TOP > 国内特許検索 > 電力供給装置 > 明細書

明細書 :電力供給装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5060724号 (P5060724)
公開番号 特開2007-159310 (P2007-159310A)
登録日 平成24年8月10日(2012.8.10)
発行日 平成24年10月31日(2012.10.31)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
発明の名称または考案の名称 電力供給装置
国際特許分類 H02N  11/00        (2006.01)
G04C  10/00        (2006.01)
G04G  19/00        (2006.01)
H01L  35/28        (2006.01)
FI H02N 11/00 A
G04C 10/00 C
G04G 1/00 310Y
H01L 35/28 C
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2005-353127 (P2005-353127)
出願日 平成17年12月7日(2005.12.7)
審査請求日 平成20年11月26日(2008.11.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
発明者または考案者 【氏名】山口 栄雄
【氏名】浅井 宏俊
個別代理人の代理人 【識別番号】100098545、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 伸一
【識別番号】100087745、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 善廣
【識別番号】100106611、【弁理士】、【氏名又は名称】辻田 幸史
審査官 【審査官】安池 一貴
参考文献・文献 米国特許第06130377(US,A)
特開平07-064658(JP,A)
特開昭61-142963(JP,A)
特開2007-097335(JP,A)
調査した分野 H02N 11/00
G04C 10/00
G04G 19/00
H01L 35/28
特許請求の範囲 【請求項1】
熱電素子を利用した熱電発電器から負荷に電力を供給するための電力供給装置であって、前記熱電発電器と、前記熱電発電器の発電電力により充電されるコンデンサと、前記コンデンサの放電電力が供給される負荷手段と、前記コンデンサの放電サイクルを制御する制御手段とを有し、前記制御手段は前記コンデンサの放電をONとOFFとの切り換えで制御するスイッチと、前記コンデンサの端子電圧を計測する電圧計測回路と、前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御する制御信号を発生する制御回路とを有しており、前記制御信号は前記コンデンサの端子電圧を前記熱電発電器の発生電圧の1/2になるように前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御することを特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
前記制御信号がパルス信号であり、前記パルス信号のパルス幅に応じて前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記制御手段は前記コンデンサの放電をONとOFFとの切り換えで制御するスイッチと、前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御するパルス信号を発生する制御回路を有しており、前記パルス信号のパルス幅に応じて前記負荷手段の負荷抵抗を等価的に高い抵抗値に変換して前記熱電発電器の内部抵抗と等しくすることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項4】
