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明細書 :座屈拘束ブレース及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3613761号 (P3613761)
公開番号 特開2002-167863 (P2002-167863A)
登録日 平成16年11月12日(2004.11.12)
発行日 平成17年1月26日(2005.1.26)
公開日 平成14年6月11日(2002.6.11)
発明の名称または考案の名称 座屈拘束ブレース及びその製造方法
国際特許分類 E04B  1/58      
F16F 15/02      
FI E04B 1/58 D
F16F 15/02 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 7
出願番号 特願2000-362850 (P2000-362850)
出願日 平成12年11月29日(2000.11.29)
審判番号 不服 2003-010528(P2003-010528/J1)
審査請求日 平成13年4月26日(2001.4.26)
審判請求日 平成15年6月10日(2003.6.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
発明者または考案者 【氏名】岩田 衛
個別代理人の代理人 【識別番号】100069073、【弁理士】、【氏名又は名称】大貫 和保
参考文献・文献 特開昭49-58634(JP,A)
特開2000-265706(JP,A)
実開平5-57110(JP,U)
実開昭63-101603(JP,U)
特許請求の範囲 【請求項1】
2つのコンクリートを入れた凹みを有する鋼4,4と、
この2つのコンクリートを入れた凹みを有する鋼4,4のコンクリート12が向き合う側間に挟まれ、長手方向両端に連結部8を持ち、アンボンド剤が付着のブレース芯材2と、
2つの凹みを有する鋼4,4の接合側を覆うように配され、該2つの凹みを有する鋼4,4を溶接して接続する接続プレート5とより成る座屈拘束ブレース。
【請求項2】
ブレース芯材2とコンクリート12間には、グラウト材16が配されたことを特徴とする請求項1記載の座屈拘束ブレース。
【請求項3】
コンクリートを入れた凹みを有する鋼4,4を2つ製造し、それからこの2つのコンクリート12を入れた凹みを有する鋼4,4のコンクリート12が向き合う側間に、長手方向両端に連結部8を持ち、アンボンド剤が付着のブレース芯材を挟みこむと共に、2つの凹みを有する鋼4,4の接合側を繋ぐ接続プレート5両側に配し、そして、接続プレート2つの凹みを有する鋼4,4を溶接することを特徴とする座屈拘束ブレースの製造方法。
【請求項4】
ブレース芯材2とコンクリート12間には、一様の厚さにするグラウト材16を配する工程を設けたことを特徴とする請求項記載の座屈拘束ブレースの製造方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、構造物の主要骨組の層間に組込まれ、大きな層間変形が生じたときに鋼板のブレース芯材が塑性変形することでエネルギーを吸収し、構造物の揺れを減少させる座屈拘束ブレースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼材をブレース芯材として用いる場合、圧縮荷重負担時の座屈を防止する必要から、ブレース芯材は両端部を除き実公平4-13121号に示すように、内在するコンクリート(モルタル)及びコンクリートを外包する鋼材により拘束される構成となっている。
【0003】
このような、座屈拘束ブレースは、鋼の筒状で体内にブレース芯材を一方端の開口部から挿入し、その両端から座屈拘束ブレースの両端部を出しながら、鋼性の筒状体内にコンクリートを注入せしめて、そして乾燥させて製造していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の座屈拘束ブレースは、内部に注入されるコンクリートが均一に内在しているものなのかの目視が出来ず、内部のコンクリートの品質の管理が出来ない欠点があった。
【0005】
