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明細書 :医療器具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4997536号 (P4997536)
公開番号 特開2009-066163 (P2009-066163A)
登録日 平成24年5月25日(2012.5.25)
発行日 平成24年8月8日(2012.8.8)
公開日 平成21年4月2日(2009.4.2)
発明の名称または考案の名称 医療器具
国際特許分類 A61B  17/28        (2006.01)
FI A61B 17/28
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2007-237316 (P2007-237316)
出願日 平成19年9月12日(2007.9.12)
審査請求日 平成22年7月9日(2010.7.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】高木 健
【氏名】大政 洋平
【氏名】石井 抱
【氏名】岡島 正純
個別代理人の代理人 【識別番号】100091605、【弁理士】、【氏名又は名称】岡田 敬
審査官 【審査官】村上 聡
参考文献・文献 特開平10-290803(JP,A)
特開2005-292883(JP,A)
調査した分野 A61B 17/28
特許請求の範囲 【請求項1】
固定指掛け部と移動指掛け部からなる一対の操作部と、
固定指掛け部と弾性部材を介して接続する連結管と、
前記移動指掛け部の開閉操作に連動して開閉駆動される一対のグリップと、
前記連結管を貫通し前記移動指掛け部と前記グリップを接続する操作ロッドと、
前記連結管と接続された固定側モアレスリット板と、
前記固定指掛け部と接続された移動側モアレスリット板とを備え、
前記固定側モアレスリット板と前記移動側モアレスリット板は重ねて配置され、
前記グリップで把持対象物を把持し、前記グリップが把持対象物の厚みに応じて開いた状態のまま前記固定側指掛け部が前記操作ロッドの端を支点に回転して前記弾性部材を変形させて前記移動側モアレスリット板をスライドさせ、モアレ縞で前記対象物を把持する力を表示することを特徴とする医療器具。
【請求項2】
固定指掛け部と移動指掛け部からなる一対の操作部と、
前記移動指掛け部の開閉操作に連動して開閉駆動される一対のグリップと、
操作部側連結管とグリップ側連結管とを接続する弾性部材と、
前記操作部側連結管及びグリップ側連結管を貫通し前記移動指掛け部と前記グリップを接続する操作ロッドと、
前記グリップ側連結管と接続された固定側モアレスリット板と、
前記操作部側連結管と接続された移動側モアレスリット板とを備え、
前記固定側モアレスリット板と前記移動側モアレスリット板は重ねて配置され、
前記グリップで把持対象物を把持し、前記グリップが把持対象物の厚みに応じて開いた状態のまま前記固定側指掛け部が前記操作ロッドの端を支点に回転し、前記操作部側連結管で前記弾性部材を変形させて前記移動側モアレスリット板をスライドさせ、モアレ縞で前記対象物を把持する力を表示することを特徴とする医療器具。
【請求項3】
前記移動側モアレスリット板又は固定側モアレスリット板は前記操作ロッドに対して略垂直方向に複数の直線が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記固定側モアレスリット板又は前記移動側モアレスリット板の一方はスリット状に複数の文字や記号が施され、前記移動側スリット板をスライドさせて前記複数の文字や記号を順に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の医療器具。
【請求項5】
前記把持対象物の強度に応じて異なる弾性係数を有する弾性体を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療器具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を把持し、対象物に加わった力を操作する手元で視覚的に表示できる鉗子やステープラー等の医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
