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明細書 :時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3490020号 (P3490020)
公開番号 特開2000-275689 (P2000-275689A)
登録日 平成15年11月7日(2003.11.7)
発行日 平成16年1月26日(2004.1.26)
公開日 平成12年10月6日(2000.10.6)
発明の名称または考案の名称 時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法
国際特許分類 G02F  1/37      
FI G02F 1/37 Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 4
出願番号 特願平11-083905 (P1999-083905)
出願日 平成11年3月26日(1999.3.26)
審査請求日 平成14年2月28日(2002.2.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】396020800
【氏名又は名称】科学技術振興事業団
発明者または考案者 【氏名】一岡 芳樹
【氏名】小西 毅
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査官 【審査官】佐藤 宙子
参考文献・文献 特開 平11-46304(JP,A)
第45回応用物理学会関係連合講演会講演予稿集,1998年,第3分冊,p.993, 30p-C-1
PROCEEDINGS OF SPIE,1997年,Vol.3137,222-227
J.Opt.Soc.Am.A,1997年,Vol.14,No.5,1159-1170
調査した分野 G02F 1/35
特許請求の範囲 【請求項1】
時間信号を2次元空間信号へ変換する方法であって、
空間的に適当な幅をもつ信号パルス光と参照極短パルス光とを分散素子と1次元フーリエ変換光学系を介して非線形結晶に入射し
非線形結晶における位相整合条件を満たして形成される第二次高調波を逆1次元フーリエ変換光学系に通して時間→空間変換された1次元空間分布に変換し
前記時空間変換1次元空間分布を1次元空間周波数フィルタリング光学系のフィルタ面に設置した時間-周波数フィルタによってフィルタリングし
信号パルス光の時間と周波数の関係を表す時間-周波数展開された2次元光分布を2次元空間信号とみなす
とを特徴とする時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法。

【請求項2】
時間信号を2次元空間信号へ変換する方法であって、
空間的に適当な幅をもつ信号パルス光と参照極短パルス光とを光学軸に対し対称な角度で分散素子に入射し
この分散素子上の入射位置の違いによって時間的な差異が生じて分散された信号パルス光と参照極短パルス光からの光波を1次元フーリエ変換光学系を通して分散素子での入射位置の違いにより異なる入射角度を持つ1次元周波数光分布にそれぞれ変換し
これらの1次元周波数光分布を非線形光学結晶に入射し
これらの入射1次元周波数光分布の成す角度で決まる位相整合条件を満たして形成される第二次高調波を逆1次元フーリエ変換光学系に通して時間→空間変換された1次元空間分布に変換し
得られた時空間変換1次元空間分布を1次元フーリエ変換光学系によって1次元空間周波数分布に変換し
この1次元空間周波数分布を時間-周波数フィルタによってフィルタリングし
得られる光波を逆1次元フーリエ変換光学系に通して、時間-周波数展開された2次元光分布の強度分布を求め
この信号パルス光の時間と周波数の関係を表す時間-周波数展開された2次元光分布を2次元空間信号とみなす
とを特徴とする時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法。

【請求項3】
時間-周波数フィルタに空間フィルタを用いることを特徴とする請求項1または2の時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法。

【請求項4】
時間-周波数フィルタを透過率分布が異なるものとし、1次元空間周波数フィルタリング光学系から出力される光波の空間周波数成分を垂直方向にどのような位置に切り出すかを任意に設定することを特徴とする請求項1の時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法。

【請求項5】
時間-周波数フィルタを透過率分布が異なるものとし、1次元フーリエ変換光学系から出力される光波の空間周波数成分を垂直方向にどのような位置に切り出すかを任意に設定することを特徴とする請求項2の時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】この出願の発明は、極短光パルス時間信号に符号化された2次元情報を2次元空間信号に超高速に変換する方法に関するものである。

