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明細書 :化粧品組成物およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5871317号 (P5871317)
公開番号 特開2013-189407 (P2013-189407A)
登録日 平成28年1月22日(2016.1.22)
発行日 平成28年3月1日(2016.3.1)
公開日 平成25年9月26日(2013.9.26)
発明の名称または考案の名称 化粧品組成物およびその製造方法
国際特許分類 A61K   8/365       (2006.01)
A61K   8/37        (2006.01)
A61K   8/29        (2006.01)
A61Q  19/00        (2006.01)
A61Q   1/00        (2006.01)
A61Q  17/00        (2006.01)
FI A61K 8/365
A61K 8/37
A61K 8/29
A61Q 19/00
A61Q 1/00
A61Q 17/00
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2012-058101 (P2012-058101)
出願日 平成24年3月15日(2012.3.15)
審査請求日 平成27年3月12日(2015.3.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
発明者または考案者 【氏名】村上 泰
【氏名】服部 駿佑
個別代理人の代理人 【識別番号】100110973、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 洋
審査官 【審査官】井上 能宏
参考文献・文献 特表2008-534668(JP,A)
特開昭49-001633(JP,A)
米国特許出願公開第2001/0031271(US,A1)
米国特許第02898356(US,A)
特開2005-281080(JP,A)
特開2010-265212(JP,A)
特表2001-518111(JP,A)
特開2009-091289(JP,A)
特表2001-510783(JP,A)
国際公開第2008/072595(WO,A1)
特開平02-075667(JP,A)
特開2001-206718(JP,A)
特開2005-015347(JP,A)
特開平08-310934(JP,A)
調査した分野 A61K 8/00~ 8/99
A61Q 1/00~ 90/00

特許請求の範囲 【請求項1】
乳酸および乳酸エステルを配位子とするチタン錯体を含む水溶液から成り、
配位子としての上記乳酸と上記乳酸エステルとを、モル比にて2~3:1の範囲にて含むことを特徴とする化粧品組成物。
【請求項2】
前記乳酸エステルは、乳酸ラウリルであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
チタンアルコキシドと、乳酸と、乳酸エステルとを有機溶媒中にて混合して、上記チタンアルコキシドに上記乳酸と上記乳酸エステルとを配位させる配位工程と、
上記配位工程によって得られる内容物に、縮合触媒を混合してゾル化するゾル化工程と、
を含み、
上記配位工程において、配位子としての上記乳酸と上記乳酸エステルとを、モル比にて2~3:1の範囲にて添加することを特徴とする化粧品組成物の製造方法。
【請求項4】
前記乳酸エステルは、乳酸ラウリルであることを特徴とする請求項3に記載の化粧品組成物の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チタニアは、隠蔽能に優れる白色顔料であって、かつ生体への安全性も高いため、従来から、乳液、メイクアップ化粧品などの含有成分として用いられており、特に、高屈折率を有し、かつ紫外線吸収能にも優れているため、日焼け止めの成分として多用されている。一方、乳酸は、生物に含まれる有機酸の一つであって、化粧品に含まれる配合量が少ない場合には角質の柔軟成分として、当該配合量が多い場合には角質除去成分として、使い分けられている。乳酸に代表されるα—ヒドロキシカルボン酸は、ヒトの皮膚の質を向上させ、老化に伴う肌のトラブルを緩和させるのに有効であることから、種々の化粧品に含まれている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開平07-267821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、化粧品組成物には、それを肌に付けた後、外部からの水あるいは皮下層からの汗によって容易に流れ落ちない程度の疎水性が求められる。その一方で、化粧品組成物には、汗が皮膚の表面に拡がってその蒸発によって体温を下げる体温調節機能を妨げないようにする程度の親水性が求められる。しかし、チタニア含有の従来の化粧品には、このような疎水性と親水性を兼ね備えたものがない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、疎水性と親水性を兼ね備えた化粧品組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一形態に係る化粧品組成物は、乳酸および乳酸エステルを配位子とするチタン錯体を含む水溶液から成り、配位子としての乳酸と乳酸エステルとを、モル比にて2~3:1の範囲にて含む。
【0007】
本発明の別の形態に係る化粧品組成物は、さらに、乳酸エステルを乳酸ラウリルとする。
【0008】
本発明の一形態に係る化粧品組成物の製造方法は、チタンアルコキシドと、乳酸と、乳酸エステルとを有機溶媒中にて混合して、チタンアルコキシドに乳酸と乳酸エステルとを配位させる配位工程と、その配位工程によって得られる内容物に、縮合触媒を混合してゾル化するゾル化工程とを含み、配位工程において、配位子としての乳酸と乳酸エステルとを、モル比にて2~3:1の範囲にて添加する。
【0009】
本発明の別の形態に係る化粧品組成物の製造方法は、さらに、乳酸エステルを乳酸ラウリルとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、疎水性と親水性を兼ね備えた化粧品組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実験例1,2にて作製した各試料の紫外・可視光吸収スペクトルを示す。
【図2】図2は、実験例1,2にて作製した各試料のTG曲線を示す。
【図3】図3は、実験例4,5にて作製した各試料のTG曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る化粧品組成物およびその製造方法の各実施の形態について説明する。