熱電素子を利用した熱電発電器から負荷に電力を供給するための電力供給装置であって、前記熱電発電器と、前記熱電発電器に並列に接続されたコンデンサと、前記コンデンサに並列に接続された負荷手段と、前記熱電発電器を前記負荷手段に間欠的に接続するスイッチ手段とを有し、前記スイッチ手段は前記負荷手段の負荷抵抗と前記熱電発電器の内部抵抗が等しくなるように間欠的に接続することを特徴とする電力供給装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の温度差を利用して発電する熱電素子を利用した熱電発電器から負荷に電力を供給するための電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外部の温度差による熱エネルギから熱電対を用いて発電し、その発電により得られる電気エネルギを利用して電子時計などの小型の携帯電子機器を駆動する電力供給装置が知られている。たとえば、複数の熱電対を電気的に直列に設けた熱電発電器の発電電圧を計測して、その発電電圧に応じて負荷手段への電力の供給および供給停止を制御する制御手段を設け、この制御手段は、熱電発電器から負荷手段へ所定時間以上連続して電力を供給したときに、発電電圧を補正して計測する補正手段を設けることにより、熱電発電器が負荷手段へ連続的に電力を供給するときに発生するペルチェ効果による発電電圧の低下を補正して、本来の発電電圧に相当する電圧を想定して負荷への電力の供給および停止を制御する構成が提案されている(たとえば特許文献1参照)。

【特許文献1】特開2000-125578号公報((0013)、(0018)、(0022)~(0034)および図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1による電力供給装置は、熱電発電器が負荷電流を流し続けることにより発生するペルチェ効果を用いて、発電電圧の低下を補正して計測することにより、熱電発電器の発電電圧に応じて負荷手段への電力の供給および供給停止を最適に制御でき、負荷手段は熱電発電器の発電電力を最も有効に利用することができる。しかし、熱電発電器から最大負荷電力を取り出す点についての考慮はなされていない。
ところで、電気回路理論で周知のように、内部抵抗の大きい電圧源から最大負荷電力を取り出す条件は、負荷抵抗の抵抗値を電圧源の内部抵抗の値と一致させることである。この条件を図5および図6により説明する。
一般に電圧源は、図5に示すように起電力Esと直列抵抗Rsの直列回路で表わされる。この起電力Esに負荷抵抗RLをつないだとき、負荷抵抗RLに消費される電力PL、即ち起電力Esから取り出しうる電力は、
PL=(Es)×RL/(Rs+RL)・・・(数1)
であることが知られている。
図6の曲線aは負荷抵抗RLを変化させたときの負荷抵抗RLにおける負荷電圧VLの関係、曲線bは負荷抵抗RLにおける消費電力(取り出せる電力)PLの関係である。図6の曲線bに示すように、負荷抵抗RLを変化させると負荷電力PLが変化し、ある負荷抵抗RLの値で最大となる。このときの負荷抵抗RLの値は周知のように直列抵抗Rsと等しい値、すなわち、RL=Rsのときで、最大負荷電力PLmaxは、
PLmax=(Es)/(4RL)=(Es)/(4Rs)・・・(数2)
である。このとき、負荷抵抗RLの電圧VLは起電力Esの電圧の1/2、すなわち、VL=Es/2となる。
負荷抵抗RLが電圧源の内部抵抗Rsよりも大きい場合は、最大負荷電力PLmaxを取り出すことはできないが、負荷抵抗RLが大きいと消費電力が小さいので重大な問題になることは少ない。一方、負荷抵抗RLが電圧源の内部抵抗Rsより小さい場合は、最大負荷電力PLmaxを取り出すことはできず、しかも、負荷抵抗RLが小さいと素子内部における消費電力が大きくなるので、最大負荷電力PLmaxを取り出せないことは重大な問題になる。
一般に、熱電発電器の内部抵抗は比較的大きいので、使用したい負荷抵抗の値より大きいことが多い。また、負荷抵抗は一定の値であることはなく、負荷の種類によって大きく変わる。また、同じ負荷でも使用中に大きく変動する。さらに、熱電発電器の起電力と内部抵抗も熱の供給状況に従って変化する。したがって、熱電発電器に目的とする負荷を直接接続しても発電器の発電能力のごく一部しか利用できないことになり、熱電発電器に単に負荷手段を連結するだけでは最大負荷電力を取り出すことはできない。
最大負荷電力を取り出すためには負荷抵抗を内部抵抗と同じになるように変換すればよい。しかし、熱電発電器の負荷は直流負荷のため変圧器のような交流用インピーダンス変換器を使用することはできない。
【0004】
本発明はこのような課題を解決するもので、熱電発電器から最大負荷電力を取り出しながら、大電力を要求する負荷に安定した電力を供給することができる電力供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明の電力供給装置は、熱電素子を利用した熱電発電器から負荷に電力を供給するための電力供給装置であって、前記熱電発電器と、前記熱電発電器の発電電力により充電されるコンデンサと、前記コンデンサの放電電力が供給される負荷手段と、前記コンデンサの放電サイクルを制御する制御手段とを有し、前記制御手段は前記コンデンサの放電をONとOFFとの切り換えで制御するスイッチと、前記コンデンサの端子電圧を計測する電圧計測回路17と、前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