bを膨らませるための流体として、滅菌蒸留水を使用する。
【0022】
留置バルーン1aへ給水する留置バルーン給水系は、操作部2の留置バルーン給水継手2aに接続した延長チューブ3,管継手4,延長チューブ5,分岐継手6,延長チューブ7,水圧シリンダ8,ボールねじ9,駆動モータ10及びエンコーダ11を備え、先導子バルーン1bへ給水する先導子バルーン給水系は、操作部2の先導子バルーン給水継手2bに接続した延長チューブ12,管継手13,延長チューブ14,分岐継手15,延長チューブ16,水圧シリンダ17,ボールねじ18,駆動モータ19及びエンコーダ20を備え、分岐継手6,15の分岐先には圧力センサ21,22を接続した構成である。
【0023】
各水圧シリンダ8,17はそれぞれピストン(図示省略)を内蔵し、このピストンを駆動モータ10,19によって回転駆動するボールねじ9,18によって進退させることによって各シリンダ8,17内の滅菌蒸留水を加圧及び減圧する構成である。
【0024】
水圧シリンダ8は、内部の滅菌蒸留水を加圧または減圧することにより、延長チューブ7,分岐継手6,延長チューブ5,管継手4,延長チューブ3及び操作部2の留置バルーン給水継手2aを介してイレウスチューブ1の留置バルーン1aが所定の圧力となるように給水または排水し、水圧シリンダ17は、内部の滅菌蒸留水を加圧または減圧することにより、延長チューブ16,分岐継手15,延長チューブ14,管継手13,延長チューブ12及び操作部2の先導子バルーン給水継手2bを介してイレウスチューブ1の先導子バルーン1bが所定の圧力となるように給水または排水する。
【0025】
制御系は、計測及び制御プログラムを内蔵したPC23と入出力制御装置24を主体にして構成する。
【0026】
留置バルーン1a(留置バルーン給水系)の圧力は、分岐継手6に接続した圧力センサ21によって検出して入出力制御装置24に入力し、先導子バルーン1b(先導子バルーン給水系)の圧力は、分岐継手15に接続した圧力センサ22によって検出して入出力制御装置24に入力する。
【0027】
PC23は、計測及び制御プログラムに従って、入出力制御装置24を介して留置バルーン1a及び先導子バルーン1bの圧力検出信号を入力し、また、エンコーダ11,20から駆動モータ10,19の回転角度検出信号を入力して駆動モータ10,19を制御することにより、水圧シリンダ8,17のピストンを進退させて留置バルーン1a及び先導子バルーン1bへの給水圧力を所定値に制御する制御処理を実行する。
【0028】
このように構成した内視鏡システムを使用した小腸内圧の計測は、次のように実行する。
【0029】
ステップS101
内視鏡システムにおける各機器の初期設定を行う。この初期設定では、まず、使用するイレウスチューブ1の給水継手2a,2bに滅菌蒸留水を満たした延長チューブ3,12を接続し、系内に残留する空気は微量に止めるように排気する作業などを行う。次に、PC23,入出力制御装置24の電源を入れ、圧力センサ21,22を使用した圧力検出のゼロ点調整作業を行う。
【0030】
ステップS102
イレウスチューブ1を体内(小腸)内に挿入する(施術者による手操作)。
【0031】
ステップS103
PC23は、水圧シリンダ8,17から留置バルーン1aと先導子バルーン1bに所定量の滅菌蒸留水を注入するように駆動モータ10,19を運転する制御処理を行う。このとき、留置バルーン1aに注入する滅菌蒸留水の量は15ml(ミリリットル)、先導子バルーン1bに注入する滅菌蒸留水の量は10mlとする。両バルーン1a,1bへの注水量は、これらのバルーン1a,1bが小腸内で膨らんで腸壁を押し広げるように密着し、小腸の蠕動運動によって該小腸の深部方向へ進入するように移動するのに適量な量であり、施術者(医師)が患者の状態に応じて変更するものとする。このような量の滅菌蒸留水の注入は、水圧シリンダ8,17の内径とピストンの前進量によって把握することができるので、ボールねじ9,18がそのようにピストンを前進させるように各駆動モータ10,19の回転量を制御することによって実現する。
【0032】
このようにして留置バルーン1aと先導子バルーン1bを小腸内で滅菌蒸留水により膨らませて腸壁を押し広げるように接触させることによって、留置バルーン1aと先導子バルーン1b(イレウスチューブ1)は小腸の蠕動運動によって該小腸の深部方向へ進入移動する。
【0033】
ステップS104
バルーン1a,1bが小腸の深部方向へ進入していく過程において、PC23を小腸内圧計測制御モードで機能させ、圧力センサ21,22から出力される圧力検出信号を一定時間毎に取り込んで記録する小腸内圧計測処理を実行する。ここで、一定時間毎に取り込んだ小腸内圧検出信号は、イレウスチューブ1の小腸内進入位置を既知の手法で監視して該小腸内進入位置と対応させてPC23内の記録装置(図示省略)に記録する。
【0034】
ステップS105
先導子バルーン1bが小腸の所定の最深部へ到達したときに小腸内圧計測を終了する。