手術中には、生体の体腔内に挿入し臓器等を把持したり、把持したまま縫合する医療器具として鉗子やステープラー等が広く用いられている。しかし、通常の鉗子やステープラー等では、術者が把持対象物となる臓器にかかっている力を認知するには熟練度を必要とし、未熟者が使用すると臓器等が耐えられない強さで把持してしまい、いわゆる医療ミスをきたすことがある。また、このような医療ミスがあった場合、術者の問題なのか、それとも医療機器の問題なのかわからない場合がある。このため、把持対象物にかかっている力を認知できる鉗子やステープラー等の医療器具が求められている。
【0003】
特許文献1によると、医療器具のグリップ部分に複数のセンサを備えた分布型センサユニットを設けた医療器具について開示されている。医療器具の挿入部を体腔内に挿入し、このセンサユニットから出力される複数のセンサ出力に基づいて把持対象物である生体組織の硬さや、医療器具が生体から受ける力を計測し、これを術者に提示している。

【特許文献1】特開平07-194610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される医療器具は、力覚情報を視認するのに表示装置を見る必要があり、手術対象箇所である鉗子のグリップ部分から視線を逸らさなければならない。このため、グリップ部分から目を逸らした際に、誤った操作をしてしまうおそれがある。
【0005】
また、グリップ付近にセンサユニットを取り付けており、これらを生体内に挿入するものゆえ、センサユニットの洗浄、消毒、滅菌を徹底しなければならないという問題がある。特に、センサでは電装部品が使用されており、電装部品の耐候性に問題があるため、処理する薬品や温度等の制約が大きく、簡易に取り扱うことができないという課題を有する。
【0006】
更に、体腔内に挿入される医療器具本体の挿入部、例えば処置具の先端で組織を把持する把持部に触覚センサを設け、組織を把持する時に組織の損傷を防止するようにしている。しかしながら、触覚センサのセンサ自体、または触覚センサの配線が壊れる等の事態が発生した場合には安全性を確保できないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、固定指掛け部と移動指掛け部からなる一対の操作部と、固定指掛け部と弾性部材を介して接続する連結管と、前記移動指掛け部の開閉操作に連動して開閉駆動される一対のグリップと、前記連結管を貫通し前記移動指掛け部と前記グリップを接続する操作ロッドと、前記連結管と接続された固定側モアレスリット板と、前記固定指掛け部と接続された移動側モアレスリット板とを備え、前記固定側モアレスリット板と前記移動側モアレスリット板は重ねて配置され、前記グリップで把持対象物を把持し、前記グリップが把持対象物の厚みに応じて開いた状態のまま前記固定側指掛け部が前記操作ロッドの端を支点に回転して前記弾性部材を変形させて前記移動側モアレスリット板をスライドさせ、モアレ縞で前記対象物を把持する力を表示することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、固定指掛け部と移動指掛け部からなる一対の操作部と、前記移動指掛け部の開閉操作に連動して開閉駆動される一対のグリップと、操作部側連結管とグリップ側連結管とを接続する弾性部材と、前記操作部側連結管及びグリップ側連結管を貫通し前記移動指掛け部と前記グリップを接続する操作ロッドと、前記グリップ側連結管と接続された固定側モアレスリット板と、前記操作部側連結管と接続された移動側モアレスリット板とを備え、前記固定側モアレスリット板と前記移動側モアレスリット板は重ねて配置され、前記グリップで把持対象物を把持し、前記グリップが把持対象物の厚みに応じて開いた状態のまま前記固定側指掛け部が前記操作ロッドの端を支点に回転し、前記操作部側連結管で前記弾性部材を変形させて前記移動側モアレスリット板をスライドさせ、モアレ縞で前記対象物を把持する力を表示することを特徴とする。
【0009】
更に、本発明は、前記移動側モアレスリット板又は固定側モアレスリット板は前記操作ロッドに対して略垂直方向に複数の直線が施されていることを特徴とする。
【0010】
更に、本発明は、前記固定側モアレスリット板又は前記移動側モアレスリット板の一方はスリット状に複数の文字や記号が施され、前記移動側スリット板をスライドさせて前記複数の文字や記号を順に表示することを特徴とする。
【0011】
