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明細書 :Ni-W合金/CNT複合めっき方法およびNi-W合金/CNT複合めっき液

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5857339号 (P5857339)
公開番号 特開2013-185185 (P2013-185185A)
登録日 平成27年12月25日(2015.12.25)
発行日 平成28年2月10日(2016.2.10)
公開日 平成25年9月19日(2013.9.19)
発明の名称または考案の名称 Ni-W合金/CNT複合めっき方法およびNi-W合金/CNT複合めっき液
国際特許分類 C25D  15/02        (2006.01)
C25D   3/56        (2006.01)
FI C25D 15/02 J
C25D 15/02 F
C25D 3/56 101
請求項の数または発明の数 11
全頁数 16
出願番号 特願2012-049896 (P2012-049896)
出願日 平成24年3月7日(2012.3.7)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成24年3月1日 一般社団法人表面技術協会発行の「表面技術協会第125回講演大会 講演要旨集」に発表
審査請求日 平成27年1月19日(2015.1.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
発明者または考案者 【氏名】新井 進
個別代理人の代理人 【識別番号】100077621、【弁理士】、【氏名又は名称】綿貫 隆夫
【識別番号】100146075、【弁理士】、【氏名又は名称】岡村 隆志
【識別番号】100092819、【弁理士】、【氏名又は名称】堀米 和春
【識別番号】100141634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 善博
【識別番号】100141461、【弁理士】、【氏名又は名称】傳田 正彦
審査官 【審査官】向井 佑
参考文献・文献 特開平07-018497(JP,A)
特開2013-104111(JP,A)
KHAZRAYIE M. A., AGHDAM A. S. R.,Characterization of Ni-W/MWCNT nanocomposite layers formed by pulsed electrochemical deposition,Prot Met Phys Chem Surf ,2011年 1月,Vol.47 No.1,Page.63-67
調査した分野 C25D 3/00~ 7/12
C25D 15/00~15/02
JSTplus(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
ニッケル源、タングステン源、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブの分散剤およびクエン酸塩を含むめっき液により電解めっきを行うNi-W/CNT複合めっき方法であって、
前記クエン酸塩濃度を0.3M~0.1M、pHを4.0~6.0に調整して電解めっきを行うことを特徴とするNi-W合金/CNT複合めっき方法。
【請求項2】
2Adm-2~5Adm-2の電流密度で電解めっきを行うことを特徴とする請求項1記載のNi-W合金/CNT複合めっき方法。
【請求項3】
クエン酸塩に、クエン酸アンモニウムとクエン酸ナトリウム塩を用いることを特徴とする請求項1または2記載のNi-W合金/CNT複合めっき方法。
【請求項4】
ニッケル源に硫酸ニッケル、タングステン源にタングステン酸ナトリウムを用いることを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載のNi-W合金/CNT複合めっき方法。
【請求項5】
カーボンナノチューブの分散剤にポリアクリル酸を用いることを特徴とする請求項1~4いずれか1項記載のNi-W合金/CNT複合めっき方法。
【請求項6】
クエン酸塩濃度を0.3Mに調整して電解めっきを行い、Ni-W合金めっき皮膜内にCNTが混入しためっき膜を得ることを特徴とする請求項1~5いずれか1項記載のNi-W合金/CNT複合めっき方法。
【請求項7】
クエン酸塩濃度を0.1Mに調整して電解めっきを行い、Ni-W合金めっき粒子がCNTで連結された多孔質のめっき物を得ることを特徴とする請求項1~5いずれか1項記載のNi-W合金/CNT複合めっき方法。
【請求項8】
ニッケル源、タングステン源、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブの分散剤およびクエン酸塩を含むNi-W/CNT複合めっき液であって、
前記クエン酸塩濃度が0.3M~0.1M、pHが4.0~6.0に調整されていることを特徴とするNi-W合金/CNT複合めっき液。
【請求項9】
クエン酸塩が、クエン酸アンモニウムおよびクエン酸ナトリウム塩であることを特徴とする請求項8記載のNi-W合金/CNT複合めっき液。
【請求項10】
ニッケル源が硫酸ニッケル、タングステン源がタングステン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項8または9記載のNi-W合金/CNT複合めっき液。
【請求項11】
カーボンナノチューブの分散剤がポリアクリル酸であることを特徴とする請求項8~10いずれか1項記載のNi-W合金/CNT複合めっき液。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、Ni-W合金/CNT複合めっき方法およびNi-W合金/CNT複合めっき液に関する。
【背景技術】
【0002】
Ni-W合金めっき膜は、高硬度、高耐摩耗性、高耐熱性など優れた機械的特性を持ち、様々な機械部品や成形用金型などに利用されている。一方、カーボンナノチューブ(CNT)は優れた潤滑性、熱伝導性、機械的強度などを持ち、非常に広範囲の分野への応用が期待されている。このような優れた特性を持つCNTをNi-W合金めっき膜に取り込ませることによってできるNi-W合金/CNT複合めっき膜は、摺動特性、耐摩耗性および硬度などの更なる向上が期待され、自動車部品など様々な機械部品への利用が可能であると考えられる。