御する制御信号を発生する制御回路とを有しており、前記制御信号は前記コンデンサの端子電圧を前記熱電発電器の発生電圧の1/2になるように前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の電力供給装置において、前記制御信号がパルス信号であり、前記パルス信号のパルス幅に応じて前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御することを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の電力供給装置において、前記制御手段は前記コンデンサの放電をONとOFFとの切り換えで制御するスイッチと前記スイッチのONとOFFとの切り換えを制御するパルス信号を発生する制御回路を有しており、前記パルス信号のパルス幅に応じて前記負荷手段の負荷抵抗を等価的に高い抵抗値に変換して前記熱電発電器の内部抵抗と等しくすることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明の電力供給装置は、熱電素子を利用した熱電発電器から負荷に電力を供給するための電力供給装置であって、前記熱電発電器と、前記熱電発電器に並列に接続されたコンデンサと、前記コンデンサに並列に接続された負荷手段と、前記熱電発電器を前記負荷手段に間欠的に接続するスイッチ手段とを有し、前記スイッチ手段は前記負荷手段の負荷抵抗と前記熱電発電器の内部抵抗が等しくなるように間欠的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱電発電器から最大負荷電力を取り出しながら、大電力を要求する負荷に安定した電力を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態による電力供給装置は、熱電素子を利用した熱電発電器の発電電力によりコンデンサを充電し、コンデンサに充電した電力を、放電サイクルを制御しながら負荷に放電し、コンデンサの放電をONとOFFとの切り換えで制御するスイッチのONとOFFとの切り換えを、コンデンサの端子電圧が熱電発電器の発生電圧の1/2になるように制御するものである。本実施の形態によれば、熱電発電器から最大電力を取り出しながら、大電力を要求する負荷に安定した電力を供給することができる。また、熱電発電器から最大電力を取り出しながら、大電力を要求する負荷に安定した電力を供給することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による電力供給装置において、パルス信号のパルス幅に応じてスイッチのONとOFFとの切り換えを制御するものである。本実施の形態によれば、熱電発電器から最大電力を取り出しながら、大電力を要求する負荷に安定した電力を供給することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による電力供給装置において、パルス信号のパルス幅に応じて負荷抵抗を等価的に高い抵抗値に変換して熱電発電器の内部抵抗と等しくするものである。本実施の形態によれば、熱電発電器から最大電力を取り出すことができる。
本発明の第4の実施の形態による電力供給装置は、熱電素子を利用した熱電発電器にコンデンサおよび負荷手段を並列に接続し、熱電発電器を負荷手段に間欠的に接続し、負荷手段の負荷抵抗と熱電発電器の内部抵抗が等しくなるように間欠的に接続するものである。本実施の形態によれば、熱電発電器から最大電力を取り出しながら、大電力を要求する負荷に安定した電力を供給することができる。また、熱電発電器の内部抵抗が負荷手段の負荷抵抗より大きくても、負荷抵抗の値を等価的に高い抵抗値に変換して熱電発電器の内部抵抗と等しくすることができるので、熱電発電器から最大電力を取り出しながら、大電力を要求する負荷に安定した電力を供給することができる。
【実施例】
【0008】
以下、本発明の実施例について、図面とともに詳細に説明する。
まず、本発明の原理について説明する。なお、以下の説明では直流について説明する。
電源の電圧が一定の時、負荷に供給する電力を変えるには、負荷の重さ(負荷抵抗の値)を変えなくてはならない。しかし、実際には、負荷抵抗の値を電源の要求に合わせて自由に変えることはできない。一方、負荷抵抗は一定であっても、負荷をスイッチングして負荷と電源を間欠的に接続することによって負荷への供給電力の大きさを変えるチョッパ技術がある。チョッパ技術は、例えば、電車のモータへ与える電力を状況に応じて大幅に変える制御に使われている。モータへの電圧の供給は断続的になるが、モータの巻き線のインダクタンスやモータにつながった電車の質量による慣性で積分効果が出るために滑らかな動きになる。このように、電源の電圧が一定のままで負荷への電力を変えることは負荷抵抗を変えることと同じである。