【10】
信号光と参照光による光波が非線形結晶に入射すると、非線形効果による位相整合により2つの波数ベクトルの和を波数ベクトルとする第二次高調波が出射する。このとき信号光と参照光による光波の波数ベクトルは時間と共に回転するが、その変化量は同等であるため第二次高調波は時間的に定常な状態で出射し続ける。したがって第二次高調波の波数ベクトルは2つの光波の波数ベクトルの初期波数ベクトルのみに依存し、信号光と参照光の相対時間に依存することになる。また非線形結晶内において、第二次高調波の空間分布は信号光による光波を参照光による光波が走査しており第二次高調波の空間分布は信号光のスペクトル分布7と同等になる。よって時間信号を第二次高調波がもつ空間分布と波数ベクトルの1次元空間分布に変換することが可能となる。

【11】
得られた第二次高調波を円筒レンズ(9)(10)で構成する結像光学系により時間-周波数変換フィルタ面(103)に結像する。時間-周波数フィルタ(11)は、切り出す周波数成分の周波数が垂直方向に順に増加するように設計したものを用いる。時間-周波数フィルタの透過率分布を変化させることにより、どのような周波数成分を垂直方向のどのような位置に切り出すかを設定することができる。

【12】
時間-周波数フィルタによりフィルタリングされた第二次高調波は、水平方向に時間に対応した波数ベクトルを、垂直方向に周波数に対応した分布をもつ。この第二次高調波を円筒レンズ(12)で構成される1次元逆フーリエ変換光学系により水平方向成分に関してフーリエ変換する。これにより出力面(104)上に水平軸方向には時間に対応する分布、垂直方向には切り出されたスペクトル成分の分布が対応する光波の2次元空間分布(13)が得られる。以上のことにより超短光パルスに含まれる時間信号を、時間と周波数の2次元空間分布に変換することが可能となる。

【13】
もちろん、この出願の発明は、上述した実施例にのみ限定されるものではなく、幾多の変更や変形が可能である。たとえば、上述した実施例では、分散素子として回折格子を用いたが、他の分散素子を用いることもできる。また、上述した実施例では、フーリエ変換光学系および逆フーリエ変換光学系として円筒レンズを用いたが、他の光学素子を用いることもできる。また、上述した実施例では、時間-周波数フィルタとして透過型フィルタを用いたが位相型フィルタを用いることもできる。

【14】

【発明の効果】上述したように、この出願の発明による時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法によれば、従来の方法のように能動的な走査を必要とせずに、時間信号を対応する2次元空間信号に超高速に変換することができるとともに、光通信で用いられる波長領域である赤外線を対象とした場合、変換信号の表示を可視光で直接的に行うことができる。

【2】

【従来の技術】光通信の分野においては、マルチメディア情報(特に画像情報)の実時間伝送を目ざして、時間多重や波長多重などの方法による伝送容量の大容量化が進められている。そして、その信号形態は基本的に時間信号である。ただ、このような伝送容量の大容量化に伴ない、伝送する情報の時間信号化(符号化)および時間信号化された情報の展開(復号化)を超高速に行うことが必要になってくる。そこで、これまでにも、この時間信号と画像情報などの2次元以上の空間信号との間で信号形態の超高速変換を実現する「空間-時間-空間信号処理方法」が提案されている。だが、実際的には、このような空間-時間-空間信号処理方法においては、具体的な時間→2次元空間信号変換技術の点で解決すべき課題があった。

【3】
それというのも時間信号と空間信号との間で信号形態の超高速変換を実現する方法として種々の方法が提案されているが、従来の方法では1次元の空間信号との超高速変換は可能であるが、2次元以上の空間信号との変換には基本的に能動的な走査を必要とし、変換速度に制限があるものや、能動的な走査が必要ない超高速な変換であっても逆に現在の超高速受光デバイスでは観測できない問題があったからである。

【4】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この出願の発明は、以上のような能動的な走査を必要とせずに、時間信号から2次元空間信号への信号形態の超高速変換を実現し、かつ時間的に定常な状態で、2次元空間信号を可視領域で表示することのできる、新しい、時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法を提供することを課題としている。