更に、本発明は、前記把持対象物の強度に応じて異なる弾性係数を有する弾性体を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に依れば、術者の手元付近にモアレスリット板を設けているため、視認性が高い。このため、術者は大きな視線移動なく把持対象物にどの程度力が加わっているか認識しながら手術を行うことができるので、集中して手術に挑むことができ、医療ミスをきたすおそれがなくなる。
【0013】
また、本発明に依れば、手術箇所により近い連結管の途中にモアレスリット板を設けている。この場合、臓器等に触れているグリップ付近に臓器等にかかる力を表示できるため、手元よりも更に視線移動を少なくでき、術者が手術に集中できる利点がある。
【0014】
更に、本発明に依れば、生体内に挿入するグリップ部分にセンサ等の電気的な要素を取り付けていない。このため、洗浄、滅菌等で、耐久温度や薬品等の制約がないこと、及び、電装関係の部品が組み込まれていないため、通常の医療器具同様に取り扱いが容易である。
【0015】
更に、本発明に依れば、異なる弾性係数の弾性部材13を適宜選択して用いることで、種々の把持対象物に対応することができる。
【0016】
更に、本発明に依れば、把持する力に応じて、モアレスリット板に数字を5段階等で順に表示させることができ、あとどれ位力を加えてよいか、術者が容易に判断することができる。
【0017】
更に、本発明に依れば、STOP等の文字を表示させることができ、術者に直感的にこれ以上力の加えてはならないことを認知させることができる。そして、この表示は術者や周辺の者にも視認しやすい箇所にあるため、医療ミスがあった場合でも、医療器具の問題ではなく、術者の問題であったことが容易に判断される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1~図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る鉗子の概略構成を説明する。図1(A)は、鉗子1の全体を示す平面図、(B)は(A)のa-a’断面を示している。また、図2はモアレスリット板を取り払った状態の弾性部材の変形状態を示し、図3はモアレスリット板を示している。
【0019】
本発明の鉗子1は、主に固定側モアレスリット板11、移動側モアレスリット板12、弾性部材13、一対指掛け部21、22からなる操作部、一対のグリップ28、及び操作ロッド25から構成される。
【0020】
連結管26は、内部が中空の円筒状であり、内部に操作ロッド25が挿入されている。操作ロッド25の先端にはリンク機構27を介して、一対のグリップ28a、28bが接続している。操作ロッド25の他端24は移動側指掛け部22と接続している。
【0021】
操作部は固定側指掛け部21と移動側指掛け部22とからなり、これらは軸23を介して接続している。移動側指掛け部22は軸23を支点に矢印K方向或いは逆方向に開閉動作を行う。移動側指掛け部22には操作ロッド25の末端24が接続しているので、移動側指掛け部22を矢印K方向に開くと、操作ロッド25が前進し、リンク機構27を介してグリップ28a、28bは矢印L方向に開く。一方、移動側指掛け部22を矢印K方向と反対方向に閉じると、操作ロッド25が後進し、リンク機構27を介してグリップ28a、28bは矢印L方向と反対に閉じる仕組みである。
【0022】
連結管26の操作部側には固定側モアレスリット板11が取り付けられ、固定側指掛け部21に移動側モアレスリット板12が取り付けられている。そして、図1(B)に示すように、固定側モアレスリット板11と移動側モアレスリット板12は重ねて配置されている。
【0023】
固定側モアレスリット板11の背面には弾性部材13があり、弾性部材13には孔28が設けられ、この孔28を操作ロッド25が貫通している。弾性部材13は、ゴム、スプリング等、力が加わって変形する素材であれば、どのようなものを使用しても良い。
【0024】
図2は、モアレスリット板を取り払った状態を示しているが、弾性部材13はZ字状になっており、固定側指掛け部21が弾性部材13を押すことによって変形する。グリップ28a、28bで対象物を把持するまでは、固定指掛け部21に力が加わらないため、弾性部材13が変形することはない。
【0025】