【0035】
次に、イレウスチューブ1を引き抜きながら光ファイバースコープによって小腸内を検査(内視)するときの留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力制御は、次のように実行する。
【0036】
ステップS201
イレウスチューブ1を小腸の最深部から徐々に引き抜きながら光ファイバースコープによって小腸の内部を検査する操作を開始する(施術者による手操作)。
【0037】
このイレウスチューブ1の引き抜き開始に当っては、先ず、PC23をバルーン内圧制御モードで機能させ、圧力センサ21,22から出力される圧力検出信号を一定時間毎に入力し、小腸内圧計測時に記録させた小腸内圧を参照してイレウスチューブ引き抜きに好適な膨らみ圧力となるように留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力を制御する。イレウスチューブ引き抜きに好適なバルーン膨らみ圧力は、例えば、小腸内圧計測時に記録させた小腸内圧に所定の係数を掛けて得ることができる。
【0038】
この留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力制御は、駆動モータ10,19を正転または逆転させるように運転して水圧シリンダ8,17内の滅菌蒸留水の圧力を制御して留置バルーン1aと先導子バルーン1b内の滅菌蒸留水を給水または排水することにより行う。
【0039】
ステップS202
施術者がイレウスチューブ1を徐々に引き抜きながら光ファイバースコープによって小腸の内部を検査する過程において、PC23は、圧力センサ21,22から出力される圧力検出信号を一定時間毎に入力し、そのときのイレウスチューブ1の位置に対応して計測時に記録させた小腸内圧を参照してイレウスチューブ引き抜きに好適な膨らみ圧力となるように留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力をリアルタイムに制御する。
【0040】
イレウスチューブ1の引き抜きにジャンピング現象が発生しそうな引き抜き位置では、ジャンピング現象の発生を抑制するように留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力制御を実行する。このジャンピング現象発生抑制のための留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力制御とイレウスチューブの引き抜き操作自体は、既知の方法であるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
このように、イレウスチューブ1の引き抜き時に留置バルーン1aと先導子バルーン1bの膨らみ圧力を制御することにより、円滑な小腸内視検査を実現することができる。
【0042】
ステップS203
イレウスチューブ1の先端が小腸から抜け出たときに小腸内視検査を終了する。
【0043】
ステップS204
PC23は、留置バルーン1aと先導子バルーン1bの滅菌蒸留水を抜き取って萎ませるように駆動モータ10,19を制御し、施術者は、イレウスチューブ1を体内から抜き取る。留置バルーン1aと先導子バルーン1bから滅菌蒸留水を抜き取る制御は、圧力センサ21,22から出力される圧力検出信号の値がゼロとなるように水圧シリンダ8,17内のピストンを後退させることにより実現する。
【0044】
なお、この内視鏡システムは、腸閉塞治療とその後の全域検査を組み合わせて行う場合には次のように使用する。前述した小腸内圧の計測及び小腸内を検査(内視)するときの留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力制御と共通するステップについては、重複する説明を省略する。
【0045】
腸閉塞治療とその後の全域検査を組み合わせて行う場合には次の2つの使用方法がある。その1つは、腸閉塞治療を行った後にイレウスチューブを体内から引き抜き、その後に改めてイレウスチューブを体内に挿入して腸内圧計測及び検査を行う方法であり、他の1つは、腸閉塞治療を行った後にイレウスチューブを体内から引き抜かずに該治療部位よりも先の部位の検査を行う方法である。
【0046】
まず、腸閉塞治療を行った後にイレウスチューブを体内から引き抜き、その後に改めてイレウスチューブを体内に挿入して腸内圧計測及び検査を行う方法について、図3を参照して説明する。
【0047】
ステップS301
ステップS101と同様にして、腸閉塞治療のためのシステムの初期設定を行う。
【0048】
ステップS302
ステップS102と同様にして、イレウスチューブ1を体内(小腸)内に挿入する。
【0049】
ステップS303
ステップS103と同様にして、留置バルーン1aと先導子バルーン1bを小腸内で滅菌蒸留水により膨らませて腸壁を押し広げるように接触させることによって、留置バルーン1aと先導子バルーン1b(イレウスチューブ1)を小腸の蠕動運動によって該小腸の深部(患部)まで進入移動させる。
