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明細書 :排ガス中の微粒子除去装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3899404号 (P3899404)
公開番号 特開2004-204824 (P2004-204824A)
登録日 平成19年1月12日(2007.1.12)
発行日 平成19年3月28日(2007.3.28)
公開日 平成16年7月22日(2004.7.22)
発明の名称または考案の名称 排ガス中の微粒子除去装置
国際特許分類 F01N   3/02        (2006.01)
B01D  46/42        (2006.01)
FI F01N 3/02 341H
F01N 3/02 301A
F01N 3/02 301B
F01N 3/02 341L
B01D 46/42 B
請求項の数または発明の数 5
全頁数 11
出願番号 特願2002-377840 (P2002-377840)
出願日 平成14年12月26日(2002.12.26)
審査請求日 平成14年12月26日(2002.12.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504196300
【氏名又は名称】国立大学法人東京海洋大学
発明者または考案者 【氏名】畑中 義博
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100108855、【弁理士】、【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【識別番号】100075672、【弁理士】、【氏名又は名称】峰 隆司
【識別番号】100109830、【弁理士】、【氏名又は名称】福原 淑弘
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
審査官 【審査官】亀田 貴志
参考文献・文献 特開平07-180530(JP,A)
特開平08-326522(JP,A)
特開2002-047914(JP,A)
特開平06-108820(JP,A)
特開平08-312330(JP,A)
調査した分野 F01N 3/02
B01D 46/42
特許請求の範囲 【請求項1】
排ガスを流通させる非磁性材料製の円筒状ハウジング(12)と、このハウジング(12)の外周部に巻回されて高周波電流を供給されるコイル(18)と、このコイルが形成する磁力線の到達範囲内でこのハウジング内に同軸状に配置され、外周側に形成される排ガス流路(44)と内側の軸方向孔で形成される排ガス流路(46)との間を流通する排ガス中の微粒子を捕集する円筒状構造のフィルタユニット(36)と、を備え、
前記フィルタユニット(36)は、ハウジング(12)の内周面との間に環状の排ガス流路(44)を形成すると共に、前記コイル(18)に高周波電流が供給されたときに、誘導加熱され、このフィルタユニット(36)に集積された微粒子を燃焼させる円筒状の多孔性支持プレート(28a)を有することを特徴とする微粒子除去装置。
【請求項2】
前記フィルタユニットは、前記支持プレートの内周側に配置されたセラミック繊維製フィルタを有し、このセラミック繊維製フィルタは、チラノチョップ状繊維層間にブランケット状繊維層を挟んだ積層構造を有することを特徴とする請求項に記載の微粒子除去装置。
【請求項3】
前記セラミック繊維製フィルタは、内周側を多孔性支持プレート(28b)で支えられることを特徴とする請求項に記載の微粒子除去装置。
【請求項4】
前記多孔性支持プレートは、排ガス中の微粒子を直接捕集する孔径に形成され、加熱再生されるまで、この捕集した微粒子を支えることを特徴とする請求項に記載の微粒子除去装置。
【請求項5】
高周波電流が供給されるコイルを外周部に巻回しかつ排ガスを流通させる非磁性材料製の円筒状ハウジング内で、前記コイルが形成する磁力線の到達範囲内に同軸状に配置され、外周側に形成される排ガス流路(44)と内側の軸方向孔で形成される排ガス流路(46)との間を流通する排ガス中の微粒子を捕集する円筒状構造のフィルタユニットであって、
前記ハウジング(12)の内周面との間に環状の排ガス流路(44)を形成すると共に、前記コイル(18)に高周波電流が供給されたときに、誘導加熱され、集積された微粒子を燃焼させる円筒状の多孔性支持プレート(28a)を有することを特徴とするフィルタユニット。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関、ボイラあるいは焼却炉等の排ガス中の微粒子を除去する微粒子除去装置およびこれに用いるフィルタユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関から排出される有害微粒子を捕集する種々の形式のディーゼル排気微粒子フィルタ(DPF)が開発されている。