そこで、この発明は、座屈拘束材たるコンクリートの品質の管理を可能とし、品質の向上を図ると共に、性能を向上させた座屈拘束ブレースの構造及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る座屈拘束ブレースは、2つのコンクリートを入れた凹みを有する鋼4,4と、この2つのコンクリートを入れた凹みを有する鋼4,4のコンクリート12が向き合う側間に挟まれ、長手方向両端に連結部8を持ち、アンボンド剤が付着のブレース芯材2と、2つの凹みを有する鋼4,4の接合側を覆うように配され、該2つの凹みを有する鋼4,4を溶接して接続する接続プレート5とより成ることにある(請求項1)。また、この発明に係る座屈拘束ブレースの製造方法は、コンクリートを入れた凹みを有する鋼4,4を2つ製造し、それからこの2つのコンクリート12を入れた凹みを有する鋼4,4のコンクリート12が向き合う側間に、長手方向両端に連結部8を持ち、アンボンド剤が付着のブレース芯材を挟みこむと共に、2つの凹みを有する鋼4,4の接合側を繋ぐ接続プレート5両側に配し、そして、接続プレート2つの凹みを有する鋼4,4を溶接することにある(請求項3)。
【0007】
したがって、拘束部材となる凹みを有する鋼4,4内へコンクリート12の挿入は、上面が開口しているためにきわめて容易であると共に、コンクリート品質目視にて確認でき、均一化を可能とする。それから、ブレース芯材の配置も、2つの凹みを有する鋼4,4間に挟んで設置するため、凹みを有する鋼4,4からの距離を正確に出すことができる。
【0008】
ブレース芯材2との間には、グラウト材16を配すること及びその工程を設けたことにある(請求項2,4)。これによって、ブレース芯材2とコンクリート間の不規則な初期不整がある場合にも修正可能で、一様な厚さに出来るものである。 即ち、コンクリート12とグラウト材16は一体化されて強度を増すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面にもとずいて説明する。
【0011】
図1乃至図3において、座屈拘束ブレース1が示され、該座屈拘束ブレース1は、鋼板から成るブレース芯材2と、このブレース芯材2を挟む2つのコンクリートを入れた凹みを有する鋼4と、この2つのコンクリートを入れた凹みを有する鋼4を溶接した2つの接続プレート5より構成されている。
【0012】
前記ブレース芯材2は、平板状の鋼板6より成り、その両端に連結部8,8を有しており、その連結部8,8はリブ7にて十字形に形成されている。この連結部8,8には、柱、梁のフレームに連結ボルト孔9が穿設されている。この連結部8,8は、従来の鋼管を用いるに比して、鋼管の径に制限を受けず、自由に設計が可能となる。即ち、リブ7の巾方向寸法や芯材の巾方向寸法が凹みを有する鋼4の巾よりも大きく出来る利点を持たせることができ、連結部8,8の強度の向上が図られる。また、ブレース芯材2の中程で両側に滑り止め突起14,14が突設され、下記する接続プレート5,5に形成の係合穴17,17に挿入されるもので、地震等の大きなエネルギーがかかった後にブレース芯材2のずれを目視し確認することができる。このようなブレース芯材2には、コンクリートやグラウト材に接着を防ぐ1~2m位のアンボンド剤10が塗布されている。
【0013】
前記凹みを有する鋼4は、1つの実施の形態として底面4aとその両端から立ち上る立面4b,4bとより成る細長い断面コ字状で、その両端に一対の当て金11,11を有しており、内部には、開口側からコンクリート12が詰められている。このコンクリート(モルタル)12は、固化前に打ち込まれているが、固化されたブロック状のものを入れても良いものである。なお、斜溝15は前記したブレース芯材2の連結部8のリブ7が挿入される逃げである。また、凹みを有する鋼4の開口側のコンクリート12の面の平坦度を出すために、グラウト材16が必要により付着される。
【0014】
前記接続プレート5は、鋼板で、図2にて明らかなように、凹みを有する鋼4,4の連結側を覆うように、その立面4b,4bに添着されており、接続プレート5の長手方向に添って凹みを有する鋼4,4の立面4b,4bに溶着されている。従って、この溶着により凹みを有する鋼4,4が一つの外殻となる拘束材が構成されている。尚、この例では、グラウト材16を用いているが、図9に示すように、グラウト材が無くても、下記する作用効果に影響を及ぼさない。
【0015】