【0050】
ステップS304
患部(腸閉塞)の治療を行う。
【0051】
ステップS305
腸閉塞治療を終了した後、PC23は、留置バルーン1aと先導子バルーン1bから滅菌蒸留水を排水するように駆動モータ10,19を運転する制御処理を行う。この排水によって留置バルーン1aと先導子バルーン1bが萎んだのを確認してからイレウスチューブ1を小腸から引き抜く(施術者による手操作)。
【0052】
ステップS101
前述したステップS101に移って小腸内圧の計測及び小腸内検査(内視)のためのシステムの初期設定を行う。
【0053】
以降、前述したステップS102~204を行う。
【0054】
次に、腸閉塞治療を行った後にイレウスチューブを体内から引き抜かずに該治療部位よりも先の部位の検査を行う方法について、図4を参照して説明する。
【0055】
ステップS301~304については、前述したステップS301~304と同様に行う。
【0056】
ステップS401
小腸内圧計測及び検査のための準備を行う。この準備では、PC23は、留置バルーン1aと先導子バルーン1bから滅菌蒸留水を排水して両バルーン1a,1bを萎ませるように駆動モータ10,19を運転する制御処理を行う。そして、この排水によって留置バルーン1aと先導子バルーン1bが萎んだのを確認してから圧力センサ21,22を使用した圧力検出のゼロ点調整作業等のシステムの初期設定を行う。
【0057】
ステップS103
PC23は、前述したステップS103と同様にして、留置バルーン1aと先導子バルーン1bに所定量の滅菌蒸留水を注入するように駆動モータ10,19を運転する制御処理を行うことにより、留置バルーン1aと先導子バルーン1b(イレウスチューブ1)を小腸の蠕動運動によって該小腸の治療部位から深部方向へ進入移動させる。
【0058】
以降、前述したステップS102~204を行う。
【0059】
この使用例では、小腸入口から治療部位までの小腸内圧の計測が行われないことになるが、治療部位より深部の小腸内圧は得られるので、その内圧から推測したり、過去の計測内圧を利用したりすることにより、治療部位から入口までの検査における留置バルーン1aと先導子バルーン1bの圧力制御を実行するようにする。
【実施例2】
【0060】
実施例1における小腸内圧計測における圧力検出信号の取り込み及びイレウスチューブ引き抜き過程でのバルーン膨らみ圧力制御は、一定時間毎に実行する構成であるが、イレウスチューブの所定距離移動毎に実行するように変形して実施することも可能である。
【実施例3】
【0061】
実施例1における内視鏡システムは、留置バルーン1aと先導子バルーン1bを同時に機能させて小腸内圧計測と小腸内検査を実行する構成であるが、使用するイレウスチューブや患者の状態により、先導子バルーン1bのみを機能させて小腸内圧計測と小腸内検査を実行する構成や、留置バルーン1aと先導子バルーン1bの両方を機能させて実行する構成や、先導子バルーン1bのみを備えたイレウスチューブを使用して小腸内圧計測と小腸内検査を実行する構成に変形して実施することも可能である。
【実施例4】
【0062】
実施例1は、留置バルーン1aと先導子バルーン1bを膨らませるために注入する流体として滅菌蒸留水を使用しているので、流体供給手段として水圧シリンダ8,17を使用する構成としたが、使用するイレウスチューブの種類によりバルーンに注入する流体が異なることから、水圧シリンダ8,17を蒸留水と空気の両方を選択的に扱うことができるように構成し、または、使用する流体の種類に応じて容易に交換することができるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例1である内視鏡システムのブロック図である。
【図2】本発明の実施例1の内視鏡システムによる小腸内圧計測と小腸内検査のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1の内視鏡システムを使用して腸閉塞治療と小腸内圧計測と小腸内検査を組み合わせて行う方法のフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1の内視鏡システムを使用して腸閉塞治療と小腸内圧計測と小腸内検査を組み合わせて行う方法の他の例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1…イレウスチューブ、1a…留置バルーン、1b…先導子バルーン、3,5,7、12,14,16…延長チューブ、8,17…水圧シリンダ、9,18…ボールねじ、10,19…駆動モータ、21,22…圧力センサ、23…PC(パーソナルコンピュータ)、24…入出力制御装置。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3