【0009】
そこで、本発明においては、熱電発電器を負荷に接続した際に、負荷をスイッチングして間欠的に接続させ、低い抵抗値の負荷抵抗を等価的に高い抵抗値に変換して最大電力を取り出すようにする。すなわち、熱電発電器の電圧および内部抵抗が変化したり、負荷抵抗の抵抗値が変化しても、常に負荷抵抗の値を等価的に内部抵抗Rsに一致させて電源から最大電力を取り出すようにする。
ここで、理想電圧源の電圧をEとし、負荷抵抗をRLとし、負荷の接続を、全期間Tの内ONの期間をTon、OFFの期間をToffとする。また、Ton/T(T=Ton+Toff)の値をデューティ比D(0≦D≦1)とする。Tonのとき、負荷抵抗RLの電力Ponは、Pon=E/RLとなり、Toffのとき、負荷抵抗RLの電力Poffは、Poff=0となる。したがって、負荷の平均電力Pavは、
Pav=(Pon+Poff)×D=Pon×D=E×D/RL・・・(数3)
で表される。
一方、スイッチングしないで連続的につないだ負荷抵抗により(数3)で表されるPavと同じ電力を得る負荷抵抗の値をRxとすると、
Px=E/Rx=Pav=E×D/RL・・・(数4)
であるから、
Rx=RL/D・・・(数5)
となる。デューティ比Dは0≦D≦1であるので、デューティ比Dの値を適切に制御すると負荷抵抗RLの値を見かけ上大きい値Rxに変換できる。
なお、電源と負荷抵抗RLを単純にスイッチングして接続すると、負荷抵抗RLに加わる電圧も大きく変動するので正常に動作しない。そこで、何らかの積分機能を設けて負荷抵抗RLの瞬間的な変動をなくすように平滑することが必要である。このためには、図2に示すように、負荷抵抗RLにコンデンサCを並列に接続して積分、平滑する。コンデンサCの静電容量Cは、C×RL>>Tになるように選ぶ。
【0010】
図1は以上の原理に従って構成した本発明の実施例にかかる電力供給装置の全体構成を示す概念的ブロック図である。熱電発電器11は多数の熱電対を電気的に直列に接続して構成された熱電素子を利用した熱電発電器で、与えられる温度差に応じて熱電発電して発電電圧Vsとして出力する。熱電発電器11は一端が接地され、他端は静電容量Cの出力調整用のコンデンサ13に並列に接続される。
負荷14は、一端が接地され、他端はスイッチ12を介してコンデンサ13に並列に接続される。負荷14は、負荷抵抗RLを有する。スイッチ12はコンデンサ13の放電サイクルを制御する制御回路15で接続がONとOFFとに切り換えられる。パルス発生器16は、電圧計測回路17で計測されたコンデンサ13の電圧をもとにパルス幅が制御されたパルスを発生し、制御回路15はこのパルスによりコンデンサ13の放電サイクルを制御するようにスイッチ12の動作を制御する。 コンデンサ13は、前述したように、積分、平滑の機能を有するが、その他にコンデンサ13自体を充電して蓄電する機能を有する。すなわち、発電電力が負荷14に供給する電力より大きいときは電力に余剰が生ずるので、コンデンサ13を充電して電力を一時的に蓄電する。その後負荷14が予定より多い電力を要求したときに、コンデンサに蓄電されている電力を発電電力と合わせて供給することができる。
【0011】
負荷14から最大負荷電力PLmaxを取り出すには、先に述べたように負荷抵抗RLを熱電発電器11の内部抵抗Rsと等しくすれば良い。前述したように、熱電発電器11の内部抵抗Rsは負荷抵抗RLより大きいので、デューティ比Dを用いて(数5)により負荷抵抗RLを大きな抵抗値Rxに変換する。この結果、(数5)は(数6)のように表される。
Rs=Rx=RL/D・・・(数6)
したがって、
D=RL/Rs・・・(数7)
となるようにDを制御すれば、負荷抵抗RLを大きな抵抗値Rxに変換することができる。
【0012】
前述したように、負荷抵抗RLは一定の値であることはなく、負荷の種類によって大きく変わる。また、同じ負荷でも使用中に大きく変動する。さらに、熱電発電器11の起電力Esと内部抵抗Rsも熱の供給状況に従って変化する。したがって、最適のデューティ比Dを予め求めることはできない。そこで、デューティ比Dを制御するには、電圧計測回路17でコンデンサ11の端子電圧Vcを計測し、この端子電圧Vcで制御回路15の動作を制御して、コンデンサ13の端子電圧Vcが熱電発電器11の発生電圧Vsの1/2になるように、スイッチ12のON、OFFのタイミングを制御する。
このように、スイッチ12をONとOFFとに切り換えるタイミングを調整し、負荷抵抗RLが小さく、大電力を要求する負荷14に電力供給する場合は、熱電発電器11を連続して使用するのではなく、短時間使用してVcが少し低下した時点で負荷14の使用を停止し、再充電によりVcを回復させ、VcがVsの1/2まで回復した時点で再び負荷14を接続するようにする。