このようなDPFには、セラミック繊維で形成したフェルトを両側から金網ヒータで挟み込んで板状に形成し、この板状に形成したフェルトおよびヒータを多数枚組合せてひだ状のフィルタエレメントに成形し、これをケーシング内に収容したものがある(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
このDPFは、並列に2つ配置され、上流側に設けた制御弁で排気流路を切換え、一方で微粒子を捕集している間に、他方を再生し、これにより常時捕集することができる。このDPFの再生は、各フィルタエレメントの金網ヒータに通電し、フェルト内に捕集された微粒子を燃焼することにより行われる。
【0004】
【非特許文献1】
「ECO INDUSTRY」 シーエムシー出版社、2001年2月、p.12-18
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来例によるDPFは、再生の際の熱応力によるフィルタエレメントの破損を防止すると共に、燃料性状に左右されることなく微粒子の捕集再生が可能である点で極めて有益なものではあるが、しかし、細い金属製の金網ヒータをセラミック繊維製のフェルトの表面に配置しているため、この金網ヒータは常時排ガスに晒されると共に、再生時には極めて高温に加熱される。このため、金網ヒータを形成するワイヤが断線する虞が有る。また、2つのDPFを交互に捕集再生に用いるために、構造および燃焼制御が極めて複雑となる。
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、捕集した排ガス中の微粒子を短時間で効率良く燃焼することのできる構造が簡単で制御の容易な微粒子除去装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によると、排ガスを流通させる非磁性材料製の円筒状ハウジングと、このハウジングの外周部に巻回されて高周波電流を供給されるコイルと、このコイルが形成する磁力線の到達範囲内でこのハウジング内に同軸状に配置され、外周側に形成される排ガス流路と内側の軸方向孔で形成される排ガス流路との間を流通する排ガス中の微粒子を捕集する円筒状構造のフィルタユニットと、を備え、前記フィルタユニットは、ハウジングの内周面との間に環状の排ガス流路を形成すると共に、前記コイルに高周波電流が供給されたときに、誘導加熱され、このフィルタユニットに捕集された微粒子を燃焼させる円筒状の多孔性支持プレートを有する微粒子除去装置が提供される。
【0008】
また、本発明によると、高周波電流が供給されるコイルを外周部に巻回しかつ排ガスを流通させる非磁性材料製の円筒状ハウジング内で、前記コイルが形成する磁力線の到達範囲内に同軸状に配置され、外周側に形成される排ガス流路と内側の軸方向孔で形成される排ガス流路との間を流通する排ガス中の微粒子を捕集する円筒状構造のフィルタユニットであって、前記ハウジングの内周面との間に環状の排ガス流路を形成すると共に、前記コイルに高周波電流が供給されたときに、誘導加熱され、集積された微粒子を燃焼させる円筒状の多孔性支持プレートを有するフィルタユニットが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、参考例による微粒子除去装置10を示す。
この微粒子除去装置10は、例えば窒化ケイ素等のセラミック材料で形成した非磁性材料製の円筒状ハウジング12内に、排ガス中の微粒子を捕集する捕集装置として2つのフィルタユニット14を軸方向に間隔をおいて配置し、これらのフィルタユニット14を本実施形態では2本の支持軸16で連結してある。また、ハウジング12の外側には、例えばリッツ線あるいは中空構造の細径金属管を巻回して形成したワーキングコイル18を配置してあり、このワーキングコイル18に、高周波インバータを備えた高周波電源20から例えば1~100KHzの範囲で、好ましくは約15~40KHzの高周波電流を供給し、フィルタユニット14の後述する加熱部材を誘導加熱することができる。高周波電流の周波数が15KHzよりも低すぎると可聴音が発生し、逆に100KHzよりも高すぎると表皮効果により、磁力線がハウジング12の深部すなわち中心部近くまで到達し難くなる。
【0010】