次に、この座屈拘束ブレースの製造方法について、図4乃至図7等に添って説明する。
【0016】
まず、図4に示すように、凹みを有する鋼4,4を製造する。即ち底面4aの両端に立面4b,4bを折り曲げて形成すると共に、長手方向両端に、当て金11,11を溶着している。
【0017】
このような構造の凹みを有する鋼4,4内にコンクリート12を立面4b,4bの高さまで打ち込み固形化させる。そして、コンクリート12の表面が不均一の場合には、グラウト材16を付着させて均一化する。そして、その際、斜溝15を形成する。また、図6に示すような、ブレース芯材2を用意し、アンボンド剤を塗布する。
【0018】
その後、図3に示すように、まず下方の凹みを有する鋼4にブレース芯材2を載置する。そして、その上から反転した凹みを有する鋼4を載置して挟みこむ。この際に、上方の凹みを有する鋼4,4に再度付着させた固化前のグラウト材16をブレース芯材2の周囲にまわり込み一体化させる。そして、図示しないがジグにて固定する。さらに、図7に示すように接続プレート5,5を凹みを有する鋼4,4の接合側を覆うように配した後に、図1に示すように、接続プレート5,5と凹みを有する鋼4,4の立面4bとを溶接する。これにより、座屈拘束ブレース1が製造される。なお、グラウト材16は必要に用れば良く、図2に示す例では、グラウト材を用いた例が、図8に示す例ではグラウト材を用いない例である。
【0019】
なお、この実施の形態で用いられるコンクリートにスチールファイバーを混ぜたり、鉄筋を入れて強度を増加させることもできる。また、図9,図10に示すように、凹みを有する鋼4を前記実施のコ字形の溝形鋼の形態と異なり、半円形状にしたものでも良く、この場合には、円形状の座屈拘束ブレース1が製造することができる。そして、当て金11は前記実施の形態と異なり、一体の半円形とし、切り溝18が形成される。なお、その他の部分は、前記実施の形態と同一のため、同一の部分は同一番号を付して説明を省略した。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明が座屈拘束ブレースを2つの凹みを有する鋼を接続プレートにて溶着して構成されているから、凹みを有する鋼内のコンクリートの状態を製造前に目視でき、コンクリートの品質の管理が可能となり、均一の商品を提供できるものである。
【0021】
また、ブレース芯材を2つの凹みを有する鋼で挟んで製造するため、ブレース芯材の位置が正確に配置できる。さらに凹みを有する鋼内にコンクリートを入れる(詰める)作業は、一面が開口しているのでやりやすいし、また、乾式工法を用いることも可能とし、コンクリート系工場内での作業と鉄筋製作工場とに分けて作業が出来る利点を有している。
【0022】
グラウト材を用いることで、コンクリート表面の初期不整がある場合も修正が可能となるし、このグラウト材によるブレース芯材の位置の調整をも可能とするものである。また、ブレース芯材の中程両側に突起を有することから、地震等のエネルギーがかかった後に芯材のずれを目視し確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る座屈拘束ブレースの斜視図である。
【図2】同上の拡大横断面図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】凹みを有する鋼の斜視図である。
【図5】凹みを有する鋼内にコンクリートを入れた状態の斜視図である。
【図6】ブレース芯材の斜視図である。
【図7】ブレース芯材を2つの凹みを有する鋼にて挟んだ状態で、しかも接続プレートを添着した状態の斜視図である。
【図8】この発明の座屈拘束ブレースの他の実施の形態を示す拡大の横断面図である
【図9】この発明に係る円形状の座屈拘束ブレースを製造する半円形状の凹みを有する鋼の一部拡大斜視図である。
【図10】同上の拡大横断面図である。
【符号の説明】
1 座屈拘束ブレース
2 ブレース芯材
4 凹みを有する鋼(溝形鋼、半円形鋼)
5 接続プレート
8 連結部
11 あて金
12 コンクリート
14 突起
16 グラウト材
17 係合穴
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
8
【図10】
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