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明細書 :超伝導回路装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5051505号 (P5051505)
公開番号 特開2008-041816 (P2008-041816A)
登録日 平成24年8月3日(2012.8.3)
発行日 平成24年10月17日(2012.10.17)
公開日 平成20年2月21日(2008.2.21)
発明の名称または考案の名称 超伝導回路装置
国際特許分類 H01L  39/02        (2006.01)
H01L  39/22        (2006.01)
H01L  23/34        (2006.01)
H01L  23/12        (2006.01)
FI H01L 39/02 ZAAA
H01L 39/22 D
H01L 23/34 A
H01L 23/12 501B
請求項の数または発明の数 3
全頁数 5
出願番号 特願2006-212040 (P2006-212040)
出願日 平成18年8月3日(2006.8.3)
審査請求日 平成21年3月13日(2009.3.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】河合 淳
【氏名】河端 美樹
【氏名】下津 竜之
個別代理人の代理人 【識別番号】100095511、【弁理士】、【氏名又は名称】有近 紳志郎
審査官 【審査官】正山 旭
参考文献・文献 特開平11-023723(JP,A)
特開平09-135044(JP,A)
特開2003-209298(JP,A)
特開平05-003347(JP,A)
特開2002-118301(JP,A)
特開2000-114608(JP,A)
調査した分野 H01L 39/02
H01L 23/12
H01L 23/34
H01L 39/22
特許請求の範囲 【請求項1】
基板の表面に超伝導回路チップを実装し且つ前記基板と前記超伝導回路チップの接続の機械的強度を高めるために前記超伝導回路チップとその周辺の基板部分を樹脂で覆った超伝導回路装置において、前記超伝導回路の直下に当る基板部分に前記樹脂によって覆われた空間に通じる通気孔を穿設したことを特徴とする超伝導回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超伝導回路装置において、前記通気孔が断面積3平方mm以上の4個以下の孔であることを特徴とする超伝導回路装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の超伝導回路装置において、前記基板と前記超伝導回路チップの接続をフリップ接続としたことを特徴とする超伝導回路装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導回路装置に関し、さらに詳しくは、室温-4.2K(液体ヘリウム温度)のサーマルサイクルに起因する断線の発生を防止し且つ基板と超伝導回路チップの接続の機械的強度を高めた超伝導回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の表面に超伝導回路チップを実装し且つ超伝導回路チップとその周辺の基板部分を樹脂で覆った超伝導回路装置(第1の従来技術)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、基板と超伝導回路チップの接続をフリップ接続する技術(第2の従来技術)が知られている(例えば、特許文献2参照。)。

【特許文献1】特開2002-118301号公報
【特許文献2】特開2001-028464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記第1の従来技術では、室温-4.2Kのサーマルサイクルに起因する断線の発生を防止するため、超伝導回路チップとその周辺の基板部分を樹脂で覆っている。
しかし、樹脂と超伝導チップおよび基板との間にガス(実装時に閉じこめられた空気あるいは樹脂から発生するガス)が封止された場合、あるいは冷却時に液体ヘリウムが浸透した場合、サーマルサイクルによりこれらガスもしくは急激に気化する液体ヘリウムが膨張/収縮を繰り返し、樹脂および超音波回路チップに応力が繰り返しかかり、これが断線の原因になる問題点がある。
【0004】
上記第2の従来技術では、超伝導回路チップとその周辺の基板部分を樹脂で覆っていない。
しかし、基板と超伝導回路チップとをフリップ接続しているだけでは、機械的強度が十分でない問題点がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、室温-4.2Kのサーマルサイクルに起因する断線の発生を防止し且つ基板と超伝導回路チップの接続の機械的強度を高めた超伝導回路装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点では、本発明は、基板の表面に超伝導回路チップを実装し且つ前記超伝導回路チップとその周辺の基板部分を樹脂で覆った超伝導回路装置において、前記超伝導回路チップの直下に当たる基板部分に通気孔を穿設したことを特徴とする超伝導回路装置を提供する。