この微粒子除去装置10には、例えばディーゼル機関、ボイラあるいは焼却炉等から排出された排ガスが、このハウジング12の一端の入口22から、矢印G1の方向に沿って、ハウジング12の内部流路24内に流入する。排ガス中の微粒子は2つのフィルタユニット14で捕集され、微粒子を除去された排ガスが、出口26から矢印G2の方向に排出される。
【0011】
なお、フィルタユニット14は、図示のように2つに限らず、1つのみあるいは3つ以上であってもよい。いずれの場合も、フィルタユニット14は、ワーキングコイル18を巻回した範囲内すなわち磁力線の到達範囲内に配置する。複数のフィルタユニット14を配置する場合には、各フィルタユニット14に対応させて複数のワーキングコイル18を配置してもよい。また、複数のフィルタユニット14を連結する支持軸16は、各フィルタユニット14の位置および間隔を保持できるものであれば適宜の位置に配置することができ、図示のように中央部に限らず、周部に近接した位置で互いに離隔させて配置してもよい。
【0012】
このフィルタユニット14は、上述のワーキングコイル18で誘導加熱される加熱部材として、例えばSUS430等の金属板に多数の孔を打抜き形成した一対のディスク状多孔性支持プレート28を備え、この支持プレート28間にセラミック繊維製フィルタ30を配置したサンドイッチ構造を有する。このセラミック繊維製フィルタ30は、チラノチョップ状繊維層32間にブランケット状繊維層34を挟んだ積層構造を有する。このチラノチョップ状繊維層32を形成するチラノチョップ状繊維は、シリコン、チタンまたはジルコニウム、炭素、酸素からなるセラミック連続繊維であるのが好ましく、種々のフィラメント径を有する市販のものを用いることができる。また、ブランケット状繊維層34を形成するブランケットは、セラミック繊維を積層しながらニードル加工したものを用いるのが好ましく、市販の酸化アルミニュームおよび酸化ケイ素を主成分としたものを用いることができる。
【0013】
このようなセラミック繊維製フィルタ30は、チラノチョップ状繊維層32間にブランケット状繊維層34を挟んだ3層構造に限らず、いずれか1つのセラミック繊維のみで形成してもよく、更に、4層以上に積層してもよい。図示の実施形態のような3層あるいは5層の奇数層構造とする場合には、フィルタユニット14のいずれの側の多孔性支持プレート28から排ガスを流入させてもよく、前後方向の特定が不要であるため、組立てが容易となる。更に、セラミック繊維製フィルタ30が厚くなる場合には、その中間部に支持プレート28と同様な金属製部材(図示しない)を配置することも可能である。一方、1つの多孔性支持プレート28のみでも所要の温度に誘導加熱できる場合には、いずれか1つの支持プレート28のみを誘導加熱用の金属製部材として形成してもよい。
【0014】
このような微粒子除去装置10の入口22から流入した排ガスは、内部流路24を流れて出口26から排出される間に、フィルタユニット14を通過する。排ガスは、このフィルタユニット14の一方の多孔性支持プレート28の孔からセラミック繊維製フィルタ30を通して他方の多孔性支持プレート28から排出され、例えばスス状あるいは目に見えない微粒子がこのセラミック繊維製フィルタ30にトラップされる。
【0015】
フィルタユニット14に多量の微粒子がトラップされ、入口22と出口26との圧力差が予め設定した値以上となると、高周波電源20からワーキングコイル18に高周波電流が通電される。この圧力差の値は、ディーゼル機関、ボイラあるいは焼却路等の通常運転の効率を低下させない程度の大きさに設定するのが好ましい。
【0016】
ワーキングコイル18が通電されると、フィルタユニット14の多孔性支持プレート28に渦電流が流れ、抵抗成分によるジュール熱によって、短時間で高温(約600℃)に加熱される。この熱により、フィルタユニット14内にトラップされた排出微粒子は短時間で燃焼し、これにより、フィルタユニット14が再生される。これは、排ガス中の僅かな酸素でも高温で効率よく排出微粒子を燃焼させるためである。支持プレート28間に金属プレートが配置されている場合には、この金属プレートも支持プレート28と共に誘導加熱され、したがって、より短時間で排出微粒子を燃焼させることも可能である。
【0017】
この微粒子除去装置10は、従来のようなワイヤ状の電気ヒータおよびこれらを接続する配線が不要であるため、断線の虞が全くない。また、セラミック繊維製フィルタ30を支える金属製の支持プレート28自体が発熱する加熱部材として形成されているため、大きな渦電流が流れても断線することなく、構造が極めて簡単でありながらも、両側から効率良く、短時間で高温に加熱することができる。しかも、ディーゼル機関等を運転しつつ再生することも可能であり、その制御も極めて容易である。ディーゼル機関を運転しつつ加熱再生する場合は、フィルタユニット14を高温に維持した状態で加熱するため、排出微粒子の燃焼に要する時間および電力が少なくてすみ、その効率をより高めることができる。