次に、グリップ28a、28bで対象物を把持し、対象物に厚みがある場合には、グリップ28a、28bは開いたままとなる。この状態のまま、更に、力を加えて移動指掛け部22を閉じると、図2(B)のように、操作ロッド25の末端24を支点にして、矢印Mの方向に固定側指掛け部21が回転し弾性部材13を押すので、弾性部材13が変形することとなる。固定側指掛け部21には移動側モアレスリット板12が接続しているので、移動側モアレスリット板12がやや回転しつつ、略水平方向に連結管26側にスライドする。
【0026】
図3(A)に示すように、固定側モアレスリット板11及び移動側モアレスリット板12には複数の直線が平行に施されている。そして、固定側モアレスリット板11の直線は連結管26に対して略垂直方向に複数の直線を施している。一方、移動側モアレスリット板11の直線は移動側モアレスリット板12の直線に対してやや傾斜させている。このように直線を施すことで、図3(B)に示すように、固定側モアレスリット板11と移動側モアレスリット板12を重ねて配置すると、これらの直線と垂直方向にモアレ縞Yが生じる。そして、図3(C)のように、力(F)が加わり移動側モアレスリット板12がスライドすると、モアレ縞Yが上下方向に変位する。固定側モアレスリット板11の直線は操作ロッド25に対して垂直に施しているので、把持対象物にかかる力で固定側指掛け部21の移動が微小であっても、モアレ縞Yは上下方向に大きく変位するので、わずかな力加減でも容易に術者が視認できることとなる。
【0027】
モアレ縞の変位量は、弾性部材13の弾性係数に比例するので、力(F)=k(弾性部材13の弾性係数)×ΔX(弾性部材13の変形量)となる。したがって、この力を移動側モアレスリット板12や固定側モアレスリット板11、またはこの周辺に目盛を打っておけば、対象物どの程度の力がかかっているか容易に認知することができる。
【0028】
そして、把持対象物はそれぞれ様々な強度があるので、把持対象物によって、異なる弾性係数の弾性部材13を適宜選択して用いると良い。
【0029】
なお、移動側モアレスリット板12の直線の傾斜角は小さいと生じるモアレ縞の幅及び間隔は広くなり、傾斜角が大きいとモアレ縞の幅及び間隔が狭まる。どの程度傾斜角させるかは適宜調節して設ければよい。なお、固定側モアレスリット板11、移動側モアレスリット板12の直線はいずれかが傾斜していればよく、本実施例に限定されるものではない。
【0030】
このように、本発明の鉗子1では、術者の手元付近にモアレスリット板11、12を設けているため、視認性が高い。このため、術者は大きな視線移動なく把持対象物にどの程度力が加わっているか認識しながら手術を行うことができるので、集中して手術に挑むことができ、医療ミスをきたすおそれがなくなる。
【0031】
また、グリップ28a、28bには、センサ等を取り付けていないので、洗浄、滅菌等で、耐久温度や薬品等の制約がないこと、及び、電装関係の部品が組み込まれていないため、通常の医療器具同様、取り扱いが容易である。
【0032】
本実施形態では、鉗子について説明したが、ステープラー等の医療器具で生体内の臓器を把持するものであれば、同様の構成として使用することができる。
【0033】
図4は、固定側モアレスリット板11に複数の数字や文字をスリット状に施し、対象物にかかる力が大きくなるにつれて、順に数字や文字を表示する形態について示している。
【0034】
図4(A)に示すように、固定側モアレスリット板11には算用数字1~5を順にスリット状にして施している。一方の移動側モアレスリット板12には複数の直線が平行に配置され、固定側モアレスリット板11の数字に対してやや傾斜させている。なお、本実施形態では、固定側モアレスリット板11に数字、移動側モアレスリット板12に直線を施しているが、逆に固定側モアレスリット板11に直線、移動側モアレスリット板12に数字を施しても同様の効果を得られる。
【0035】
このような固定側モアレスリット板11と移動側モアレスリット板12を、初期状態では数字が何も表示されない状態に調節して重ねる。そして、グリップ28a、28bにより把持対象物に力がかかり、移動側指掛け部21が弾性部材13(図2参照)を変形させるとともに、移動側スリット板12がスライドするに連れて、図4(B)のように数字の1が表示される。更に移動指掛け部21が移動すると移動側モアレスリット12が更にスライドし、順に数字の2、3、4、5と表示される。このように、グリップ28a、28bが対象物を把持する力を5段階表示しておき、ある対象物で加えられる力が5としておけば、あとどれ位力を加えてよいか、術者が容易に判断することができる。
【0036】