上記第1の観点による超伝導回路装置では、超伝導回路チップの直下に当たる基板部分に通気孔を穿設しているため、樹脂によって覆われた空間(主に基板と超伝導回路チップの隙間)に封止されたガスあるいは冷却時に浸透し昇温時に気化したガスが通気孔から逃げることが出来る。これにより、サーマルサイクルに起因する断線の発生を防止することが出来る。また、超伝導回路チップとその周辺の基板部分を樹脂で覆っているから、基板と超伝導回路チップの接続の機械的強度を高めることが出来る。
なお、通気孔は、比較的小さな断面積の通気孔を多数設けてもよいし、比較的大きな断面積の通気孔を小数設けてもよい。
【0007】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による超伝導回路装置において、前記通気孔が断面積3平方mm以上の4個以下の孔であることを特徴とする超伝導回路装置を提供する。
上記第2の観点による超伝導回路装置では、比較的大きな断面積の通気孔を小数設けるため、通気孔を設ける作業負担が少なくて済む。
【0008】
第3の観点では、本発明は、前記第1または前記第2の観点による超伝導回路装置において、前記基板と前記超伝導回路チップの接続をフリップ接続としたことを特徴とする超伝導回路装置を提供する。
上記第3の観点による超伝導回路装置では、フリップ接続としたため、ワイヤボンディングによるよりも断線のリスクを小さくすることが出来る。そして、超伝導回路チップとその周辺の基板部分を樹脂で覆うから、基板と超伝導回路チップの接続の機械的強度を高めることが出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の超伝導回路装置によれば、室温-4.2K(液体ヘリウム温度)のサーマルサイクルに起因する断線の発生を防止することが出来る。また、基板と超伝導回路チップの接続の機械的強度を高めることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図に示す実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係る超伝導回路装置10を示す断面図である。
この超伝導回路装置10は、基板1の表面に超伝導磁気センサチップ2をフリップ接続し、超伝導回路チップ2とその周辺の基板部分を樹脂4で覆い、超伝導磁気センサチップ2の直下に当たる基板部分に通気孔1bを穿設した構造である。
1aは基板1の表面に形成された配線パタンであり、2bは超伝導磁気センサチップ2の表面に形成されたパッドであり、3はバンプである。
【0012】
基板1は、19mm×19mmのガラスエポキシ基板である。
通気孔1bは、直径3mmの円形孔である。
【0013】
超伝導磁気センサチップ2は、10mm×10mmのシリコン半導体基板上に9個の独立したSQUID磁気センサ2aの2次元配列を半導体薄膜プロセスにより形成したものである。
一つのSQUID磁気センサ2aは、ピックアップコイルと、ジョセフソン接合と、シャント抵抗と、ダンピング抵抗と、フィードバックコイルとから構成されたSQUIDマグネトメータである。
【0014】
樹脂4は、エポキシ樹脂である。
【0015】
図2に示すように、超伝導回路装置10はデュワ20に収容され、リード線40がデュワ20の外側へ導出される。
デュワ20は、内槽21と、外槽22とからなる。内槽21には、液体ヘリウム30が充填される。
【0016】
実施例1に係る超伝導回路装置10によれば、樹脂4によって覆われた空間(主に基板1と超伝導磁気センサチップ2の隙間)に封止されたガスGあるいは冷却時に浸透し昇温時に気化したガスGが通気孔1bから逃げることが出来るため、室温-4.2K(液体ヘリウム温度)のサーマルサイクルに起因する断線の発生を防止することが出来る。また、超伝導磁気センサチップ2とその周辺の基板部分を樹脂4で覆っているから、基板1と超伝導磁気センサチップ2の接続の機械的強度を高めることが出来る。
【0017】
なお、図2においてSQUID磁気センサ2aの面を下向けにしているため、これを上向けにした場合に比べて、SQUID磁気センサ2aから測定対象までの距離を小さくすることが出来る利点がある。
【比較例】
【0018】
図3に示すように、基板1に通気孔がない超伝導回路装置10’の場合、樹脂4によって覆われた空間に封止されたガスGあるいは冷却時に浸透し昇温時に気化したガスGが逃げられないため、樹脂4および超伝導磁気センサチップ2に応力がかかり、室温-4.2Kのサーマルサイクルに起因する断線が発生する確率が高くなる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の超伝導回路装置は、脳磁や心磁の測定に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1に係る超伝導回路装置の構成を示す断面図である。
【図2】実施例1に係る超伝導回路装置の使用状態を示す断面図である。
【図3】比較例に係る超伝導回路装置の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 基板
1a 配線パタン
1b 通気孔
2 超伝導磁気センサチップ
2a SQUID磁気センサ
2b パッド
3 バンプ
4 樹脂
10 超伝導回路装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2