【0013】
1.化粧品組成物
本発明の実施の形態に係る化粧品組成物は、乳酸および乳酸エステルを配位子とするチタン錯体を含む水溶液から成り、配位子としての乳酸と乳酸エステルとを、モル比にて2~3:1の範囲にて含む。当該化粧品組成物は、チタンアルコキシドのTiへの乳酸および乳酸エステルの配位、およびチタンアルコキシドの縮合重合によるゾル化の過程で添加される有機溶媒、縮合触媒、あるいは縮合触媒の一部若しくは全部の反応の結果生じる塩等の反応生成物を含んでいても良い。縮合触媒は、乳酸を含んでいても良く、その場合には、縮合触媒中の乳酸は、配位子としての乳酸と解釈しない。以下、当該化粧品組成物を構成するチタン錯体について説明する。

【0014】
この実施の形態に係る化粧品組成物に含まれるチタン錯体は、乳酸および乳酸エステルを配位子とし、Tiにこれら2種の配位子を特定範囲のモル比にて配位させた構造を備えており、好適には、低次元に成長した高分子に近いアモルファスの形態である。このため、結晶粒子に見られる光散乱や光触媒活性は極めて低い。チタン錯体は、化粧品組成物中の固形成分に対して如何なる割合を占めていても良いが、日焼け止め防止を目的とする化粧品組成物の場合には、好ましくは80~99質量%、さらに好ましくは85~95質量%の範囲で占める。

【0015】
乳酸は、1モルのTiに対して0.1~1.5モルの範囲で含まれているのが好ましい。乳酸には、化粧品として好適に用いることのできるL-乳酸を用いる。乳酸エステルは、好ましくは、乳酸エチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、あるいはこれらの内の2以上の混合物であり、より好ましくは、疎水性の高い長いアルキル鎖を有する乳酸ラウリルである。乳酸エステルは、1モルの乳酸に対して0.3~0.5モルの範囲で含まれているのが好ましい。

【0016】
2.化粧品組成物の製造方法
本発明の実施の形態に係る化粧品組成物は、好適には、チタンアルコキシドに乳酸および乳酸エステルを配位させる配位工程、および配位工程後に縮合触媒を添加してチタンアルコキシドの縮合重合を促進させてゾル化を行うゾル化工程を含む方法によって製造可能である。ゾル化工程後に、減圧蒸留等の手法にて濃縮する濃縮工程を行っても良い。以下、各工程について説明する。

【0017】
2.1 配位工程
配位工程は、チタンアルコキシドと、乳酸と、乳酸エステルとを有機溶媒中にて混合する工程である。チタンアルコキシドとしては、Ti(OR)n(OR:単一または異種のアルコキシル基、n=2、3または4)として表されるものを用いることができる。例えば、チタンアルコキシドとして、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等を用いることができ、特に、化粧品としての高い安全性を考慮すると、脱離するアルコールが比較的毒性の低いエタノールとなるテトラエトキシチタンがより好ましい。

【0018】
前述のように、乳酸としてはL-乳酸が、また、乳酸エステルとしては乳酸ラウリルが、それぞれ好ましい。乳酸は、1モルのTiに対して0.1~1.5モルの範囲で含まれているのが好ましい。乳酸エステルは、1モルの乳酸に対して0.3~0.5モルの範囲で含まれているのが好ましい。乳酸は、チタン錯体に親水性を付与し、乳酸エステルは、チタン錯体に疎水性を付与するように、それぞれ機能する。乳酸:乳酸エステル=2~3:1の範囲では、化粧品組成物を皮膚に付けた場合に、外部からの水や汗によって容易に落ちない程度の疎水性と、汗を皮膚の表面に拡げて熱を放出させることのできる程度の親水性とを発揮することができる。