なお、ワーキングコイル18への通電は、入口22および出口26の圧力差に限らず、所定時間毎に行うことも可能である。
【0018】
図2は、本発明の実施形態による微粒子除去装置10Aを示す。本実施形態も誘導加熱によるスス状微粒子の燃焼低減の原理は、上述の参考例と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の微粒子除去装置10Aのフィルタユニット36は、それぞれ多数のパンチ孔を形成した円筒状の外側支持プレート28aと円筒状の内側支持プレート28bとの間にセラミック繊維製フィルタ30を配置した円筒状構造を有し、ハウジング12内に同軸状に配置される。これらの多孔性支持プレート28a,28bは、ハウジング12の入口22側および出口26側端部をそれぞれストッパ部材38,40により同軸状に保持される。
【0019】
入口22側のストッパ部材38は、支持プレート28a,28b間に形成される環状スペースすなわちセラミック繊維製フィルタ30の収容スペースの端部を密閉すると共に、内側支持プレート28bの端部も閉じ、内側支持プレート28bの内部空間すなわち軸方向孔がハウジング12の入口22と連通するのを防止する。このストッパ部材38は、外周縁部が外側支持プレート28aに固定されており、これから半径方向外方に突出しない。また、出口26側のストッパ部材40は支持プレート28a,28b間に形成される環状スペースの端部を密閉する。この出口26側のストッパ部材40は、内側支持プレート28bの内側の軸方向孔を外部すなわちハウジング12の内部通路24に連通させる開口を有し、外側支持プレート28aを超えて更に半径方向外方に延びる。これらのストッパ部材38,40は、例えばSUS316等の好適な板材料から形成することが好ましい。
【0020】
このストッパ部材40の外周縁部には、例えばSUS316等の好適な非磁性材料で形成した円筒状の環状部材42を補助加熱部材として配置してある。この環状部材42はハウジング12の内周面に密着し、外側支持プレート28aとの間に排ガス流路44を形成する。
【0021】
この微粒子除去装置10Aでは、ハウジング12の入口22から流入した排ガスG1が、フィルタユニット36の環状部材42と外側支持プレート28aとの間に形成された環状の排ガス流路44から外側支持プレート28aの多数のパンチ孔を通ってセラミック繊維製フィルタ30内に入る。このセラミック繊維製フィルタ30で微粒子を除去された後、内側支持プレート28bに形成された多数のパンチ孔からこの支持プレート38bの軸方向孔で形成された排ガス流路46を通り、出口26から排出される。符号gは排ガス流路46内のガスの流れを示す。
【0022】
本実施形態では、図1に示す参考例に比べて、排ガスの流通面積を極めて大きく形成すると共に、排ガス流路を迷路状に形成することができるため、微粒子の捕集効率を増大することができる。
【0023】
この微粒子除去装置10Aでは、フィルタユニット36を再生する際、外側支持プレート28aの外側に位置する環状部材が、表皮効果を利用して、短時間に高温に加熱され、内側の支持プレート28a,28b間にサンドイッチ状に挟まれたセラミック繊維製フィルタ30の短時間加熱を助ける補助加熱部材として作用する。
【0024】
上記のフィルタユニット36は、円筒状に形成することに代え、截頭円錐状形状に形成することも可能である。この場合、小径側を入口22側あるいは出口26側のいずれに指向させてもよい。環状部材42を入口22側に縮径する截頭円錐状に形成する場合には、多数のパンチ孔を形成することが好ましい。あるいは、環状部材42を省略することも可能である。
【0025】
図3は、図2に示す微粒子除去装置10Aによる微粒子除去効果を確認した実験装置の概要図を示す。
実験においては、ディーゼル発電機50から耐熱ホース52で微粒子除去装置10Aの入口22側に排ガスを導き、出口26側を排気管54を介して大気に開放した。
【0026】
この実験で用いたディーゼル発電機50の仕様を表1に示し、スモークテスタ56の仕様を表2に示す。ディーゼル機関は、指定燃料の軽油に代えて、これよりも低質のA重油を用い、スス状の微粒子を多く含む黒煙を発生させた。
【0027】
【表1】
JP0003899404B2_000002t.gif【0028】
【表2】
JP0003899404B2_000003t.gif【0029】