Ni-W合金めっき自体は種々検討され、開発されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2006-104574(特許第3985904号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、特許文献1に示されるNi-W合金めっき液をベースに、Ni-W合金/CNT複合めっきができないか種々検討した。
しかしながら、単なるNi-W合金めっきの場合には比較的良好にめっきが行えるが、めっき液にCNTを添加したとたんに、電流効率が7%程度となってしまい、実用上使用に堪えるものではなく、しかもCNTが合金めっき膜中にほとんど取り込まれないという課題が発生した。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、電流効率よく、しかもCNTを合金めっき膜中に良好に取り込むことのできるNi-W合金/CNT複合めっき方法およびNi-W合金/CNT複合めっき液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るNi-W合金/CNT複合めっき方法は、ニッケル源、タングステン源、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブの分散剤およびクエン酸塩を含むめっき液により電解めっきを行うNi-W/CNT複合めっき方法であって、前記クエン酸塩濃度を0.3M~0.1M、pHを4.0~6.0に調整して電解めっきを行うことを特徴とする。
【0007】
2Adm-2~5Adm-2の電流密度で電解めっきを行うと好適である。
クエン酸塩に、クエン酸アンモニウムとクエン酸ナトリウム塩を用いることができる。
ニッケル源に硫酸ニッケル、タングステン源にタングステン酸ナトリウムを用いることができる。
カーボンナノチューブの分散剤にポリアクリル酸を用いると好適である。
【0008】
クエン酸塩濃度を0.3Mに調整して電解めっきを行うことにより、Ni-W合金めっき皮膜内にCNTが混入しためっき膜を得ることができる。
また、クエン酸塩濃度を0.1Mに調整して電解めっきを行うことにより、Ni-W合金めっき粒子がCNTで連結された多孔質のめっき物を得ることができる。
【0009】
本発明に係るNi-W合金/CNT複合めっき液は、ニッケル源、タングステン源、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブの分散剤およびクエン酸塩を含むNi-W/CNT複合めっき液であって、前記クエン酸塩濃度が0.3M~0.1M、pHが4.0~6.0に調整されていることを特徴とする。
【0010】
クエン酸塩に、クエン酸アンモニウムおよびクエン酸ナトリウム塩を用いることができる。
また、ニッケル源に硫酸ニッケル、タングステン源にタングステン酸ナトリウムを用いることができる。
また、カーボンナノチューブの分散剤としてポリアクリル酸が好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電流効率よく、しかもCNTを合金めっき膜中に良好に取り込むことのできるNi-W合金/CNT複合めっき方法およびNi-W合金/CNT複合めっき液を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1(トータルのクエン酸塩濃度0.1M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(低倍率)である。
【図2】図1の拡大写真である。
【図3】実施例1における合金めっき皮膜の断面のFE‐SEM写真(低倍率)である。
【図4】図3の拡大写真である。
【図5】実施例2(トータルのクエン酸塩濃度0.3M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(低倍率)である。
【図6】図5の拡大写真である。
【図7】実施例2における合金めっき皮膜の断面のFE‐SEM写真(低倍率)である。
【図8】図7の拡大写真である。
【図9】比較例1における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(低倍率)である。
【図10】図9の拡大写真である。
【図11】比較例1における合金めっき皮膜の断面のFE‐SEM写真(低倍率)である。
【図12】図11の拡大写真である。
【図13】比較例2(トータルのクエン酸塩濃度0.5M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図14】比較例3(トータルのクエン酸塩濃度0.5M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図15】比較例4(トータルのクエン酸塩濃度0.5M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図16】比較例5(トータルのクエン酸塩濃度0.5M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図17】比較例6(トータルのクエン酸塩濃度0.5M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図18】比較例7(pH5.0)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図19】比較例8(pH5.0)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図20】比較例9(pH5.0)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【図21】比較例10(pH5.0)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態におけるNi-W合金/CNT複合めっき液は、上記のように、ニッケル源、タングステン源、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブの分散剤およびクエン酸塩を含むNi-W/CNT複合めっき液であって、前記クエン酸塩濃度が0.3M~0.1M、pHが4.0~6.0に調整されていることを特徴とする。