【0019】
有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール等のアルカノール類; エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類; ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリグリコール類; ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-メチルグリセリルエーテル、2-メチルグリセリルエーテル、1,3-ジメチルグリセリルエーテル、1-エチルグリセリルエーテル、1,3-ジエチルグリセリルエーテル、トリエチルグリセリルエーテル、1-ペンチルグリセリルエーテル、2-ペンチルグリセリルエーテル、1-オクチルグリセリルエーテル、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキルエーテル類; 2-フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2-ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等の芳香族エーテル類; シクロヘキサン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、2-オクタノン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン類; 安息香酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ-ブチロラクトン等のエステル類; 2-アミノエタノール、N-メチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類を好適に例示できる。特に、化粧品組成物に含まれていても比較的毒性の低い脱水エタノールを用いるのが好ましい。

【0020】
配位工程における混合は、溶液を攪拌する方式によって容易に行うことができる。例えば、攪拌羽根を有する攪拌機、攪拌子を磁気によって回転させるマグネチックスターラ、超音波を利用して振動させる超音波振動機などを、混合手段として利用できる。混合時の温度は、特に限定されず、室温(25℃前後)とするのが好ましい。また、混合時間も特に限定されず、例えば、50~300時間の範囲に設定できる。

【0021】
2.2 ゾル化工程
縮合触媒としては、酸と塩基とを混合して用いることができる。ただし、縮合に要する時間に制約が無い場合には、酸のみを縮合触媒として用いて、チタンアルコキシドをゆっくりと縮合させても良い。縮合触媒に含まれる酸には、配位工程において用いる乳酸を好適に用いることができる。また、塩基には、化粧品組成物に残留していても害の少ないものを好適に用いることができ、例えば、2-アミノ2-メチル1-プロパノールを用いることができる。酸と塩基とは、等モルにて用いるのがより好ましく、チタンアルコキシド1モルに対してそれぞれ0.05~0.3モルの範囲で用いるのがさらに好ましい。縮合触媒は、酸、塩基を、水および有機溶媒の混合液中に含む。水は、縮合触媒中において、酸または塩基に対して5~20倍のモル数で存在するのが好ましい。有機溶媒は、好ましくは上記列挙したものであって、特に好ましくはエタノールである。

【0022】
ゾル化工程における混合は、溶液を攪拌する方式によって容易に行うことができる。例えば、攪拌羽根を有する攪拌機、攪拌子を磁気によって回転させるマグネチックスターラ、超音波を利用して振動させる超音波振動機などを、混合手段として利用できる。混合時の温度は、特に限定されず、室温(25℃前後)とするのが好ましい。また、混合時間も特に限定されず、例えば、50~300時間の範囲に設定できる。