【5】

【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、空間的に適当な幅をもつ信号パルス光と参照極短パルス光とを分散素子と1次元フーリエ変換光学系を介して非線形結晶に入射し、非線形結晶における位相整合条件を満たして形成される第二次高調波を逆1次元フーリエ変換光学系に通して時間→空間変換された1次元空間分布に変換し、前記時空間変換1次元空間分布を1次元空間周波数フィルタリング光学系のフィルタ面に設置した時間-周波数フィルタによってフィルタリングし、信号パルス光の時間と周波数の関係を表す時間-周波数展開された2次元光分布を2次元空間信号とみなすことを特徴とする時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法を提供する。

【6】
また、第2には、この出願の発明は、空間的に適当な幅をもつ信号パルス光と参照極短パルス光とを光学軸に対し対称な角度で分散素子に入射し、この分散素子上の入射位置の違いによって時間的な差違が生じて分散された信号パルス光と参照極短パルス光からの光波を1次元フーリエ変換光学系を通して分散素子での入射位置の違いにより異なる入射角度を持つ1次元周波数光分布にそれぞれ変換し、これらの1次元周波数光分布を非線形光学結晶に入射し、これらの入射1次元周波数光分布の成す角度で決まる位相整合条件を満たして形成される第二次高調波を逆1次元フーリエ変換光学系に通して時間→空間変換された1次元空間分布に変換し、得られた時空間変換1次元空間分布を1次元フーリエ変換光学系によって1次元空間周波数分布に変換し、この1次元空間周波数分布を時間-周波数フィルタによってフィルタリングし、得られる光波を逆1次元フーリエ変換光学系に通して、時間-周波数展開された2次元光分布の強度分布を求め、この信号パルス光の時間と周波数の関係を表す時間-周波数展開された2次元光分布を2次元空間信号とみなすことを特徴とする時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法を提供する。

【7】
そして、この出願の発明は、第3には、時間-周波数フィルタに空間フィルタを用いることを特徴とする前記の時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法を、第4には、時間-周波数フィルタを透過率分布が異なるものとし、1次元空間周波数フィルタリング光学系から出力される光波の空間周波数成分を垂直方向にどのような位置に切り出すかを任意に設定することを特徴とする前記の時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法を、第5には、時間-周波数フィルタを透過率分布が異なるものとし、1次元フーリエ変換光学系から出力される光波の空間周波数成分を垂直方向にどのような位置に切り出すかを任意に設定することを特徴とする前記の時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法を提供する。

【8】

【発明の実施の形態】この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。図1はこの出願の発明による時間信号の2次元空間信号への超高速変換方法を実施するための時間→2次元空間信号変換光学系の構成を例示したものである。この時間→2次元空間信号変換光学系1では、回折格子などの分散素子、1次元フーリエ変換レンズおよび1次元逆フーリエ変換レンズ、第二次高調波発生のための非線形結晶、1次元空間周波数フィルタリングシステム、時間-周波数フィルタを用いることにより、変換対象である信号パルス光、本例では極短パルスレーザ光、すなわち時間信号を時間と周波数に対応する2次元空間信号に変換することができる。

【9】
すなわち、図1に示したように、分散素子である回折格子(2)に信号光(3)と(4)とを光学軸に対し対称な角度で入射する。このとき回折の式に基づく方向に光波は偏向される。ここで、信号光および参照光共に入射ビームに幅があるため、回折格子への入射位置の違いによって時間的な差違が生じる。得られた光波を円筒レンズ(5)で構成する1次元フーリエ変換光学系により水平方向成分に対しフーリエ変換することにより、信号光および参照光のスペクトル分布が非線形結晶面(101)に空間分布として得られる。回折格子への入射位置の違いにより光波の伝搬方向(波数ベクトル)が異なるため、非線形結晶面101において光波の波面は時間とともに回転する。
図面
【図1】
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