【0014】
クエン酸塩に、クエン酸アンモニウムとクエン酸ナトリウム塩を用いることができる。クエン酸アンモニウムは、クエン酸水素二アンモニウムが好適であり、クエン酸ナトリウム塩は、クエン酸三ナトリウム・二水和物が好適である。
クエン酸アンモニウムは、めっき液の緩衝剤として作用し、またクエン酸ナトリウムはニッケルの錯化剤であり、ニッケルを錯イオンとしてめっき液中に存在させる。

【0015】
Ni-W/CNT複合めっき膜を得るためには、クエン酸塩(トータル)の濃度が重要となる。
クエン酸塩濃度がトータルで0.5M以上になると陰極で水素ガスが大量に発生し、めっきの電流効率が7%程度に低下してしまうことが判明した。すなわち、電力が水の電気分解に消費されてしまい、めっき合金の析出率が低下してしまう。しかも水素ガスが大量に発生することから、CNTがめっき合金中に取り込まれるのが阻害され、めっき膜中にCNTがほとんど混入して来ず、実際上、Ni-W/CNT複合めっき膜を得ることができなかった。

【0016】
この点、本実施形態のように、クエン酸塩濃度がトータルで0.3M~0.1Mの場合には、陰極での水素ガスの発生が抑制され、めっきの電流効率が向上し、めっき合金の析出が促進される。また、水素ガスに邪魔されないので、CNTがめっき合金中に良好に取り込まれるのがわかった。また、クエン酸塩濃度が0.3M前後の場合、得られるめっき合金は平滑な膜状をなし、めっき膜中にCNTが均一に取り込まれている。

【0017】
一方、クエン酸塩濃度が0.1M前後の場合には、めっき合金は粒子状に析出し、多孔質の膜状をなす。そして、この多数の合金粒子がCNTで連結された構造をなし、凹凸の激しい多孔質のめっき物が得られる。クエン酸塩濃度が、0.2M等、上記の中間的な濃度の場合には、平滑な膜から表面の凹凸の激しい多孔質への膜と移行する、中程度の多孔質膜になると考えられる。
平滑な膜、多孔質な膜、双方とも種々の用途が考えられる。多孔質な膜は、例えば潤滑油を含浸させることにより、摺動部材としても好適に用いることができる。
なお、本実施の形態において、クエン酸塩濃度が0.3M~0.1Mとの数値限定は、臨界的な数値ではなく、上限、下限とも、20%程度の幅をもって本発明の範囲に含まれる。

【0018】
本実施の形態におけるめっき液のpHは4.0~6.0が良好である。このpHは、適宜酸、アルカリを添加して調整される。
めっき液のpHは、クエン酸の有する3個のカルボキシル基の解離度に関係する。pH3以下では、カルボキシル基の解離が全く起こらず、錯体を形成しないので好ましくない。一方、pH8.5以上では、3個のカルボキシル基全てが解離するが、pHが高すぎてもよくない。