【0023】
2.3 濃縮工程
ゾル化工程後のゾル溶液は、用途に応じて適切に濃縮することができる。例えば、エバポレーション用の装置を使って減圧下で蒸留して溶媒の一部を揮発させるのが好ましい。
【実施例】
【0024】
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例の内容に限定されない。
【実施例】
【0025】
1.化粧品組成物の作製用原料
1.1 チタンアルコキシド
チタンアルコキシドには、ゲレスト社製のテトラエトキシチタン(以後、「TTE」という)を用いた。
1.2 乳酸
乳酸には、東京化成工業株式会社製のL-乳酸(以後、「LA」という)を用いた。
1.3 乳酸エステル
乳酸エステルには、ISPジャパン株式会社製の乳酸ラウリル(以後、「LL」という)を用いた。
1.4 有機溶媒
和光純薬工業株式会社製の脱水エタノールを用いた。
1.5 触媒
TTEの縮合触媒には、上記LAを2.5mmol、東京化成工業株式会社製の2-アミノ2-メチル1-プロパノール(以後、「AMP」という)を2.5mmol、蒸留水を25mmmolおよび和光純薬工業株式会社製のエタノールを混合・調整して合計10mLとした触媒溶液を用いた。
【実施例】
【0026】
2.評価方法
2.1 親水性(水の吸着性)
石英ガラスを基板として各試料を製膜した後、当該膜上に水滴を供したときの接触角の大小により評価した。接触角が大きいほど水の吸着性が小さいものと評価した。接触角は、JIS R 3257に準じて、自動接触角計(協和界面科学株式会社製、型式:Drop Master 300)を用いて測定した。また、加温に伴う重量減少については、TG-DTA分析装置(株式会社リガク製、型式:TG8120)を用いて、室温から200℃まで加温して調べた。80℃までの重量減少を吸着水の減少に伴うものとした。
2.2 疎水性(水に対する安定性)
上記基板に試料を塗布して製膜した後、水に浸漬し、30分経過後に指で擦った際に水が濁るか否かによって、水に対する安定性を評価した。
2.3 紫外線・可視光線の吸収特性
紫外可視光吸収スペクトル測定装置(日立製作所株式会社製、型式:U-4100)を用いて、上記基板に製膜した各試料の紫外線・可視光線の吸収特性を調べた。
【実施例】
【0027】
3.実験
(実験例1)
容器に、25mmolのTTEと、50mmolのLLと、脱水エタノールとを入れて合計40mLとし、室温(25℃前後)にて168時間の攪拌を行った(配位工程)。当該攪拌を行うに際してマグネチックスターラを用いた。また、攪拌する回転数は、550rpmに設定した。次に、予め用意した触媒溶液10mLを容器内に滴下し、引き続き、室温(25℃前後)にて168時間の攪拌を行った(ゾル化工程)。最後に、ロータリーエバポレータ(ビュッヒ社製、型式:R-215)を用いて減圧蒸留を行い、生成物の濃縮を行った(濃縮工程)。
【実施例】
【0028】
(実験例2)
配位工程において、LLを25mmol、LAを25mmolとする他、実験例1と同じ条件にて試料を作製した。
【実施例】
【0029】
(実験例3)
配位工程において、LLを16.75mmol、LAを33.25mmolとする他、実験例1と同じ条件にて試料を作製した。
【実施例】
【0030】
(実験例4)
配位工程において、LLを12.5mmol、LAを37.5mmolとする他、実験例1と同じ条件にて試料を作製した。
【実施例】
【0031】
(実験例5)
配位工程において、LLを10mmol、LAを40mmolとする他、実験例1と同じ条件にて試料を作製した。
【実施例】
【0032】
(実験例6)
配位工程において、LLを6.25mmol、LAを43.75mmolとする他、実験例1と同じ条件にて試料を作製した。
【実施例】
【0033】
(実験例7)
配位工程において、LLを5mmol、LAを45mmolとする他、実験例1と同じ条件にて試料を作製した。
【実施例】
【0034】
(実験例8)
配位工程において、LLを2.5mmol、LAを47.5mmolとする他、実験例1と同じ条件にて試料を作製した。
【実施例】
【0035】
4.評価結果
表1に、実験例1~8にて作製した各試料を製膜した後の接触角および密着性を示す。
【実施例】
【0036】
【表1】
JP0005871317B2_000002t.gif
【実施例】
【0037】
表1に示すように、LL:LA=1:2およびそれよりLAのモル比の大きい実験例3~8にて作製した6種の試料は、接触角が70度以下となり、水の吸着特性が良好であった。一方、LL:LA=1:3およびそれよりLAのモル比の小さな実験例1~4にて作製した4種の試料は、水中での密着性が良好であった。表1の結果から、実験例3,4により作製した試料は、適度な親水性と疎水性とを兼ね備えたものと考えられる。
【実施例】
【0038】
図1は、実験例1,2にて作製した各試料の紫外・可視光吸収スペクトルを示す。
【実施例】
【0039】
両試料の紫外・可視光吸収スペクトルは、ほとんど同じ挙動であった。また、他の6種類の挙動も調べたが、LL/LA比に依らず、ほぼ同じ吸収スペクトルが得られた。
【実施例】
【0040】
図2および図3は、実験例1,2,4,5にて作製した各試料のTG曲線を示す。図2の(A)は、実験例1(LL/Ti=2,LA/Ti=0)の試料のTG曲線を、図2の(B)は、実験例2(LL/Ti=1,LA/Ti=1)の試料のTG曲線を、それぞれ示す。また、図3の(A)は、実験例4(LL/Ti=0.5,LA/Ti=1.5)の試料のTG曲線を、図3の(B)は、実験例5(LL/Ti=0.4,LA/Ti=1.6)の試料のTG曲線を、それぞれ示す。
【実施例】
【0041】
表2は、実験例1,2,4,5にて作製した各試料の80℃までの重量減少を比較して示す。
【実施例】
【0042】
【表2】
JP0005871317B2_000003t.gif
【実施例】
【0043】
図2、図3および表2に示すように、LAのモル比の増大に伴い、重量減少も大きくなる傾向が認められた。80℃までの重量減少は、吸着水に起因するものであると考えられることから、乳酸の成分が多いほど、水の吸着量が多いと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、例えば、化粧品、特に紫外線吸収能を持つものに利用可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2