【0013】
図3は図1における熱電発電器11、スイッチ12、コンデンサ13および負荷14の接続部の等価回路である。図3に示すように、コンデンサC、スイッチS、負荷抵抗RLからなる回路は、スイッチSのデューティ比Dを介してコンデンサCの両端で抵抗値Rxに等価変換される。起電力Esと直列抵抗Rsの直列回路から成る熱電発電器11に負荷抵抗Rxをつないだときの負荷電力PLは、(数8)で表される。
Es×RL/D
PL =—————————————・・・(数8)
(Rs+RL/D)
スイッチSが連続ONのときは、デューティ比D=1であるので、(数8)は
PL=Es×RL/(Rs+RL)・・・(数9)
となる。
【0014】
図4に負荷電力PLとデューティ比Dの関係を示す。負荷電力PLはデューティ比Dを0から大きくしていくと急激に大きくなり、あるデューティ比RL/Rsで最大になった後、徐々に小さくなっていく。最大負荷電力PLmaxは、変換された負荷抵抗Rxが熱電発電器11の直列抵抗Rsに等しくなるとき、すなわちデューティ比DがD=RL/Rx=RL/Rsのときである。
最大負荷電力PLmaxを取り出し得るデューティ比DはD=RL/Rx=RL/Rsであるが、デューティ比DがD=RL/Rx=RL/Rsとなるのは、コンデンサ13の端子電圧Vcが熱電発電器11の発生電圧Vsの1/2になるときであるが、1/2の近辺では負荷電力PLの低下は小さい。したがって、コンデンサ13の端子電圧Vcが熱電発電器11の発生電圧Vsの1/2をずれても、デューティ比DがD=RL/Rx=RL/Rsの近辺であれば熱電発電器11から最大負荷電力PLmaxを取り出すことができる。
図4の例では、最大負荷電力PLmaxは、RxがRsに等しくなるとき、すなわち、D=RL/Rx=0.2のときであり、負荷電力PLが最大値2.5Wとなる。一方、スイッチSが連続ONであるD=1のときは負荷電力PL=1.39Wである。
【0015】
つぎに、デューティ比の制御方法について説明する。
パルス発生器16はパルス幅T、パルス周期Tのパルスを発生する。パルス発生器16が発生したパルスは制御回路15に供給され、スイッチ12の接続をONとOFFとの切り換え制御する。そこで、パルス幅Tを、負荷14を接続する時間Tonとなるように、パルス周期Tを、負荷14を接続する時間Tonと切り離す時間Toffの和(=Ton+Toff)となるように設定すると、制御回路15は、パルス発生器16が発生したパルス幅Tのパルスによりスイッチ12の接続をONとOFFとに切り換えて、コンデンサ13の放電サイクルを設定する。パルス幅Tの時間は負荷14をコンデンサ13に接続してコンデンサ13を放電状態とし、T-Tの時間はスイッチ12を開放して負荷14をコンデンサ13から切り離し、コンデンサ13を熱電発電器11に接続して充電状態に制御する。したがって、デューティ比DはT/Tで表される。パルス幅Tを変化させたとき、すなわち、デューティ比Dを変化させたときは、負荷14の負荷抵抗RLが等価的に高い抵抗値Rxに変換されるので、熱電発電器11の内部抵抗Rsと等しくすることができる。
【0016】
本発明によれば、負荷14がコンデンサ13へ間欠的に接続されるので、負荷14を連続運転することはできないが、間欠的に熱電発電器11から最大電力を供給することができるので、フラッシュライトやパルスモータなど間欠駆動する各種の機器への電力供給装置として利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の電力供給装置は、電子時計などの小型の携帯電子機器を駆動するための電源、フラッシュライトの電源、あるいは、パルスモータを使用する各種のモータ制御装置などに直流電力を供給するための電源装置などに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例にかかる電力供給装置の全体構成を示す概念的ブロック図
【図2】本発明の実施例にかかる電力供給装置の負荷抵抗およびコンデンサの積分、平滑作用を説明する回路図
【図3】本発明の実施例にかかる電力供給装置の要部の等価回路図
【図4】図3の等価回路における負荷電力とデューティ比の関係を示す特性図
【図5】内部抵抗の大きい電圧源から最大負荷電力を取り出す条件を説明する回路図
【図6】図5の回路における負荷電力および負荷電圧と負荷抵抗との関係を示す特性図
【符号の説明】
【0019】
11 熱電発電器
12 スイッチ
13 コンデンサ
14 負荷
15 制御回路
16 パルス発生器
17 電圧計測回路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5