また、微粒子除去装置10Aは、ハウジング12および環状部材42のそれぞれの外径を約100mm,98mmとし、外側および内側支持プレート28a,28bの外径をそれぞれ約70mm,50mmに形成し、ワーキングコイル18は、略4mm径の銅製の中空細管で形成し、ほぼ300mmの軸方向長さにわたって巻回した。
【0030】
排ガス中のスス等を含む排出微粒子の濃度は、排気管54の出口部分で、スモークテスタ56で計測した。この実験では、微粒子除去装置10Aによる微粒子除去効果の確認と、誘導加熱による微粒子除去装置10Aの再生効果の確認との2つを行った。
【0031】
図4は、微粒子除去装置10Aによる微粒子除去効果を示す。
図4の(a)は、フィルタなし場合の排ガスのスモークテスタによる黒煙濃度(84%)を示し、図4の(b)は、微粒子除去装置10Aを通したときの濃度(0.12%)を概略的に示す。
【0032】
表3は、微粒子除去装置10Aを設置しないときのスモークテスタ56による計測結果を示す。この表3に示す測定結果から、黒煙濃度微粒子除去装置10Aを設置しないときの黒煙濃度を基準(100%)とすると、微粒子除去装置10Aを通したときのスス状微粒子低減率は、ほぼ100%の高効率を実現する。ここで、スス状微粒子低減率は次の関係式(1)で定義する。すなわち、関係式(1)は、
スス状微粒子低減率(%)={1-(微粒子除去装置10Aを設置したときの黒煙濃度)/(微粒子除去装置10Aを設置しないときの黒煙濃度)}×100、
と表される。
【0033】
【表3】
JP0003899404B2_000004t.gif【0034】
また、表4は、誘導加熱による微粒子除去装置10Aの再生効果を示す。
この実験では、微粒子除去装置10Aを誘導加熱により再生した後、ディーゼル機関を5回始動し、それぞれの始動時におけるスス状微粒子を捕集した。そして、その捕集したスス状微粒子を誘導加熱によって燃焼し、この微粒子除去装置10Aを再生した後、再度ディーゼル機関始動時のスス状微粒子を捕集した結果である。なお、スス状微粒子低減率は、上記関係式(1)に基づいて算出した。
【0035】
【表4】
JP0003899404B2_000005t.gif【0036】
以上から明らかなように、誘導加熱を利用して再生するフィルタユニット14,36を備える微粒子除去装置10,10Aは、従来の自動車用DPFと異なり、排ガスと接触する部分にワイヤ状ヒータのような配線部分が全くなく、サンドイッチ状にセラミック繊維製フィルタを支える支持プレート28は、非接触の誘導加熱用ワーキングコイルに高周波交流を通電することにより、短時間で高温に発熱する加熱源として作用する。このため、微粒子除去装置10,10Aは、加熱部材の断線の心配もなく、短時間で効率良くセラミック繊維製フィルタを加熱できる。これにより、排出微粒子を短時間で燃焼させ、容易にフィルタの再生を繰り返ことができ、メンテナンス上も極めて有益である。
【0037】
なお、上述の各実施形態による微粒子除去装置では、いずれもセラミック繊維フィルタ30を用いているが、上述のように誘導加熱される支持プレート28,28a,28bで直接加熱可能な状態に微粒子を捕集できるものであれば、これに限らず他の捕集部材あるいは捕集装置を用いることが可能なことは明らかである。例えば、支持プレート28,28a,28bの孔径を例えば10μm程度に形成することで、この支持プレート28,28a,28bで直接捕集し、加熱再生させるまで、この捕集した微粒子を支えあるいは保持させておくことも可能である。この場合には、1つの支持プレートのみで捕集装置あるいはフィルタユニット14,36を形成することもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明の微粒子除去装置およびフィルタユニットによると、ハウジングの内周面との間に環状の排ガス流路を形成する多孔性支持プレートが、ハウジングの外周部に巻回されたコイルで誘導加熱されることにより、極めて構造が簡単でかつ制御も容易でありながら、捕集した排ガス中の微粒子を短時間で効率良く燃焼することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例による微粒子除去装置の説明図。
【図2】 本発明の好ましい実施形態による微粒子除去装置の説明図。
【図3】図2の微粒子除去装置をディーゼル発電機に取付けた状態の説明図。
【図4】スモークテスタによるスス状微粒子の測定状態を示す説明図。
【符号の説明】
10…微粒子除去装置、12…ハウジング、14…フィルタユニット(捕集装置)、18…コイル、28…支持プレート(加熱部材)、30…セラミック繊維フィルタ。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3