【0019】
pHが4.0~6.0では、カルボキシル基が解離していないもの、1個解離するもの、2個解離するものおよび3個解離するものとが混在すると考えられ、この解離したCOO基においてNiに配位する。ニッケル源濃度、およびクエン酸塩濃度と、上記解離度となるpHとのバランスが、電流効率の向上とめっき合金の特性(CNTの取り込み度を含む)上重要と考えられる。

【0020】
次に、ニッケル源には硫酸ニッケル・六水和物が好適であり、タングステン源にはタングステン酸ナトリウム・二水和物が好適である。Ni-W合金めっきは、もともとWの析出がしにくいので、ニッケル源の量よりもタングステン源の量の方を多めにするとよい。
カーボンナノチューブ(CNT)は、摺動特性の点から昭和電工製のVGCF(商標)を用いるのが好ましいが特に限定されるものではない。CNTのめっき液への添加量は特に限定されないが、1~5gdm-3程度が好適である。CNT(VGCF)の分散剤としてはアニオン系の界面活性剤であるポリアクリル酸が好適である。

【0021】
上記めっき液を用いて電解めっきを行うことによって、Ni-W合金/CNT複合めっき膜を得ることができる。浴温は60℃程度とし、空気撹拌等によってめっき液を撹拌しつつ電解めっきを行う。
電流密度は、特に限定されないが、2Adm-2~5Adm-2の範囲が適当である。2Adm-2よりも低いと十分なめっき厚が得られず、5Adm-2よりも高くてもめっき膜の性状に大きな変化はない。
【実施例】
【0022】
[実施例1、実施例2、比較例1]
浴組成
NiSO・6HO 0.1M
NaWO・2HO 0.3M
クエン酸水素二アンモニウム 0.05M(実施例1)
0.15M(実施例2)
0.25M(比較例1)
クエン酸三ナトリウム・2HO 0.05M(実施例1)
0.15M(実施例2)
0.25M(比較例1)
ポリアクリル酸(分子量5000) 2×10ー5M
CNT(VGCF) 2g/dm
【実施例】
【0023】
めっき条件
電流規制法 基板:銅(面積10cm) 陽極:白金チタン
温度:60℃ 電流密度:5Adm-2 通電量:3600、1800C
撹拌:空気撹拌 pH:5.0
【実施例】
【0024】
上記めっき条件で電解めっきを行った場合の電流効率を表1に示す。
【表1】
JP0005857339B2_000002t.gif
表1から明らかなように、クエン酸塩濃度が増大するにしたがってタングステン含有量が増大する。一方、クエン酸塩濃度の増大に伴い、電流効率は減少する。特に、実施例1、実施例2のクエン酸塩濃度が0.1~0.3Mにおいては、30%以上の大きな電流効率が得られるが、比較例1のようにクエン酸塩濃度が0.5Mになると急激に電流効率が低下し、実用に堪えない。クエン酸塩濃度が0.5Mになると、陰極に水素ガスが大量に発生し、電流が水の電気分解に消費され、めっきの電流効率が低下する原因となっている。
【実施例】
【0025】
図1は、実施例1(トータルのクエン酸塩濃度0.1M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(低倍率)、図2にその拡大写真(高倍率)を示す。また、図3は、実施例1における合金めっき皮膜の断面のFE‐SEM写真(低倍率)、図4にその拡大写真(高倍率)を示す。図2から明らかなように、実施例1のものでは、粒子状のNi‐W合金めっきがCNT上に数珠つなぎ状に析出し、これらが折り重なった状態をなし(図3、図4)、表面の凹凸が大きく(図1)、隙間の多い多項質の膜(図3、図4)となっている。CNT(図4の黒い点)は多孔質の膜中に多く取り込まれている。
【実施例】
【0026】
図5は、実施例2(トータルのクエン酸塩濃度0.3M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(低倍率)、図6にその拡大写真(高倍率)を示す。また、図7は、実施例2における合金めっき皮膜の断面のFE‐SEM写真(低倍率)、図8にその拡大写真(高倍率)を示す。図6から明らかなように、実施例2のものでは、大きな粒子状のNi‐W合金めっき間にCNTが取り込まれた構造をなし、これらが三つの析出し(図5、図7、図8)、表面が平滑で(図5、図7)、実施例1のものよりは緻密な構造の膜となっている(図7、図8)。CNTは緻密な膜中に多く取り込まれているのがわかる。