また、図4(C)のように、固定側モアレスリット板11にSTOP等の文字を施し、前述同様に、固定側モアレスリット板11と移動側モアレスリット板12を、初期状態では文字が何も表示されない状態に調節して重ねておけば、力が加わるにつれて移動側モアレスリット板12がスライドし、徐々にSTOPの文字が表示される。
【0037】
把持対象物によって、ある一定の力を加えてはならない場合、このまま手術を続けて良いか悪いかを判断することが重要とされる。このような場合、「STOP」の表示をすることで、術者に直感的にこれ以上力の加えてはならないことを認知させることができ、非常に有効である。そして、この表示は術者や周辺の者にも視認しやすい箇所にあるため、医療ミスがあった場合でも、医療器具の問題ではなく、術者の問題であったことが容易に判断される。
【0038】
図5及び図6を参照して、第2実施形態に係る鉗子2について説明する。図5(A)は第2実施形態に係る鉗子2の概略構成を示し、(B)は(A)のモアレスリット板11、12を取り払ったグリップ側の構成を示している。また、図6は、把持対象物に力が加わった際の弾性部材13の変形状態を示している。
【0039】
鉗子2は、第1実施形態の鉗子1の連結管26を2つに分断し、グリップ側連結管26aと操作部側連結管26bとしている。操作部側連結管26bの一端は固定側指掛け部21と接続し、他の一端は弾性部材13を介してグリップ側連結管26aと接続した構成である。
【0040】
グリップ側連結管26aには固定側モアレスリット板11が取り付けられ、操作部側連結管26bには移動側モアレスリット板12が取り付けられている。そして、固定側モアレスリット板11と移動側モアレスリット板12は重ねて配置し、モアレ縞Yが生じるようにしている。
【0041】
図5(B)は、モアレスリット板を取り払った状態を示しているが、弾性部材13はZ字状になっており、操作部側連結管26bが弾性部材13をグリップ28側に押すことによって変形する。
【0042】
図6(A)に示すように、グリップ28a、28bで対象物を把持するまでは、固定指掛け部21に力が加わらないため、操作部側連結管26bが移動せず、弾性部材13が変形することはない。
【0043】
次に、グリップ28a、28bで対象物を把持し、対象物に厚みがある場合には、グリップ28a、28bは開いたままとなる。この状態のまま、更に、力を加えて移動指掛け部22を閉じると、図2(B)にて説明したように、操作ロッド25の末端24を支点にして、矢印Mの方向に固定側指掛け部21が回転する。このため、図6(B)に示すように、固定指掛け部21に接続する操作部側連絡管26bが弾性部材13をグリップ28側に押すので、弾性部材13が変形することとなる。操作部側連結管26bには移動側モアレスリット板12が接続しているので、移動側モアレスリット板12が、略水平方向にグリップ28側にスライドする。
【0044】
その他の説明については、上述の第1実施形態の鉗子1と同様であるので、説明を省略する。
【0045】
このように、第2実施形態に係る鉗子2では、手術箇所により近い連結管の途中にモアレスリット板11、12を設けている。この場合、臓器等に触れているグリップ28近くに臓器等にかかる力をモアレ縞で表示できるため、手元よりも更に視線移動を少なくでき、術者が手術に集中できる。
【0046】
また、生体内にモアレスリット板11、12が挿入されたとしても、電気的な要素を用いていないため、洗浄や滅菌等に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明による第1実施形態の鉗子の概略構成を示す概略図である。
【図2】本発明の弾性部材の変形状態を示す状態図である。
【図3】本発明のモアレスリット板を示す平面図である。
【図4】本発明の他の形態のモアレスリット板を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の鉗子の概略構成を示す概略図である。
【図6】本発明の弾性部材の変形状態を示す状態図である。
【符号の説明】
【0048】
1 鉗子
2 鉗子
11 固定側モアレスリット板
12 移動側モアレスリット板
13 弾性部材
21 固定側指掛け
22 移動側指掛け
23 軸
24 操作ロッド端
25 操作ロッド
26 連結管
26a グリップ側連結管
26b 操作部側連結管
27 リンク機構
28 グリップ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図4】
5