【実施例】
【0027】
図9は、比較例1における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(低倍率)、図10にその拡大写真(高倍率)を示す。また、図11は、比較例1における合金めっき皮膜の断面のFE‐SEM写真(低倍率)、図12にその拡大写真(高倍率)を示す。図9~図12から明らかなように、比較例1のものでは、比較的緻密な合金めっき膜が得られているものの、CNTはほとんど取り込まれていないことがわかる。
【実施例】
【0028】
[比較例2、比較例3、比較例4、比較例5、比較例6]
浴組成
NiSO・6HO 0.1M
NaWO・2HO 0.3M
クエン酸水素二アンモニウム 0.25M
クエン酸三ナトリウム・2HO 0.25M
ポリアクリル酸(分子量5000) 2×10ー5M
CNT(VGCF) 2g/dm
pH:4.0(比較例2)、4.5(比較例3)、5.0(比較例4)、5.5(比較例5)、6.0(比較例6)
【実施例】
【0029】
めっき条件
電流規制法 基板:銅(面積10cm) 陽極:白金チタン
温度:60℃ 電流密度:5Adm-2 通電量:3600C 撹拌:空気撹拌
【実施例】
【0030】
上記のように、比較例2~6では、クエン酸塩の濃度(トータル)を一定(0.5M)に設定するとともに、pHをそれぞれ上記のように変更している。このめっき条件で電解めっきを行った場合の電流効率を表2に示す。
【表2】
JP0005857339B2_000003t.gif
表2から明らかなように、クエン酸塩の総量を0.5Mに設定したものでは、pHを調整しても、電流効率は10%未満で、極めてめっき効率が悪いことがわかる。
【実施例】
【0031】
図13~図17は、それぞれ比較例2~比較例6(トータルのクエン酸塩濃度0.5M)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
図13~図17から明らかなように、比較例2~比較例6のものではめっき合金中へのCNTの取り込み量は少なく、pH5.0以上のもの(比較例4~6)のものでは特に少ない。
【実施例】
【0032】
[比較例7、比較例8、比較例9、比較例10]
浴組成
NiSO・6HO 0.1M
NaWO・2HO 0.3M
クエン酸水素二アンモニウム 0.25M
クエン酸三ナトリウム・2HO 0.25M
ポリアクリル酸(分子量5000) 2×10ー5M
CNT(VGCF) 2g/dm
【実施例】
【0033】
めっき条件
電流規制法 基板:銅(面積10cm) 陽極:白金チタン
温度:60℃ 通電量:3600C 撹拌:空気撹拌 pH:5.0
電流密度:2 Adm-2(比較例7)、5 Adm-2(比較例8)、10 Adm-2(比較例9)、15Adm-2(比較例10)
【実施例】
【0034】
上記のように、比較例7~10では、pHを一定(5.0)に設定するとともに、電流密度をそれぞれ上記のように変更している。このめっき条件で電解めっきを行った場合の電流効率を表3に示す。
【表3】
JP0005857339B2_000004t.gif
表3から明らかなように、電流密度が増大するに従ってW含有量、電流効率ともに増加するが、電流密度を変更しても、電流効率が著しく悪いことがわかる。
【実施例】
【0035】
図18~図21は、それぞれ比較例7~比較例10(pH5.0)における合金めっき皮膜表面のFE‐SEM写真(高倍率)を示す。
図18~図21から明らかなように、電流密度に係らず、めっき合金中へのCNTの取り込み量が少ないことがわかる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
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【図14】
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【図15】
14
【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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